JPWO2018159685A1 - 熱電変換層、熱電変換層形成用組成物、熱電変換素子、熱電変換モジュール - Google Patents

熱電変換層、熱電変換層形成用組成物、熱電変換素子、熱電変換モジュール Download PDF

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Abstract

本発明の課題は、熱電変換性能(特に、パワーファクター、及び性能指数Z)に優れた熱電変換層を提供することにある。また、本発明の他の課題は、上記熱電変換層の形成に用いられる熱電変換層形成用組成物、上記熱電変換層を備える熱電変換素子、及び熱電変換モジュールを提供することにある。本発明の熱電変換層は、単層カーボンナノチューブと、ドーパントと、を含有する熱電変換層であって、上記単層カーボンナノチューブは、半導体型単層カーボンナノチューブを95%以上含有し、且つ、G/D比が40以上であり、上記ドーパントは、非オニウム塩構造の有機系ドーパントであって飽和カロメル電極に対する酸化還元電位が0V以上である。

Description

本発明は、熱電変換層、熱電変換層形成用組成物、熱電変換素子、及び熱電変換モジュールに関する。
熱エネルギーと電気エネルギーとを相互に変換することができる熱電変換材料が、熱によって発電する発電素子又はペルチェ素子のような熱電変換素子に用いられている。熱電変換素子は、熱エネルギーを直接電力に変換することができ、可動部を必要とせず、例えば、体温で作動する腕時計、僻地用電源、及び宇宙用電源等に用いられている。
熱電変換材料としては、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」ともいう。)に代表される炭素材料が提案されている。
ところで、昨今では、熱電変換素子が使用される機器の性能向上のために、熱電変換素子の熱電変換性能のより一層の向上が求められている。このため、CNTのなかでも、熱電変換性能の一つであるゼーベック係数が大きい半導体型CNTを高濃度で含有する単層CNT(以下、「半導体比率の高い単層CNT」ともいう。)を用いて熱電変換素子を作製する方法が検討されている。
CNTは、一般的に、大気中の酸素によりドーピングされて高い熱電変換性能(特に、パワーファクター(以下「PF」ともいう。))を発現する。しかしながら、半導体型CNTの含有量が多いほど酸素によるドーピングが不十分となり、大気下において適切な熱電変換性能(特に、パワーファクター)が得られにくいという問題がある。
これに対して、例えば、特許文献1の実施例欄では、半導体型CNTを高濃度で含有する単層CNTを、イオン性液体であるトリメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを用いて電気化学的にドーピングする技術を開示している。
一方、非特許文献1では、半導体型CNTを高濃度で含有する単層CNTを、硝酸を用いてドーピングする技術を開示している。
特開2016−15361号公報
Applied Physics Express 9. 025102 (2016)
このようななか、本発明者らは、特許文献1をもとに、半導体型CNTを高濃度で含有する単層CNTとトリメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドと含有する熱電変換層を作製して種々の検討を行った。
この結果、作製された熱電変換層は、昨今要求されている熱電変換性能(特に、パワーファクター、及び性能指数Z)を必ずしも満たさないことを明らかとした。
更に、本発明者らは硝酸をドーパントとして上述の方法により熱電変換層を作製してその性能について検討したところ、上記と同様に、昨今要求されている熱電変換性能(特に、パワーファクター、及び性能指数Z)を必ずしも満たさないことを明らかとした。また、硝酸をドーパントとして形成された熱電変換層は、硝酸が強酸であること、及び揮発性であることから、熱電変換性能(特に、性能指数Z)のばらつきが大きく、また、経時安定性に劣ることが確認された。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、熱電変換性能(特に、パワーファクター、及び性能指数Z)に優れた熱電変換層を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記熱電変換層の形成に用いられる熱電変換層形成用組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記熱電変換層を備える熱電変換素子、及び熱電変換モジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、所定の特性を示す単層CNTと、酸化還元電位が所定値以上の非オニウム塩構造の有機系ドーパント(特に、キノイド構造を有する化合物)とを含有する熱電変換層によれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
〔1〕 単層カーボンナノチューブと、ドーパントと、を含有する熱電変換層であって、
上記単層カーボンナノチューブは、半導体型単層カーボンナノチューブを95%以上含有し、且つ、G/D比が40以上であり、
上記ドーパントは、非オニウム塩構造の有機系ドーパントであって飽和カロメル電極に対する酸化還元電位が0V以上である、熱電変換層。
〔2〕 上記ドーパントが、キノイド構造を有する化合物である、〔1〕に記載の熱電変換層。
〔3〕 上記ドーパントが後述する式(1)若しくは式(2)で表される化合物、又は、後述する式(1)若しくは式(2)で表される構造を部分的に有する化合物である〔1〕又は〔2〕に記載の熱電変換層。
〔4〕 上記単層カーボンナノチューブの含有量が、熱電変換層の全質量に対して、20質量%以上である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の熱電変換層。
〔5〕 上記ドーパントの含有量が、上記単層カーボンナノチューブ全質量に対して、0.01〜10質量%である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の熱電変換層。
〔6〕 更に、バインダーを含有する、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の熱電変換層。
〔7〕 上記バインダーの少なくとも一種が非共役高分子である、〔6〕に記載の熱電変換層。
〔8〕 上記バインダーの含有量が、上記単層カーボンナノチューブ全質量に対して、5〜100質量%である、〔6〕又は〔7〕に記載の熱電変換層。
〔9〕 上記バインダーの含有量が、上記単層カーボンナノチューブ全質量に対して、20〜100質量%である、〔6〕〜〔8〕のいずれかに記載の熱電変換層。
〔10〕 下記式(1)で表される指数Aが、3.5〜21である、〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の熱電変換層。
式(1)指数A=[{T1+(P×10)}×T2/1000]−(T3×0.01)
式(1)中、
T1:上記単層カーボンナノチューブ中における上記半導体型単層カーボンナノチューブの含有割合(%)
T2:上記単層カーボンナノチューブのG/D比
T3:上記単層カーボンナノチューブに対するドーパントの含有量(質量%)
P:上記ドーパントの飽和カロメル電極に対する酸化還元電位(V)
〔11〕 単層カーボンナノチューブと、ドーパントと、を含有する熱電変換層形成用組成物であって、
上記単層カーボンナノチューブは、半導体型単層カーボンナノチューブを95%以上含有し、且つ、G/D比が40以上であり、
上記ドーパントは、非オニウム塩構造の有機系ドーパントであって飽和カロメル電極に対する酸化還元電位が0V以上である、熱電変換層形成用組成物。
〔12〕 〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の熱電変換層を備える、熱電変換素子。
〔13〕 〔12〕に記載の熱電変換素子を複数個備えた、熱電変換モジュール。
本発明によれば、熱電変換性能(特に、パワーファクター、及び性能指数Z)に優れた熱電変換層を提供することができる。
また、本発明によれば、上記熱電変換層の形成に用いられる熱電変換層形成用組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、上記熱電変換層を備える熱電変換素子、及び熱電変換モジュールを提供することができる。
本発明の熱電変換素子の第1実施態様の断面図である。 本発明の熱電変換素子の第2実施態様の断面図である。 本発明の熱電変換素子の第3実施態様の概念図である(上面図)。 本発明の熱電変換素子の第3実施態様の概念図である(正面図)。 本発明の熱電変換素子の第3実施態様の概念図である(底面図)。 本発明の熱電変換素子の第4実施態様の概念図である。 本発明の熱電変換素子の第5実施態様の概念図である。 実施例で作製する熱電変換モジュールの模式図である。 熱電変換モジュールの出力を測定する装置を示す模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、「(メタ)アクリレート化合物」との記載は、「アクリレート化合物及びメタアクリレート化合物のいずれか一方又は双方」の意味を表す。
〔熱電変換層〕
まず、本発明の熱電変換層の特徴点について説明する。
本発明の熱電変換層の特徴点は、半導体型単層カーボンナノチューブを95%以上含有し、且つ、G/D比が40以上の単層カーボンナノチューブ(以下、「特定単層CNT」ともいう。)と、飽和カロメル電極に対する酸化還元電位が0V以上である非オニウム塩構造の有機系ドーパント(以下、「特定ドーパント」ともいう。)と、を含有する点にある。
本発明の熱電変換層は、上記の構成とすることにより、特許文献1及び非特許文献1に記載されたドーパントを用いた熱電変換層と比較して、熱電変換性能(特に、パワーファクター、及び性能指数Z)が顕著に優れる。本発明者らは、特定単層CNTに対して特定ドーパントを用いた場合には、熱電変換層の導電率が向上しつつ熱伝導率が低減することを確認しており、この結果としてパワーファクター及び性能指数Zが優れたものと考えられる。
また、本発明の熱電変換層は、後述するように、更にバインダー(好ましくは非共役高分子、より好ましくは水素結合性樹脂)を含有する場合には、熱電変換層の熱伝導率をより低減でき、性能指数Zがより一層優れたものとなる。
また、本発明の熱電変換層は、特許文献1及び非特許文献1に記載されたドーパントを用いた熱電変換層と比較して、熱電変換性能(特に、性能指数Z)のばらつきが小さく、また、経時安定性にも優れていることが確認されている。
以下、本発明の熱電変換層が含有する各成分について詳述する。
<単層カーボンナノチューブ>
本発明の熱電変換層は、単層CNTを含有する。
単層CNTは、1枚の炭素膜(グラフェンシート)が円筒状に巻かれた構造を有しており、巻き方によってアームチェア型、カイラル型、又はジグザグ型に分類される。アームチェア型は金属性CNTであるが、カイラル型とジグザグ型の金属性/半導体性はカイラル指数(n,m)によって定義される。即ち、(n−m)が3の倍数でないものを半導体型CNTといい、半導体特性を示す。一方、(n−m)が3の倍数であるものを金属型CNTという。通常、単層CNTは、上記半導体型CNTと上記金属型CNTとの混合物として合成される。
本発明の熱電変換層が含有する単層CNTは、半導体型単層カーボンナノチューブを95%以上含有する。つまり、全単層CNT中の上記半導体型CNTの含有量が95%以上であることを意味する。なお、以後、全単層CNT中における半導体型CNTの含有割合を、半導体比率とも称する。
本明細書において、単層CNT中の半導体型CNTの含有割合(%)とは、(半導体型CNTの分子数/単層CNTの総分子数)×100をいう。
上記単層CNT中の半導体型CNTの含有割合(%)は、例えば、光吸収スペクトル法(例えば、Nairら,”Estimation of the(n,m)Concentration Distribution of Single-Walled Carbon Nanotubes from PhotoabsorptionSpectra”, Analytical Chemistry,2006,Vol.78,Issue.22, p7589-7596.)等の方法により測定される。
本発明の熱電変換層が含有する単層CNTは、なかでも、熱電変換層の熱電変換性能がより優れる点で、半導体比率が98%以上であることが好ましい。
半導体比率が95%以上の単層CNTを得る方法としては、密度勾配超遠心分離法及びゲル濾過カラムクロマトグラフィー等の手法により半導体型CNTと金属型CNTとが混合した単層CNT混合物を精製する方法(半金分離法)、製造過程において選択的に半導体型CNTを合成する方法、金属型CNTを半導体型CNTに変換する方法(半金変換法)、及び、金属性CNTの導電性を低減して絶縁体化する方法(金属無効化)等が挙げられる。
なお、単層CNTはアーク放電法、化学気相成長法(以下、CVD法という)、及びレーザーアブレーション法等によって製造できる。本発明の熱電変換層が含有する単層CNTは、いずれの方法によって得られたものであってもよいが、アーク放電法又はCVD法により得られることが好ましい。
また、単層CNTを製造する際には、同時にフラーレン、グラファイト、及び非晶性炭素が副生成物として生じることがある。これら副生成物を除去するために精製してもよい。単層CNTの精製方法は特に制限されないが、洗浄、遠心分離、ろ過、酸化、及びクロマトグラフ等の方法が挙げられる。その他に、硝酸、硫酸等による酸処理、及び、超音波処理も不純物の除去には有効である。併せて、フィルターを用いた分離除去により、半導体型CNTの純度を向上させることがより好ましい。
本発明の熱電変換層を製造するにあたって、単層CNTを製造して使用する場合、精製の後、得られた単層CNTをそのまま用いることもできる。また、単層CNTは一般に紐状で生成されるため、用途に応じて所望の長さにカットしてもよい。単層CNTは、硝酸、硫酸等による酸処理、超音波処理、及び凍結粉砕法等により短繊維状にカットすることができる。
本発明の熱電変換層を製造するにあたって、単層CNTを使用する場合、カットした単層CNTだけではなく、あらかじめ短繊維状に作製した単層CNTも同様に使用できる。
単層CNTの平均長さは特に制限されないが、製造容易性、成膜性、及び導電性等の観点から、0.01〜1000μmであることが好ましく、0.1〜100μmであることがより好ましい。
単層CNTの直径は、特に制限されないが、耐久性、成膜性、導電性、及び熱電性能等により優れる点で、0.5〜4.0nmが好ましく、0.6〜3.0nmがより好ましく、0.7〜2.0nmが更に好ましい。
(単層CNTの直径の算出)
本明細書で記載する単層CNTの直径は、下記の方法により評価したものである。すなわち、単層CNTの532nm励起光でのラマンスペクトルを測定し(励起波長532nm)、ラジアルブリージング(RBM)モードのシフトω(RBM)(cm−1)より、下記算出式を用いて算出する。なお、上記ωは、RBMモード中の最大ピークの値を採用する。算出式:直径(nm)=248/ω(RBM)
本発明で用いる単層CNTは、ラマンスペクトル(励起波長532nm)のG−バンドとD−バンドの強度比G/D(以下、G/D比という。)が40以上である。
G/D比とはCNTの欠陥量の指標であり、G/D比が高いほどCNTの欠陥が少なく、熱電変換層の熱電変換性能により優れる。半導体比率が高い単層CNTは、一般的に、密度勾配超遠心分離法及びゲル濾過カラムクロマトグラフィー等の手法による精製(半金分離)処理を経て作製されている場合が多い。この半金分離処理を経た単層CNTは欠陥が多く、G/D比が小さくなる傾向にあるため、G/D比を向上させる処理を実施することが好ましい。
G/D比を向上させる方法としては、単層CNTを真空下で焼成する方法が挙げられる。焼成温度は特に制限されないが、例えば、500〜1200℃であり、得られる単層CNTのG/D比がより高くなることから800〜1200℃が好ましく、900〜1100℃がより好ましい。また、焼成時間は特に制限されないが、例えば、10〜120分であり、10〜60分が好ましい。
なお、単層CNTのG/D比の上限は特に限定されないが、例えば、100〜200程度である。
本発明の熱電変換層において、上記特定単層CNTの含有量は特に制限されないが、熱電変換層中、熱電変換層の全質量に対して、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましく、30質量%が特に好ましく、40質量%以上が最も好ましい。上限は特に制限されないが、例えば、99.5質量%以下が好ましい。
なお、上記単層CNTには金属等が内包されていてもよく、フラーレン等の分子が内包されていてもよい(特にフラーレンを内包したものをピーポッドという)。
<ドーパント>
本発明の熱電変換層は、飽和カロメル電極に対する酸化還元電位(以下、単に「酸化還元電位」ともいう。)が0V以上である非オニウム塩構造の有機系ドーパント(特定ドーパント)を含有する。通常、単層CNTは、この特定ドーパントにより酸化されることでp型化される場合が多い。
なお、本明細書において、有機系ドーパントとは少なくとも一つの炭素原子を含有するドーパントを示す。また、非オニウム塩構造の有機系ドーパントとは、オニウム塩構造を有さない有機系ドーパントのことを意図し、より具体的には、例えば、アンモニウム塩構造、スルホニウム塩構造、ホスホニウム塩構造、ハロニウム塩構造、オキソニウム塩構造、及びカルボニウム塩構造をいずれも有さない有機系ドーパントが挙げられる。
なお、オニウム塩とは、ルイス塩基がその非結合電子対を用いて配位結合を作り、原子価を拡大して生成する塩を意図する。
特定ドーパントの酸化還元電位は、熱電変換層の熱電変換性能により優れる点で、0.1V以上が好ましい。また、その上限は制限されないが、1.5V以下が好ましく、1.0V以下がより好ましい。
特定ドーパントの酸化還元電位は、サイクリックボルタンメトリーにより、参照電極として飽和カロメル電極(飽和カロメル参照電極)を用いて測定される。
具体的には、測定温度は室温(25℃)であり、電解液としては0.1Mの電解質(電解質としては、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート、又は過塩素酸テトラブチルアンモニウムを使用する。)のジクロロメタン溶液又はアセトニトリル溶液を使用し、試料濃度は0.5mMとして測定される。また、測定条件としては、作用電極にグラッシーカーボン電極を使用し、対電極に白金電極を使用し、掃引速度は5mV/秒とする。
特定ドーパントとしては、酸化還元電位が0V以上であれば特に制限されないが、経時安定性に優れる点で、なかでも、キノイド構造を有することが好ましい。つまり、特定ドーパントとしては、キノイド構造を有する化合物であることが好ましい。特定ドーパントがキノイド構造を有する化合物である場合、特定ドーパントはキノイド構造により単層CNTに対する吸着性に優れるため、結果として、熱電変換層は経時安定性に優れると考えられる。なお、キノイド構造を有する化合物としては、o−キノイド構造及びp−キノイド構造のいずれであってもよい。
特定ドーパントとしては、熱電変換性能により優れる点で、なかでも、下記式(1)若しくは式(2)で表される化合物、又は、下記式(1)若しくは式(2)で表される構造を部分的に有する化合物が好ましい。
式(1)及び(2)中、X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、*=C(CN)2で表される基、*=C(C(=O)R12で表される基、*=C(CN)(C(=O)R1)で表される基、*=C(CN)(CO1)で表される基、*=C(CO212で表される基、*=C(SO212で表される基、又は*=C(CN)(SO21)で表される基を表す。なかでも、熱電変換素子の熱電変換特性がより優れる点で、酸素原子、又は、*=C(CN)2で表される基が好ましい。*は結合位置を示す。
1は、一価の置換基を表す。
一価の置換基としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族炭化水素基、アリール基、ポリアルキレンオキシ基(ポリ(アルキレンオキシ)基)、及び複素環基等が挙げられる。
1〜Y4は、それぞれ独立に、水素原子又は一価の置換基を示す。
上記一価の置換基としては、上記式(1)若しくは式(2)で表される化合物、及び、上記式(1)若しくは式(2)で表される構造を部分的に有する化合物の飽和カロメル電極に対する酸化還元電位が0V以上となるものであれば特に限定されないが、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ基、脂肪族炭化水素基、アレーンスルホニル基、アルカンスルホニル基、ヘテロアレーンスルホニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ポリアルキレンオキシ基、アリール基、又はヘテロアリール基であることが好ましい。
また、式(1)のY1とY2、Y3とY4、式(2)のY1とY2、YとY、又はYとYは連結して環を形成してもよい。
なお、上記特定ドーパントが、式(1)又は式(2)で表される構造を部分的に有する化合物である場合には、式(1)又は式(2)中のY1〜Y4のいずれかの位置で誘導された一価の有機基として、或いは、X及び/又はXがRを有する基の場合にはRのいずれかの位置で誘導された一価の有機基として、上記化合物に含まれることが好ましい。
式(1)又は式(2)で表される構造を部分的に有する化合物としては、具体的には、式(1)又は式(2)中のY1〜Y4のいずれかの位置で誘導された一価の有機基を含有する構造単位を有するオリゴマー又はポリマー、並びに、X及び/又はXがRを有する基の場合にはRのいずれかの位置で誘導された一価の有機基を含有する構造単位を有するオリゴマー又はポリマーが挙げられる。
特定ドーパントの分子量は、特に限定されないが、例えば、100以上が好ましく、150以上がより好ましく、1,000,000以下が好ましく、100,000以下がより好ましい。
なお、特定ドーパントが分子量分布を有する場合、その化合物の分子量とは重量平均分子量を意味する。本明細書において、特定ドーパントの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ法(GPC(Gel Permeation Chromatography))法にて測定され、標準ポリスチレンで換算して求められる。
以下に、酸化還元電位が0V以上の非オニウム塩構造の有機系ドーパントの具体例を示すが、これに限定されない。なお、下記に示す例示化合物中、「Me」はメチル基を、「Et」はエチル基を表す。
本発明の熱電変換層において、上記特定ドーパントの含有量は特に制限されないが、熱電変換層中、例えば、0.01〜35質量%であり、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。
また、本発明の熱電変換層において、上記特定単層CNT全質量に対する上記特定ドーパントの含有量は特に制限されないが、例えば、0.01〜50質量%であり、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましく、0.1〜4質量%であることが更に好ましい。
上記特定ドーパントは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の熱電変換層は、下記式(1)で表される指数Aが、3.5〜21であることが好ましい。
指数Aは、特定単層CNTの半導体比率(%)及びG/D比と、ドーパントの酸化電位(V)及び含有量(質量%)との関係を示した指数である。
今般、本発明者らは、熱電変換層が上記指数Aを満たした場合、その熱電変換性能がより一層優れることを確認している。
特定単層CNTは、その半導体比率(%)及びG/D比が高いほどドープしにくくなり、酸化力の高いドーパントを用いる必要が生じるが、一方で、熱電変換層中に含まれる上記ドーパントの含有量が多すぎると、ゼーベック係数が低下し、この結果として性能指数Zの低下が生じる場合がある。指数Aが上述の範囲を満たした場合には、ゼーベック係数の低下を抑制することができ、性能指数Zの低下を抑制できる。
式(1) 指数A=[{T1+(P×10)}×T2/1000]−(T3×0.01)
式(1)中、
T1:上記特定単層CNTの半導体比率(%)
T2:上記特定単層CNTのG/D比
T3:上記単層カーボンナノチューブに対するドーパントの含有量(質量%)
P:上記特定ドーパントの飽和カロメル電極に対する酸化還元電位(V)
指数Aは、なかでも、3.9〜21がより好ましく、3.9〜11が更に好ましい。
<任意成分>
本発明の熱電変換層は、上述した特定単層CNT及び特定ドーパント以外の他の成分(バインダー、界面活性剤、酸化防止剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、及び可塑剤等)を含有してもよい。各成分の定義、具体例及び好適な態様は、それぞれ、後述する熱電変換層形成用組成物に含有される各成分と同じである。
〔熱電変換層の製造方法〕
熱電変換層を製造する方法は特に制限されないが、例えば、以下に示す第1の好適な態様及び第2の好適な態様等が挙げられる。
<第1の好適な態様>
熱電変換層の製造方法の第1の好適な態様は、特定単層CNTと特定ドーパントとを含有する熱電変換層形成用組成物を用いる方法である。
まず、組成物について述べ、その後、製造方法について述べる。
(熱電変換層形成用組成物)
上述のとおり、熱電変換層形成用組成物は、特定単層CNTと特定ドーパントとを含有する。
まず、組成物中に含有される各成分について述べ、その後、組成物の調製方法について述べる。
(1)特定単層CNT
特定単層CNTの定義、具体例及び好適な態様については上述のとおりである。熱電変換層形成用組成物中の特定単層CNTの含有量は特に制限されないが、組成物全量に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。また、固形分中、5〜99.5質量%であることが好ましく、10〜90質量%であることがより好ましく、10〜80質量%であることが更に好ましい。なお、上記固形分とは、熱電変換層を形成する成分を意図し、溶媒は含まれない。
(2)特定ドーパント
特定ドーパントについては、定義、具体例及び好適な態様については上述のとおりである。熱電変換層形成用組成物中の特定ドーパントの含有量は特に制限されないが、組成物全量に対して、0.05〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。また、固形分中、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、5質量%以上が特に好ましく、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。なお、上記固形分とは、熱電変換層を形成する成分を意図し、溶媒は含まれない。
(3)分散媒
熱電変換層形成用組成物は、特定単層CNT及び特定ドーパントの他に分散媒を含有するのが好ましい。
分散媒(溶媒)は、特定単層CNTを分散できればよく、水、有機溶媒及びこれらの混合溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒、クロロホルム等の脂肪族ハロゲン系溶媒、DMF(ジメチルホルムアミド)、NMP(N−メチルピロリドン)、及びDMSO(ジメチルスルホキシド)等の非プロトン性の極性溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、テトラメチルベンゼン、及びピリジン等の芳香族系溶媒、シクロヘキサノン、アセトン、及びメチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、THF(テトラヒドロフラン)、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、及びジグライム等のエーテル系溶媒等が挙げられる。
分散媒は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、分散媒は、あらかじめ脱気しておくことが好ましい。分散媒中における溶存酸素濃度を、10ppm以下とすることが好ましい。脱気の方法としては、減圧下超音波を照射する方法、及び、アルゴン等の不活性ガスをバブリングする方法等が挙げられる。
更に、分散媒として水以外を使用する場合は、あらかじめ脱水しておくことが好ましい。分散媒中における水分量を、1000ppm以下とすることが好ましく、100ppm以下とすることがより好ましい。分散媒の脱水方法としては、モレキュラーシーブを用いる方法及び蒸留等の公知の方法を用いることができる。
熱電変換層形成用組成物中の分散媒の含有量は、組成物全量に対して、25〜99.85質量%であることが好ましい。
(4)その他の成分
上述した成分の他、バインダー、界面活性剤、酸化防止剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、及び可塑剤等が含まれていてもよい。
バインダーとしては、共役高分子及び非共役高分子が挙げられる。バインダーはCNT間の距離を調整することにより熱伝導率を低下させる効果を示す。
共役高分子としては、例えば、ポリチオフェン、ポリフルオレン、PEDOT−PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸)、ポリアニリン、及び、ポリピロール等が挙げられる。非共役高分子としては、例えば、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、エポキシ化合物、ポリシロキサン、及び、ゼラチン等が挙げられる。
なかでも、熱電変換層の熱電変換性能(特に、性能指数Z)により優れる点で、上記バインダーは、非共役高分子が好ましく、水素結合性官能基を有する樹脂(水素結合性樹脂)がより好ましい。
水素結合性官能基としては、水素結合性を有する官能基であればよく、例えば、OH基、NH基、NHR基(Rは、芳香族基又は脂肪族炭化水素基を表す)、COOH基、CONH基、NHOH基、SO3H基(スルホン酸基)、及び−OP(=O)OH2基(リン酸基)等のほか、−NHCO−基、−NH−基、−CONHCO−結合、−NH−NH−結合、−C(=O)−基(カルボニル基)、及び−ROR−基(エーテル基:Rは、それぞれ独立に、2価の芳香族炭化水素基又は2価の脂肪族炭化水素基を表す。ただし、2つのRは同一であっても異なっていてもよい。)等を有する基が挙げられる。
水素結合性樹脂としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、キサンタンガム、グァーガム、ヒドロキシエチルグァーガム、カルボキシメチルグァーガム、トラガントガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、プルラン、マンナン、グルコマンナン、デンプン、カードラン、カラギーナン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、デキストラン、ケラト硫酸、サクシノグルカン、カロニン酸、アルギン酸、アルギン酸プロピレングリコール、マクロゴール、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、ゼラチン、寒天、カードラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、澱粉、化工澱粉、及び、ベントナイト等が挙げられる。なお、カルボキシ基等の酸性基を有するものは、一部もしくはすべてがナトリウム塩、カリウム塩、及びアンモニウム塩等の塩になっていてもよい。
上述した共役高分子又は非共役高分子の重量平均分子量は特に制限されず、例えば1000以上であり、5000以上が好ましく、7000〜300,000がより好ましい。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ法(GPC(Gel Permeation Chromatography))法にて測定され、標準ポリスチレンで換算して求められる。
上記特定単層CNT全質量に対するバインダーの含有量は、熱伝導率の低下により一層優れ、かつ導電性を阻害しない点で、5〜100質量%であることが好ましく、20〜100質量%であることがより好ましい。
界面活性剤としては、公知の界面活性剤(カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びノニオン系界面活性剤等)が挙げられる。なかでも、アニオン性界面活性剤が好ましく、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、又はドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムがより好ましい。なお、界面活性剤は分散剤としての機能を有する。
界面活性剤の含有量は、組成物全量に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。
また、熱電変換層は、酸化防止剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、及び可塑剤等も含有してもよい。
酸化防止剤としては、イルガノックス1010(日本チバガイギー製)、スミライザーGA−80(住友化学工業(株)製)、スミライザーGS(住友化学工業(株)製)、及びスミライザーGM(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
耐光安定剤としては、TINUVIN 234(BASF製)、CHIMASSORB 81(BASF製)、及びサイアソーブUV−3853(サンケミカル製)等が挙げられる。
耐熱安定剤としては、IRGANOX 1726(BASF製)が挙げられる。
可塑剤としては、アデカサイザーRS(アデカ製)等が挙げられる。
(熱電変換層形成用組成物の調製方法)
熱電変換層形成用組成物は、上記の各成分を混合して調製できる。好ましくは、分散媒に特定単層CNT、特定ドーパント、所望により他の成分を混合して、特定単層CNTを分散させて調製する。
組成物の調製方法に特に制限はなく、通常の混合装置等を用いて常温常圧下で行うことができる。例えば、各成分を溶媒中で撹拌、振とう、混練して溶解又は分散させて、組成物を調製すればよい。溶解及び分散を促進するため超音波処理を行ってもよい。
また、上記分散工程において溶媒を室温以上沸点以下の温度まで加熱する、分散時間を延ばす、又は、撹拌、振とう、混練、超音波等の印加強度を上げる等によって、単層CNTの分散性を高めることができる。
使用される特定ドーパントの量は特に制限されないが、組成物中の特定単層CNTの含有量に対する特定ドーパントの含有量は、0.1〜200質量%であることが好ましく、5〜100質量%であることがより好ましい。
(製造方法)
熱電変換層形成用組成物を用いて熱電変換層を製造する方法は特に制限されないが、例えば、基材上に上記組成物を塗布し、成膜する方法等が挙げられる。
成膜方法は特に制限されず、例えば、スピンコート法、エクストルージョンダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、ステンシル印刷法、メタルマスク印刷法、ロールコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、及びインクジェット法等の公知の塗布方法を用いることができる。
また、塗布後は、必要に応じて乾燥工程を行う。例えば、熱風を吹き付けることにより溶媒を揮発、及び乾燥させることができる。
また、熱電変換層形成用組成物に分散剤(例えば、デオキシコール酸ナトリウム等の界面活性剤)が含まれている場合には、上述の乾燥により得られた塗膜を、CNTは溶解しないが、上記分散剤を溶解可能な水や有機溶剤に浸漬させることで、塗膜から分散剤を除去することが好ましい。なお、デオキシコール酸ナトリウム等の界面活性剤の場合には、有機溶剤としてメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、アセトン、2−ブタノン、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート、1−メトキシ−2−プロパノール、ジメチルスルホキシド、ブタノール、sec−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブタノール、グリセリン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、酢酸メチル、酢酸エチル、及びシクロヘキサノン等を使用することができる。浸漬時間は、特に限定されないが、例えば、5分〜24時間である。
<第2の好適な態様>
熱電変換層の製造方法の第2の好適な態様は、特定単層CNTを含有する熱電変換層前駆体形成用組成物を用いて熱電変換層前駆体を作製した後に、上述した特定ドーパントを用いてドープ化する方法である。
まず、組成物について述べ、その後、製造方法について述べる。
(熱電変換層前駆体形成用組成物)
上述のとおり、熱電変換層前駆体形成用組成物は、特定単層CNTを含有する。特定単層CNTの定義、具体例及び好適な態様については上述のとおりである。組成物中の特定単層CNTの含有量の好適な態様は上述した第1の好適な態様と同じである。
熱電変換層前駆体形成用組成物は、特定単層CNTの他に分散媒を含有するのが好ましい。分散媒の具体例及び好適な態様は上述した第1の好適な態様と同じである。
熱電変換層前駆体形成用組成物は、更に、その他の成分を含有してもよい。その他の成分の具体例及び好適な態様は上述した第1の好適な態様と同じである。
(製造方法)
熱電変換層前駆体形成用組成物を用いて熱電変換層前駆体を製造する方法は特に制限されず、その具体例及び好適な態様は、上述した第1の好適な態様の熱電変換層の製造方法と同じである。また、熱電変換層前駆体は、例えば、バッキーペーパー、又は、バインダーとして用いられる高分子化合物に単層CNTを分散させた分散液を用いてシート状に加工されたもの等であってもよい。
第2の好適な態様では、熱電変換層前駆体を作製した後に、上述した特定ドーパントを用いてドープ化する。このようにして、熱電変換層が得られる。
ドープ化は、特定ドーパントを用いた方法であれば特に制限されないが、例えば、熱電変換層前駆体を、上述した特定ドーパントを溶媒に溶解させた溶液に浸漬する方法等が挙げられる。溶媒の具体例は上述した分散媒と同じである。
第2の好適な態様において使用される特定ドーパントの量は特に制限されないが、熱電変換層前駆体中の特定単層CNTの含有量に対するドープ化に使用される特定ドーパントの含有量は、0.01〜20000質量%であることが好ましく、0.1〜2000質量%であることがより好ましい。
ドープ化の後に、必要に応じて乾燥工程を行ってもよい。例えば、熱風を吹き付けることにより溶媒を揮発、乾燥させることができる。
〔厚み〕
本発明の熱電変換層の平均厚みは、温度差を付与する観点等から、1〜500μmであることが好ましく、2〜300μmであることがより好ましく、3〜200μmであることが更に好ましく、5〜100μmであることが特に好ましい。
なお、熱電変換層の平均厚みは、任意の10点における熱電変換層の厚みを測定し、それらを算術平均して求める。
〔熱電変換素子、熱電変換モジュール〕
本発明の熱電変換素子は、上述した熱電変換層を備えていればよく、その構成は特に制限されないが、例えば、上述した熱電変換層と、熱電変換層と電気的に接続した電極対とを備える態様が挙げられる。本発明の熱電変換素子は、上述した熱電変換層をp型熱電変換層として備えていることが好ましい。
また、本発明の熱電変換モジュールは、上記熱電変換素子を複数個備えていれば、その構成は特に制限されない。
以下に、本発明の熱電変換層を備える熱電変換素子、及び上記熱電変換素子を複数個備えた熱電変換モジュールについて、その各好適態様を詳述する。
本発明の熱電変換素子は、熱電変換層が本発明の熱電変換層のみからなるものでもよいし、更に、例えば、本発明の熱電変換層をp型熱電変換層として機能させることにより、このp型熱電変換層と、電気的に接続されたn型熱電変換層とを備えるものでもよい。n型熱電変換層とp型熱電変換層とは両者が電気的に接続されていれば、直接両者が接していても、導体(例えば、電極)が間に配置されていてもよい。
<第1実施態様>
図1に、本発明の熱電変換素子の第1実施態様の断面図を示す。
図1に示す熱電変換素子110は、第1の基材12上に、第1の電極13及び第2の電極15を含む一対の電極と、第1の電極13及び第2の電極15間に、特定単層CNTと特定ドーパントとを含有する熱電変換層14を備えている。第2の電極15の他方の表面には第2の基材16が配設されており、第1の基材12及び第2の基材16の外側には互いに対向して金属板11及び17が配設されている。
<第2実施態様>
図2に、本発明の熱電変換素子の第2実施態様の断面図を示す。
図2に示す熱電変換素子120は、第1の基材22上に、第1の電極23及び第2の電極25が配置され、その上に特定単層CNTと特定ドーパントとを含有する熱電変換層24が設けられている。また、熱電変換層24の他方の表面には第2の基材26が設けられている。
<第3実施態様>
図3A〜図3Cに、本発明の熱電変換素子の第3実施態様を概念的に示す。なお、図3Aは上面図(図3Bを紙面上方から見た図)、図3Bは正面図(後述する基板等の面方向から見た図)、図3Cは底面図(図3Bを紙面下方から見た図)である。
図3A〜図3Cに示すように、熱電変換素子130は、基本的に、第1基板32と、特定単層CNTと特定ドーパントとを含有する熱電変換層34と、第2基板30と、第1の電極36及び第2の電極38とを有して構成される。
具体的には、第1基板32の表面には、熱電変換層34が形成される。また、第1基板32の表面には、熱電変換層34を第1基板32の基板面方向(以下、単に『面方向』とも言う。言い換えれば、第1基板32及び第2基板30を積層する方向とは直交する方向。)に挟むようにして、熱電変換層34に接触して第1の電極36及び第2の電極38(電極対)が形成される。
また、図3A〜図3Cにおいては図示しないが、第1基板32と熱電変換層34との間、又は、第2基板30と熱電変換層34との間において、粘着層が配置されていてもよい。
図3A〜図3Cに示すように、第1基板32は、低熱伝導部32a、及び、低熱伝導部32aよりも熱伝導率が高い高熱伝導部32bを有する。同様に、第2基板30も、低熱伝導部30a、及び、低熱伝導部30aよりも熱伝導率が高い高熱伝導部30bを有する。
熱電変換素子130において、両基板は、互いの高熱伝導部が、第1の電極36と第2の電極38との離間方向(すなわち通電方向)に異なる位置となるように配置される。
熱電変換素子130は、好ましい態様として、粘着層で貼着される第2基板30を有し、更に、第1基板32及び第2基板30が、共に、低熱伝導部及び高熱伝導部を有する。熱電変換素子130は、高熱伝導部及び低熱伝導部を有する基板を2枚用い、両基板の高熱伝導部を面方向に異なる位置として、この2枚の基板で熱電変換層を挟持してなる構成を有する。
すなわち、熱電変換素子130は、熱電変換層の面方向に温度差を生じさせて熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換素子(以下、in plane型の熱電変換素子とも言う)であって、図示例においては、低熱伝導部と低熱伝導部よりも熱伝導率が高い高熱伝導部とを有する基板を用いることにより、熱電変換層34の面方向に温度差を生じさせて、熱エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。
<第4実施態様>
図4に、熱電変換素子の第4実施態様を概念的に示す。なお、以下の態様では、上記熱電変換層をp型熱電変換層として用いた場合について詳述する。
図4に示す熱電変換素子140は、n型熱電変換層(n型熱電変換部)41とp型熱電変換層(p型熱電変換部)42とを有しており、両者は並列に配置されている。p型熱電変換層42は、特定単層CNTと特定ドーパントとを含有するp型熱電変換層である。n型熱電変換層41の構成については、後段で詳述する。
n型熱電変換層41の上端部は第1の電極45Aに、また、p型熱電変換層42の上端部は第3の電極45Bにそれぞれ電気的及び機械的に接続されている。第1の電極45A及び第3の電極45Bの外側には、上側基材46が配置されている。n型熱電変換層41及びp型熱電変換層42の下端部は、それぞれ下側基材43に支持された第2の電極44に電気的及び機械的に接続されている。このように、n型熱電変換層41及びp型熱電変換層42は第1の電極45A、第2の電極44、及び第3の電極45Bにより直列接続されている。つまり、n型熱電変換層41及びp型熱電変換層42は、第2の電極44を介して、電気的に接続されている。
熱電変換素子140は、上側基材46及び下側基材43間に温度差(図4中の矢印方向)を与え、例えば、上側基材46側を低温部、下側基材43側を高温部にする。このような温度差を与えた場合、n型熱電変換層41の内部においては負の電荷を持った電子47が低温部側(上側基材46側)に移動し、第2の電極44は第1の電極45Aより高電位となる。一方、p型熱電変換層42の内部では、正の電荷を持ったホール48が低温部側(上側基材46側)に移動し、第3の電極45Bは第2の電極44より高電位となる。その結果、第1の電極45Aと第3の電極45B間に電位差が生じ、例えば電極の終端に負荷を接続すると電力を取り出すことができる。この際、第1の電極45Aは負極、第3の電極45Bは正極となる。
<第5実施態様>
なお、熱電変換素子140は、例えば、図5に示すように、複数のn型熱電変換層41、41・・・と複数のp型熱電変換層42、42・・・とを交互に配置し、これらを第1及び第3の電極45と第2の電極44とで直列接続することによって、より高い電圧を得ることができる。
図5に示すように、本発明においては、複数の熱電変換素子を電気的に接続させ、いわゆるモジュール(熱電変換モジュール)を構成してもよい。
以下、熱電変換素子を構成する各部材について詳述する。
<基材>
熱電変換素子中の基材(第1実施態様の第1の基材12及び第2の基材16、第2実施態様の第1の基材22及び第2の基材26、第3実施態様の低熱伝導部32a、30a、第4実施態様の上側基材46及び下側基材43)は、ガラス、透明セラミックス、及びプラスチックフィルム等の基材を用いることができる。本発明の熱電変換素子において、基材はフレキシビリティーを有しているのが好ましく、具体的には、ASTM D2176に規定の測定法による耐屈曲回数MITが1万サイクル以上であるフレキシビリティーを有しているのが好ましい。このようなフレキシビリティーを有する基材は、プラスチックフィルムが好ましく、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、及び、ビスフェノールAとイソ及びテレフタル酸のポリエステルフィルム等のポリエステルフィルム;ゼオノアフィルム(商品名、日本ゼオン社製)、アートンフィルム(商品名、JSR社製)、及びスミライトFS1700(商品名、住友ベークライト社製)等のポリシクロオレフィンフィルム;カプトン(商品名、東レ・デュポン社製)、アピカル(商品名、カネカ社製)、ユーピレックス(商品名、宇部興産社製)、及びポミラン(商品名、荒川化学社製)等のポリイミドフィルム;ピュアエース(商品名、帝人化成社製)、及びエルメック(商品名、カネカ社製)等のポリカーボネートフィルム;スミライトFS1100(商品名、住友ベークライト社製)等のポリエーテルエーテルケトンフィルム;トレリナ(商品名、東レ社製)等のポリフェニルスルフィドフィルム;等が挙げられる。入手の容易性、耐熱性(好ましくは100℃以上)及び経済性の観点から、市販のポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、各種ポリイミド、又はポリカーボネートフィルム等が好ましい。
基材の厚さは、取り扱い性、耐久性等の観点から、好ましくは5〜3000μm、より好ましくは5〜500μm、更に好ましくは5〜100μm、特に好ましくは5〜50μmである。基材の厚みをこの範囲にすることで、熱電変換層に効率的に温度差を付与することができ、外部衝撃による熱電変換層の損傷も起こりにくい。
<電極>
熱電変換素子中の電極を形成する電極材料としては、ITO(Indium−Tin−Oxide)、及びZnO等の透明電極材料;銀、銅、金、及びアルミニウム等の金属電極材料;CNT、及びグラフェン等の炭素材料;PEDOT(poly(3,4−ethylenedioxythiophene))/PSS(polystyrene sulfonate)、及びPEDOT/Tos(Tosylate)等の有機材料;が挙げられる。なお、電極は、金、銀、銅、若しくはカーボン等の導電性微粒子を分散した導電性ペースト、はんだ、又は、金、銀、銅、若しくはアルミニウム等の金属ナノワイヤーを含有する導電性ペースト等を使用して形成することができる。
<n型熱電変換層>
第4実施態様の熱電変換素子及び第5実施態様の熱電変換モジュールが有するn型熱電変換層としては、公知のn型熱電変換層が使用される。n型熱電変換層に含まれる材料としては、公知の材料が適宜使用される。
なお、n型熱電変換層の形成方法(製造方法)は、上述した本発明の熱電変換層の製造方法と同様の方法により形成することができる。
〔熱電発電用物品〕
本発明の熱電変換素子は、各種の熱電発電用物品に適用することができる。熱電発電用物品としては、具体的には、温泉熱発電機、太陽熱発電機、及び廃熱発電機等の発電機、並びに、腕時計用電源、半導体駆動電源、及び小型センサー用電源等の電源が挙げられる。また、本発明の熱電変換素子を適用した熱電発電用物品は、ペルチェ素子として冷却又は温度制御等に用いることもできる。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により制限的に解釈されるべきものではない。
1.実施例1〜21、比較例1〜11の熱電変換層の作製
<実施例1>
半導体比率95%の単層CNT(ナノインテグリス社製)20mgを真空下1000℃で30分間焼成した。焼成した単層CNTとアセトン20mLの混合物を羽つきホモジナイザー(エスエムテー社製、HIGH―FLEX HOMOGENIZER HF93)で5分間分散した。得られた分散物を濾取した後、成膜することにより、バッキーペーパーを得た。ホットプレートを用いて120℃で1時間乾燥した後、バッキーペーパーを1cm角のサイズにカットした。
得られた1cm角の試料を10mMのテトラシアノキノジメタン(TCNQ、東京化成社製)の2−ブタノン溶液に室温で1時間浸漬した。2時間の浸漬の後、試料を引き上げ、真空下にて30℃で2時間乾燥した。乾燥後の膜をロールプレス機にて30kNでプレスし、熱電変換層を得た。これを測定用の試料とした。
<実施例2>
実施例1と同条件にて焼成した半導体比率95%の単層CNT(ナノインテグリス社製)200mg、デオキシコール酸ナトリウム(東京化成工業社製)600mg、及び水16mLの混合物をメカニカルホモジナイザー(エスエムテー社製、HIGH−FLEX HOMOGENIZER HF93)を用いて7分間混合することにより、予備混合物を得た。得られた予備混合物とTCNQ100mgとの混合物を、薄膜旋回型高速ミキサー「フィルミックス40−40型」(プライミクス社製)を用いて、10℃以下の恒温層中にて7分間分散処理した。得られた分散組成物を自転・公転ミキサー(シンキー社製、あわとり練太郎ARE−310)にて脱泡して、CNT分散液を調製した。
厚さ1.1mm、サイズ40mm×50mmのガラス基板にテフロン(登録商標)製の枠3枚(厚さ0.2mm)を貼り付け、その枠内に得られたCNT分散液を塗布した。次いで、塗布したCNT分散液を50℃にて30分間、さらに120℃にて30分間乾燥することにより印刷膜とした。得られた印刷膜をエタノールに1時間浸漬して分散剤を除去した後、印刷膜をガラス基板から剥離して自立膜とし、50℃にて30分間、さらに120℃にて150分乾燥した。得られた膜をロールプレス機(テスター産業社製)にて30kNでプレスし、熱電変換層を得た。熱電変換層を1cm角のサイズにカットし、測定用の試料とした。
<実施例3〜9、16〜18、20、21>
表1に記載の条件に従って、実施例2と同様の方法により、実施例3〜9、16〜18及び、20、21の測定用の試料を作製した。
<実施例10>
実施例1と同条件にて焼成した半導体比率98%の単層CNT(ナノインテグリス社製)200mg、デオキシコール酸ナトリウム(東京化成工業社製)600mg、カルボキシメチルセルロースナトリウム(表中、「CMC−Na」に相当。)100mg、及び水16mLの混合物をメカニカルホモジナイザー(エスエムテー社製、HIGH−FLEX HOMOGENIZER HF93)を用いて7分間混合することにより、予備混合物を得た。得られた予備混合物とTCNQ100mgとの混合物を、薄膜旋回型高速ミキサー「フィルミックス40−40型」(プライミクス社製)を用いて、10℃以下の恒温層中にて7分間分散処理した。得られた分散組成物を自転・公転ミキサー(シンキー社製、あわとり練太郎ARE−310)にて脱泡して、CNT分散液を調製した。
厚さ1.1mm、サイズ40mm×50mmのガラス基板にテフロン(登録商標)製の枠3枚(厚さ0.2mm)を貼り付け、その枠内に得られたCNT分散液を塗布した。次いで、塗布したCNT分散液を50℃にて30分間、さらに120℃にて30分間乾燥することにより印刷膜とした。得られた印刷膜をエタノールに1時間浸漬して分散剤を除去後、ガラス基板から剥離して自立膜とし、50℃にて30分間、さらに120℃にて150分乾燥した。得られた熱電変換層をロールプレス機(テスター産業社製)にて30kNでプレスし、熱電変換層を得た。熱電変換層を1cm角のサイズにカットし、測定用の試料とした。
<実施例11〜15、19>
表1に記載の条件に従って、実施例10と同様の方法により、実施例11〜15、19の測定用の試料を作製した。
<比較例1>
10mMのテトラシアノキノジメタンの2−ブタノン溶液を10mMの硝酸水溶液にかえたこと以外は実施例1と同様にして試料を作製した。
<比較例2>
10mMのテトラシアノキノジメタンの2−ブタノン溶液を10mMのトリメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドのメタノール溶液にかえたこと以外は実施例1と同様にして試料を作製した。
<比較例3〜11>
表1に記載の条件に従って、実施例2と同様の方法により、比較例3〜11の測定用の試料を作製した。
2.実施例1〜21、比較例1〜11の熱電変換層の熱電変換性能の評価1
各実施例及び各比較例の熱電変換層をそれぞれ10個ずつ作製し、以下に示す各評価に用いた。
<導電率(σ)、ゼーベック係数(S)>
熱電特性測定装置MODEL RZ2001i(オザワ科学社製)を用いて、約80℃及び105℃における熱電変換層の導電率及びゼーベック係数(絶対温度1K当りの熱起電力)を測定し、内挿により、100℃における導電率及びゼーベック係数を算出した。1実施例(比較例)につき10サンプル測定し、その平均値を用いた。
なお、導電率及びゼーベック係数の評価は、各々、下記に示す式により規格化した値に基づいて実施した。
(導電率(σ))
比較例3を基準比較例とし、下記式より各実施例及び各比較例の各規格化導電率を求めた。評価基準は下記の通りである。結果を表1に示す。
(規格化導電率)=(各実施例又は各比較例の熱電変換層の導電率)/(比較例3の熱電変換層の導電率)
≪評価基準≫
「A」:規格化導電率が7.0以上
「B」:規格化導電率が4.0以上、7.0未満
「C」:規格化導電率が1.5以上、4.0未満
「D」:規格化導電率が0.9以上、1.5未満
「E」:規格化導電率が0.9未満
(ゼーベック係数(S))
比較例3を基準比較例とし、下記式より各実施例及び各比較例の各規格化ゼーベック係数を求めた。評価基準は下記の通りである。結果を表1に示す。
(規格化ゼーベック係数)=(各実施例又は各比較例の熱電変換層のゼーベック係数)/(比較例3の熱電変換層のゼーベック係数)
≪評価基準≫
「A」:規格化ゼーベック係数が1.2以上
「B」:規格化ゼーベック係数が0.9以上、1.2未満
「C」:規格化ゼーベック係数が0.6以上、0.9未満
「D」:規格化ゼーベック係数が0.3以上、0.6未満
「E」:規格化ゼーベック係数が0.3未満
<パワーファクター比(PF比)の評価>
まず、以下の式により各実施例及び各比較例のパワーファクターを算出した。
(パワーファクター)=(導電率)×(ゼーベック係数)2
次に、算出された各実施例及び各比較例のパワーファクターの値を用いて、下記に示す式により規格化パワーファクター比を算出した。具体的には、下記式より各実施例及び各比較例のパワーファクター比を求めた。なお、実施例1〜3、16、比較例1〜3、比較例9〜11の基準比較例には比較例3を、実施例4〜15、17〜21、比較例8の基準比較例には比較例8を、比較例4、5の基準比較例には比較例4を、比較例6、7の基準比較例には比較例6を用い、同じ半導体比率のCNT間でのドーパントによるパワーファクター向上幅を評価した。結果を表1に示す。
(パワーファクター比)=(各実施例又は各比較例の熱電変換層のパワーファクター)/(基準比較例の熱電変換層のパワーファクター)
<熱伝導率κ、性能指数Z比の評価>
(性能指数Z比の評価)
以下の式により性能指数Zを算出した。
(性能指数Z)=[(導電率)×(ゼーベック係数)2]/熱伝導率
なお、性能指数Zの算出にあたり、以下の式により各実施例及び各比較例の熱電変換層の熱伝導率を算出した。なお、熱拡散率、比熱、密度についても、導電率及びゼーベック係数と同様に1実施例(比較例)につき10サンプル測定し、その平均値を用いた。
(熱伝導率[W/mK])=(比熱[J/kg・K])×(密度[kg/m3])×(熱拡散率[m2/s])
なお、上記式において、「比熱」はDSC法(示差走査熱量測定法)により測定し、「密度」は質量/体積より測定した。「熱拡散率」は、サーモウェーブアナライザーTA33(株式会社ベテル社製)を用いて測定した。
算出された各実施例及び各比較例の性能指数Zの値を用いて、下記に示す式により規格化性能指数Z比(以下、「Z比」ともいう。)を算出した。具体的には、下記式より各実施例及び各比較例のZ比を求めた。なお、実施例1〜3、16、比較例1〜3、比較例9〜11の基準比較例には比較例3を、実施例4〜15、17〜21、比較例8の基準比較例には比較例8を、比較例4、5の基準比較例には比較例4を、比較例6、7の基準比較例には比較例6を用い、同じ半導体比率のCNT間でのドーパントによるZの向上幅を評価した。結果を表1に示す。
(Z比)=(各実施例又は各比較例の熱電変換層の性能指数Z)/(基準比較例の熱電変換層の性能指数Z)
(熱伝導率κの評価)
熱伝導率κの評価は、下記に示す式により規格化した値に基づいて実施した。具体的には、比較例3を基準比較例とし、下記式より各実施例及び各比較例の各規格化熱伝導率(以下、「規格化熱伝導率」ともいう。)を求めた。評価基準は下記の通りである。結果を表1に示す。
(規格化熱伝導率)=(各実施例又は各比較例の熱電変換層の熱伝導率)/(比較例3の熱電変換層の熱伝導率)
≪評価基準≫
「A」:規格化熱伝導率が0.7未満
「B」:規格化熱伝導率が0.7以上、0.9未満
「C」:規格化熱伝導率が0.9以上、1.1未満
「D」:規格化熱伝導率が1.1以上
表1において、単層CNT欄、ドーパント欄、及びバインダー欄中の「含有量/質量%」とは、熱電変換層の全質量に対する各成分の含有量を意味する。
また、表1において、ドーパント欄及びバインダー欄中の「CNTに対する含有量/質量%」とは、それぞれ「単層CNTの含有量に対するドーパントの含有量」及び「単層CNTの含有量に対するバインダーの含有量」を意味する。
また、表1において、単層CNTの「半導体比率(%)」は、半導体型CNTの分子数/単層CNTの総分子数×100を意図し、上述した光吸収スペクトル法により測定したものである。
また、表1において、単層CNTの「G/D比」は、ラマンスペクトル(励起波長532nm)のG−バンドとD−バンドの強度比(G/D)を意味する。
また、表1において、ドーパントの「酸化還元電位(V)」は、ドーパントの飽和カロメル電極に対する酸化還元電位を意味する。なお、その測定方法については、上述したとおりである。
また、表1において、添加法欄中の「A」は、熱電変換層前駆体をドーパント溶液に浸漬することにより熱電変換層を形成したことを意味し、「B」は、熱電変換層形成用組成物を用いて熱電変換層を形成したことを意味する。
表1の結果から、本発明の熱電変換層は、パワーファクター、及び性能指数Zに顕著に優れていることが明らかである。
実施例1〜3、16、比較例1〜3、及び比較例9〜10の半導体含有量が95%のCNTを対比すると、実施例1〜3は、基準比較例である比較例3(単層CNTを酸素でドーピングした比較例)に対してパワーファクター、及び性能指数Zを大幅に向上させていることが確認できる。また、実施例4〜15、17〜21及び比較例8の半導体含有量が98%のCNTにおける対比からも同様のことが確認できる。なお、CNTに実施例1〜21に示されるような特定ドーパントを添加すると、予想外の効果として、導電率σを向上させつつ熱伝導率κを低減できることが分かった。これはCNTのバンドルの接点にドーパントが挿入され、CNTをドーピングしつつ、フォノン散乱を促進させているためと考えられる。
一方で、比較例4及び比較例5の対比、比較例6及び比較例7の対比から、単層CNTの半導体比率が95%未満である場合には、単層CNTのG/D比を40以上とし、且つ、酸化還元電位が0V以上の非オニウム塩構造の有機系ドーパントを用いたとしても、パワーファクター及び性能指数Zの改良幅が小さいことが確認できる。
また、実施例4と10、実施例5と11、実施例6と12、実施例7と13、実施例8と14、実施例9と15の対比により、熱電変換層がバインダーとして非共役高分子を含有する場合(好ましくは水素結合性樹脂を含有する場合)には、さらに熱伝導率を低く抑えることができ、結果として性能指数Zが大幅に向上することが確認できる。
また、実施例10〜15、実施例19の対比から、バインダーの含有量が、特定単層CNTの全質量に対して5〜100質量%の場合には、導電性σに優れる傾向がありこの結果、パワーファクター、及び性能指数Zをより向上できる。
また、実施例18と実施例21の対比から、指数Aが3.5以上である場合には、性能指数Zがより優れることが確認できる。なかでも、ドーパントの添加法が同じ実施例2〜21を比較すると、指数Aが3.9以上である場合には、性能指数Zがさらに一層優れることが確認できる。
3.実施例1〜21、比較例1〜3、4、6、8の熱電変換層の熱電変換性能の評価2
<性能指数Zによるばらつきの評価>
各実施例及び比較例の10個の熱電変換層について、上述した方法により各性能指数Zを算出し、下記評価基準により実施した。
ばらつき(性能指数Zの最大変化率)=(性能指数Zの最大値−性能指数Zの最小値)/(性能指数Zの最大値)
≪評価基準≫
「A」:ばらつきが0.05未満
「B」:ばらつきが0.05以上、0.1未満
「C」:ばらつきが0.1以上
<熱電変換性能の経時安定性評価>
各実施例及び比較例で作製した10個の熱電変換層について、作製直後と作製から1カ月後に測定を行い、性能指数Zを算出した。性能指数Zの平均値を用い、下記式により、性能指数Zの維持率を算出し、熱電変換層の経時安定性を評価した。
(Z維持率)=(作製から1カ月後の性能指数Zの平均値)/(作製直後の性能指数Zの平均値)
≪評価基準≫
「A」:Z維持率が0.85以上
「B」:Z維持率が0.7以上、0.85未満
「C」:Z維持率が0.7未満
結果を表2に示す。
表2の結果から、本発明の熱電変換層は、性能指数Zのばらつきが小さく、また、その経時安定性に優れていることが確認できる。
(実施例22)熱電変換モジュールの作製
バッキーペーパーを4mm×8mmのサイズにカットしたこと以外は実施例1と同様にして熱電変換層を16個作製した。
次いで、上記熱電変換層を用いて図6に示す熱電変換モジュールを作製した。
まず、幅1.6cm×長さ14cmの基板120(ポリイミド基板)に、スクリーン印刷により、銀ペーストを印刷し、銀ペーストの印刷物を120℃で1時間乾燥させて、電極130を16対と配線132を同時に形成した。なお、電極1つ当たりのサイズは、幅4mm×長さ2.5mmで、電極間距離は5mmである。また、後述する16個の熱電変換層150が直列に接続されるように、1対の電極130間が幅1mmの配線により接続される。
次に、幅4mm×長さ8mmのサイズにカットした熱電変換層を、両面テープを用いて電極間に張り付けた。電極と熱電変換層の接触部に銀ペーストを塗布し、120℃で1時間乾燥することにより電極と熱電変換層を接着させ電気的に接続した。このようにして得られた熱電変換モジュール200を実施例22の熱電変換モジュールとして用いた。
(比較例12)
熱電変換層を4mm×8mmサイズにカットした比較例1の熱電変換層を用いたこと以外は実施例22と同様にして熱電変換モジュールを作製した。
(比較例13)
熱電変換層を4mm×8mmサイズにカットした比較例2の熱電変換層を用いたこと以外は実施例22と同様にして熱電変換モジュールを作製した。
(熱電変換モジュールの評価)
図7は、実施例における熱電変換モジュールの評価方法を説明するための図である。図7に示すように、熱電変換モジュール200の発電層側をアラミドフィルム310により保護した。そして、熱電変換モジュール200の下部をホットプレート330上に設置した銅プレート320で挟みこんで固定することにより、熱電変換モジュール200の下部を効率的に加熱できるようにした。
次いで、熱電変換モジュール200の両端における取り出し電極(図示せず)にソースメーター(ケースレーインスツルメンツ社製)の端子(図示せず)を取り付け、ホットプレート330の温度を100℃で一定に保って、熱電変換モジュール200に温度差を付与した。
電流−電圧特性を測定し、短絡電流及び開放電圧を測定した。測定結果から、「(出力)=[(電流)×(電圧)/4]」によって出力を算出した。その結果、出力は実施例22>比較例12>比較例13となり、実施例22の熱電変換層の性能を支持する結果が得られた。
110、120、130、140 熱電変換素子
11、17 金属板
12、22 第1の基材
13、23 第1の電極
14、24 熱電変換層
15、25 第2の電極
16、26 第2の基材
30 第2基板
32 第1基板
32a,30a 低熱伝導部
32b,30b 高熱伝導部
34 熱電変換層
36 第1の電極
38 第2の電極
41 n型熱電変換層
42 p型熱電変換層
43 下側基材
44 第2の電極
45 第1及び第3の電極
45A 第1の電極
45B 第3の電極
46 上側基材
47 電子
48 ホール
120 基板
130 電極
132 配線
150 熱電変換層
200 熱電変換モジュール
310 アラミドフィルム
320 銅プレート
330 ホットプレート

Claims (13)

  1. 単層カーボンナノチューブと、ドーパントと、を含有する熱電変換層であって、
    前記単層カーボンナノチューブは、半導体型単層カーボンナノチューブを95%以上含有し、且つ、G/D比が40以上であり、
    前記ドーパントは、非オニウム塩構造の有機系ドーパントであって飽和カロメル電極に対する酸化還元電位が0V以上である、熱電変換層。
  2. 前記ドーパントが、キノイド構造を有する化合物である、請求項1に記載の熱電変換層。
  3. 前記ドーパントが下記式(1)若しくは式(2)で表される化合物、又は、下記式(1)若しくは式(2)で表される構造を部分的に有する化合物である請求項1又は2に記載の熱電変換層。

    式(1)及び(2)中、X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、*=C(CN)2で表される基、*=C(C(=O)R12で表される基、*=C(CN)(C(=O)R1)で表される基、*=C(CN)(CO1)で表される基、*=C(CO212で表される基、*=C(SO212で表される基、又は*=C(CN)(SO21)で表される基を表す。R1は、一価の置換基を表す。*は結合位置を示す。
    1〜Y4は、それぞれ独立に、水素原子又は一価の置換基を示す。
  4. 前記単層カーボンナノチューブの含有量が、熱電変換層の全質量に対して、20質量%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱電変換層。
  5. 前記ドーパントの含有量が、前記単層カーボンナノチューブ全質量に対して、0.01〜10質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱電変換層。
  6. 更に、バインダーを含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱電変換層。
  7. 前記バインダーの少なくとも一種が非共役高分子である、請求項6に記載の熱電変換層。
  8. 前記バインダーの含有量が、前記単層カーボンナノチューブ全質量に対して、5〜100質量%である、請求項6又は7に記載の熱電変換層。
  9. 前記バインダーの含有量が、前記単層カーボンナノチューブ全質量に対して、20〜100質量%である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の熱電変換層。
  10. 下記式(1)で表される指数Aが、3.5〜21である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱電変換層。
    式(1)指数A=[{T1+(P×10)}×T2/1000]−(T3×0.01)
    式(1)中、
    T1:前記単層カーボンナノチューブ中における前記半導体型単層カーボンナノチューブの含有割合(%)
    T2:前記単層カーボンナノチューブのG/D比
    T3:前記単層カーボンナノチューブに対する前記ドーパントの含有量(質量%)
    P:前記ドーパントの飽和カロメル電極に対する酸化還元電位(V)
  11. 単層カーボンナノチューブと、ドーパントと、を含有する熱電変換層形成用組成物であって、
    前記単層カーボンナノチューブは、半導体型単層カーボンナノチューブを95%以上含有し、且つ、G/D比が40以上であり、
    前記ドーパントは、非オニウム塩構造の有機系ドーパントであって飽和カロメル電極に対する酸化還元電位が0V以上である、熱電変換層形成用組成物。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱電変換層を備える、熱電変換素子。
  13. 請求項12に記載の熱電変換素子を複数個備えた、熱電変換モジュール。
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