JP2013119508A - ダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法、および、ダミー棒の製造方法 - Google Patents

ダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法、および、ダミー棒の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接続端部を凸型に成型する加工に多大な時間を要することなく、接続部に気泡が生じず、その気泡を起点とし、接続部に亀裂や割れ等の不具合が発生しない、ダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法、および、ダミー棒の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法は、ダミー棒11と光ファイバ母材10を同軸状に接続する工程において、ダミー棒11または光ファイバ母材10のいずれか一方の中心軸に垂直な平面と、前記いずれか一方の端部の切断後の断面とのなす角度θが、0<tanθを満たすように、前記いずれか一方の端部を切断する工程と、切断した断面を含む、ダミー棒11と光ファイバ母材10の相対する端部同士を熱により溶融する工程と、溶融したダミー棒11と光ファイバ母材10の端部同士を互いに突き合わせて融着する工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバ母材の製造に際し、光ファイバ母材とダミー棒、または、ダミー棒同士の端部を加熱溶融し、両者を溶着接続することにより、ダミー棒が接続された光ファイバ母材、または、ダミー棒を製造する方法に関する。
光ファイバの製造は、光ファイバ母材を線引きすることにより行う。そして、この光ファイバ母材の製造は、最初に、VAD法やCVD法等で酸化ケイ素微粒子からなる堆積体を製造し、この堆積体を脱水、焼結して透明ガラス化することにより行う。また、光ファイバ母材の製造後、延伸工程を行う場合もあり、光ファイバ母材を必要に応じて、加工の便宜のため複数に切断し、切断された光ファイバ母材を軸周りに回転させながら、さらに酸化ケイ素微粒子を堆積する外付け工程の後、脱水、焼結を行ない、より大型な光ファイバ母材を得る場合もある。
上記光ファイバの製造に際しては、光ファイバ母材支持用にダミー棒を用いる。ダミー棒(通常は石英ガラス棒である)は、光ファイバ母材に接続する必要がある。例えば、上記外付け工程では、光ファイバ母材の両端にダミー棒を接続し、そのダミー棒をチャックでガラス旋盤に把持し、光ファイバ母材を回転させながら、また、少なくとも1本の堆積バーナを軸(矢印)方向にトラバース(往復動)させながら、酸化ケイ素微粒子を堆積する。また、脱水、焼結工程も、光ファイバ母材の両端にダミー棒を接続して行われる。光ファイバ母材の一端のみにダミー棒を接続する場合もある。また、ダミー棒をチャックでガラス旋盤に把持し、光ファイバ母材に加工が施される場合もある。さらに、その後、ガラス旋盤を用いて光ファイバ母材の曲がりを修正したり、所定の外径や長さへの加熱延伸加工、光ファイバ母材表面の凹凸や傷、不純物等の除去を行ったりする火炎研磨処理等の加工が行われる場合もある。ダミー棒と光ファイバ母材を接続するには、両者の端部を加熱溶融した後、端部同士を押し付けて融着を行う。
近年、光ファイバ製造の効率化の要求による光ファイバ母材の大型化に伴い、光ファイバ母材の直径、および、そこに接続されるダミー棒の直径が大きくなる傾向にある。直径が大きくなると、熱の伝わり度合いが不均一となる。そのため、両者の端部の加熱の際、加熱用の酸水素バーナ33で光ファイバ母材30とダミー棒31の端部を加熱すると、接続端面の中心部と、周縁部とでは、熱源である酸水素バーナ33からの熱の伝達の度合いが異なり、接続端面の中心部よりも周縁部がより加熱される事態が生じる(図3(a)参照)。
そのため、光ファイバ母材30の周縁部が中心部よりも早く軟化しはじめ、表面張力によって周縁部が環状に盛り上がり、母材の中心部にへこみができる(図3(b)参照)。この周縁部の盛り上がりは、中心部のへこみに対して1mm程度の高さになることもあり、接続時に、このへこみの部分に空気が閉じ込められ、光ファイバ母材30とダミー棒31の接続部に気泡34として残留する現象が生じていた(図3(c)参照)。そして、この気泡34を起点として、光ファイバ母材30とダミー棒31の接続部に亀裂や割れ等の不具合が発生し、光ファイバ母材30が落下し破損することがあるという問題があった。
上記の接続部の気泡の残留に起因する問題を解決するために、光ファイバ母材とダミー棒を溶着する際に、接続端部を凸型に機械成型した後、加熱溶融して両者を接続する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、加熱溶融する際に、光ファイバ母材とダミー棒の端面の間隔を制御し、周縁部が環状に盛り上がることを防止する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−327358号公報 特開2005−145796号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、上記した、光ファイバ母材の大型化に伴い、接続端部を凸型に成型する加工に多大な時間を要するという問題があった。
また、特許文献2に記載の方法では、光ファイバ母材とダミー棒の端面の間隔を制御するだけでは、光ファイバ母材が大型化した場合に、接続端面の周縁部と中心部の温度差を小さくすることができず、接続端面の周縁部の環状の盛り上がりによる接続部における気泡の形成を防止することが難しいという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、接続端部を凸型に成型する加工に多大な時間を要することなく、かつ、接続部に気泡が生じず、ひいては、その気泡を起点として、接続部に亀裂や割れ等の不具合が発生することのない、ダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法、および、ダミー棒の製造方法を提供することを目的とする。
第一の本発明は、ダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法であって、
ダミー棒と光ファイバ母材を、相対する端部同士を熱により溶融することにより同軸状に接続する工程において、
前記ダミー棒または前記光ファイバ母材のいずれか一方の中心軸に垂直な平面と、前記いずれか一方の端部の切断後の断面とのなす角度θが、0<tanθを満たすように、前記いずれか一方の端部を切断する工程と、
切断した前記断面を含む、前記ダミー棒と前記光ファイバ母材の相対する端部同士を熱により溶融する工程と、
溶融した前記ダミー棒と前記光ファイバ母材の端部同士を互いに突き合わせて融着する工程と、
を含む、ダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法を提供する。
第一の本発明のダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法においては、前記ダミー棒または前記光ファイバ母材のいずれか一方の端部を切断する工程において、前記ダミー棒の端部を切断し、前記光ファイバ母材における、前記ダミー棒の端部の切断後に断面に相対する端部の断面が、前記光ファイバ母材の中心軸に対して略垂直であることが好ましい。
光ファイバ母材の端部を切断すると、コアとクラッドの残留応力の違いにより、切断時にひびが入る場合がある。また、ダミー棒の端部を、切断後の断面が、その中心軸に垂直な平面に対して角度θを有するように切断するとともに、光ファイバ母材における、ダミー棒に相対する端部の断面が、その中心軸に対して略垂直とする方が製造効率上有利である。
第一の本発明のダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法においては、前記角度θが、0.017≦tanθ≦0.176を満たすことが好ましい。
tanθが上記の範囲より小さい場合には、光ファイバ母材の加熱によって、その端部の周縁部に生じる盛り上がりの高さとの関係で、光ファイバ母材とダミー棒の接続時に、両者の接続部のへこみに気泡が留まりやすくなり、光ファイバ母材とダミー棒の接続時に気泡の残留を防止する効果が得られ難い。一方、tanθが上記の範囲より大きい場合には、光ファイバ母材とダミー棒の接続後に、光ファイバ母材とダミー棒の接続部の外周部が瘤状になり、外観上問題となる場合があったり、接続部に隙間が生じたりする場合がある。
第一の本発明のダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法においては、前記光ファイバ母材および前記ダミー棒の直径が35mm以上55mm以下の範囲にあることが好ましい。
光ファイバ母材およびダミー棒の直径が35mm未満では、直径の太い大型の光ファイバ母材とダミー棒の接続に不適であるばかりでなく、光ファイバ母材から紡糸できる光ファイバ素線の量が少なくなり、製造効率上不利である。一方、光ファイバ母材およびダミー棒の直径が55mmを超えると、ダミー棒が接続された光ファイバ母材を製造した後の線引き工程等で、既存の製造設備に適合しない場合がある。
さらに、第二の本発明は、ダミー棒の製造方法であって、
2本のダミー棒を、相対する端部同士を熱により溶融することにより同軸に接続する工程において、
前記2本のダミー棒のいずれか一方の中心軸に垂直な平面と、前記いずれか一方の端部の切断後の断面とのなす角度θが、0<tanθを満たすように、前記いずれか一方の端部を切断する工程と、
切断した前記断面を含む、前記2本のダミー棒の相対する端部同士を熱により溶融する工程と、
溶融した前記2本のダミー棒の端部同士を互いに突き合わせて融着する工程と、
を含む、ダミー棒の製造方法を提供する。
第二の本発明のダミー棒の製造方法においては、前記2本のダミー棒のいずれか一方の端部を切断する工程において、その端部が切断される前記2本のダミー棒の一方に相対する、前記2本のダミー棒の他方の端部の断面が、その中心軸に対して略垂直であることが好ましい。
一方のダミー棒の端部を、切断後の断面が、その中心軸に垂直な平面に対して角度θを有するように切断するとともに、他方のダミー棒における、一方のダミー棒に相対する端部の断面が、その中心軸に対して略垂直とする方が製造効率上有利である。
第二の本発明のダミー棒の製造方法においては、前記角度θが、0.017≦tanθ≦0.176を満たすことが好ましい。
tanθが上記の範囲より小さい場合には、一方のダミー棒の端部の加熱によって、その端部の周縁部に生じる盛り上がりの高さとの関係で、2本のダミー棒の接続時に、両者の接続部のへこみに気泡が留まりやすくなり、2本のダミー棒の接続時に気泡の残留を防止する効果が得られ難い。一方、tanθが上記の範囲より大きい場合には、2本のダミー棒の接続後に、2本のダミー棒の接続部の外周部が瘤状になり、外観上問題となる場合があったり、接続部に隙間が生じたりする場合がある。
第二の本発明のダミー棒の製造方法においては、前記ダミー棒の直径が35mm以上55mm以下の範囲にあることが好ましい。
ダミー棒の直径が35mm未満では、直径の太い大型の光ファイバ母材とダミー棒の接続に不適であるばかりでなく、光ファイバ母材から紡糸できる光ファイバ素線の量が少なくなり、製造効率上不利である。一方、ダミー棒の直径が55mmを超えると、ダミー棒が接続された光ファイバ母材を製造した後の線引き工程等で、既存の製造設備に適合しない場合がある。
本発明のダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法によれば、光ファイバ母材またはダミー棒のいずれか一方の中心軸に垂直な平面と、前記いずれか一方の端部の切断後の断面とのなす角度θが、0<tanθを満たすように、前記いずれか一方の端部を切断する工程を有する。そのため、接続される光ファイバ母材およびダミー棒の端部を加熱した際に、光ファイバ母材またはダミー棒のいずれか一方の端部の周縁部が環状に盛り上がっている、中心部がへこみ形状になっても、光ファイバ母材とダミー棒を突き合わせる際に、光ファイバ母材またはダミー棒のいずれか一方における斜めに切断された先端部から徐々に、光ファイバ母材またはダミー棒の他方における端部の周縁部の環状の盛り上がりに接触する。そのため、光ファイバ母材とダミー棒を突き合わせる際、周縁部の環状の盛り上がりの、斜めに切断された先端部に接触しない部分が、中心部のへこみ形状となった部分に存在する空気の出口となる。ゆえに、へこみ形状となった部分に空気が残留することなく、外部に逃げることが可能となり、光ファイバ母材とダミー棒の接続部に気泡が残留することがなく、光ファイバ母材とダミー棒を強固に接続することが可能となる。
また、本発明のダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法によれば、光ファイバ母材またはダミー棒を、ともに必要なサイズに切り分ける時、通常は中心軸方向に対する垂直面で切断する工程に代えて、垂直面から所定の角度をなす断面で切断する工程を行うので、凸型加工のように多大な作業時間を要することはなく、非常に平易に、光ファイバ母材とダミー棒を強固に接続することが可能となる。
さらに、本発明のダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法によれば、光ファイバ母材とダミー棒の接続部において気泡が存在せず、接続部が強固となる。そのため、外部からの力に対して変形、破損のない、同軸接合が可能となる。従って、ダミー棒に接続された光ファイバ母材に、外付け工程において、さらに酸化ケイ素微粒子を堆積させた後、脱水、焼結を行った場合においても、焼結後の線引き前の光ファイバ母材において、コアのクラッドに対する偏芯、および、非円の状態は優れている。
本発明のダミー棒の製造方法によれば、2本のダミー棒のいずれか一方の中心軸に垂直な平面と、前記いずれか一方の端部の切断後の断面とのなす角度θが、0<tanθを満たすように、前記いずれか一方の端部を切断する工程を有する。そのため、接続される2本のダミー棒の端部を加熱した際に、2本のダミー棒のいずれか一方の端部の周縁部が環状に盛り上がり、中心部がへこみ形状になっても、ダミー棒同士を突き合わせる際に、2本のダミー棒のいずれ一方における斜めに切断された先端部から徐々に、2本のダミー棒の他方における端部の周縁部の環状の盛り上がりに接触する。そのため、ダミー棒同士を突き合わせる際、周縁部の環状の盛り上がりの、斜めに切断された先端部に接触しない部分が、中心部のへこみ形状となった部分に存在する空気の出口となる。ゆえに、へこみ形状となった部分に空気が残留することなく、外部に逃げることが可能となり、2本のダミー棒の接続部に気泡が残留することがなく、2本のダミー棒を強固に接続することが可能となる。
また、本発明のダミー棒の製造方法によれば、ダミー棒を、ともに必要なサイズに切り分ける時、通常は軸方向に対しての垂直面で切断している工程に代えて、垂直面から所定の角度をなす断面で切断する工程を行うので、凸型加工のように多大な作業時間を要することはなく、非常に平易に、2本のダミー棒を強固に接続することが可能となる。
さらに、本発明のダミー棒の製造方法によれば、2本のダミー棒の接続部において気泡が存在せず、接続部が強固となる。そのため、外部からの力に対して変形、破損のない同軸接合が可能となる。従って、2本のダミー棒を一体化して得られたダミー棒に接続された光ファイバ母材に、外付け工程において、さらに酸化ケイ素微粒子を堆積させた後、脱水、焼結を行った場合においても、焼結後の線引き前の光ファイバ母材において、コアのクラッドに対する偏芯、および、非円の状態は優れている。
本発明のダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法を示す概略図である。((a)、(b)は側面図、(c)〜(e)は断面図として記載した。) 光ファイバ母材の製造方法を示す概略図である。 従来のダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法を示す概略図である。((a)は側面図、(b)、(c)は断面図として記載した。)
以下、本発明の実施の形態について、添付した図面に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
「ダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法」
図1は、本発明のダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法を示す概略図であり、(a)、(b)は側面図、(c)〜(e)は断面図である。
図1(a)は、光ファイバ母材10の端部と、ダミー棒11の端部とが対向する様子を示す側面図である。
光ファイバ母材とは、例えば、四塩化ケイ素の火炎加水分解反応により得られる酸化ケイ素堆積物を、脱水、焼結して得られる石英ガラス体を指す。また、広い意味では、脱水、焼結前の、酸化ケイ素堆積物を光ファイバ母材と呼ぶこともある。光ファイバ母材は、上記の脱水、焼結工程の後、延伸されたものであってもよいし、また、延伸後、さらに酸化ケイ素を堆積する、いわゆる外付け工程の後、脱水、焼結の工程を経たものであってよい。また、光ファイバ母材は、その後、さらに、延伸および/または外付け工程を経たものであってもよい。
光ファイバ母材は、後段の紡糸工程で線引きにより光ファイバ裸線とされ、その後、その光ファイバ裸線が樹脂に被覆されることにより光ファイバ素線となる。
光ファイバ母材は、紡糸工程での線引き後に光が導波するコアとなる部分と、紡糸工程での線引き後にコアを保護し、コアより少し低い屈折率を有するクラッドとなる部分とから構成されていてもよい。
ダミー棒とは、光ファイバ母材をチャック等により、装置に設置するために、光ファイバ母材に対して同軸に接続して用いる部材である。光ファイバ母材は、その一端または両端に接続されたダミー棒により、チャック等を介して装置に設置される。
通常、ダミー棒は、石英ガラス体からなる。ダミー棒は、例えば、四塩化ケイ素の火炎加水分解反応により得られる酸化ケイ素堆積物を、脱水、焼結することにより得てもよいし、天然石英を溶融することにより得てもよい。
そして、ダミー棒は、通常線引きされず、接続された光ファイバ母材が線引きされた後、必要により補修、加工されて、繰り返し使用される。このようにして、光ファイバ母材をダミー棒に接続して用いることにより、光ファイバ母材を無駄なく線引きに供し、より長い光ファイバを得ることができる。
光ファイバ母材10またはダミー棒11のいずれか一方の中心軸に垂直な平面と、当該いずれか一方の端部の切断後の断面とのなす角度θが、0<tanθの関係を満たすように、当該いずれか一方の端部を切断する工程を行う。
本実施形態では、ダミー棒11において、その中心軸11aに垂直な平面11bと、その端部の切断後の断面11cとのなす角度θが、0<tanθの関係を満たすように、ダミー棒11の端部を切断する工程を行う場合を例示する(図1(b)参照)。
なお、切断後の断面(図1(b)では、ダミー棒11の断面11c)が単一の平面から構成されない場合には、切断後の断面のうち、最も広い面積を占める平面を、切断後の断面と定義する。
光ファイバ母材10またはダミー棒11のいずれか一方の端部を切断する工程では、切断の方法は特に限定されるものではないが、例えば、精密切断砥石を備えた高速切断機(ファインカッター)で切断する方法が挙げられる。精密切断砥石を備えた高速切断機を用いる際には、光ファイバ母材10またはダミー棒11を、精密切断砥石に対して垂直方向から、所定の角度傾けて、切断機にセットしてから切断を行う。
また、光ファイバ母材10またはダミー棒11のいずれか一方の端部を切断する工程では、パイプカッターを用いることもできる。パイプカッターを用いる際には、母材を垂直方向に対して所定の角度傾けて固定することのできる冶具を用い、所定の角度だけ斜めにクラックを入れた後、切断を行う。パイプカッターを用いる場合には、光ファイバ母材10またはダミー棒11を、切断のための装置まで移動する必要がないため、切断工程をより簡便に行うことが出来るという利点がある。
光ファイバ母材10またはダミー棒11の端部を切断する角度については、光ファイバ母材10またはダミー棒11のいずれか一方の切断面が、その中心軸に垂直な平面に対してなす角度θが、0<tanθの関係を満たす、すなわち、0°より大きい範囲であればよいが、0<tanθ≦1の関係を満たす、すなわち、0°より大きく45°以下の範囲であることが好ましく、0.017≦tanθ≦0.176の関係を満たす、すなわち、1°以上10°以下の範囲であることがより好ましい。
光ファイバ母材10とダミー棒11の相対する端部同士を熱により溶融する工程では、斜めに切断していない側の部材の端部において、表面張力によって周縁部が環状に盛り上がり、中心部にへこみができる。光ファイバ母材10またはダミー棒11の直径が50mmである場合、この盛り上がりは1mm程度の高さになることもある。なお、この盛り上がりの高さは、光ファイバ母材10またはダミー棒11の直径の大きさと比例関係にあると考えられる。
本実施形態では、光ファイバ母材10の端部において、表面張力によって周縁部が環状に盛り上がり(符号10aで示す部分)、中心部にへこみ(符号10bで示す部分)ができる場合を例示する(図1(c)参照)。
光ファイバ母材10またはダミー棒11のいずれか一方の切断面の角度を、その中心軸に垂直な平面に対して1°にした場合、tan1°は約0.017である。
ここで、ダミー棒11の端部を斜めに切断することによって生じる切断面の中心軸方向の長さの差の最大値hは、h=ダミー棒11の直径×tanθ(図1(b)参照)で表される。ダミー棒11の直径を50mmとした場合、長さの差の最大値hは、50mm×0.017=0.87mmとなる。ゆえに、ダミー棒11の切断面における、ダミー棒11の中心軸に垂直な平面に対する角度が1°であれば、上記の盛り上がりの高さからすれば、後段の光ファイバ母材10とダミー棒11を融着する工程において、光ファイバ母材10の端部のへこみ10bから、矢印方向に気泡を逃がしながら、光ファイバ母材10とダミー棒11の接合面に、気泡が存在しないように融着することが確実に可能であるといえる(図1(d)参照)。
製造工程のばらつき等を考慮すると、光ファイバ母材10とダミー棒11を融着する工程において、気泡をより逃し易くするためには、光ファイバ母材10とダミー棒11の切断面の角度を、その中心軸に垂直な平面に対して3°にすることがより好ましく、5°にすることがさらに好ましい。
一方、光ファイバ母材10またはダミー棒11のいずれか一方の切断面の角度を、その中心軸に垂直な平面に対して10°にした場合、tan10°は約0.176である。
ここで、ダミー棒11の直径を50mmとした場合、ダミー棒11の端部を斜めに切断することによって生じる切断面の中心軸方向の長さの差の最大値hは、50mm×0.176=8.82mmとなる。後段のダミー棒11と光ファイバ母材10を融着する工程において、光ファイバ母材10とダミー棒11の溶融した端部を互いに突き合わせるにつれて、熱により溶融したダミー棒11の切断面の先端部が、表面張力により、切断面の中心軸方向の長さの差の最大値hに起因して接合部分に生じる隙間(図1(d)における、接合部分に向かって右上半分に相当する部分)に侵入する。そのため、このダミー棒11の切断面における、ダミー棒11の中心軸方向に垂直な面に対する角度が10°の場合、上記の切断面の中心軸方向の長さの差の最大値hに起因して接合部分に生じる隙間は、融着に伴って消失し、接合面に隙間ができず、気泡が存在しない、強度の高い接続が可能となる。
しかし、光ファイバ母材10またはダミー棒11のいずれか一方の切断面の角度が、その中心軸に垂直な平面に対して10°を超えると、切断面の尖った先端部が外周部から外側にはみ出すことにより、光ファイバ母材10とダミー棒11の接続部の外周部が瘤状になることがある。また、図1(d)における、光ファイバ母材10とダミー棒11の接続部の右上半分に相当する、上記の切断面の中心軸方向の長さの差の最大値hに起因して接合部分に生じる隙間が消失し難くなるため、接続部の強度が弱くなったりすることがある。
また、光ファイバ母材10およびダミー棒11の直径は、35mm以上55mm以下の範囲にあることが好ましい。
光ファイバ母材10およびダミー棒11の直径が35mm未満では、光ファイバ母材10から紡糸できる光ファイバ素線の量が少なくなり、製造効率上不利である。一方、光ファイバ母材10およびダミー棒11の直径が55mmを超えると、ダミー棒11が接続された光ファイバ母材10を製造した後の線引き工程等で、既存の製造設備に適合しない場合がある。光ファイバ母材10およびダミー棒11の直径は、25mm以上75mm以下の範囲にあってもよい。
切断した上記の断面を含む、光ファイバ母材10とダミー棒11の相対する端部同士を熱により融着する工程では、光ファイバ母材10およびダミー棒11を回転装置(図示略)に保持させ、これらを、その中心軸を中心として回転させながら、酸水素バーナ13からの酸水素炎によって、光ファイバ母材10および/またはダミー棒11の端面を加熱する。酸水素バーナ13は、必要に応じて、光ファイバ母材10および/またはダミー棒11の被加熱部付近をトラバース(往復動)させてもよい。
このようにして、光ファイバ母材10およびダミー棒11の端部を溶融し、軟化した状態とする。なお、酸水素バーナ13による火炎の温度は、2,000〜3,000℃が好ましく、その火炎によって加熱された光ファイバ母材10およびダミー棒11の表面温度は、約1,500〜2,000℃程度が好ましい。
上記の火力において、光ファイバ母材10およびダミー棒11の端部の溶融には、およそ、3分から10分の時間を要する。
次に、光ファイバ母材10とダミー棒11を融着する工程では、図1(d)に示すように、互いに溶融した端部を突き合わせることにより、押し付ける。
なお、光ファイバ母材10とダミー棒11を押し付ける際の向きは、光ファイバ母材10と、ダミー棒11とが同軸となるように留意する。光ファイバ母材10またはダミー棒11のいずれか一方の端部を加熱した際に、その端部が環状に盛り上がり、中心部にへこみができても、光ファイバ母材10とダミー棒11を押し付ける際に、斜めに切断した先端部から徐々に接触していくために、溶融した端部同士を互いに突き合わせるにつれ、へこみ形状内に残留した空気が、図1(d)の矢印方向に逃げるように、接続作業をすることが可能になる。また、突き合わせの速度は、例えば、毎分5cm〜600cmの範囲で行うことが好ましい。
なお、光ファイバ母材10とダミー棒11を融着する工程は、その端部が、融着するのに十分に溶融した後であれば、溶融する工程を行いながら行ってもよい。
同時に、上述したように、光ファイバ母材10とダミー棒11の溶融した端部を互いに突き合わせるにつれ、熱により溶融した、ダミー棒11の切断面の先端部が、表面張力により、切断面の中心軸方向の長さの差の最大値hに起因して接合部分に生じた隙間(図1(d)における、接合部分に向かって右上半分に相当する部分)に侵入し、接合面に隙間のない接続が可能となる。
このようにして、光ファイバ母材10とダミー棒11の接続部に、割れ等の原因となる気泡が封入されることなく、ダミー棒11が接続された光ファイバ母材10が得られる(図1(e)参照) 。
この後、ダミー棒11が接続された光ファイバ母材10に対して、外付け工程を行う。
具体的には、外付け工程は、例えば、図2に示すように、光ファイバ母材10の両端にダミー棒11を接続し、そのダミー棒11をチャック12でガラス旋盤に把持して、光ファイバ母材10を回転させながら、また、少なくとも1本の堆積バーナ23を、光ファイバ母材10の中心軸(矢印)方向にトラバース(往復動)させながら、光ファイバ母材10の外周に酸化ケイ素を堆積することにより行われる。
また、脱水、焼結工程も、光ファイバ母材10の両端にダミー棒11を接続した状態で行われるが、光ファイバ母材10の一端のみにダミー棒11を接続する場合もある。
また、ダミー棒11をチャックでガラス旋盤に把持し、光ファイバ母材10に加工が施される場合もある。
さらに、その後、ガラス旋盤を用いて光ファイバ母材10の曲がりを修正したり、所定の外径や長さへの加熱延伸加工、光ファイバ母材10の表面の凹凸や傷、不純物等の除去を行う火炎研磨処理等の加工が行われたりする場合もある。
「ダミー棒の製造方法」
本発明のダミー棒の製造方法は、上述の本発明のダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法と同様に行われる。すなわち、本発明のダミー棒の製造方法では、2本のダミー棒を、本発明のダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法と同様に接続する。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
「実施例1」
図1に示す方法により、直径50mmの光ファイバ母材10と、直径50mmのダミー棒11を接続し、ダミー棒11が接続された光ファイバ母材10を製造した。
光ファイバ母材10とダミー棒11としては、その相対する端部の断面が、その中心軸に垂直な平面であるものを用意した(図1(a)参照)。
ダミー棒11における、光ファイバ母材10の端部と相対する端部を切断後の断面と、ダミー棒11の中心軸に垂直な平面とのなす角度θが1°、すなわち、tanθ=0.017となるように、精密切断砥石を備えた高速切断機により、ダミー棒11の端部を切断加工した(図1(b)参照)。
その後、光ファイバ母材10とダミー棒11を、その中心軸線を中心として回転させながら、光ファイバ母材10とダミー棒11の相対する端部同士を、水素量300L/minの酸水素バーナ13で6分間加熱し、十分に溶融した(図1(c)参照)。
その後、光ファイバ母材10とダミー棒11の相対する端部同士を接触させて、毎分10cmの速度で、互いに突合せながら融着接続し、一端部にダミー棒11が接続された光ファイバ母材10を作製した(図1(d)、(e)参照)。
同様にして、光ファイバ母材10とダミー棒11の接続加工を10回繰り返して行い、図1(e)に示すようなダミー棒11が接続された光ファイバ母材10を10本作製した。
全てのダミー棒11が接続された光ファイバ母材10の接続部には、気泡が存在しなかった。これは、接合面に気泡が存在する可能性があったとしても、融着接続の際、その気泡が、切断加工した部分から、図1(d)に示した矢印の方向へ逃げたためと考えられる。
ここで、ダミー棒11が接続された光ファイバ母材10の両端を旋盤のチャックで把持し、その光ファイバ母材10に対して、100kgの荷重で張力を加えたが、ダミー棒11と光ファイバ母材10の接続部に亀裂や割れが発生しなかった。
さらに、上記の接続加工と同様の方法により、光ファイバ母材10のもう一方の端部にも、直径50mmのダミー棒11を接続して、両端にダミー棒11が接続された光ファイバ母材10を製造した。
この光ファイバ母材10の両端に接続されたダミー棒11をチャックで把持し、光ファイバ母材10に対して、外付け工程を行うことにより、光ファイバ母材10の外周に酸化ケイ素を堆積させた(図2参照)。
その後、酸化ケイ素を堆積させた光ファイバ母材10を脱水、焼結し、ガラス化した光ファイバ母材を得た。
ガラス化した光ファイバ母材の全て(10本)について、非円率および偏心量を測定した。
〔非円率〕
下記の定義式に基づき、外径測定器により、光ファイバ母材の非円率を測定した。
(光ファイバ母材の外径aの最大値−光ファイバ母材の外径aの最小値)/(光ファイバ母材の外径aの平均値)×100(%)
〔偏心量〕
プリフォームアナライザを用いて、下記のようにして、光ファイバ母材の偏心量を測定した。
光ファイバ母材の1つの直径上において、コアの両側のクラッドの厚みの差(b−c)の最大値を求めた。
いずれの光ファイバ母材においても、非円率は0.5%以内であり、偏心量は1mm以内であった。これは、光ファイバ母材とダミー棒の接合部分が、外付け工程における応力による変形や破損のない、十分に強固なものであり、かつ、本発明のダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法によって製造された光ファイバ母材は、外付け工程において、偏心、非円の悪化の問題を全く生じないことを示すものである。
「実施例2」
ダミー棒11における、光ファイバ母材10の端部と相対する端部を切断後の断面と、ダミー棒11の中心軸に垂直な平面とのなす角度θが7°、すなわち、tanθ=0.123となるように、精密切断砥石を備えた高速切断機により、ダミー棒11の端部を切断加工した以外は実施例1と同様にして、一端部にダミー棒11が接続された光ファイバ母材10を作製した。
同様にして、光ファイバ母材10とダミー棒11の接続加工を10回繰り返して行い、図1(e)に示すようなダミー棒11が接続された光ファイバ母材10を10本作製した。
全てのダミー棒11が接続された光ファイバ母材10の接続部には、気泡が存在しなかった。これは、接合面に気泡が存在する可能性があったとしても、融着接続の際、その気泡が、切断加工した部分から、図1(d)に示した矢印の方向へ逃げたためと考えられる。
ここで、ダミー棒11が接続された光ファイバ母材10の両端を旋盤のチャックで把持し、その光ファイバ母材10に対して、100kgの荷重で張力を加えたが、ダミー棒11と光ファイバ母材10の接続部に亀裂や割れが発生しなかった。
さらに、上記の接続加工と同様の方法により、光ファイバ母材10のもう一方の端部にも、直径50mmのダミー棒11を接続して、両端にダミー棒11が接続された光ファイバ母材10を製造した。
この光ファイバ母材10の両端に接続されたダミー棒11をチャックで把持し、光ファイバ母材10に対して、外付け工程を行うことにより、光ファイバ母材10の外周に酸化ケイ素を堆積させた(図2参照)。
その後、酸化ケイ素を堆積させた光ファイバ母材10を脱水、焼結し、ガラス化した光ファイバ母材を得た。
ガラス化した光ファイバ母材の全て(10本)について、実施例1と同様にして、非円率および偏心量を測定した。
いずれの光ファイバ母材においても、非円率は0.5%以内であり、偏心量は1mm以内であった。これは、光ファイバ母材とダミー棒の接合部分が、外付け工程における応力による変形や破損のない、十分に強固なものであり、かつ、本発明のダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法によって製造された光ファイバ母材は、外付け工程において、偏心、非円の悪化の問題を全く生じないことを示すものである。
「実施例3」
ダミー棒11における、光ファイバ母材10の端部と相対する端部を切断後の断面と、ダミー棒11の中心軸に垂直な平面とのなす角度θが10°、すなわち、tanθ=0.176となるように、精密切断砥石を備えた高速切断機により、ダミー棒11の端部を切断加工した以外は実施例1と同様にして、一端部にダミー棒11が接続された光ファイバ母材10を作製した。
同様にして、光ファイバ母材10とダミー棒11の接続加工を10回繰り返して行い、図1(e)に示すようなダミー棒11が接続された光ファイバ母材10を10本作製した。
全てのダミー棒11が接続された光ファイバ母材10の接続部には、気泡が存在しなかった。これは、接合面に気泡が存在する可能性があったとしても、融着接続の際、その気泡が、切断加工した部分から、図1(d)に示した矢印の方向へ逃げたためと考えられる。
ここで、ダミー棒11が接続された光ファイバ母材10の両端を旋盤のチャックで把持し、その光ファイバ母材10に対して、100kgの荷重で張力を加えたが、ダミー棒11と光ファイバ母材10の接続部に亀裂や割れが発生しなかった。
さらに、上記の接続加工と同様の方法により、光ファイバ母材10のもう一方の端部にも、直径50mmのダミー棒11を接続して、両端にダミー棒11が接続された光ファイバ母材10を製造した。
この光ファイバ母材10の両端に接続されたダミー棒11をチャックで把持し、光ファイバ母材10に対して、外付け工程を行うことにより、光ファイバ母材10の外周に酸化ケイ素を堆積させた(図2参照)。
その後、酸化ケイ素を堆積させた光ファイバ母材10を脱水、焼結し、ガラス化した光ファイバ母材を得た。
ガラス化した光ファイバ母材の全て(10本)について、実施例1と同様にして、非円率および偏心量を測定した。
いずれの光ファイバ母材においても、非円率は0.5%以内であり、偏心量は1mm以内であった。これは、光ファイバ母材とダミー棒の接合部分が、外付け工程における応力による変形や破損のない、十分に強固なものであり、かつ、本発明のダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法によって製造された光ファイバ母材は、外付け工程において、偏心、非円の悪化の問題を全く生じないことを示すものである。
「実施例4」
光ファイバ母材の代わりにダミー棒を用いて、実施例2と同様の接続加工を行ない、ダミー棒同士を接続して、2本のダミー棒が接続されたダミー棒を製造した。
同様にして、2本のダミー棒の接続加工を10回繰り返して行い、2本のダミー棒が接続されたダミー棒を10本作製した。
全てのダミー棒の接続部には、気泡が存在しなかった。
ここで、ダミー棒の両端を旋盤のチャックで把持し、そのダミー棒に対して、100kgの荷重で張力を加えたが、ダミー棒の接続部に亀裂や割れが発生しなかった。
「比較例1」
図3に示す方法により、直径50mmの光ファイバ母材30と、直径50mmのダミー棒31を接続し、ダミー棒31が接続された光ファイバ母材30を製造した。
光ファイバ母材30とダミー棒31としては、その相対する端部の断面が、その中心軸に垂直な平面であるものを用意した。
その後、実施例1〜4のように、ダミー棒31の端部の切断を行わずに、光ファイバ母材30とダミー棒31を、その中心軸線を中心として回転させながら、光ファイバ母材30とダミー棒31の相対する端部同士を、水素量300L/minの酸水素バーナ33で6分間加熱し、十分に溶融した。このとき、光ファイバ母材30とダミー棒31の端面において、周縁部に環状に盛り上がりが生じた(図3(b)参照)。
その後、光ファイバ母材30とダミー棒31の相対する端部同士を接触させて、互いに突き合わせながら融着接続し、一端部にダミー棒31が接続された光ファイバ母材30を作製した(図3(c)参照)。
同様にして、光ファイバ母材30とダミー棒31の接続加工を10回繰り返して行い、ダミー棒31が接続された光ファイバ母材30を10本作製した。
全てのダミー棒31が接続された光ファイバ母材30の接続部には、気泡が存在していた。
また、ダミー棒31が接続された光ファイバ母材30の両端を旋盤のチャックで把持し、その光ファイバ母材30に対して、100kgの荷重で張力を加えたところ、ダミー棒31と光ファイバ母材30の接続部に亀裂や割れが発生した。
10,30 光ファイバ母材
11,31 ダミー棒
12 チャック
13,33 酸水素バーナ
23 堆積バーナ

Claims (8)

  1. ダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法であって、
    ダミー棒と光ファイバ母材を、相対する端部同士を熱により溶融することにより同軸状に接続する工程において、
    前記ダミー棒または前記光ファイバ母材のいずれか一方の中心軸に垂直な平面と、前記いずれか一方の端部の切断後の断面とのなす角度θが、0<tanθを満たすように、前記いずれか一方の端部を切断する工程と、
    切断した前記断面を含む、前記ダミー棒と前記光ファイバ母材の相対する端部同士を熱により溶融する工程と、
    溶融した前記ダミー棒と前記光ファイバ母材の端部同士を互いに突き合わせて融着する工程と、
    を含むことを特徴とするダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法。
  2. 前記ダミー棒または前記光ファイバ母材のいずれか一方の端部を切断する工程において、前記ダミー棒の端部を切断し、前記光ファイバ母材における、前記ダミー棒の端部の切断後に断面に相対する端部の断面が、前記光ファイバ母材の中心軸に対して略垂直であることを特徴とする請求項1に記載のダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法。
  3. 前記角度θが、0.017≦tanθ≦0.176を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法
  4. 前記光ファイバ母材および前記ダミー棒の直径が35mm以上55mm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のダミー棒が接続された光ファイバ母材の製造方法。
  5. ダミー棒の製造方法であって、
    2本のダミー棒を、相対する端部同士を熱により溶融することにより同軸に接続する工程において、
    前記2本のダミー棒のいずれか一方の中心軸に垂直な平面と、前記いずれか一方の端部の切断後の断面とのなす角度θが、0<tanθを満たすように、前記いずれか一方の端部を切断する工程と、
    切断した前記断面を含む、前記2本のダミー棒の相対する端部同士を熱により溶融する工程と、
    溶融した前記2本のダミー棒の端部同士を互いに突き合わせて融着する工程と、
    を含むことを特徴とするダミー棒の製造方法。
  6. 前記2本のダミー棒のいずれか一方の端部を切断する工程において、その端部が切断される前記2本のダミー棒の一方に相対する、前記2本のダミー棒の他方の端部の断面が、その中心軸に対して略垂直であることを特徴とする請求項5に記載のダミー棒の製造方法。
  7. 前記角度θが、0.017≦tanθ≦0.176を満たすことを特徴とする請求項5または6に記載のダミー棒の製造方法。
  8. 前記ダミー棒の直径が35mm以上55mm以下の範囲にあることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のダミー棒の製造方法。
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