JP2016222495A - 光ファイバ母材用ダミー棒、そのダミー棒を使用した光ファイバ母材の延伸方法および光ファイバ素線の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
光ファイバ母材は、脱水、焼結の過程で、長さが短く、太さが太くなることが知られている。長さが短く、太さが太くなった光ファイバ母材は、必要に応じて溶融延伸され、その後の工程に応じた所望の寸法となるように寸法調整される。
光ファイバ母材を溶融延伸する際には、光ファイバ母材を把持するために片端もしくは両端に石英ガラス(シリカガラス)製のダミー棒(把持部)を溶着した後、加熱炉によって光ファイバ母材を加熱し軟化させる。
例えば、光ファイバ母材を回転させながら加熱溶融させる場合、光ファイバ母材回転時の光ファイバ母材の振れを低減させるために、光ファイバ母材の中心軸と回転軸とが同軸となるように母材回転装置を用いることがある。母材回転装置はダミー棒の端部を覆うように取り付けられるため、ダミー棒の端部の温度が上昇すると、母材回転装置が高温となり焼損するおそれがある。
加熱炉1は、内部にリングヒータ(炉内ヒータ)6を備えている。光ファイバ母材10は、リングヒータ6により加熱溶融され、その下端から光ファイバ裸線30が線引き(紡糸)される。
光ファイバ母材10およびダミー棒120は、大気をクラッドとする光閉じ込め構造を有するため、光ファイバ母材10およびダミー棒120の内部を伝搬する輻射熱C2の大部分は、ダミー棒120にまで伝搬する。そのため、ダミー棒120の端部が高温化し、治具2および母材回転装置3に悪影響が及ぶという問題が生じていた。
前記光ファイバ母材を加熱するための加熱炉の母材挿入用の開口部の外端から、炉内ヒータの中央までの長さをLとした時、前記ダミー棒の長さはL以上であることが好ましい。
前記光ファイバ母材用ダミー棒は中空管状のダミー管であってよい。前記ダミー管の端部には、前記ダミー管の内部を加圧もしくは真空引きするための治具を接続することができる。
前記光ファイバ母材用ダミー棒の端部には、前記光ファイバ母材を回転させるための母材回転装置を取り付けることができる。
前記光ファイバ母材用ダミー棒は中空管状のダミー管であってよい。前記ダミー管の端部には、前記ダミー管の内部を加圧もしくは真空引きするための治具を接続することができる。
従って、ダミー棒の端部に母材回転装置、加圧または真空引きのための治具などを取り付けた場合に、それらが高温となって焼損するなどの問題を解消することができる。
光ファイバ母材10の上端には、ダミー棒20が溶着により同軸に接合されており、ダミー棒20の上端部に、治具2および母材回転装置3が設けられている。
光ファイバ母材10の内部を伝搬する輻射熱C2の大部分はダミー棒20にまで伝搬する。
ダミー棒20の外周表面の算術平均表面粗さRaは10μm以下(例えば0.6μm以下)とすることができる。
なお、加熱炉1のヒートゾーンの中央とは、光ファイバ母材10の移動方向(図1の上下方向)についてのリングヒータ6の中央である。
これによって、光ファイバ母材10内の加圧もしくは減圧が可能となる。そのため、例えばホールアシステッドファイバ(Hole assisted fiber)のように光ファイバ母材10の内部に空孔部を残す場合に、光ファイバ母材10の内部を加圧しながら光ファイバ母材10を加熱溶融させることができる。
従って、ダミー棒20の端部の温度上昇を抑制することが可能になり、ダミー棒20の端部に取り付けた母材回転装置3、治具2、加圧または減圧のための治具などが焼損する問題を解消することができる。
なお、以下の説明においては、図1における既出の構成については同じ符号を付してその説明を省略する場合がある。
他方のダミー棒20(20B)の長さLR2は、加熱炉1の下端(母材挿入用の下部開口部5Bの下端)(外端)から加熱炉1のヒートゾーンの中央(リングヒータ6の中央)までの長さL2以上の長さに設定するのが好ましい。
なお、加熱炉1のヒートゾーンの中央とは、光ファイバ母材110の移動方向(図2の上下方向)についてのリングヒータ6の中央である。
そのため、光ファイバ母材110を下方移動させる過程で、光ファイバ母材110の全長にわたって十分な加熱が可能である。
これによって、光ファイバ母材110内の加圧もしくは減圧(例えば真空引き)が可能となる。そのため、例えば光ファイバ母材110の製造方法としてロッドインシリンダ(Rod in Cylinder)法を採用する場合に、光ファイバ母材10の内部を真空引きしながら光ファイバ母材10を加熱溶融させることができる。
従って、ダミー棒20(20A,20B)の端部の温度上昇を抑制することが可能になり、母材回転装置3、治具2、加圧または真空引きのための治具などが焼損する問題を解消することができる。
ダミーロッドの外周表面を砥石#800で研削した後の算術平均表面粗さRaを測定したところ、算術平均表面粗さRaは0.204μmであった。
このダミーロッドを長さ300mmに切断した後、光ファイバ母材の端部に溶着した。このダミーロッドの端部に、光ファイバ母材を回転させるための母材回転装置を取り付けた後、光ファイバ母材を紡糸用加熱炉に挿入して紡糸を行った。
ダミーロッドの長さを650mmとしたこと以外は実施例1と同様にして紡糸を行った。ダミーロッドの外周表面の算術平均表面粗さRaは実施例1におけるダミーロッドの外周表面の算術平均表面粗さRaと同じである。
加熱炉内の温度が定常状態になって1時間経過後に、ダミーロッドの端部に取り付けられた母材回転装置の温度を測定したところ、約50℃となっていた。そのまま24時間紡糸を継続したが、母材回転装置の温度は約50℃を維持していた。
ダミーロッドの外周表面を砥石#600で研削した後の算術平均表面粗さRaを測定したところ、このダミーロッドのRaは0.545μmであった。
このダミーロッドを長さ300mmに切断した後、光ファイバ母材に溶着した。このダミーロッドの端部に、光ファイバ母材を回転させるための母材回転装置を取り付けた後、光ファイバ母材を紡糸用加熱炉に挿入して紡糸を行った。
ダミーロッドの外周表面を砥石#600で研削した後にバフ研磨し、算術平均表面粗さRaを測定したところ、このダミーロッドのRaは0.003μmであった。
このダミーロッドを長さ300mmに切断した後、光ファイバ母材に溶着した。このダミーロッドの端部に、光ファイバ母材を回転させるための母材回転装置を取り付けた後、光ファイバ母材を紡糸用加熱炉に挿入して、紡糸を行った。
Claims (7)
- 石英ガラス系の光ファイバ母材を把持するために前記光ファイバ母材の端部に接合される石英ガラス製のダミー棒であって、外周表面の算術平均表面粗さRaが0.2μm以上であることを特徴とする光ファイバ母材用ダミー棒。
- 前記光ファイバ母材を加熱するための加熱炉の母材挿入用の開口部の外端から、炉内ヒータの中央までの長さをLとした時、前記ダミー棒の長さはL以上であること特徴とする請求項1に記載の光ファイバ母材用ダミー棒。
- 請求項1または2に記載の光ファイバ母材用ダミー棒を前記光ファイバ母材の端部に接合した前記光ファイバ母材を加熱しつつ、前記光ファイバ母材用ダミー棒により引張力を加えて前記光ファイバ母材を延伸することを特徴とする光ファイバ母材の延伸方法。
- 前記光ファイバ母材用ダミー棒が中空管状のダミー管であり、
前記ダミー管の端部に、前記ダミー管の内部を加圧もしくは真空引きするための治具を接続することを特徴とする請求項3に記載の光ファイバ母材の延伸方法。 - 請求項1または2に記載の光ファイバ母材用ダミー棒を前記光ファイバ母材の端部に接合した前記光ファイバ母材を加熱しつつ、線引きを行うことを特徴とする光ファイバ素線の製造方法。
- 前記光ファイバ母材用ダミー棒の端部に、前記光ファイバ母材を回転させるための母材回転装置を取り付けることを特徴とする請求項5に記載の光ファイバ素線の製造方法。
- 前記光ファイバ母材用ダミー棒が中空管状のダミー管であり、
前記ダミー管の端部に、前記ダミー管の内部を加圧もしくは真空引きするための治具を接続することを特徴とする請求項5に記載の光ファイバ素線の製造方法。
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WO2006075461A1 (ja) * | 2005-01-14 | 2006-07-20 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | 光ファイバの線引き方法 |
JP2013159549A (ja) * | 2012-02-09 | 2013-08-19 | Shin-Etsu Chemical Co Ltd | 光ファイバ母材の延伸方法 |
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