JP2016219182A - 仮封止栓及び仮封止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電装置の製造方法のエージング工程において、注液孔を仮封止する仮封止栓のシール性を高め、かつ注液孔への電解液の付着を防止する。【解決手段】仮封止方法は、伸縮性材料で形成されて一端側が閉じた筒状体16を、注液孔13を貫通する状態に配置し、筒状体16内に、内側から機械的な圧力を受けた状態において外側へ拡径する状態に変形可能、かつ拡径された状態で縮径側への圧力を受けると元の径に変形可能に金属線材17aで形成された伸縮材17を挿入する。そして、伸縮材17の内側にバルーン部材18を挿入した状態でバルーン部材18を拡張させて、伸縮材17を介して、筒状体16を注液孔13の内周面、注液孔13の上端開口縁部13a及び注液孔13の下端開口縁部13bに押圧させる。【選択図】図3

Description

本発明は、仮封止栓及び仮封止方法に係り、詳しくは蓄電装置の電解液の注液孔の仮封止に好適な仮封止栓及び仮封止方法に関する。
EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug in Hybrid Vehicle)などの車両には、原動機となる電動機への供給電力を蓄える蓄電装置としてリチウムイオン電池などの二次電池が搭載されている。この種の二次電池の製造時には、ケースに電極組立体などの電池要素を収容し、そのケースの開口部を蓋体で閉塞している。また、二次電池のケースには、閉塞後のケース内に電解液を注入するための注液孔(注液口)が設けられており、注液孔は電解液の注入後に封止栓などによって封止されている。
例えば、リチウムイオン二次電池の場合、二次電池の組立後に、二次電池を充放電させて二次電池を活性化させるエージング処理を行う。この処理において二次電池内にはガスが発生する。このため、エージング処理時において当該処理で発生したガスをケース内から排出させた後、ケースを密閉する必要がある。そのため、エージング処理を行う際に、注液孔を仮封止し、エージング処理終了後に仮封止を解除してガスを排出し、その後に、注液孔を本封止する。
従来、液口(注液孔)に対する取り付け取り外しが道具を必要とすることなしに行うことができるバッテリー液口栓が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1の液口栓は、図7(a)〜(c)に示すように、バッテリーの上蓋51の液口(注液孔)52内に差し込み可能な中空筒体61の上端開口縁部外周に液口52の外側開口縁部52aに係止可能なフランジ部62が備えられた外筒60と、外筒60の中空筒体61内に摺動自在に差し込まれた開閉操作体70とを備えている。開閉操作体70の下方側には、開閉操作体70を中空筒体61内に押し込むことにより、図7(b)に示すように、係合片63の内向き突出部65に当接して係合片63を外向きに押し広げて係合突部64を液口52の内側開口縁部52bに係合させた状態に維持させる凸部71が備えられている。係合片63は、4個設けられている。また、図7(b)の状態からさらに開閉操作体70を中空筒体61内に押し込むことにより、図7(c)に示すように、係合片63の内向き突出部65に対する凸部71の当接状態が解除されて液口52の内側開口縁部52bに対する係合突部64の係合維持状態が解除される凹部72が凸部71の上部に備えられている。
そして、図7(b)に示すように、係合突部64が内側開口縁部52bと係合する状態で、シールリング55が中空筒体61の内面と開閉操作体70の外周面との間のシール性を確保し、シールリング56が上蓋51の外側開口縁部52aとフランジ部62の下面との間のシール性を確保する。
特開2008−226538号公報
特許文献1の液口栓は、4個の係合片63が内側開口縁部52bと係合することにより、フランジ部62の下面でシールリング56を上蓋51の外側開口縁部52aに押圧して、上蓋51の外側開口縁部52aとフランジ部62の下面との間のシール性を確保する構成のため、液口52の内面と外筒60の外周面との間に隙間がある。そのため、液口(注液孔)52の内面に電解液が付着することを防止することはできない。エージング処理終了後に注液孔を封止する場合、金属製のケース(蓋)に対し金属製の封止部材を、注液孔を塞ぐ状態で溶接する場合がある。その場合、注液孔に不純物が付着していると溶接不良が生じる。また、注液孔をブラインドリベット、又はネジ式の封止栓で封止する場合にも、注液孔に電解液が付着している状態で封止栓を取り付けると、電解液が封止栓の周面と注液孔の内面との間に存在する状態となり、封止性能に悪影響を与える。
また、特許文献1の液口栓は、シールリング55で中空筒体61の内面と開閉操作体70の外周面との間のシール性を確保し、シールリング56が上蓋51の外側開口縁部52aとフランジ部62の下面との間のシール性を確保する構成のため、各シール部の面積が小さく、シール機能が低い。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、蓄電装置の製造方法のエージング工程において、注液孔を仮封止する仮封止栓のシール性を高めることができ、かつ注液孔への電解液の付着を防止することができる仮封止栓及び仮封止方法を提供することにある。
上記課題を解決する仮封止栓は、伸縮性材料で形成されて一端側が閉じた筒状体と、自由状態で前記筒状体の内部に収容可能な筒状に形成され、内側から機械的な圧力を受けた状態において前記筒状体を外側へ拡径させる状態に変形可能、かつ拡径された状態で縮径側への圧力を受けると元の径に変形可能に金属線材で形成された伸縮材とを備えている。
この構成によれば、仮封止栓は、例えば、蓄電装置のケースの蓋体に形成された注液孔を貫通する状態で、伸縮材の内部に挿入されたバルーン部材が拡張されると、伸縮材がバルーン部材の拡張に伴って変形され、伸縮材を介して筒状体は、注液孔の内面と対応する部分、注液孔の上端開口縁部と対応する部分及び下端開口縁部と対応する部分に押圧される。そのため、仮封止栓は、注液孔を仮封止する際に、従来技術と異なり、注液孔の内面と対応する部分、注液孔の上端開口縁部と対応する部分及び下端開口縁部と対応する部分をシールする。したがって、蓄電装置の製造方法のエージング工程において、注液孔を仮封止する仮封止栓のシール性を高めることができ、かつ注液孔への電解液の付着を防止することができる。また、伸縮材は、自由状態で筒状体の内部に収容可能な筒状に形成され、内側から機械的な圧力を受けた状態において前記筒状体を外側へ拡径させる状態に変形可能、かつ拡径された状態で縮径側への圧力を受けると元の径に変形可能に金属線材で形成されているため、仮封止を解除する際、注液孔からの仮封止栓の取り外しを容易にできる。
上記課題を解決する仮封止方法は、伸縮性材料で形成されて一端側が閉じた筒状体を、注液孔を貫通する状態に配置し、前記筒状体内に、内側から機械的な圧力を受けた状態において外側へ拡径する状態に変形可能、かつ拡径された状態で縮径側への圧力を受けると元の径に変形可能に金属線材で形成された伸縮材を挿入し、前記伸縮材の内側にバルーン部材を挿入した状態で前記バルーン部材を拡張させて、前記伸縮材を介して、前記筒状体を前記注液孔の内周面、前記注液孔の上端開口縁部及び前記注液孔の下端開口縁部に押圧させる。
この構成によれば、伸縮性材料で形成され、一端側が閉じた筒状体を、注液孔を貫通する状態に配置し、筒状体内に、金属線材で形成された伸縮材を挿入した状態で、伸縮材の内側に挿入したバルーン部材を拡張させる。バルーン部材の拡張により、伸縮材を介して、筒状体が注液孔の内周面、注液孔の上端開口縁部及び下端開口縁部に押圧される。したがって、蓄電装置の製造方法のエージング工程において、注液孔を仮封止する仮封止栓のシール性を高めることができ、かつ注液孔への電解液の付着を防止することができる。
前記バルーン部材は、前記伸縮材を介して、前記筒状体を前記注液孔の内周面、前記注液孔の上端開口縁部及び前記注液孔の下端開口縁部に押圧させた後、拡張が解除されて前記伸縮材から取り外されるようにしてもよい。この構成の場合、バルーン部材を残す必要がないため、バルーン部材に、加圧源との接続が解除された状態においても、拡張が維持された状態に保持する構成を設ける必要がなく、バルーン部材の構成が簡単になる。
前記バルーン部材は、前記伸縮材を介して、前記筒状体を前記注液孔の内周面、前記注液孔の上端開口縁部及び前記注液孔の下端開口縁部に押圧させた後、拡張が維持された状態で加圧源との接続が解除され、前記伸縮材を押圧した状態に保持されるようにしてもよい。この構成の場合、伸縮材は、バルーン部材の作用により、筒状体を注液孔の内周面、注液孔の上端開口縁部及び注液孔の下端開口縁部に押圧させた状態に保持される。そのため、仮封止の際に、バルーン部材の拡張が解除された状態において、伸縮材をその両端側が拡径された状態に保持する構成が不要になり、構成が簡単になる。
本発明によれば、蓄電装置の製造方法のエージング工程において、注液孔を仮封止する仮封止栓のシール性を高めることができ、かつ注液孔への電解液の付着を防止することができる。
第1の実施形態の仮封止栓で注液孔を仮封止した状態を示す拡大模式断面図。 (a)は仮封止栓の拡大模式断面図、(b)は伸縮材の概略斜視図。 (a)〜(c)は仮封止手順を示す拡大模式断面図。 第2の実施形態の仮封止栓の拡大模式断面図。 (a)〜(c)は仮封止手順を示す拡大模式断面図。 (a),(b)は別の実施形態の模式図。 (a)〜(c)は従来技術の液口栓の作用を説明する断面図。
(第1の実施形態)
以下、本発明を二次電池用の仮封止栓に具体化した第1の実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。なお、本実施形態における二次電池は、非水電解質二次電池であり、例えば、リチウムイオン二次電池である。
二次電池の製造方法においては、電極組立体をケースに収容した後、注液孔から電解液を注入する注液工程と、注液後に注液孔を仮封止栓で仮封止した状態で、エージングを行うエージング工程と、エージング後に仮封止栓を外してエージング工程で発生したガスをケース外へ放出させた後、注液孔を本封止する封止工程とを含む。
図1に示すように、二次電池のケース本体11の蓋12には注液孔13が形成され、ケース本体11内に電極組立体(図示せず)が収容され、電解液14が注入された後、注液孔13に仮封止栓15が固定されて、注液孔13は仮封止栓15によって閉塞されている。ケース本体11及び蓋12はアルミニウム系金属製である。アルミニウム系金属とは、アルミニウム又はアルミニウム合金を意味する。
図2(a)に示すように、注液孔13に固定される前の仮封止栓15は、伸縮性材料で形成されて一端側が閉じた筒状体16と、自由状態で筒状体16の内部に収容可能な筒状に形成された伸縮材17と、伸縮材17の内部に挿入されたバルーン部材18を備えている。伸縮性材料としては、例えばシリコーンゴムが使用される。また、バルーン部材18も、例えば、シリコーンゴムで形成される。バルーン部材18は、伸縮材17より長く、一端側が封止され、他端側に図示しない加圧源から加圧ガスを供給するパイプ20(図3(a)、図3(b)に図示)が接続可能な接続部18aを有する。接続部18aは膨張せず、かつパイプ20が接続されている状態で、封止可能に形成されている。例えば、封止は接続部18aをパイプ20が接続されている箇所よりバルーン部材18の本体側で溶着させることにより行われる。注液孔13の直径は、例えば、1mm以下で、伸縮材17の長さは、例えば、3〜6mm程度である。
伸縮材17は、内側から機械的な圧力を受けた状態において筒状体16を外側へ拡径させる状態に変形可能、かつ拡径された状態で縮径側への圧力を受けると元の径に変形可能に金属線材17aで形成されている。詳述すると、図2(b)に示すように、伸縮材17は、医療分野で血管などの拡径に使用されるステントと呼ばれる網目状の金属製の筒と同じに形成され、例えば、金属線材17aが波状に屈曲されて形成された部材を複数、伸縮材17の長手方向に配置された状態で波状部の一部で係合する状態に形成されている。そして、伸縮材17の内部に挿入されているバルーン部材18を膨張させることにより、バルーン部材18の膨張に対応して拡径されるようになっている。
次に前記のように構成された仮封止栓15による注液孔13の仮封止方法を図3(a)〜(c)にしたがって説明する。
図3(a)に示すように、先ず、変形前の仮封止栓15を、蓋12の注液孔13を貫通する状態に配置し、バルーン部材18の接続部18aに、図示しない加圧源から加圧ガスを供給するパイプ20の端部を接続する。次に加圧源からバルーン部材18に加圧ガスを供給する。
バルーン部材18に加圧ガスが供給されると、バルーン部材18が膨張(拡張)する。バルーン部材18は、先ず全体の径が一様に膨らみ、伸縮材17及び筒状体16も拡径される。筒状体16の外周面が注液孔13の内周面に押圧された状態になった後は、バルーン部材18は、注液孔13の外側に位置する部分が更に膨張し、図3(b)に示すように、伸縮材17及び筒状体16は注液孔13の外側に位置する部分が拡径するように変形する。伸縮材17の先端側の拡径に伴い、筒状体16の先端側、すなわちケース本体11内に位置する部分は、バルーン部材18の膨張に伴う伸縮材17の変形に対応して膨張するように変形する。
そして、予め設定された状態までバルーン部材18が膨張した時点で加圧ガスの供給が停止される。この状態では、図3(c)に示すように、膨張したシリコーンゴム製の筒状体16の外面が、注液孔13の内周面、注液孔13の上端開口縁部13a及び注液孔13の下端開口縁部13bに押圧された状態になる。その状態で接続部18aを、締め付け具21で封止した後、パイプ20を接続部18aから外すと仮封止が完了する。なお、図3(c)では、筒状体16、伸縮材17及びバルーン部材18の状態を分かり易く示すため、筒状体16、伸縮材17及びバルーン部材18が離れた状態に図示している。
仮封止栓15による仮封止が完了した二次電池は、エージング工程でエージングされ、エージング処理完了後、仮封止栓15が注液孔13から取り外されて、注液孔13がアルミニウム系合金製の封止部材の溶接で封止される。
仮封止栓15の取り外しは、バルーン部材18から締め付け具21を取り外してバルーン部材18の内部を大気と連通させることにより行われる。バルーン部材18の内部が大気と連通されると、バルーン部材18が伸縮材17及び筒状体16を拡張していた力がなくなり、筒状体16及び伸縮材17は拡径された状態から元の状態に変形するため、仮封止栓15は注液孔13から容易に取り外すことができる。
注液孔13が仮封止栓15により仮封止された二次電池がエージング工程へ搬送される際や、エージング処理中あるいはエージング処理後、注液孔13をアルミニウム系合金製の封止部材の溶接により封止する工程へ搬送される際に、電解液14が注液孔13と仮封止栓15の間に付着することはない。したがって、注液孔13をアルミニウム系合金製の封止部材の溶接で封止する際に、溶接が良好に行われる。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)仮封止栓15は、伸縮性材料で形成されて一端側が閉じた筒状体16と、自由状態で筒状体16の内部に収容可能な筒状に形成され、内側から機械的な圧力を受けた状態において筒状体16を外側へ拡径させる状態に変形可能、かつ拡径された状態で縮径側への圧力を受けると元の径に変形可能に金属線材17aで形成された伸縮材17とを備えている。そのため、仮封止栓15は、注液孔13を仮封止する際に、注液孔13に挿入された状態でバルーン部材18により拡張されて変形することにより、注液孔13の内面と対応する部分、注液孔13の上端開口縁部13aと対応する部分及び注液孔13の下端開口縁部13bと対応する部分をシリコーンゴム製の筒状体16の外面でシールする。したがって、蓄電装置の製造方法のエージング工程において、注液孔13を仮封止する仮封止栓15のシール性を高めることができ、かつ注液孔13への電解液14の付着を防止することができる。
(2)仮封止方法は、伸縮性材料で形成されて一端側が閉じた筒状体16を、注液孔13を貫通する状態に配置し、筒状体16内に、内側から機械的な圧力を受けた状態において外側へ拡径する状態に変形可能、かつ拡径された状態で縮径側への圧力を受けると元の径に変形可能に金属線材17aで形成された伸縮材17を挿入する。そして、伸縮材17の内側にバルーン部材18を挿入した状態でバルーン部材18を拡張させて、伸縮材17を介して、筒状体16が注液孔13の内周面、注液孔13の上端開口縁部13a及び注液孔13の下端開口縁部13bに押圧させる。したがって、蓄電装置の製造方法のエージング工程において、注液孔13を仮封止する仮封止栓15のシール性を高めることができ、かつ注液孔13への電解液14の付着を防止することができる。
(3)バルーン部材18は、伸縮材17を介して、筒状体16を注液孔13の内周面、注液孔13の上端開口縁部13a及び注液孔13の下端開口縁部13bに押圧させた後、拡張が維持された状態で加圧源との接続が解除され、伸縮材17を押圧した状態に保持される。そのため、伸縮材17は、バルーン部材18の作用により、筒状体16を注液孔13の内周面、注液孔13の上端開口縁部13a及び注液孔13の注液孔13の下端開口縁部13bに押圧する状態に保持される。したがって、仮封止の際に、バルーン部材18の拡張が解除された状態において、伸縮材17をその両端側が拡径された状態に保持する構成が不要になり、構成が簡単になる。
(4)金属線材17aで形成された伸縮材17が筒状体16の内側に存在するため、エージング処理の際に、内圧が高まった状態において、筒状体16単独の構成に比べて、筒状体16が注液孔13から外側に押し出されることがない。そのため、仮封止であっても、シール性(水分などのケース内への混入を阻止する性能)を満足し、仮封止状態においてケース内に水分が混入することがない。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を図4及び図5にしたがって説明する。この第2の実施形態においては、バルーン部材18の構造が第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態と同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
バルーン部材18は、加圧ガスが供給された状態で全体が膨張可能な構造ではなく、図4に示すように、伸縮材17内に挿入されて加圧ガスが供給された状態で膨張する変形可能部18bと、変形可能部18bに連続形成され、変形可能部18bが膨張した状態における外径と同様の外径に形成された非変形部18cとで構成されている。非変形部18cに接続部18aが形成されている。なお、バルーン部材18は、図4に示すように、非変形部18cが伸縮材17及び筒状体16の基端側を拡径する状態に、伸縮材17及び筒状体16に挿入されずに、伸縮材17及び筒状体16から取り外された状態であってもよい。
仮封止栓15により注液孔13を仮封止する場合は、先ず、図5(a)に示すように、非変形部18cが筒状体16及び伸縮材17の基端側を変形させた状態で、変形可能部18bを伸縮材17に挿入した状態で、変形可能部18bを注液孔13に挿入する。次に図示しない加圧源から加圧ガスを供給するパイプ20の端部を接続部18a接続する。
その状態で加圧源からバルーン部材18に加圧ガスが供給されると、バルーン部材18の変形可能部18bが膨張(拡張)する。そして、先ず変形可能部18bの全体の径が一様に膨らみ、変形可能部18bと接触している伸縮材17と共に筒状体16も拡径される。図5(b)に示すように、筒状体16の外周面が注液孔13の内周面に押圧された状態になった後は、バルーン部材18は、注液孔13よりケース本体11内に位置する部分が更に膨張し、伸縮材17は注液孔13よりケース本体11内に位置する部分が拡径するように変形する。また、筒状体16の先端側、すなわちケース本体11内に位置する部分は、バルーン部材18の膨張に伴う伸縮材17の変形に対応して膨張するように変形する。
そして、予め設定された状態まで筒状体16が膨張した時点で加圧ガスの供給が停止される。この状態では、図5(c)に示すように、筒状体16の外面のうち、注液孔13の上端開口縁部13aと対応する部分は、バルーン部材18の非変形部18cにより上端開口縁部13aに押圧された状態になる。また、筒状体16の外面のうち、注液孔13の内周面及び下端開口縁部13bに対応する部分は、バルーン部材18の変形可能部18bにより注液孔13の内周面及び下端開口縁部13bに押圧された状態になる。その状態で接続部18aを締め付け具21で封止した後、パイプ20を接続部18aから外すと仮封止が完了する。
第1の実施形態の仮封止栓15のようにバルーン部材18全体が膨張収縮可能な構成の場合は、仮封止栓15による仮封止を解除して、仮封止栓15を注液孔13から取り外した後、再使用する場合、加圧ガスを接続部18aからバルーン部材18に供給すると、バルーン部材18は注液孔13より上側の部分が先に膨らんでしまう。そのため、再使用する場合のシール性が悪くなる虞がある。しかし、この実施形態の仮封止栓15では、注液孔13より上側に非変形部18cが配置されるため、仮封止栓15を再使用する場合に、バルーン部材18の注液孔13より上側に位置する部分が最初に膨らんでしまうことはなく、再使用しても良好なシール性を維持することができる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 伸縮材17は、図2(b)に図示された構成に限らず、自由状態で筒状体16の内部に収容可能な筒状に形成され、内側から機械的な圧力を受けた状態において筒状体16を外側へ拡径させる状態に変形可能、かつ拡径された状態で縮径側への圧力を受けると元の径に変形可能に金属線材で形成されていればよい。例えば、図6(a)に示すように、金属線材17aを使用して筒状の編み物を形成するようにして伸縮材17を形成してもよい。この場合、一本の金属線材17aで伸縮材17を形成することができる。
○ 伸縮材17は、図6(b)に示すように、波状に屈曲された複数のリング状の金属線材17aが、伸縮材17の長手方向に配置された状態で波状部の一部で接合されている構成でもよい。
○ 仮封止栓15は、注液孔13を仮封止した状態において、バルーン部材18が取り外された状態でも仮封止の状態を維持可能に構成されてもよい。例えば、拡径状態に変形された伸縮材17をその状態から、元の状態に変形させるために必要な力の大きさが、筒状体16を膨張状態に維持する力の大きさより大きくなるように、伸縮材17あるいは筒状体16が形成されていれば、バルーン部材18が取り外された状態でも仮封止の状態を維持することができる。この場合、仮封止栓15の仮封止を解除する場合は、ケース本体11の外側に位置する伸縮材17の拡径された部分を縮径させた後、その部分を把持して注液孔13から引き出す方向に移動させれば、伸縮材17は注液孔13より内側で拡径された部分も縮径されつつ移動される。
○ バルーン部材18を個々の仮封止栓15に設けるのではなく、加圧源から加圧ガスを供給するパイプ20の端部にバルーン部材18を設けてもよい。この場合のバルーン部材18は、第2の実施形態のバルーン部材18のように、非変形部18cの先端側に変形可能部18bが存在する構成が好ましい。この場合、バルーン部材18の数を少なくすることができる。
○ 筒状体16と伸縮材17は別体に限らず、筒状体16と伸縮材17とが固着された構成であってもよい。
○ 第2の実施形態におけるバルーン部材18の非変形部18cは、その外径が、変形可能部18bが膨張した状態における外径と同様の外径に限らず、伸縮材17の基端側を介して筒状体16の外面を蓋12の注液孔13の上端開口縁部13aに押圧可能な外径であればよい。
○ 仮封止栓15にバルーン部材18を残して、注液孔13を仮封止する場合、バルーン部材18の接続部18aを締め付け具21で封止するのではなく、接続部18aを加熱溶着して封止してもよい。
○ エージング工程終了後に、仮封止栓15を取り外して注液孔13の本封止を行う場合、本封止を封止部材の溶接で封止するのではなく、例えば、ブラインドリベットで封止してもよい。その場合も、注液孔13に電解液14が付着していないため、ブラインドリベットで封止する前に、注液孔13を洗浄する工程が不要になる。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)請求項1に記載の仮封止栓は、前記伸縮材を貫通可能なバルーン部材をさらに備えている。
(2)請求項2〜請求項4及び前記技術的思想(1)のいずれかに記載のバルーン部材は、前記伸縮材内に挿入されて加圧ガスが供給された状態で膨張可能な変形可能部と、前記変形可能部に連続形成され、自由状態における変形可能部より大径の非変形部とを備えている。
13…注液孔、13a…上端開口縁部、13b…下端開口縁部、15…仮封止栓、16…筒状体、17…伸縮材、17a…金属線材、18…バルーン部材。

Claims (4)

  1. 伸縮性材料で形成されて一端側が閉じた筒状体と、
    自由状態で前記筒状体の内部に収容可能な筒状に形成され、内側から機械的な圧力を受けた状態において前記筒状体を外側へ拡径させる状態に変形可能、かつ拡径された状態で縮径側への圧力を受けると元の径に変形可能に金属線材で形成された伸縮材と
    を備えていることを特徴とする仮封止栓。
  2. 伸縮性材料で形成されて一端側が閉じた筒状体を、注液孔を貫通する状態に配置し、前記筒状体内に、内側から機械的な圧力を受けた状態において外側へ拡径する状態に変形可能、かつ拡径された状態で縮径側への圧力を受けると元の径に変形可能に金属線材で形成された伸縮材を挿入し、前記伸縮材の内側にバルーン部材を挿入した状態で前記バルーン部材を拡張させて、前記伸縮材を介して、前記筒状体を前記注液孔の内周面、前記注液孔の上端開口縁部及び前記注液孔の下端開口縁部に押圧させる仮封止方法。
  3. 前記バルーン部材は、前記伸縮材を介して、前記筒状体を前記注液孔の内周面、前記注液孔の上端開口縁部及び前記注液孔の下端開口縁部に押圧させた後、拡張が解除されて前記伸縮材から取り外される請求項2に記載の仮封止方法。
  4. 前記バルーン部材は、前記伸縮材を介して、前記筒状体を前記注液孔の内周面、前記注液孔の上端開口縁部及び前記注液孔の下端開口縁部に押圧させた後、拡張が維持された状態で加圧源との接続が解除され、前記伸縮材を押圧した状態に保持される請求項2に記載の仮封止方法。
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