JP2016221711A - 不織布積層体及びこれに使用される孔あきフィルム - Google Patents

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【課題】孔あきフィルム11と、該孔あきフィルムの少なくとも片面に積層される不織布と、からなる車両用途の不織布積層体において、不織布積層体の成形方法が加熱成形による方法であっても、優れた吸音効果を得ることができる不織布積層体を提供すること。【解決手段】 前記孔あきフィルム11は、芯材31の少なくとも前記片面側に融着材41が積層されている多層フィルムで、厚み方向に貫通する無数の微細な孔51を有している。前記孔あきフィルム11と前記不織布とは、加熱処理(加熱成形)によって融着した融着材によって結合していることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、不織布積層体及びこれに使用される孔あきフィルムに関する。
従来から、吸音効果を目的とした車両用途の不織布積層体は存在し、この不織布積層体の一層に使用する孔あきフィルムとして、特許文献1から3に記載されたものなどがある。
これら孔あきフィルムは、高周波数の吸収特性に優れる観点から、薄膜であるものが適しているとされ、単一の合成樹脂のフィルムからなっている。
特許文献1には、オレフィン等の樹脂からなる孔あきシート層(孔あきフィルム)を積層してなる自動車用フロア敷設材(不織布積層体)であって、遮音性と吸音性をともに改善することができる孔あきシート層(孔あきフィルム)が、記載されている。
特許文献2には、開孔樹脂層(孔あきフィルム)を積層してなる自動車用成形敷設内装材(不織布積層体)であって、特に1000Hz以上の周波数の吸音特性を高めることができる開孔樹脂層(孔あきフィルム)が、記載されている。
特許文献3には、開孔率が0.05〜5%となるように小孔が均一に開設された厚さ10〜100μのポリエチレンなどの熱可塑性樹脂フィルムからなる中間層(孔あきフィルム)を積層してなる車両用吸音材(不織布積層体)であって、優れた吸音特性を得ることができる中間層(孔あきフィルム)が、記載されている。
車両用途の不織布積層体は、道路側を下、車室内側を上、とすると、下から、鋼板、抑振材料であるメルシート、そして、吸音材料である不織布積層体の順で構成されている。
優れた吸音特性を得るために、吸音効果を目的とした不織布積層体は、厚み方向に貫通する無数の微細な孔を有する孔あきフィルムの上下に不織布からなる吸音層が設けられていることが好ましい。孔あきフィルムの振動による音の吸収に加え、孔あきフィルムの上下の不織布からなる吸音層にて全面で均一に音が吸収されるからである。
そして、吸音効果を目的とした不織布積層体の成形方法は、加熱処理(加熱成形)によって行われる。加熱処理とは、不織布を加熱による予備接合処理によって中間成形体である成型用不織布とし、その後、車両の設置部位に合わせた金型を用いた加熱成型処理によって一体化された不織布積層体(成型加工品)とすることである。加熱することによるのは、加熱による積層体の融着一体結合と成形方法が手間や制御上の観点から容易であるためである。しかし、不織布積層体に孔あきフィルムが存在する場合において、加熱処理の温度が、孔あきフィルムの融点より低い場合には、孔あきフィルムと不織布層とが密着しないおそれがあり、一方、融点を超える場合には、孔あきフィルムの有する無数の微細な孔が拡大したり、適正な孔あきフィルムの状態でなくなったり、孔あきフィルム自体が溶融してフィルム形状が失われたり、吸音効果が低下するおそれがあるという問題があった。特に、フィルムが薄い場合には、この現象が顕著に起きる問題がある。
このため、加熱による成形方法では、優れた吸音効果を得ることが難しいという問題点があった。そして、この問題点が解決できる手段の出現が要望されていた。
特開2005−1403号公報 特開2007−161153号公報 特開2006−137160号公報
本発明は、孔あきフィルムを有する不織布積層体の成形方法が加熱成形による方法であっても、優れた吸音効果を得ることができる不織布積層体を提供するものである。
請求項1記載の発明では、孔あきフィルムと、該孔あきフィルムの少なくとも片面に結合される不織布と、からなる車両用途の不織布積層体において、前記孔あきフィルムは、芯材の少なくとも前記片面側に融着材が積層されている多層孔あきフィルムで、厚み方向に貫通する無数の微細な孔を有し、前記孔あきフィルムと前記不織布とは、加熱処理(加熱成形)によって融着した融着材によって結合していることを特徴とする。
これによれば、孔あきフィルムを有する不織布積層体の成形方法が加熱成形であっても、高周波領域の効果が出やすい薄いフィルムであっても、孔あきフィルムは膜形状を保ち、優れた吸音効果を得つつ、孔あきフィルムと不織布とは融着材によって一体となる不織布積層体を提供することができる。
本発明における一実施形態の不織布積層体の鉛直方向断面図である。 本発明における一実施形態の多層孔あきフィルムの鉛直方向断面図である。
本発明における車両用途の不織布積層体及び不織布積層体に使用する孔あきフィルム11の一実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の孔あきフィルム11は当該構成に限定されるものではない。即ち、本発明の要旨を逸脱しない限り各種の設計変更等が可能である。
(孔あきフィルム)
本発明の車両用途の不織布積層体に使用する孔あきフィルム11は、芯材31の少なくとも片面に融着材41が積層されている多層体からなり、厚み方向に貫通する無数の微細な孔51を有しているものである。
孔あきフィルム11は、吸音効果を発揮する膜であり、無数の微細な孔51を有することによって、多層孔あきフィルムを透過する音が下層の吸音層としての不織布でも吸収され、孔あきフィルム11の芯材31自体が振動することによっても音が振動吸収されるものである。
芯材31の素材としては、孔あきフィルム11が振動すること、車両への設置の際などの変形に耐えうるものであることが要求される。このような観点から、熱成形可能な熱可塑性樹脂が好ましく使用することができる。そして、孔形状の保持のために不織布積層体の予備接合処理温度より融点が高い高融点熱可塑性樹脂を選択する必要がある。
一般に、不織布積層体予備接合処理は、熱効率の観点より180〜220℃に加熱されて行われる。そして、芯材31の素材は、不織布積層体の予備接合処理温度以上の融点を有する高融点熱可塑性樹脂とする必要がある。不織布積層体予備接合処理の際に、芯材31自体が溶融して流れることで、芯材31の有する無数の微細な孔51が拡大して、あるいは、膜形状を保てなくなり、吸音効果が低下するのを防ぐためである。特に、高周波領域の吸音性が出しやすい薄いフィルムではこの傾向が顕著である。
予備接合処理温度より融点の高い高融点熱可塑性樹脂として、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂(融点:約255℃)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂(融点:約255℃)又はポリアミド樹脂(融点:約225〜265℃)及びこれら誘導体から選択される一種などを使用することができる。なお、これら樹脂は、自由に共重合体とすることができるものであるため、主たる成分が前記のものであれば使用することができる。
これらの中でも、融着材41の成分である低融点熱可塑性樹脂との密着性に優れるポリアミド樹脂がより好ましい。ポリアミド樹脂として、ナイロン6(融点:約225℃)、ナイロン66(融点:約250℃)などがあるが、これらに限定されるものではない。
芯材31の単位面積質量は、5〜40g/m2である物が好ましい。取り扱いが容易で、かつ、高周波数の吸収特性に優れるためである。5g/m2未満だと、芯材が破れやすく取り扱いが容易とならないおそれがある。一方、40g/m2を超えると、高周波数において振動しにくく高周波数の吸収特性が劣るおそれがある。
より好ましくは、10〜35g/m2であり、最も好ましくは、13〜25g/m2である。
融着材41とは、芯材31の少なくとも片面に積層される芯材31より融点の低い低融点熱可塑性樹脂であり、不織布積層体の加熱成形時に融けて不織布と孔あきフィルム11とを融着させるものである。
不織布は、主として繊維で構成されるもので、空隙の多い構造で、熱伝導率が低く、熱風も比較的通りにくいことで、不織布積層体の加熱処理(加熱成形)時の熱が伝わりにくい性質を有している。加熱処理(加熱成形)時の雰囲気温度を180〜220℃で0.5〜5分の加熱を行っても、孔あきフィルム11自体の到達温度は、130〜200℃程度までにしか上昇しない。従って、融着材層の素材は、孔あきフィルム11自体の到達温度より融点が低い素材を選択する必要がある。加熱処理による融着材の融着によって、孔あきフィルム11と不織布とを結合させるためである。融着材41としての低融点熱可塑性樹脂の例として、ポリエチレン(低密度ポリエチレン(融点:95〜130℃)、高密度ポリエチレン(融点:120〜140℃))、ポリプロピレン(融点:168℃)、ポリスチレン(融点:100℃)、AS樹脂(アクリロニトリルスチレン)(融点:115℃)、ABS樹脂(アクリロブタジエンスチレン)(融点:100〜125℃)、アクリル樹脂(融点:90〜105℃)及びこれら誘導体から選択される一種などを使用することができる。
融着材41は、芯材31の少なくとも片面に積層されていることを要する。予備接合処理をされた不織布積層体は、取り扱いの際に手間を要しない、一体化された積層体であることが望ましい。そして、孔あきフィルム11の上下に不織布からなる吸音層が設けられている場合には、孔あきフィルム11と上下の不織布とが、融着材41で融着していることが好ましい。また、不織布の部分に溶融接着性があり、繊維間の接触部分が溶融接着するために、薄くてもより強固に一体化しやすく、孔あきフィルム11以外の小さな面積が振動するために高周波領域の吸音性が上げられる。
(孔あきフィルムの製造方法)
孔あきフィルム11としての多層フィルムの製造方法には、Tダイ法とインフレーション法の二種類が知られている。Tダイ法とは、押出機の先端にTダイと呼ばれる直線状のリップ(溶融した樹脂が出てくる隙間の部分)を持つ金属を設置し、平面状に樹脂材料を連続して押し出して成膜化する方法である。一方、インフレーション法は、押出機の先端にリングダイスと呼ばれる環状のリップを持つ金型を設置し、チューブ状に樹脂材料を連続押し出し、風船のように膨らまして成膜化する方法である。これらの中でも、容易に異種の樹脂を同心円状の円形スリットから共に押出すことのできる、インフレーション法をより好んで使用することができる。
多層フィルムへの微細な孔51を設ける方法は、特に限定されるものではないが、例を挙げると、以下のものがある。機械的穿孔方法として、パンチングによる穿孔方法、ニードルプリッカー法(不織布の製造工程である“カーディング工程”に使用される“ガーネットロール”の形状を刃のように先端を鋭利にしたものを、フィルムに圧着して孔を設ける方法)、ニードルパンチ法(フエルト・不織布の製造工程である“ニードルパンチ工程”に使用される“ニードルパンチ”を、フィルムにニードル先端を貫通させて孔を設ける方法)などがある。熱的穿孔方法として、ホットピンによる穿孔方法、レーザー光線による穿孔方法などがある。熱的穿孔方法では、針先端の温度の過熱やスピードが上げられない、溶融屑が付きやすい等によって孔の直径が不安定になりやすく、生産性が高くならないことがあり、機械的穿孔方法が好ましい。特に、ニードルパンチによって多層フィルムに微細な孔を設けることが好ましい。容易に、孔の大きさや孔の密度を変更することができるためである。また、フィルムを重ねて複数のフィルムに同時に孔を設けることも可能で、高生産性とすることも可能である。なお、多層フィルムに設ける孔の直径は、パンチング、ガーネットロールの刃、ニードル、ピン、の形状、レーザー光の直径を変えることによって変更することができ、孔あきフィルム11の開孔率は、孔の直径と打ち抜き等の回数を変えることによって変更することができる。
多層孔あきフィルムの単位面積質量は、10〜50g/m2である物が好ましい。取り扱いが容易で、かつ、高周波数の吸収特性に優れるためである。10g/m2未満だと、孔あきフィルム11が破れやすく取り扱いが容易とならないおそれがある。一方、50g/m2を超えると、高周波数において振動しにくく高周波数の吸収特性が劣るおそれがあり、また軽量化には不利である。より好ましくは、20〜47g/m2であり、最も好ましくは、30〜45g/m2である。
孔あきフィルム11の孔の直径(不定形形状の孔の場合、不定形孔の面積を、丸孔形状の同じ面積を想定した場合の半径)はモード径、0.005〜1.0mmであることが好ましい。優れた吸音特性を発揮するためである。1.0mmを超えると高周波数の吸収特性が不十分となるおそれがある。一方、0.005mmを下回ると同じく高周波数の吸収特性が不十分となるおそれがある。より好ましくは、0.01〜0.8mmであり、最も好ましくは、0.02〜0.5mmである。
孔あきフィルム11の開孔率(フィルム面積に対する開いた孔の面積の比率)は、0.1〜5.0%であることが好ましい。優れた吸音特性を発揮するためである。5.0%を超えると高周波数の吸収特性が不十分となるおそれがある。一方、0.1%を下回ると音が孔あきフィルム11を透過し難く孔あきフィルム11上下の不織布からなる吸音層にて均一に音が吸収されないおそれがある。より好ましくは、0.2〜2.5%であり、最も好ましくは、0.3〜1.5%である。
(不織布)
不織布は吸音層として作用するものである。そして、孔あきフィルム11の、上側(車室内側)に設置される上側不織布21と、下側(道路側)に設置される下側不織布22とがある。
これらに使用される不織布は、熱成形できる不織布であることが必要である。熱成形不織布とは、不織布に熱可塑性繊維を用い、予備接合処理によって、本発明の孔あきフィルム11や他の不織布と、一体の成形品とすることができる不織布のことである。また、孔あきフィルム11や最下層に成形保形を維持する溶融樹脂層とも一体化することもできる。
熱成形不織布として、接着繊維としての熱可塑性繊維をスチレンやアクリルなどのエマルションバインダーで接合させた不織布、接着繊維としての熱可塑性繊維と骨格繊維としての熱可塑性繊維とを均等に混ぜた不織布、などがある。熱成形温度が、180〜220℃の場合、骨格繊維としての熱可塑性繊維は、予備接合処理温度より融点が高い、ポリエステル、ナイロン、高融点ポリプロピレン、レーヨンなどの合成繊維やジュート、ケナフ、サイザルなどの天然繊維を使用することができる。接着繊維としての熱可塑性繊維としては、予備接合処理温度より融点が低い、ポリエチレン(融点:110℃)、ポリプロピレン(融点:168℃)、低融点ポリエステル(融点:130℃)などの合成繊維を使用することができる。
不織布を製造するには、ウォータニードル(水流交絡法プロセス)を用いて加工する方法や、金属のニードルを用いて繊維を交絡させ加工する方法など、公知の方法を使用することができる。
(不織布積層体の予備接合処理)
不織布積層体の予備接合処理は、以下のように行った。上側不織布21、多層孔あきフィルム11及び下側不織布22の順に設置したものを原反とし、原反を、雰囲気温度180〜220℃の条件で、0.5〜5分加熱を行い、予備接合処理をすることによって、成型用不織布(不織布積層体)を得ることができる。また、型で成型された成形保形性を付与するために下側不織布22の下側にポリエチレンやEVAなどの層を融着積層することもある。
(成型用不織布の金型での成型処理)
金型での成型処理は、予備接合処理した成型用不織布を雰囲気温度180〜220℃に加熱し、車両の設置部位に合わせた金型で0.25〜3分型締めを行い、成型加工品(不織布積層体)とした。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
上側不織布21として、以下のものを用いた。不織布A(目付230g/m2、厚さ3mm)、不織布B(パイル地(カーペット)、目付230g/m2、厚さ3mm)。
下側不織布22として、以下のものを用いた。不織布F(目付600g/m2、厚さ9mm)、不織布G(下側に非通気性樹脂シートの層がある不織布、目付600g/m2、厚さ9mm)。
多層孔あきフィルム11は、表1〜4に記載の多層孔あきフィルムNo.1〜25を用いた。製造方法は、公知のインフレーション法によって行い、フィルムへの微細な孔は、汎用のニードルパンチ機の設定を調整することによって、表1〜4記載の条件の孔を設けた。例えば、モード径で孔の直径が0.03mmとなるニードルパンチを用いて、開孔率0.4%とする場合には、1m2当たり、単体だと約570万回、1000本の束だと約5700回、孔を設けることになる。
Figure 2016221711
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Figure 2016221711
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表5〜8に記載の試験例に従い、不織布積層体を作成した。上側不織布21、多層孔あきフィルム11及び下側不織布22からなる原反を雰囲気温度200℃時間2分の条件で、該原反を予備接合処理した。孔あきフィルムは最高で150℃に達していた。その後、金型での成型処理として、予備接合処理した成型用不織布を200℃に加熱し、金型で1分型締めを行い、成型加工品とした。孔あきフィルムは最高で150℃に達していた。
そして、不織布積層体の評価は、層間密着性と吸音率を測定することによって評価した。
層間密着性は、孔あきフィルムに上側不織布及び下側不織布が融着しているものを○、孔あきフィルムに上側不織布又は下側不織布のどちらか一方が融着しているものを△、孔あきフィルムに上側不織布と下側不織布とが融着していないものを×、として評価した。
吸音率は、音響管による吸音率及びインピーダンスの測定―第1部:定在波比法(JIS A 1405−1:2007)によって測定した。そして、比較的高周波領域で、実用上重要な5kHz吸音率(%)で評価し、吸音率(%)の高い試験例が優れた不織布積層体である。
試験例2〜4、6、7及び10〜30、は実施例であり、試験例1、5、8及び9は比較例である。
(試験例1〜9)
試験例1〜9の結果を表5に示す。試験例1は、孔あきフィルムを使用しなかった不織布積層体である。5kHz吸音率が劣り、上側不織布と下側不織布とは融着していなかった。試験例2〜4は、多層孔あきフィルムNo.1〜3を用いた不織布積層体である。5kHz吸音率が優れ、上側不織布と下側不織布とは孔あきフィルムを介して融着していた。試験例5は、多層孔あきフィルムNo.4を用いた不織布積層体である。5kHz吸音率が優れるが、孔あきフィルムに融着材層がないため、孔あきフィルムは上側不織布と下側不織布とに融着していなかった。試験例6は、多層孔あきフィルムNo.5を用いた不織布積層体である。5kHz吸音率が優れるが、孔あきフィルムの融着材層が片面のみのため、孔あきフィルムは上側不織布に密着していなかった。試験例7は、多層孔あきフィルムNo.5を用いた不織布積層体である。孔あきフィルムの上に他部材であるパイル地を設置することによって、5kHz吸音率が優れるものとなった。しかし、薄いフィルムとの融着性が、パイル地の基布とフィルムとの融着面の凹凸が大きいためやや劣るものであった。試験例8は、多層孔あきフィルムNo.6を用いた不織布積層体である。孔あきフィルムの融着材層の融点が高いために、孔あきフィルムと不織布とは融着していなかった。試験例9は、多層孔あきフィルムNo.7を用いた不織布積層体である。孔あきフィルムの融点が低いために、孔あきフィルムが融けて吸音効果は発揮されなかった。
Figure 2016221711
(試験例10〜16)
試験例10〜16の結果を表6に示す。試験例10〜16は、多層孔あきフィルムNo.8〜13及び1を用いた不織布積層体である。単位面積質量の少ない多層孔あきフィルムNo.8を用いた試験例10では、孔あきフィルムが破れたため5kHz吸音率がやや劣る結果となった。一方、単位面積質量の大きい孔あき多層フィルムNo.13を用いた試験例16では、孔あきフィルムの振動が小さくなり5kHz吸音率がやや劣る結果となった。
Figure 2016221711
(試験例17〜23)
試験例17〜23の結果を表7に示す。試験例17〜23は、多層孔あきフィルムNo.14〜19及び1を用いた不織布積層体である。開孔率の少ない孔あきフィルム多層No.14を用いた試験例17では、十分な吸音効果が得られなかったため5kHz吸音率がやや劣る結果となった。一方、開孔率の大きい孔あきフィルム多層No.19を用いた試験例23では、孔あきフィルムの振動が小さくなり5kHz吸音率がやや劣る結果となった。
Figure 2016221711
(試験例24〜30)
試験例24〜30の結果を表8に示す。試験例24〜30は、多層孔あきフィルムNo.20〜25及び1を用いた不織布積層体である。開孔の直径の小さい多層孔あきフィルムNo.20を用いた試験例24では、十分な吸音効果が得られなかったため5kHz吸音率がやや劣る結果となった。一方、開孔の直径の大きい多層孔あきフィルムNo.25を用いた試験例30では、孔あきフィルムの振動が小さくなり5kHz吸音率がやや劣る結果となった。
Figure 2016221711
11 孔あきフィルム
21 上側不織布
22 下側不織布
31 芯材
41 融着材
51 孔

Claims (5)

  1. 孔あきフィルムと、該孔あきフィルムの少なくとも片面に積層される不織布と、からなる車両用途の不織布積層体において、
    前記孔あきフィルムは、芯材の少なくとも前記片面側に融着材が積層されている多層孔あきフィルムで、厚み方向に貫通する無数の微細な孔を有し、
    前記孔あきフィルムと前記不織布とは、加熱処理(加熱成形)によって融着した融着材によって結合していることを特徴とする不織布積層体。
  2. 前記微細な孔の直径(モード径)が、0.005〜1mmであることを特徴とする請求項1に記載の不織布積層体。
  3. 前記孔あきフィルムにおける前記微細な孔の開孔率が、0.1〜5%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の不織布積層体。
  4. 機械的穿孔方法によって前記微細な孔を設けていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の不織布積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の不織布積層体に使用する多層孔あきフィルムであって、
    前記芯材は、前記加熱処理における多層孔あきフィルムの到達温度で溶融しない高融点熱可塑性樹脂であり、
    前記融着材は、前記温度で溶融する低融点熱可塑性樹脂であることを特徴とする多層孔あきフィルム。
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