JP2016223494A - 複合容器の口金構造、および複合容器 - Google Patents

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【課題】 ガスの漏れを確実に抑制し得る複合容器の口金構造、および複合容器の提供。
【解決手段】 複合容器の口部に設けられる口金構造であって、口部の内側にインサート成形された金属製の内側環状部材と、口部の外側に外嵌された外側環状部材とを備え、内側環状部材は、口部の突出端面側で径方向外方に突出する第一対向鍔部を備え、外側環状部材は口部の軸心方向で第一対向鍔部に対向する第二対向鍔部を備え、第一対向鍔部が口部の突出端面に当接した状態で、第一対向鍔部および第二対向鍔部の間に弾性変形可能な第一環状シール部材が挟持される第一シール部を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、収容胴部とガスを収容胴部に充填する、あるいは収容胴部から取出すために設けた口部とが合成樹脂製により一体的に形成され、収容胴部の周囲にフィラメントワインディングが施された複合容器、およびその口部に設けられる口金構造に関する。
従来から、特許文献1に示すように、合成樹脂製の容器本体の外面が補強(フィラメントワインディングを施して補強)された複合容器が提案されている。特許文献1に記載の複合容器では、容器本体に、液化されたガスを容器本体内に充填あるいは容器本体から取出すための口部が形成されている。口部には、口金が設けられている。口金は、容器本体にインサート成形されている。
特開平08−303693号公報
しかしながら、上記特許文献1の複合容器において、口金は単に容器本体にインサート成形されているだけであるので、液化されたガスが容器本体内に充填されている状態では、容器本体と口金の接触部分からガスが気体として漏れ易いといった点が指摘される。
本発明は上記課題に鑑み、ガスの漏れを確実に抑制し得る複合容器の口金構造、および複合容器の提供を目的とする。
本発明は、収容胴部と液化されたガスを収容胴部に充填あるいは収容胴部から取出すよう収容胴部から突出して設けた筒状の口部とが合成樹脂製により一体的に形成されるとともに、収容胴部の周囲が補強された複合容器の、前記口部に設けられる口金構造であって、口部の内側にインサート成形された金属製の内側環状部材と、口部の外側に外嵌された外側環状部材とを備え、内側環状部材は、口部の突出端面側で径方向外方に突出する第一対向鍔部を備え、外側環状部材は口部の軸心方向で第一対向鍔部に対向する第二対向鍔部を備え、第一対向鍔部が口部の突出端面に当接した状態で、第一対向鍔部および第二対向鍔部の間に弾性変形可能な第一環状シール部材が挟持される第一シール部を備えたことを特徴としている。
上記構成では、収容胴部に充填されている液化されたガスが複合容器の口部と内側環状部材との接触部分を伝って漏れる場合には、ガスは、第一シール部において内側環状部材の第一対向鍔部、および外側環状部材の第二対向鍔部の間に口部の軸心方向で挟持される第一環状シール部材によってシールされる。
本発明の複合容器の口金構造では、外側環状部材は、収容胴部において口部の基端に連続する肩面に、口部の軸心方向で当接する当接部を備え、該当接部および肩面の間に弾性変形可能な第二環状シール部材が挟持される第二シール部を備えた構成を採用できる。
上記構成では、収容胴部に充填されている液化されたガスが複合容器の口部と内側環状部材との接触部分を伝って漏れる場合には、ガスは、第二シール部において収容胴部の肩面、および外側環状部材の当接部の間に口部の軸心方向で挟持される第二環状シール部材によってシールされる。
本発明の複合容器の口金構造では、外側環状部材はその当接部から外側に広がって、収容胴部の肩面に口部の軸心方向で当接する環状の裾部を備え、該裾部はフィラメントワインディングによって、肩面に圧接されてなる肩面シール部を備えた構成を採用できる。
上記構成のように、フィラメントワインディングによって、外側環状部材の裾部が収容胴部の肩面に圧接された肩面シール部により、シール性を向上させている。
本発明の複合容器の口金構造では、口部の外周面と外側環状部材の内周面との接触面に、テーパーシール部を備えた構成を採用できる。上記構成では、テーパーシール部によってガスがシールされる。
本発明の複合容器は、収容胴部と液化されたガスを収容胴部に充填あるいは収容胴部から取出すよう収容胴部から突出して設けた筒状の口部とが合成樹脂製により一体的に形成されており、収容胴部の周囲にフィラメントワインディングが施され、上記何れかに記載の口金構造を備えたことを特徴としている。
上記構成の複合容器によれば、収容胴部に充填されている液化されたガスが複合容器の口部と内側環状部材との接触部分を伝って漏れる場合には、ガスは、少なくとも何れか一つのシール部においてシールされる。
本発明の複合容器の口金構造によれば、複合容器の口部と内側環状部材との接触部分を伝ったガスを、内側環状部材の第一対向鍔部、および外側環状部材の第二対向鍔部の間に口部の軸心方向で挟持される第一環状シール部材によってシールすることで、ガス漏れを確実に抑制し得る。また、本発明の複合容器によれば、ガス漏れを確実に抑制し得る。
本発明の一実施形態に係る複合容器における、容器本体およびワインディングの断面図である。 同口金構造において外側環状部材を内側環状部材に締付ける前の断面図である。 同金構造において外側環状部材を内側環状部材に締付けた後の断面図である。 同金構造の外側環状部材の単体断面図である。 同金構造の外側環状部材の単体平面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る複合容器の口金構造を、図面に基づいて説明する。はじめに図1を参照しつつ複合容器1を説明する。この複合容器1は、液化されたガス(LPG)を充填するものである。複合容器1は、合成樹脂製の容器本体2と、容器本体2の収容胴部3の外周面に施された補強部材であるフィラメントワインディング(以下、単に「ワインディング」と称する)とを備える。
容器本体2は、収容胴部3と口部4とを備える。収容胴部3は液化された状態のガスを収容するものであり、口部4は収容胴部3にガスを充填し、あるいは収容胴部3からガスを取出す部分である。収容胴部3と口部4とは高密度ポリエチレンにより一体的に形成されている。容器本体2は、外装体(ケーシング)9に内装されている。
収容胴部3は、軸方向を長手方向とする円筒状部5と、円筒状部5の一端側(底側)を閉塞する一端側閉塞部6と、円筒状部5の他端側(天側)を閉塞する他端側閉塞部7とを一体に備えている。円筒状部5と一端側閉塞部6とを連続させる部分は円錐状に形成され、円筒状部5の他端側閉塞部7とを連続させる部分は円錐状に形成されている。
一端側閉塞部6の中心部には、位置決用突起8が形成されている。位置決用突起8は、容器本体2にワインディングを施す際に、容器本体2をその中心で支持させる部分である。他端側閉塞部7の中心部には、前記口部4が形成されている。口部4は、他端側閉塞部7から、収容胴部3の軸心方向Lに沿うよう突出して、筒状に形成されている。口部4の外周面の少なくとも一部(この場合、軸心方向L途中部分のみ)には、基端側(収容胴部3側)ほど順次拡大する口部テーパー面28が形成されている。
他端側閉塞部7のうち、口部4の基端に連続した近傍領域である肩部10は平板状に形成されており、肩部10の外面である肩面11は平坦面に形成されている。口部4の径方向内側には、金属製の内側環状部材12がインサート成形されている。内側環状部材12は、口金とも、ポート部材とも称される。なお、前記外装体9はインジェクション成形により形成されるため、ポリエチレン、ポリプロピレン等の、インジェクション成形に適する合成樹脂が用いられている。内側環状部材12には、銅、黄銅、ステンレス鋼、高張力鋼、構造用炭素鋼、アルミニウム等が用いられる。
本実施形態における複合容器1は、例えば液化されたガスの収容容量として、48リットル(20kg)、118リットル(50kg)に対応する大きさとされ、容器本体2の強度と、容器本体2をワインディングにより外装することとにより、基準とされる落下衝撃力、破裂圧力、繰り返し圧力、環境劣化性、損傷性、衝撃性、高温暴露性等に対して耐え得る。
複合容器1は、ガスシール性に優れた口金構造13を備えている。口金構造13は口部4に設けられている。すなわち、口金構造13は、前記内側環状部材12と、口部4の外側に外嵌された外側環状部材14と、外側環状部材14を口部4に固定させるための雄ねじ部材15と、シール部とを備えている。
内側環状部材12は、口部4の突出端面16側で径方向外方に突出する第一対向鍔部17を備えている。第一対向鍔部17は環状に形成され、口部4の突出端面16に外側から当接されている。第一対向鍔部17は、口部4の突出端面16よりもわずかに小径に形成されている。
内側環状部材12は、第一対向鍔部17に対し口部4の内周面側にあって、口部4の内周面に接触して固定される接触部18と、第一対向鍔部17に対し口部4から突出した突出部19とをさらに備えている。内側環状部材12に中心部には、図示しないバルブを装着するためのバルブ装着凹部20が穿設されている。接触部18はその奥側(収容胴部3内部の収容スペース側)に、口部4の基端側内周面とでラビリンス部Rを形成するために樹脂を進入させた樹脂進入部R1が形成されている。
外側環状部材14は、口部4の軸心方向Lで第一対向鍔部17に対向する第二対向鍔部21と、口部4の外側で口部4に嵌合する筒部22と、筒部22の端部にあって、収容胴部3において口部4側に連続する肩面11に、口部4の軸心方向Lで当接する当接部23と、当接部23から外側に広がって、収容胴部3の肩面11に口部4の軸心方向Lで当接する環状の裾部24とを一体的に備えている。
雄ねじ部材15は筒状に形成されており、口部4の基端側外周面に嵌着されている。筒部22における収容胴部3側の内周面には、雌ねじ部25が形成されている。外側環状部材14は、その雌ねじ部25を雄ねじ部材15に螺合することで、口部4に雄ねじ部材15を介して嵌着される。
第二対向鍔部21は、第一対向鍔部17に口部4の軸心方向Lで対向する部分であり、環状に形成されている。第二対向鍔部21の径方向内方には、前記バルブをバルブ装着凹部20に挿入可能とする開口21aが形成されている。第一対向鍔部17と第二対向鍔部21との間に、弾性変形可能な第一環状シール部材26であるOリングが配置され、第一環状シール部材26は、外側環状部材14が口部4に雄ねじ部材15を介して嵌着されることで、第一対向鍔部17と第二対向鍔部21とで、弾性変形した状態で挟持されている。なお、外側環状部材14の外周面の一部は切欠かれて、絞付用工具で掴むための掴み面22aが形成されている。
筒部22の内周面の少なくとも一部(この場合、軸心方向L途中部分のみ)には、収容胴部3側ほど順次拡大する筒部テーパー面27を備えている。この筒部テーパー面27の傾斜と、口部テーパー面28の傾斜とは異なる傾斜角度であり、筒部テーパー面27の傾斜角度のほうが、口部テーパー面28の傾斜角度よりもわずかに大きい(軸心方向Lに沿う方向に近い)。そして筒部テーパー面27と口部テーパー面28とが嵌着しあっている。
当接部23の下端面は平坦面であり、径方向内方に、弾性変形可能な第二環状シール部材29であるOリングを装着するための溝30が形成されている。そして、外側環状部材14が口部4に雄ねじ部材15を介して嵌着されることで、当接部23の下端面である平坦面が、肩部10の肩面11である平坦面に圧接し、第二環状シール部材29は、溝30の底面と肩面11とで、弾性変形した状態で挟持されている。なお、第一環状シール部材26および第二環状シール部材29は、ともにガスに対する耐久性に優れた合成ゴム製のものが用いられている。
外側環状部材14が雄ねじ部材15を介して口部4に嵌着された状態で、容器本体2の外面にワインディングが施されている。本実施形態では、ワインディングは三層からなる。但し、ワインディングは、少なくとも三層であり、設計強度に対し、四層以上、場合によっては数十層とすることも可能である。ワインディングは、内側(容器本体2側)、および最も外側のフープワインディング層31,32、フープワインディング層31,32の間のヘリカルワインディング層33を備えている。ワインディングは、肩面11にも施されていることから、裾部24の外面にも設けられ、裾部24を外側から肩面11へ圧接している。
すなわち本実施形態における複合容器1の口金構造13は、第一シール部S1と、第二シール部S2と、テーパーシール部S3と、肩面シール部S4の、四つのシール部を備えている。
第一シール部S1は、第一対向鍔部17が口部4の突出端面16に当接した状態で、第一対向鍔部17および第二対向鍔部21の間に弾性変形可能な第一環状シール部材26が挟持される構成である。第二シール部S2は、外側環状部材14の当接部23が、収容胴部3の肩面11に、口部4の軸心方向Lで当接した状態で、当接部23および肩面11の間に弾性変形可能な第二環状シール部材29が挟持される構成である。肩面シール部S4は、外側環状部材14の裾部24がワインディングによって、肩面11に圧接されてなる構成である。テーパーシール部S3は、筒部テーパー面27と口部テーパー面28とが嵌着する構成である。そして、これらシール部は、何れも、外側環状部材14を雄ねじ部材15に締付けることで、軸心方向Lでのシール性を向上させることのできる構成である。
本実施形態の口金構造13によれば、収容胴部3に充填されている液化されたガスが、口部4と内側環状部材12との接触部分(ラビリンス部R)を伝って漏れる場合には、ガスは、第一シール部S1において内側環状部材12の第一対向鍔部17、および外側環状部材14の第二対向鍔部21の間に口部4の軸心方向Lで挟持される第一環状シール部材26によってシールされる。
また、収容胴部3に充填されている液化されたガスが、口部4と内側環状部材12との接触部分を伝って漏れる場合には、ガスは、第二シール部S2において収容胴部3の肩面11、および外側環状部材14の当接部23の間に口部4の軸心方向Lで挟持される第二環状シール部材29によってシールされる。
さらに、筒部テーパー面27と口部テーパー面28とが嵌着するテーパーシール部S3によってもガスがシールされ、外側環状部材14の裾部24が、ワインディングによって肩面11に圧接されてなる肩面シール部S4でもガスのシールが期待できる。
なお、例えば口部4に口部テーパー面28を形成することなく、口部4を同一径として、筒部テーパー面27と嵌着させることもできる。しかしながら、筒部テーパー面27と口部テーパー面28とに所定の軸心方向Lでの長さを付与して両面が圧接される領域を確保することで、シール性を向上させることができる。
本実施形態では、ワインディングを施した容器本体2の耐圧強度を10Mpa以上とするために、ブロー成形した容器本体2(プラスティック製ライナー)の外側に、フープワインディング層31を0.3〜0.5mm、ヘリカルワインディング層33を1.0〜1.8mm、フープワインディング層32を0.8〜1.2mmとして、フィラメントワインディングを行っている。
上記実施形態では、外側環状部材14は金属製としたが、高密度ポリエチレン等の合成樹脂で形成することもできる。また、上記実施形態では、容器本体2を補強するためにその外面にワインディングを施した例を示した。しかしながら、例えば、編組のネットチューブによる補強、プリプレグテープによる巻き付け等により、容器本体2を補強することもできる。
1…複合容器、2…容器本体、3…収容胴部、4…口部、6…一端側閉塞部、7…他端側閉塞部、9…外装体、10…肩部、11…肩面、12…内側環状部材、13…口金構造、14…外側環状部材、15…雄ねじ部材、16…突出端面、17…第一対向鍔部、19…突出部、21…第二対向鍔部、21a…開口、22…筒部、23…当接部、24…裾部、25…雌ねじ部、26…第一環状シール部材、27…筒部テーパー面、28…口部テーパー面、29…第二環状シール部材、30…溝、31,32…フープワインディング層、33…フヘリカルワインディング層、S1…第一シール部、S2…第二シール部、S3…テーパーシール部、S4…肩面シール部

Claims (5)

  1. 収容胴部と液化されたガスを収容胴部に充填あるいは収容胴部から取出すよう収容胴部から突出して設けた筒状の口部とが合成樹脂製により一体的に形成されるとともに、収容胴部の周囲が補強された複合容器の、前記口部に設けられる口金構造であって、
    口部の内側にインサート成形された金属製の内側環状部材と、口部の外側に外嵌された外側環状部材とを備え、
    内側環状部材は、口部の突出端面側で径方向外方に突出する第一対向鍔部を備え、外側環状部材は口部の軸心方向で第一対向鍔部に対向する第二対向鍔部を備え、
    第一対向鍔部が口部の突出端面に当接した状態で、第一対向鍔部および第二対向鍔部の間に弾性変形可能な第一環状シール部材が挟持される第一シール部を備えていることを特徴とする複合容器の口金構造。
  2. 外側環状部材は、収容胴部において口部の基端に連続する肩面に、口部の軸心方向で当接する当接部を備え、該当接部および肩面の間に弾性変形可能な第二環状シール部材が挟持される第二シール部を備えている請求項1記載の複合容器の口金構造。
  3. 外側環状部材はその当接部から外側に広がって、収容胴部の肩面に口部の軸心方向で当接する環状の裾部を備え、該裾部はフィラメントワインディングによって、肩面に圧接されてなる肩面シール部を備えている請求項2記載の複合容器の口金構造。
  4. 口部の外周面と外側環状部材の内周面との接触面に、テーパーシール部を備えている請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の複合容器の口金構造。
  5. 収容胴部と液化されたガスを収容胴部に充填あるいは収容胴部から取出すよう収容胴部から突出して設けた筒状の口部とが合成樹脂製により一体的に形成されており、収容胴部の周囲にフィラメントワインディングが施され、請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の口金構造を備えた複合容器。
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