JP2013170682A - 圧力容器およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】Oリングの装着不具合を解消できる圧力容器を提供する。
【解決手段】圧力容器の口金部2の一部を容器本体の内部に向けて延出させて口金延出部22とし、この口金延出部22の外周側にリング状をなし弾性変形可能なシール補強部材3を配置する。そして、容器本体の内周面を覆うライナー部11を口金部2およびシール補強部材3と一体に成形し、ライナー部11の一部を口金延出部22の外周面220とシール補強部材3の内周面301との間に介在させる。Oリングを必要とせず、シール補強部材3によってライナー部11と口金部2(口金延出部22)とのシール性を確保できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体水素、CNG(圧縮天然ガス)等の各種圧縮ガス、LNG(液化天然ガス),LPG(液化石油ガス)等の各種液化ガス,その他の各種加圧物質を充填するための圧力容器、およびその製造方法に関する。
CNG等の各種加圧物質を充填するための圧力容器としては、一般に、中空状をなす容器本体に金属製の口金部を取り付け、さらに、口金部にバルブを取り付けたものが用いられている。一般には、容器本体の内周面は樹脂製のライナー部で構成され、ライナー部の外周部は高強度樹脂(FRPなど)製の補強部で構成される。口金部とライナー部との境界には、口金部とライナー部との間をシールするためのOリングを介在させるのが一般的である(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1、2に開示されているようにOリングによってライナー部と口金部との間をシールする場合、ライナー部を口金部およびOリングとは別体で成形し、口金部(またはライナー部)にOリングを装着した上で、口金部をライナー部に挿入する必要がある。
しかし、圧力容器をこのように製造する場合には、口金部を挿入する際に口金部がOリングを押して、Oリングが捻れたり座屈したりする不具合(Oリングの装着不具合と呼ぶ)が生じる可能性がある。Oリングの装着不具合が生じると、加圧物質のシール性に優れる圧力容器を得ることができず、圧力容器の製造ロスが生じる。
特開2009−121624号公報 特開2005−48919号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、Oリングの装着不具合を解消できる圧力容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の圧力容器は、開口を持つ中空の容器本体と、該開口の周縁を形成する口金部と、を有する圧力容器であって、前記容器本体の内周面は、樹脂製のライナー部で構成され、前記口金部は、筒状のボス部と、該ボス部に連続し該ボス部の外周端部から該ボス部の径方向外方に突出するフランジ部と、を持ち、該ボス部は、該フランジ部の底面よりもさらに該容器本体の内部に向けて延出する口金延出部を持ち、該口金延出部の径方向外側には、リング状をなし弾性変形可能なシール補強部材が配置され、該ライナー部は、該口金部および該シール補強部材と一体に成形され、該ライナー部の一部は、該フランジ部の底面を覆い、該口金延出部の外周面と該シール補強部材の内周面との間にも介在しているものである。
本発明の圧力容器は、以下の(1)〜(3)の何れかを備えるのが好ましく、複数を備えるのがより好ましい。
(1)前記シール補強部材は無端のリング状をなす。
(2)前記フランジ部の底面と該底面に対面する前記ライナー部の上面との間、および/または、前記口金延出部の外周面と前記ライナー部の内周面との間に介在するシール層を持ち、前記ライナー部は、該シール層、前記口金部および前記シール補強部材と一体に成形されている。
(3)前記シール補強部材は、前記口金延出部の延出方向に延び、前記ライナー部と面接触している。
上記課題を解決する本発明の圧力容器の製造方法は、上述した本発明の圧力容器を製造する方法であって、前記口金部および前記シール補強部材を載置した成形型で前記ライナー部を成形するインサート成形工程を備え、該インサート成形工程において、前記口金および前記シール補強部材を該成形型の型面に載置する際に、前記口金延出部の外周面と前記シール補強部材の内周面との少なくとも一部を離間させ、前記シール補強部材の外周面に対面する該成形型の型面と、前記シール補強部材の外周面と、を離間させつつ前記口金延出部の径方向外側に前記シール補強部材を配置し、前記ライナー部を成形するための成形材料を、前記口金部および前記シール補強部材を載置した該成形型内に射出するとともに、射出圧によって該シール補強部材を拡径方向に弾性変形させる方法である。
本発明の圧力容器の製造方法は、下記の(4)を備えるのが好ましい。
(4)前記インサート成形工程前に、前記口金部に前記シール層を塗装形成するシール層形成工程を備える。
本発明の圧力容器は、従来の圧力容器のように口金部とライナー部との間をOリングでシールするのではなく、口金部、ライナー部およびシール補強部材を一体に成形することによって、ライナー部の外側に一体化されているシール補強部材で、口金部とライナー部との間を外側から押さえ込む。このため、予め成形したライナー部に口金部およびOリングを挿入する従来の圧力容器とは異なり、シール補強部材および口金部をライナー部に挿入する必要はない。したがって、本発明の圧力容器によると、Oリングを必要とせず、Oリングの装着不具合も発生しない。よって、本発明の圧力容器によると、ライナー部、シール補強部材および口金部を正しい位置かつ正しい形状で互いに容易に取り付けることができ、ライナー部と口金部とのシール性が向上する。
上記(1)を備える本発明の圧力容器においては、シール補強部材が変形し難いため、ライナー部と口金部とのシール性がより向上する。
上記(2)を備える本発明の圧力容器は、フランジ部の底面とこの底面に対面するライナー部の上面との間、および/または、口金延出部の外周面とライナー部の内周面との間をシール層によってシールできる。このため、上記(2)を備える本発明の圧力容器によると、ライナー部と口金部とのシール性がさらに向上する。
ところで、例えば圧力容器に液体水素を充填する場合等、圧力容器内部から外部に向けた加圧物質の漏出量を最低限抑制する必要がある場合がある。このときライナー部が加圧物質を遮断できなければ、ライナー部を透過した加圧物質がライナー部と口金部との間に進入し、圧力容器の外部に漏出する可能性がある。
例えば一般的なOリングによってライナー部と口金延出部との隙間をシールする場合、この隙間は線状にシールされる。この場合、Oリングはライナー部の内周面と口金延出部の外周面の間に挟持されて、加圧物質をシールする。このため、三者(すなわち、Oリング、ライナー部および口金延出部)の表面は各々充分に平滑である必要がある。このため、特に樹脂製であるライナー部の内周面の状態を考慮して、Oリングの位置設定をする必要がある。さらに、ライナー部は樹脂製であるため、補強を考慮する必要もある。
これに対して、上記(3)を備える本発明の圧力容器においては、シール補強部材が口金延出部の延出方向(つまり口金延出部の軸方向)に延びている。このためライナー部と口金延出部は、シール補強部材の軸方向長さ分だけ面シールする。したがって、ライナー部、口金延出部および口金延出部の外周面に形成されたシール層は、シール補強部により強固に圧縮されて、ライナー部と口金延出部との間に隙間が形成され難い。このため、口金部とライナー部との境界部分に沿った圧力容器内外部への加圧物質の漏出を抑制できる。よって、上記(3)を備える本発明の圧力容器は、ライナー部と口金部とのシール性に優れるとともに種々の加圧物質に対応できる。
本発明の圧力容器の製造方法は、口金部およびシール補強部材を載置した成形型でライナー部をインサート成形する工程(インサート成形工程)において、射出圧によってシール補強部材を拡径方向に弾性変形させる。弾性変形したシール補強部材はもとの形状に戻ろうとするため、ライナー部を口金部に向けて押圧する。よって、本発明の圧力容器の製造方法によると、口金部とライナー部とのシール性に優れた本発明の圧力容器を容易に製造できる。また、上述したようにOリングおよび口金部をライナー部に挿入する工程を必要としないため、Oリングの装着不具合が生じない。さらに、シール補強部材による締め付け力を信頼性高く発生させることができる。このため、本発明の製造方法によると、口金部とライナー部とのシール性に優れる圧力容器を容易に製造できる。
上記(4)を備える本発明の製造方法によると、シール層によってライナー部と口金部とのシール性を向上させるとともに、シール層を口金部に塗装形成することでシール層を口金部によって補強でき、ライナー部を成形する際におけるシール層の変形を抑制できる。このため、口金部とライナー部とのシール性に優れる圧力容器を容易に製造できる。なお、本発明の圧力容器におけるシール層としては、ライナー部と別体で成形したものを用いても良い。この場合には、予め成形したシール層を加硫接着等の方法で口金部に一体化したものをインサートとして、ライナー部をインサート成形しても良い。或いは、シール層の材料や形状を適宜選択することでシール層の剛性を高め、口金部、シール補強部材およびシール層をインサートとしてライナー部をインサート成形しても良い。
以下、図面を基に本発明の圧力容器およびその製造方法を説明する。
実施例1の圧力容器を軸方向に切断した様子を模式的に表す断面図である。 図1の要部拡大図である。 実施例1の圧力容器における口金部、シール補強部材およびシール層を軸方向に切断した様子を模式的に表す断面図である。 実施例1の圧力容器の製造方法におけるインサート成形工程を模式的に表す説明図である。 実施例1の圧力容器の製造方法におけるインサート成形工程を模式的に表す説明図である。 実施例1の圧力容器の製造方法におけるインサート成形工程を模式的に表す説明図である。 実施例1の圧力容器の製造方法におけるインサート成形工程を模式的に表す説明図である。 実施例1の圧力容器の製造方法におけるインサート成形工程を模式的に表す説明図である。 実施例1の圧力容器の製造方法におけるインサート成形工程を模式的に表す説明図である。
以下、具体例を挙げて本発明の圧力容器を説明する。
(実施例1)
実施例1の圧力容器は、自動車用の燃料タンクであり、上記(1)〜(3)を備える。実施例1の圧力容器の製造法は上記(4)を備える。実施例1の圧力容器を模式的に表す断面図を図1〜3に示し、実施例1の圧力容器の製造方法を模式的に表す説明図を図4〜9に示す。詳しくは、図1は実施例1の圧力容器を軸方向に切断した様子を模式的に表す断面図である。図2は図1の要部拡大図であり、より詳しくは、図2は図1に示す圧力容器の口金部、シール補強部材、シール層、および、これらの近傍に位置するライナー部および補強部を表す。図3は、実施例1の圧力容器における口金部、シール補強部材およびシール層を軸方向に切断した様子を模式的に表す断面図である。図4は実施例1の圧力容器の製造方法におけるインサート成形工程を模式的に表し、より詳しくは、インサート成形工程で用いた成形型、および、成形型内の口金部、シール補強部およびシール層を模式的に表す。図5は図4に示す成形型内に成形材料を射出している様子を表す。図6はシール補強部材に射出圧が作用している様子を表す。図7は射出圧によりシール補強部材が変形している様子を表す。図8、図9は成形材料を射出した後のシール補強部材を表す。以下、実施例1において、上、下とは図1に示す上、下を指す。軸方向とは図1に示す上下方向と同じ方向である。
実施例1の圧力容器は、容器本体1、口金部2、シール補強部材3およびシール層4を持つ。容器本体1は、軸方向(図1中上下方向)の2端が開口するとともに縮径した筒状(中空状)をなす。容器本体1は、補強部10とライナー部11とを持つ。ライナー部11は、ガスバリア性に優れるEVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂)からなる。補強部10は、カーボン繊維とエポキシ樹脂とを含むFRPからなり、ライナー部11の外周に巻回形成されている。すなわちライナー部11は、補強部10の内周面を覆っている。
容器本体1の軸方向の2端部には、それぞれ開口部15が形成されている。2つの開口部15には、それぞれ、口金部2が一体化されている。口金部2は、金属製であり、ボス部20とフランジ部21とを持つ。ボス部20は筒状をなす。ボス部20の内周面のなかで、容器本体1における軸方向外部側(図1中上側)の部分には、図略のネジ溝が形成されている。フランジ部21は、ボス部20の外周面のなかで軸方向内部側の部分から、外周方向に突出している。実施例1の圧力容器において、フランジ部21は、ボス部20の外周全周に連続する環状をなす。ボス部20の下側部分である口金延出部22は、フランジ部21よりもさらに下側にまで延出している。一方の口金部2(図1中上側の口金部)には、図略のバルブが脱着可能に取り付けられる。他方の口金部2(図2中下側の口金部)は、図略の栓部材によって封止されている。
ライナー部11は口金部2に一体成形されている。ライナー部11は、フランジ底シール部110と、フランジ上面シール部111と、ボスシール部112と、一般部113と、からなる。図2に示すように、フランジ底シール部110は、フランジ部21の底面210を覆う。フランジ上面シール部111は、フランジ部21の上面211(フランジ部21のなかで軸方向外部側の面、図1中上側の面)の一部を覆う。ボスシール部112は、口金延出部22の外周面220を覆う。一般部113は、その他の部分である。
口金延出部22の外周面220およびフランジ部21の底面210には、シール層4が塗装形成されている。シール層4の材料としてはシリコーン系の塗料(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、TSR180)を用いた。このシール層4は膜厚80μm程度である。
口金延出部22およびシール層4の径方向外側(つまり外周側)には、無端のリング状をなすシール補強部材3が配置されている。詳しくは、図3に示すように、シール補強部材3は、軸方向に延びる無端のリング状(短筒状)をなす補強本体部30と、無端のリング状をなし補強本体部30の下側に一体化されている補強脚部31とを持ち、口金延出部22に外装されている。補強本体部30および補強脚部31の内径は同じであり、補強脚部31の外径は補強本体部30の外径よりも大きい。つまり、シール補強部材3は、断面L字状をなす。実施例1の圧力容器において、シール補強部材3の軸方向長さは、口金延出部22の軸方向長さの3/4以上であり、口金延出部22の軸方向長さよりもやや短い。
シール補強部材3は、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS 316L)製である。SUS316Lは殆ど水素脆化しないことが知られており、液体水素を加圧物質とする圧力容器の材料として好ましく用いられる。なお、SUS 316LはJIS規格による名称であり、ASTM規格による316Lと略同じものである。
図2に示すように、ライナー部11の一部であるボスシール部112は、シール補強部材3の外周面300、シール補強部材3の内周面301、およびシール層4の外周面400に一体化されている。ボスシール部112のなかでシール補強部材3の径方向外側(外周側)に位置する部分を外ボスシール部115と呼ぶ。また、ボスシール部112のなかでシール補強部材3の径方向内側(内周側)に位置する部分を内ボスシール部116と呼ぶ。
実施例1の圧力容器は以下のように製造する。
先ず、口金部2におけるフランジ部21の底面210と、口金延出部22の外周面220とにシール層4の材料であるシリコーン系塗料を塗布し、130℃で2.5時間加熱することで、シール層4を塗装形成する。
成形型5の型面にシール補強部材3を載置する。次いで、図3に示すように、シール層4が形成された口金部2の口金延出部22をシール補強部材3の内側に差し込む。したがって成形型5の型面には、図4に示すように、シール層4、口金部2およびシール補強部材3の一体品が載置される。成形型5のなかでシール補強部材3に対面する型面50はテーパ形状をなす。このため、図6に示すように、シール補強部材3の外周面300のなかで補強脚部31の下端に位置する部分は型面50に当接し、シール層4、口金部2およびシール補強部材3が成形型5内に位置決めされる。なお、このとき、シール補強部材3の外周面300の大部分は、型面50と離間している。また、このとき、シール補強部材3の内周面301は、シール層4の外周面400および口金延出部22の外周面220と離間している。
図5に示すように、シール層4、口金部2およびシール補強部材3が載置された成形型5に溶融または軟化したEVOH(以下、単に溶融樹脂と呼ぶ)を射出して、ライナー部11を成形する。このとき、溶融樹脂は成形型5のゲート51から成形型5内に形成されているキャビティ500に充填される。
ところで、図6に示すように、シール補強部材3の内周面301と、口金延出部22の外周面220(実施例1においては、外周面220に形成されているシール層4の外周面400)とは離間している。このため溶融樹脂は、シール補強部材3の内周面301とシール層4の外周面400との隙間に優先して充填される。この隙間に充填された溶融樹脂は、図7に示すように、シール補強部材3を径方向外側に押圧する。上述したように、シール補強部材3の外周面300の大部分と、成形型5の型面50とは離間している。したがってシール補強部材3は、この隙間分だけ拡径可能である。また、シール補強部材3は弾性変形可能である。このため、口金部2とシール補強部材3との間に進入した溶融樹脂による押圧力、つまりインサート成形時の射出圧により、シール補強部材3は弾性的に拡径する。
図8に示すように、射出後、シール補強部材3に作用していた射出圧が低下すると、シール補強部材3は自身の弾性により、元の形状に戻ろうとする。つまりシール補強部材3は縮径しようとする。このためシール補強部材3は、図7および図8に示すように、内ボスシール部116、シール層4および口金延出部22を径方向内方に向けて押圧する。このため内ボスシール部116と口金延出部22とはシール性高くシールされる。さらに、成形後にライナー部11が樹脂収縮すると、内ボスシール部116が縮径して口金延出部22に圧接する。このことによっても、内ボスシール部116と口金延出部22とはシール性高くシールされる。同様に、外ボスシール部115が縮径してシール補強部材3、内ボスシール部116およびシール層4を口金延出部22に押圧する。このことによっても、内ボスシール部116と口金延出部22とはシール性高くシールされる。
シール補強部材3は、口金延出部22の軸方向に延びる短筒状をなす。このため、シール補強部材3による押圧力は、シール補強部材3の軸方向に連続して作用する。このため内ボスシール部116と口金延出部22とは周方向だけでなく軸方向にも接触する。つまり、内ボスシール部116と口金延出部22とは、シール補強部材3の軸方向長さ分だけ面接触し、互いに面シールする。このため実施例1の圧力容器においては、シール補強部材3の軸方向にわたって、ライナー部11と口金延出部22との間に隙間が形成され難い。つまり実施例1の圧力容器は、液体水素等を充填するための圧力容器としても好適に使用できる。
なお、実施例の圧力容器において、ボスシール部112は内ボスシール部116と外ボスシール部115とで構成されているが、成形型5の型面50とシール補強部材3の外周面300との相対位置によっては、外ボスシール部115を持たない場合もある。
内ボスシール部116の肉厚は、キャビティ500のなかで内ボスシール部116を形成する領域の厚さに応じて決定される。この領域の厚さは、シール補強部材3の内周面301と口金延出部22の外周面220との距離(口金部2の外周面にシール層4を形成する場合には、シール層4の外周面400との距離)と一致する。この距離は、インサート成形工程においてシール補強部材3を径方向外方に向けて弾性変形させ得るだけの溶融樹脂を充填可能な距離であれば良く、射出圧や溶融樹脂の流動性、内ボスシール部116の軸方向長さ等に応じて適宜設定できる。好ましくは、シール補強部材3の内周面と口金部2の外周面との距離は1mm以上であるのが良く、内ボスシール部116の肉厚もまた1mm以上であるのが良い。
シール補強部材3は弾性変形可能な材料からなれば良くその材料は特に限定しないが、縮径方向の締め付け力を十分に大きくすることを考慮すると、高剛性であるのが好ましく、例えばステンレス鋼等の金属からなるのが好ましい。シール補強部材3は単なるリング状であっても良いし、軸方向に長さをもつ形状(つまり筒状)であっても良く、その軸方向長さは特に問わないが、筒状であるのが好ましい。シール補強部材3の軸方向長さは、口金延出部22の軸方向長さの1/2以上であるのが良く、3/4以上であるのがより好ましい。また、シール補強部材3の形状は実施例1の形状に限らず、例えばシール補強部材3を補強本体部30のみで構成しても良い。
シール層4は口金部2およびライナー部11の密着性(シール性)を十分に保つことができれば良く、その材料や膜厚等は特に限定しないが、シリコーン(シリコン樹脂)、ワニス等が好ましく用いられる。シール層4の膜厚は40〜120μm程度であるのが好ましい。
実施例1の圧力容器におけるライナー部11はEVOHからなるが、本発明の圧力容器におけるライナー部11の材料は、充填すべき加圧物質に応じて適宜選択すればよい。例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリエチレン、ナイロン等がライナー部11の材料として好ましく用いられる。
実施例1の圧力容器における補強部10は、カーボン繊維とエポキシ樹脂とを含むFRPからなるが、カーボン繊維にかえてガラス繊維やアラミド繊維等を用いても良い。
実施例1の圧力容器におけるボスシール部112は、口金延出部22の外周面220の軸方向全体を覆っているが、軸方向の一部を覆うだけでも良い。つまり、口金延出部22の一部がボスシール部112よりも下側にまで延出していても良い。あるいは、ボスシール部112がさらに口金延出部22の底面221(軸方向端面、図1中下側の端面)を覆っても良い。
本発明の圧力容器は、例えば水素ガス、CNG、LNG、LPG等の各種液化ガスを充填するための圧力容器として好ましく使用できる。車載用の圧力容器として特に好ましく使用できる。
1:容器本体 2:口金部 3:シール補強部材
4:シール層 5:成形型 10:補強部
11:ライナー部 15:開口部 20:ボス部
21:フランジ部 22:口金延出部

Claims (6)

  1. 開口を持つ中空の容器本体と、該開口の周縁を形成する口金部と、を有する圧力容器であって、
    前記容器本体の内周面は、樹脂製のライナー部で構成され、
    前記口金部は、筒状のボス部と、該ボス部に連続し該ボス部の外周端部から該ボス部の径方向外方に突出するフランジ部と、を持ち、
    該ボス部は、該フランジ部の底面よりもさらに該容器本体の内部に向けて延出する口金延出部を持ち、
    該口金延出部の径方向外側には、リング状をなし弾性変形可能なシール補強部材が配置され、
    該ライナー部は、該口金部および該シール補強部材と一体に成形され、
    該ライナー部の一部は、該フランジ部の底面を覆い、該口金延出部の外周面と該シール補強部材の内周面との間にも介在している圧力容器。
  2. 前記シール補強部材は無端のリング状をなす請求項1に記載の圧力容器。
  3. 前記フランジ部の底面と該底面に対面する前記ライナー部の上面との間、および/または、前記口金延出部の外周面と前記ライナー部の内周面との間に介在するシール層を持ち、
    前記ライナー部は、該シール層、前記口金部および前記シール補強部材と一体に成形されている請求項1または請求項2に記載の圧力容器。
  4. 前記シール補強部材は、前記口金延出部の延出方向に延び、前記ライナー部と面接触している請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の圧力容器。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の圧力容器を製造する方法であって、
    前記口金部および前記シール補強部材を載置した成形型で前記ライナー部を成形するインサート成形工程を備え、
    該インサート成形工程において、
    前記口金および前記シール補強部材を該成形型の型面に載置する際に、前記口金延出部の外周面と前記シール補強部材の内周面との少なくとも一部を離間させ、
    前記シール補強部材の外周面に対面する該成形型の型面と、前記シール補強部材の外周面と、を離間させつつ前記口金延出部の径方向外側に前記シール補強部材を配置し、
    前記ライナー部を成形するための成形材料を、前記口金部および前記補強部を載置した該成形型内に射出するとともに、射出圧によって該シール補強部材を拡径方向に弾性変形させる圧力容器の製造方法。
  6. 前記インサート成形工程前に、前記口金部に前記シール層を塗装形成するシール層形成工程を備える請求項5に記載の圧力容器の製造方法。
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