JP4330027B1 - 同軸ケーブル用コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】同軸ケーブル用コネクタを、同軸ケーブルの内部導体と導通接続する中心コンタクトと、外部被覆層に加熱処理を施すことにより内径を拡張した後、該外部被覆層と外部導体との間に挿入され、外部導体と導通接続するコネクタ本体と、コネクタ本体に螺合されることにより、コネクタ本体を同軸ケーブルに圧接する締付具と、外部被覆層と締付具との間に介在する環状のシール部材と、を備える構成とする。そして、外部被覆層の加熱処理が施されていない部位において該外部被覆層と締付具を密着するように、前記シール部材を配設する。
【選択図】図1
Description
例えば、同軸ケーブルの内部導体と外部導体の間に乾燥空気や窒素等のガスを封入される空気絶縁型の同軸ケーブル用のコネクタにおいては、コネクタ(コネクタ本体或いは締付具)と同軸ケーブルとの間に樹脂製のOリング等のシール部材を介在させることにより、コネクタ内部の気密性を確保するようにしている。
図6に示すように、同軸ケーブル用コネクタ20は、中心コンタクト200と、コネクタ本体210と、締付具220と、を備えている。
コネクタ本体210は、同軸ケーブルに挿入されるクランプブッシュ211と、クランプブッシュ211の外周面に係合されクランプブッシュ211を圧接することにより同軸ケーブルを保持する第1シェル212と、第1シェル212にボルト233で締着される第2シェル213と、を備えている。
上述したように、従来の同軸ケーブル用コネクタ20においては、同軸ケーブル(外部被覆層)とコネクタ(締付具220)との隙間は1つのシール部材(Oリング232)により密閉されている。
そして、Oリング232は、この加熱処理が施された部位(真円形状が崩れた部位)に配設されているため、外部絶縁層との間で高い密着性を確保することは困難となる。
前記内部導体と導通接続する中心コンタクトと、
前記外部被覆層に加熱処理を施すことにより内径を拡張した後、該外部被覆層と前記外部導体との間に挿入され、前記外部導体と導通接続するコネクタ本体と、
前記コネクタ本体に螺合されることにより、前記コネクタ本体を前記同軸ケーブルに圧接する締付具と、
前記外部被覆層と前記締付具との間に介在する環状のシール部材と、を備え、
前記シール部材は、前記外部被覆層の前記加熱処理が施されていない部位において該外部被覆層と前記締付具を密着するように配設されることを特徴とする。
前記コネクタ本体は、前記中空部にガスを導入可能なガス導入部を有することを特徴とする。
(第1実施形態)
図1は本発明に係る同軸ケーブル用コネクタの一例を示す半断面図で、図2は図1に示す同軸ケーブル用コネクタが装着される同軸ケーブルの一例を示す断面図である。
絶縁体層52は、絶縁性が良好な中空のポリエチレンパイプ521と、内部導体51に螺旋状に巻回されポリエチレンパイプ521を内周側から支持するポリエチレン紐522とで構成され、ポリエチレンパイプ521の外径は約20mmで、肉厚は約2mmである。ポリエチレンパイプ521と内部導体51とで形成される中空部523には、乾燥空気や窒素等のガスが封入される。
外部導体53は銅又はアルミニウムのテープをポリエチレンパイプ521の外周に沿って縦巻きにしたもので、その外径は約22mmある。
剛性線材55は、例えば、鉄線、鋼線、銅線などの金属材料、あるいは繊維強化樹脂(FRP:Fiber Reinforced Plastics)などの非金属材料で構成される。剛性線材55は、同軸ケーブル50のねじり剛性を高めてねじれが発生するのを抑制する剛体として機能し、同軸ケーブルの信頼性を向上する。FRPとしては、例えば、強化繊維としてガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維などを適宜用い、マトリックスとしてエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などを適宜用いたものが使用される。
図1には、同軸ケーブル50を装着した状態について示している。なお、図1においては、同軸ケーブル50の内部導体51はパイプ型の場合は中空部を含むものとして、絶縁体53は中空部523を含むものとして記載している。
図1に示すように、同軸ケーブル用コネクタ10は、同軸ケーブル50の内部導体51と導通接続する中心コンタクト100と、外部導体53と導通接続するコネクタ本体110と、コネクタ本体110に螺合されることによりコネクタ本体110を同軸ケーブル50に圧接する締付具120と、を備えて構成される。
内部導体51の内周面に雌ねじを形成し、これに第1中心コンタクト101の雄ねじ101aを螺合させると、第1中心コンタクト101は内部導体51と密着し、導通接続される。
クランプブッシュ111は、同軸ケーブル50の外部導体53の外径とほぼ同程度の内径を有する略円筒状の部材であり、外周面が先細に縮径するテーパ部111aを有している。このテーパ部111aが同軸ケーブル50の外部導体53と外部被覆層54との間に挿入される。
ガス導入口112dを挟んで一端側(図1では右側)の外周面には、Oリング133を配設するための溝112aと、第1締付具121と螺合するための雄ねじ112bが形成されている。雄ねじ112bが形成されている部位に対応する内周面において、クランプブッシュ111と当接することとなる。
また、ガス導入口112dを挟んで他端側(図1では左側)の内周面には、中心コンタクト100を第1シェル112と所定長だけ離間して保持する絶縁体131を保持するための保持部112cが形成されている。また、第1シェル112の他端側の端面には、ボルト140と螺合する雌ねじ112eが形成されている。
第1締付具121は、一端側(図では左側)の内周面に第1シェル112と螺合するための雌ねじ121aが形成されている。また、他端側(図では右側)の内周面には、スクイーズパッキン136と座金137を保持するための保持部121bを有している。この保持部121bに対応する外周面には、第2締付具122と螺合するための雄ねじ121cが形成されている。
ここで、第1締付具121は外径を一定に保ちつつ厚さ(内径)を変化させることで、長さが長くなることによる第1締付具121の重量の増加を抑えている。
また、第1締付具121の長さが長くなると、特に同軸ケーブル50に若干の曲げ癖、うねり等が残留しているときには同軸ケーブル50への装着の作業性が悪くなるが、厚さを薄くする区間、すなわち内径を大きくする区間を形成することにより、その作業性の悪化を抑制することができる。
図3、図4は、同軸ケーブル用コネクタ10の取付工程の一例を示す外観図である。
図3に示すように、先端の外部被覆層54が除去された同軸ケーブル50には、予め、第2締付具122、座金137、Oリング136、第1締付具121、クランプリング130(図3では省略)が順に挿通される。
また、第1締付具121を第1シェル112に螺合させると、クランプリング130が段部121dに押されて、外部被覆層54に沿ってケーブル先端方向に移動される。そして、外部被覆層54がクランプリング130により圧縮変形され、クランプリング130とクランプブッシュ111により狭持されることとなる。
そして、第1中心コンタクト101の先端部が同軸ケーブル50の内部導体(銅パイプ)51に螺合され、導通接続される。このとき、絶縁体131は、第1シェル112に設けられた保持部112cに嵌着される。なお、第1シェル112の端面内周部にはOリング138が配設されている。
すなわち、本実施形態に係る同軸ケーブル用コネクタ10は、内部導体51と導通接続する中心コンタクト100と、外部被覆層54に加熱処理を施すことにより内径を拡張した後、外部被覆層54と外部導体53との間に挿入され、外部導体53と導通接続するコネクタ本体110と、コネクタ本体110に螺合されることにより、コネクタ本体110を同軸ケーブル50に圧接する締付具120と、外部被覆層54と締付具120との間に介在する環状のシール部材(Oリング)136と、を備えている。
そして、Oリング136は、外部被覆層54の加熱処理が施されていない部位において外部被覆層54と第1締付具121を密着するように配設されている。
また、シール部材136をOリング等のスクイーズパッキンで構成し、第2締付具122による締付力によりOリング136を外部被覆層54に圧接するので、Oリング136を外部被覆層54に強固に密着させることができる。したがって、ケーブルに曲げや捻り等の軸ずれを生じさせうる外力が生じた際にも、軸ずれを防止して良好な密着性を維持する利点がある。
図5は、本発明に係る同軸ケーブル用コネクタの他の一例を示す半断面図である。図5において、第1実施形態に係る同軸ケーブル用コネクタ10と同じ部材、部位については同じ符号を付している。
第2実施形態の同軸ケーブル用コネクタ11では、第1実施形態の同軸ケーブル用コネクタ10におけるOパッキン136の代わりに、リップパッキン(Uパッキン)134を使用している点が異なる。なお、第1実施形態と同様の説明については省略する。
図5に示すように、同軸ケーブル用コネクタ11は、同軸ケーブル50の内部導体51と導通接続する中心コンタクト100と、外部導体53と導通接続するコネクタ本体110と、コネクタ本体110に螺合されることによりコネクタ本体110を同軸ケーブル50に圧接する締付具150と、を備えて構成される。
締付具150は、一端側(図では左側)の内周面に第1シェル112と螺合するための雌ねじ150aが形成されている。また、他端側(図では右側)の内周面には、リップパッキン134を係合するための係合溝150bを有している。
また、締付具150の内周面略中央には、外部被覆層54と当接するクランプリング130の後端を係止する段部150cが形成されている。
先端の外部被覆層54が除去された同軸ケーブル50には、予め、係合溝150bにUパッキン134が配設された締付具150が挿通される。そして、同軸ケーブル50の先端にはクランプブッシュ111が取り付けられる。
また、締付具150を第1シェル112に螺合させると、クランプリング130が段部150cに押されて、外部被覆層54に沿ってケーブル先端方向に移動される。そして、外部被覆層54がクランプリング130により圧縮変形され、クランプリング130とクランプブッシュ111により狭持されることとなる。
中心コンタクト100及び第2シェル123の取付は、第1実施形態と同様である。
すなわち、本実施形態に係る同軸ケーブル用コネクタ11は、内部導体51と導通接続する中心コンタクト100と、外部被覆層54に加熱処理を施すことにより内径を拡張した後、外部被覆層54と外部導体53との間に挿入され、外部導体53と導通接続するコネクタ本体110と、コネクタ本体110に螺合されることにより、コネクタ本体110を同軸ケーブル50に圧接する締付具150と、外部被覆層54と締付具150との間に介在する環状のシール部材(Uパッキン)134と、を備えている。
そして、Uパッキン134は、外部被覆層54の加熱処理が施されていない部位において外部被覆層54と締付具150を密着するように配設されている。
第1実施形態において、スクイーズパッキン136の種類はOリングに限定されず、例えば、Xリング、Dリング、Tリング等を採用できる。
また、第2実施形態において、リップパッキン134の種類はUパッキンに限定されず、例えば、VパッキンやLパッキン等を採用でき、また、リップ形状は対称/非対称を問わない。
100 中心コンタクト
101 第1中心コンタクト
102 第2中心コンタクト
110 コネクタ本体
111 クランプブッシュ
112 第1シェル
113 第2シェル
120 締付具
121 第1締付具
122 第2締付具
130 クランプリング
131 第1絶縁体
132 第2絶縁体
133 Oリング
136 スクイーズパッキン(Oリング)
137 座金
138 Oリング
139 Oリング
140 ボルト
141 銅管継手
Claims (4)
- 内部導体と、前記内部導体の外周に形成された絶縁体層と、前記絶縁体層の外周に形成された外部導体と、前記外部導体の外周に形成された外部被覆層と、が同軸構造をなし、前記外部被覆層に抗張力体としての剛性線材が埋設されている同軸ケーブルの先端に装着される同軸ケーブル用コネクタであって、
前記内部導体と導通接続する中心コンタクトと、
前記外部被覆層に加熱処理を施すことにより内径を拡張した後、該外部被覆層と前記外部導体との間に挿入され、前記外部導体と導通接続するコネクタ本体と、
前記コネクタ本体に螺合されることにより、前記コネクタ本体を前記同軸ケーブルに圧接する締付具と、
前記外部被覆層と前記締付具との間に介在する環状のシール部材と、を備え、
前記シール部材は、前記外部被覆層の前記加熱処理が施されていない部位において該外部被覆層と前記締付具を密着するように配設されることを特徴とする同軸ケーブル用コネクタ。 - 前記シール部材は、前記同軸ケーブルの先端側に向けてリップ状の断面形状を有するリップパッキンで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の同軸ケーブル用コネクタ。
- 前記シール部材は、前記外部被覆層と前記締付具の間で圧縮されることによりコネクタ内部を密封するスクイーズパッキンで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の同軸ケーブル用コネクタ。
- 前記絶縁体層は、ガスを封入可能な中空部を有し、
前記コネクタ本体は、前記中空部にガスを導入可能なガス導入部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の同軸ケーブル用コネクタ。
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