JP2016219513A - 熱電変換材料の製造方法、それにより得られうる熱電変換材料及びそれを有する熱電変換モジュール、並びにそれらの用途 - Google Patents

熱電変換材料の製造方法、それにより得られうる熱電変換材料及びそれを有する熱電変換モジュール、並びにそれらの用途 Download PDF

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Abstract

【課題】ドーパントの吸着量が向上したカーボンナノチューブ含有熱電変換材料を提供することを課題とする【解決手段】カーボンナノチューブを含有する熱電変換材料の製造方法であって、カーボンナノチューブ及びドーパントを、亜臨界流体中又は超臨界流体中において混練することにより分散させる工程を含む熱電変換材料の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、熱電変換材料、その製造方法及びそれを有する熱電変換モジュール、並びにそれらの用途に関する。
熱電変換モジュールは、熱と電気を直接変換することのできる固体素子である。熱電変換材料(熱電変換素子)をある寸法に切断加工するなどして複数個まとめた集合体が、熱電変換モジュールとして利用されている。熱電変換モジュールは、通常、p型熱電変換材料及びn型熱電変換材料、電極、並びに負荷抵抗から構成される。熱電変換モジュールは、レーザーダイオードの精密温度制御や電子式温冷庫等に実際に応用されているほか、未利用廃熱を用いた分散型発電技術(エネルギーハーべスティング)や災害時の非常用電源としての応用等も期待されている。
ドーパントを吸着させたカーボンナノチューブ(本明細書において、「CNT」と表記することがある。)を含有する熱電変換材料が種々提案されている。カーボンナノチューブは不純物である酸素に起因して、p型熱電材料としての作用を示す。カーボンナノチューブに対して、p型ドーパントを吸着させてもよいし、またn型ドーパントとして機能するものを吸着させることにより、n型熱電材料に変換することもできる。
このようなカーボンナノチューブ含有熱電変換材料の製造方法としては、ドーパントを溶解又は分散させた溶液を、乾燥させたカーボンナノチューブに加え、ホモジナイザーを用いてせん断をかけながら分散させることにより、ドーパントをカーボンナノチューブに吸着させる方法等が提案されている(非特許文献1)。
Yoshiyuki Nonoguchi、外8名、「Systematic Conversion of Single Walled Carbon Nanotubes into n−type Thermoelectric Materials by Molecular Dopants」、2013年、SCIENTIFIC REPORTS、3、3344
ドーパントを溶解又は分散させた溶液を、乾燥させたカーボンナノチューブに加えることにより、ドーパントを吸着させたカーボンナノチューブを得る従来の方法では、ドーパントを溶解又は分散させた溶液を得る際に、カーボンナノチューブを分散させることができる分散媒を用いることが必要であった。しかしながら、カーボンナノチューブを分散させることができる分散媒は、ドーパントを溶解又は分散させるには適さないものであることが多く、ドーパントを極少量しか溶解又は分散させることができなかった。このため、カーボンナノチューブに吸着させることのできるドーパント量に制限があった。
本発明は、ドーパントの吸着量が向上したカーボンナノチューブ含有熱電変換材料を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ね、カーボンナノチューブ及びドーパントを、亜臨界流体中又は超臨界流体中において混練することにより分散させることにより、効率よくカーボンナノチューブにドーパントを接触させることができ、上記課題を解決できることを見出した。
本発明は、これらの新たな知見に基づいてさらに種々の検討を重ねることにより完成されたものであり、次に掲げるものである。
項1
カーボンナノチューブを含有する熱電変換材料の製造方法であって、
カーボンナノチューブ及びドーパントを、亜臨界流体中又は超臨界流体中において混練することにより分散させる工程
を含む熱電変換材料の製造方法。
項2
前記亜臨界流体及び前記超臨界流体が、常温常圧で気体状態である、項1に記載の熱電変換材料の製造方法。
項3
前記亜臨界流体及び前記超臨界流体が、常温常圧で液体状態である、項1に記載の熱電変換材料の製造方法。
項4
前記亜臨界流体及び前記超臨界流体が、二種以上の流体の混合物である、項1に記載の熱電変換材料の製造方法。
項5
前記項1〜4のいずれかに記載の方法により得られうる、熱電変換材料。
項6
カーボンナノチューブ、及び
前記カーボンナノチューブに吸着しているドーパントを、前記カーボンナノチューブ1重量部に対して0.7重量部〜2重量部
含有する、熱電変換材料。
項7
項5又は6に記載の熱電変換材料を含む、熱電変換モジュール。
本発明によれば、ドーパントの吸着量が向上したカーボンナノチューブ含有熱電変換材料を提供できる。
本発明の熱電変換材料を有する熱電変換モジュールの一例である。
1. カーボンナノチューブ含有熱電変換材料の製造方法
本発明のカーボンナノチューブ含有熱電変換材料の製造方法は、カーボンナノチューブ及びドーパントを、亜臨界流体中又は超臨界流体中において混練することにより分散させる工程を含む熱電変換材料の製造方法である。
上記工程により、カーボンナノチューブ及びドーパントの両方を、亜臨界流体中又は超臨界流体中に比較的高濃度で均一に分散させることができる。このため、カーボンナノチューブにドーパントを効率よく接触させることができる。カーボンナノチューブに過剰量のドーパントを接触させた後、カーボンナノチューブに吸着しなかったドーパントを濾過等の方法により洗浄して除去することができる。この点で、分散時にドーパントが亜臨界流体中又は超臨界流体中にCNTの10倍量〜1000倍量(重量基準)含まれていれば好ましく、CNTの50倍量〜500倍量(重量基準)含まれていればより好ましい。
このように本発明によれば、カーボンナノチューブに対してより多くのドーパントを吸着させることができる。
1.1 亜臨界流体及び超臨界流体
本発明において、亜臨界流体とは、超臨界状態には達していないが、温度及び圧力の少なくとも一方が、流体の臨界温度または臨界圧力以上、あるいは流体の臨界温度又は臨界圧力に充分に近く、超臨界状態に近い状態にある流体を意味する。超臨界流体とは、超臨界状態にある流体を意味し、具体的には、温度が流体の臨界温度以上かつ圧力が流体の臨界圧力以上の状態にあり、液体の性質と気体の性質を併せ持つ流体を意味する。
本発明においては、亜臨界流体又は超臨界流体として、常温常圧で液体状態のものであっても気体状態のものであっても好適に用いられる。
上記において、常温常圧で液体状態のものとしては、特に限定されないが、例えば、水及び有機溶媒等が挙げられる。
上記有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、炭化水素系有機溶剤、エーテル系有機溶剤、エステル系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、アルコール系有機溶剤、ジメチルスルホキシド及びN,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
上記炭化水素系有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン及びジクロロベンゼン等が挙げられる。
上記エーテル系有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン等が挙げられる。
上記エステル系有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、酢酸エチル及び酢酸ブチル等が挙げられる。
上記ケトン系有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びN−メチルピロリドン等が挙げられる。
上記アルコール系有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコール等が挙げられる。
上記において、常温常圧で気体状態の溶媒としては、特に限定されないが、例えば、N、CO、NO、クロロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、低分子量アルカン、低分子量アルケン(エチレン等)、アミン系化合物及びアンモニア等が挙げられる。
上記クロロフルオロカーボンとしては、特に限定されないが、例えば、クロロジフルオロメタン及びジクロロトリフルオロエタン等が挙げられる。
上記低分子量アルカンとしては、特に限定されないが、例えば、n−ブタン、プロパン及びエタン等が挙げられる。
上記アミン系化合物としては、特に限定されないが、ジメチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、アニリン及びピリジン等が挙げられる。
特に限定されないが、なかでも、亜臨界流体又は超臨界流体としては、人体への影響が小さく、かつ比較的温和な臨界温度及び臨界圧力を有している溶媒が、製造上の理由から好ましい。このような溶媒としては、特に限定されないが、例えば、N、CO、水、アルコール系有機溶剤及び低分子量アルカン等が挙げられる。
亜臨界流体又は超臨界流体として常温常圧で気体状のものを使用する場合は、前記混練後に圧力を開放することにより、速やかに亜臨界流体又は超臨界流体を気化拡散させることができる。そのため、目的物である、ドーパントが吸着したカーボンナノチューブの回収が容易となるので、製造工程上優れている。
また、亜臨界流体又は超臨界流体として元来高極性のもの(例えば、水及びアルコール系有機溶剤等)を使用する場合は、亜臨界流体又は超臨界流体としたときに低極性化するので、その性質を利用することができる。すなわち、混練時の温度、圧力及び/又は密度を適切に調整することにより、溶媒効果を制御することができる。
一般に、亜臨界状態または超臨界状態における流体の粘度は低いので、その性質を利用することにより、本発明においては、カーボンナノチューブ及びドーパントを流体に分散させた状態の粘度もより低くすることができる。このように、本発明においては、亜臨界状態又は超臨界状態において低粘度となった溶媒による可塑化効果により混練効果を飛躍的に高めることができる。
上記流体を用いて、カーボンナノチューブ及びドーパントを均一に分散させる際においては、分散効率を高めるために、上記流体がカーボンナノチューブを攪拌できる程度の体積を占めていることが好ましい。すなわち、亜臨界流体または超臨界流体の体積は、カーボンナノチューブ及びドーパントの体積の合計の1倍以上であることが好ましい。
亜臨界流体又は超臨界流体として用いる流体は一種の流体であってもよいし、二種以上の流体を混合したものであってもよい。
二種以上の流体を混合した場合、その混合流体の臨界温度や臨界圧力が変化するため、製造条件を穏やかにすることができる。例えば、混合流体として水及びCOを混合したものを用いる場合は、水単独使用時と比べて、製造温度を100℃以上低下させることが可能である。また、混合流体においては、適切な流体を選択することにより、一方の流体添加量がごく僅かな場合でも大きく分散性を向上させることが可能である。そのため、本発明では、混合流体を用いることは非常に有効である。
1.2 カーボンナノチューブ
本発明においては、上記の本発明の効果が得られる範囲内で、使用するカーボンナノチューブを幅広く選択することができる。本発明で使用するカーボンナノチューブは、シングルウォールナノチューブ(SWNT)が好ましい。熱電特性の観点から半導体性のシングルウォールカーボンナノチューブがより好ましい。
1.3 ドーパント
特に限定されないが、通常、カーボンナノチューブは不純物である酸素に起因して、p型熱電材料としての作用を示す。本発明で用いるドーパントとして、p型ドーパントとして機能するものを用いてもよいし、n型ドーパントとして機能するものを用いてもよい。n型ドーパントとして機能するものを用いることにより、カーボンナノチューブを含有するp型熱電材料をn型熱電材料に変換することができる。
本発明で用いるドーパントとして、特に限定されないが、例えば、π−π結合によりカーボンナノチューブと相互作用しうるフェニル基を有する化合物、カチオン−π結合によりカーボンナノチューブと相互作用しうるアミノ基を有する化合物等が挙げられる。
本発明で用いるドーパントの具体例として、特に限定されないが、フェニル基を有するホスフィン化合物、アミン含有化合物及びイミン含有化合物等が挙げられる。
特に限定されないが、例えば、p型ドーパントとして、テトラシアノキノジメタン(本明細書において「TCNQ」と表記することがある。)及びテトラフルオロテトラシアノキノジメタン、カルバゾール(9H−carbazole)、4−ヒドロキシカルバゾール(9H−calbazol−4−ol)等が挙げられる。また、n型ドーパントとして、トリフェニルホスフィン(triphenylphosphine)(本明細書において「tpp」と記載することがある。))及び1,2‐ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(1,2‐bis(diphenylphosphino)ethane(本明細書において「dppe」と表記することがある。))及び1,3ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(1,3−bis(diphenylphiphosphino)propan(本明細書において、「dppp」と記載することがある。)1,4‐ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(1,4‐bis(diphenylphosphino)buthane(本明細書において「dppb」と表記することがある。))等が挙げられる。これらのフェニル基を有するホスフィン化合物は、さらに置換されていてもよい。
ドーパントは、一種を用いてもよいし、二種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
1.4 混練工程
混練工程は、好ましくは、常温常圧で液体状態又は気体状態である流体を、カーボンナノチューブ及びドーパントと常温常圧において混合した後に、加熱及び加圧して亜臨界流体または超臨界流体とし、この状態で混練することにより行う。
亜臨界流体又は超臨界流体の温度の好ましい下限は30℃、好ましい上限は700℃である。亜臨界流体又は超臨界流体の温度が30℃以上であると、カーボンナノチューブ及びドーパントに対する溶解又は分散、及び可塑化効果が良好となる傾向がある。亜臨界流体又は超臨界流体の温度が700℃以下であると、カーボンナノチューブ及び/又はドーパントの劣化を回避することができ、昇温に必要なエネルギーを節約でき、かつエネルギーロスを抑えることができるため、好ましい傾向がある。この点で、亜臨界流体又は超臨界流体の温度のより好ましい上限は400℃である。
亜臨界流体又は超臨界流体の圧力の好ましい下限は0.5MPa、好ましい上限は80MPaである。亜臨界流体又は超臨界流体の圧力が0.5MPa以上であると、カーボンナノチューブ及びドーパントに対する溶解又は分散、及び可塑化効果が良好となる傾向がある。亜臨界流体又は超臨界流体の圧力が80MPa以下であると、圧力を高くするために必要なエネルギーを抑えることができ、コスト面で有利である。この点で、亜臨界流体又は超臨界流体の圧力のより好ましい上限は50MPaである。
カーボンナノチューブ及びドーパントを、亜臨界流体中又は超臨界流体中で混練する時間は、カーボンナノチューブ及びドーパントの分解を抑制できるので、短時間であることが好ましい。好ましい混練時間は温度により異なるが、400℃以上では30分以内、より好ましくは20分以内、さらに好ましくは10分以内である。また、400℃以下では1時間以内、より好ましくは30分以内である。
常温常圧で液体状態又は気体状態である流体を、カーボンナノチューブ及びドーパントと常温常圧において混合した後に、加熱及び加圧して亜臨界流体または超臨界流体としてから混練を行う場合、流体が亜臨界状態または超臨界状態に達するまでの時間も、短時間であることが好ましい。短時間であれば、カーボンナノチューブ及びドーパントの分解を抑制することができる。短時間で亜臨界状態又は超臨界状態に達するようにする方法としては、特に限定されないが、例えば、カーボンナノチューブ及びドーパントをあらかじめ常圧環境下において予熱しておく方法等が挙げられる。
混練工程においては、特に限定されないが、本発明の効果の点で、カーボンナノチューブ及びドーパントを、カーボンナノチューブ1重量部に対して10重量部〜1000重量部のドーパントの比率で混練することが好ましく、カーボンナノチューブ1重量部に対して50重量部〜500重量部のドーパントの比率で混練することがより好ましい。
混練時の温度及び圧力、並びに流体中のカーボンナノチューブ及びドーパントの濃度等を適宜調整することにより、任意のカーボンナノチューブ及びドーパントに対して適切に混練を行うことができる。
1.5 回収工程
次に、好ましくは、上記のように混練により得られた混合物を常温常圧に戻すことにより、目的物である、ドーパントが吸着したカーボンナノチューブを回収する。このとき、亜臨界流体又は超臨界流体を解圧して断熱膨張による吸熱により冷却してもよいし、解圧せずに急速にガラス転移温度以下にまで冷却してもよい。
解圧せずに急速にガラス転移温度以下にまで冷却する上記方法を採る場合には、製造温度からガラス転移温度までの降温速度を25℃/分以上とすることが好ましい。25℃/分以上であると、長時間高温に晒されることがなく、カーボンナノチューブの凝集が起こりにくくなる。上記降温速度は、より好ましくは50℃/分以上である。また、樹脂のガラス転移温度が室温以下である場合には、少なくとも室温まで急冷すれば、カーボンナノチューブの凝集をある程度抑制することができる。
1.6 攪拌工程
混練工程の前、及び/又は後に、カーボンナノチューブ及びドーパントを含む溶液を、攪拌する工程を行ってもよい。攪拌は、特に限定されないが、主に、カーボンナノチューブ及びドーパントの分散を促進させるために行うことができる。
攪拌工程は、特に限定されないが、例えばせん断応力をかけることにより行うことができる。この場合、特に限定されないが、例えば、回転歯を有するホモジナイザーを用いて行うことができる。ホモジナイズの条件は適宜設定できるが、例えば、10,000〜50,000回転で、1分間〜30分間行うこともできる。
攪拌工程は、特に限定されないが、必要に応じて、温度上昇を避けながら(例えば冷却しながら)行ってもよい。
2.熱電変換材料
本発明の熱電変換材料は、本発明の製造方法により得られうるカーボンナノチューブ含有熱電変換材料である。
本発明の熱電変換材料は、従来の方法により得られるものに比べて、よりドーパントの吸着量が高い。特に限定されないが、例えば、ドーパントを、カーボンナノチューブ1重量部に対して、0.7重量部〜2重量部、好ましくは0.8重量部〜1.8重量部、より好ましくは1重量部〜1.5重量部含有する。
本発明の熱電変換材料は、カーボンナノチューブが主成分であり、特に限定されないが、通常、カーボンナノチューブを、10重量%〜95重量%含有する。
3.熱電変換モジュール
本発明の熱電変換モジュール(熱電変換デバイス)は、前記熱電変換材料を含む。
特に限定されないが、通常、本発明の熱電変換モジュールは、前記熱電変換材料をある寸法に切断加工するなどして複数個まとめた集合体である。
熱電変換モジュールの概念図の一例を図1に示す。熱電変換モジュールは、通常、p型熱電材料とn型熱電材料を、電極を介して電気的に直列に接続し、構成される。
本発明の熱電変換モジュールは、必要に応じて、図1に示すように、上下面に絶縁性放熱材等の電気絶縁材が設置されていてもよい。絶縁性放熱材は、用途に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミナを含有する、フィルム又はゴム等を使用できる。なお、柔軟性が要求されない場合、絶縁性放熱材として、セラミック等を使用してもよい。
本発明の熱電変換モジュールの作製は、従来公知の方法にしたがって行うことができる。
本発明の熱電変換モジュールは、用途により、熱電冷却モジュール(ペルチェモジュール)及び熱電発電モジュールに大別される。
本発明の熱電冷却モジュールは、特に限定されないが、各種部品の冷却及び温度制御の目的で、光通信用機器、保冷庫、恒温水循環装置その他の機器及び装置等に組み込むために使用できる。また、熱電冷却モジュールは、電気で温度を制御(冷却)する上記各種用途のほか、この逆作用を利用し、熱を使って電気を作る、いわゆる熱電発電のために使用することもできる。
本発明の熱電発電モジュールは、特に限定されないが、人工衛星、砂漠の無線中継基地その他の局地向けの電源、センサやウェアラブルデバイス等の自立電源、あるいは災害時の非常用電源をはじめとする各種特殊用途のために使用できる。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
あらかじめ乾燥した単層カーボンナノチューブ10mg、TCNQ100mg及びDMSO10mLを超臨界反応容器に入れ、容器内を二酸化炭素で置換したのち室温下(23℃)でポンプを使用して二酸化炭素を10MPaになるまで容器内に投入した。その後、反応容器の弁を閉じて密閉状態とした。
反応容器を60℃まで昇温し、二酸化炭素を超臨界状態として40分間接触させた。反応容器をオイルバスから取り出し、同時に解圧し、混合溶液を得た。
得られた混合溶液を孔径0.2μmのフッ素樹脂系メンブレンフィルターを用いて吸引濾過しメンブレンフィルター上に不織布を得た。続けて200mLのDMSOを不織布全体にかけながら吸引濾過を行うことで余分なTCNQを除去してCNT,TCNQからなる不織布膜を得た。
得られた不織布膜をセラミック板に挟み真空オーブン中で80℃24時間乾燥してp型の熱電変換材料を得た。
実施例2
実施例1のTCNQ100mgをTCNQ2gに変更した以外は実施例1と同様にして予備混合液を得た。
予備混合液を臨界反応容器に移し、1mLのエタノールを更に加え、容器内を二酸化炭素で置換したのち室温下(23℃)でポンプを使用し二酸化炭素を10MPaになるまで投入した。その後、反応容器の弁を閉じて密閉状態とした。
反応容器を250℃まで昇温し、二酸化炭素及びエタノールを超臨界状態として20分間接触させた。
得られた混合溶液を用いて、実施例1と同様にp型熱電変換材料を得た。
実施例3
実施例1のTCNQ100mgをdppp2gに変更した以外は実施例1と同様にしてn型熱電変換材料を得た。
実施例4
実施例1のTCNQ100mgをtpp5gに変更した以外は実施例1と同様にしてn型熱電変換材料を得た。

比較例1
あらかじめ乾燥した単層カーボンナノチューブ10mg及びTCNQ100mgをDMSO10mLに投入し、ホモジナイザーで回転数を3000rpmにして10分間攪拌した後、回転数を20000rpmにしてさらに15分攪拌して混合溶液を得た。
得られた混合溶液を孔径0.2μmのフッ素樹脂系メンブレンフィルターを用いて吸引濾過しメンブレンフィルター上に不織布を得た。続けて100mLのDMSOを不織布全体にかけながら吸引濾過を行うことで余分なTCNQを除去してCNT,TCNQからなる不織布膜を得た。
得られた不織布膜をセラミック板に挟み真空オーブン中で80℃24時間乾燥してp型の熱電変換材料を得た。
比較例2
比較例1のTCNQ100mgをTCNQ2gに変更した以外は比較例1と同様にしてp型熱電変換材料を得た。
比較例3
比較例1のTCNQ100mgをdppp2gに変更した以外は比較例1と同様にしてn型熱電変換材料を得た。
比較例4
比較例1のTCNQ100mgをtpp5gに変更した以外は比較例1と同様にして熱n型電変換材料を得た。
吸着量の評価
実施例1〜4及び比較例1〜4のそれぞれの濾液及び洗浄液からTCNQ,tppp及びtppを回収し、それぞれの重量を測定し表1に示した。
Figure 2016219513
熱電変換デバイスの作成
実施例1〜4及び比較例1〜4で作成した不織布を3mm×20mmの短冊にそれぞれ3枚ずつ切り出した。
実施例5
実施例1及び実施例3でそれぞれ作成した不織布から切り出した短冊をポリイミドフィルム上に図1のように交互に並べ、直列つなぎとなるように端部を銀ペーストで接続およびポリイミドフィルム上に固定した。
直列接続されたデバイスの両末端にリード線を接続したのち、ポリイミドフィルムをかぶせ、外周部をシリコーン接着剤で封止した。
実施例6
実施例2及び実施例4でそれぞれ作成した不織布から切り出した短冊を使用した以外は実施例5と同様に作成し、熱電変換デバイスを得た。
比較例5
比較例1及び比較例3でそれぞれ作成した不織布から切り出した短冊を使用した以外は実施例5と同様に作成し、熱電変換デバイスを得た。
比較例6
比較例2及び比較例4でそれぞれ作成した不織布から切り出した短冊を使用した以外は実施例5と同様に作成し、熱電変換デバイスを得た。
熱電変換デバイスの比較
短冊の長手方向に温度差が発生するように熱電変換デバイスの端部をそれぞれ20℃及び100℃に設定したペルチェ素子に接触させ、その時発生した電圧を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2016219513
実施例5及び比較例5は、同一の材料を使用しているが、実施例5では超臨界流体中においてカーボンナノチューブとドーパントとを混練しているのに対して、比較例5ではそのような操作を行っていない点が異なる。実施例6及び比較例6についても同様の関係にある。同一の材料を使用した実施例5と比較例5との比較結果、並びに実施例6と比較例6との比較結果から、超臨界流体中における混練を行ったほうが高い出力が得られることが判る。
1 p型熱電変換材料
2 n型熱電変換材料
3 電極
4 絶縁性放熱材
5 リード

Claims (7)

  1. カーボンナノチューブを含有する熱電変換材料の製造方法であって、
    カーボンナノチューブ及びドーパントを、亜臨界流体中又は超臨界流体中において混練することにより分散させる工程
    を含む熱電変換材料の製造方法。
  2. 前記亜臨界流体及び前記超臨界流体が、常温常圧で気体状態である、請求項1に記載の熱電変換材料の製造方法。
  3. 前記亜臨界流体及び前記超臨界流体が、常温常圧で液体状態である、請求項1に記載の熱電変換材料の製造方法。
  4. 前記亜臨界流体及び前記超臨界流体が、二種以上の流体の混合物である、請求項1に記載の熱電変換材料の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法により得られうる、熱電変換材料。
  6. カーボンナノチューブ、及び
    前記カーボンナノチューブに吸着しているドーパントを、前記カーボンナノチューブ1重量部に対して0.7重量部〜2重量部
    含有する、熱電変換材料。
  7. 請求項5又は6に記載の熱電変換材料を含む、熱電変換モジュール。
JP2015100363A 2015-05-15 2015-05-15 熱電変換材料の製造方法、それにより得られうる熱電変換材料及びそれを有する熱電変換モジュール、並びにそれらの用途 Pending JP2016219513A (ja)

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