本発明の実施の形態におけるおよび飲料抽出器および飲料製造装置について図を参照しながら説明する。各実施の形態の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとし、重複する説明は繰り返さない場合がある。各実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、各実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
本実施の形態では、飲料製造装置の一例として、粉砕対象物としてコーヒー豆を用い、粉砕されたコーヒー豆を抽出対象物として、飲料のコーヒーを製造する場合について説明するが、粉砕対象物はコーヒー豆に限定されることなく、茶葉、穀物、乾物、その他の粉砕対象物を用いて、飲料を製造する場合にも適用することが可能である。以下では、コーヒー豆とは、粉砕前の固形状態を意味し、コーヒー粉末とは、粉砕されたコーヒー豆を意味し、コーヒーとは、湯水によりコーヒー粉末からコーヒー飲料が抽出された飲料を意味する。
また、以下では代表的な液滴として湯水を用いる場について説明しているが、液滴は湯水に限定されない。たとえば、常温水、冷水を用いる場合もある。また、水に限らず、他の液体を液滴として用いることは当初から予定されていることである。
(実施の形態1:飲料製造装置1)
図1から図3を参照して、本実施の形態における飲料製造装置1について説明する。図1は、飲料製造装置1の全体斜視図、図2は、図1中II−II線矢視断面図、図3は、飲料製造装置1の概略構成要素を示す全体斜視図である。
図1から図3に示すように、飲料製造装置1は、粉砕対象物としてコーヒー豆を用い、このコーヒー豆を粉砕してコーヒー粉末を得る。この得られたコーヒー粉末を用いて、飲料としてコーヒーを製造する。なお、コーヒー豆を粉砕しコーヒー粉末を作成する場合には、飲料製造装置1の外部に設けられた公知のコーヒーミル等を用いてもよい。
飲料製造装置1は、本体部としての装置本体100、ミル挽きユニット300、撹拌ユニット500、液体貯留タンク700、液体供給部としての液体供給経路155(図2参照)と、粉末受け部としてのコーヒー粉末受皿800、および、載置ベース900を備える。載置ベース900は、装置本体100の前側下方において、前側に突出するように設けられており、カップ(図示省略)およびコーヒー粉末受皿800の載置が可能である。コーヒー粉末受皿800は、利用者が把持して移動できるように設けられている。
飲料製造装置1の内部には、後述する給湯部(供給部)における湯量の制御、撹拌機構の回転およびタイミングの制御、および、ユーザーへの注意を喚起する報知装置(ブザー、メロディ等)20を制御する制御部10が設けられている。
(ミル挽きユニット300)
ミル挽きユニット300は、装置本体100の前面側に設けられたミル挽きユニット装着部180に対して、着脱可能に装着される。ミル挽きユニット装着部180には、粉挽駆動力連結機構130が前方に突出するように設けられ、この粉挽駆動力連結機構130にミル挽きユニット300が着脱可能に装着される。ミル挽きユニット300は、粉挽駆動力連結機構130に連結されることにより、粉砕対象物であるコーヒー豆を挽くための駆動力を得る。
ミル挽きユニット300の上部からミル挽きユニット300の内部に投入されたコーヒー豆は、ミル挽きユニット300の内部において細かく粉砕される。粉砕されたコーヒー豆は、ミル挽きユニット300の下方に載置されたコーヒー粉末受皿800にコーヒー粉末として落下し集められる。
(液体貯留タンク700)
液体貯留タンク700は、装置本体100の上面側に設けられた液体貯留タンク装着部195に着脱可能に装着される。液体貯留タンク700は、上面開口を有するタンク本体710と、タンク本体710の上面開口を塞ぐ蓋部720とを含む。液体貯留タンク700は、蓋部720を取り外して外部から導入された水等の液体を貯留する。
(液体供給経路155)
給湯部としての液体供給経路155は、装置本体100内に収容されている。液体供給経路155は、液体貯留タンク700に接続される。液体供給経路155には、液体貯留タンク700が接続された側とは反対側に供給口171が設けられている。液体供給経路155は、給湯パイプ150と、給湯ノズル170とを含む。給湯パイプ150は、一方端側が液体貯留タンク700に接続され、他端側が給湯ノズル170に接続される。液体貯留タンク700から液体供給経路155に導入された液体は、給湯パイプ150、給湯ノズル170を通って撹拌ユニット500に供給される。
(撹拌ユニット500)
撹拌ユニット500は、液体を撹拌する撹拌機構としての撹拌羽根550と、撹拌羽根550を収容する撹拌槽510とを含む。撹拌羽根550は、撹拌部材に相当する。撹拌槽510は、装置本体100の前面側に設けられた撹拌槽装着部190に対して、着脱可能に装着される。撹拌槽510の一部が装置本体100の前面から当該前面の法線方向に沿って突出するように、撹拌槽510は撹拌槽装着部190に装着されている。
撹拌槽装着部190には、撹拌モータ非接触テーブル140Aが設けられている。撹拌ユニット500は、撹拌モータ非接触テーブル140A上に載置される。撹拌ユニット500の内部に設けられた撹拌羽根550は、撹拌モータユニット140およびこれに連結された永久磁石141によって回転する。撹拌モータユニット140および永久磁石141は、撹拌モータ非接触テーブル140Aの下方に位置するように装置本体100内に収容されている。撹拌モータユニット140は、撹拌羽根550を回転駆動させる撹拌羽根駆動部に相当する。
装置本体100の撹拌槽装着部190の上部には、給湯部としての給湯ノズル170が設けられている。装置本体100の内部において、給湯パイプ150内の水が所定温度に上昇され、給湯ノズル170から撹拌槽510内にお湯が供給される。撹拌槽510内には、装置本体100において作成されたお湯が、後述する飲料抽出器内に収容されたコーヒー粉末に注がれることで、撹拌槽510内にコーヒーが製造される。
撹拌ユニット500内で製造されたコーヒーは、撹拌ユニット500の下方に設けられた吐出機構540の操作レバー542を操作することにより、載置ベース900に載置されたカップ(図示省略)に注ぐことができる。
(飲料抽出器610)
図4から図6を参照して、本実施の形態に用いられる飲料抽出器610について説明する。図4は、本実施の形態に用いられる飲料抽出器610が、撹拌槽510に装着された状態の部分拡大断面図であり、図5は、飲料抽出器610の平面図、図6は、図5中VI−VI線に沿った断面図である。
図4に示すように、実施の形態に用いられる飲料抽出器610は、撹拌槽510の上端開口を塞ぐように装着されている。図5および図6を参照して、飲料抽出器610は、抽出対象物であるコーヒー粉末を内部に保持し(図示省略)、上方より湯水(液滴)を滴下して下方へ抽出液を排出するものである。飲料抽出器610は、底部611と、この底部611の周囲を取り囲む側壁部612とを備える。側壁部612の上端部には、外方に向かって拡がるフランジ部614が設けられている。
底部611は、図示の右側(飲料製造装置1の後側)から左側(飲料製造装置1の前側)に向かって下方に傾斜するように設けられている。図示の左側の最も低い位置には平坦部613が設けられこの平坦部613には、複数の抽出口613hが設けられている。
再び、図4を参照して、本実施の形態における飲料抽出器610は、平面視において上方より液滴を滴下する給湯ノズル170の供給口171の位置は、飲料製造装置1の後側に位置しており、コーヒー粉末から抽出したコーヒーを下方に落下させる抽出口613hは、平面視において上方より液滴を滴下する位置に対してずれた位置に設けられていることになる。
給湯ノズル170の供給口171から供給された湯水は、飲料抽出器610の一方端部(飲料製造装置1の後側)側に供給され、その後、湯水は、飲料抽出器610内に収容されたコーヒー粉末に注がれることになる。湯水は、飲料抽出器610の傾斜に沿って下方に流れ、抽出された抽出液としてのコーヒーは、抽出口613hから撹拌槽510内に蓄積される。このようにして撹拌槽510内にコーヒーが製造される。
このように、抽出口613hを平面視において上方より液滴を滴下する位置に対してずれた位置に設けるとともに、底部611を傾斜させることで、湯水がコーヒー粉末に接する経路長を大きくすることができるため、コーヒー抽出効率を高めることができる。その結果、飲料抽出器610の高さを高くすることなく、均一にコーヒー粉末の抽出を行なうことを可能とする。また、飲料抽出器610を用いた飲料製造装置の大型化を抑制することも可能となる。
(実施の形態2:飲料抽出器620)
図7から図11を参照して、実施の形態2における飲料抽出器620について説明する。図7は、本実施の形態における飲料抽出器620の斜視図、図8は、本実施の形態における飲料抽出器620の平面図、図9は、本実施の形態における飲料抽出器620の左側面図、図10は、本実施の形態における飲料抽出器620の右側面図、図11は、図8中のXI−XI線に沿った断面図である。
飲料抽出器620が装着される撹拌槽510および飲料製造装置1は、上記実施の形態1に示したものと同じである。
本実施の形態における飲料抽出器620は、図7および図8に示すように、底部621と、この底部621の周囲を取り囲む側壁部622とを備える。側壁部622の上端部には、外方に向かって拡がるフランジ部624が設けられている。
底部621は、図示の右側(飲料製造装置1の後側)から左側(飲料製造装置1の前側)に向かって下方に傾斜するように設けられている。図示の左側の最も低い位置には平坦部623が設けられこの平坦部623には、複数の抽出口623hが設けられている。
さらに、底部621には、上方より液滴を滴下される位置(供給口171に対向する位置)を起点として、下方に向かって放射状に延びる線条の突起621rが設けられている。本実施の形態では、突起621rは5本設けられ、各突起は、上方に向かって延びている。突起621rが設けられる本数は、適宜選択され、5本には限定されない。
このように、本実施の形態における飲料抽出器620においても、実施の形態1における飲料抽出器610と同様の作用効果を得ることができる。さらに、本実施の形態における飲料抽出器620は、線条の突起621rが設けられていることから、湯水を突起621rに沿って流すことが可能となり、湯水を飲料抽出器620内のコーヒー粉末の全体に行きわたらせることができ、さらに、コーヒー抽出効率を高めることができる。
(実施の形態3:飲料抽出器630)
図12から図16を参照して、実施の形態3における飲料抽出器630について説明する。図12は、本実施の形態における飲料抽出器630(蓋部材630cを含む)の斜視図、図13は、本実施の形態における蓋部材630cの斜視図、図14は、本実施の形態における飲料抽出器630の斜視図、図15は、本実施の形態における飲料抽出器630の平面図、図16は、蓋部材630cを含む図15中のXVI−XVI線に沿った断面図である。
飲料抽出器630が装着される撹拌槽510および飲料製造装置1は、上記実施の形態1に示したものと同じである。
本実施の形態における飲料抽出器630は、図12および図13に示すような蓋部材630cが用いられる。この蓋部材630cは、供給口171から供給される湯水を飲料抽出器630の中央部分に導いて落下させるためのものである。蓋部材630cには、誘導路630c1と返還路630c2とが設けられ、中央に落下口630c3が設けられている。誘導路630c1および返還路630c2はいずれも落下口630c3に向かって傾斜している。誘導路630c1によって誘導された湯水が落下口630c3を通り過ぎた場合には、湯水は返還路630c2によって再び落下口630c3に向けて誘導される。
次に、図14および図15を参照して、飲料抽出器630について説明する。本実施の形態における飲料抽出器630は、底部631bと、この底部631bの周囲を取り囲む側壁部632とを備える。側壁部632の上端部には、外方に向かって拡がるフランジ部634が設けられている。底部631bは平坦であり、側壁部632の近傍領域に複数の抽出口631hが設けられている。本実施の形態では、等ピッチで合計20個の抽出口631hが設けられているが、ピッチ、数量は適宜選択されるものである。
図16を参照して、上記蓋部材630cで塞がれた飲料抽出器630は、供給口171から供給される湯水HWが、誘導路630c1および返還路630c2によって落下口630c3に向けて誘導され、湯水HWは、飲料抽出器630の中央部分に落下する。
中央部分に落下した湯水HWは、コーヒー粉末(図示省略)に接しながら側壁部632に向かって拡散し、抽出されたコーヒーが抽出口631hから落下し、撹拌槽510内にコーヒーが製造される。
このように、抽出口631hを、平面視において飲料抽出器630の中央に配置し、落下口630c3を側壁部632の近傍領域に設けることで、湯水がコーヒー粉末に接する経路長を大きくすることができるため、コーヒー抽出効率を高めることができる。その結果、飲料抽出器630の高さを高くすることなく、均一にコーヒー粉末の抽出を行なうことを可能とする。また、飲料抽出器630を用いた飲料製造装置の大型化を抑制することも可能となる。
また、飲料抽出器630のフランジ部634には、側壁部632に至る切欠き部634aが設けられている。これにより、飲料抽出器630に注がれた湯水が、飲料抽出器630の容量を超えた場合であっても、この切欠き部634から湯水が溢れ出ることになる。この切欠き部634の下方位置には、撹拌槽510が位置していることから、切欠き部634から溢れ出た湯水は撹拌槽510の内部に蓄えられ、外部に漏れ出ることを防ぐことができる。
(実施の形態4:飲料抽出器630A)
図17から図19を参照して、実施の形態4における飲料抽出器630Aについて説明する。図17は、本実施の形態における飲料抽出器630Aの斜視図、図18は、本実施の形態における飲料抽出器630の平面図、図19は、図18中のXIX−XIX線に沿った断面図である。
飲料抽出器630が装着される撹拌槽510および飲料製造装置1は、上記実施の形態1に示したものと同じである。また、本実施の形態における飲料抽出器630Aには、図12および図13に示すような蓋部材630cが用いられるが、ここでは、蓋部材630cの図示は省略する。
本実施の形態における飲料抽出器630Aの基本的構成は、上記実施の形態3における飲料抽出器630と同じである。相違点は、底部631bに、放射状に延びる線条の突起631r1が設けられている点にある。本実施の形態では、突起631r1は10本設けられ、各突起は、上方に向かって延びている。突起631r1が設けられる本数は、適宜選択され、10本には限定されない。
図19を参照して、本実施の形態における飲料抽出器630Aにおいても、実施の形態3における飲料抽出器630と同様の作用効果を得ることができる。さらに、本実施の形態における飲料抽出器630Aは、線条の突起631r1が設けられていることから、湯水を突起631r1に沿って流すことが可能となり、湯水を飲料抽出器630内のコーヒー粉末の全体に行きわたらせることができ、さらに、コーヒー抽出効率を高めることができる。
(実施の形態5:飲料抽出器630B)
図20から図22を参照して、実施の形態5における飲料抽出器630Bについて説明する。図20は、本実施の形態における飲料抽出器630Bの斜視図、図21は、本実施の形態における飲料抽出器630Bの平面図、図22は、図21中のXXII−XXII線に沿った断面図である。
飲料抽出器630Bが装着される撹拌槽510および飲料製造装置1は、上記実施の形態1に示したものと同じである。また、本実施の形態における飲料抽出器630Bには、図12および図13に示すような蓋部材630cが用いられるが、ここでは、蓋部材630cの図示は省略する。
本実施の形態における飲料抽出器630Bの基本的構成は、上記実施の形態4における飲料抽出器630Aと同じである。相違点は、底部631bが、中央部と側壁部632とにおいて高低差があり、中央部から側壁部632に向かうにしたがって下方に傾斜する斜辺で構成されている。底部631bは、いわゆる略円錐状の形状を有している。
本実施の形態における飲料抽出器630Bにおいても、実施の形態3における飲料抽出器630と同様の作用効果を得ることができる。さらに、本実施の形態における飲料抽出器630Bは、底部631bが中央部から側壁部632に向かうにしたがって下方に傾斜していることから、湯水の側壁部632に向かう速さを早くすることができ、コーヒー抽出時間を短縮することができる。
(実施の形態6:飲料抽出器630C)
図23から図25を参照して、実施の形態6における飲料抽出器630Cについて説明する。図23は、本実施の形態における飲料抽出器630Cの斜視図、図24は、本実施の形態における飲料抽出器630Cの平面図、図25は、図24中のXXV−XXV線に沿った断面図である。
飲料抽出器630Cが装着される撹拌槽510および飲料製造装置1は、上記実施の形態1に示したものと同じである。また、本実施の形態における飲料抽出器630Cには、図12および図13に示すような蓋部材630cが用いられるが、ここでは、蓋部材630cの図示は省略する。
本実施の形態における飲料抽出器630Cの構成は、上記実施の形態5における飲料抽出器630Bと同じである。相違点は、突起631r1の形状が、中央部から側壁部632に向かって弓状に延びている点にある。好ましくは、突起631r1は、等角螺旋形状に沿って延びていると良い。
本実施の形態における飲料抽出器630Cにおいても、実施の形態4における飲料抽出器630Bと同様の作用効果を得ることができる。さらに、本実施の形態における飲料抽出器630Cは、突起631r1の形状が弓状に延びていることから、湯水の側壁部632に向かう速さと距離を突起631r1の弓状の曲がり具合によってコントロールすることができる。
(実施の形態7:飲料抽出器630D)
図26から図28を参照して、実施の形態7における飲料抽出器630Dについて説明する。図26は、本実施の形態における飲料抽出器630Dの斜視図、図27は、本実施の形態における飲料抽出器630Dの平面図、図28は、図27中のXXVIII−XXVIII線に沿った断面図である。
飲料抽出器630Dが装着される撹拌槽510および飲料製造装置1は、上記実施の形態1に示したものと同じである。また、本実施の形態における飲料抽出器630Dには、図12および図13に示すような蓋部材630cが用いられるが、ここでは、蓋部材630cの図示は省略する。
本実施の形態における飲料抽出器630Dの基本的構成は、上記実施の形態6における飲料抽出器630Cと同じである。相違点は、略円錐状の形状を有する底部631bの傾斜角度が、中央部から外周縁部にかけて変化する形状を有している。より具体的には、底部631bが下方に向いて凸となるように弓状に湾曲している。
本実施の形態における飲料抽出器630Dにおいても、実施の形態6における飲料抽出器630Cと同様の作用効果を得ることができる。さらに、本実施の形態における飲料抽出器630Dは、底部631bの形状が下方に向けて弓状に湾曲していることから、湯水の側壁部632に向かう速さと距離を底部631bの弓状の曲がり具合によってコントロールすることができる。
(実施の形態8:押え部材680)
図29および図30を参照して、実施の形態8における押え部材680について説明する。図29は、本実施の形態における押え部材680の使用状態を示す断面図、図30は、本実施の形態における押え部材680の構造を示す斜視図である。
本実施の形態における押え部材680は、上記実施の形態5から7に示す、飲料抽出器630B、630C,630Dに対して用いることができる。図29においては、一例として、実施の形態5に示す飲料抽出器630Bに押え部材680を適用した場合を図示している。図30に示すように、押え部材680は円錐形状を有して頂点部に湯水を通過させるための開口部680hが形成されている。
図29を参照して、押え部材680を用いることにより、飲料抽出器630Bに収容されるコーヒー粉末を上方から押圧することができる。その結果、コーヒー抽出濃度の調整を行なうことができる。
(実施の形態9:調整蓋650)
図31および図32を参照して、実施の形態9における調整蓋650について説明する。図31および図32は、本実施の形態における調整蓋650の使用状態を示す第1および第2平面図である。
本実施の形態における調整蓋650について以下説明する。この調整蓋650は、実施の形態3において示した飲料抽出器630に用いている。調整蓋650は、底部631bに設けられた抽出口631hの開口数量を制御するものである。たとえば、図31に示すように、中心角度が60度の扇形の調整蓋650を1枚載置した場合には、3個の抽出口631hが塞がれることになる。また、図32に示すように、中心角度が60度の扇形の調整蓋650を2枚載置した場合には、6個の抽出口631hが塞がれることになる。
なお、調整蓋650の構造は図示するものに限定されず、複数枚の調整蓋650が重ねて配置され、中心位置を旋回中心として順次調整蓋650を拡げることができるような構造であってもよい。
以上、本実施の形態における調整蓋650においては、抽出口631hの数量を制御できることから、コーヒー抽出濃度の調整を行なうことができる。
(実施の形態10:飲料抽出器630E)
図33から図35を参照して、実施の形態10における飲料抽出器630Eについて説明する。図33は、本実施の形態における飲料抽出器630Eの斜視図、図34は、本実施の形態における飲料抽出器630Eの平面図、図35は、図34中のXXXV−XXXV線に沿った断面図である。
飲料抽出器630Eが装着される撹拌槽510および飲料製造装置1は、上記実施の形態1に示したものと同じである。また、本実施の形態における飲料抽出器630Eには、図12および図13に示すような蓋部材630cが用いられるが、ここでは、蓋部材630cの図示は省略する。
本実施の形態における飲料抽出器630Eの構成は、上記実施の形態3における飲料抽出器630と同じである。相違点は、底部631bに、渦巻き状の壁状突起631r3が、中央部から外周縁部にかけて延びるように設けられている。本実施の形態では、3つの壁状突起631r3が、円周方向に120度ずれて配置されている。
さらに、図35を参照して、本実施の形態の壁状突起631r3は、中央部から外周縁部にかけて、中央部側よりも外周縁部側の方が、底部631bからの高さが高くなるように設けられている。図35に示す断面でみた場合には、h1<h2<h3<h4<h5<h6の関係となるように、壁状突起631r3が設けられている。
本実施の形態における飲料抽出器630Eは、上記実施の形態3における飲料抽出器630と同じ作用効果を得ることができる。さらに、渦巻き状の壁状突起631r3を設けることにより、飲料抽出器630Eに注入された湯水は、壁状突起631r3に沿って移動することからコーヒー粉末に対して接する時間を長くすることができる。さらに、壁状突起631r3は、中央部側よりも外周縁部側の方が、底部631bからの高さが高くなるように設けられている。そのため、湯水は、外周縁部側に移動するためには、壁状突起631r3を順次乗り越える必要があり、湯水によるコーヒー粉末の蒸らし時間を長くすることができる。
(実施の形態11:飲料抽出器630F)
図36から図38を参照して、実施の形態11における飲料抽出器630Fについて説明する。図36は、本実施の形態における飲料抽出器630Fの斜視図、図37は、本実施の形態における飲料抽出器630Fの平面図、図38は、図37中のXXXVIII−XXXVIII線に沿った断面図である。
飲料抽出器630Fが装着される撹拌槽510および飲料製造装置1は、上記実施の形態1に示したものと同じである。また、本実施の形態における飲料抽出器630Fには、図12および図13に示すような蓋部材630cが用いられるが、ここでは、蓋部材630cの図示は省略する。
本実施の形態における飲料抽出器630Fの基本的構成は、上記実施の形態6における飲料抽出器630Cと同じである。相違点は、略円錐状の形状を有する底部631bの傾斜角度が、中央部から外周縁部にかけて変化する形状を有している。より具体的には、底部631bが下方に向いて凸となるように弓状に湾曲している。
本実施の形態における飲料抽出器630Fにおいても、実施の形態6における飲料抽出器630Cと同様の作用効果を得ることができる。さらに、本実施の形態における飲料抽出器630Fは、底部631bの形状が下方に向けて弓状に湾曲していることから、湯水の側壁部632に向かう速さを底部631bの弓状の曲がり具合によってコントロールすることができる。
(実施の形態12:飲料抽出器630G)
図39から図41を参照して、実施の形態12における飲料抽出器630Gについて説明する。図39は、本実施の形態における飲料抽出器630Gの斜視図、図40は、本実施の形態における飲料抽出器630Gの平面図、図41は、図40中のXLI−XLI線に沿った断面図である。
飲料抽出器630Gが装着される撹拌槽510および飲料製造装置1は、上記実施の形態1に示したものと同じである。また、本実施の形態における飲料抽出器630Gには、図12および図13に示すような蓋部材630cが用いられるが、ここでは、蓋部材630cの図示は省略する。
本実施の形態における飲料抽出器630Gの基本的構成は、上記実施の形態3における飲料抽出器630と同じである。相違点は、底部631bに、環状の壁状突起631r4が、中央部から外周縁部にかけて複数設けられている。本実施の形態では、2つの壁状突起631r4が、二重になるように配置されている。また、側壁部632の近傍領域に設けられる抽出口631hは、本実施の形態では、等ピッチで合計30個設けられている。
さらに、図41を参照して、本実施の形態の壁状突起631r4には、スリットS1が設けられている。内側の壁状突起631r4に設けられるスリットS1と外側の壁状突起631r4に設けられるスリットS1とは、円周方向においてずれた位置となるように配置されている。
本実施の形態における飲料抽出器630Gは、上記実施の形態3における飲料抽出器630と同じ作用効果を得ることができる。さらに、スリットS1を有する環状の壁状突起631r4を二重に設けることにより、飲料抽出器630Gに注入された湯水は、壁状突起631r4をスリットS1を通過しながら、また、壁状突起631r4を乗り越えながら移動することからコーヒー粉末に対して接する時間を長くすることができる。その結果、湯水によるコーヒー粉末の蒸らし時間を長くすることができる。
(実施の形態13:飲料抽出器630H)
図42から図44を参照して、実施の形態13における飲料抽出器630Hについて説明する。図42は、本実施の形態における飲料抽出器630Hの斜視図、図43は、本実施の形態における飲料抽出器630Hの平面図、図44は、図43中のXLIV−XLIV線に沿った断面図である。
飲料抽出器630Gが装着される撹拌槽510および飲料製造装置1は、上記実施の形態1に示したものと同じである。また、本実施の形態における飲料抽出器630Gには、図12および図13に示すような蓋部材630cが用いられるが、ここでは、蓋部材630cの図示は省略する。
本実施の形態における飲料抽出器630Hの基本的構成は、上記実施の形態12における飲料抽出器630Gと同じである。相違点は、環状の壁状突起631r4に設けられるスリットS2の形状が異なっている点にある。
本実施の形態における飲料抽出器630Hの壁状突起631r4に設けられるスリットS2は、内側の壁状突起631r4のスリットS2と外側の壁状突起631r4のスリットS2とは、仮想の同一螺旋R2に沿って設けられている。
本実施の形態における飲料抽出器630Hは、上記実施の形態12における飲料抽出器630Gと同じ作用効果を得ることができる。また、内側の壁状突起631r4のスリットS2と外側の壁状突起631r4のスリットS2とを、仮想の同一螺旋R2に沿って設けることで、スリットS2を通過する湯水の流れを円滑にすることができる。
(実施の形態14:飲料抽出器630I)
図45から図48を参照して、実施の形態14における飲料抽出器630Iについて説明する。図45は、本実施の形態における飲料抽出器630Iの斜視図、図46は、本実施の形態における飲料抽出器630Iの平面図、図47は、本実施の形態における飲料抽出器630Iの底面図、図48は、図46中のXLVIII−XLVIII線に沿った断面図である。
飲料抽出器630Gが装着される撹拌槽510および飲料製造装置1は、上記実施の形態1に示したものと同じである。また、本実施の形態における飲料抽出器630Gには、図12および図13に示すような蓋部材630cが用いられるが、ここでは、蓋部材630cの図示は省略する。
本実施の形態における飲料抽出器630Iの基本的構成は、上記実施の形態12における飲料抽出器630Gと同じである。相違点は、環状の壁状突起631r6の数量、壁状突起631r6に設けられるスリットの位置、および、底部631bに設けられる抽出口の位置および数量が異なっている点にある。
本実施の形態における飲料抽出器630Iは、環状の壁状突起631r6の数量、壁状突起631r6に設けられるスリットの位置、および、底部631bに設けられる抽出口の位置および数量を、フィボナッチ数(黄金比137.5度)に基づき配置している。
図46を参照して、具体的には、3重に設けられ壁状突起631r6の最も内側に位置する壁状突起631r6の所定位置に、第1スリットFS1が設けられている。ここから、時計回転方向に137.5度回転した位置に第2スリットFS2が設けられている。さらに、第2スリットFS2から、時計回転方向に137.5度回転した位置に第3スリットFS3が設けられている。
次に、外側に位置する壁状突起631r6に対して、第3スリットFS3から反時計回転方向に137.5度回転した位置に第4スリットFS4が設けられており、さらに、同様にして、FS5、FS6、FS7、FS8が設けられている。次に、さらに外側に位置する壁状突起631r6に対して、第8スリットFS8から反時計回転方向に137.5度回転した位置に第9スリットFS9が設けられており、さらに、同様にして、第10スリットFS10、第11スリットFS11、第12スリットFS12、第13スリットFS13、第14スリットFS14、第15スリットFS15、第16スリットFS16が設けられている。
次に、図47を参照して、第16スリットFS16を基準にして、フィボナッチ数に基づき、底部631bに抽出口が設けられる。第16スリットFS16を基準にして、137.5度回転した位置に第1抽出口FS17hが設けられている(図47図示において時計回転方向)。さらに、同様にして、第2抽出口FS18h、第3抽出口FS19h、第4抽出口FS20h、第5抽出口FS21h、第6抽出口FS22h、第7抽出口FS23h、第8抽出口FS24h、第9抽出口FS25h、第10抽出口FS26h、第11抽出口FS27h、第12抽出口FS28h、第13抽出口FS29hが設けられている。
さらにその外側に、第13抽出口FS29hを基準にして、フィボナッチ数に基づき、第14抽出口FS30h、第15抽出口FS31h、第16抽出口FS32h、第17抽出口FS33h、第18抽出口FS34h、第19抽出口FS35h、第20抽出口FS36h、第21抽出口FS37h、第22抽出口FS38h、第23抽出口FS39h、第24抽出口FS40h、第25抽出口FS41h、第26抽出口FS42h、第27抽出口FS43h、第28抽出口FS44h、第29抽出口FS45h、第30抽出口FS46h、第31抽出口FS47h、第32抽出口FS48h、第33抽出口FS49h、および、第34抽出口FS50hが設けられている。
さらに、図48を参照して、本実施の形態の壁状突起631r6は、中央部から外周縁部にかけて、中央部側よりも外周縁部側の方が、底部631bからの高さが高くなるように設けられている。図48に示す断面でみた場合には、h1<h2<h3の関係となるように、壁状突起631r6が設けられている。
本実施の形態における飲料抽出器630Iは、上記実施の形態12における飲料抽出器630Gと同じ作用効果を得ることができる。また、フィボナッチ数に基づいたスリットおよび抽出口を設けることにより水路経路を安定させることが可能となり、スリットを通過する湯水の流れ、抽出口から抽出されるコーヒーをスムースに撹拌槽510に滴下させることができる。
(実施の形態15:飲料抽出器630J)
図49から図52を参照して、実施の形態15における飲料抽出器630Jについて説明する。図49は、本実施の形態における飲料抽出器630Jの第1斜視図、図50は、本実施の形態における飲料抽出器630Jの第2斜視図、図51は、本実施の形態における飲料抽出器630Jの平面図、図52は、図51中のLII−LII線に沿った断面図である。
飲料抽出器630Jが装着される撹拌槽510および飲料製造装置1は、上記実施の形態1に示したものと同じである。また、本実施の形態における飲料抽出器630Gには、図12および図13に示すような蓋部材630cが用いられるが、ここでは、蓋部材630cの図示は省略する。
図52を参照して、本実施の形態における飲料抽出器630Jの基本的構成は、上記実施の形態12における飲料抽出器630Gと同じである。相違点は、底部631bの側壁部632の近傍領域に複数の抽出口631hが設けられることに代わり、底部631bの中央部にサイホン式の抽出口651hが設けられている点にある。具体的には、抽出口651hを下端に含むように円柱形状部651が、底部631bの中央部から上方に延びるように設けられている。この円柱形状部651には、円筒形状のキャップ652が被せされている。
円柱形状部651の下端部には、スペーサ部651sが設けられるとともに、底部631bにもスペーサ部SLが設けられ、円柱形状部651にキャップ652を被せた状態では、円柱形状部651の外面とキャップ652の内面との間、および、キャップ652の下端と底部631bとの間には、湯水の通過が可能な隙間が常時形成される。
上記構成を有する飲料抽出器630Jにおいて、飲料抽出器630Jに湯水が蓄えられ、湯水の高さが円柱形状部651の高さCを超えるとサイホンの原理により、湯水は抽出口651hに導かれて撹拌槽510内に落下することとなる。
このように本実施の形態の飲料抽出器630Jによれば、飲料抽出器630Jに蓄えられる湯水の量が閾値を超えると抽出口651hから撹拌槽510内に落下する。したがって、湯水の量が閾値に達する手前で給湯を一旦停止し、所定のコーヒー抽出時間の経過後に給湯を再開する給湯部の制御を行なうことで、より嗜好に適合したコーヒーを製造することが可能となる。
(実施の形態16:飲料製造装置1の制御1)
図1から図3に示した飲料製造装置1を用いたコーヒーの製造方法について、以下、図53から図56を参照して説明する。図53は、本実施の形態における飲料製造装置1を用いたコーヒーの抽出工程を示す図、図54は、本実施の形態における飲料製造装置1を用いたコーヒーの抽出後における撹拌工程を示す図、図55は、本実施の形態における飲料製造装置1を用いたコーヒーの抽出後における抽出液をカップに注ぐ工程を示す図、図56は、本実施の形態における飲料製造装置1を用いたコーヒーの抽出工程を示すフロー図である。
なお、本実施の形態では、撹拌ユニット500の撹拌槽510に載置される飲料抽出器としては、一般的に使用されている膜構成の飲料抽出器660を図示しているが、上述した各実施の形態における飲料抽出器を用いてもよい。
図53を参照して、まず最初に、供給口171から湯水を飲料抽出器660に滴下し、コーヒーを抽出し、撹拌槽510内にコーヒーCWを製造する。本実施の形態では、後のコーヒーの撹拌時にコーヒーが飲料抽出器660に到達しないように、飲料抽出器660の下端と液面との間の距離がD1となるように、制御部10(図2参照)において、供給口171からの湯水量を制御する。
次に、図54を参照して、撹拌羽根550を所定時間撹拌させる制御を行ない、水面より空気を取り込んでコーヒーCWの表面に泡BCWを形成する。先の工程で、湯水の量を飲料抽出器660の下端と液面との間の距離がD1となるように制御しておくことで、コーヒーの撹拌時には、飲料抽出器660の下端と液面とが接触しない距離D2とすることができる。
次に、図55を参照して、撹拌羽根550の回転を停止させる。これにより、抽出液としてのコーヒーは、比重の異なるコーヒーCWの層(第1層)と、泡BCWの層(第2層)とを含む状態となる。泡BCWの中には、灰汁、雑味が含まれている。よって、撹拌ユニット500の下方に設けられた吐出機構540の操作レバー542を操作することにより、排出口を開状態にすることによって、比重の異なる、下方に位置するコーヒーCWの層(第1層)のみを選択的に載置ベース900に載置されたカップ(図示省略)に注ぐことができる。なお、撹拌羽根550による撹拌の終了後には、制御部10により、報知装置20を用いて、ユーザーに撹拌終了を報知する制御を行なうと良い。なお、別途の方法により、泡BCWの層(第2層)のみを選択的に取り除くようにしてもよい。
次に、図56を参照して、本実施の形態における飲料製造装置を用いたコーヒーの抽出工程について説明する。まず、ミル挽きユニット300を用いて、コーヒー豆のミル挽きを開始する(S11)。次に、装置本体100側において、ミル挽きユニット300を検知する(S12)。次に、ミル挽きシーケンスを切り替える(S13)。次に、ミルの回転を開始する(S14)。次に、ミルの回転を終了する(S15)。次に、得られたコーヒー粉末を、飲料抽出器660に投入する(S16)。コーヒーの抽出をスタートする(S17)。次に、撹拌ユニット500(又は、飲料抽出器660)を検知する(S18)。次に、給湯及び撹拌シーケンスを切り替える(S19)。次に、給湯を開始する(S20)。次に、給湯を終了する(S21)。これにより、コーヒーの抽出が完了する。次に、撹拌羽根550によりコーヒーの撹拌を開始する(S22)。次に、撹拌を終了する(S23)。その後、報知装置(アラーム)20を用いて、ユーザーに撹拌終了を報知する(S24)。
上記S13、S19ではそれぞれユニットを検知することによりシーケンスを切り替える制御を備える。したがって、例えば対象物(コーヒー、茶、穀物など)によって専用のミル挽きユニットや撹拌ユニットを設けることによって、ユニットを交換することでユーザー所望の対象飲料を検知し、それに応じたシーケンスを呼び出すことができる。これにより操作系の簡素化を行うことができる。ユニットの検知は、例えば本体に複数のマイクロスイッチを備え、交換ユニット毎に異なる位置に突起を備え、搭載時にユニットの突起が本体のマイクロスイッチに当たることにより実現することができる。上記のマイクロスイッチと突起の関係は、ホール素子と磁石に置き換えることもできる。また本体とユニットの接続部に検知用の電極をそれぞれ設け、通電を確認することで検知することも可能である。
このようにして、本実施の形態における飲料製造装置1の制御においては、コーヒーの灰汁、雑味を取り除き、使用者の嗜好に合わせたコーヒーの製造を可能としている。
(実施の形態17:飲料製造装置1の制御2)
図1から図3に示した飲料製造装置1を用いたコーヒーの製造方法について、以下、図57および図58を参照して説明する。図57は、本実施の形態における飲料製造装置1を用いたコーヒーの抽出工程を示す図、図58は、本実施の形態における飲料製造装置1を用いたコーヒーの抽出後における撹拌工程を示す図である。
上記実施の形態16においては、コーヒーの撹拌時にコーヒーが飲料抽出器660に到達しないように、飲料抽出器660の下端と液面との間の距離がD1となるように、制御部10(図2参照)において、供給口171からの湯水量を制御していた。
図57を参照して、本実施の形態においては、コーヒーの撹拌時にコーヒーが飲料抽出器660に到達するように、飲料抽出器660の下端と液面との間の距離がD4となるように、制御部10(図2参照)において、供給口171からの湯水量を制御する。なお、距離D4は、コーヒーの抽出後には、飲料抽出器660の下端と液面とは接しない距離である。
図58を参照して、撹拌羽根550を所定時間撹拌させる制御を行なうことで、コーヒーの液面を上昇させて、コーヒーの液面を飲料抽出器660に接触させる(距離D5)。これにより、コーヒーの回転に基づく水流の勢い(撹拌時間・撹拌回数)により、味の濃さ、風味を制御することができる。なお、撹拌羽根550による撹拌の終了後には、制御部10により、報知装置20を用いて、ユーザーに撹拌終了を報知する制御を行なうと良い。
このようにして、本実施の形態における飲料製造装置1の制御においては、使用者の嗜好に合わせたコーヒーの製造を可能としている。
(実施の形態18:飲料製造装置1の制御3)
図1から図3に示した飲料製造装置1を用いたコーヒーの製造方法について、以下、図59および図60を参照して説明する。図59は、本実施の形態における飲料製造装置1を用いたコーヒーの抽出工程を示す図、図60は、本実施の形態における飲料製造装置を用いたコーヒーの抽出工程を示すフロー図である。
図59を参照して、本実施の形態においては、まず最初に、撹拌槽510内にコーヒーとは異なる飲料(たとえば、ミルク)等を投入し、撹拌羽根550を所定時間撹拌させる制御を行なう。これにより、ミルクMWの上にミルク泡層BMWが形成される。
その後、制御部10(図2参照)において、供給口171からの所定量の湯水を滴下する制御を行なう。これにより、コーヒーの表面にミルク泡層が形成されたカフェオレを楽しむことができる。
次に、図60を参照して、本実施の形態における飲料製造装置を用いたコーヒーの抽出工程について説明する。まず、ミル挽きユニット300を用いて、コーヒー豆のミル挽きを開始する(S31)。次に、装置本体100側において、ミル挽きユニット300を検知する(S32)。次に、ミル挽きシーケンスを切り替える(S33)。次に、ミルの回転を開始する(S34)。次に、ミルの回転を終了する(S35)。次に、得られたコーヒー粉末を、飲料抽出器660に投入する(S36)。また、ミルクを撹拌槽510内に投入する(S37)。その後、コーヒーの抽出をスタートする(S38)。次に、撹拌ユニット500(又は、飲料抽出器660)を検知する(S39)。次に、給湯及び撹拌シーケンスを切り替える(S40)。次に、撹拌羽根550によりミルクの撹拌を開始する(S41)。次に、撹拌羽根550によるミルクの撹拌を終了する(S42)。次に、給湯を開始する(S43)。次に、給湯を終了する(S44)。これにより、コーヒーの抽出が完了する。次に、撹拌羽根550によりコーヒーの撹拌を開始する(S45)。次に、撹拌を終了する(S46)。その後、報知装置(アラーム)20を用いて、ユーザーに撹拌終了を報知する(S47)。
(実施の形態19:飲料製造装置1の制御4)
図1から図3に示した飲料製造装置1を用いたコーヒーの製造方法について、以下、図61および図62を参照して説明する。図61は、本実施の形態における飲料製造装置1を用いたコーヒーの抽出工程を示す図、図62は、本実施の形態における飲料製造装置1の撹拌ユニット500に用いられる撹拌部材550Aの構造を示す斜視図である。
図62に示すように、本実施の形態における撹拌部材550Aは、回転ベース550A2と、回転ベース550A2の回転中心CL1から偏芯した位置に、撹拌棒550A1が設けられている。回転ベース550A2が、回転中心CL1を中心にして回転することで、撹拌棒550A1は、回転中心CL1周りを撹拌回転R1する。
図61を参照して、本実施の形態においては、まず最初に、撹拌槽510内にコーヒーとは異なる粘度の高い飲料用液(シロップ、練乳)RM等を投入する。その後、制御部10(図2参照)において、供給口171からの所定量の湯水を滴下する制御を行なう。その際、本実施の形態では、撹拌部材550Aを用いて、粘度の高い飲料用液RMとコーヒーCWとの撹拌を行なう。この際、度の高い飲料用液RMとコーヒーCWとは泡立つことなく両者を均一に混ぜることができる。
撹拌部材550Aを用いた撹拌は、給湯部による湯水の滴下中であってもよいし、滴下完了後であってもよい。粘度の高い飲料用液RMとして練乳を用いた場合には、ベトナム等で好まれるコーヒーを作ることができる。
(実施の形態20:飲料製造装置1の制御5)
図1から図3に示した飲料製造装置1を用いたコーヒーの製造方法について、以下、図63および図64を参照して説明する。図63は、本実施の形態における飲料製造装置1を用いたコーヒーの抽出工程を示す図、図64は、本実施の形態における飲料製造装置1を用いたコーヒーの抽出工程を示すフロー図である。
図63を参照して、本実施の形態においては、上記実施の形態1において説明した飲料抽出器610を用いている。抽出口613hの下方には、粘度の高い飲料用液(シロップ、練乳)等を一時的に蓄える予備タンク670が設けられている。この予備タンクは、有底筒状に容器部671、容器部671の中央に設けられた排出口672aを構成する筒状部672、および、筒状部672を覆うキャップ部673を備え、これらの構成によりサイホン式の排出経路構成している。
容器部671に粘度の高い飲料用液RMとして練乳を蓄えておき、抽出されたコーヒーが抽出口613hから容器部671内に落下し、練乳が混合されたコーヒーが筒状部672の高さCを超えるとサイホンの原理に基づき、練乳が混合されたコーヒーが排出口672aから撹拌槽510内に蓄えられることとなる。
本実施の形態においても、粘度の高い飲料用液RMとして練乳を用いた場合には、ベトナム等で好まれるコーヒーを作ることができる。
次に、図64を参照して、本実施の形態における飲料製造装置を用いたコーヒーの抽出工程について説明する。まず、ミル挽きユニット300を用いて、コーヒー豆のミル挽きを開始する(S51)。次に、装置本体100側において、ミル挽きユニット300を検知する(S52)。次に、ミル挽きシーケンスを切り替える(S53)。次に、ミルの回転を開始する(S54)。次に、ミルの回転を終了する(S55)。次に、得られたコーヒー粉末を、飲料抽出器610に投入する(S56)。次に、コーヒーの抽出をスタートする(S57)。次に、撹拌ユニット500(又は、飲料抽出器610)を検知する(S58)。次に、給湯及び撹拌シーケンスを切り替える(S59)。次に給湯を開始する((S60)。次に、給湯を停止する(S61)。次に、所定の抽出時間待機する(S62)。再度、給湯を開始する(S63)。次に、給湯を停止する(S64)。コーヒーの全抽出が完了したかどうか判別する(S65)。全抽出が完了していないと判別(NO)した場合には、S60からのフローを繰り返す。全抽出が完了したと判別(YES)した場合には、撹拌羽根550による撹拌を開始する(S66)。次に、撹拌を終了する(S67)。その後、報知装置(アラーム)20を用いて、ユーザーに撹拌終了を報知する(S68)。
図64中において、排出閾値は1カップ分とする(最小単位)。S61の給湯は、排出閾値の手前までの給湯とする。S63の給湯は、排出閾値を超えるための少量の給湯とする。S65の全抽出の判断は、湯沸し部(液体供給経路155)内に水が残っているか、もしくは、指定されたカップ数量に到達したかどうかで判断する。
(実施の形態21:飲料抽出器630K)
図65および図66を参照して、実施の形態21における飲料抽出器630Kについて説明する。図65は、本実施の形態における飲料抽出器630Kの斜視図、図66は、図65中のLXVI−LXVI線に沿った断面図である。
本実施の形態における飲料抽出器630Kは、実施の形態7に示した飲料抽出器630Dの変形例である。具体的には、蓋部材630cにおいて、落下口630c3から、弓状に湾曲して形成された底部631baの中央部631btが上方に向かって突出している構造を有している。
この構成においても実施の形態7に示した飲料抽出器630Dと同様の作用効果が得られるとともに、供給される湯水が、まず中央部631btに接触することで、確実に中央部631btから底部631baの表面に沿って湯水を全体に行きわたらせることが可能となる。その結果、コーヒー粉末の全体に湯水が行きわたり万遍なくコーヒー粉末の蒸らし、および、抽出をより適切に行なうことが可能となる。
なお、蓋部材の落下口から、底部の中央部を上方に向かって突出している構造は、他の同様の構成を有する実施の形態においても同様に適用することができる。
(実施の形態22:飲料抽出器630L)
図67から図69を参照して、実施の形態22における飲料抽出器630Lについて説明する。図67は、本実施の形態における飲料抽出器630Lの平面図、図68(A),(B)は、抽出口の形状を示す図、図69(A),(B)は、抽出口とコーヒー豆等の異物との関係を示す模式図である。
実施の形態における飲料抽出器630Lは、実施の形態6に示した飲料抽出器630Cの変形例である。具体的には、実施の形態6に示した飲料抽出器630Cに採用される抽出口631hの形状は、図68(A)に示すように円形であるが、本実施の形態に採用される抽出口631haの形状は、図68(B)に示すように矩形形状である。具体的には、半径方向に長手方向が沿った長方形形状である。円形の抽出口631hと矩形形状の抽出口631haと開口面積は同一である。
本実施の形態に示すように、抽出口631haの形状を長方形形状とすることで、隣接する抽出口631haとの間隔を最小にしながら、多数の抽出口631haを円形状に効率よく配置するこことができ、全体としての開口面積を大きくすることを可能としている。
さらに、図69(A)に示すように、コーヒー豆又は粒径の大きなコーヒー粉末等の異物B1が、飲料抽出器630Lに混入した場合に、円形の抽出口631hであれば、撹拌槽510に異物B1が混入する恐れがある。しかし、図69(B)に示すように、長方形形状の抽出口631haを採用することで、撹拌槽510への異物B1の混入を防止することが可能となる。
なお、抽出口の形状を長方形形状とする構造は、他の実施の形態においても同様に適用することができる。
(実施の形態23:飲料抽出器630M)
図70から図74を参照して、実施の形態23における飲料抽出器630Mについて説明する。図70は、本実施の形態における飲料抽出器630Mの斜視図、図71は、本実施の形態における飲料抽出器630Mの平面図、図72は、本実施の形態における飲料抽出器630Mの底面図、図73は、図71中のLXXIII−LXXIII線に沿った断面図、図74は、図73中のLXXIVで囲まれた領域の拡大断面図である。
飲料抽出器630Mが装着される撹拌槽510および飲料製造装置1は、上記実施の形態1に示したものと同じである。また、本実施の形態における飲料抽出器630Mには、図12および図13に示すような蓋部材630cが用いられるが、ここでは、蓋部材630cの図示は省略する。
本実施の形態における飲料抽出器630Mの基本的構成は、上記実施の形態7における飲料抽出器630Dと同じである。相違点は、図70から図74によく現れるように、底部631bの側壁部632の近傍領域に設けられている抽出口631hの構造が異なっている点、および、底部631bの表面に設けられる突起の形状が異なっている点にある。
図73および図74を参照して、本実施の形態における飲料抽出器630Mの抽出口631hは、平面視した場合にこの抽出口631hを覆うようにブリッジ部631Kが設けられている。なお、このような構造は、通常、樹成形において上金型の側面と下金型の側面とを当接させて形成されることから、一般に食切り構造と呼ばれている。
このような構造を採用することで、ブリッジ部631Kの側面には開口631h1が形成され、抽出されたコーヒーは、開口631h1から抽出口631hに向けて落下し、撹拌槽510内にコーヒーが製造されることになる。
また、底部631bの表面には、同心円状に半径の異なる複数の環状突起631r7が設けられている。このように複数の環状突起631r7を設けることで、底部631bには微細な高さの凹凸(約1mm〜2mm程度)が形成される。その結果、この上にコーヒー粉末が投入された場合には、空気層が形成される。この空気層の形成により、湯水によるコーヒー粉末の蒸らしが促進され、製造されるコーヒーの風味を高めることが期待できる。なお、環状突起631r7は、凹部すなわち溝に置き換えても同様の効果を得ることができる。
以上、本実施の形態における飲料抽出器630Mにおいても、実施の形態7における飲料抽出器630Dと同様の作用効果を得ることができる。さらに、本実施の形態における飲料抽出器630Mは、平面視した場合には、開口631h1は、ブリッジ部631Kにより塞がれ、開口631h1が側面側に位置していることから、コーヒー粒等の異物が落下し難くなり、製造されたコーヒーの品質を維持することを可能とする。また、環状突起631r7により、底部631bには微細な凹凸が形成されことから、空気層によりコーヒー粉末の蒸らしが促進され、製造されるコーヒーの風味を高めることも期待できる。
(実施の形態24:飲料抽出器630N)
図75から図78を参照して、実施の形態24における飲料抽出器630Nについて説明する。図75は、本実施の形態における飲料抽出器630Nの斜視図、図76は、本実施の形態における飲料抽出器630Nの平面図、図77は、本実施の形態における飲料抽出器630Nの底面図、図78は、図76中のLXXVIII−LXXVIII線に沿った断面図である。
飲料抽出器630Nが装着される撹拌槽510および飲料製造装置1は、上記実施の形態1に示したものと同じである。また、本実施の形態における飲料抽出器630Nには、図12および図13に示すような蓋部材630cが用いられるが、ここでは、蓋部材630cの図示は省略する。
本実施の形態における飲料抽出器630Nの基本的構成は、上記実施の形態23における飲料抽出器630Mと同じである。相違点は、図75から図78によく現れるように、底部631bの表面に設けられる突起の形状が異なっている点にある。
図75、図76および図78を参照して、本実施の形態における飲料抽出器630Nの底部631bの表面には、同心円状に半径の異なる複数の環状に配置された島状突起631r8が設けられている。このように複数の島状突起631r8を設けることで、底部631bには微細な高さの凹凸(約1mm〜2mm程度)が形成される。その結果、この上にコーヒー粉末が投入された場合には、空気層が形成される。この空気層の形成により、湯水によるコーヒー粉末の蒸らしが促進され、製造されるコーヒーの風味を高めることが期待できる。なお、島状突起631r8は、凹部すなわち窪みに置き換えても同様の効果を得ることができる。
以上、本実施の形態における飲料抽出器630Nにおいても、実施の形態23における飲料抽出器630Mと同様の作用効果を得ることができる。
(実施の形態25:飲料抽出器630P)
図79から図82を参照して、実施の形態25における飲料抽出器630Pについて説明する。図79は、本実施の形態における飲料抽出器630Pの斜視図、図80は、本実施の形態における飲料抽出器630Pの平面図、図81は、本実施の形態における飲料抽出器630Pの底面図、図82は、図80中のLXXXII−LXXXII線に沿った断面図である。
飲料抽出器630Pが装着される撹拌槽510および飲料製造装置1は、上記実施の形態1に示したものと同じである。また、本実施の形態における飲料抽出器630Pには、図12および図13に示すような蓋部材630cが用いられるが、ここでは、蓋部材630cの図示は省略する。
本実施の形態における飲料抽出器630Pの基本的構成は、上記実施の形態23における飲料抽出器630Mと同じである。相違点は、図79から図82によく現れるように、底部631bの表面に設けられる突起の形状が異なっている点にある。
図79、図80および図82を参照して、本実施の形態における飲料抽出器630Pの底部631bの表面には、放射状に延びる複数の線条の突起631r9が設けられている。また、本実施の形態では、線条の突起631r9として、中央部から最も長く延びる第1線条突起631r9a、次に長く延びる第2線条突起631r9b、および、最も短い第3線条突起631r9cとを含む。
第1線条突起631r9aは、60°ピッチで配置され、合計6本設けられている。第2線条突起631r9bは、隣接する2本の第1線条突起631r9aの間において、15°ピッチで3本配置されている(全体では、3×6=18本)。第3線条突起631r9cは、隣接する2本の第1線条突起631r9aの間、および、第2線条突起631r9bの間において、等間隔ピッチとなるように、合計4本配置されている(全体では、4×6=24本)。なお、第1線条突起631r9a、第2線条突起631r9b、および、第3線条突起631r9cの長さ、本数は、適宜選択されるものであり、本実施の形態には限定されない。
以上、本実施の形態における飲料抽出器630Pにおいても、実施の形態23における飲料抽出器630Mと同様の作用効果を得ることができる。さらに、本実施の形態における飲料抽出器630Pは、放射状に延びる長さの異なる複数の線条の突起631r9が設けられていることから、突起に挟まれた空間が外周に向かって細分化されることとなる。これにより、コーヒー粉末に対して湯水を均一に巡らせることが可能となり、製造されるコーヒーの風味を高めることが期待できる。なお、線状突起631r9は、凹部すなわち溝に置き換えても同様の効果を得ることができる。
(実施の形態26:粉ならし装置690)
図83から図85を参照して、本実施の形態における粉ならし装置690について説明する。図83および図84は、本実施の形態における飲料抽出器の第1斜視図および第2斜視図、図85は、図83中のLXXXV−LXXXV線に沿った断面図である。
図83を参照して、本実施の形態における粉ならし装置690を用いる場合には、蓋部材630cには、粉ならし装置690を外部から操作可能にするために、開口630chが設けられている。その他の構成は、図12および図13を用いて説明した、蓋部材630cと同じである。
また、本実施の形態では、実施の形態23で説明した飲料抽出器630Mに、粉ならし装置690および蓋部材630cを装着した場合を示しているが、飲料抽出器630Mに限定されることはなく、他の実施の形態の飲料抽出器に対しても同様に適用することが可能である。
図84を参照して、粉ならし装置690は、底部631bの中心部690aを回転中心に回動可能に設けられた一対の腕部690bを備えている。一方の腕部690bには、上方に延びる回転ハンドル690cが設けられている。一対の腕部690bのぞれぞれには、斜め下方に延びる櫛状のならし部材690dが設けられている。図83に示すように、開口630ch突起ら露出した回転ハンドル690cを矢印R方向に往復運動させる。
飲料抽出器630Mにコーヒー粉末を投入した場合、通常は、コーヒー粉末は一箇所に偏った状態となることが多い。そこで、本実施の形態における粉ならし装置690を用いることで、コーヒー粉末を飲料抽出器630Mに対して均一に拡げることができる。
なお、本実施の形態においては、粉ならし装置690を飲料抽出器630Mに対して回転可能な構成としたが、蓋部材630cに対して回転可能に装着してもよい。
(実施の形態27:飲料抽出器630Q)
図86から図93を参照して、実施の形態27における飲料抽出器630Qについて説明する。図86は、本実施の形態における飲料抽出器630Qの斜視図、図87は、本実施の形態における飲料抽出器630Qの平面図、図88および図89は、本実施の形態における飲料抽出器630Qの第1および第2側面図、図90は、本実施の形態における飲料抽出器630Qの底面図、図91は、図87中のXCI−XCI線に沿った断面図、図92は、本実施の形態における飲料抽出器630Qの内面底部の拡大断面図、図93は、本実施の形態における飲料抽出器630Qの内面底部の拡大斜視図である。
飲料抽出器630Qが装着される撹拌槽510および飲料製造装置1は、上記実施の形態1に示したものと同じである。また、本実施の形態における飲料抽出器630Mには、図12および図13に示すような蓋部材630cが用いられるが、ここでは、蓋部材630cの図示は省略する。また、上記実施の形態26で説明した、粉ならし装置690および蓋部材630cの装着も可能である。
本実施の形態における飲料抽出器630Qの基本的構成は、上記実施の形態25における飲料抽出器630Pと同じである。相違点は、図86から図91によく現れるように、底部631bと側壁部632との連結部が曲面によって連結され、この曲面部に抽出口631hおよびブリッジ部631Kが設けられている点、底部631bの表面から側壁部632の表面にかけて、放射状に延びる複数の線条の溝部631r10が設けられている点にある。
図92および図93を参照して、底部631bの表面から側壁部632の表面にかけて、放射状に延びる複数の線条の溝部631r10を設けることで、底部631bに溜まった水分は毛細管現象によって側壁部632にまで吸い上げられる(図93中矢印W10)。これにより、飲料抽出器630Q内のコーヒー粉末全体を湯水で包み込むようにして蒸らすことが可能となり、製造されるコーヒーの風味を高めることが期待できる。なお、溝部631r10の幅は約1mm、深さも約1mm程度であるとよい。これにより、毛細管現象の効果が得られるとともに、清掃を容易にすることができる。
なお、本実施の形態では、溝部631r10は一本の線条パターンであるが、底部631bおよび/または側壁部632において溝が分岐する構造であってもよい。
また、飲料抽出器630Qの内表面は親水材料、親水化処理(化学修飾、コーティング)が施されていることが好ましい。これにより、より毛細管現象の効果を高めることが可能となる。
また、清掃性を高めるために本実施の形態では、底部631bと側壁部632との連結部の曲面部に抽出口631hおよびブリッジ部631Kを設けているが、清掃性が問題とならない場合には、底部631bに抽出口631hおよびブリッジ部631Kを設けてもよい。
本実施の形態では、飲料製造装置の一例として、粉砕対象物としてコーヒーを用い、粉砕されたコーヒーを抽出対象物として、飲料のコーヒーを製造する場合について説明するが、粉砕対象物はコーヒー豆に限定されることなく、茶葉、穀物、乾物、その他の粉砕対象物を用いて、飲料を製造する場合にも適用することが可である。
以上、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。