JP2016217810A - 微小粒子検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オートフォーカス機能を有しない場合でも、小型軽量で且つ高い信頼性で焦点位置を検出できる。
【解決手段】微小粒子検出装置は、光源(8,12)からの光をディスク(6)の検体に照射する照射光学系(1)と、上記検体中の微小粒子からの光を検出する光検出光学系と、上記微小粒子を検出する検出部と、上記照射光学系(1)で集光された光の焦点位置を検出するためのテストサンプルと、上記ディスク(6)および上記テストサンプルをホルダ(26)に収容して回転させる回転駆動系とを備え、上記テストサンプルは、上記回転軸方向の第1レベルの位置に配された第1光散乱膜パターンと第2レベルの位置に配された第2光散乱膜パターンとを有し、上記光検出光学系は、上記両光散乱膜パターンから発せられた光を検出可能になっており、上記検出部は、上記検出された上記両光散乱膜パターンからの光の強度に基づいて、上記焦点位置を検出可能になっている。
【選択図】図1

Description

この発明は、微小粒子検出装置に関する。
従来より、微小粒子検出装置として、液体中またはメンブレンやスライドガラス上に展開された微小粒子に光を照射し、上記微小粒子から発生する蛍光あるいは散乱光を検出して、粒子の計数または性状検査を行うものがある。ここで、上記微小粒子としては、無機粒子、微生物、細胞、血液中の赤血球、白血球、血小板、血管内皮細胞、上記組織の微小細胞片等が含まれる。そして、上記微小粒子は、液体中にある場合には微小粒子懸濁液となる。
上記微小粒子の検出方法としては、フローサイトメーターが一般的である。
上記フローサイトメーターにおいては、上記微小粒子の懸濁液を毛細管にシース液と共に流す。そして、上記毛細管の一部にレーザー光を照射し、上記微小粒子に光が当たった時に生ずる散乱光または蛍光を検出することによって、粒子の種類や粒子の大きさを分類する。例えば、特定の粒子と結合する蛍光試薬で粒子を標識することによって、蛍光を発する粒子の数を計数して上記特定の粒子のみを計数することができる。
しかしながら、サブミクロンの粒子から発せられる散乱光の強度を定量的にまで測定可能なフローサイトメーターは、装置が大型であって高価なシステムとなっている。
また、一般的に、上記フローサイトメーターにおいては、フロー機構等の複雑な機構が必要であり、メンテナンス性の悪化やコスト上昇の原因となっている。
上記フローサイトメーター以外の粒子の検出方法として、上記フロー機構を用いずに、微小粒子が二次元的に分布する所定の範囲を撮像して、撮像画像の情報から微小粒子の数を係数し、さらには種類や大きさを判定する方法がある。この方法では、撮像画像を用いて粒子の検出や分析を行うことから、上記フローサイトメーターに対してイメージサイトメーターと呼ばれる。
上記イメージサイトメーターにおける画像化方法としては、ある程度の視野範囲を有する顕微鏡とデジタルカメラとから成る撮像装置を用いて、光源および上記撮像装置を固定した状態で視野範囲の二次元領域を撮像する方法と、光学ヘッドを二次元的にスキャンしながら散乱光または蛍光を検出して、スキャン領域の粒子を画像化する方法とがある。
上記顕微鏡とデジタルカメラとによる撮像の場合には、1μm以上の粒子では高精度な画像測定が可能であるが、サブミクロンの粒子を測定する場合には、高倍率な対物レンズを有する顕微鏡と高感度な(つまり、低ノイズでダイナミックレンジの幅が広い)デジタルカメラとが必要になるので、非常に高価なシステムとなる。また、サブミクロン粒子の場合、光の波長と粒子のサイズとが同等になるので回折限界によって結像性能が低下し、粒子サイズの正確な判定が困難になる。
さらに、上記顕微鏡として蛍光顕微鏡システムを用いれば、容易に粒子を検出することが可能である。ところが、同様に、サブミクロン粒子の場合に光の波長と粒子のサイズとが同等になるので、粒子サイズの正確な判定ができない。
一方、上記レーザーを有する光学ヘッドをスキャンしながら散乱光または蛍光を検出するシステムにおいては、レーザー光を粒子に集光して照射し、粒子から発生する散乱光または蛍光を検出しながら、上記レーザー光を搭載した光学ヘッドを二次元的に走査して画像化する。
このように、上記光学ヘッドを上記サンプルに対して相対的にスキャンしながら光を検出するシステムにおいては、サブミクロンの粒子を検出する場合、レーザー光の照射スポット径は、粒子サイズと同等かそれ以上に大きくなる。そのために、二次元スキャンの結果得られる画像は、粒子の一つ一つが解像された画像になってはいないので、画像から直接粒子の大きさを計測することは困難である。ところが、上記レーザー光の照射スポットが粒子サイズよりも大きくても、粒子サイズによって粒子から生じる散乱光強度が異なるので、散乱光の強さから粒子径を判定することは可能である。その理由は、粒子径と散乱光強度とに相関があるためである。
その場合、散乱光を高感度に検出する検出器(低ノイズで広ダイナミックレンジな検出器)とレーザー光源とが必要になるが、高倍率な対物レンズを有する顕微鏡と高感度なデジタルカメラとを用いるシステムに比較して、安価なシステム構成が可能である。
しかしながら、上記従来の光学ヘッドをサンプルに対して相対的にスキャンしながら光を検出するシステムにおいては、以下のような問題がある。
すなわち、上記二次元スキャンを行ってサンプルからの散乱光を検出するシステムにおいては、検出の感度や分解能を高めるためには照射スポットを集光させて小さくする必要がある。LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)やランプ光源では十分に集光できないため、レーザー光源を用いる必要がある。上記レーザー光源の場合、半導体レーザーが小型で安価であり、有利である。ところが、波長帯によっては、高価になる場合や、上記半導体レーザーと比較して体積が大きい固体レーザーしか得られない場合がある。そのために、波長帯によっては高価なシステムになる場合がある。
また、上記二次元スキャンを行うシステムにおいては、サンプルまたは光学ヘッドを二次元走査する必要があり、サンプルまたは光学ヘッドの往復動作における加減速の時間が必要となる。そのために、スキャン間隔が細かくなった場合には走査時間が長大になるという問題がある。
そこで、このような二次元スキャンを行うシステムの問題点を解消するために、特開2002‐310886号公報(特許文献1)に開示されたディスクサイトメトリーによる分析装置が提案されている。
特許文献1においては、細胞,菌体,ウイルス,DNA,ミトコンドリア等の粒子様物質を含む検体を板状のサンプル容器内に注入する。そして、上記サンプル容器を遠心してサンプル容器内に粒子様物質の分布を形成せしめ、プレパラートを得る。その後、上記プレパラートである上記サンプル容器に対してレーザー光を照射および走査して、粒子様物質から得られる蛍光強度,散乱光強度,散乱固体数のうちの少なくとも何れか1組のデータを分析データとして取得するようにしている。
すなわち、上記特許文献1では、遠心分離法とフローサイトメトリーのような蛍光標識法とを組み合わせることによって、画像取得機能と細胞等の標本化機能とを併せ持った分析装置を構成している。
そして、この分析装置においては、試料を、円形のディスク(円盤)状のサンプル容器に重層し、ある時間ある回転数で遠心した後、ある勾配に従って並んだ粒子様物質等を、サンプル容器を回転させながら半径方向にレーザー照射によるスキャンを行い、蛍光強度と散乱光強度と個数とを分析情報として取り込むようにしている。また、目的に応じて、共焦点レーザー顕微鏡の光学系によって、センサからのディスクの位置情報に基づいて、その位置での画像情報を取得するようにしている。尚、上記検出位置の情報は、上記サンプル容器の端面に刻まれた凹凸により読み取っている。
しかしながら、上記特許文献1に開示されたディスクサイトメトリーによる分析装置においては、以下のような問題がある。
すなわち、上記ディスク状のサンプル容器を回転させながらスキャンを行う場合、上記サンプル容器の回転時に発生する面ブレにより、試料としての上記粒子様物質の一部が励起光としての上記レーザー光の焦点深度から外れると、その部分で焦点ぼけが発生して、粒径や計数の解析を行うのに適した画像が取得できないという問題がある。したがって、全領域において焦点ぼけが発生することなく画像化するためには、少なくとも、上記サンプル容器の回転中に上記レーザー光の焦点深度内に上記粒子様物質の厚みが存在する必要がある。
焦点位置の調整方法として、光ディスク読み取り装置のように小型のものであれば、光学ヘッドにフォーカス位置補整機能を搭載するのが一般的である。ところが、上記特許文献1に開示されたディスクサイトメトリーによる分析装置においては、
(1)コストが高くなる
(2)複数情報を取得する共焦点系の場合には構成が複雑になる
ということが考えられる。
光学系の設計次第で、焦点深度を大きくすることもできる。ところが、試料(上記粒子様物質)の厚みに対して焦点深度を大きくし過ぎると、使用するレンズ等の光学部品が限定されてしまうことや、試料以外の物質や迷光を取り込む可能性が高くなること等の弊害もある。
以上のことから、上記焦点深度は、上記サンプル容器(光ディスク)の面ブレ量と上記試料(上記粒子様物質)との厚みの合計値で算出される必要最小限の大きさに設計し、励起光(上記レーザー光)の焦点位置が上記サンプル容器中の試料厚みの中心と一致していることが望ましい。さらに細かく言えば、上記サンプル容器(光ディスク)の回転時に上記サンプル容器(光ディスク)の面ブレが発生する場合、実際に上記サンプル容器(光ディスク)を回転させた際における試料の上端が通過する高さと上記試料の下端が通過する高さとの中心位置に、励起光(上記レーザー光)の焦点位置を合わせるのが望ましい。
すなわち、上記ディスクサイトメトリーによる微小粒子検出装置においては、上記レーザー光等の励起光の焦点位置が適切であるかを確認し、必要に応じて上記焦点位置を調整可能であることが必要である。
そこで、特開3928846号公報(特許文献2)に開示された共焦点光学系を有するスキャナにおいては、対物レンズの位置を調整するようにしている。
すなわち、発光材料を距離測定用デバイスの表面の基準位置にセットし、レーザー光によって走査して、上記基準位置にセットされた上記発光材料を励起し、上記発光材料から放出される蛍光を光検出器によって光電的に検出しつつ、共焦点光学系の対物レンズの位置を所定の移動ピッチで変化させ、上記光検出器で検出された上記蛍光の信号強度に基づいて、上記対物レンズのフォーカス位置を決定して不揮発性メモリに記憶し、制御手段によって、上記記憶された上記対物レンズのフォーカス位置データに基づいて、上記不揮発性メモリに保存されている上記位置データを補正し、補正された上記対物レンズのフォーカス位置データに基づいて、駆動手段に駆動信号を出力して、上記対物レンズを移動させて上記対物レンズの位置を調整するようにしている。
特開2002‐310886号公報 特開3928846号公報
しかしながら、上記特許文献2に開示された従来の共焦点光学系を有するスキャナにおいては、以下のような問題がある。
すなわち、上記「共焦点光学系を有するスキャナ」では、上記補正された上記対物レンズのフォーカス位置データに基づいて、上記駆動手段(ステッピングモーター)を駆動して上記対物レンズを光軸方向に移動させて、上記対物レンズのフォーカス位置を調整するようにしている。
したがって、上記共焦点光学系を有するスキャナにおいては、上記蛍光の信号強度に基づいて上記対物レンズのフォーカス位置を決定する手段や、上記光検出器で検出された共焦点光学系を構成する上記対物レンズを光軸方向に移動させるステッピングモーターが必要であるため、蛍光検出光学系が複雑化し、大型になる。そのために、上記「共焦点光学系を有するスキャナ」の装置全体が大型になるという問題がある。
さらに、上記蛍光検出光学系の重量が重くなり、高速にスキャンできなくなるという問題もある。
また、上記蛍光検出光学系がオートフォーカス機能を有しない場合には、搬送時の振動や繰り返し動作時の振動によって生じ得る僅かな装置の機械的ずれが、直接上記発光材料の焦点位置ずれとなり、測定精度を悪化させるという問題がある。
また、測定時においては、検体としての上記発光材料の厚みの中心に焦点高さを合わせる必要がある。しかしながら、検出光学系の焦点深度を大きく設計した場合には、フォーカス調整時に、所定の焦点高さに手動で調整するのが困難であるという問題がある。
そこで、この発明の課題は、オートフォーカス機能を有しない場合でも、小型で軽量であり、且つ高い信頼性で、検体の厚み方向の焦点位置を検出できる微小粒子検出装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の微小粒子検出装置は、
微小粒子を含む検体が注入される検体注入部を有するディスクと、
光源と、
上記光源から出射された光を、上記ディスクにおける上記検体に対して集光して照射する照射光学系と、
上記光の照射によって上記検体中の上記微小粒子から発せられた光を検出する光検出光学系と、
上記光検出光学系によって検出された上記微小粒子からの光の強度に基づいて、上記微小粒子を検出する検出部と、
上記照射光学系によって集光された光の焦点位置が、上記ディスクにおける回転軸方向の何れに在るかを検出するためのディスク状のテストサンプルと、
上記ディスクおよび上記テストサンプルを収容するホルダを含み、上記ディスクおよび上記テストサンプルを回転させる回転駆動系と
を備え、
上記テストサンプルは、上記照射光学系によって光が照射される位置であって、上記回転軸方向の第1レベルの位置に配された第1光散乱膜パターンと、上記第1レベルとは異なる第2レベルの位置に配された第2光散乱膜パターンとを有し、
上記光検出光学系は、上記光の照射によって上記テストサンプルにおける上記第1光散乱膜パターンから発せられた光と上記第2光散乱膜パターンから発せられた光とを検出可能になっており、
上記検出部は、上記光検出光学系によって検出された上記第1光散乱膜パターンおよび上記第2光散乱膜パターンからの光の強度に基づいて、上記焦点位置を検出可能になっている
ことを特徴としている。
また、一実施の形態の微小粒子検出装置では、
上記検出部は、上記光検出光学系によって検出された上記第1光散乱膜パターンからの光の強度と上記第2光散乱膜パターンからの光の強度とを比較し、この比較結果に基づいて、上記焦点位置における上記回転軸方向の基準位置からのずれの方向とずれの量とを検出可能になっている。
また、一実施の形態の微小粒子検出装置では、
上記テストサンプルの上記第1光散乱膜パターンと上記第2光散乱膜パターンとにおける上記回転軸方向の中間位置を、上記基準位置としている。
また、一実施の形態の微小粒子検出装置では、
上記ディスクの上記検体注入部における上記回転軸方向の位置は、上記テストサンプルの上記第1光散乱膜パターンと上記第2光散乱膜パターンとにおける上記回転軸方向の中間位置に対応している。
また、一実施の形態の微小粒子検出装置では、
上記テストサンプルは、上記照射光学系によって光が照射される位置であって、上記第1光散乱膜パターンと上記第2光散乱膜パターンとにおける上記回転軸方向の中間位置に配された第3光散乱膜パターンを有している。
また、一実施の形態の微小粒子検出装置では、
上記テストサンプルには、上記第1光散乱膜パターンと上記第2光散乱膜パターンとを含む光散乱膜パターン群が、上記回転軸を中心とする円周上における異なる位置に複数配置されている。
以上より明らかなように、この発明の微小粒子検出装置は、上記回転軸方向の第1レベルの位置に配された第1光散乱膜パターンと、上記第1レベルとは異なる第2レベルの位置に配された第2光散乱膜パターンとを有するテストサンプルを用いて、上記光検出光学系によって検出された上記第1光散乱膜パターンおよび上記第2光散乱膜パターンからの光の強度に基づいて、上記検出部によって、上記照射光学系で集光された光の焦点位置を検出可能にしている。
したがって、二つの異なるレベルの夫々に配置されている光散乱膜パターンからの光の強度の関係から、上記テストサンプルにおける上記回転軸方向のずれのみならず、ずれの方向も判定することが可能になる。
これに対し、上記回転軸方向における1つのレベルにのみ上記光散乱膜パターンが在る場合には、上記光散乱膜パターンからの光の強度を検出することにより、上記光散乱膜パターンが上記焦点位置からずれていることは判定可能であるが、何れの方向にずれているかは判定することができない。
すなわち、この発明によれば、オートフォーカス機能を有しない場合であっても、小型で軽量であり、且つ高い信頼性で、検体の厚み方向の焦点位置を検出することができる。
この発明の微小粒子検出装置における概略構成を示す図である。 テストサンプルの外観斜視図および周方向部分断面図である。 テストサンプルの周方向への走査による信号強度を示す図である。 図2とは異なるテストサンプルの平面図および周方向部分断面図である。 ディスクのチルトによる検体注入部と焦点深度の位置変化を示す図である。 図1とは異なる微小粒子検出装置における回転駆動系の概略構成図である。 図2に示すテストサンプルを用いた面ブレ量計測方法の説明図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
・第1実施の形態
図1は、本実施の形態の微小粒子検出装置の概略構成を示す図である。この微小粒子検出装置は、検体が注入されたディスクと、ディスクを回転させる回転駆動系と、散乱光または蛍光を検出する光検出光学系と、上記光検出光学系を半径方向に駆動させる駆動機構とから、概略構成されている。
図1において、1は光源装置、2は対物レンズ、3は第1検出装置、4は第2検出装置である。光源装置1と対物レンズ2と第1検出装置3と第2検出装置4とは、枠体内に収納されて光学モジュール5を構成している。そして、光学モジュール5の上方には対物レンズ2に対向して円形のディスク6が配置され、ディスク6内には例えば蛍光物質によって標識された微小粒子が分布する懸濁液やゲル支持体やメンブレン等の転写支持体がサンプル(上記検体)7として封入されている。
上記光学モジュール5の光源装置1には、上記光源の一例である第1半導体レーザー8が設けられており、第1半導体レーザー8の光軸上には、第1レンズ9,スポットサイズ調整レンズ10および第1アパーチャ11をこの順で配置している。さらに、第1半導体レーザー8に加えて、第1半導体レーザー8から出射されるレーザー光の第1波長とは異なる、第2波長のレーザー光を出射する上記光源としての第2半導体レーザー12を配置している。さらに、第2半導体レーザー12からのレーザー光を平行光化する第2レンズ13を配置している。そして、第1半導体レーザー8の光軸と第2半導体レーザー12の光軸との交差位置には、第1波長のレーザー光を透過する一方、第2波長のレーザー光を反射する第1ダイクロイックミラー14を配置している。ここで、第1半導体レーザー8,第1レンズ9,スポットサイズ調整レンズ10,第1アパーチャ11,第2半導体レーザー12,第2レンズ13および第1ダイクロイックミラー14は、一つのケース内に収納されて上記照射光学系の一例である光源装置1を構成している。
さらに、上記第1半導体レーザー8の光軸上には、第1ダイクロイックミラー14を透過した光を、対物レンズ2側に向かうように反射させるプリズム15を配置している。また、プリズム15によって反射された光と対物レンズ2の光軸との交差位置には、プリズム15からの光を対物レンズ2に入射するように反射させる第2ダイクロイックミラー16を配置している。ここで、第2ダイクロイックミラー16は、サンプル7からの蛍光を透過する一方、散乱光を反射する。
尚、この発明で言うところの「散乱光」とは、第1半導体レーザー8または第2半導体レーザー12から出射された光が、サンプル7の照射箇所から周囲に等方的に散乱された光であり、出射光と同じ波長の光である。これに対し、「蛍光」とは、第1半導体レーザー8または第2半導体レーザー12から出射された光がサンプル7を照射して微小粒子を標識している蛍光物質を励起し、サンプル7の照射箇所から周囲に等方的に散乱された蛍光であり、出射光とは異なる波長の光である。
ここで、詳述はしないが、上記対物レンズ2はレンズホルダ(図示せず)に格納されており、ステッピングモータ等の駆動部(図示せず)によって光軸方向に移動されて、焦点位置を変更可能になっている。また、スポットサイズ調整レンズ10はレンズホルダ(図示せず)に格納されており、駆動部(図示せず)によって光軸方向に移動されて、スポットサイズを調整可能になっている。
また、図1において、上記対物レンズ2の光軸上における第2ダイクロイックミラー16の下方には、第2ダイクロイックミラー16側から順に、対物レンズ2によって集光されて平行光に変換されたサンプル7からの光(蛍光とは異なる波長の光)を減光するバンドパスフィルタ17、バンドパスフィルタ17を通過した蛍光を集光する第3レンズ18、および、第3レンズ18を通過した蛍光の迷光をカットする第2アパーチャ19が配置されている。さらに、対物レンズ2の光軸上における第2アパーチャ19の下方には、第2アパーチャ19を通過した蛍光を検出する光電子増倍管(PMT)等の検出素子を含む第1検出器20が配置されている。ここで、第2アパーチャ19と第1検出器20とは、一つのケース内に収納されて上記光検出光学系の一例である第1検出装置3を構成している。
上記プリズム15と第2ダイクロイックミラー16とを結ぶ光軸上におけるプリズム15の図1中の左方には、プリズム15側から順に、対物レンズ2により集光されて平行光に変換されたサンプル7からの散乱光を減光するND(減光)フィルタ21、NDフィルタ21を通過した散乱光を集光する第4レンズ22、および、第4レンズ22を通過した散乱光の迷光をカットする第3アパーチャ23が配置されている。さらに、第3アパーチャ23の左方には、第3アパーチャ23を通過した散乱光を検出する上記PMT等の検出素子を含む第2検出器24が配置されている。ここで、第3アパーチャ23および第2検出器24は、一つのケース内に収納されて上記光検出光学系の一例である第2検出装置4を構成している。尚、ダイクロイックミラーを追加して、上記検出装置を3つ以上としても良い。
尚、上記構成においては、上記第1半導体レーザー8および第2半導体レーザー12の複数の光源を搭載しているが、必ずしも複数の光源が必要ではない。
上記ディスク6は透明に且つ円形に構成されており、回転軸25に固定された円形の皿状のホルダ26に収容されて、回転軸25に対して固定されている。回転軸25は、上記回転駆動系の一例としてのスピンドルモータ27で回転可能になっている。これに対し、光学モジュール5は、ディスク6が成す円板の半径方向に、上記駆動機構によって段階的に移動可能になっている。尚、光学モジュール5の上記駆動機構については特に限定するものではない。例えば、光学モジュール5の枠体を、ステッピングモータ等で上記半径方向に往復動されるタイミングベルト等により、上記半径方向に配設されたガイドレールで案内されて、移行可能に構成する。
上記ディスク6は、上述したように、円形に形成されている。そして、ディスク6が一回転する毎に、光学モジュール5は1ステップ移動するように設定するのである。但し、円板状のディスク6について、上述の動作をディスク6を連続回転させながら行うには、ディスク6に一定幅を有して半径方向に延在する帯状の非検出領域を設定し、対物レンズ2からの励起光のスポットが上記非検出領域を移動する間に光学モジュール5を1ステップ移動させる必要がある。
尚、得られた蛍光画像を解析する際に支障がなければ、ディスク6を連続回転させながら、光学モジュール5を連続的に移動させて、螺旋状に走査するようにしても構わない。
上記構成において、光検出を行う際には、上記ディスク6を回転させながら光学モジュール5をディスク6の半径方向に移動させて、サンプル7内の微小粒子からの蛍光または散乱光の検出を行う。
以下、一例として、上記蛍光を検出する蛍光検出の場合を例に挙げて説明する。
上記光源装置1の第1半導体レーザー8および第2半導体レーザー12のうち、上記蛍光物質を励起可能な波長のレーザー光を出射する方の半導体レーザー、例えば第1半導体レーザー8から第1波長のレーザー光を出射させる。
上記第1半導体レーザー8から出射されたレーザー光(励起光)は、第1レンズ9,スポットサイズ調整レンズ10および第1アパーチャ11で収束され、第1ダイクロイックミラー14を透過する。次いで、プリズム15および第2ダイクロイックミラー16によって反射され、対物レンズ2およびディスク6を通過して、サンプル7における下面上の一点に集光される。その場合、プリズム15の長手方向(水平方向)の長さは短く、上記長手方向に直交する方向の幅は狭くなっており、第1半導体レーザー8からの励起光は対物レンズ2の光軸付近(励起光透過部)のみを通過するようになっている。こうして、サンプル7中の微小粒子に集束光が照射されると、上記集束光が照射された微小粒子を標識している蛍光物質が励起されて、上記集束光が照射された部分から周囲に等方的に散乱された蛍光が生ずる。
こうして、出射された蛍光のうちのディスク6を透過して対物レンズ2に入射した成分が、対物レンズ2を通過し、第2ダイクロイックミラー16を透過し、バンドパスフィルタ17,第3レンズ18および第2アパーチャ19を通過して、第1検出器20によって検出される。そして、第1検出器20で検出された信号は、内蔵されるAD変換器等によってAD変換等の処理が施された後に、上記検出部の一例であるPC(パーソナルコンピュータ)等へ送出される。こうして、サンプル7上の各測定点での蛍光強度の分布が内部メモリ等に記録される。また、検出信号に基づいて粒子カウントを行った場合には、粒子カウントデータが上記内部メモリ等に記録される。
上記第2アパーチャ19は、空間的な迷光をカットするために配置されている。また、共焦点アパーチャとしても機能しており、サンプル7が存在する面以外からの不必要な反射光や迷光を除去する。例えば、ディスク6の面やレンズ面で発生した反射光は対物レンズ2の焦点位置からずれているので、対物レンズ2の後段に続く光学系によって第2アパーチャ19の位置で広がった光となり、効率よく第2アパーチャ19を透過することができない。
こうして、上記ディスク6を回転させながら上述のような検出を行うことによって、各測定点での蛍光強度が上記PCの内部メモリ等に記録される。
尚、上述の説明は、上記第1半導体レーザー8からの第1波長のレーザー光による散乱光検出の場合を説明したが、第2半導体レーザー12からの第2波長のレーザー光による場合も、第1ダイクロイックミラー14で反射される以外は、全く同様である。また、上記散乱光を検出する散乱光検出の場合も、第2ダイクロイックミラー16で反射される波長のレーザー光を出射する方の半導体レーザーを用い、第2ダイクロイックミラー16で反射された散乱光を第2検出装置4で検出する以外は、全く同様である。
上記ディスク6は、中心に固定用のセンターホールが設けられた2枚の透明な基板をスペーサを介して貼り合わせた構造を有している。上記スペーサには円形溝が形成されており、上記スペーサの両側面を2枚の上記基板で塞ぐことによって、上記円形溝はドーナツ状の空間と成り、サンプル(上記検体)7が注入される上記検体注入部となる。この検体注入部は上記スペーサの厚さに相当する厚みを有している。
そして、上述したように、上記レーザー光(励起光)の焦点深度は、ディスク6の面ブレ量と上記検体注入部との厚みの合計値で算出される必要最小限の大きさに設計し、上記レーザー光(励起光)の焦点位置がディスク6中の上記検体注入部の厚みの中心と一致していることが望ましい。
そこで、本実施の形態においては、ディスク状のテストサンプルを使用して、上記レーザー光(励起光)の焦点位置が、ディスク6中の上記検体注入部の厚みの中心と一致しているか否かを判定するようにしている。
図2は、上記テストサンプル31の外観斜視図(図2(a))と、周方向への部分断面拡大図(図2(b))とを示す。テストサンプル31の基本構成は、ディスク6の基本構成と同じであり、中心に固定用のセンターホール32が設けられた2枚の透明な基板33,34を透明体で構成されるスペーサ35を介して貼り合わせた構造を有している。但し、テストサンプル31のスペーサ35には、上記検体注入部用としての上記円形溝は形成されていない。その代わりに、図2(a)に示すように、テストサンプル31の外周部における略90°ずらした4箇所に、図2(b)に示すように、スペーサ35の上面と下面とに交互に3本ずつ合計6本の光散乱膜パターン36がパターニングされている。以下、上記上面の光散乱膜パターン36を上光散乱膜パターン36aと称し、上記下面の光散乱膜パターン36を下光散乱膜パターン36bと称する。
上記構成を有するテストサンプル31は、上記レーザー光(励起光)の焦点位置を判定する際に、図1に示す微小粒子検出装置におけるディスク6に代えて、ホルダ26に収容されて、スピンドルモータ27で回転される回転軸25に対して固定される。
そして、上記ディスク6に対する蛍光検出または散乱光検出の場合と同様にして、第1半導体レーザー8または第2半導体レーザー12から出射されたレーザー光を、対物レンズ2によってテストサンプル31のスペーサ35に集光させる。そして、テストサンプル31の上光散乱膜パターン36aおよび下光散乱膜パターン36bから発せられた蛍光または散乱光を第1検出装置3または第2検出装置4によって受光し、第1検出器20または第2検出器24によって受光した蛍光または散乱光をAD変換して信号強度として測定する。ここで、上光散乱膜パターン36aおよび下光散乱膜パターン36bから蛍光を発せさせる場合には、上光散乱膜パターン36aおよび下光散乱膜パターン36bの光散乱膜に、蛍光物質を含有させればよい。
以下の説明においては、説明を単純にするために、上光散乱膜パターン36aおよび下光散乱膜パターン36bの光散乱膜に蛍光物質は含有されておらず、第1半導体レーザー8から出射されたレーザー光に基づいて、上光散乱膜パターン36aおよび下光散乱膜パターン36bから発せられた散乱光を第2検出装置4の第2検出器24によって受光する場合について述べる。
図3は、上記光学モジュール5の位置を固定して、テストサンプル31を回転した場合に、光学モジュール5における第2検出装置4の第2検出器24によって、テストサンプル31のタンジェンシャル方向(周方向)への走査によって得られた散乱光の信号強度である。図3においては、各信号強度のピークと、テストサンプル31の上記「周方向への部分断面拡大図」における上光散乱膜パターン36aおよび下光散乱膜パターン36bとを、対応付けて開示している。
尚、図3における各「周方向への部分断面拡大図」中において、破線で示す曲線は、第1半導体レーザー8から出射されて対物レンズ2で集光されたレーザー光の焦点深度d内における光線群(図示せず)の包絡線を示す。つまり、破線で示す曲線の最も狭い位置が、焦点位置である。
その際に得られる信号強度は、上記レーザー光の焦点深度dが、「テストサンプル31におけるスペーサ35の厚みと面ブレ量との合計値」に概ね一致する場合には、上記レーザー光の焦点位置によって図3に示す何れかの分布をとる。
図3において、図3(a)は、上記レーザー光の焦点位置が、テストサンプル31におけるスペーサ35の厚み方向中心にある場合である。この場合に、テストサンプル31の回転に伴って、上光散乱膜パターン36aと下光散乱膜パターン36bとに対して同程度に焦点が合う。そのために、第2検出器24によって検出される信号強度は、上光散乱膜パターン36aと下光散乱膜パターン36bとで略等しくなる。
また、図3(b)は、上記レーザー光の焦点位置が、テストサンプル31におけるスペーサ35の厚み方向の下側に偏っている場合である。この場合には、下光散乱膜パターン36bに対して焦点が合う。そのために、第2検出器24によって検出される信号強度は、下光散乱膜パターン36bの方が上光散乱膜パターン36aよりも大きくなる。
尚、図示してはいないが、上記レーザー光の焦点位置が、テストサンプル31における上側に偏っている場合には、上光散乱膜パターン36aに対して焦点が合うので、上光散乱膜パターン36aの信号強度の方が大きくなる。
また、図3(c)は、上記レーザー光の焦点位置が、テストサンプル31におけるスペーサ35の厚みから下側に外れている場合である。この場合には、第2検出器24によって検出される信号強度は、焦点深度d内に位置している下光散乱膜パターン36bからの信号強度のみとなる。
尚、図示してはいないが、上記レーザー光の焦点位置が、テストサンプル31におけるスペーサ35の厚みから上側に外れている場合には、上光散乱膜パターン36aが焦点深度d内に位置するので、上光散乱膜パターン36aからの信号強度のみが検出される。
したがって、上記第2検出器24によって検出されたテストサンプル31の上光散乱膜パターン36aと下光散乱膜パターン36bとからの信号強度を、上記PCの内部メモリ等に記録し、上記PCによって解析することによって、第1半導体レーザー8から出射されて対物レンズ2で集光されたレーザー光の焦点位置が、適切な位置であるか否かを検査することが可能になる。
その場合に、通常の微小粒子検出時に用いられる上記照射光学系および上記光検出光学系をそのまま用い、ディスク6に代えてテストサンプル31をホルダ26に収容する。そして、テストサンプル31に形成された上光散乱膜パターン36aおよび下光散乱膜パターン36bからの散乱光の信号強度を、第1検出器20または第2検出器24によって検出し、上記PCによって解析するだけでよい。
したがって、本微小粒子検出装置によれば、オートフォーカス機能を有すること無く、小型で軽量であり、且つ高い信頼性で、上記検体注入部の厚み方向の焦点位置を検出することができるのである。
また、上記ディスク6の面ブレを考慮して、必要以上に焦点深度dを大きく設計する必要もなくなり、迷光を防ぐことができる。
尚、上記上光散乱膜パターン36aと下光散乱膜パターン36bとの本数や間隔は、図2に限定されるものではなく、適宜変更しても差し支えない。また、本実施の形態においては、上光散乱膜パターン36aと下光散乱膜パターン36bとを、上記検体注入部の厚さに相当する厚みを有するスペーサ35の上面と下面とに形成し、基板33,34で覆った構成を有しているが、この発明はこれに限定されるものではない。要は、透明なディスク中に、上記検体注入部の厚さに相当する上下間隔で交互に配列されていればよいのである。
・第2実施の形態
本実施の形態は、上記テストサンプル31における上記第1実施の形態とは異なる構造に関する。したがって、本実施の形態のテストサンプルが使用される微小粒子検出装置の概略構成は、上記第1実施の形態において図1に示す微小粒子検出装置と同様である。そこで、以下の説明においては、必要に応じて図1に示す微小粒子検出装置を用いることにする。
但し、本実施の形態における微小粒子検出装置においては、上記第1検出装置3の第1検出器20と第2検出装置4の第2検出器24とは、取り外しが可能に構成されている。
この発明における上記テストサンプルは、上記第1実施の形態に示すテストサンプル31の構造に限定されるものではない。
例えば、一般的な共焦点顕微鏡においては、焦点位置だけの情報(つまり、試料における焦点位置の部分から出射された光(散乱光)の情報)が光検出器に到達するように、光検出器の前方にアパーチャを設置することにより、試料の厚み方向の分解能を得るようにしている。その場合、上記アパーチャの光軸上の位置は、試料における励起光が照射される上記厚み方向の位置(深さ)によって変化するので、初めに、励起光が照射される深さ、すなわちサンプルステージの高さを決める必要がある。
しかしながら、アパーチャ位置の無調整時においてはアパーチャが適切な位置に位置してないために、上記散乱光がアパーチャを通過していない場合における励起光の焦点位置合わせと、上記散乱光がアパーチャを通過している場合における励起光の焦点位置合わせとの、切り分けができないという問題が生ずる。そのために、励起光の焦点位置が適切であるか否かを定量的に判断するのが困難である。
そこで、本実施の形態においては、上記第1実施の形態のテストサンプル31における上光散乱膜パターン36aと下光散乱膜パターン36bとの厚み方向中間位置にも散乱膜のパターンを形成するのである。
図4は、本実施の形態におけるテストサンプル41における平面図(図4(a))と、周方向への部分断面拡大図(図4(b))とを示す。テストサンプル41の基本構成は、中心に固定用のセンターホール43が設けられた1枚の透明な基板42を有している。そして、基板42の外周部における略90°ずらした4箇所の夫々に、図4(b)に示すように、基板42の上,下面に上光散乱膜パターン44aと下光散乱膜パターン44bとの2本の光散乱膜パターン44を互いに対向させてパターニングした第1領域45を所定の間隔で3箇所設ける。さらに、第1領域45に隣接して、上記上,下面の中間に1本の中光散乱膜パターン46をパターニングした第2領域47を5箇所設ける。さらに、第2領域47の間には、光散乱膜パターンを設けない空白の第3領域48を3箇所設けている。
尚、上記上光散乱膜パターン44a,下光散乱膜パターン44bおよび中光散乱膜パターン46から蛍光を発せさせる場合には、各光散乱膜に蛍光物質を含有させればよい。
上記構成を有するテストサンプル41を用いた上記レーザー光の焦点位置判定は、以下のように行われる。
先ず、図1に示す微小粒子検出装置におけるホルダ26にテストサンプル41を収容して、スピンドルモータ27で回転される回転軸25に対して固定する。その際に、暫定的に、テストサンプル41の回転軸25方向の高さを光学設計値等を参考にして一意的に決めることにより、テストサンプル41における中光散乱膜パターン46の位置に第1半導体レーザー8からのレーザー光の焦点位置を概ね合わせる。
次に、上記第2検出装置4の第2検出器24(つまり上記PMT)を取り外し、光パワーメータに置き換える。そして、この光パワーメータによる受光量が最大となるように、上記取り外した第2検出器24に対応する第3アパーチャ23の三次元位置を調整する。その場合、レーザー光の焦点位置は概ね中光散乱膜パターン46の位置に合っているので、光パワーメータによる最大受光量は、中光散乱膜パターン46からの散乱光である。
ここで、上記第3アパーチャ23の三次元位置調整に上記PMTではなく上記光パワーメータを使用する理由は、テストサンプル41からの散乱光をその波長に関係なく総て検出するためである。そのためには、広い光波長帯域においてその感度が一定である熱変換型の光パワーメータが望ましい。
こうして、上記第3アパーチャ23の三次元位置調整が、定量的に行われるのである。
最後に、上記取り外した第2検出器24を、再度取り外し元の第2検出装置4に設置する。そして、第1半導体レーザー8からのレーザー光のスポットサイズをスポットサイズ調整レンズ10で調整することによって、上記レーザー光の焦点位置の微調整を行う。その場合、上記第1実施の形態の場合と同様にして、テストサンプル41の中光散乱膜パターン46と下光散乱膜パターン44bとからの信号強度を第2検出器24によって検出する。そして、中光散乱膜パターン46の信号強度が最大になるように上記レーザー光の焦点位置の微調整を行うのである。
ここで、上記レーザー光の焦点位置の微調整を、概ね合っている中光散乱膜パターン46の位置よりも近距離側で行うとすれば、テストサンプル41の光散乱膜パターンとしては、中光散乱膜パターン46と下光散乱膜パターン44bとが在ればよく、実際には上光散乱膜パターン44aは不必要となる。しかしながら、テストサンプル41をホルダ26に収容する際に表裏が逆になる場合を想定すると、下光散乱膜パターン44bとは反対の位置にも光散乱膜パターンが在ることが望ましい。
そこで、本実施の形態においては、上光散乱膜パターン44aと下光散乱膜パターン44bとを、図2(b)に示すように周方向に交互にではなく、図4(b)に示すように基板42の上,下面に重ねて配置している。こうして、テストサンプル41をホルダ26に収容する際に上光散乱膜パターン44aが下側に収容された場合には、上光散乱膜パターン44aを下光散乱膜パターンとして機能させることを可能にしているのである。
尚、上記説明においては、上記スポットサイズ調整レンズ10によって、第1半導体レーザー8からのレーザー光の焦点位置を微調整するようにしている。しかしながら、この発明においては、スポットサイズ調整レンズ10に限定されるものではなく、コリメータレンズによってレーザー光の焦点位置を微調整することも可能である。
以上のごとく、本実施の形態によれば、定量的に、アパーチャの位置調整とレーザー光の焦点位置の微調整とを、適切に合わせることが可能になるのである。
・第3実施の形態
本実施の形態は、上記ディスク6を収容するホルダ26のチルトが許容量を超える場合に関する。したがって、本実施の形態のテストサンプルが使用される微小粒子検出装置の概略構成は、上記第1実施の形態において図1に示す微小粒子検出装置と同様である。そこで、以下の説明においては、必要に応じて図1に示す微小粒子検出装置を用いることにする。
上記第2実施の形態で述べたアパーチャの径が、微小粒子検出装置の設計上大きい場合(例えば、画像処理やその他の方法によってある程度の迷光が許容できる場合)には、ディスク6の高さが僅かに(つまり、許容の範囲内で)変化した場合であっても、所定の光量が第1検出器20または第2検出器24で検出できれば、微小粒子を検出可能な状態であると判断することができる。
ところが、微小粒子検出装置の経年劣化や搬送時のガタつき等によって、ディスク6のチルトまたは高さ(回転軸25方向の位置)がその許容量を超えて変化する場合がある。その場合には、ディスク6の上記高さを自動調整すれば、微小粒子検出装置の寿命を延ばすことが可能になる。
例えば、本微小粒子検出装置の使用頻度によって、図5に示すように、ディスク6のチルトが変化した場合を考える。ここで、図5において、ディスク6は、2枚の透明な基板51,52を透明なスペーサ53を介して貼り合わせた構造を有している。そして、スペーサ53の厚みDが上記検体注入部(つまり検体)の厚みとなる。また、破線で示す二続きの三角形は、図3の場合と同様に、第1半導体レーザー8から出射されて対物レンズ2で集光されたレーザー光の焦点深度d内における光線群(図示せず)の包絡線を示している。つまり、破線で示す二続きの三角形の最も狭い位置54が、焦点位置である。
ここで、上記レーザー光の焦点深度dは、ディスク6のチルトをあまり考慮に入れず、上記検体注入部(検体)の厚みDよりやや広く設定されている。また、上記レーザー光の焦点位置54が上記検体注入部(検体)の厚み方向の中間位置よりもやや上方にずれているとする。その場合において、図5(a)に示すように、ディスク6が傾斜していない場合は、上記検体注入部(検体)の総てが焦点深度d内に入っており、微小粒子を精度よく検出可能な状態である。
しかしながら、図5(b)に示すように、上記ディスク6が許容量を超えて傾斜した場合には、上記レーザー光の焦点位置54が上記検体注入部(検体)の厚み方向の中間位置よりもやや上方にずれていることに起因して、上記検体注入部(検体)における下側の一部Aが焦点深度d内から外れる。この場合には、現在の焦点位置54では、微小粒子を精度よく検出することができない。
その場合には、図5(c)に示すように、レーザー光の焦点位置54が上記検体注入部(検体)の厚み方向の中間位置になるように、ディスク6における回転軸25方向の位置を調整するのである。つまり、この場合には、白抜き矢印で示すように、ディスク6を回転軸25方向上方に押し上げるのである。こうすることによって、所定の焦点位置で上記検体を精度よく測定することが可能になるのである。
そこで、本実施の形態においては、測定前に、キャリブレーションとして、上記第1実施の形態の場合と同様に、テストサンプル31を用いて上記レーザー光の焦点位置の測定を行う。その結果、上光散乱膜パターン36aと下光散乱膜パターン36bとの総てが焦点深度d内で捉えられる(図3(a)参照)ことがない場合、あるいは、図3(c)に示すように所定の信号強度が得られない場合には、キャリブレーションモードとして、テストサンプル31を収容するホルダ26の回転軸方向の高さをステッピングモーターで上下させるのである。
図6(a)は、本実施の形態における上記回転駆動系の概略構成図である。図6(a)において、ホルダ26を固定する回転軸55は、ステッピングモーター56によって、ボールねじ機構57およびクラッチ機構58を介して回転駆動されるようになっている。
上記ボールねじ機構57のナット59は有底の円筒状に構成されており、ナット59における底部の外端面の中心には、回転軸55の一端が同軸に取り付けられている。また、ナット59における穴部であるねじ穴には、ねじ軸60が挿通されてボール(図示せず)を介して歯合されている。ねじ軸60におけるナット59側とは反対側は、ねじが形成されずにステッピングモーター56の回転軸61となっている。回転軸61には、クラッチ機構58が介設されている。
また、上記ステッピングモーター56と平行して、スピンドルモータ27が設置されている。そして、スピンドルモータ27における回転軸25の回転は、回転軸25の第1ギア62および中間ギア63を介して、回転軸61におけるねじ軸60とクラッチ機構58との間に取り付けられた第2ギア64に伝達されるようになっている。
上記構成の回転駆動系において、上記キャリブレーションモード時に、テストサンプル31を収容するホルダ26の回転軸方向の高さを調整する場合には、クラッチ機構58を接続状態にし、ボールねじ機構57内の上記ボールを循環可能にする。この状態で、ステッピングモーター56を回転駆動させる。そうすると、回転軸51(ねじ軸60)の回転に伴ってナット59が回転方向に応じて上下し、それに連れて回転軸55が上下する。
こうして、上記第1半導体レーザー8から出射され、プリズム15で反射され、対物レンズ2で集光されたレーザー光の焦点位置65が、ホルダ26に収容されたテストサンプル31における回転軸方向の略中間位置になるように、ホルダ26の回転方向の高さが調整される。
その場合における上記レーザー光の焦点位置65がテストサンプル31の回転軸方向の略中間位置になったか否かの判定は、図6(b)に示すように、第2検出器24によって検出される信号強度が上光散乱膜パターン36aと下光散乱膜パターン36bとでの略等しくなることによって行う。
また、上述のようにして上記ホルダ26における回転軸方向の位置が決定された後に、ディスク6に封入されたサンプル7からの蛍光または散乱光を測定する測定モード時においては、以下のようにして行う。
すなわち、上記クラッチ機構58を切り離し状態にし、ボールねじ機構57内の上記ボールの循環を停止にする。この状態で、スピンドルモータ27を回転駆動する。そうすることによって、回転軸25の回転は、第1ギア62,中間ギア63および第2ギア64を介して回転軸61(ねじ軸60)に伝達される。ここで、上記ボールの循環が停止されてボールねじ機構57がロックされているため、ねじ軸60の回転はナット59にダイレクトに伝わり、ホルダ26の回転軸55が所望の回転数で回転されるのである。
以上のごとく、本実施の形態によれば、上記第1実施の形態と同様のテストサンプル31を用いて、第2検出器24によって検出される信号強度を監視しながら、ステッピングモーター56を回転駆動してボールねじ機構57によって、レーザー光の焦点位置65がテストサンプル31の厚さ方向略中間位置になるように、ホルダ26の高さを調整するようにしている。
したがって、本微小粒子検出装置の経年劣化や搬送時のガタつき等によって、ディスク6のチルトまたは高さ(回転軸25方向の位置)の変化が許容量を超えた場合であっても、ディスク6の上記検体注入部(検体)の総てが焦点深度d内に入るようにでき、微小粒子検出装置の寿命を延ばすことが可能になる。
尚、本実施の形態における上記回転駆動系の構成は、図6(a)に示す構成に限定されるものではない。要は、ホルダ26の回転軸方向の高さをステッピングモーター56で上下させる構成と、スピンドルモータ27でホルダ26を連続回転させる構成とを、併せ持つ構成であればよいのである。
・第4実施の形態
本実施の形態は、上記ディスク6を収容するホルダ26の面ブレ量のテストサンプル31を用いた検査に関する。したがって、本実施の形態のテストサンプル31が使用される微小粒子検出装置の概略構成は、上記第3実施の形態において、図1に示す基本構成に、図6(a)に示す上記回転駆動系を設けた微小粒子検出装置と同様である。そこで、以下の説明においては、必要に応じて図1および図6(a)に示す微小粒子検出装置を用いることにする。
微小粒子検出装置の経年劣化や搬送時のガタつき等によって、上記第3実施の形態におけるディスク6のチルトまたは高さ(回転軸25方向の位置)の変化以外にも、ディスク6を収容するホルダ26の姿勢が変化して面ブレ量が増大する可能性がある。
従来において、ディスクの面ブレ量を測定する場合には、上記ディスクを回転させながら、上記ディスクにおける半径方向のある一箇所において、高さ方向のブレ量の周方向への変化を、測距計でマニュアル測定している。そのために、工数が掛かる上に計測精度も低い。そこで、本実施の形態においては、上記第1実施の形態におけるテストサンプル31を用いて、ホルダ26の面ブレ量を自動的に計測するのである。
図7は、上記テストサンプル31を用いた面ブレ量計測方法の説明図である。但し、図7(a)はテストサンプル31の平面図であり、図7(b)は面ブレ量の測定結果を示す図である。
上記テストサンプル31を用いて面ブレ量を計測する場合には、図1に示す基本構成に図6(a)に示す上記回転駆動系を設けた微小粒子検出装置において、ホルダ26にテストサンプル31を収容し、対物レンズ2がテストサンプル31における光散乱膜パターン36のパターニング位置に位置するように、光学モジュール5の位置決めを行う。そして、第1半導体レーザー8から出射されたレーザー光を、テストサンプル31の外周部に4箇所形成されている光散乱膜パターン36のうちの一つの形成箇所Aに照射して、計測の対象となる形成箇所Aを、第2検出器24を介して上記PCに記憶させる。その場合の形成箇所Aの記憶は、添付されたマークの認識や、基準位置からの回転角度の認識に因れば良い。
尚、図7においては、上記光散乱膜パターンの形成箇所のみをA〜Dで表し、具体的な上記光散乱膜パターンの図は省略している。
そうした後、上記スピンドルモータ27を回転させると共に、第2検出器24を介して上記PCに上光散乱膜パターン36aおよび下光散乱膜パターン36bからの散乱光の信号強度を記憶させる。そして、上記PCによって、記憶された形成箇所Aにおける上光散乱膜パターン36aと下光散乱膜パターン36bとからの信号強度が、図3(a)に示すように略等しくなるように、ステッピングモーター56,ボールねじ機構57およびクラッチ機構58を制御して、焦点位置65が、テストサンプル31の形成箇所Aにおいて、回転軸方向の略中間位置になるように、ホルダ26の回転方向の高さが調整される。こうして、形成箇所Aに関する信号強度を検出しつつホルダ26の高さ調整を行う。
以下、同様にして、上記テストサンプル31の外周部に4箇所形成されている光散乱膜パターン36のうちの形成箇所Aから角度が90度ずれた形成箇所Bに関して、焦点位置がテストサンプル31の回転軸方向の略中間位置になるように、ホルダ26の回転方向の高さが調整される。その場合、形成箇所Aに関してホルダ26の回転方向の高さを調整した際におけるホルダ26の位置と、形成箇所Bに関してホルダ26の回転方向の高さを調整した際におけるホルダ26の位置とが異なる場合には、形成箇所Aに関する調整時のホルダ26の高さを基準とした形成箇所Bに関する調整時のホルダ26の高さを、形成箇所Aに対する形成箇所Bの面ブレ量とする。
こうして、さらに、上記形成箇所Bから角度が90度ずれた形成箇所C、および、形成箇所Cから角度が90度ずれた形成箇所Dに関して、形成箇所Aに対する面ブレ量を計測する。その結果、図7(b)に示すように、上記テストサンプル31の周方向位置を表す形成箇所A〜Dにおける形成箇所Aに対する相対的な面ブレ量が得られる。
そして、図7(b)において、上記形成箇所Aに対する相対的な面ブレ量が最小である形成箇所B,Cでのホルダ26の高さと最大である形成箇所Dでのホルダ26の高さとの差が、本実施の形態の微小粒子検出装置におけるホルダ26の面ブレ量として得られるのである。
このように、本実施の形態においては、上記テストサンプル31の外周部に90度ずつずらして4箇所の光形成箇所A〜Dに形成されている上光散乱膜パターン36aと下光散乱膜パターン36bとの信号強度に基づいて、各光形成箇所A〜Dにおいて焦点位置65が回転軸方向の略中間位置になるようにホルダ26の高さ調整を行って、形成箇所A〜Dにおける形成箇所Aに対する相対的な面ブレ量を得る。そして、上記相対的な面ブレ量が最小である形成箇所でのホルダ26の位置に対する最大である形成箇所でのホルダ26の高さを、ホルダ26の面ブレ量として得るようにしている。
したがって、本実施の形態の微小粒子検出装置におけるホルダ26の面ブレ量を自動的に計測することができ、面ブレ量測定の工数を減らすと共に、計測精度をた高めることが可能になる。
尚、上記テストサンプル31においては、周方向に90度ずつずらした4箇所に光散乱膜パターン36を形成している。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、光散乱膜パターン36の形成箇所を増やせば、より詳細に面ブレ量の計測を行うことが可能になる。
以上、纏めると、この発明の微小粒子検出装置は
微小粒子を含む検体が注入される検体注入部7を有するディスク6と、
光源8,12と、
上記光源8,12から出射された光を、上記ディスク6における上記検体に対して集光して照射する照射光学系1と、
上記光の照射によって上記検体中の上記微小粒子から発せられた光を検出する光検出光学系と、
上記光検出光学系によって検出された上記微小粒子からの光の強度に基づいて、上記微小粒子を検出する検出部と、
上記照射光学系1によって集光された光の焦点位置54,65が、上記ディスク6における回転軸方向の何れに在るかを検出するためのディスク状のテストサンプル31,41と、
上記ディスク6および上記テストサンプル31,41を収容するホルダ26を含み、上記ディスク6および上記テストサンプル31,41を回転させる回転駆動系27と
を備え、
上記テストサンプル31,41は、上記照射光学系1によって光が照射される位置であって、上記回転軸方向の第1レベルの位置に配された第1光散乱膜パターン36a,44aと、上記第1レベルとは異なる第2レベルの位置に配された第2光散乱膜パターン36b,44bとを有し、
上記光検出光学系は、上記光の照射によって上記テストサンプル31,41における上記第1光散乱膜パターン36a,44aから発せられた光と上記第2光散乱膜パターン36b,44bから発せられた光とを検出可能になっており、
上記検出部は、上記光検出光学系によって検出された上記第1光散乱膜パターン36a,44aおよび上記第2光散乱膜パターン36b,44bからの光の強度に基づいて、上記焦点位置54,65を検出可能になっている
ことを特徴としている。
上記光源8,12から出射された光の焦点位置54,65に対する上記ディスク6の回転軸方向へのずれがある場合には、上記ディスク6における回転軸方向の位置を調整することよって、上記ずれを補正することができる。そのためには、上記焦点位置54,65に対する上記ディスク6の上記ずれ量を正しく検出する必要がある。
上記構成によれば、上記回転軸方向の第1レベルの位置に配された第1光散乱膜パターン36a,44aと、上記第1レベルとは異なる第2レベルの位置に配された第2光散乱膜パターン36b,44bとを有するテストサンプル31,41を用いて、上記光検出光学系によって検出された上記第1光散乱膜パターン36a,44aおよび上記第2光散乱膜パターン36b,44bからの光の強度に基づいて、上記検出部によって、上記照射光学系1で集光された光の焦点位置54,65を検出可能にしている。
したがって、二つの異なるレベルの夫々に配置されている光散乱膜パターンからの光の強度の関係から、上記テストサンプル31,41における焦点位置54,65からの上記回転軸方向のずれのみならず、ずれの方向も判定することが可能になる。
これに対し、上記回転軸方向における1つのレベルにのみ上記光散乱膜パターンが在る場合には、上記光散乱膜パターンからの光の強度を検出することにより、上記光散乱膜パターンが上記焦点位置54,65からずれていることは判定可能であるが、何れの方向にずれているかは判定することができない。
また、一実施の形態の微小粒子検出装置では、
上記検出部は、上記光検出光学系によって検出された上記第1光散乱膜パターン36a,44aからの光の強度と、上記第2光散乱膜パターン36b,44bからの光の強度とを比較し、この比較結果に基づいて、上記焦点位置54,65における上記回転軸方向の基準位置からのずれの方向とずれの量とを検出可能になっている。
この実施の形態によれば、上記検出部により、上記第1光散乱膜パターン36a,44aからの光の強度と上記第2光散乱膜パターン36b,44bからの光の強度とを比較するので、両方の光の強度が同じ場合には上記焦点位置54,65は両光散乱膜パターンの中間に在り、一方の光の強度が強い場合には上記焦点位置54,65は光強度が強い方光散乱膜パターン側にずれていると判定することができる。
その場合における上記ずれ量の判定は、上記第1光散乱膜パターン36a,44aおよび第2光散乱膜パターン36b,44bからの光の強度と、上記焦点位置54,65の上記基準位置からのずれ量との関係を、予め測定して表として記録しておくことにより、測定された光の強度から上記表を参照して上記焦点位置54,65におけるずれ量を判定することができる。
また、一実施の形態の微小粒子検出装置では、
上記テストサンプル31,41の上記第1光散乱膜パターン36a,44aと上記第2光散乱膜パターン36b,44bとにおける上記回転軸方向の中間位置を、上記基準位置としている。
この実施の形態によれば、上記第1光散乱膜パターン36a,44aからの光の強度と第2光散乱膜パターン36b,44bからの光の強度とが同等になる場合における上記テストサンプル31,41の上記回転軸方向の中間位置を、上記基準位置とすることができる。したがって、単純に、上記第1光散乱膜パターン36a,44aからの光の強度と第2光散乱膜パターン36b,44bからの光の強度との強弱関係から、上記焦点位置54,65における上記回転軸方向の基準位置からのずれの方向とずれの量とを検出することが可能になる。
また、一実施の形態の微小粒子検出装置では、
上記ディスク6の上記検体注入部7における上記回転軸方向の位置は、テストサンプル31,41の上記第1光散乱膜パターン36a,44aと上記第2光散乱膜パターン36b,44bとにおける上記回転軸方向の中間位置に対応している。
この実施の形態によれば、上記テストサンプル31,41を用いて、上記焦点位置54,65を、上記第1光散乱膜パターン36a,44aと上記第2光散乱膜パターン36b,44bとにおける上記回転軸方向の中間位置に合わせることによって、上記光源8,12からの光の焦点位置54,65を、上記ディスク6における上記検体注入部7の位置に容易に合わせることが可能になる。
また、一実施の形態の微小粒子検出装置では、
上記テストサンプル41は、上記照射光学系1によって光が照射される位置であって、上記第1光散乱膜パターン44aと上記第2光散乱膜パターン44bとにおける上記回転軸方向の中間位置に配された第3光散乱膜パターン46を有している。
この実施の形態によれば、上記光源8,12からの光の焦点位置54,65を検出するための上記第1光散乱膜パターン44aおよび上記第2光散乱膜パターン44bの他に、検体注入部7と同じ高さレベルに配された第3光散乱膜パターン46を有している。
上記第3光散乱膜パターン46は、上記光検出光学系(例えばアパーチャー)の焦点位置の検出および調整に使用することが可能である。したがって、この実施の形態によれば、上記光源8,12からの光の焦点位置54,65の調整に加えて、上記光検出光学系の焦点位置の調整をも、定量的に且つ同時に行うことが可能になる。
また、一実施の形態の微小粒子検出装置では、
上記テストサンプル31,41には、上記第1光散乱膜パターン36a,44aと上記第2光散乱膜パターン36b,44bとを含む光散乱膜パターン群が、上記回転軸を中心とする円周上における異なる位置に複数配置されている。
この実施の形態によれば、上記テストサンプル31,41における上記円周上の異なる位置に複数配置された光散乱膜パターン群における上記焦点位置54,65からの上記回転軸方向のずれ量を検出することによって、各光散乱膜パターン群における相対的な面ブレ量を得ることができる。
したがって、上記相対的な面ブレ量が最小値を呈する光散乱膜パターン群における上記回転軸方向の位置に対する、最大値を呈する光散乱膜パターン群における上記回転軸方向の位置の変位量を、上記ホルダ26の面ブレ量として得ることができる。
1…光源装置
2…対物レンズ
3,4…検出装置
5…光学モジュール
6…ディスク
7…サンプル(検体)
8,12…半導体レーザー
9,13,18,22…レンズ
10…スポットサイズ調整レンズ
11,19,23…アパーチャ
14,16…ダイクロイックミラー
15…プリズム
17…バンドパスフィルタ
20,24…検出器
21…NDフィルタ
25,55,61…回転軸
26…ホルダ
27…スピンドルモータ
31,41…テストサンプル
32,43…センターホール
33,34,42,51,52…基板
35,53…スペーサ
36,44…光散乱膜パターン
36a,44a…上光散乱膜パターン
36b,44b…下光散乱膜パターン
45…第1領域
46…中光散乱膜パターン
47…第2領域
48…第3領域
54,65…焦点位置
56…ステッピングモーター
57…ボールねじ機構
58…クラッチ機構
59…ナット
60…ねじ軸
62,63,64…ギア

Claims (6)

  1. 微小粒子を含む検体が注入される検体注入部を有するディスクと、
    光源と、
    上記光源から出射された光を、上記ディスクにおける上記検体に対して集光して照射する照射光学系と、
    上記光の照射によって上記検体中の上記微小粒子から発せられた光を検出する光検出光学系と、
    上記光検出光学系によって検出された上記微小粒子からの光の強度に基づいて、上記微小粒子を検出する検出部と、
    上記照射光学系によって集光された光の焦点位置が、上記ディスクにおける回転軸方向の何れに在るかを検出するためのディスク状のテストサンプルと、
    上記ディスクおよび上記テストサンプルを収容するホルダを含み、上記ディスクおよび上記テストサンプルを回転させる回転駆動系と
    を備え、
    上記テストサンプルは、上記照射光学系によって光が照射される位置であって、上記回転軸方向の第1レベルの位置に配された第1光散乱膜パターンと、上記第1レベルとは異なる第2レベルの位置に配された第2光散乱膜パターンとを有し、
    上記光検出光学系は、上記光の照射によって上記テストサンプルにおける上記第1光散乱膜パターンから発せられた光と上記第2光散乱膜パターンから発せられた光とを検出可能になっており、
    上記検出部は、上記光検出光学系によって検出された上記第1光散乱膜パターンおよび上記第2光散乱膜パターンからの光の強度に基づいて、上記焦点位置を検出可能になっている
    ことを特徴とする微小粒子検出装置。
  2. 請求項1に記載の微小粒子検出装置において、
    上記検出部は、上記光検出光学系によって検出された上記第1光散乱膜パターンからの光の強度と上記第2光散乱膜パターンからの光の強度とを比較し、この比較結果に基づいて、上記焦点位置における上記回転軸方向の基準位置からのずれの方向とずれの量とを検出可能になっている
    ことを特徴とする微小粒子検出装置。
  3. 請求項2に記載の微小粒子検出装置において、
    上記テストサンプルの上記第1光散乱膜パターンと上記第2光散乱膜パターンとにおける上記回転軸方向の中間位置を、上記基準位置とする
    ことを特徴とする微小粒子検出装置。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか一つに記載の微小粒子検出装置において、
    上記ディスクの上記検体注入部における上記回転軸方向の位置は、上記テストサンプルの上記第1光散乱膜パターンと上記第2光散乱膜パターンとにおける上記回転軸方向の中間位置に対応している
    ことを特徴とする微小粒子検出装置。
  5. 請求項1から請求項4までの何れか一つに記載の微小粒子検出装置において、
    上記テストサンプルは、上記照射光学系によって光が照射される位置であって、上記第1光散乱膜パターンと上記第2光散乱膜パターンとにおける上記回転軸方向の中間位置に配された第3光散乱膜パターンを有する
    ことを特徴とする微小粒子検出装置。
  6. 請求項1から請求項5までの何れか一つに記載の微小粒子検出装置において、
    上記テストサンプルには、上記第1光散乱膜パターンと上記第2光散乱膜パターンとを含む光散乱膜パターン群が、上記回転軸を中心とする円周上における異なる位置に複数配置されている
    ことを特徴とする微小粒子検出装置。
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