JP5620197B2 - 車両外装材用積層体及びその製造方法並びに車両外装材 - Google Patents

車両外装材用積層体及びその製造方法並びに車両外装材 Download PDF

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Description

本発明は、車両外装材用積層体及びその製造方法並びに車両外装材に関する。
自動車などの車両底面には、車両底面の凹凸形状を覆って空気抵抗を小さくすることや、車外からの騒音を防ぎ、飛び石による車体底面の損傷を防止することを目的として、車両アンダーカバーが取り付けられており、軽量であることが要求されている。
しかしながら、従来の車両アンダーカバーは、射出成形によって製造されていたため、重く且つ吸音性にも乏しいといった問題点があった。
そこで、射出成形により製造された車両アンダーカバーに代えて、例えば、特許文献1には、グラスファイバーなどの補強材とオレフィン樹脂を混合してなる芯材と、この芯材の片面又は両面にオレフィン樹脂などからなる補強層とが積層一体化された吸音型アンダーカバーが提案されている。
一方、車両アンダーカバーは、通常、車両にボルトとナットを用いて取り付けられる。具体的には、車両アンダーカバーにはボルトを挿通させるためのボルト挿通孔が形成され、このボルト挿通孔にボルトを挿通させた上でボルトにナットを螺合させ、ボルトとナットとによって車両アンダーカバーを車両本体の取り付け部と共に挟持することによって車両アンダーカバーを車両本体に固定させている。
しかしながら、車両アンダーカバーを車両に取り付けた状態において、車両アンダーカバーには、車両の走行中に生じる風圧や振動などに起因して、車両に対して相対的に変位させる応力が加わる。そして、この応力は、車両アンダーカバーを車両に固定させているボルト挿通孔に集中的に加わり、その結果、車両アンダーカバーのボルト挿通孔がこのボルト挿通孔に挿通させているボルトに対して相対変位することによって損傷し、車両アンダーカバーを車両に安定的に固定させておくことができないという問題点を有している。
また、ボルトとナットを更に強く締め付けることによって車両アンダーカバーを更に強く挟持することも考えられるが、車両アンダーカバーがボルトとナットによる挟持力によって圧壊されてしまうために、車両アンダーカバーを車両に強固に一体化させることができず、やはり上述の問題を解決することができない。
更に、ボルト又はナットと、車両アンダーカバーとの間にワッシャーを介在させた上で、ボルトとナットとによって車両アンダーカバーを強固に挟持することも考えられるが、上述のように、ボルトとナットによる挟持力によって車両アンダーカバー自体が圧壊されてしまうためにワッシャーを介在させてもボルトとナットによって車両アンダーカバーを強固に挟持することができないという同様の問題が依然として生じる。
また、ワッシャーは車両アンダーカバーとは別体であるため、車両アンダーカバーが車両に対して相対変位した場合に、ワッシャーもボルト又はナットと共に車両アンダーカバーに対して相対変位するため、ワッシャーによる車両アンダーカバーのボルト挿通孔の補強効果は限定的であり、車両アンダーカバーのボルト挿通孔が、車両アンダーカバーに対して相対変位するボルトによって破損するという問題は解消されていない。
車両アンダーカバーにおいてワッシャーを介在させる部分が単なる平坦面でなく、凹凸形状などの曲面形状である場合もあり、このような部分にはワッシャーを介在させることができないという問題点も有する。
特開2006−240408号公報
本発明は、長期間に亘って使用しても風圧や振動に起因して車両本体に固定させた部分から破壊が生じず且つ軽量性に優れていると共に、車両に強固に固定することができる車両外装材を得ることができる車両外装材用積層体及びその製造方法並びに車両外装材を提供する。
本発明の車両外装材用積層体Aは、加熱した上で成形されることによって車両外装材として用いられる車両外装材用積層体であって、無機繊維と、上記無機繊維同士を結着する結着樹脂繊維とを混合してなる繊維マット1の少なくとも一方の表面に、上記無機繊維同士を結着可能な結着樹脂を含有する合成樹脂フィルム2を積層し、上記結着樹脂繊維と上記合成樹脂フィルムに含まれる結着樹脂を溶融させ、上記合成樹脂フィルム2から溶融した結着樹脂を繊維マット1内に含浸させ、上記無機繊維同士を結着させて得られた積層体本体Bと、この積層体本体Bの少なくとも一方の表面に部分的に積層一体化された補強シートCとからなり、上記補強シートは、複数の合成樹脂層が積層一体化されてなる複層シートであり、最外層となる合成樹脂層C1を構成している合成樹脂のメルトフローレイトは、5g/10分以下である。なお、図1に、繊維マット1の両面に合成樹脂フィルム2が積層一体化した車両外装材用積層体Aを示した。
繊維マット1を構成している無機繊維としては、例えば、ガラス繊維、ロックウール、金属繊維、炭素繊維などが挙げられる。無機繊維は、取り扱いやすいことからガラス繊維、ロックウールが好ましく、ガラス繊維がより好ましい。なお、無機繊維は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
無機繊維の長さは、5〜250mmが好ましく、30〜150mmがより好ましい。無機繊維の太さは、3〜30μmが好ましく、5〜20μmがより好ましく、6〜15μmがより好ましい。
繊維マット1中における無機繊維の含有量は、軽量で十分な機械的強度を有する車両外装材が得られるので、20〜80重量%が好ましく、30〜60重量%がより好ましい。
又、繊維マット1には耐熱性有機繊維が含有されていてもよい。耐熱性有機繊維としては、製造工程中において溶融することなく形態を保持しておればよく、具体的には、融点が200℃以上である必要がある。耐熱性有機繊維に用いられる樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリウレタン繊維などの合成樹脂繊維や、綿、麻、ケナフ、羊毛などの天然繊維が挙げられる。なお、耐熱性有機繊維の融点は、JIS K 7121に準拠して測定されたものをいう。耐熱性有機繊維は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
耐熱性有機繊維の長さは、5〜250mmが好ましく、30〜150mmがより好ましい。耐熱性有機繊維中における長さが30〜150mmの耐熱性有機繊維の含有量は、繊維マットに十分な強度を与えられるので、25重量%以上が好ましく、26〜100重量%がより好ましい。耐熱性有機繊維の繊度は、繊維を均質に混合分散できるので、2〜50dtexが好ましく、5〜30dtexがより好ましい。
繊維マット1中における耐熱性有機繊維の含有量は5〜60重量%が好ましく、10〜40重量%がより好ましい。耐熱性有機繊維の含有量が少ないと、車両外装材の耐衝撃性が低下することがある。耐熱性有機繊維の含有量が多いと、車両外装材の機械的強度が低下することがある。
繊維マット1中には結着樹脂繊維が含有されており、この結着樹脂繊維によって無機繊維同士が結着されている。結着樹脂繊維を構成している合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
結着樹脂繊維の形態としては、単一の合成樹脂から形成された繊維の他に、芯鞘構造の繊維であってもよい。芯鞘構造の繊維の場合には、繊維表面を構成している合成樹脂によって無機繊維同士が結着される。
単一の合成樹脂から形成された繊維の融点及び芯鞘構造繊維の表面を構成している合成樹脂の融点は、低いと耐熱性が低下することがあり、高いと、無機繊維同士の結着が不充分となり、車両外装材の強度が低下することがあるので、70〜170℃が好ましい。なお、本発明において、合成樹脂の融点は、JIS K 7121に準拠して測定されたものをいう。
結着樹脂繊維の長さは、5〜250mmが好ましく、30〜150mmがより好ましい。結着樹脂繊維の繊度は、繊維に均一に分散させ易く取り扱い易いので、2〜50dtexが好ましく、5〜30dtexがより好ましい。
繊維マット1中における結着樹脂繊維の含有量は10〜50重量%が好ましい。結着樹脂繊維の含有量を調整することにより、車両外装材の機械的強度を十分に発現させることできる。
繊維マット1の目付は、軽量化と機械的強度を両立させるために、100〜1500g/m2が好ましく、300〜1000g/m2がより好ましい。
上記繊維マット1の少なくとも一方の表面、好ましくは両面に合成樹脂フィルム2が積層一体化されており、合成樹脂フィルム2の一部が溶融して繊維マット1内に含浸している。
合成樹脂フィルム2を構成している合成樹脂は、繊維マット1内に含浸して無機繊維同士を結着させることができる結着樹脂を含有している。このような結着樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート共重合樹脂、無水マレイン酸変性ポリエチレンなどが挙げられる。合成樹脂フィルム2を構成している合成樹脂は、結着樹脂から構成されていることが好ましい。合成樹脂フィルム2を構成している合成樹脂中における結着樹脂の含有量は、少ないと、繊維マットの機械的強度が低下することがあるので、50重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましい。なお、合成樹脂は無機繊維同士の結着を阻害しない範囲内で、結着樹脂以外の合成樹脂を含有してもよい。結着樹脂以外の合成樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂が挙げられる。なお、合成樹脂フィルム2を構成している合成樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
合成樹脂フィルム2を構成している合成樹脂のメルトフローレイトは0.1〜25g/10分が好ましく、0.3〜15g/10分がより好ましい。合成樹脂のメルトフローレイトが低いと、溶融した樹脂が繊維マット内に充分に含浸するまで時間がかかることがある。合成樹脂のメルトフローレイトが高いと、繊維マット内に含浸される溶融した樹脂の量を精度よく調整することが難しくなる。なお、本発明において、合成樹脂のメルトフローレイトは、JIS K 7210に準拠して測定されたものをいう。
又、上述では合成樹脂フィルム2が単層である場合を説明したが、図2に示したように、合成樹脂フィルム2は、複数の合成樹脂層21、21・・・から構成された合成樹脂フィルムであってもよい。この場合、合成樹脂フィルム2のうち、最内層となる合成樹脂層21a、即ち、繊維マット1に接している合成樹脂層21aには、単層の合成樹脂フィルム2を構成している合成樹脂と同様の合成樹脂が用いられる。なお、繊維マット1の両面に合成樹脂フィルム2が積層一体化されている場合、何れか一方の合成樹脂フィルム2のみが複層の合成樹脂フィルムであっても、或いは、両方の合成樹脂フィルム2が複層の合成樹脂フィルムであってもよい。なお、図2では、一方の合成樹脂フィルム2が複層の合成樹脂フィルムである場合を示した。
又、最内層以外の少なくとも一つの合成樹脂層を構成している合成樹脂のメルトフローレイトは、最内層となる合成樹脂フィルム層21aを構成している合成樹脂のメルトフローレイトの2/3以下であることが好ましく、最内層となる合成樹脂フィルム層21aを構成している合成樹脂のメルトフローレイトの1/2以下であることがより好ましい。このように構成することによって、繊維マットの表面に合成樹脂層を確実に形成することができ、車両外装材の表面の耐衝撃性を向上させることができる。
単層又は複層の合成樹脂フィルム2の全体厚みは30〜500μmが好ましく、100〜400μmがより好ましい。合成樹脂フィルム2の厚みが薄いと、耐衝撃性の高い車両外装材が得られにくく、車両外装材の表面平滑性が低下して寒冷地での使用時に着氷しやすくなることがある。合成樹脂フィルム2の厚みが厚いと、車両外装材が成形しにくくなることがある。
更に、積層体本体Bの少なくとも一方の表面には補強シートCが部分的に積層一体化されて車両外装材用積層体Aが構成されている。車両外装材用積層体Aは後述するように加熱された上で成形されることによって車両外装材として用いられる。なお、補強シートCの厚みは、0.2〜2.0mmが好ましい。また、補強シートの形状は特に限定されず、例えば、矩形状、円形状などが挙げられる。
車両外装材は、ボルト及びナット、又は、クリップなどの挟持具を用いて車両に固定される。例えば、車両外装材をボルト及びナットを用いて車両に固定する場合には、車両外装材にボルトを挿通するためのボルト挿通孔が両面間に亘って貫通した状態に形成される。
そして、車両外装材にボルト挿通孔が形成された場合にはこのボルト挿通孔にボルトを挿通すると共に、ボルトにナットを螺合させることによって車両外装材をボルトとナットによって挟持し、車両外装材は車両に固定される。
また、車両外装材をクリップなどの挟持具を用いて車両に固定する場合には、例えば、車両外装材の外周縁部と車両とを挟持具によって挟持一体化することによって、車両外装材は車両に固定される。
しかるに、車両外装材は、車両の走行時に生じる風圧や振動などによって車両に対して相対変位を生じ、この相対変位に起因して、車両外装材には、上述のボルト挿通孔や挟持具によって挟持されている挟持部分に外力が加わり、この外力が加わった部分において車両外装材に損傷が生じやすい。
そこで、本発明では、上記積層体本体Bの少なくとも一方の表面のうち、車両外装材を車両に取り付けるためのボルト挿通孔が形成される部分や、挟持具によって挟持される部分などのように、車両外装材を車両に固定させた状態において、車両外装材に応力が特に加わり易い部分に合成樹脂製の補強シートCを積層一体化させている。
補強シートとしては、積層体本体Bの表面に一体化させることができて積層体本体Bを部分的に補強することができれば、特に限定されないが、車両外装材用積層体を加熱成形する際に成形型に沿って変形することが好ましい。補強シートは、熱可塑性樹脂シートなどの合成樹脂シートであり、熱可塑性樹脂シートが好ましい
熱可塑性樹脂シートを構成する熱可塑性樹脂としては、積層体本体と熱融着可能であれば、特に限定されず、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂などが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。又、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体の何れであってもよい。
なお、プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィンなどが挙げられる。
ポリエチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン系樹脂、中密度ポリエチレン系樹脂、高密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状中密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状高密度ポリエチレン系樹脂などが挙げられ、単独で用いられても併用されてもよい。
また、補強シートCは、複数の合成樹脂層が積層一体化されてなる複層シートである。積層体本体Bに接している最内層となる合成樹脂層C2は、加熱によって積層体本体Bと熱融着一体化できればよい。なお、図1及び図2においては、補強シートCが二層の合成樹脂層を積層一体化してなる場合を示した。図2において、複層の合成樹脂フィルム上に補強シートCを積層一体化している場合を示したが、単層の合成樹脂フィルム上に補強シートCを積層一体化してもよい。
最外層となる合成樹脂層C1を構成している合成樹脂の融点は、積層体本体Bに接している最内層となる合成樹脂層C2を構成している合成樹脂の融点よりも高いことが好ましく、最外層となる合成樹脂層C1を構成している合成樹脂の融点は、積層体本体Bに接している最内層となる合成樹脂層C2を構成している合成樹脂の融点よりも30℃以上高いことがより好ましい。なお、合成樹脂の融点は、JIS K 7121に準拠して測定されたものをいう。
補強シートCにおいて、最外層となる合成樹脂層C1と最内層となる合成樹脂層C2を上述のように構成することが好ましいのは下記の理由による。補強シートCは、後述するように、補強シートCを加熱下において積層体本体Bに対して押圧することによって積層体本体Bの表面に積層一体化されるが、この際、積層体本体Bに接している最内層となる合成樹脂層C2を確実に溶融させ、積層体本体Bの表面に補強シートCを確実に熱融着一体化させることができるからである。
最内層となる合成樹脂層C2を構成している合成樹脂としては、融点が低く且つ熱融着性の高いことが好ましい。このような合成樹脂としては、例えば、三井化学社から商品名「アドマー」にて市販されている接着性の高い合成樹脂、三井・デュポンポリケミカル社から商品名「エバフレックス」、三菱化学社から商品名「モディック」、デュポン社から商品名「ニュクレル」及び「ハイミラン」、アルケマ社から商品名「ボンダイン」にて市販されているポリエチレン系樹脂、三菱化学社から商品名「プリマロイ−AP」にて市販されているポリエステル系樹脂などが挙げられる。
また、補強シートCにおいて、最外層となる合成樹脂層C1を構成している合成樹脂のメルトフローレイトは、高いと、車両外装材用積層体を加熱して成形した際に、補強シートが補強している積層体本体の表面部分から流出し、積層体本体の補強効果が低減することがあるので、5g/10分以下であり、0.1〜4g/10分が好ましい
更に、補強シートCにおいて、最外層となる合成樹脂層C1を構成している合成樹脂のメルトフローレイトを上述のように5g/10分以下とすれば、後述するように、車両外装材用積層体を加熱して成形する際、補強シートCを積層体本体の補強部分から不測に流出させることなく、車両外装材用積層体に更に高い圧力を加えることができるので、補強シートCの厚みをある程度保持しながら積層体本体の厚みを圧縮して積層体本体の密度を高めて積層体本体の強度の向上を図ることができ、よって、得られる車両外装材は、補強シートによって必要な部分が補強され且つ優れた機械的強度を有している。
また、積層体本体Bの少なくとも一方の表面には、積層体本体Bのうち機械的強度の向上を図りたい部分にのみ補強シートCが積層一体化されているが、積層体本体Bの表面において、補強シートCを積層一体化させている部分の面積割合は、0.5〜20%が好ましい。なお、上記面積割合は、補強シートCが積層一体化されている積層体本体B部分の総表面積を、積層体本体Bの総表面積で除した値に100を乗じた値をいう。
次に、本発明の車両外装材用積層体の製造方法について説明する。先ず、繊維マット1の製造方法について説明する。繊維マット1の製造方法としては、例えば、無機繊維と、結着樹脂繊維とを混合してなる混合繊維をカード機に供給してマットとした後、繊維同士を交絡させて繊維マットを製造する方法が挙げられる。
繊維同士を交絡させる方法としては、マットにニードルパンチを施すニードルパンチ法、マットに水流を衝突させる水流交絡法などが挙げられる。なお、マットにニードルパンチを行う場合、ニードルパンチは、1cm2当り1〜150箇所が好ましく、10〜100箇所がより好ましい。
繊維マットには、無機繊維同士の結着性を向上させるために、無機繊維同士を結着可能な熱可塑性樹脂粉末を含有させてもよい。このような熱可塑性樹脂粉末を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、無水マレイン酸変性ポリエチレンが挙げられる。
次に、繊維マットの片面又は両面に合成樹脂フィルムを直接、積層して積層シートを形成する。なお、繊維マット上に合成樹脂フィルムを積層するにあたって、押出機から押し出した直後の溶融状態の合成樹脂フィルムを連続的に繊維マット上に供給して、繊維マット上に合成樹脂フィルムを積層してもよい。
なお、合成樹脂フィルムが複数の合成樹脂層から構成されている場合、繊維マット上に積層した合成樹脂フィルムは、無機繊維同士を結着させることができる結着樹脂を含有する合成樹脂層が繊維マットに直接、接触した状態となるように、積層する必要がある。
又、複数の合成樹脂層から構成された合成樹脂フィルムの代わりに、繊維マット上に、複数枚の合成樹脂フィルムを積層させてもよい。この場合、繊維マットに直接、接触した状態となる合成樹脂フィルムは、繊維マット1の無機繊維同士を結着可能な結着樹脂を含有している必要がある。
しかる後、例えば、積層シートを一対の搬送ベルト間に供給して搬送しながら、積層シートの繊維マット中の結着樹脂繊維、及び、合成樹脂フィルムの結着樹脂が溶融する温度に加熱し、積層シートをその厚み方向、好ましくは0.5〜3mmに圧縮して、合成樹脂フィルムから結着樹脂を繊維マット内に含浸させる。なお、繊維マットに融点が200℃以上の耐熱性有機繊維が含有されている場合には、耐熱性有機繊維が溶融しない温度に設定する必要がある。
次に、積層シートに加えている圧力を除くと、積層シートの繊維マット中の交絡した無機繊維の復元力によって積層シートはその厚み方向に拡がり、積層シートの繊維マット中に空隙が無数に形成された状態となり、軽量な積層シートが得られる。
この際、積層シートを一対の搬送ベルト間に供給した場合、搬送ベルトを介して積層シートを吸引し、搬送ベルトに積層シートを吸着させた状態で一対の搬送ベルト間の間隔を広げることによって積層シートをその厚み方向に強制的に拡げてもよい。
軽量化と機械的強度とを両立できるので、車両外装材用積層体の空隙率が30〜90%となるように調整することが好ましい。
しかる後、積層シートを冷却することによって積層体本体を得ることができる。得られた積層体本体の繊維マット中の結着樹脂繊維は溶融して無機繊維同士を結着させていると共に、合成樹脂フィルムの結着樹脂の一部が繊維マット中に含浸して無機繊維同士を結着している。特に、繊維マット中に含浸した合成樹脂フィルムの結着樹脂は、繊維マットの表面部に集中して存在しており、繊維マット1の表面部が強化される。
従って、積層体本体の表面部は、厚み方向の中心部分に比して耐衝撃性などの機械的強度に優れており、車両外装材用積層体は、飛び石などの衝突によって破れなどの破損が生じにくい。
そして、積層体本体Bの少なくとも一方又は双方の表面に補強シートCを部分的に積層する。積層体本体Bにおける補強シートCの積層箇所は、得られる車両外装材用積層体を加熱、成形して得られる車両外装材において補強したい部分である。
しかる後、積層体本体B上に積層した補強シートCを積層体本体Bに向かって加熱しながら押圧することによって、補強シートCの一部又は全部を、少なくとも補強シートCにおける積層体本体Bに接している部分を溶融させて積層体本体Bの表面に熱融着によって積層一体化させて車両外装材用積層体を製造することができる。
この際、車両外装材用積層体を加熱して成形して得られる車両外装材において、補強シートCが積層体本体Bの表面から離脱しないように積層体本体Bの表面に補強シートCが一体化されておればよい。具体的には、補強シートCの合成樹脂シートと、積層体本体の表層部を形成している合成樹脂フィルムとが熱融着一体化することによって、補強シートCが積層体本体Bの表面に積層一体化される。
なお、補強シートCを積層体本体Bに向かって加熱しながら押圧して補強シートCを積層体本体Bの表面に積層一体化する方法としては、特に限定されず、例えば、所定温度に加熱された押圧板によって補強シートCを積層体本体Bに向かって押圧し、補強シートCを全面的に又は部分的に溶融させて補強シートCを積層体本体Bの表面の所望箇所に積層一体化させる方法が挙げられる。
上記車両外装材用積層体を加熱成形することによって車両外装材を得ることができる。この車両外装材用積層体の加熱成形時に更に補強シートが積層体本体に向かって押圧されることによって補強シートが積層体本体の表面に更に強固に一体化され、好ましくは、補強シートの一部が積層体本体に含浸されることによって、補強シートは積層体本体の表面に更に強固に一体化される。加えて、補強シートが積層体本体の表面に押圧されることによって、積層体本体内の空隙部に、積層体本体の表面を形成している合成樹脂フィルムが繊維マット内に更に含浸され、車両外装材用積層体において、補強シートによって補強された繊維マット部分は樹脂含有量が増加し更に強固に補強される。なお、車両外装材用積層体を加熱成形する方法としては、公知の成形方法が用いられ、例えば、プラグ成形、マッチ・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、プラグアシスト成形、プラグアシスト・リバースドロー成形、エアスリップ成形、スナップバック成形、リバースドロー成形、フリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形などが挙げられる。
そして、車両外装材用積層体の補強シートは、加熱成形時に積層体本体の成形に伴う変形に追従して変形し、得られる車両外装材の表面に所望形状に成形された状態で一体化されており、車両外装材の補強が必要な部分は、その形状にかかわらず、補強シートによって補強されて機械的強度が向上している。
上記車両外装材としては、例えば、車両アンダーカバー、車両のフェンダーカバー、タイヤハウジングなどが挙げられる。車両アンダーカバーは、車両の底部を全面的に被覆し或いは部分的に被覆して、車両の底部の空気抵抗を軽減し、或いは、車両の底部を保護するために用いられる。
なお、車両外装材用積層体はその製造時において圧力が除かれると、繊維マット中で交絡した無機繊維が自らの復元力によって繊維マットの厚みを回復させる。このような作用によって厚みが回復した車両外装材用積層体は、複雑な形状の車両外装材に加熱成形することができる。
従って、得られる車両外装材は、繊維マットの内部に空隙が多数形成されており非常に軽い。更に、車両外装材は、適度な厚み、具体的には、好ましくは2mm以上、より好ましくは3mm以上の厚みを有していると優れた弾力性を持ち、飛び石などの衝突によって破損しにくい。
なお、上記車両外装材用積層体を構成している合成樹脂には、必要に応じて、カーボンブラックなどの顔料、酸化防止剤、スリップ剤、結晶化核剤などが含有されていてもよい。
そして、上述のようにして成形された車両外装材は、汎用の要領で車両に取り付けられる。具体的には、車両外装材の所望箇所にボルト挿通孔が両面間に亘って貫設され、このボルト挿通孔にボルトを挿通し、ボルトにナットを螺合させることによってボルトとナットとで車両と共に車両外装材を強固に挟持して車両外装材を車両に取り付けることができる。また、車両外装材をクリップなどの挟持具を用いて車両に取り付ける場合には車両外装材の外周縁部を車両の所定箇所に挟持具を用いて強固に挟持一体化させて車両外装材を車両に取り付けることができる。
この際、上述のように、車両外装材用積層体Aでは、積層体本体Bの表面に補強シートCが部分的に一体的に積層されて補強されており、この補強された部分にボルト挿通孔が形成され、或いは、補強された部分を利用して挟持具などを用いて車両外装材が車両に取り付けられているので、車両外装材が走行中の車両の振動に起因して車両に対して相対変位し、この相対変位に伴って、ボルト挿通孔や挟持具による挟持部分などのような、車両外装材における車両に一体化させている部分に、外力が集中的に加えられた場合にあっても、上記取り付け部分は補強シートによって補強されているので破損するようなことはなく、車両外装材は車両に対して安定的に強固に取り付けられた状態を維持する。
そして、本発明の車両外装材用積層体Aは、補強シートを積層体本体の表面に部分的に積層一体化しているので、車両外装材用積層体Aは、その全体の軽量性を保持しつつ、必要な部分だけ剛性を向上させており、軽量性を維持しながら車両に安定的に且つ強固に取り付けることができる。
本発明の車両外装材用積層体は、上述の如き構成を有しており、繊維マットが無機繊維を含有しているので機械的強度に優れている。更に、車両外装材用積層体に耐熱性有機繊維が含有されている場合には、耐熱性有機繊維によって優れた弾性が付与されており、飛び石の衝突などによる衝撃を効果的に吸収し、破れにくくなる。
車両外装材用積層体は、その繊維マットの少なくとも一方の表面に合成樹脂フィルムが積層一体化されており、合成樹脂フィルムの一部が繊維マットに含浸して繊維マット表面部の機械的強度を向上させている。従って、車両外装材用積層体は、その表面における機械的強度に特に優れており、上述した繊維マットによる衝撃の吸収効果との相乗効果により、飛び石の衝突などによる衝撃によって破れにくい。
そして、本発明の車両外装材用積層体は、その一部が補強シートによって補強されており、この補強部分を利用して汎用の固定具を用い、車両外装材用積層体を加熱成形して得られる車両外装材を強固に且つ安定的に車両に固定させることができる。
本発明の車両外装材用積層体を示した縦断面図である。 本発明の車両外装材用積層体の他の一例を示した縦断面図である。 本発明の車両外装材用積層体の製造装置を示した模式側面図である。
(実施例1)
長さが40〜75mmで且つ直径が9μmのガラス繊維と、繊度が6.6dtexで且つ長さが64mmのポリプロピレン繊維(融点:160℃)と、繊度が17dtexで且つ長さが64mmのポリエチレンテレフタレート繊維(融点:255℃)とをそれぞれ表1に記載の目付量となるように混合しカード機に供給して解繊及び混繊して長尺状のマットを得た。得られたマットにニードルパンチを1cm2当たり20箇所打って繊維同士を交絡させて目付が700g/m2の長尺状の繊維マット1を得た。
次に、長尺状の繊維マット1の上下面のそれぞれに、高密度ポリエチレン(融点:135℃、メルトフローレイト:5.0g/10分)からなる厚さが154μm(目付:144g/m2)の長尺状の合成樹脂フィルム2、2を連続的に積層して厚みが8mmの積層シートDを得た。
図3に示したように、ポリテトラフルオロエチレンで表面が被覆された上下一対の無端状の搬送ベルト3、3を用意した。この一対の搬送ベルト3、3の間に積層シートを連続的に供給し、積層シートDを200℃の熱風加熱炉4内を通過させて5分間に亘って加熱した。
続いて、積層シートDを200℃に加熱された一対の平板プレス5、5間に供給して積層シートDをその厚みが1.5mmとなるように圧縮して5秒間に亘って保持し、合成樹脂フィルムを構成している高密度ポリエチレンの一部を繊維マット内に含浸させると共に、ポリプロピレン繊維を溶融させた。
次に、積層シートDを平板状の上下真空拡開装置6、6間に供給して、積層シートDを一対の搬送ベルト3、3を介して真空吸引して積層シートDをその厚み方向に拡げた後、積層シートDを冷却装置7内に供給し冷却して厚みが4mmで且つ目付が988g/m2の積層体本体Bを得た。
しかる後、低密度ポリエチレン(融点:105℃、メルトフローレイト:4g/10分)からなる厚みが10μmの合成樹脂層C2上に高密度ポリエチレン(融点:135℃、メルトフローレイト:2.4g/10分)からなる厚みが490μmの合成樹脂層C1が積層一体化されてなる一辺が10cmの平面正方形状の補強シートCを4枚、その合成樹脂層C2が積層体本体Bに接した状態となるように積層体本体Bの一面に点在した状態に載置した後、130℃に維持され且つ積層体本体Bに対して接離する方向に移動可能な押圧板(図示せず)と、130℃に維持され且つ所定位置に固定された受け板(図示せず)との間に、補強シートCが一面に載置された積層体本体Bを供給して、押圧板を積層体本体Bに向かって移動させて押圧板と受け板とで各補強シートCを積層体本体Bに向かって押し付けることによって、各補強シートCの合成樹脂層C2を溶融させて積層体本体Bの一面に各補強シートCを積層一体化させ、しかる後、押圧板を積層体本体B及び補強シートCから離間させて車両外装材用積層体Aを得た。なお、車両外装材用積層体において、補強シートCが積層一体化されている部分の積層体本体は、その厚みが1.0mmであった。車両外装材用積層体A全体の目付は998g/m2であった。積層体本体Bの一面において、補強シートCを積層一体化させている部分の面積割合は2%であった。
得られた車両外装材用積層体の積層体本体は、繊維マットの両面に高密度ポリエチレンからなる合成樹脂フィルムが積層一体化されていた。繊維マットのガラス繊維とポリエチレンテレフタレート繊維は、ポリプロピレンによって部分的に結着されており、繊維マットの表面部には合成樹脂フィルムを構成している高密度ポリエチレンの一部が含浸して繊維マットの繊維同士を結着していた。車両外装材用積層体の繊維マットには空隙が形成されており、空隙率は80%であった。
(実施例2)
繊維マットの上下面に積層させた合成樹脂フィルムとして、高密度ポリエチレン(融点:135℃、メルトフローレイト:5.0g/10分)からなる厚みが100μmの合成樹脂層21a上に、高密度ポリエチレン(融点:135℃、メルトフローレイト:2.4g/10分)からなる厚みが54μmの合成樹脂層21bが積層一体化されてなる長尺状の合成樹脂フィルム(目付:144g/m2)を用い、繊維マットの上下面のそれぞれに、上記合成樹脂フィルムをその合成樹脂層21aが繊維マットに接した状態に積層して厚みが8mmの積層シートDを製造したこと以外は実施例1と同様にして車両外装材用積層体を得た。なお、車両外装材用積層体において、補強シートが積層一体化された部分の積層体本体は、その厚みが1.0mmであった。車両外装材用積層体A全体の目付は998g/m2であった。積層体本体Bの一面において、補強シートCを積層一体化させている部分の面積割合は2%であった。
得られた車両外装材用積層体の積層体本体は、繊維マットの両面に高密度ポリエチレンからなる合成樹脂フィルムが積層一体化されていた。繊維マットのガラス繊維とポリエチレンテレフタレート繊維は、ポリプロピレンによって部分的に結着されており、繊維マットの表面部には合成樹脂フィルムを構成している高密度ポリエチレンの一部が含浸して繊維マットの繊維同士を結着していた。車両外装材用積層体の繊維マットには空隙が形成されており、空隙率は80%であった。
(実施例3)
車両外装材用積層体において、補強シートが積層一体化された部分の積層体本体の厚みが1.4mmとなるように押圧板と受け板との間の距離を調整したこと以外は実施例1と同様の要領で車両外装材用積層体を製造した。なお、車両外装材用積層体において、補強シートが積層一体化された部分の積層体本体は、その厚みが1.4mmであった。車両外装材用積層体A全体の目付は998g/m2であった。積層体本体Bの一面において、補強シートCを積層一体化させている部分の面積割合は2%であった。
得られた車両外装材用積層体の積層体本体は、繊維マットの両面に高密度ポリエチレンからなる合成樹脂フィルムが積層一体化されていた。繊維マットのガラス繊維とポリエチレンテレフタレート繊維は、ポリプロピレンによって部分的に結着されており、繊維マットの表面部には合成樹脂フィルムを構成している高密度ポリエチレンの一部が含浸して繊維マットの繊維同士を結着していた。車両外装材用積層体の繊維マットには空隙が形成されており、空隙率は85%であった。
(比較例1)
実施例1と同様にして積層体本体を作製し、この積層体本体を車両外装材用積層体とした。
(比較例2)
実施例1と同様にして積層体本体Bを作製した。次に、高密度ポリエチレン(融点:135℃、メルトフローレイト:2.4g/10分)からなる厚みが500μmの補強用シート(目付:468g/m2)を積層体本体Bの一面に全面的に載置した後、200℃に維持され且つ積層体本体Bに対して接離する方向に移動可能な押圧板(図示せず)と、200℃に維持され且つ所定位置に固定された受け板(図示せず)との間に、補強用シートが一面に載置された積層体本体Bを供給して、押圧板を積層体本体Bに向かって移動させて押圧板と受け板とで補強用シートを積層体本体Bに向かって押し付けることによって、補強用シートを溶融させて積層体本体Bの一面全面に補強用シートを積層一体化させ、しかる後、押圧板を補強用シートから離間させて車両外装材用積層体を得た。なお、車両外装材用積層体において、補強用シートが積層一体化されている部分の積層体本体は、その厚みが2.5mmであった。車両外装材用積層体A全体の目付は1456g/m2であった。積層体本体Bの一面において、補強シートCを積層一体化させている部分の面積割合は100%であった。
得られた車両外装材用積層体の積層体本体は、繊維マットの両面のそれぞれに合成樹脂フィルムが積層一体化されていた。繊維マットのガラス繊維は、ポリプロピレンによって部分的に結着されており、繊維マットの表面部には、合成樹脂フィルムを構成している高密度ポリエチレンの一部が含浸して繊維マットの繊維同士を結着していた。車両外装材用積層体の繊維マットには空隙が形成されており、空隙率は68%であった。
得られた車両外装材用積層体について全体の目付を測定し、その結果を表1に示した。更に、得られた車両外装材用積層体について、補強シートによって補強された部分(補強部分)の積層体本体の厚みをノギスを用いて測定し、その結果を表1に示した。
(定荷重疲労特性)
一対の雌雄金型で車両外装材用積層体をプレス成形するマッチモールド成形方法によって車両外装材用積層体を200℃に加熱した上でアンダーカバーに熱成形した。
更に、上記アンダーカバーにおいて、補強シート又は補強用シートで補強された部分から、JISK7128−3:1998 プラスチック−フィルム及びシートの引裂き試験方法−第3部:直角引裂き法に準拠して同規格に記載されている試験サンプル形状の試験片を打ち抜いた。
エレクトロダイナミック試験器(INSTRON社製 商品名「ElectroPlus E3000」)を用いて試験片に80Nの定荷重にて5Hzの負荷を加えて疲労試験を行い、試験片が破壊するまでのサイクル数を測定した。
Figure 0005620197
1 繊維マット
2 合成樹脂フィルム
21、21a、21b 合成樹脂層
3 搬送ベルト
4 熱風加熱炉
5 平板プレス
6 上下真空拡開装置
7 冷却装置
A 車両外装材用積層体
B 積層体本体
C 補強シート
D 積層シート

Claims (9)

  1. 加熱した上で成形されることによって車両外装材として用いられる車両外装材用積層体であって、無機繊維と、上記無機繊維同士を結着する結着樹脂繊維とを混合してなる繊維マットの少なくとも一方の表面に、上記無機繊維同士を結着可能な結着樹脂を含有する合成樹脂フィルムを積層し、上記結着樹脂繊維と上記合成樹脂フィルムに含まれる結着樹脂を溶融させ、上記合成樹脂フィルムから溶融した結着樹脂を繊維マット内に含浸させ、上記無機繊維同士を結着させて得られた積層体本体と、この積層体本体の少なくとも一方の表面に部分的に積層一体化された補強シートとからなり、上記補強シートは、複数の合成樹脂層が積層一体化されてなる複層シートであり、最外層となる合成樹脂層を構成している合成樹脂のメルトフローレイトは、5g/10分以下であることを特徴とする車両外装材用積層体。
  2. 補強シートは熱可塑性樹脂から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両外装材用積層体。
  3. 補強シート合成樹脂層のうち、最外層となる合成樹脂層を構成している合成樹脂の融点は、積層体本体に接する最内層となる合成樹脂層を構成している合成樹脂の融点よりも高いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両外装材用積層体。
  4. 車両外装材とした際に貫通孔が形成され又は挟持具によって挟持される部分に対応する積層体本体の表面に補強シートが積層一体化されていることを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか1項に記載の車両外装材用積層体。
  5. 無機繊維と、上記無機繊維同士を結着する結着樹脂繊維とを混合してなる繊維マットの少なくとも一方の表面に、上記無機繊維同士を結着可能な結着樹脂を含有する合成樹脂フィルムを積層して積層シートを製造し、上記結着樹脂繊維及び上記合成樹脂フィルムを溶融させながら上記積層シートをその厚み方向に圧縮し、上記合成樹脂フィルムから溶融した結着樹脂を上記繊維マットに含浸させ、圧力を除いた後、冷却して積層体本体を製造し、この積層体本体の少なくとも一方の表面に部分的に補強シートを積層一体化させる車両外装材用積層体の製造方法であって、上記補強シートは、複数の合成樹脂層が積層一体化されてなる複層シートであり、最外層となる合成樹脂層を構成している合成樹脂のメルトフローレイトは、5g/10分以下であることを特徴とする車両外装材用積層体の製造方法。
  6. 補強シートは熱可塑性樹脂から形成されていることを特徴とする請求項に記載の車両外装材用積層体の製造方法。
  7. 補強シート合成樹脂層のうち、最外層となる合成樹脂層を構成している合成樹脂の融点は、積層体本体に接する最内層となる合成樹脂層を構成している合成樹脂の融点よりも高いことを特徴とする請求項又は請求項に記載の車両外装材用積層体の製造方法。
  8. 車両外装材とした際に貫通孔が形成され又は挟持具によって挟持される部分に対応する積層体本体の表面に補強シートを積層一体化することを特徴とする請求項乃至請求項の何れか1項に記載の車両外装材用積層体の製造方法。
  9. 請求項1乃至請求項の何れか1項に記載の車両外装材用積層体を加熱成形してなることを特徴とする車両外装材。
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