しかしながら、特許文献1に記載された水底深度測量装置は、予め所望の測定点からなる側線を定めておき、その側線に沿うように使用者が船舶を運転する必要があった。また、風や潮流の影響等により船舶が側線から大きく逸れた場合には、使用者は船舶を側線に戻して水底の深度を測定し直す必要があり、使用者への負担が大きくなるという問題があった。
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、本発明の海図画像表示システム及び海図画像表示装置の第1実施形態である魚群探知システム10と魚群探知装置12との概略について説明する。図1は、その魚群探知システム10と魚群探知装置12との構成を概略的に示す概略図である。図2は、魚群探知装置12が船舶11直下の水底の探知を行い、また、船舶11の位置情報を取得する状態を、船舶11の側面より示した模式図である。
魚群探知装置12は、船舶11に搭載され、超音波の送受信によって船舶11直下の水中の魚群などの探知対象物を探知し、その探知画像を表示装置15に表示するものである。また、魚群探知装置12は、表示モードを海図表示モードに切り替えることにより、船舶11周辺の海,湖,川,池等の水面から水底までの深度を示す海図の画像である深度画像を表示装置15に表示する。図1は、その深度画像が表示装置15に表示された状態を示している。
更に、魚群探知装置12は、超音波ビームTBの送受信によって、水面から水底までの水深(水底深度)dを測定可能に構成される。そして、船舶11が航行しながら魚群探知装置12により測定された海等における各地点の水底深度dに基づいて、魚群探知装置12は、各位置における水底深度dを、表示装置15に表示した深度画像上に色及び等深線で示すように構成されている。また、魚群探知装置12は、測定範囲44を表示装置15の深度画像に重畳して表示するように構成されている。測定範囲44は、使用者が水底深度dを測定しようと指定した範囲である。また、魚群探知装置12は、後述のメッシュ47も表示装置15の深度画像に重畳して表示するように構成されている。メッシュ47は、測定範囲44を分割して設定されるものである。更に、魚群探知装置12は、走行ルート41を生成し、その走行ルート41も表示装置15に表示するように構成されている。走行ルート41は、水底深度dを測定するために測定範囲44内を船舶11が走行すべき道順である。なお、本実施形態では測定範囲44を四角形としているが、これに限定されるものではない。例えば、測定範囲44は円形にしてもよい。
魚群探知システム10と魚群探知装置12との詳細構成について説明する。魚群探知システム10は、魚群探知装置12と、船舶11を自動で操舵する装置であるオートパイロット装置18とを備える。また、魚群探知装置12は、本体13と、本体13に設けられた操作ボタン14と、本体13に一体形成された表示装置15と、振動子16と、GPSアンテナ17と、を備える。
振動子16は、超音波ビームTBを送受信するものである。振動子16は、船舶11の船底に固着され、ケーブルによって本体13と電気的に接続されている。振動子16は、本体13から送信される信号に基づいて駆動され、超音波ビームTBを1つの方向(例えば、船舶11の真下方向)に送信(照射)する。また、振動子16は、探知対象物や、海底,湖底,川底,池底といった水底から反射された超音波ビームTBの反射波を受信し、その受信によって得られた受信信号を本体13へ送信する。
GPSアンテナ17は、全地球測位システム用の人工衛星であるGPS衛星Sから送信された信号を受信するためのアンテナである。GPSアンテナ17は、船舶11上に固着され、ケーブルによって本体13と電気的に接続される。GPSアンテナ17によって、複数のGPS衛星Sから送信された信号が受信され、その受信信号が本体13へ送信される。
オートパイロット装置18は、船舶11の操舵装置に取付けられ、ケーブルによって本体13と電気的に接続されている。オートパイロット装置18は、指定された位置(緯度、経度)に船舶11を自動で操舵する。
魚群探知装置12の本体13は、例えば船舶11の操舵室内に配置される。本体13は、振動子16が超音波ビームTBの反射波を受信することにより得られた受信信号を受信すると、その受信信号に基づいて探知画像を生成し、表示装置15にその探知画像を表示する。
また、本体13は、超音波ビームTBの反射波の受信信号から水底深度dを算出するとともに、複数のGPS衛星Sからの受信信号をGPSアンテナ17より受信し、その受信信号に基づいて船舶(自船)11の位置情報(緯度及び経度)を取得する。そして、本体13は、水底深度dを算出した場合、そのときの船舶11の位置情報と算出した水底深度dとを対応付けて、航跡データ23b(図3参照)として順次記憶する。
次いで、図3を参照して、魚群探知装置12の電気的構成について説明する。図3は、魚群探知装置12の電気的構成を示したブロック図である。魚群探知装置12は、本体13内部に制御装置20を有している。制御装置20は、魚群探知装置12の動作を制御するものであり、CPU(Central Proccesing Unit)21と、フラッシュメモリ22と、RAM(Random Access Memory)23と、送受信回路31と、表示コントローラ32と、VRAM(Video RAM)33と、GPSインターフェイス回路(以下「GPS I/F」と称す)34と、出力ポート35とを有している。
CPU21には、フラッシュメモリ22、RAM23、送受信回路31、表示コントローラ32、GPS I/F34、出力ポート35が接続され、また、制御装置20の外部から操作ボタン14(図1参照)が接続されている。送受信回路31には、振動子16(図1参照)が接続される。表示コントローラ32には、VRAM33及び表示装置15(図1参照)が接続される。GPS I/F34には、GPSアンテナ17(図1参照)が接続される。出力ポート35にはオートパイロット装置18(図1参照)が接続される。
CPU21は、フラッシュメモリ22に記憶されたプログラムデータ22aに従って、魚群探知装置12の動作を制御するための各種演算を実行する演算装置である。
フラッシュメモリ22は、プログラムデータ22aを記憶する他、固定値データ等を記憶するための書き換え可能な不揮発性のメモリである。なお、プログラムデータや一部の固定値データは、フラッシュメモリ22ではなく、フラッシュメモリ22とは別に設けられ、書き換え不能な不揮発性のメモリ(例えば、マスクROM(Read Only Memory))に記憶されてもよい。
フラッシュメモリ22は、プログラムデータ22aの他、自動操舵データ22b、メッシュサイズデータ22c、メッシュデータ22d、海図データ22e、距離間隔データ22f、を少なくとも記憶する。
プログラムデータ22aには、図5に示す測定処理を実行するためのプログラムが少なくとも含まれている。
自動操舵データ22bは、船舶11の操舵を自動で行うか否かを示すデータである。船舶11の操舵を自動で行うか否かは、使用者により操作ボタン14を用いて入力されることで指定され、その指定の結果が自動操舵データ22bに記憶される。自動操舵データ22bは、後述の走行処理(S3)において船舶11がオートパイロット装置18により自動で操舵されているか否かの判断を行うときに用いられる。
ここで、メッシュサイズデータ22cの説明をする前に、分割領域46(図11(a)参照)とメッシュ47(図11(a)参照)について説明する。分割領域46は、測定範囲44を細分化するための四角形の領域である。分割領域46は複数の四角形の網目(メッシュ47)からなる。分割領域46は、測定範囲44の全域を網羅し且つ測定範囲44を含まないメッシュ47が非存在となるように測定範囲44に対して設定される。後述のルート生成処理(S1)において走行ルート41が生成されると、後述のメッシュ処理(S2)において測定範囲44が分割領域46に基づいて分割される。CPU21は、測定範囲44上に分割領域46を重畳することにより、測定範囲44をメッシュ47毎に分割する。即ち、測定範囲44はメッシュ47毎に細分化される。魚群探知装置12は、船舶11が走行ルート41を走行中の場合、そのメッシュ47内で測定された最新の水底深度dに基づいて、表示装置15に深度画像を表示する。そして、船舶11が走行ルート41を完走すると、CPU21は水底深度dが測定されたメッシュ47について、メッシュ47内で測定された全ての水底深度dと水底深度dを測定した位置に基づいてメッシュ47の中央部の水底深度dの推定値を求める。その推定値に基づいて魚群探知装置12は、表示装置15に深度画像を表示する。
また、魚群探知装置12は、メッシュ47の中央部の水底深度dの推定値が設定されているか否かをメッシュ47毎に判断する。そして、魚群探知装置12は、メッシュ47の中央部の水底深度dの推定値が設定されていないメッシュ47に向かう走行ルート41を新たに生成する。
メッシュサイズデータ22cは、分割領域46における1つのメッシュ47の各辺の長さ(メッシュサイズ)を示すデータである。メッシュサイズは、使用者により操作ボタン14を用いて入力されることで指定される。メッシュサイズデータ22cは、後述のメッシュ処理(S2)において分割領域46を設定するときに用いられる。
ここで、図4を参照して、メッシュデータ22dについて説明する。図4は、フラッシュメモリ22に記憶されるメッシュデータ22dの内容を模式的に示した模式図である。メッシュデータ22dは、分割領域46に設定された各メッシュ47を識別するための識別番号22d1と、各々の識別番号22d1に対応付けて、対応する識別番号22d1で示されるメッシュの位置22d2、メッシュサイズ22d3、水底深度22d4、水底深度の位置22d5とを示すデータである。メッシュデータ22dは、分割領域46毎に記憶される。メッシュの位置22d2は、対応する識別番号で示されるメッシュ47の位置を示すデータであり、例えばメッシュ47の中央部の緯度経度により表される。メッシュ47は、後述のメッシュ処理(S2)によってメッシュサイズデータ22cと後述の測定範囲データ23aとに基づいて生成され、メッシュの位置22d2が生成される。なお、メッシュ47の中央部とは、四角形のメッシュ47における2本の対角線の交点である。メッシュサイズ22d3は、メッシュサイズデータ22cで記憶されたメッシュサイズ(例えば20m×20m)が記憶される。
水底深度22d4は、対応する識別番号で示されるメッシュ47における水底深度dを示すデータである。後述のメッシュ処理(S2)においてメッシュ47が設定されると、メッシュデータ22dの水底深度22d4には初期値(例えば、「-1」)が設定される。船舶11が走行ルート41を走行中の場合、そのメッシュ47内で測定された最新の水底深度dがメッシュデータ22dの水底深度22d4に順次上書きされながら記憶される。船舶11が走行ルート41を完走すると、メッシュデータ22dの水底深度22d4は一旦初期化される。そして、メッシュ47内で測定され後述の航跡データ23bに記憶された全ての水底深度dと水底深度dを測定した位置とに基づいて、メッシュ47の中央部の水底深度dの推定値が算出され、メッシュデータ22dの水底深度22d4に記憶される。あるメッシュ47において航跡データ23bがあれば、その航跡データ23bに基づいてメッシュ47の中央部における水底深度dの推定値が生成される。一方、メッシュ47において航跡データ23bがなければ、そのメッシュ47の中央部における水底深度dの推定値は生成されない。
水底深度の位置22d5は、メッシュデータ22dの水底深度22d4に記憶された水底深度dの位置(緯度経度)を示すデータである。後述のメッシュ処理(S2)においてメッシュ47が設定されると、メッシュデータ22dの水底深度の位置22d5には初期値(例えば、「-1」)が設定される。船舶11が走行ルート41を走行中の場合は、水底深度の位置22d5には最新の水底深度dを測定した位置の緯度経度が記憶される。船舶11が走行ルート41を完走すると、一旦水底深度の位置22d5は初期化される。そして、メッシュ47の中央部の水底深度dの推定値が水底深度22d4として記憶されると、水底深度の位置22d5にはメッシュ47の中央部の緯度経度が記憶される。
メッシュデータ22dは、魚群探知装置12の表示モードが海図表示モードの場合に、深度画像の各位置における水底深度dを示すときに用いられる。また、このメッシュデータ22dは、後述の測定判定処理(S5)によりメッシュ47の中央部における水底深度dの推定値が取得されていないメッシュ47の有無を判定するときに用いられる。そして、魚群探知装置12は、メッシュ47の中央部の水底深度dの推定値が設定されていないメッシュ47に向かう走行ルート41を新たに生成する。
図3に戻り、魚群探知装置12の電気的構成について説明をする。海図データ22eは、魚群探知装置12の使用が想定される地域における海,湖,川,池等の海図を表示装置15に表示させるためのデータである。魚群探知装置12の表示モードが海図表示モードの場合、GPS衛星Sの受信信号に基づいて判断された船舶11の位置周辺の海図データ22eがCPU21によってフラッシュメモリ22より読み出される。そして、読み出された海図データ22eに基づいて、船舶11周辺の海図が表示装置15に表示される。
距離間隔データ22fは、測定範囲44内を船舶11が折り返しながら走行するときの後述の走行ルート41において隣接する走行線間の距離である距離間隔43を示すデータである。距離間隔43は、使用者により操作ボタン14を用いて入力されることで指定される。距離間隔データ22fは、後述のルート生成処理(S1)において、後述の走行ルート41を生成するときに用いられる。
RAM23は、書き換え可能な揮発性のメモリであり、CPU21によるプログラムの実行時に各種のデータを一時的に記憶する。RAM23は、測定範囲データ23a、航跡データ23b、判定データ23c、ルートデータ23dを少なくとも記憶する。
測定範囲データ23aは、測定範囲44の位置を示すデータである。測定範囲44は、使用者により操作ボタン14を用いて入力されることで指定される。測定範囲データ23aは、後述のルート生成処理(S1)において、後述の走行ルート41を生成するときに用いられる。
航跡データ23bは、本体13が水底深度dを算出したときの船舶11の位置情報とその位置が含まれるメッシュ47の識別番号と算出した水底深度dとを対応付けたデータである。航跡データ23bは、後述の走行処理(S3)によって生成される。航跡データ23bは、後述の推定処理(S4)においてメッシュデータ22dを生成するときに用いられる。そして、全てのメッシュ47の中央部における水底深度dの推定値が取得されると一括して消去される。
判定データ23cは、分割領域46中の全てのメッシュ47にメッシュ47の中央部の水底深度dの推定値が取得されているか否かを示すデータである。判定データ23cは、後述の測定判定処理(S5)によって生成される。全てのメッシュ47において各メッシュ47の中央部の水底深度dの推定値が取得されている訳ではない場合は、判定データ23cは「未完」を示すデータが設定される。一方、全てのメッシュ47において各メッシュ47の中央部の水底深度dの推定値が取得されている場合は、判定データ23cは「完了」を示すデータが設定される。判定データ23cは、後述の測定処理において分割領域46中の全てのメッシュ47にメッシュ47の中央部の水底深度dの推定値が取得されているか否かを判定するときに用いられる。
ルートデータ23dは、走行ルート41上で船舶11が通過することを目指す場所である複数の目標点40の位置と通過する順番とを示すデータである。目標点40は、後述のルート生成処理(S1)により測定範囲データ23aと距離間隔データ22fとに基づいて生成される。ルートデータ23dは、後述の走行処理(S3)においてCPU21が表示コントローラ32に走行ルート41を表示するように指示をするときに用いられる。また、ルートデータ23dは、後述の走行処理(S3)においてCPU21がオートパイロット装置18に目標点40を通過するように指示するときにも用いられる。
送受信回路31は、CPU21からの制御に基づいて振動子16を駆動して振動子16から超音波ビームTBを送信し、また、送信された超音波ビームTBの反射波を振動子16が受信することにより得られた受信信号の入力を受け付けるための回路である。送受信回路31は、所定時間毎(例えば、10m秒~5秒毎)に振動子16を駆動して超音波ビームTBを送受信する。そして、CPU21が送受信回路31に受信信号を送信するように要求すると、送受信回路31は最新の受信信号をCPU21に送信する。なお、CPU21は、その受信信号に基づいて水底深度dを算出し、水底深度dとその水底深度dを測定した位置の情報とを対応付けてRAM23の航跡データ23bに記憶する。
表示コントローラ32は、CPU21からの制御に基づいて、表示装置15の表示を制御するものである。VRAM33は、表示装置15に表示すべき1フレーム分の画像を格納するためのフレームバッファが設けられたメモリである。
表示コントローラ32は、表示装置15に表示させる画像の描画の指示を受け付けると、フラッシュメモリ22に格納された海図データ22eや図示しない画像データを用いて、VRAM33のフレームバッファに対し、CPU21で指示された位置に指示のあった画像を描画する。そして、表示コントローラ32は、フレームバッファに描画された画像を読み出して、表示装置15に表示させる。
GPS I/F34は、GPSアンテナ17にて受信したGPS衛星Sからの信号をCPU21へ入力するものである。出力ポート35は、CPU21からオートパイロット装置18へ目標点40の位置を出力するためのものである。
次いで、図5を参照して測定処理について説明する。測定処理は、使用者により測定範囲44が指定されると実行され、測定範囲44内に設定された全てのメッシュ47の中央部の水底深度dの推定値を取得するための処理である。図5は測定処理を示したフローチャートである。
まず、測定処理がCPU21によって実行されると、CPU21はルート生成処理(S1)を実行する。ルート生成処理(S1)は、測定範囲データ23aと距離間隔データ22fとに基づいて目標点40を生成することで測定範囲44に対して走行ルート41を生成するための処理である。ルート生成処理(S1)の詳細については、図6を参照して後述する。
次に、CPU21はメッシュ処理(S2)を実行する。メッシュ処理(S2)は、メッシュサイズデータ22cと測定範囲データ23aとに基づいて、測定範囲44をメッシュ47の大きさに分割し、メッシュデータ22dを記憶するための処理である。メッシュ処理(S2)の詳細については、図8を参照して後述する。
次に、CPU21は走行処理(S3)を実行する。走行処理(S3)は、ルート生成処理(S1)により生成された走行ルート41に基づいて、船舶11を測定範囲44内で走行させながら、一定距離進む毎に水底深度dを測定し、航跡データ23bを記憶するための処理である。走行処理(S3)の詳細については、図9を参照して後述する。
次いで、CPU21は推定処理(S4)を実行する。推定処理(S4)は、走行処理(S3)により記憶された航跡データ23bに基づいて、メッシュ47毎にメッシュ47の中央部の水底深度dの推定値を求め、メッシュデータ22dの水底深度22d4として記憶するための処理である。推定処理(S4)の詳細については、図10を参照して後述する。
次に、CPU21は測定判定処理(S5)を実行する。測定判定処理(S5)は、推定処理(S4)により記憶されたメッシュデータ22dに基づいて、水底深度dの推定値が取得されていないメッシュ47の有無を判定し、判定データ23cを設定するための処理である。測定判定処理(S5)の詳細については、図12を参照して後述する。
次いで、CPU21は測定判定処理(S5)により設定された判定データ23cに基づいて、全てのメッシュ47において各メッシュ47の中央部の水底深度dの推定値が取得されているか否かを判断する(S6)。全てのメッシュ47において各メッシュ47の中央部の水底深度dの推定値が取得されている訳ではない(判定データ23c「未完」)、即ち、メッシュ47の中央部の水底深度dの推定値が取得されていないメッシュ47が存在する、と判断した場合(S6:Yes)は、ルート再生成処理(S7)へ移行する。
ルート再生成処理(S7)は、メッシュ47の中央部の水底深度dの推定値が取得されていないメッシュ47に向かうための目標点40を生成することで走行ルート41を新たに生成するための処理である。ルート再生成処理(S7)が実行された後、走行処理(S3)へと戻る。そして、S6の処理において判定データ23cが「未完」ではない(S6:No)、即ち、メッシュ47の中央部の水底深度dの推定値が全てのメッシュ47で取得されたと判断するまで、走行処理(S3)からルート再生成処理(S7)までの処理を繰り返し実行する。S6の処理において判定データ23cが「未完」でないと判断すると(S6:No)、CPU21は走行処理(S3)において表示されたメッシュを表す枠と測定範囲44を表す枠を非表示とするように表示コントローラ32に指示を出す(S8)。その後、航跡データ23bを消去し(S9)、測定処理を終了する。ルート再生成処理(S7)の詳細については、図13を参照して後述する。
次に、図6、7を参照してルート生成処理(S1)について説明する。図6は、制御装置20において実行されるルート生成処理(S1)を示したフローチャートである。図7は、走行ルート41と航跡49とを示した模式図である。なお、図7において、測定範囲44は四角形ABCDとして示してある。
まず、ルート生成処理(S1)がCPU21によって実行されると、CPU21は、RAM23から測定範囲データ23aを読込み(S20)、その後、フラッシュメモリ22から距離間隔データ22fを読込む(S21)。
次いで、S22の処理では、測定範囲44における1つの頂点を測定開始位置として1番目の目標点40とする。ここでは、図7における頂点Aを1番目の目標点40とした場合を例に挙げて、目標点40の設定について説明する。1番目の目標点40と2番目の目標点40とを結ぶ線分が図7における辺CDと平行になるように、図7における辺BC上の位置に2番目の目標点40を設定する。次に、図7における辺BC上の位置であって、2番目の目標点40から下方向に向かって距離間隔データ22fに記憶された距離間隔43(例えば、20m)離れた位置に3番目の目標点40を設定する。そして、図7における辺AD上の位置であって、頂点Aから距離間隔データ22fに記憶された距離間隔43離れた位置に4番目の目標点40を設定する。図7における辺AD上の位置であって、4番目の目標点40から距離間隔データ22fに記憶された距離間隔43離れた位置を新たな起点(5番目の目標点40)とし、1番目の目標点40から4番目の目標点40までと同様の方法で5番目の目標点40から8番目の目標点40までを設定する。以降、同様に4つの目標点40の設定を繰り返し、測定範囲44内を走行するときの目標点40を設定する。これにより、測定範囲44を横断する走行線と隣接する走行線との間隔が距離間隔43とすることができる。なお、新たに設定する目標点40が図7における辺AD上又は辺BC上にない場合は、測定範囲44の全範囲に目標点40が設定されたものとして、目標点40の設定を終了する。
これにより設定された目標点40のうち、1番目の目標点40と2番目の目標点40とを結ぶ線分、3番目の目標点40と4番目の目標点40とを結ぶ線分のように、図7における辺ADと辺BCとを結ぶ線分を走行線という。即ち、船舶11は、1番目の目標点40から2番目の目標点40までの走行線に沿って走行し、距離間隔43の幅で折り返し、3番目の目標点40から4番目の目標点40までの走行線に沿って走行する。このように、隣接する走行線の間隔の幅は、距離間隔43の幅で一定となっている。よって、水底深度dの測定位置が理想的には距離間隔43の幅より広がることを抑制できるという効果がある。
次に、S22の処理で設定された目標点40の位置(緯度、経度)と目標点40の設定された順番とをRAM23のルートデータ23dに記憶し(S23)、ルート生成処理(S1)を終了する。
このように、距離間隔43と測定範囲44とに基づいて目標点40と走行ルート41とが生成されるため、使用者が測定範囲44内に測量を行う場所の目印となる側線を予め定めておくことを不要にできる。よって、水底深度dを測定する場合に使用者への負担を軽減できるという効果がある。
また、目標点40を設定するとき、距離間隔43を広く設定すれば測定範囲44を折り返す回数が減るため、短時間で測定範囲44内を移動できるが水底深度dの測定位置が少なくなる。一方、距離間隔43を狭く設定すれば折り返す回数が増えるため、測定範囲44内を移動するのに要する時間は長くなるが、水底深度dの測定位置を多くすることができる。本実施形態に係る魚群探知装置12において、使用者は距離間隔43を指定することができるため、使用者は測定に要する時間と測定位置の数とのバランスを自ら選択することができるという効果がある。
なお、距離間隔43は測定範囲44の大きさに応じて決定される距離としてもよい。これにより、測定範囲44の大きさにかかわらず、折り返す回数を所定の回数にすることができるため、折り返しの回数が増えることによる走行時間の延長を防ぐことができる。一方、距離間隔43は測定範囲44にかかわらず一定の距離としてもよい。これにより、折り返しの幅が常に一定になるので、測定範囲44毎に水底深度dを推定するときの精度が変わるのを防ぐことができる。よって、測定範囲44間の水底深度dを推定するときの精度を一定に保つことができるという効果がある。
また、距離間隔43を測定範囲44の大きさに応じて決定される距離としたり、測定範囲44にかかわらず一定の距離としたりした場合、使用者は測定範囲44を設定するだけで目標点40が生成されて走行ルート41が生成されるため、使用者の負担をより軽減できるという効果がある。
次に、図8を参照してメッシュ処理(S2)について説明する。図8は、制御装置20において実行されるメッシュ処理(S2)を示したフローチャートである。
メッシュ処理(S2)がCPU21により実行されると、まず、CPU21はフラッシュメモリ22からメッシュサイズデータ22cを読み出す(S30)。そして、メッシュサイズデータ22cに記憶されたメッシュサイズ22d3をメッシュ47の各辺の長さに設定する(S31)。
次いで、CPU21はRAM23に記憶された測定範囲データ23aを読み出す(S32)。そして、分割領域46が測定範囲44の全域を網羅し且つ測定範囲44を含まないメッシュ47が非存在となるように、各メッシュの識別番号22d1、各メッシュの位置22d2をメッシュデータ22dに設定し、そのメッシュデータ22dの各メッシュの水底深度22d4、水底深度の位置22d5に初期値(例えば「-1」)を設定する(S33)。
次に、CPU21は、メッシュデータ22dと測定範囲データ23aとに基づいて、海図上の所定の位置にメッシュ47を表す枠、測定範囲44を表す枠を表示するように表示コントローラ32に指示を出し(S34)、メッシュ処理(S2)を終了する。メッシュ処理(S2)により、測定範囲44をメッシュ47毎に細分化することができる。そして、メッシュ47毎に水底深度dの推定値を記憶することにより、水底深度dの推定値が記憶されているメッシュ47と、水底深度dの推定値が記憶されていない領域とを簡単に区別することができる。これにより、魚群探知装置12は、メッシュ47の中央部の水底深度dの推定値が設定されていないメッシュ47に向かう走行ルート41を新たに生成することができるという効果がある。また、ひとつのメッシュ47内の複数の位置で水底深度dが測定されたとしても、それらの水底深度dに基づいてそのメッシュ47の中央部の水底深度dが推定されるため、各位置の水底深度dの測定結果を記憶しておくことを不要にすることができる。よって、記憶容量を削減することができるという効果がある。
次に、図9を参照して走行処理(S3)について説明する。図9は、制御装置20において実行される走行処理(S3)を示したフローチャートである。
まず、走行処理(S3)がCPU21によって実行されると、CPU21はルートデータ23dに基づき、表示コントローラ32に対して海図上の所定位置に走行ルート41を示す線を表示するように指示する(S41)。これにより、表示装置15において深度画像に対して重畳して走行ルート41を表示することができる。よって、使用者は表示装置15に表示される走行ルート41を視認することができる。従って、使用者は船舶11が走行ルート41に沿って走行できているか否かを確認しながら船舶11を走行させることができるという効果がある。また、オートパイロット装置18により自動で操舵していない場合に、使用者はこの表示される走行ルート41に沿って船舶11を走行させることで、測定範囲44内における水底深度dの測定をすることができるという効果がある。
次に、S42の処理では、CPU21はm番目に設定された目標点40(目標点m)を示す変数mに1を代入する。なお、変数mは目標点40が設定された順番を示すための変数である。
次いで、CPU21は船舶11がオートパイロット装置18により自動で操舵するように使用者が設定しているか否かの判断をする(S43)。船舶11がオートパイロット装置18により自動操舵されているか否かの判断は、フラッシュメモリ22に記憶された自動操舵データ22bに基づいて行われる。オートパイロット装置18によって自動で操舵されていないと判断した場合(S43:No)、S45の処理へ移行する。一方、オートパイロット装置18によって自動で操舵されていると判断した場合(S43:Yes)は、S44の処理へ移行する。
S44の処理では、CPU21はオートパイロット装置18に目標点mを通過するように指示を出す(S44)。具体的には、CPU21は目標点mの位置(緯度、経度)の情報をオートパイロット装置18に送信し、オートパイロット装置18に目標点40へ向かうように船舶11を自動で操舵させる指示を出す。これにより、目標点mに船舶11を向かわせる場合、オートパイロット装置18により自動で操舵させることができる。よって、使用者による測定範囲44内での操舵が不要になるため、使用者への負担を軽減できるという効果がある。S44の処理の後、S45の処理へ移行する。
S45の処理では、前回水底深度dの情報を取得してから一定距離(例えば、18cm)走行したか否かを判断する。一定距離走行したか否かの判断は、船舶11の位置情報の変化に基づいて行われる。一定距離走行していないと判断した場合は(S45:No)、S51の処理へと移行する。一方、一定距離走行したと判断した場合は(S45:Yes)、S46の処理へ移行する。なお、走行処理(S3)が実行されて初めてS45の処理を行う場合は、まだ一度も水底深度dの情報を取得していないので、S45の処理では必ず肯定判断(S45:Yes)をし、S46の処理へ移行する。
S46の処理でCPU21は、送受信回路31に振動子16が受信した受信信号のうち最新のものをCPU21に送信するように要求する。これにより、送受信回路31は最新の受信信号をCPU21に送信し、CPU21は受信信号を取得することができる。そして、CPU21は、この受信信号に基づいて水底深度dを算出することで、水底深度dの情報を取得する。なお、本実施形態では、CPU21は、船舶11が一定距離走行した場合(S45:Yes)に送受信回路31に受信信号を送信するよう要求する構成としているが、これに限定されるものではない。例えば、CPU21は、一定時間毎に受信信号を送信するよう送受信回路31に要求するようにしてもよい。
次いで、CPU21は、GPSアンテナ17の受信した信号に基づいて得られる船舶11の現在地の位置情報を取得する(S47)。そして、S46の処理で取得した水底深度dの情報とS47の処理で取得した位置情報とその位置を含むメッシュ47の識別番号とを対応付けてRAM23の航跡データ23bに順次記憶し(S48)、S49の処理へ移行する。なお、航跡データ23bには走行処理(S3)で取得された全ての水底深度dの情報と位置情報とが記憶され、測定処理のS9の処理(図5参照)で消去されるまでこれらの情報は蓄積される。
次に、CPU21は、S48の処理で航跡データ23bに記憶した水底深度dと位置情報とを、フラッシュメモリ22のメッシュデータ22dのうちその位置が含まれるメッシュ47の識別番号22d1の水底深度22d4、水底深度の位置22d5として更新する(S49)。これにより、以前に記憶されたメッシュデータ22dの水底深度22d4と水底深度の位置22d5とは、最新の測定値に書き換えられ、最新の情報のみが記憶される。そして、CPU21は、S49の処理でメッシュデータ22dの水底深度22d4に記憶された水底深度dに基づいて深度画像を表示するように表示コントローラ32に指示する。これにより、走行処理(S3)を実行している間は、メッシュ47で測定された水底深度dのうち、最新の水底深度dに基づいて深度画像を表示することができる。よって、メッシュ47の中央部の水底深度の推定値を求める等の複雑な演算をすることなく速やかに深度画像を表示することができるという効果がある。
次に、S51の処理では、CPU21は、目標点mまでの距離が極小となったか否かを判断する。目標点mまでの距離が極小となったか否かの判断は、船舶11から目標点mまでの距離の経時的な変化に基づいて行う。目標点mまでの距離が極小となっていないと判断した場合は(S51:No)、その目標点40を通過していないものとしてS45の処理へ戻る。一方、目標点mまでの距離が極小となったと判断した場合は(S51:Yes)、その目標点40を通過したものとして、CPU21は目標点mまでの走行ルート41を表す線を非表示とするように表示コントローラ32に指示する(S52)。これにより、走行ルート41を表す線のうち走行し終わった部分は非表示となるため、使用者は走行ルート41中のどの目標点40まで通過したのかを理解することができるという効果がある。なお、本実施形態では、目標点40を通過する毎に走行し終えた走行ルート41を表す線を非表示としたが、これに限定されるものではない。例えば、全ての目標点40を通過し終えた後にまとめて走行ルート41を表す線を非表示としてもよい。
次いで、走行ルート41を全て通過したか否かを判断する(S53)。走行ルート41を全て通過したか否かの判断は、目標点40のうち最後に設定された目標点40を通過したか否かを判断することで行われる。走行ルート41を完走していないと判断した場合は(S53:No)、変数mに1を加え(S54)、S43の処理に戻る。そして、船舶11がオートパイロット装置18により自動操舵されている場合は(S43:Yes)、CPU21は、オートパイロット装置18にm+1番目の目標点40へ向かうように指示する。これにより、オートパイロット装置18により自動操舵されている場合、順番に各目標点40を通過することができる。これを繰り返すことで、全ての目標点40を設定された順番に通過することができる。一方、S53の処理で走行ルート41を完走したと判断した場合は(S53:Yes)、走行処理(S3)を終了する。
次に、図10を参照して推定処理(S4)について説明する。図10は、制御装置20において実行される推定処理(S4)を示したフローチャートである。
推定処理(S4)がCPU21によって実行されると、まず、CPU21はメッシュデータ22dの水底深度22d4と水底深度の位置22d5とを初期化する(S80)。これにより、走行処理(S3)にてメッシュデータ22dに記憶された最新の測定値である水底深度dと水底深度dの位置とは一旦消去され、初期値(例えば「-1」)が設定される。ここで、船舶11が走行ルート41を走行している間は、水底深度dの情報が随時取得されるため、魚群探知装置12は、最新の水底深度dの情報を用いて速やかに深度画像を表示する。これに対し、船舶11が走行ルート41を走行し終えた後は、魚群探知装置12は、メッシュ47の中央部の水底深度dの推定値を算出して精度の高い深度画像を表示する。そのため、船舶11が走行ルート41を完走した場合は、メッシュデータ22dの水底深度22d4と水底深度の位置22d5とを一旦初期化している。
次に、CPU21は変数nに1を代入する(S81)。なお、変数nはメッシュ47の数を数えるための変数であり、メッシュ47の識別番号を表している。即ち、メッシュnは識別番号がnであるメッシュ47を表す。
次いで、CPU21はメッシュnの中の位置に対応する航跡データ23bがあるか否かを判断する(S82)。メッシュnの中の位置に航跡データ23bがあるか否かの判断は、航跡データ23b中に識別番号がnであるメッシュ47に対応付けされた水底深度dの情報が記憶されているか否かによって行う。メッシュnに対応する航跡データ23bがないと判断した場合は(S82:NO)、S86の処理へ移行する。一方、メッシュnに対応する航跡データ23bがあると判断した場合は(S82:Yes)、S83の処理へ移行する。
S83の処理では、CPU21はRAM23からメッシュnに含まれる全ての航跡データ23bを読み込み(S83)、S84の処理へ移行する。
次に、S84の処理では、CPU21はS83の処理で読込んだ全ての航跡データ23bを加重平均してメッシュ47の中央部の水底深度dを推定する。具体的には、メッシュ47内の各位置における水底深度dにメッシュ47の中央部からの距離に応じた係数(重み)を乗じたうえで平均値を求める。
メッシュ47の中央部の水底深度dの推定値xは、測量点iの重みw(i)と水底深度d(i)、測量点の数jから次式(1)により求められる。
x=(d(1)×w(1)+d(2)×w(2)・・・+d(j)×w(j))/(w(1)+w(2)・・・w(j))・・・(1)
そして、メッシュ中央部の水底深度dの推定値をメッシュnの水底深度22d4として、又、メッシュnの中央部の位置をメッシュnの水底深度の位置22d5として、フラッシュメモリ22のメッシュデータ22dに記憶し、S86の処理へ移行する。なお、S82の処理でメッシュnに航跡データ23bがないと判断した場合は(S82:No)、S83の処理からS85の処理が実行されないため、メッシュデータ22dの水底深度22d4と水底深度の位置22d5には初期値が記憶されたままとなる。従って、メッシュデータ22dの水底深度22d4と水底深度の位置22d5に初期値が記憶されているメッシュ47は、水底深度dが取得されていないメッシュ47である。
次に、S86の処理では、変数nに1を加算する。そして、変数nがメッシュ47の識別番号のうち最大のものを超えたか否かを判断することで全てのメッシュ47についてS82の処理からS86の処理が終了したか否かを判断する(S87)。全てのメッシュ47についてS82の処理からS86の処理が終了していないと判断した場合は(S87:No)、S82の処理へ戻り、全てのメッシュ47についてS82の処理からS86の処理を繰り返し実行する。一方、全てのメッシュ47についてS82の処理からS86の処理が終了したと判断した場合は(S87:Yes)、CPU21は、S88の処理でメッシュデータ22dの水底深度22d4と水底深度の位置22d5に記憶された情報に基づいて深度画像を表示装置15に表示するように表示コントローラ32に指示し、推定処理(S4)を終了する。
このように、ひとつのメッシュ47内の複数の位置で水底深度dが測定されたとしても、それらの水底深度dに基づいてそのメッシュ47の中央部の水底深度dが推定されるため、各位置の水底深度dの測定結果を記憶しておくことが不要にすることができる。よって、記憶容量を削減することができるという効果がある。
また、加重平均によって求められたメッシュ47の中央部の水底深度dがそのメッシュ47の水底深度dとして推定されるため、水底深度dが測定された各位置からメッシュ中央部までの距離を考慮してメッシュ47の中央部の水底深度dを推定することができる。よって、メッシュ47の水底深度dを精度高く推定できるという効果がある。
更に、深度画像はメッシュ47の水底深度dの推定値に基づいて表示されるため、高い精度で推定された結果を深度画像に反映させることができる。よって、使用者はより正確に水底深度dを把握することができるという効果がある。
上述の通り、魚群探知装置12は、船舶11が走行ルート41を走行中は各メッシュ47で測定された最新の水底深度dに基づいて深度画像を表示するのに対して、船舶11が走行ルート41を走行し終えた後は水底深度dの推定値に基づいて深度画像を表示する。これにより、船舶11が走行中で水底深度dを随時更新している最中はメッシュ47中央部の水底深度dの推定値を求めるなどの複雑な演算を行わずに深度画像を速やかに表示し、走行終了後は演算により水底深度dの推定値を求め精度の高い深度画像を表示することができるという効果がある。
次に、図11を参照して、メッシュ47と航跡49とメッシュ47の中央部における水底深度dの推定値との関係を説明する。図11(a)は、メッシュ47と航跡49の一例とを示した模式図である。図11(b)は、図11(a)に示した航跡49に対し、メッシュ47の中央部における水底深度dの有無を示した模式図である。なお、図11(b)における丸印は、メッシュ47の中央部の水底深度dの推定値が取得されたことを示している。
図11(a)に示す通り、測定範囲44内において船舶11が航跡49を通過した場合、その航跡49上で一定距離走行する毎に水底深度dと測定位置とが対応付けられて、航跡データ23bとして記憶される。その水底深度dの測定位置が図11(a)において測量点45として示してある。そして、測量点45を含むメッシュ47、即ち、水底深度dが測定されたメッシュ47(例えば、メッシュM1、M2等)では、図11(b)に示す通り、メッシュ47の中央部の水底深度dの推定値が取得される。一方、水底深度dが測定されなかったメッシュ47(例えば、メッシュM5、M6、M12)ではメッシュ中央部の水底深度dの推定値は取得されない。
次に、図12を参照して、測定判定処理(S5)について説明する。図12は、制御装置20にて実行される測定判定処理(S5)を示したフローチャートである。
測定判定処理(S5)がCPU21によって実行されると、まず、全てのメッシュ47の中央部における水底深度dの推定値が設定されているか否かを判断する(S100)。全てのメッシュ47の中央部における水底深度dの推定値が設定されているか否かの判断はメッシュデータ22dの水底深度22d4が初期値(例えば「-1」)のものが含まれているか否かにより行われる。
これにより水底深度dを非測定のメッシュ47があるか否かを判断する。水底深度dが非測定のメッシュ47では、メッシュデータ22dの水底深度22d4は初期値から更新されないからである。
S100の処理において、全てのメッシュ47の中央部における水底深度dの推定値が取得されていると判断した場合は(S100:Yes)、RAM23の判定データ23cを「完了」に設定し、測定判定処理(S5)を終了する。一方、全てのメッシュ47の中央部における水底深度dの推定値が取得されている訳ではないと判断した場合は(S100:No)、RAM23の判定データ23cを「未完」に設定し、測定判定処理(S5)を終了する。
本実施形態では、水底深度dの推定値が取得されていないメッシュ47があるか否かで、水底深度dを非測定のメッシュがあるか否かを判断しているが、これに限定されるものではない。例えば、船舶11の航跡49がないメッシュ47を水底深度dが未測定のメッシュ47としてもよい。航跡49がないメッシュ47は、船舶11が通過しておらず、水底深度dが測定されていないからである。
次に、図13を参照して、ルート再生成処理(S7)について説明する。図13は、制御装置20にて実行されるルート再生成処理(S7)を示したフローチャートである。
ルート再生成処理(S7)がCPU21によって実行されると、まず、CPU21は、フラッシュメモリ22からメッシュデータ22dを読み出す(S121)。そして、水底深度dの推定値が取得されていない全てのメッシュ47を抽出する(S122)。
次に、船舶11の現在地と水底深度dの推定値が取得されていないメッシュ47の中央部との距離をそれぞれ算出する(S123)。そして、S123の処理の算出結果のうち現在地から最も近いメッシュ47の中央部を目標点40として、その目標点40を通過するように走行ルート41を生成する(S124)。その後、目標点40と走行ルート41とをRAM23のルートデータ23dに記憶し(S125)、ルート再生成処理(S7)を終了する。
これにより、風や潮流等の影響で船舶11が流されるなどして、水底深度dが非測定のメッシュ47が発生した場合でも、そのメッシュ47に向けた走行ルート41が新たに生成されるため、水底深度dが非測定のメッシュ47で水底深度dの測定をすることができるという効果がある。
また、水底深度dが非測定のメッシュ47のうち、現在地から最も近いメッシュ47の中央部を目標点40として、その目標点40を通過するように走行ルート41が生成されるため、短い移動距離で次の非測定のメッシュ47に移動することができる。よって、効率的に次のメッシュ47に移動することができるという効果がある。
なお、上述の通り、ルート生成処理(S7)が終了すると走行処理(S3)が実行される。そして、走行処理(S3)のS41の処理で、CPU21は新たに生成された走行ルート41を表す線を表示するように表示コントローラ32に指示し(S41)、新たな走行ルート41を表す線が表示装置15に表示される。これにより、新たな走行ルート41が生成された場合も使用者は表示装置15に表示される新たな走行ルート41を視認することができる。従って、使用者は船舶11が新たな走行ルート41に沿って走行できているか否かを確認しながら船舶11を走行させることができるという効果がある。また、オートパイロット装置18により自動で操舵していない場合に、使用者はこの表示される走行ルート41に沿って船舶11を走行させることで、測定範囲44内における水底深度dの測定をすることができるという効果がある。一方、オートパイロット装置18により自動で操舵している場合は、S44の処理によりオートパイロット装置18に目標点mを通過するように指示が出されるため、新たな走行ルート41が生成された場合も、使用者は船舶11を操舵する手間を省くことができるという効果がある。
そして、CPU21は、船舶11が目標点40に向かって走行する間に水底深度dと位置情報を取得し(S46、S47)、それらを航跡データ23bに記憶する(S48)。このとき、航跡データ23bには、新たな走行ルート41の走行で記憶された水底深度dと水底深度dの位置とが、新たな走行ルート41が生成される前の走行ルート41の走行で記憶された水底深度dと水底深度dの位置とに加えて記憶される。
その後、CPU21は、新たに水底深度dと水底深度dの位置とが想定されたメッシュ47におけるメッシュデータ22dの水底深度22d4と水底深度の位置22d5とを最新の測定値に更新する(S49)。そして、そのメッシュデータ22dの水底深度22d4と水底深度の位置22d5とに基づいて深度画像を表示するように表示コントローラ32に指示する(S50)。また、船舶11が目標点40を通過すると(S51)、CPU21は新たな走行ルート41を表す線は非表示とするように表示コントローラ32に指示する(S53)。
そして、推定処理(S4)では、CPU21は航跡データ23bに基づいてそのメッシュ47の中央部の水底深度dを推定し(S84)、その結果をメッシュデータ22dの水底深度dとして記憶する(S85)。そして、CPU21はメッシュデータ22dの水底深度22d4に基づいて深度画像を表示するように表示コントローラ32に指示する(S88)。
これにより、本実施形態に係る魚群探知装置12は、新たに生成された走行ルート41を船舶11が走行した場合、走行中は最新の水底深度dの測定値に基づいて深度画像を更新することができ、走行ルート41と走行し終えるとメッシュ47中央部の水底深度dの推定値に基づいて深度画像を表示することができるという効果がある。
次に、図14を参照して、本実施形態に係る魚群探知装置12効果について説明する。図14(a)は、水底深度dが未測定のメッシュ47へ向かう走行ルート41を示した模式図である。図14(b)は、そのときの航跡49を示した模式図である。図14(c)はメッシュ47とメッシュ47の中央部における水底深度dの有無とを示した模式図である。なお、これらの図における丸印は、メッシュ47の中央部の水底深度dの推定値が取得されたことを示している。
図14(a)に示す通り、メッシュM5、M6、M12の中央部における水底深度dの推定値が取得されていない。そこで、ルート再生成処理(S7)により、船舶11の現在地から最も近い非測定のメッシュ47であるメッシュM5の中央部を目標点40とする新たな走行ルート41が生成される。そして、走行処理(S3)におけるS51の処理によりメッシュM5の中央部を目標点40とした走行ルート41を完走したと判断し、メッシュM6、M12の中央部における水底深度dの推定値が取得されていないと判断すると、ルート再生成処理(S7)が実行され、メッシュM5の中央部から最も近い非測定のメッシュ47であるメッシュM6の中央部を目標点40とする新たな走行ルート41が生成される。
更に、走行処理(S3)におけるS51の処理によりメッシュM6の中央部を目標点40とした走行ルート41を完走したと判断し、メッシュM12の中央部における水底深度dの推定値が取得されていないと判断すると、ルート再生成処理(S7)が実行され、メッシュM6の中央部から最も近い非測定のメッシュ47であるメッシュM12の中央部を目標点40とする新たな走行ルート41が生成される。そして、図14(b)に示す通り、これらの走行ルート41を船舶11が順次移動することで、メッシュM5、M6、M12内で水底深度dの測定値を取得することができる。そして、図14(c)に示す通り全てのメッシュ47において中央部における水底深度dの推定値を取得することができる。
このように、走行ルート41を完走し終えた地点から最も近い非測定のメッシュ47の中央部を目標点40に設定することを繰り返すことで、短い移動距離で全ての非測定のメッシュ47に移動することができるという効果がある。
そして、全てのメッシュ47において中央部における水底深度dの推定値を取得することで、その推定値に基づいて、深度画像の各位置における測定範囲44内の水底深度dを漏れなく表示装置15に表示することができる。
以上説明した通り、第1実施形態に係る魚群探知装置12によれば、距離間隔43と測定範囲44とに基づいて目標点40と走行ルート41とが生成されるため、使用者が測定範囲44内に測量を行う場所の目印となる側線を予め定めておくことを不要にできる。よって、水底深度dを測定する場合に使用者への負担を軽減できるという効果がある。
また、走行処理(S3)のS53の処理(図9参照)で走行ルート41を完走したと判断し、測定処理のS6の処理(図5参照)で判定データ23cが「未完」に設定されている場合に、ルート再生成処理(S7)が実行され、水底深度dが非測定のメッシュ47の中央部を目標点40とした走行ルート41が生成される。これにより、走行ルート41を走行中に水底深度dを非測定のメッシュ47が発生した場合でも、走行ルート41の全てを走行し終えるまでは水底深度dが非測定のメッシュ47に向けた走行ルート41は新たに生成されないため、船舶11は速度を落とすことなく当初の走行ルート41に従って移動することができるという効果がある。
第1実施形態に係る魚群探知装置12によれば、走行ルート41が表示装置15に表示される。そのため、オートパイロット装置18を用いず手動で船舶11を操舵する場合でも、表示装置15に表示される走行ルート41に従って船舶11を走行させるだけで、測定範囲44内の水底深度dを測定することができるという効果がある。
次いで、図15を参照して第2実施形態に係る魚群探知装置12について説明する。第1実施形態に係る魚群探知装置12は、ルート再生成処理(S7)において、水底深度dを非測定のメッシュ47のうち、現在地から最も近いメッシュ47の中央部のみを目標点40として、その目標点40を通過するように走行ルート41を生成した。これに対して、第2実施形態に係る魚群探知装置12は、水底深度dが非測定の全てのメッシュ47の中央部を目標点40とする。更に、それらの目標点40を、ルート再生成処理(S7)を実行する段階の船舶11の位置から近い順に並べて走行ルート41を生成する。なお、その他の魚群探知装置12の構成、及び、測定処理の各処理は第1実施形態と同一であるので、その説明を省略する。以下、同一の構成については第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
図15は、第2実施形態における魚群探知装置12の制御装置20において実行されるルート再生成処理(S7)を示したフローチャートである。第2実施形態におけるルート再生成処理(S7)では、第1実施形態と同様にS121~S123の処理を実行した後、CPU21は全てのメッシュ47の中央部を現在地から距離が近い順に目標点40として走行ルート41を生成する(S140)。そして、CPU21は目標点40と目標点40が設定された順番とをルートデータ23dに記憶し(S141)、ルート再生成処理(S7)を終了する。
これにより、船舶11の位置から近い順に水底深度dを非測定のメッシュ47を並べ替えることで走行ルート41を生成することができるため、簡単な演算で走行ルート41を生成することができるという効果がある。
その他、第2実施形態における魚群探知装置12は、第1実施形態の同一の構成によって同一の効果を奏する。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。また、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記各実施形態では、オートパイロット装置18により自動で操舵している場合、使用者により手動で操舵されている場合のいずれであるかにかかわらず、水底深度dを非測定のメッシュ47の中央部を目標点40とした走行ルート41を再度生成したが、これに限定されるものではない。例えば、オートパイロット装置18により自動で操舵している場合に、水底深度dを非測定のメッシュ47の中央部を目標点40とした走行ルート41を再度生成してもよい。例えば、風や潮流などの影響で船舶11が流されて、水底深度dが非測定のメッシュ47が発生する可能性ある。この場合、オートパイロット装置18により自動で操舵されているときに、水底深度dが非測定のメッシュ47の中央部を目標点40とした走行ルート41が生成され、CPU21は新たに目標点40に向かうようにオートパイロット装置18に指示するため、使用者にとって負担がなく非測定のメッシュ47で水底深度dを測定することができる。即ち、新たな走行ルート41が自動で生成され、船舶11が自動で操舵されるため、全てのメッシュ47で水底深度dを自動で取得することができるという効果がある。一方、使用者により手動で操舵されている場合には、船舶11が風や潮流などの影響で流されたとしても使用者が直ちに船舶11を走行ルート41に戻すことができるため、走行ルート41を新たに生成する必要性は低い。
上記各実施形態では、船舶11の海上の位置情報を取得するためにGPSアンテナ17を用いたが、これに限定されるものではない。衛星からの電波に基づいて位置情報を取得できる衛星測位システムであればよく、例えば、ガリレオ等の衛星測位システムを用いてもよい。
上記第1実施形態に係る魚群探知装置12は、ルート再生成処理(S7)において、水底深度dを非測定のメッシュ47のうち、現在地から最も近いメッシュ47の中央部のみを目標点40として、その目標点40を通過するように走行ルート41を生成した。これに対して、水底深度dが非測定のメッシュ47のうち、現在地から最も近いメッシュ47の中央部を1番目の目標点40とする。そして、1番目の目標点40から最も近いメッシュ47の中央部を2番目の目標点40とする。このように、目標点40から最も近い水底深度dが非測定の全てのメッシュ47の中央部を次の目標点40として順に通過する走行ルート41を生成してもよい。
上記各実施形態では、水底深度dの測定の有無を判断するときのメッシュと、水底深度dの推定値を求めるときのメッシュとを同一のものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、水底深度dの測定の有無を判断するときのメッシュサイズを、水底深度dの推定値を求めるときのメッシュサイズと異なるものとしてもよい。この場合、水底深度dの測定の有無を判断するときのメッシュサイズが水底深度dの推定値を求めるときのメッシュサイズよりも大きいと、水底深度dの測定結果が有ると判断したにもかかわらず、水底深度dの推定値を求めるときのメッシュ47には測定結果がないこともあり得る。そのため、水底深度dの測定の有無を判断するときのメッシュサイズを、水底深度dの推定値を求めるときのメッシュサイズより小さいものとするとよい。一方で、上記各実施形態のように水底深度dの測定の有無を判断するときのメッシュと、水底深度dの推定値を求めるときのメッシュとを同一のものとすれば、水底深度dの測定結果が有ると判断したにもかかわらず、水底深度dの推定値を求めることができないメッシュが発生することはない。その上、水底深度dの測定の有無を判断するときのメッシュと、水底深度dの推定値を求めるときのメッシュとを別々に用意することを不要にできるという効果がある。
上記第1実施形態では、走行ルート41は直角に2回曲がるようにして折り返しているが、これに限定されるものではない。例えば、走行ルート41は、鋭角にジグザグ状に曲がることで折り返すように設定されてもよい。このとき隣接する走行線の間隔が最大となる距離を距離間隔43となるようにしてもよい。図16は、そのジグザグ状に折り返した走行ルート41の一例を示す模式図である。ここでは、図16における頂点Aを1番目の目標点40とした場合を例に挙げて、目標点40の設定について説明する。1番目の目標点40から下方向に向かって距離間隔43の半分の距離の位置と2番目の目標点40とを結ぶ線分が図16における辺CDと平行になるように、図16における辺BC上の位置に2番目の目標点40を設定する。次に、図16における辺AD上の位置であって、1番目の目標点40から下方向に向かって距離間隔43離れた位置に3番目の目標点40を設定する。そして、図16における辺BC上の位置であって、2番目の目標点40から下方向に向かって距離間隔43離れた位置に4番目の目標点40を設定する。図16における辺AD上の位置であって、3番目の目標点40から距離間隔43離れた位置を新たな起点(5番目の目標点40)とし、3番目の目標点40と4番目の目標点40までと同様の方法で5番目の目標点40と6番目の目標点40までを設定する。以降、同様に2つの目標点40の設定を繰り返し、測定範囲44内を走行するときの目標点40を設定する。なお、新たに設定する目標点40が図16における辺AD上又は辺BC上にない場合は、測定範囲44の全範囲に目標点40が設定されたものとして、目標点40の設定を終了する。走行ルート41をジグザグ状に折り返すことにより、測定範囲44内を走行するときの移動距離を短くすることができるという効果がある。これにより設定された目標点40のうち、1番目の目標点40と2番目の目標点40とを結ぶ線分、2番目の目標点40と3番目の目標点40とを結ぶ線分のように、図16における辺ADと辺BCとを結ぶ線分が走行線である。即ち、船舶11は1番目の目標点40から2番目の目標点40までの走行線に沿って走行し、折り返して、2番目の目標点40から3番目の目標点40までの走行線に沿って走行する。このとき、隣接する走行線の間隔の幅が最大となるときに距離間隔43の幅となっている。よって、水底深度dの測定位置が理想的には距離間隔43の幅より広がることを抑制できるという効果がある。
上記第1実施形態では、測定範囲44を示す四角形ABCD(図7参照)において、辺AD上、辺BC上以外の位置には目標点40を設定していないが、これに限定されるものではない。例えば、1番目の目標点40と2番目の目標点40との間に少なくとも1つの目標点40を設定し、これを繰り返すことで測定範囲44内を走行するときの目標点40を順に設定してもよい。これにより、目標点40同士の間隔が狭くなるため、船舶11が風や潮流などの影響で走行ルート41から外れた場合でも、速やかに軌道修正することができるという効果がある。
上記各実施形態では、海図画像表示装置として魚群探知装置12を例示したが、これに限られるものではない。例えば、海図を表示して、船舶11が航行した軌跡である航跡49を表示するプロッタ装置に対して、本発明を適用してもよい。また、1つの方向に送信される超音波ビームTBの送信方向を変化させながら、所定範囲に亘り水中や水底の探知を行うソナー型の魚群探知装置又はプロッタ装置に本発明を適用してもよい。
上記各実施形態では、メッシュ47の形状を実質的には略正方形の四角形としたが、メッシュ47の形状は略正方形の四角形に限定されるものではない。例えば、メッシュの形状を四角形でなく三角形としてもよい。この場合、三角形の重心をメッシュの中央部としてもよい。
上記各実施形態では、推定処理(S4)においてメッシュ47の中央部の水底深度dの推定値を加重平均によって求めたが、これに限定されるものではない。例えば、メッシュ47で測定された最新の水底深度dを、そのメッシュ47の中央部の水底深度dの推定値としてもよい。また、メッシュ47の中央部の水底深度dの推定値は、加重平均によって求めた値とするか、そのメッシュ47で測定された最新の水底深度dとするかを使用者が選択できるようにしてもよい。