JP2016221907A - 光学素子の製造方法、金型およびレンズアレイ - Google Patents

光学素子の製造方法、金型およびレンズアレイ Download PDF

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Abstract

【課題】 レンズ面にキズが無く安定した高品位のレンズ面を持つ光学素子の製造方法を提供する。【解決手段】 鏡面駒は第1の分割駒および第2の分割駒からなり、前記第1の分割駒および前記第2の分割駒の境界部に溝を加工した後、前記第1の分割駒および前記第2の分割駒にまたがるように、前記レンズを転写する形状を複数加工し、前記第1の分割駒および前記第2の分割駒を相対的にずらすことによって前記レンズを転写する形状がずれた形状となるように固定し、前記ずれた形状のレンズを転写する形状を樹脂に転写し、光学素子を製造する。【選択図】 図4

Description

本発明は、画像読み取り装置及び、画像形成装置などに使用する光学素子の製造方法、金型およびレンズアレイに関する。
デジタルカメラやレーザープリンタなどに使用される光学素子の光学機能面は曲面形状で構成され、単なる球面だけでなく曲率変化を伴う表面形状(非球面形状)等への高精度な加工が必要とされる。近年ではLEDプリンタなどに用いられる光学素子として、小径で自由曲面形状のレンズアレイが数百個単位で構成されたレンズアレイ光学系を用いた画像形成装置や画像読取装置が開発されている。
このレンズアレイ光学系は、アレイ状光源(LED等)やラインセンサ等と共に筺体により保持し、それをユニットとして組み込んだ画像形成装置や画像読取装置が知られている。これらの装置によれば、レンズアレイ光学系を用いることで、装置の小型化や低コスト化を実現することができる。
しかし、レンズアレイ光学系は、複数のレンズが配列するレンズ間のピッチによって結像光量や結像性能にムラが発生することが知られている。
特許文献1には、図9に示すような、結像光量や結像性能のムラを解消する光学系が開示されている。このレンズアレイ光学系は、連続した曲面とする複数のレンズが同一ライン上に配列された2つのレンズアレイ101、102を用いた光学系である。レンズアレイは、複数のレンズの配列方向を長手方向(図9においてはY方向)とし、光軸方向(図9においてはX方向)と長手方向に対して垂直な方向を短手方向(図9においてはZ方向)となっている。そして長手方向と平行で且つ、其々のレンズの光軸を通る線に沿って短手方向のレンズが上下に2分割されている(111a、111b)。レンズアレイの各レンズの光軸間の距離であるピッチを、上下のレンズで1/2ずらすことで周期的なムラを抑制するレンズアレイ光学系が提案されている。この時分割されたレンズ111aの光軸はK1aであり、111bの光軸はK1bである。また、レンズアレイ101、102は、金型を用いて製造されることが提案されている。具体的には、金型の一部である鏡面駒にレンズアレイ(複数配列されたレンズ)の転写面を彫り込む(加工する)。その際、鏡面駒を2分割しておき、レンズの転写面を加工した後、分割しておいた鏡面駒をずらした状態で金型内に組み込む。これを転写することでレンズアレイ(光学素子)を製造することが開示されている。
特開2014−077964
しかしながら、特許文献1に開示されている、分割した分割駒を合わせて1対の鏡面駒とすると、合わされた部分は連続する面ではなくなり、線状の分割線が形成されることになる。この分割線を跨いで連続したレンズ面を切削加工すると、ダイヤモンド工具に微小なキズ(チッピング)が発生する頻度が高くなることがあった。これは例えば、分割駒の合わせ面である分割面は、研削加工により高精度に加工されるが、その際、分割面に砥粒が残存してしまっていたり、分割駒を組み合わせる際、分割面に異物が挟み込んでしまうことがある。これらとダイヤモンド工具が接触すると、ダイヤモンド工具にチッピングが生じやすくなるためであることがわかった。
そこで本発明は、光学有効面内で分割した分割駒を1対の鏡面駒として、分割線を跨いで連続したレンズの転写面を切削加工する際に生じるチッピングを抑制する金型を提供する。また、レンズ面にキズが無く安定した高品位の複数のレンズ面を持つ光学素子の製造方法、およびレンズアレイを提供する。
本発明の光学素子の製造方法は、レンズの転写面が長手方向に複数加工された鏡面駒により前記転写面を転写させることで光学素子を製造する光学素子の製造方法であって、前記鏡面駒は、隣接して配置された第1の分割駒および第2の分割駒からなり、前記第1の分割駒および前記第2の分割駒の境界部に溝を加工した後、
前記第1の分割駒および前記第2の分割駒にまたがるように、前記レンズを転写する形状を複数加工し、前記第1の分割駒および前記第2の分割駒を前記長手方向に相対的にずらすことによって前記レンズを転写する形状がずれた形状となるように固定し、前記ずれた形状のレンズを転写する形状を転写し、光学素子を製造することを特徴とする。
本発明の金型は、レンズの転写面が長手方向に複数加工された鏡面駒を有する金型であって、前記鏡面駒は隣接する第1の分割駒および第2の分割駒からなり、前記第1の分割駒および前記第2の分割駒の境界部には溝を有し、前記第1の分割駒および前記第2の分割駒にまたがるように加工された複数のレンズの転写面が、前記長手方向にずれた状態で固定されていることを特徴とする。
本発明のレンズアレイは、長手方向に複数のレンズを有する列を2列有するレンズアレイであって、前記列と列の間には、突起部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、レンズ面にキズが無く安定した高品位の複数のレンズ面を有する光学素子の製造方法、およびレンズアレイを提供することができる。
また、工具チッピングの可能性を大幅に抑制できることで、工具交換なく連続して切削することができるため、レンズアレイ鏡面駒の生産性を大幅に向上させることができる金型を提供することができる。
本発明の実施形態を説明する図 本発明の実施形態を説明する図 本発明の実施形態を説明する図 本発明の実施形態を説明する図 本発明の実施形態を説明する図 本発明の実施例の加工面観察像 本発明との比較例を説明する図 本発明との比較例の加工面観察像 従来のレンズアレイを用いた光学系を説明する図
以下に、本発明の実施形態をついて、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の複数のレンズ面を有する光学素子(レンズアレイ)の製造方法に用いる金型の一部である鏡面駒を切削加工するための加工装置を説明する図である。図1において、50は、NC工作機械である。53は、X方向に直進動作をするX直動テーブルである。54は、Y方向に直進動作をするY直動テーブルがある。Y直動テーブル上にはZ方向回りに回転動作をするCテーブル56を備えている。21はワークであり、Cテーブル56上に取付ける。55は、Z方向に直進動作をするZコラム55であり、溝加工用の工具11を取り付ける。Zコラム55には、工具回転スピンドル52や、その他独立して動作する工具駆動ユニットも取り付けられるようになっている。工具回転スピンドル52には例えば円弧輪郭形状の曲面加工用の工具10を取り付けることができる。
工作機械50の各直動テーブル、回転テーブルは静圧軸受によって支持され、XYZへの移動と回転工具スピンドル52によるフライカット加工により、レンズやミラー等の光学素子用金型などの高精度な自由曲面の加工が可能となっている。
また、Zコラム55上にはさらに回転テーブルを備えていてもよく、工具回転スピンドル52に代わって、この回転テーブル上に工具を取り付けることによりフライカット加工を行なうことも可能である。本実施形態においては、Cテーブル55上にワーク21を取り付け、Zコラム55に曲面加工用の工具10および溝加工用の工具11を取り付ける例を示した。しかしこれに限らず、例えば、Zコラム55上の例えば回転テーブルにワーク21を取り付け、Cテーブル55に曲面加工用の工具10または溝加工用の工具11を取り付けてもよい。
本発明の複数のレンズ面を有する光学素子(レンズアレイ)を図2に示す。図2(a)は、形成される突起部がテーパ形状の場合の光学素子を示している。図2(a)において、長手方向(M方向)に複数のレンズを有する列を2列有し、前記列と列の間には、テーパ形状の突起部222A、222Bが形成されている。図2(a)において、2列の複数のレンズを有する列をA列、B列とした場合、A列の複数のレンズを221Aとして示し、B列の複数のレンズを221Bで示す。また、それぞれの列の複数のレンズの、レンズとレンズの間には、凹凸部223が形成されている。そして、A列、B列のレンズは、長手方向(M方向)に、突起部222A、222Bを境界として、それぞれのレンズの光軸が半ピッチずつずれた形状となっている。半ピッチとは、レンズ221Aの光軸OA間の距離の半分である。あるいは、レンズ221Bの光軸OB間の距離の半分である。つまり、レンズ221Aの光軸OA間の距離の半分の位置にレンズ221Bの光軸OBが位置するようにA列、B列のレンズが配置されている。そして、突起部222A、222Bのレンズ面からの高さは均一である。これにより、光学有効域の幅を均一に保つことができるため、レンズ内の光量のバラつきを抑え、光学特性を均一に保つことができる。
図2(b)は、形成される突起部が矩形形状である場合の光学素子を示している。図2(b)において、長手方向(M方向)に複数のレンズを有する列を2列有し、前記列と列の間には、矩形形状の突起部232が形成されている。図2(b)において、2列の複数のレンズを有する列をA列、B列とした場合、A列の複数のレンズを231Aとして示し、B列の複数のレンズを231Bで示す。また、それぞれの列の複数のレンズの、レンズとレンズの間には、凹凸部233が形成されている。そして、A列、B列のレンズは、長手方向(M方向)に、突起部232を境界として、それぞれのレンズの光軸が半ピッチずつずれた形状となっている。半ピッチとは、レンズ231Aの光軸OA間の距離の半分である。あるいは、レンズ231Bの光軸OB間の距離の半分である。つまり、レンズ231Aの光軸OA間の距離の半分の位置にレンズ231Bの光軸OBが位置するようにA列、B列のレンズが配置されている。そして、突起部が、矩形形状である場合は、突起部232の高さは、テーパ形状の場合と異なり、光軸と垂直な面からの高さが一定である。光軸と垂直な面からの高さが一定であっても光学有効域の幅は均一であり、レンズ内の光量のバラつきを抑え、光学特性を均一に保つことができる。
次に、本発明の複数のレンズ面を有する光学素子(レンズアレイ)の製造方法に用いる金型の一部である鏡面駒の加工方法について説明する。
まず、鏡面駒を分割した第1の分割駒と第2の分割駒を隣接して配置し、第1の分割駒と第2の分割駒の分割面を合わせた部分(境界部)23に溝加工(逃がし溝加工)を行なう。
図3は逃がし溝の加工方法を説明する図である。22aと22bは鏡面駒を分割した第1の分割駒と第2の分割駒であり、第1の分割駒と第2の分割駒は隣接して配置される。第1の分割駒22aと第2の分割駒22bそれぞれの分割面を合わせて、保持具(不図示)によって保持している。加工する面において、分割面を合わせた部分(境界部)23は連続する面ではなく、線状の境界部が形成されることになる。
図3(a)は、形状がV型(V字形状)の溝である三角逃がし溝100aを示している。V型(V字形状)の切れ刃を持つ溝加工用の工具11をZ軸コラム55(図1参照)に直接取り付け、XYZ直動ステージを制御し、溝加工用の工具11とワークである鏡面駒(22a、22b)を相対的に移動させながら加工する。予めNC工作機械50の記憶手段(不図示)には、レンズアレイ(複数配列されたレンズ)の転写面を加工するためのデータが記憶されている。後述するように、加工面(転写面)に樹脂等を押し付け、転写させることで複数のレンズが製造される。転写面は、境界部23において、転写されて成形される複数のレンズごとに凹凸が形成されるため、三角逃がし溝100aを同じ深さで加工すると、溝の開口幅が変化してしまう。このため、三角逃がし溝100aを形成する切削加工時の軌跡35aは、境界部23上における転写されるレンズの凹凸に倣って移動させる。これにより溝の開口幅が均一になるため、成形された複数のレンズにおける光学有効面を均一にすることができ、レンズ内の光量の変化が少なく、光学性能の劣化を極力抑えることが可能となる。
図3(b)は、形状が矩形の溝である矩形逃がし溝100bを示している。溝の形状が矩形形状であれば、境界部23における転写されるレンズの形状に凹凸があっても、溝幅は一定である。図3(a)の三角逃がし溝100aの加工軌跡35aのように、境界部23上における凹凸に倣って移動させることは必要ない。つまり矩形の切れ刃を持つ溝加工用の工具によって、同じ深さの切り込み量で、直線の加工軌跡35bで加工を行なえば良いため、加工時間の大幅な短縮が可能となる。
次に、第1の分割駒および第2の分割駒の境界部に溝を加工した鏡面駒に対して、第1の分割駒および第2の分割駒にまたがるように、レンズの転写面を複数加工する。
図4は溝(三角逃がし溝)100aを形成した1対の分割駒による鏡面駒(ワーク)21に対してレンズの転写面の切削加工を説明する図である。工具回転スピンドル52に取り付けた円弧輪郭形状の曲面加工用の工具10によりフライカット加工を行なう。図4において、20は、レンズの長手方向の中心線Kを有するレンズの転写面である自由曲面である。この自由曲面20を、分割駒の境界部に溝100aが形成されている方向(レンズアレイの長手方向)M(図4においてはY方向と同じ方向)と垂直方向(図4においてはX方向)に、複数個(例えば250個)加工する様子を示している。この加工により、レンズアレイ(光学素子)を成形するための金型の一部である鏡面駒が製造される。自由曲面の加工は、1つずつの自由曲面20の任意のY位置において加工点がX方向の形状へ倣うように30aで示す矢印の方向にXYZ直動ステージを制御し、曲面加工用の工具10とワークである鏡面駒21を相対的に移動させる(走査加工)。これをY方向へ任意のピッチずらした短手方向の位置でも、順次走査加工を繰返し行う。1つの転写面(自由曲面)の加工を終えると、隣の転写面(自由曲面)を同様の加工を行う。これをレンズの数だけ繰返し行う。つまり、前記第1の分割駒および前記第2の分割駒にまたがるように、前記レンズの転写面(自由曲面)を複数加工する。
図5(a)は図3(a)で示した、境界部23に三角逃がし溝を形成した鏡面駒(22a、22b)の、境界部23を曲面加工用の工具10によって加工している途中のX方向断面を模式図に示したものである。図5(b)はその一部拡大図を示している。境界部23にはどうしても隙間εが発生してしまい、そこに、分割駒を研削加工した際の残存砥粒112、分割駒を組み合わせた際に挟み込んだ異物113などが挟み込まれている。三角逃がし溝100aを形成することで、境界部23を曲面加工工具10が跨いで切削加工しても、残存砥粒112や、異物113などが、曲面加工工具10と接触する可能性が回避できる。また、分割部にバリや返り(図示無し)が発生したとしても、曲面加工工具10と接触する可能性を低減させることができる。これにより曲面加工工具10の稜線に生じるチッピングを大幅に抑制できる。よって、レンズアレイ其々のレンズを転写する形状(自由曲面20)にキズが無く安定した高品位の鏡面駒を連続的に得ることができる。そして、この鏡面駒により転写された光学素子においても、均一な光学性能を提供することができる。この時、開口部の幅Hは、5μm以上であることが好ましい。また、前記レンズを転写する形状(自由曲面)の幅(レンズの長手方向の中心線Kの長さ(図4参照))の20%以下であることが好ましい。溝はレンズとしての集光性能を持たないため、レンズ形状の幅に対する開口部の幅の比だけ光量ロスとなり、20%より長いと光量が不足し、良好な光学性能を得ることが難しい。本実施形態においては、例えば、レンズ形状の幅3.0mmに対して、溝の開口部の幅Zは0.6mmとする。
また、工具チッピングの可能性を大幅に抑制できることで、工具交換なく連続して切削することができるため、鏡面駒の生産性を大幅に向上させることができる。
本実施形態の逃がし溝加工において、三角逃がし溝は1本の三角逃がし溝を図示してきたが、所望する溝幅を広くする場合、より深く切り込んで溝幅を広げても良いが、複数の溝を形成して、溝幅を広げてもよい。
また、本実施形態の転写面(自由曲面)を加工するための工具回転スピンドル加工は、加工走査方向(長手方向)と副走査方向(短手方向)に制約は無い。加工ワーク21を90°回転させても、加工走査方向(長手方向)と副走査方向(短手方向)を90°入れ替えても同じ自由曲面が得られる。その場合、切削加工のピッチ送りをする副走査方向における自由曲面の最小R以下の工具を用いることで、どちらの方向にも切削加工することができる。
また、転写面(自由曲面)の加工方法として、工具回転スピンドルを用いた加工形態について説明した。しかし、別の加工方法として、Zコラム55上に回転テーブルを設けることでNC工作機械50と同期して動作させることができる、回転動作が可能な回転走査ユニットに曲面加工用の工具10を取り付けてもよい。そして、回転走査の回転テーブルと、直動3テーブルとを同期させて転写面(自由曲面)20の形状に倣い加工を行ってもよい。
溝加工用の工具11も曲面加工用の工具10と同様、回転走査ユニットに取り付け、自由曲面10の加工と同一の動作をさせて加工を行うこともできる。
また、溝加工とレンズの転写面(自由曲面)20の加工は独立かつ連続して加工を行うこともできる。
具体的には、曲面加工用の工具10は工具回転スピンドル52に取り付け、その工具回転スピンドル52をNC工作機械50のZコラム55に取り付ける。直動3ステージとスピンドルで自由曲面を加工する。自由曲面の加工には、曲面加工用の工具10の切れ刃の輪郭曲線を工具回転スピンドル52の回転中心回りに回転させ描いた面と、転写面(自由曲面)が接するように加工点を算出し、直動3ステージを動作させて転写面(自由曲面)を切削加工する。
次に、逃がし溝加工用の工具11は、曲面加工中に曲面加工用の工具10や加工ワーク21と干渉しない位置に、Zコラムに直接取り付ける。これにより、レンズの転写面(自由曲面)の加工と、溝加工を独立して行うことを可能にした。また、それぞれの工具と加工ワークとの座標を記憶することで、レンズの転写面(自由曲面)の加工と、溝加工を独立かつ連続して行うことができる。
次に、溝加工(逃がし溝加工)を行なった後、レンズの転写面を複数加工した第1の分割駒、第2の分割駒による鏡面駒を用いて光学素子を製造する方法について次に説明する。
まず、溝加工(逃がし溝加工)を行なった後、レンズの転写面を複数加工した第1の分割駒、第2の分割駒を隣接して配置した状態のまま、相対的にずらす。ずらすことにより、レンズの転写面により転写されるレンズの光軸(単に光軸と称する場合がある)が溝の部分を境に、光軸方向と垂直方向にずれる。ずれ量は、隣り合うレンズの光軸間の長さ(ピッチ)の半分の長さが好ましい。このずらした状態(レンズの転写面がずれた形状となっている状態)で金型内に固定し、このずれた形状のレンズの転写面を樹脂やガラス等に転写して、光学素子(レンズアレイ)を製造する。
製造された光学素子(レンズアレイ)は、長手方向に複数のレンズを有する列を2列有し、前記列と列の間には、突起部が形成される。
そして、形成される突起部がテーパ形状の場合は、光学有効域の幅が均一になるように、突起部のレンズ面からの高さは均一である。これにより、光学有効域の幅を均一に保つことができる、レンズ内の光量のバラつきを抑え、光学特性を均一に保つことができる。
また、前記突起部が、矩形形状である場合は、突起部の高さは、レンズ面からの高さを一定にする必要はない。つまり、光軸と垂直な面からの高さを一定にすることができる。光軸と垂直な面からの高さが一定であっても光学有効域の幅は均一であり、レンズ内の光量のバラつきを抑え、光学特性を均一に保つことができる。
次に実施例について説明する。
(実施例)
まず、図4に示す、自由曲面20の形状に倣い走査する軌跡を算出した。次に図1に示す装置のZ軸コラムに、V型の切れ刃を持つ溝加工工具11を直接取り付け、XYZ直動3軸制御で溝加工を行なった。
ここで、V型の切れ刃を持つ溝加工工具11の先端角が60°の工具を使用し、開角は60°の三角逃がし溝を加工した。また、三角逃がし溝の幅の狙い値は分割線を基準に±0.3mmとし光学有効幅の20%を逃がし溝とした。三角逃がし溝を10μmピッチで30本形成した。このとき、三角逃がし溝の開角は60°で三角逃がし溝は10μmピッチで、加工深さは18.6μmとした。
次に、レンズを転写する形状である自由曲面20を加工した。自由曲面20は、0.9mm×3.0mmで、250個線形配列した。複数のレンズを転写する形状の光軸と光軸との間の長さピッチを0.9mm、直交する方向の自由曲面の幅(光軸の長さ)を3.0mmとした。自由曲面の加工走査方向と副走査方向における最小Rは0.6mmであり、使用する工具の刃先Rはそれよりも小さい刃先R0.4mmの工具を使用した。
以上の方法により、三角逃がし溝を設けて、自由曲面20を連続して330個加工した。比較対象として、331個目に三角逃がし溝を設けずに自由曲面を加工した。
三角逃がし溝を設けて、連続して加工した330個の中の301個目の加工面の表面観察を行なった。表面観察は、微分干渉顕微鏡によりレンズ面のキズを観察を行った。
その観察結果を図6に示す。図6は、三角逃がし溝を設けて、連続して加工した330個の中の一つの加工面(自由曲面20と三角逃し溝100a)の拡大写真である。図6において、300個という非常に多くの自由曲面の切削加工後の工具であっても、合わせ面の分割線に逃がし溝を形成しておくことで、自由曲面全域で曲面加工工具10の輪郭稜線にチッピング発生は無かった。ゆえに、加工面にも工具チッピングによる加工面スジも観察されなかった。よって、本発明により工具のチッピングを抑制し、良好な切削鏡面を得ることができることがわかった。
(比較例)
実施例と同じ方法で、逃がし溝だけを設けない自由曲面の加工を比較例として加工を行った。
三角逃がし溝を設けず、連続して加工した330個の中の90個目の加工面の表面観察を行なった。表面観察は、微分干渉顕微鏡によりレンズ面のキズを観察を行った。
図8に三角逃がし溝を設けず、連続して加工した330個の中の90個目の加工面の表面観察を行なった結果である拡大写真を示す。図8において23は、境界部であり。20は加工面であるレンズを転写する形状(自由曲面)である。
この加工面観察像に示すように、曲面加工工具10の輪郭稜線には多数のチッピングが発生しており、それが加工面にも工具チッピングによる加工面(自由曲面20)にスジ40として転写されていることがわかる。自由曲面の加工数も90個と1/3以下でも、多数のチッピングが発生していることからも、本発明の効果が確認できた。
チッピングが発生してしまう原因としては次のようなことが考えられる。
図7(a)は分割駒の境界部に逃がし溝を形成しない場合の、境界部23を加工する工具10と自由曲面20の模式図であり、図7(b)は、境界部の拡大図を示している。図7に示すように、境界部のバリ111や、境界部を研削加工した際の残存砥粒112、分割駒を組み合わせた際に挟み込んだ異物113など、微小な合わせ面誤差(隙間誤差)εの隙間に挟み込んでいる。このため、曲面加工工具10がこれらのものと接触する可能性が高まり、曲面加工工具10の稜線に生じるチッピングが突然発生し、制御できないためであると考えられる。
10 曲面加工用の工具
11 溝加工用の工具
20 自由曲面
21 ワーク
22a 、22b 分割駒
23 境界部

Claims (11)

  1. レンズの転写面が長手方向に複数加工された鏡面駒により前記転写面を転写させることで光学素子を製造する光学素子の製造方法であって、
    前記鏡面駒は、隣接して配置された第1の分割駒および第2の分割駒からなり、
    前記第1の分割駒および前記第2の分割駒の境界部に溝を加工した後、
    前記第1の分割駒および前記第2の分割駒にまたがるように、前記レンズを転写する形状を複数加工し、
    前記第1の分割駒および前記第2の分割駒を前記長手方向に相対的にずらすことによって前記レンズを転写する形状がずれた形状となるように固定し、
    前記ずれた形状のレンズを転写する形状を転写し、光学素子を製造することを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 前記溝は、V字形状であることを特徴とする請求項1記載の光学素子の製造方法。
  3. 前記溝は矩形形状であることを特徴とする請求項1記載の光学素子の製造方法。
  4. 前記溝の開口部の幅は、5μm以上、前記レンズを転写する形状の幅の20%以下であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項記載の光学素子の製造方法。
  5. レンズの転写面が長手方向に複数加工された鏡面駒を有する金型であって、
    前記鏡面駒は隣接する第1の分割駒および第2の分割駒からなり、
    前記第1の分割駒および前記第2の分割駒の境界部には溝を有し、
    前記第1の分割駒および前記第2の分割駒にまたがるように加工された複数のレンズの転写面が、前記長手方向にずれた状態で固定されていることを特徴とする金型。
  6. 前記溝は、V字形状であることを特徴とする請求項5記載の金型。
  7. 前記溝は矩形形状であることを特徴とする請求項5記載の金型。
  8. 前記溝の開口部の幅は、5μm以上、前記レンズを転写する形状の幅の20%以下であることを特徴とする請求項5乃至7いずれか一項記載の金型。
  9. 長手方向に複数のレンズを有する列を2列有するレンズアレイであって、
    前記列と列の間には、突起部が形成されていることを特徴とするレンズアレイ。
  10. 前記突起部は、テーパ形状であることを特徴とする請求項9記載のレンズアレイ。
  11. 前記突起部は、矩形形状であることを特徴とする請求項9記載のレンズアレイ。
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