JP2016217939A - 航跡表示装置 - Google Patents

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和樹 樋口
Kazuki Higuchi
和樹 樋口
修一 佐野
Shuichi Sano
修一 佐野
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Abstract

【課題】水底の地形に関する情報をずれなく使用者に把握させることができる航跡表示装置を提供する。【解決手段】単位時間毎に、船舶の位置情報を取得し、また、水底の深度dを算出する。その水底の深度dに応じた表示色が、その深度dが算出された単位時間における航跡42aの表示色として設定される。また、深度dが算出された水底における超音波ビームの探知範囲を示すビーム半径rを推定し、そのビーム半径rに比例する表示幅が、その水底の深度dが算出された単位時間における航跡42aの表示幅として設定される。各単位時間において設定された表示色と表示幅とで、各々の単位時間における航跡42aを順次描画する。【選択図】図7

Description

本発明は、船舶に取り付けられて自船の航跡を表示する航跡表示装置に関するものである。
従来、海,湖,川等の地図を表示装置に表示し、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)から単位時間毎に自船の位置(緯度及び経度)を取得して、自船が通過した経路の軌跡である航跡を、表示装置に表示された地図上に表示するプロッタ装置が知られている。
プロッタ装置の中には、表示装置に表示させる地図上に等深線があわせて表示されるものがある。このようなプロッタ装置を使用すれば、使用者は、地図に表示された等深線に基づいて水底の地形を把握し、自船の航跡を見ながら魚群の存在する可能性のある地形のところまで自船を導くことができる。
しかしながら、地図が用意された全ての海等に対して深度を予め測定し、等深線を地図に含めるには多大なコストがかかるため現実的ではなく、実際には等深線が含まれる地図は一部の海等に対してとなる。また、土砂が堆積したり、浸食されたりして、水底の地形は変わりやすく、地図に含まれる等深線が、現状の地形を正しく反映しているとは言い難い。
そこで、近年、表示装置に表示させる航跡を、各々の位置で測定した水底の深度に対応した表示色で表示するDGM(Depth Gradation Mode)機能を有するプロッタ装置がある(例えば、特許文献1参照)。図8は、DGM機能を有する従来のプロッタ装置で表示される航跡43を模式的に示した模式図である。
該プロッタ装置は、船舶の船底等に配置される振動子から細いビーム状の超音波を水底に向けて送信(照射)し、そのビーム状の超音波の反射波を振動子が受信することによって得られた受信信号に基づいて水底の深度を単位時間毎に測定する。そして、図8に示す通り、該プロッタ装置は、単位時間毎に測定した水底の深度と、あわせて単位時間毎にGPSより取得した自船の位置とに基づいて、自船の現在の位置を表す自船マーク41と共に、自船の航跡43を、各々の位置で測定した深度に対応する表示色(藍、紫、青…等)で、表示装置に表示された地図上に表示する。
DGM機能を有する従来のプロッタ装置の使用者は、この航跡で示される表示色から、自船が通過した航跡上における現状の水底の地形をおおよそ把握でき、それに基づいて魚群の存在する可能性のあるポイントを検討することが可能となる。
ここで、DGM機能を有する従来のプロッタ装置は、自船の航跡43で表示される表示色の視認性を高めるために、その航跡43が所定の太さa(図8参照)をもって表示される。このプロッタ装置の中には、その太さaを使用者によって任意の値に設定できるものもあるが、いずれにせよ表示される航跡43の太さは、どの位置においても一定の太さaに固定される。
特許第3047028号公報
一方、水底の深度を測定するために振動子より送信される超音波は、指向角θ(図2参照)を有しているため、水底が深い位置にあるほど、超音波によるその水底の探知範囲(超音波のビーム半径r)が広くなる。
しかしながら、DGM機能を有する従来のプロッタ装置では、航跡43を一定の太さaで表示し、その一定の太さaの中で、各位置における水底の深度を表す表示色を表示するため、利用者は、水底の深度の測定が行われた探知範囲(ビーム半径r)を視覚的に把握できないという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、水底の深度の測定が行われた探知範囲を使用者に対して視覚的に把握させやすくできる航跡表示装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の航跡表示装置は、船舶に搭載され、自船の航跡を表示手段に表示するものであって、単位時間毎に自船の位置情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された位置情報に基づき、前回の自船の位置から今回の自船の位置までの航跡に関わる情報を前記単位時間毎に順次記憶する航跡記憶手段と、その航跡記憶手段に情報が記憶された所定区間にわたって、前記単位時間毎の航跡を、各々の航跡に対して設定された表示色と表示幅とによって表示手段に表示させる表示制御手段と、超音波を水中に送信し、その反射波を受信可能な振動子と、前記単位時間毎に、前記振動子を駆動して超音波を送信し、その超音波の反射波を前記振動子が受信することによって得られる受信信号に基づいて、自船の位置周辺の水底の深度を算出する深度算出手段と、その深度算出手段により算出された前記水底の深度に応じた表示色を、その水底の深度が算出された単位時間における航跡の表示色として設定する表示色設定手段と、前記深度算出手段により深度が算出された前記水底における前記超音波の探知範囲を推定する探知範囲推定手段と、その探知範囲推定手段により推定された前記超音波の探知範囲に基づいて、その探知範囲の広狭を示す表示幅を、その探知範囲の推定された水底の深度が算出された単位時間における航跡の表示幅として設定する表示幅設定手段とを備える。
請求項2記載の航跡表示装置は、請求項1記載の航跡表示装置において、前記振動子から送信される超音波の指向角に関する情報を記憶する指向角記憶手段を備え、前記探知範囲推定手段は、前記指向角記憶手段により記憶された情報に基づく前記超音波の指向角と、前記深度算出手段により算出された深度とに基づいて、その深度が算出された前記水底における前記超音波の探知範囲を推定するものである。
請求項3記載の航跡表示装置は、請求項1又は2記載の航跡表示装置において、前記表示幅設定手段は、前記表示幅の設定対象となる単位時間における航跡に対し、自船の進行方向に対して左右方向に前記表示幅だけ離れた2点を設定する二点設定手段を備え、前記表示制御手段は、一の単位時間における航跡を表示する場合に、その単位時間における航跡に対して前記二点設定手段により設定された2点と、一つ前の単位時間における航跡に対して前記二点設定手段により設定された2点とに囲まれた四角形の領域を、前記一の単位時間における航跡として前記表示手段に表示させるものである。
請求項4記載の航跡表示装置は、請求項3記載の航跡表示装置において、前記表示制御手段は、一の単位時間における航跡を表示する場合に、その単位時間における航跡に対して前記二点設定手段により設定された2点の表示色を、その単位時間における航跡に対して前記表示色設定手段により設定された表示色とし、一つ前の単位時間における航跡に対して前記二点設定手段により設定された2点の表示色を、その一つ前の単位時間における航跡に対して前記表示色設定手段により設定された表示色とした上で、前記一の単位時間における航跡であるこれら4点で囲まれた四角形内部の各位置の表示色を、その4点にそれぞれ設定された表示色から補間することによって導出し、この導出された表示色で前記一の単位時間における航跡を表示する。
請求項1記載の航跡表示装置によれば、単位時間毎に自船の位置情報が取得手段により取得され、前回の自船の位置から今回の自船の位置までの航跡に関わる情報が、単位時間毎に航跡記憶手段に順次記憶される。そして、その航跡記憶手段に情報が記憶された所定区間にわたって、単位時間毎の航跡が、各々の航跡に対して設定された表示色と表示幅とによって、表示制御手段により表示手段に表示される。ここで、単位時間毎に振動子を駆動して超音波を水中に送信し、その超音波の反射波を振動子が受信することによって得られる受信信号に基づいて、自船の位置周辺の水底の深度が深度算出手段により算出される。そして、その水底の深度に応じた表示色が、該深度が算出された単位時間における航跡の表示色として、表示色設定手段により設定される。また、深度算出手段により深度が算出された水底における超音波の探知範囲が、探知範囲推定手段により推定される。そして、その超音波の探知範囲に基づいて、探知範囲の広狭を示す表示幅が、対応する水底の深度の算出された単位時間における航跡の表示幅として、表示幅設定手段により設定される。これにより、単位時間毎の航跡は、それぞれ水底の深度が算出されたときの超音波の探知範囲の広狭に応じて表示幅が変わり、その表示幅の中で水底の深度に応じた表示色が表示される。よって、水底の深度の測定が行われた探知範囲を使用者に対して視覚的に把握させやすくできるという効果がある。
請求項2記載の航跡表示装置によれば、請求項1記載の航跡表示装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振動子から送信される超音波の指向角に関する情報が指向角記憶手段に記憶される。そして、その記憶された情報に基づく超音波の指向角と、深度算出手段により算出された深度とに基づいて、その深度が算出された水底における超音波の探知範囲が、探知範囲推定手段により推定される。超音波の探知範囲は、振動子の指向角によって大きく変わってくるが、航跡表示装置に設けられた振動子の特性(指向角)にあわせて超音波の探知範囲が推定されるので、その探知範囲をより正確に推定できる。よって、単位時間毎の航跡の表示幅が、より正確に推定された探知範囲に基づいて決定されるので、表示色で示される深度が算出された探知範囲をより正確に使用者に示すことができるという効果がある。
請求項3記載の航跡表示装置によれば、請求項1又は2記載の航跡表示装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示幅の設定対象となる単位時間における航跡に対し、自船の進行方向に対して左右方向に表示幅だけ離れた2点が二点設定手段により設定される。そして、表示制御手段によって、一の単位時間における航跡を表示する場合に、その単位時間における航跡に対して設定された2点と、一つ前の単位時間における航跡に対して設定された2点とに囲まれた四角形の領域が、一の単位時間における航跡として表示手段に表示される。これにより、所定区間にわたる単位時間毎の航跡は、その外縁が、各々の航跡に対して設定された2点を結ぶ形で表示される。よって、各航跡を、その航跡に設定された表示幅で固定した長方形で表示する場合と比して、隣接する単位時間における航跡に設定された表示幅が異なっても、所定区間にわたって表示される単位時間毎の航跡の外縁を滑らかに表示でき、使用者に航跡を見やすくすることができるという効果がある。
請求項4記載の航跡表示装置によれば、請求項3記載の航跡表示装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示制御手段によって、一の単位時間における航跡を表示する場合に、その単位時間における航跡に対して二点設定手段により設定された2点の表示色が、その単位時間における航跡に対して表示色設定手段により設定された表示色とされ、一つ前の単位時間における航跡に対して二点設定手段により設定された2点の表示色が、その一つ前の単位時間における航跡に対して表示色設定手段により設定された表示色とされる。その上で、一の単位時間における航跡であるこれら4点で囲まれた四角形内部の各位置の表示色が、表示制御手段によって、その4点にそれぞれ設定された表示色から補間することによって導出され、この導出された表示色で一の単位時間における航跡が表示される。仮に、各単位時間における航跡を、それぞれ、その航跡に設定された表示色一色で表示した場合、その航跡の変わり目で表示色が変化するため、その航跡の変わり目で水底の深度が変化したように使用者に思わせてしまうおそれがある。これに対し、請求項4記載の航跡表示装置によれば、隣接する単位時間における航跡に設定された表示色が異なる場合であっても、補間によって、表示色が滑らかに変化する。よって、航跡の変わり目で水底の深度が変化したとの誤解が生じることを軽減できるという効果がある。
本発明の一実施形態である航跡表示装置の構成を概略的に示す概略図である。 航跡表示装置が搭載された船舶によって水底の探知を行い、また、船舶の位置情報を取得する場合の状態を側面より示す模式図である。 航跡表示装置の電気的構成を示したブロック図である。 (a)は、フラッシュメモリに格納される深度色変換テーブルの一例を模式的に示した模式図であり、(b)は、RAMに格納される航跡データの内容を模式的に示した模式図である。 CPUにより実行される航跡表示処理の前半部分を示すフローチャートである。 CPUにより実行される航跡表示処理の後半部分を示すフローチャートである。 航跡表示処理を実行することにより、表示装置に表示される船舶の航跡を模式的に示した模式図である。 DGM機能を有する従来のプロッタ装置で表示される航跡を模式的に示した模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態である航跡表示装置12の概略について説明する。図1は、その航跡表示装置12の構成を概略的に示す概略図であり、図2は、航跡表示装置12が搭載された船舶11によって水底の探知を行い、また、船舶11の位置情報を取得する場合の状態を側面より示す模式図である。
航跡表示装置12は、船舶(自船)11が通過した経路の軌跡である航跡42を表示装置15に表示するものであり、水底の深度の測定が行われた探知範囲を使用者に対して視覚的に把握させやすくできることを特徴としている。以下、その構成について説明する。
航跡表示装置12は、本体13と、本体13に設けられ使用者からの入力を受け付ける操作ボタン14と、本体13に一体形成された表示装置15と、超音波ビームTBを送受信する振動子16と、全地球測位システム用の人工衛星であるGPS衛星Sから送信された信号を受信するためのGPSアンテナ17とにより構成される。
振動子16は、船舶11に固着され、ケーブルによって本体13と電気的に接続されている。振動子16は、本体13から送信される信号によって駆動され、細いビーム状の超音波ビームTBを1つの方向(例えば、船舶11の真下方向)に送信(照射)する。また、振動子16は、海底,湖底,川底,池の底といった水底から反射された超音波ビームTBの反射波を受信し、その受信によって得られた受信信号を本体13へ送信する。
GPSアンテナ17は、船舶11上に固着され、ケーブルによって本体13と電気的に接続される。GPSアンテナ17によって、複数のGPS衛星Sから送信された信号が受信され、その受信信号が本体13へ送信される。
航跡表示装置12の本体13は、例えば船舶11の操舵室内に配置され、複数のGPS衛星Sからの受信信号をGPSアンテナ17より受信すると、その受信信号に基づいて、単位時間毎に船舶(自船)11の位置(緯度及び経度)と、船舶11が航行している方位とを取得する。あわせて、本体13は、振動子16によって得られた受信信号(超音波ビームTBの反射波)に基づき、水底の深度dを単位時間毎に算出すると共に、その水底での超音波ビームTBの探知範囲(ビーム半径r)を推定する。
本体13は、船舶11が航行している場所の地図を表示装置15に表示させた上で、単位時間毎に取得した緯度、経度及び方位に基づいて、船舶11の航跡42を表示装置15に表示された地図上に表示する。
このとき、本体13は、単位時間毎に取得された緯度、経度及び方位に基づいて、各単位時間における航跡42a(図7参照)を、対応する単位時間において算出された水底の深度dに対応する表示色で表示する。これにより、少なくとも船舶11が航行した経路下の水底の深度が、使用者に把握できるようになっており、使用者は、船舶11の航跡42を見ながら、魚群の存在する可能性のある地形を探ることができる。なお、単位時間における航跡42aとは、一つ前の単位時間での船舶11の位置から今回の単位時間での船舶11の位置までを結んだ経路のことである。
更に、本体13は、単位時間毎の各航跡42aを、対応する単位時間において推定された水底での超音波ビームTBの探知範囲を示すビーム半径rに応じた表示幅で表示する。これにより、単位時間毎の各航跡42aで示される表示色と表示幅とによって、表示色で示される水底の深度が、表示幅で示される超音波ビームTBの探知範囲にわたって算出されたものであることを、使用者に視覚的に把握させることができるようになっている。
次いで、図3を参照して、航跡表示装置12の電気的構成について説明する。図3は、航跡表示装置12の電気的構成を示したブロック図である。航跡表示装置12は、本体13内部に制御装置20を有している。制御装置20は、航跡表示装置12の動作を制御するものであり、CPU(Central Proccesing Unit)21と、フラッシュメモリ22と、RAM(Random Access Memory)23と、送受信回路31と、表示コントローラ32と、VRAM(Video RAM)33と、GPSインターフェイス回路(以下「GPS I/F」と称す)34とを有している。
CPU21には、フラッシュメモリ22,RAM23,送受信回路31,表示コントローラ32,GPS I/F34が接続され、また、制御装置20の外部から操作ボタン14(図1参照)が接続されている。送受信回路31には、振動子16(図1参照)が接続され、表示コントローラ32には、VRAM23及び表示装置15(図1参照)が接続され、GPS I/F34には、GPSアンテナ17(図1参照)が接続される。
CPU21は、フラッシュメモリ22に記憶されたプログラムデータ22aに従って、航跡表示装置12の動作を制御するための各種演算を実行する演算装置である。
フラッシュメモリ22は、プログラムデータ22aを記憶するほか、固定値データ等を記憶するための書き換え可能な不揮発性のメモリである。なお、フラッシュメモリに代えて、書き換え不能な不揮発性のメモリ(例えば、マスクROM)を用いてもよい。フラッシュメモリ22は、固定値データとして、画像データ22b、振動子指向角データ22c、深度色変換テーブル22dを少なくとも記憶する。
画像データ22bは、表示装置15に表示する画像を描画するために必要なデータである。例えば、表示装置15に表示する航跡42を描画するために必要なデータが画像データ22bとしてフラッシュメモリ22に記憶される。また、航跡42と表示する場合にあわせて表示される海等の地図データや、船舶11の現在位置を示すための自船マーク41を描画するために必要なデータも、画像データ22bとして記憶される。自船マーク41は、表示装置15に航跡42を表示する場合に、その航跡42が表示される地図において、現在の船舶11の位置(緯度及び経度)に表示される。
振動子指向角データ22cは、本体13に接続された振動子16から送信される超音波ビームTBの指向角θ(図2参照)を示すデータである。振動子16から送信される超音波ビームTBの指向角θは、接続される振動子16の特性によって異なる。航跡表示装置12は、本体13と接続可能な振動子16における超音波ビームTBの指向角θを示すデータが、振動子指向角データ22cとして、その航跡表示装置12の製造時に予めフラッシュメモリ22に格納される。水底における超音波ビームTBの探知範囲を示すビーム半径rは、この振動子指向角データ22cによって示される振動子16の指向角θと、超音波ビームTBの反射波に基づいて算出された水底の深度dとに基づいて、次の式(1)によって推定できる。
r=d・tan(θ/2) ・・・(1)
なお、本体13と接続可能な振動子16が複数種類存在する場合は、全種類の振動子16について、その振動子16から送信される超音波ビームTBの指向角θを振動子指向角データ22cとして、航跡表示装置13の製造時に予めフラッシュメモリ22に格納しておいてもよい。そして、使用者が操作ボタン14を操作して、振動子指向角データ22cにて示される複数の指向角θの中から、接続した振動子16の指向角θを選択できるようにしてもよい。また、使用者が操作ボタン14を操作して、本体13と接続した振動子16の指向角θを入力できるようにし、その入力された指向角θを示すデータを振動子指向角データ22cとしてフラッシュメモリ22に格納するようにしてもよい。
深度色変換テーブル22dは、単位時間毎に算出された水底の深度dに対して、その単位時間に形成される航跡42aの表示色を決定するためのテーブルである。ここで、図4(a)を参照して、深度色変換テーブル22dの詳細について説明する。図4(a)は、フラッシュメモリ22に格納される深度色変換テーブル22dの一例を模式的に示した模式図である。
図4(a)に示す通り、深度色変換テーブル22dは、水底の深度dが所定の範囲で区切られて深度22d1に規定され、その深度22d1に規定された各深度の範囲に対応付ける形で、表示色22d2が規定される。
図4(a)に示す例では、水底の深度dが0m以上10m未満に対して、表示色22d2として赤色が対応付けられ、水底の深度dが10m以上20m未満に対して、表示色22d2として橙色が対応付けられ、水底の深度dが20m以上30m未満に対して、表示色22d2として黄色が対応付けられ、水底の深度dが30m以上40m未満に対して、表示色22d2として緑色が対応付けられ、水底の深度dが40m以上50m未満に対して、表示色22d2として水色が対応付けられ、水底の深度dが50m以上60m未満に対して、表示色22d2として青色が対応付けられ、水底の深度dが60m以上70m未満に対して、表示色22d2として藍色が対応付けられ、水底の深度dが70m以上に対して、表示色22d2として紫色が対応付けられている。
図4(a)に示す深度色変換テーブル22dがフラッシュメモリ22に格納された場合、ある単位時間で算出された水底の深度dが22mであれば、その単位時間で形成される航跡42aの表示色として黄色が決定される。また、別の単位時間で算出された水底の深度dが85mであれば、その単位時間で形成される航跡42aの表示色として紫色が決定される。
図3に戻り、説明を続ける。RAM23は、書き換え可能な揮発性のメモリであり、CPU21によるプログラムの実行時に各種のデータを一時的に記憶する。RAM23は、受信信号データ23a、航跡データ23b、現在位置ポインタ23cを少なくとも記憶する。
受信信号データ23aは、単位時間毎に振動子16が超音波ビームTBの反射波を受信することによって得られた受信信号を示すデータである。RAM23には、振動子16より入力された受信信号が、受信信号データ23aとして一時的に格納される。
この受信信号データ23aはCPU21によって分析され、その受信信号データ23aの中から最も強い強度の反射波を検出することで、水底が判定される。そして、振動子16より超音波ビームTBが送信されてから最も強い強度の反射波が受信されるまでの時間から、水底の深度dが算出される。
航跡データ23bは、船舶11の航跡42を表示装置15に表示させるために必要なデータである。ここで、図4(b)を参照して、航跡データ23bの詳細について説明する。図4(b)は、RAM23に格納される航跡データ23bの内容を模式的に示した模式図である。
航跡データ23bは、図4(b)に示す通り、通し番号23b1が、「0」から順に1ずつ増加する形で割り振られている。各通し番号23b1には、それぞれ、1の単位時間で形成される航跡42aを表示するために必要なデータが対応付けられいる。航跡データ23bでは、通し番号23b1の値が小さいほど、時間的に古い単位時間における航跡42aに対するデータが対応付けられる。
航跡42aを表示するために必要なデータは、その航跡42aの自船マーク41(船舶11)側の2点A,B(図7参照)の座標であるA座標23b2,B座標23b3と、その航跡42aに対して決定された表示色23b4とによって構成される。
2点A,Bは、次のように決定される。即ち、単位時間が経過する毎に、船舶11の緯度、経度及び方位が取得され、また、上記式(1)にて算出されたビーム半径r(水底の探知範囲)に基づいて航跡42aの表示幅が決定されると、その緯度及び経度が存在する点を中心として、その方位に対して垂直方向にその表示幅だけ離れた点を、対応する単位時間で形成される航跡42aのA点及びB点とする。
A座標23b2及びB座標23b3は、緯度及び経度で表現される座標系で表される。即ち、通し番号23b1の値がnに対応付けられる航跡42aのA座標23b2は、緯度XAnと経度YAnとで表される。また、通し番号23b1の値がnに対応付けられる航跡42aのB座標23b3は、緯度XBnと経度YBnとで表される。
この緯度及び経度で表現される座標系で表されたA座標23b2及びB座標23b3によって、表示装置15に表示される地図上のA座標23b2で示される位置(XAn,YAn)に、通し番号23b1の値nに対応する単位時間における航跡42aのA点が配置され、該地図上のB座標23b3で示される位置(XBn,YBn)に、該単位時間における航跡42aのB点が配置される。
図3に戻り、説明を続ける。現在位置ポインタ23cは、航跡データ23bにおいて、最新の単位時間における航跡42aのA座標23b2及びB座標23cと表示色23dとが格納される通し番号23b1の値を示すポインタである。図4には、現在位置ポインタ23cが「99」である場合の例を示しており、通し番号23b1が「99」に対して、最新の単位時間にて形成される航跡42aのA座標23b2及びB座標23cと表示色23dとが格納されることを意味する。
現在位置ポインタ23cは、電源がオフされる時、又は、プロッタ機能がオンからオフに切り替えられる時に、その時点での値がフラッシュメモリ22に退避される。そして、航跡表示装置12の電源がオンされた場合や、プロッタ機能がオフからオンに切り替えられた場合、即ち、航跡42が非表示とされていた状態から表示される状態に切り替えられた場合に、前回、電源又はプロッタ機能がオフされる時点でフラッシュメモリ22に退避された値が呼び出され、その値が現在位置ポインタ23cに設定されることで、初期化が行われる。
現在位置ポインタ23cは、単位時間毎にCPU21にて実行される後述の航跡表示処理(図5及び図6参照)にて参照される。CPU21は、航跡表示処理において、その航跡表示処理が実行される単位時間における航跡42aを表示するために必要なA座標23b2及びB座標23b3と、その航跡42aの表示色23b4とを決定すると、航跡データ23bに対し、現在位置ポインタ23cにて示される通し番号23b1に対応付けて、決定したA座標23b2及びB座標23b3と、その航跡42aの表示色23b4とを追加して、RAM23に記憶する。
その後、CPU21は、現在位置ポインタ23cに1を加算する。これにより、次の単位時間で実行される航跡表示処理では、その次の単位時間における航跡42aを表示するために必要なA座標23b2及びB座標23b3と表示色23bとを、1つ大きい通し番号23b1に対応付けて航跡データ23bに追加する。よって、通し番号23b1が小さい値から大きい値となる順に、時間的に古い単位時間における航跡42aに対するデータから時間的に新しい単位時間における航跡42aに対するデータが、並んで航跡データ23bに格納されることになる。
また、現在位置ポインタ23cは、その現在位置ポインタ23cで示される通し番号23b1に対応付けてA座標23b2及びB座標23b3と表示色23bとを追加した後、現在位置ポインタ23cに1が加算される前に、航跡42の描画を実行することを目的として参照される。即ち、航跡42の描画を実行する場合、現在位置ポインタ23cにて示される通し番号23b1から0に向かって順に、所定区間に含まれる、単位時間における航跡42aに対応する各通し番号23b1に対応付けられたA座標23b2及びB座標23b3と表示色23bとが読み出され、時間的に新しい単位時間における航跡42aから順に描画が実行される。これにより、所定区間にわたって航跡42が表示装置15に表示される。
図3に戻り、説明を続ける。送受信回路31は、CPU21からの制御に基づいて振動子16を駆動して振動子16から超音波ビームTBを送信し、また、送信された超音波ビームTBの反射波を振動子16が受信することにより得られた受信信号の入力を受け付けるための回路である。送受信回路31は、振動子16から入力された受信信号をディジタル値化し、受信信号データ23aとしてCPU21に接続されたRAM23に格納する。
表示コントローラ32は、CPU21からの制御に基づいて、表示装置15の表示を制御するものである。VRAM33は、表示装置15に表示すべき1フレーム分の画像を格納するためのフレームバッファが設けられたメモリである。
表示コントローラ32は、画像を表示装置15に表示させるための画像データ22bをCPU21より受け取った上で、その画像の描画の指示を受け付けると、画像データ22bを用いて、VRAM33のフレームバッファに対し、CPU21で指示された位置に指示のあった画像を描画する。そして、表示コントローラ32は、フレームバッファに描画された画像を読み出して、表示装置15に表示させる。
GPS I/Fは34、GPSアンテナ17にて受信したGPS衛星Sからの信号をCPU21へ入力するものである。
次に、図5〜図7を参照して、CPU21が実行する航跡表示処理の詳細について説明する。航跡表示処理は、船舶11の航跡42を表示装置15に表示するプロッタ機能を実現するための処理である。図5は、この航跡表示処理の前半部分を示すフローチャートであり、図6は、航跡表示処理の後半部分を示すフローチャートである。また、図7は、航跡表示処理を実行することにより、表示装置15に表示される船舶11の航跡42を模式的に示した模式図である。
この航跡表示処理は、電源がオンされている間、又は、使用者が操作ボタン14を操作してプロッタ機能の実行の開始が指示されてから、その実行の終了が指示されるまでの間、単位時間(例えば、1秒)毎に繰り返しCPU21によって実行される処理である。なお、航跡表示処理を実行するためのプログラムは、フラッシュメモリ22のプログラムデータ22a(図3参照)に含まれる。航跡表示処理の実行間隔である単位時間は、固定であってもよいし、使用者が操作ボタン14を操作することによって変更できるものであってもよい。
まず、図5を参照し、航跡表示処理がCPU21によって開始されると、CPU21は、送受信回路31を介して振動子16から超音波ビームTBを送信し、その超音波ビームTBに対して水底から反射された反射波を該振動子16にて受信する(S1)。振動子16が反射波を受信して得られた受信信号は、送受信回路31を介して受信信号データ23aとしてRAM23に記憶される。
次に、GPS I/F34を介してGPSアンテナ17により受信した、複数のGPS衛星Sからの信号に基づいて、船舶11の緯度及び経度と、船舶11が航行している方位とを取得する(S2)。
次いで、RAM23に格納された受信信号データ23aから、最も強い強度の反射波を検出することで水底を判定し、振動子16より超音波ビームTBが送信されてからその最も強い強度の反射波が受信されるまでの時間から、水底の水深dを算出する(S3)。
また、フラッシュメモリ22から振動子指向角データ22cを読み出し、その振動子指向角データ22cによって示される振動子16の指向角θを読み込む(S4)。
そして、S3の処理により算出された水底の深度dと、S4の処理により読み込まれた振動子16の指向角θとから、S3の処理により判定された水底での超音波ビームTBの探知範囲として、ビーム半径r(図2参照)を上述の式(1)を用いて算出する(S5)。
その後、S5の処理により算出したビーム半径rに基づいて、今回の単位時間で形成される航跡42aであって、新たに航跡42として追加表示される航跡42aの表示幅を決定する(S6)。この表示幅は、ビーム半径rに比例して決定される。
次いで、S2の処理により取得された船舶11の緯度、経度、方位と、S6の処理により決定された表示幅とから、今回の単位時間において新たに追加表示される航跡42aの船舶11(自船マーク41)側の2点A,B(図7参照)のA座標23b2及びB座標23b3を前述の方法で決定する(S7)。
また、S3の処理にて算出された水底の深度dに対応する、今回の単位時間における航跡42aの表示色を、深度色変換テーブル22dから決定する(S8)。なお、本実施形態における航跡表示装置12では、S8の処理で決定された航跡42aの表示色を、特にS7の処理にて座標が決定された2点A,Bにおける表示色とする。その意味については、後述する。
次いで、航跡データ23bに対し、現在位置ポインタ23cにて示される通し番号23b1に対応付けて、S7の処理により算出された2点A,BのA座標23b2及びB座標23b3と、S8の処理にて決定された表示色とを追加して、RAM23に格納する(S9)。
次に、図6を参照して、S9の処理の後、S2の処理により取得された船舶11の緯度及び経度から、表示装置15に表示する海等の地図の範囲を決定し、画像データ22bから該当の地図データを表示コントローラ32へ送信した上で、その地図の描画を表示コントローラ32に指示する(S10)。表示コントローラ32は、受信した地図データを用いて、VRAM33に設けられたフレームバッファ上に、指示された地図の描画を行う。
次いで、S10の処理により描画された地図に対して、S2の処理により取得された船舶11の緯度及び経度の位置に、自船マーク41(図7参照)を表示させるべく、その自船マーク41を描画するための画像データ22bを表示コントローラ32へ送信した上で、該地図上の該緯度及び経度で示される位置に自船マーク41を描画するよう表示コントローラ32に指示する(S11)。表示コントローラ32は、この指示に基づいて、S10の処理にてフレームバッファ上に描画した地図上に対し、船舶11が存在する緯度及び経度の位置に自船マーク41を描画する。
続くS12〜S18の処理では、S10の処理により描画された地図上に航跡42を描画する。まず、S12の処理では、変数iをRAM23上に用意し、現在位置ポインタ23cの値を変数iに代入する(S12)。この変数iは、所定区間に含まれる、単位時間における航跡42aの描画を、時間的に新しい単位時間における航跡42aから順に行うために用意されたものである。
続くS13の処理では、航跡データ23bから、通し番号23b1が「i」に対応付けられたA座標23b2及びB座標23b3と、表示色23b4とを読み出す(S13)。ここで読み出されたA座標23b2及びB座標23b3と、表示色23b4は、通し番号23b1が「i」に対応する単位時間における航跡42aに対して決定された2点A,Bの座標と、その2点A,Bに対して設定された表示色である。
次いで、航跡データ23bから、通し番号23b1が「i−1」に対応付けられたA座標23b2及びB座標23b3と、表示色23b4とを読み出す(S14)。ここで読み出されたA座標23b2及びB座標23b3と、表示色23b4は、通し番号23b1が「i」に対応する単位時間から一つ前の単位時間における航跡42aに対して決定された2点A,Bの座標と、その2点A,Bに対して設定された表示色である。ここで、一つ前の単位時間における航跡42aに対して決定された2点A,Bを、通し番号23b1が「i」に対応する単位時間における航跡42aに対して決定された2点A,Bと区別するために、2点A’、B’として表すこととする。なお、図7には、変数iが、現在位置ポインタ23cの値である場合、即ち、航跡42aとして自船マーク41に最も近い航跡42aを描画する場合における点A,B,A’,B’の位置を示している。
続くS15の処理では、S13の処理によって座標が読み出された2点A,Bと、S14の処理によって座標が読み出された2点A’,B’とによって囲まれる四角形ABB’A’の描画を、その描画に必要な画像データ22bを送信した上で、表示コントローラ32に指示する(S15)。表示コントローラ32は、この指示により、VRAM33のフレームバッファ上に展開された地図に対して、各点A,B,B’,A’を、各々の座標(緯度、経度)で示される位置に配置し、四角形ABB’A’を描画する(図7参照)。この四角形ABB’A’が、通し番号23b1「i」に対応する単位時間における航跡42aとなる。
そして、S13の処理により読み出された2点A,Bの表示色と、S14の処理により読み出された2点A’,B’の表示色との4点の表示色を用いて、S15の処理にて描画が指示された四角形ABB’A’の内部を、バイリニア補間により着色するよう、表示コントローラ32に指示する(S16)。これにより、通し番号23b1「i」に対応する単位時間における航跡42a内部が、図7に示す通り、一つ前の単位時間で算出された水底の深度dに対応する表示色から、通し番号23b1「i」に対応する単位時間で算出された水底の深度dに対応する表示色へと滑らかに変化するよう、着色される。
次いで、変数iの値を1減算し(S17)、減算後の変数iが、現在位置ポインタ23cから300を引いた値と等しいか、又は、その減算後の変数iが0であるかを判断する(S18)。S18の処理にて、減算後の変数iが、現在位置ポインタ23cから300を引いた値と等しいか否かを判断するのは、表示装置15に表示する船舶11の航跡42として、単位時間における航跡42aの最大表示点数を例えば300単位時間分とするためである。
減算後の変数iが、現在位置ポインタ23cから300を引いた値と等しくなく、且つ、減算後の変数iが0でもないと判断された場合は(S18:No)、S13の処理に戻り、減算後の変数iに対して、S13〜S16の処理が実行され、その変数iで示される通し番号23b1に対応する単位時間における航跡42aの描画が実行される。
そして、このS13〜S16の処理は、S18の処理にて、変数iが、現在位置ポインタ23cから300を引いた値と等しいと判断されるか、又は、0である(S18:Yes)と判断されるまで、繰り返し実行される。これにより、プロッタ機能による航跡42の表示を開始した直後は、船舶11の緯度、経度及び方位が取得された全ての単位時間における航跡42aが、また、航跡42の表示を開始して300以上の単位時間に対して船舶の11の緯度、経度及び方位が取得された場合は、直近の300単位時間における航跡42aが、地図上に描画されて船舶11の航跡42として表示装置15に表示されることとなる。
S18の処理の結果、変数iが、現在位置ポインタ23cから300を引いた値と等しいと判断されるか、又は、0であると判断されると(S18:Yes)、現在位置ポインタ23cに1を加算し(S19)、航跡表示処理を終了する。S19の処理により、次の単位時間で実行される航跡表示処理によって、航跡データ23bに対し、その1加算された現在位置ポインタ23cで示される通し番号23b1に対応付けて、その次の単位時間で決定されたA座標23b2及びB座標23b3と、表示色23b4とが追加される。
以上説明した通り、本実施形態における航跡表示装置12によれば、単位時間毎に、GPSアンテナ17により複数のGPS衛星Sからの信号を受信し、その受信した信号から、船舶11の位置情報(緯度、経度及び方位)が取得される。また、船舶11の位置情報が取得される単位時間に、振動子16を駆動して超音波ビームTBが水中に送信され、その反射波を振動子16が受信することによって得られる受信信号に基づいて水底の深度dが算出される。その水底の深度dに応じた表示色が、その深度dが算出された単位時間における航跡42aの表示色として設定され、単位時間毎に順次、航跡データ23bに追加(記憶)される。
また、深度dが算出された水底における超音波ビームTBの探知範囲を示すビーム半径rが推定され、そのビーム半径rに比例する表示幅が、その水底の深度dが算出された単位時間における航跡42aの表示幅として設定される。そして、該単位時間において取得された船舶11の位置情報と、設定された航跡42aの表示幅とに基づいて、その航跡42aの自船マーク41(船舶11)側の2点A,B(図7参照)が、船舶11の進行方向に対して左右方向に設定された表示幅だけ離れるように、A座標23b2及びB座標23b3が決定される。そのA座標23b2及びB座標23b3も、単位時間毎に順次、航跡データ23bに追加(記憶)される。
そして、航跡データ23bに記憶された、各単位時間におけるA座標23b及びB座標23b3と、表示色23b4とに基づいて、最大で300単位時間にわたって、各々の単位時間における航跡42aを図7に示すように順次描画することにより、船舶11の航跡42が表示装置15に表示される。
これにより、単位時間毎の航跡42aは、それぞれ水底の深度dが算出されたときの超音波ビームTBの探知範囲(ビーム半径r)の広狭に応じて表示幅が変わり、その表示幅の中で水底の深度dに応じた表示色が表示される。よって、使用者に対して、水底の深度dが算出された超音波ビームTBの探知範囲を視覚的に把握させることができる。
また、航跡表示装置12によれば、振動子16から送信される超音波ビームTBの指向角θに関する情報が振動子指向角データ22cとしてフラッシュメモリ22に記憶されている。航跡表示装置12では、深度dが算出された水底における超音波ビームTBの探知範囲を推定する場合に、振動子指向角データ22cによって示される超音波ビームTBの指向角θと、算出された深度dとに基づいて、上記式(1)により、その探知範囲を示すビーム半径rが求められる。超音波ビームTBの探知範囲は、振動子16の指向角θによって大きく変わってくるが、航跡表示装置12は、振動子16の特性(指向角θ)にあわせて超音波ビームTBの探知範囲(ビーム半径r)を推定するので、その探知範囲をより正確に推定できる。よって、単位時間毎の航跡42aの表示幅が、より正確に推定された探知範囲に基づいて決定されるので、表示色で示される水底の深度dが算出された探知範囲をより正確に使用者に示すことができる。
また、航跡表示装置12によれば、単位時間における航跡42aの上記2点A,Bは、上述した通り、船舶11の進行方向に対して左右方向に、その航跡42aに対して設定された表示幅だけ離れるように、A座標23b2及びB座標23b3が決定される。そして、一の単位時間における航跡42aを表示する場合に、その単位時間における航跡42aに対して設定された2点A,Bと、一つ前の単位時間の航跡42aに対して設定された2点A’,B’とに囲まれた四角形ABB’A’の領域が、その一の単位時間における航跡42aとして表示装置15に表示される。これにより、最大で300単位時間にわたる、各単位時間における航跡42aは、その外縁が、各々の航跡42aに対して設定された点A通し及び点B通しを結ぶ形で表示される。よって、各航跡42aを、その航跡42aに設定された表示幅で固定した長方形で表示する場合と比して、隣接する単位時間における航跡42aに設定された表示幅が異なっても、最大で300単位時間にわたる各航跡42aの外縁を滑らかに表示でき、使用者に全体の航跡42を見やすくすることができる。
また、航跡表示装置12によれば、一の単位時間における航跡42aを表示する場合に、その単位時間における航跡42aに対して設定された2点A,Bの表示色が、その単位時間における航跡42aに対して設定された表示色とされ、一つ前の単位時間における航跡42aに対して設定された2点A’,B’の表示色が、その一つ前の単位時間における航跡42aに対して設定された表示色とされる。その上で、一の単位時間における航跡42aであるこれら4点A,B,B’,A’で囲まれた四角形ABB’A’内部の各位置の表示色が、その4点A,B,B’,A’にそれぞれ設定された表示色から補間することによって導出され、この導出された表示色で一の単位時間における航跡42aが表示される。仮に、各単位時間における航跡42aを、それぞれ、その航跡42aに設定された表示色一色で表示した場合、その航跡42aの変わり目で表示色が変化するため、その航跡42aの変わり目で水底の深度dが変化したように使用者に思わせてしまうおそれがある。これに対し、本航跡表示装置12によれば、隣接する単位時間における航跡42aに設定された表示色が異なる場合であっても、補間によって表示色が滑らかに変化する。よって、航跡42aの変わり目で水底の深度dが変化したとの誤解が生じることを軽減できる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記実施形態では、一の単位時間における航跡42aを表示する場合に、その単位時間における航跡42aに対して設定された2点A,Bと、一つ前の単位時間の航跡42aに対して設定された2点A’,B’とに囲まれた四角形ABB’A’の領域を、その一の単位時間における航跡42aとして表示装置15に表示する場合について説明したが、その一の単位時間における航跡42aを、その航跡42aに対して設定された表示幅で固定した長方形で表示してもよい。これにより、各航跡42aの外縁に凹凸が多く生じることになるが、使用者に対して、水底の深度dが算出された超音波ビームTBの探知範囲を視覚的に把握させることはでき、且つ、航跡42aの描画処理にかかる負荷を抑制することもできる。
上記実施形態では、一の単位時間における航跡42aを表示する場合に、4点A,B,B’,A’で囲まれた四角形ABB’A’内部の各位置の表示色を、その4点A,B,B’,A’にそれぞれ設定された表示色からバイリニア補間することによって導出する場合について説明したが、その補間方法は、バイリニア補間に限らず任意の方法でもよい。また、航跡42aの内部を、その航跡42aに設定された表示色一色で表示してもよい。航跡42aの内部を一色で表示すると、航跡42aの変わり目で表示色が変化することになるが、航跡42aの表示色で示される深度が、その航跡42aにより示される超音波ビームTBの探知範囲にわたって算出されたものであることを、使用者に認識させることはできるので、航跡42aの描画処理にかかる負荷を抑制しつつ、水底の地形に関する情報をずれなく使用者に把握させることができる。
上記実施形態では、単位時間における航跡42aの表示幅を超音波ビームTBのビーム半径rに比例して設定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ビーム半径rの広狭に応じて表示幅を設定すれば、その設定方法は任意のものであってよい。例えば、a,bを定数(但し、a>0)として、表示幅Wを以下の式(2)を用いて決定してもよい。
W=a・r+b ・・・(2)
上記実施形態では、水底における超音波ビームTBの探知範囲として、水底での超音波ビームTBのビーム半径rを推定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、水底における超音波ビームTBの直径を推定してもよい。
上記実施形態では、船舶11の位置(緯度、経度及び方位)の取得方法として、複数のGPS衛星Sから送信される信号を受信する方法について説明したが、船舶11の位置が取得できる方法であれば、GPSによらなくてもよいことは言うまでもない。
上記各実施形態では、超音波ビームTBを水中の1つの方向(船舶11の真下方向)に固定して送信し、その反射波を受信して水底の探知を行う航跡表示装置について、本発明を適用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、1つの方向に送信される超音波ビームTBの送信方向を変化させながら、所定範囲にわたり水中や水底の探知を行うソナー型の航跡表示装置に本発明を適用してもよい。また、魚群探知機能を有し且つプロッタ機能を有する魚群探知装置にも本発明を適用可能である。
11 船舶
12 航跡表示装置
15 表示装置(表示手段)
16 振動子
22c 振動子指向角データ(指向角記憶手段)
23a 受信信号データ
23b 航跡データ(航跡記憶手段の一部)
23b4 表示色
32 表示コントローラ(表示制御手段の一部)
42 航跡
42a 単位時間における航跡
S2 (取得手段)
S3 (深度算出手段)
S5 (探知範囲推定手段)
S6 (表示幅設定手段)
S7 (二点設定手段)
S8 (表示色設定手段)
S9 (航跡記憶手段の一部)
S12〜S18 (表示制御手段の一部)
TB 超音波ビーム

Claims (4)

  1. 船舶に搭載され、自船の航跡を表示手段に表示する航跡表示装置であって、
    単位時間毎に自船の位置情報を取得する取得手段と、
    その取得手段により取得された位置情報に基づき、前回の自船の位置から今回の自船の位置までの航跡に関わる情報を前記単位時間毎に順次記憶する航跡記憶手段と、
    その航跡記憶手段に情報が記憶された所定区間にわたって、前記単位時間毎の航跡を、各々の航跡に対して設定された表示色と表示幅とによって表示手段に表示させる表示制御手段と、
    超音波を水中に送信し、その反射波を受信可能な振動子と、
    前記単位時間毎に、前記振動子を駆動して超音波を送信し、その超音波の反射波を前記振動子が受信することによって得られる受信信号に基づいて、自船の位置周辺の水底の深度を算出する深度算出手段と、
    その深度算出手段により算出された前記水底の深度に応じた表示色を、その水底の深度が算出された単位時間における航跡の表示色として設定する表示色設定手段と、
    前記深度算出手段により深度が算出された前記水底における前記超音波の探知範囲を推定する探知範囲推定手段と、
    その探知範囲推定手段により推定された前記超音波の探知範囲に基づいて、その探知範囲の広狭を示す表示幅を、その探知範囲の推定された水底の深度が算出された単位時間における航跡の表示幅として設定する表示幅設定手段とを備えることを特徴とする航跡表示装置。
  2. 前記振動子から送信される超音波の指向角に関する情報を記憶する指向角記憶手段を備え、
    前記探知範囲推定手段は、前記指向角記憶手段により記憶された情報に基づく前記超音波の指向角と、前記深度算出手段により算出された深度とに基づいて、その深度が算出された前記水底における前記超音波の探知範囲を推定するものであることを特徴とする請求項1記載の航跡表示装置。
  3. 前記表示幅設定手段は、
    前記表示幅の設定対象となる単位時間における航跡に対し、自船の進行方向に対して左右方向に前記表示幅だけ離れた2点を設定する二点設定手段を備え、
    前記表示制御手段は、一の単位時間における航跡を表示する場合に、その単位時間における航跡に対して前記二点設定手段により設定された2点と、一つ前の単位時間における航跡に対して前記二点設定手段により設定された2点とに囲まれた四角形の領域を、前記一の単位時間における航跡として前記表示手段に表示させるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の航跡表示装置。
  4. 前記表示制御手段は、一の単位時間における航跡を表示する場合に、その単位時間における航跡に対して前記二点設定手段により設定された2点の表示色を、その単位時間における航跡に対して前記表示色設定手段により設定された表示色とし、一つ前の単位時間における航跡に対して前記二点設定手段により設定された2点の表示色を、その一つ前の単位時間における航跡に対して前記表示色設定手段により設定された表示色とした上で、前記一の単位時間における航跡であるこれら4点で囲まれた四角形内部の各位置の表示色を、その4点にそれぞれ設定された表示色から補間することによって導出し、この導出された表示色で前記一の単位時間における航跡を表示するものであることを特徴とする請求項3記載の航跡表示装置。
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