JP2016215633A - 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】光輝感を擬似的に表現するための構造体を形成可能な画像処理装置、画像処理方法およびプログラムを提供すること。【解決手段】本実施形態の画像処理装置は、異なる角度において観察した際に輝点の位置が異なる特性を表現するための構造体を、記録基材上に形成するための画像処理装置である。本実施形態の画像処理装置は、輝点の特性に関する情報に基づいて、記録基材上に形成可能な、第1の傾斜角度が対応付けられた第1の構造体と、第1の傾斜角度とは異なる第2の傾斜角度が対応付けられた第2の構造体とを少なくとも含む、2種類以上の構造体それぞれの配置を特定する配置データを生成する生成手段を有することを特徴とする。【選択図】図13

Description

本発明は、金属調の質感を擬似的に表現するための構造体を記録基材上に形成するための画像処理装置、画像処理方法およびプログラムに関する。
貴金属製品の包装またはカタログ、あるいは貴金属製品のサンプルなどに利用するために、金属調の質感を擬似的に表現する技術が求められている。このような金属調の質感の1つに、光輝感と呼ばれる質感が存在する。光輝感は、金属調物体の表面に含まれる一辺1mm未満のミクロな輝点が、照射角度または観察角度の変化に伴い、その位置、大きさ、数などが変化することによって惹起される感覚をいう。このような金属調物体の観察者は、照射角度または観察角度の変化に伴い、物体の表面に含まれる輝点の位置、大きさ、数などが変化することにより、キラキラしている質感や、粒状性を有している質感などの、光輝感特有の質感を視認することができる。
このような光輝感を表現する画像を形成するために、特許文献に記載の記録装置は、光沢度が異なる領域を千鳥格子状に配置した画像を形成する。光沢度が異なる領域が千鳥格子状に配置されることにより、高光沢度領域と低光沢度領域とが隣り合い、光輝感に近い意匠効果を有する画像を得ることができる(特許文献)。
特開2012−051211号公報
特許文献に記載の記録装置は、光沢度が異なる領域を千鳥格子状に配置した画像を形成する。このとき、光沢度の高い領域(以下「高光沢領域」という)が輝点として視認される。しかしながら、上記記録装置によって出力された印刷物は、照射角度または観察角度を変化させても、高光沢領域の位置が変化せずに一定である。そのため、照射角度または観察角度の変化に伴い、対象物に含まれる輝点の位置や数が変化し、キラキラしている質感や、粒状性を有している質感などの、光輝感特有の質感を表現することができない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、光輝感を擬似的に表現する構造体を形成するための画像処理装置、画像処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明の画像処理装置は、異なる角度において観察した際に輝点の位置が異なる特性を表現するための構造体を、記録基材上に形成するための画像処理装置であって、輝点の特性に関する情報に基づいて、前記記録基材上に形成可能な、第1の傾斜角度が対応付けられた第1の構造体と、前記第1の傾斜角度とは異なる第2の傾斜角度が対応付けられた第2の構造体とを少なくとも含む、2種類以上の前記構造体それぞれの配置を特定する配置データを生成する生成手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、光輝感を擬似的に表現するための構造体を形成可能な画像処理装置、画像処理方法およびプログラムを提供することができる。
図1(a)は、光輝感を有するサンプルの観察条件を示す模式図である。図1(b)および図1(c)は、図1(a)のサンプルの観察態様の詳細を示す図である。 実施形態1における画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 実施形態1における画像処理装置のソフトウェア機能構成を示すブロック図である。 実施形態1における画像処理装置の処理手順を示すフローチャートである。 実施形態1におけるUIの例を示す図である。 実施形態1における輝点情報の取得方法の例を示す図である。 図7(a)は、1つの構造体の特性を説明する図である。図7(b)は、1つの構造体が輝点として視認される仕組みを説明する図である。 図8(a)は、実施形態1における構造体特性テーブルの例を示す図である。図8(b)は、実施形態1における構造体数テーブルの例を示す図である。 実施形態1において、記録基材上に吐出されたインクの例を示す模式図である。 実施形態1において、記録基材上に形成された構造体の例を示す模式図である。 図11(a)は、実施形態1における記録基材面の2次元座標に対応した画像データの模式図である。図11(b)は、実施形態1における構造体の配置を特定する構造体配置データの模式図である。 実施形態1における印刷装置の構成を示す図である。 実施形態1における光輝感を表現した画像例を示す図である。 実施形態2におけるUIの例を示す図である。 実施形態2における構造体の特性を導出する処理手順を示すフローチャートである。 実施形態3における構造体配置データを生成する処理手順を示すフローチャートである。 実施形態4における画像処理装置のソフトウェア機能構成を示すブロック図である。 実施形態4における画像処理装置の処理手順を示すフローチャートである。 実施形態4におけるUIの例を示す図である。 実施形態5における画像処理装置のソフトウェア機能構成を示すブロック図である。 実施形態5における画像処理装置の処理手順を示すフローチャートである。 実施形態5におけるUIの例を示す図である。 実施形態6における画像処理装置のソフトウェア機能構成を示すブロック図である。 実施形態6における画像処理装置の処理手順を示すフローチャートである。 実施形態6におけるUIの例を示す図である。 実施形態7におけるUIの例を示す図である。 実施形態8における画像処理装置のソフトウェア機能構成を示すブロック図である。 実施形態8における画像処理装置の処理手順を示すフローチャートである。 実施形態8におけるUIの例を示す図である。 実施形態8における構造体と反射光との関係を示す図である。 実施形態8における反射光量テーブルの例を示す図である。 実施形態8における構造体特性テーブルの例を示す図である。 実施形態8における出力条件を変更する処理手順を示すフローチャートである。 実施形態8における出力サンプルの例を示す図である。 実施形態9における画像処理装置のソフトウェア機能構成を示すブロック図である。 実施形態9における画像処理装置の処理手順を示すフローチャートである。 実施形態9における方位数を決定する手法を説明する図である。 実施形態9において構造体に割り当てられる番号の模式図である。 実施形態9における構造体の配置と方位とを特定する構造体配置データの模式図である。 実施形態10における画像処理装置のソフトウェア機能構成を示すブロック図である。 実施形態10における構造体配置データを生成する処理手順を示すフローチャートである。 実施形態10において構造体に割り当てられる番号の模式図である。 実施形態10における構造体参照テーブルの例を示す図である。 実施形態10における構造体の配置と方位とを特定する構造体配置データの模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
まず、図1の模式図を参照して、以降の実施形態において再現対象となる光輝感について説明する。図1(a)は、本実施形態において、光輝感を有する対象物であるサンプル101を観察する際の条件を示す模式図である。図1(a)において、撮像装置などにより構成される観察部102の位置は、例えばサンプル101と正対する方向に固定される。図1(b)および(c)は、図1(a)のサンプル観察態様の詳細を示す図である。図1(b)および(c)のサンプル101の例として、記録基材上にアルミ片を含有する樹脂インクが積層された対象物を示す。サンプル101に含有されるアルミ片は、所定の照射角度θによって照射された照射光を鏡面反射するように構成されている。
照明103が、照射角度θ1でサンプル101を照射した場合、観察部102は、図1(b)に示されるような輝点を有する撮像画像104を観察する。同様に、照明103が、照射角度θ2でサンプル101を照射した場合、観察部102は、図1(c)に示されるような輝点を有する撮像画像105を観察する。図1(b)および図1(c)において、撮像画像104、105に含まれる白い領域は輝点を表す。図1(a)に示されるように、θ1からθ2へと照射角度が変化するのに伴い、撮像画像104の輝点の位置が撮像画像105の輝点のように変化する。輝点は、照射角度または観察角度の変化に応じて、輝点の面積や数が変わることもある。このように、対象物の表面に含まれる輝点が、照射角度または観察角度の変化に伴い、その特性が変化することによって惹起される感覚を、光輝感という。
[実施形態1]
以下、光輝感を擬似的に表現するための構造体を形成する実施形態について説明する。本実施形態では、対象物の輝点の大きさに着目し、入力を受け付けた輝点の特性を表す情報に基づいて、記録基材上に形成する構造体の特性を導出する実施形態について説明する。
(画像処理装置の概略構成)
図2は、本実施形態における画像処理装置1のハードウェア構成例である。画像処理装置1は、例えばコンピュータによって構成され、CPU201は、RAM203をワークメモリとして、ROM202、HDD(ハードディスクドライブ)27などに格納されたOS(オペレーティングシステム)や各種プログラムを実行する。また、CPU201は、システムバス207を介して各構成を制御する。なお、後述するフローチャートによる処理は、ROM202やHDD27などに格納されたプログラムコードがRAM203に展開され、CPU201によって実行される。汎用I/F(インターフェース)204は、例えばUSBなどシリアルバスインターフェースであり、シリアルバス22を介して、マウスやキーボードなどの入力デバイス23や印刷装置24などが接続される。SATA(シリアルATA)I/F205は、シリアルバスインターフェースであり、シリアルバス26を介して、HDD27や各種記録メディアの読み書きを行う汎用ドライブ28が接続される。CPU201は、HDD27や汎用ドライブ28にマウントされた各種記録メディアを各種データの格納場所として使用される。VC(ビデオカード)206は、ビデオインターフェースであり、ディスプレイ25が接続される。CPU201は、プログラムによって提供されるUI(ユーザインターフェース)をディスプレイ25に表示し、入力デバイス23を介して受け付けるユーザ指示などの入力を受信する。
(画像処理装置のソフトウェア機能構成)
図3は、本実施形態における画像処理装置1のソフトウェア機能構成を示すブロック図である。本実施形態における画像処理アプリケーションが、CPU201からの指令に基づき実行する処理手順について、図3を参照して説明する。画像処理装置1は、画像処理アプリケーションの機能を実現する構成として、UI表示部301と、データ取得部302と、構造体特性導出部303と、配置データ生成部304と、印刷装置制御部305と、データ格納部306とを有する。UI表示部301は、ディスプレイ25によって実現され、ユーザからの入力を受け付けるGUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)などをディスプレイ25に表示する。データ取得部302は、入力を受け付けた輝点情報などのデータを取得する。構造体特性導出部303は、入力を受け付けた輝点情報に基づいて、構造体の特性を導出する。ここで、構造体の特性とは、印刷装置24が記録基材上に形成可能な構造体の大きさと、当該大きさで形成可能な構造体の複数の傾斜角度である。詳細は図8(a)を参照して後述する。配置データ生成部304は、記録基材上に形成する構造体の配置を特定する構造体配置データを生成する。印刷装置制御部305は、上記構造体配置データを基に、構造体を形成するための各座標における積層回数を決定し、印刷装置24に該情報を送ると共に画像形成動作の実行を指示する。データ格納部306は、構造体の特性を参照可能な構造体特性テーブル801や、記録基材上に形成する構造体の数を参照可能な構造体数テーブル802などの情報を予め保持する。
(画像処理装置の動作)
図4は、本実施形態における画像処理装置1の処理手順を示すフローチャートである。以下、図4(a)〜(d)を参照して本実施形態における画像処理装置1の処理手順の詳細を説明する。なお、図4(a)〜(d)に示されるフローチャートによる処理は、ROM202に格納されたプログラムコードがRAM203に展開され、CPU201によって実行される。図5以降に示されるフローチャートにおいても同様である。なお、以降で記す記号Sは、フローチャートにおけるステップであることを意味する。
図4(a)に示されるフローチャートは、ユーザが入力デバイス23を操作して所定の指示を入力し、CPU201が入力された指示を受け付けることにより開始する。S10において、UI表示部301は、ユーザに必要な情報の入力を促すUIをディスプレイ25に表示する。図5は、本実施形態におけるユーザに入力を促すUI500の例を示す。入力領域501は、光輝感を有する対象物の輝点情報の入力を受け付ける領域である。ここで、輝点情報は、対象物を観察することにより得られる輝点の大きさを用いることができる。画像処理装置1は、ユーザによって入力領域501に入力された輝点情報の入力を受け付ける。本実施形態の画像処理装置1は、対象物を観察することにより得られる輝点の大きさを用いることにより、輝点の大きさとの差が小さい構造体を記録基材上に形成するように制御する。そのため、本実施形態の画像処理装置1は、対象物の光輝感と比較して、一定の再現性を有する光輝感を表現する構造体を印刷装置24に形成させることができる。
本実施形態において、輝点の大きさとして、対象物に含まれる輝点の面積が好適に用いられる。例えば、図1(a)に示されるように、所定の角度から照射された対象物を、当該対象物と正対方向において撮像した撮像画像から取得することができる。このとき、対象物を撮像して撮像画像を取得するために、デジタルカメラ等の機器を用いることができる。撮像画像から対象物に含まれる輝点の面積を取得する手法の例を、図6を参照して詳細に説明する。
図6(a)は、対象物を撮像して取得した撮像画像であり、画素値は輝度と正の相関を有するものとする。まず、図6(a)に示される撮像画像に対して、所定閾値に基づく2値化処理を施し、白画素領域が輝点に対応する2値画像を生成する。このときの2値画像の例を図6(b)に示す。図6(c)は、図6(b)に示される2値画像の一部を拡大表示したものである。次に、図6(b)に示される2値画像の輝点に対してラベリング処理を適用し、輝点の平均画素数Nを取得する。最後に、画像解像度Rdpiから、次式にて輝点の面積s1を算出する。
s1=N×(25400/R)^2 ・・・ (1)
本実施形態において、撮像画像を取得するための受光方向は、対象物の正対方向として説明した。しかしながらこれは一例であり、撮像画像に対して射影変換等のパース補正処理を施すことにより、他の受光角度によって撮像された撮像画像についても、数式(1)を用いた処理により、輝点の面積s1を算出することができる。また、本実施形態では、ユーザ入力領域501に、輝点の面積s1の入力を受け付ける態様について説明したが(S10)、ユーザ入力領域501に入力されるデータ形式はこれに限定されない。例えば、対象物に含まれる輝点の形状を正方形と仮定して一辺の長さの入力を受け付けるなど、対象物に含まれる輝点の面積を算出することが可能であれば、入力するデータ形式は輝点の面積を示す値に限定されない。また、本実施形態では、対象物に含まれる輝点の面積は、照射角度によって変化しないものとして取り扱う。しかし、対象物に含まれる輝点の面積が、照射角度によって変化するものとした場合、数式(1)を用いた処理を角度条件ごとに実施することにより、照射角度ごとの対象物に含まれる輝点の面積を算出することができる。
再び図5に戻り、出力ボタン502は、記録基材上に印刷処理を開始させる指示を受け付ける領域である。終了ボタン503は、図4(a)に示される一連の処理を終了させる指示を受け付ける領域である。ユーザにより入力領域501に輝点情報の入力がされ、次いで出力ボタン502が押下されると、S20に移行する。
再び図4に戻り、S20において、データ取得部302は、S10でユーザから入力を受け付けた輝点情報を取得する。S30において、構造体特性導出部303は、S20で取得された輝点情報に基づいて、記録基材上に形成する構造体の特性を導出する。構造体の特性を導出する処理については後述する。S40において、配置データ生成部304は、S30で導出された構造体の特性に応じて、記録基材上に形成する構造体配置データを生成する。構造体配置データを生成する処理については後述する。S50において、印刷装置制御部305は、S40で生成された構造体配置データを基に、各座標における積層回数を決定し、印刷装置24に当該情報を送ると共に画像形成動作の実行を指示する。印刷装置制御部305における処理(S50)および印刷装置24における画像形成動作については後述する。
(構造体特性導出部の制御内容)
まず、本実施形態における1つの構造体の特性を、図7を参照して説明する。図7(a)に示される通り、本実施形態における構造体の特性は、印刷装置24が記録基材上に形成可能な構造体の面積と、当該面積で形成可能な構造体の傾斜角度である。本実施形態では、構造体の面積として底面積702と、底面積702で形成可能な傾斜角度701が構造体の特性に該当するが、構造体の面積は傾斜面703の面積であってもよい。照射光が傾斜面703で鏡面反射する方向と、傾斜面703で鏡面反射する光を受光する方向とが一致する場合、構造体が配置された領域は、当該構造体の角度条件下における輝点として視認される。
図7(b)を参照して具体的に説明する。図7(b)は、構造体が輝点として視認される仕組みを説明する図である。傾斜面703に対する照射角度と傾斜面703からの受光角度とが、それぞれ15度と0度とであった場合、傾斜角度701が7.5度の構造体が配置された領域が輝点として視認されることになる。このように、構造体特性導出部303は、照射角度と受光角度とによって特定される角度条件から、法線角度を導出することができる。導出された法線角度と、傾斜角度701とが等しい構造体は、当該受光角度から観察した場合に輝点として視認されることになる。このような傾斜角度のある構造体を記録基材上に配置することで、所定の角度から観察した時の輝点を再現する。さらに本実施形態では、複数の角度条件に対応する傾斜角度の構造体を多数、記録基材上に形成する。傾斜角度の異なる構造体を多数配置することで、記録基材上に角度条件に応じて変化する輝点の特性を再現することができる。なお、本実施形態においては、記録基材上に形成する構造体の底面は矩形とし、輝点として視認される領域についても矩形となる。以下の説明では記録基材上に形成される底面は正方形であるものとして説明するが、底面の形状はこれ正方形に限定されない。
再び図4に戻り、図4(b)を参照して構造体の特性を導出する処理(S30)の詳細について説明する。S30の処理において、構造体特性導出部303は、光輝感を表現するための構造体の特性を導出する。S31において、構造体特性導出部303は、データ格納部306に格納されている構造体特性テーブル801を参照する。図8(a)に、構造体特性テーブル801の例を示す。本実施形態において、構造体特性テーブル801は、印刷装置24が形成可能な構造体の底面積s2と、当該底面積を有する構造体で形成可能な複数の傾斜角度と、が対応付けられている。図8(a)に示される構造体特性テーブル801では、例えば、底面積60×60μm^2に対して、0度、14.0度、26.6度、36.9度、および45度の複数の傾斜角度が対応付けられている。図8(a)に示される通り、記録基材に形成された各構造体が光輝感を表現するために、1つの底面積s2に対して、2種類以上の異なる傾斜角度が対応づけられている。本実施形態における構造体特性テーブル801に含まれる傾斜角度は、0度から45度までの範囲における角度であったが、実施形態はこれに限られない。傾斜角度がとりえる範囲は、印刷装置24の機能に依存するため、構造体特性テーブル801は、0度から45度までの範囲外の傾斜角度を有するものであってもよい。
構造体の底面積と、当該底面積を有する構造体で形成可能な複数の傾斜角度との対応関係について、図9および図10を参照して説明する。図9は、印刷装置24によって記録基材上に吐出されたインクの例を示す模式図である。図10は、印刷装置24によって記録基材上に形成された構造体の例を示す模式図である。
図9(a)は、印刷装置24によって吐出された1ドットのインク901の例を示す模式図である。本実施形態において、1ドットのインク901の大きさは、水平方向の長さは30μm、垂直方向の長さは15μmの長さである。ここで、本実施形態の印刷装置24は、記録基材上に構造体を形成するために、所定の粘性を有するUV照射型インクを用いる。UV照射型インクとは、一般的に、UV光が照射されることにより硬化する性質を有する記録材である。本実施形態では、透明のUV照射型インクを用いるものとする。
図9(b)は、記録基材上に吐出されたインクの積層902〜906と、傾斜面907〜911とを示す模式図である。本実施形態において、印刷装置24は、記録基材面の水平方向に連続してドットを吐出する。そのため、インクの積層の一辺の長さは、それぞれドットインクの幅を整数倍した値に等しくなる。例えば、図9(b)の例では、インクの積層の一辺の長さは30μm×2=60μmとなる。本実施形態において、印刷装置24はさらに、水平方向に連続して吐出されたインクに対して、垂直方向にドットを吐出することができる。このとき、垂直方向に吐出するドット数を制御することにより、傾斜面を有するインクの積層を形成することができる。例えば、インクの積層906では、垂直方向にそれぞれ5ドットと3ドットのインクが吐出され、傾斜面911を有するインクの積層906が形成される。
図9(b)に示される傾斜面907〜911は、任意の傾斜角度で形成することはできず、印刷装置24の性能に依存する。すなわち、印刷装置24が吐出可能な1ドットのインクの大きさによって、インクの積層902〜906の一辺の長さと、垂直方向の高さとの組み合わせが定まる。そのため、インクの積層の902〜906の一辺の長さと、垂直方向との高さとに基づいて、傾斜面907〜911の傾斜角度が自ずと決定される。そして、インクの積層902〜906の一辺の長さと、傾斜面907〜911の傾斜角度とは、図8の構造体特性テーブル801におけるs2の一辺の長さ(60μm)と、傾斜角度(0度、14.0度、26.6度、36.9度、45度)にそれぞれ対応する。同様に、図9(c)に示されるインクの積層912〜913においても同様に、一辺の長さ(30μm×3=90μm)と、高さとの組み合わせが定まり、傾斜面914〜915の傾斜角度も自ずと決定される。そして、インクの積層912〜913の一辺の長さと、傾斜面914〜915の傾斜角度は、構造体特性テーブル801におけるs2の一辺の長さ(90μm)と、傾斜角度(0度・・・45度)にそれぞれ対応する。
続いて、図10を参照して、印刷装置24が記録基材上に構造体を形成する態様について説明する。図10(a)は、記録基材上に吐出されたインクの積層を示し、水平方向に3ドットのインクが連続して吐出され、垂直方向にそれぞれ3ドット乃至1ドットのインクが積層される例を示している。このとき、水平方向の長さXは、30μm×3ドット=90μmとなり、垂直方向の最大高さYは、15μm×3ドット=45μmとなる。印刷装置24が、インクの積層に対してUV光を照射すると、インクの積層は一旦溶化した後に硬化し、最終的に図10(b)に示される構造体1001が形成される。構造体1001は、図10(a)のインクの積層における大きさと同様に、底面の一辺の長さXが略90μm,最大高さYが略45μmとなる。
さらに、図10(a)に示されるインクの積層は、水平方向に連続するドットのインクに対して、それぞれ積層するインクのドット数が異なるように制御される。構造体1001は、積層されるインクのドット数に応じて高さが異なるように形成されるため、インクが最も高く積層された地点から、最も低く積層された地点にかけて傾斜面が形成される。図10(b)の構造体1001においては、底面の一辺の長さXが略90μm,最大高さYが略45μm,傾斜角θが略26.6度の傾斜面1002が形成される。
別実施形態において、印刷装置24は、構造体に対して更にUV硬化型インクとは異なる他のインクを積層することができる。例えば、印刷装置24は、UV硬化型インクに加え、光輝材を含有する金属色インクを備え、構造体1001の上層または下層に鏡面光沢度の高い層を形成してもよい。構造体の鏡面光沢度がより高くなることで、上述した光輝感の特徴である輝点の数など、角度条件に伴う輝点の特性の変化がより視認され易くなる。あるいはまた、印刷装置24は、構造体1001を形成するための高粘度のUV硬化型インクに加え、低粘度のUV硬化型インクを構造体1001に積層する態様であってもよい。
図10(c)を参照して説明すると、別実施形態において、印刷装置24は、高粘度のUV硬化型インクで形成した構造体1001に対して、さらに低粘度のUV硬化型インクを吐出し、UV光の照射を施した構造体を形成することができる。印刷装置24が構造体1001に対して低粘度のUV硬化型インクを吐出すると、構造体1001に対して上層1003が形成される。低粘度のUV硬化型インクはぬれ性が高く構造体1001に対して付着しやすいため、より滑らかな傾斜面1004を形成することができる。
再び図4に戻り、図4(b)を参照して構造体の特性を導出する処理(S30)について説明する。S32において、構造体特性導出部303は、入力を受け付けた輝点情報(S20)と、構造体特性テーブル801の参照結果(S31)とから、印刷装置24に形成させるための、構造体の底面積s2を導出する。本実施形態では、例えば、輝点情報として輝点の面積s1=70x70μm^2が入力された場合、輝点の面積s1と、構造体の底面積s2とを比較し、輝点の面積s1との差が最小となる構造体の面積s2を導出する。図8に示される構造体特性テーブル801の例では、S2=60x60μm^2が導出される。
S33において、構造体特性導出部303は、構造体特性テーブル801の参照結果(S31)と、構造体の底面積s2の導出結果(S32)とから、印刷装置24に形成させるための、構造体の傾斜角度θを導出する。本実施形態では、例えば、構造体特性テーブル801において、構造体の底面積s2に対応付けられる、0度、14.0度、26.6度、36.9度、45度の値が導出される。以上説明した通り、図4(b)のS30の処理により、構造体特性導出部303は、記録基材上に形成する構造体の特性(構造体の底面積および複数の傾斜角度)を導出することができる。
(配置データ生成部の制御内容)
次に、図4(c)を参照して構造体配置データを生成する処理(S40)について説明する。
S41において、配置データ生成部304は、記録基材面の2次元座標に対応した画像データを生成し、当該画像データをS30で導出した面積s2の矩形ブロックに分割する。図11(a)は、S41で配置データ生成部304が生成する画像データ1101の一部を表す模式図である。配置データ生成部304は、生成した画像データ1101を面積s2の複数の矩形ブロック1102に分割する。本実施例では、矩形ブロック1102の一辺の長さは、底面の一辺の長さXと等しい長さによって構成される。そして、後述の処理により、分割された1つの矩形ブロックにつき、1つの構造体が配置される。なお、矩形ブロック1102は、S30で導出された底面積s2の構造体が配置可能なサイズであればよいので、矩形ブロック1102が底面積s2より大きくてもよい。
S42において、配置データ生成部304は、S30で導出した傾斜角度を有する構造体それぞれの数を決定する。本実施形態では、配置データ生成部304は、データ格納部306に予め格納された構造体数テーブル802を参照することにより、各傾斜角度を有する構造体それぞれの数を決定する。
ここで、図8(b)を参照し、構造体数テーブル802の内容について説明する。本実施形態の構造体数テーブル802は、傾斜角度ごとに構造体の数が対応付けられている。例えば、図8(b)に示される構造体数テーブル802では、底面積s2=60x60μm^2の構造体に形成可能な傾斜角度に対応して、構造体配置データに配置される比率である4%、12%、20%、28%、36%が対応付けられている。なお、構造体数テーブル802の各値は、図8(b)に示されるものに限定されず、所望の光輝感を表現するために、任意の値を用いることができる。例えばJIDA(日本インダストリアルデザイナー協会)のスタンダードサンプルに対して照射した角度値と、当該サンプルを正対方向で撮像した撮像画像に含まれる輝点の数等を用いることができる。また、構造体の数を異ならせた複数の構造体数テーブル802を予めデータ格納部306に保持し、構造体数テーブル802を適宜選択することによっても、所望の光輝感を表現する構造体を形成することができる。
S43において、配置データ生成部304は、S41で分割した画像データの各矩形ブロックに、各傾斜角度が対応付けられた構造体を割り当てることにより、構造体の配置を特定する構造体配置データを生成する。本実施形態では、配置データ生成部304は、S30で導出された異なる傾斜角度を有する2種類以上の構造体を組み合わせた配置を特定する構造体配置データを生成する。図11(b)は、各矩形ブロックに構造体が割り当てられた構造体配置データ1103の模式図である。ブロック1104〜1108は、それぞれ異なる傾斜角度が対応付けられた構造体が割り当てられ、構造体配置データ1103では、0度、14.0度、26.6度、36.9度、および45度の異なる傾斜角度を有する5種類の構造体が組み合わせて配置される。
具体的には、配置データ生成部304は、以下の方法によって構造体を配置する。本実施形態では、5×5の25ブロックに分割した画像データ1101に、構造体を配置する例について説明する。先ず、配置データ生成部304は、25ブロック全てに、乱数に基づく1乃至25のナンバリングを行う。次に、傾斜角度θ1乃至θmに対応する構造体の数をそれぞれN1乃至Nmとしたとき、1からN1にナンバリングされたブロックに傾斜角度θ1に対応する構造体を配置する。図11(b)の例では、傾斜角度45.0度に対応する構造体の数は9である。画像データ1101の25ブロックに、1乃至9がナンバリングされたブロックについては、傾斜角度45.0度に対応する構造体が配置される。図11(b)の構造体配置データ1103では、ブロック1104が配置された領域が相当する。次に、(N1+1)から(N1+N2)にナンバリングされたブロックに傾斜角度θ2に対応する構造体を配置する。このように、傾斜角度θ1乃至θmに対応する構造体の配置を決定することにより、異なる傾斜角度に対応する2種類以上の構造体を組み合わせた配置を特定することができる。なお、構造体の配置方法は上述の方法に限定しないが、同一の傾斜角度を有する構造体同士が隣接しないよう分散させて配置することが望ましい。例えば、配置データ生成部304は、ブロックのナンバリングから構造体の配置まで一連の処理を行った後、同一の傾斜角度を有する構造体同士が隣接しているか否かを確認し、隣接していた場合は再度処理を行うイタレーション処理を行ってもよい。さらには、観察条件の変化による輝点の推移をより顕著に視認することができるように、異なる傾斜角度を有する構造体同士であっても、近い傾斜角度を有する構造体同士はより離れた位置に配置されることがより望ましい。そのため、例えば次式で求めることができる隣接する構造体間の傾斜角度の差分の総和を評価指標とし、所定回数配置候補決定処理を試行した後、当該評価値が最大となる配置を決定してもよい。
ΣΣ|θ(x,y)‐θ(x+1,y+1)| ・・・ (2)
また、配置する構造体の総和が、画像データ1101を分割したブロック数よりも多く、S42で取得した構造体全てを画像データ1101に配置することができない場合、画像データ1101に配置する構造体の数を再定義してもよい。このとき、配置データ生成部304は、配置する各構造体の数の比率を算出し、算出した各構造体の数の比率を画像データ1101のブロック数に乗算することにより、配置する構造体の数を再定義することができる。以上説明した通り、図4(c)のS40の処理により、配置データ生成部304は、構造体配置データを生成することができる。
(印刷装置制御部の制御内容)
次に、S50において、印刷装置制御部305は、構造体配置データに基づいて、各座標における積層回数を決定し、印刷装置24に当該情報を送ると共に画像形成動作の実行を指示する。図4(d)を参照して印刷装置制御部にて実行される処理(S50)について説明する。
S51において、S40で導出した構造体配置データに基づき、各ブロックに配置される構造体の傾斜角度と、画像データ1101における各ブロックの座標と、に応じたUV硬化型インクの積層回数を設定したデータを生成する。例えば図10(a)のUV硬化型インクの積層906に対応する構造体を形成する場合、インクの最大積層回数を3とし、構造体配置データ1103のx方向の座標に応じて最大積層回数3からデクリメントした値を設定することができる。
S52において、S51にて各画素にUV硬化型インクの積層回数が設定されたデータを印刷装置24に送信し、後述する印刷装置の画像形成動作の実行を指示する。なお、S51に記載の処理は印刷装置24内部にて行われるものとし、S40で導出した構造体配置データを直接送信する形態でもよい。また、印刷装置24が、上述した透明なUV硬化型インクとは異なるインクを搭載し、構造体の形成に用いるインクを可変とする場合、上述したデータに加えてインクを指定する情報を合わせて印刷装置24に送る形態でも構わない。
(印刷装置の画像形成動作)
印刷装置制御部305にて決定した情報に基づく印刷装置24の画像形成動作について説明する。先ず、印刷装置24の構成について図12を用いて説明する。ヘッドカートリッジ1201は、複数の吐出口からなる記録ヘッドと、記録ヘッドに対してインクを供給するインクタンクと、記録ヘッドの各吐出口を駆動する信号を受信するためのコネクタが設けられている。インクタンクには、構造体形成用のUV硬化型インクが設けられている。ヘッドカートリッジ1201およびUVランプ1221は、キャリッジ1202において所定の位置に交換可能に搭載されている。キャリッジ1202には、コネクタを介してヘッドカートリッジ1201およびUVランプ1221に駆動信号等を伝達するためのコネクタホルダが設けられている。キャリッジ1202は、ガイドシャフト1203に沿って往復移動可能に構成される。具体的には、キャリッジ1202は、主走査モータ1204を駆動源として、モータプーリ1205、従動プーリ1206、タイミングベルト1207等の駆動機構を介して駆動されるとともに、その位置および移動が制御される。なお、このキャリッジ1202のガイドシャフト1203に沿った移動を「主走査」といい、移動方向を「主走査方向」という。
印刷用の記録基材1208は、ASF(オートシートフィーダ)1210に載置されている。記録基材1208に画像を形成する際、給紙モータ1211の駆動に伴いピックアップローラ1212が回転し、ASF1210から記録基材1208が一枚ずつ分離され、給紙される。更に、記録基材1208は、搬送ローラ1209の回転によりキャリッジ1202上のヘッドカートリッジ1201の吐出口面と対向する記録開始位置に搬送される。搬送ローラ1209は、ラインフィードモータ1213を駆動源としてギアを介して駆動される。記録基材1208が供給されたか否かの判定と給紙時位置の確定は、記録基材1208がエンドセンサ1214を通過した時点で行われる。キャリッジ1202に搭載されたヘッドカートリッジ1201は、吐出口面がキャリッジ1202から下方へ突出して記録基材1208と平行になるように保持されている。制御部1220は、S50において導出された各座標における透明のUV硬化型インクの積層回数に基づいて、印刷装置24の各部位の動作を制御する。説明を簡易にするため、本実施形態の印刷装置24は、所定の解像度でインクを吐出するか否かの制御を行う2値印刷装置であるものとして説明する。もちろん、吐出するインク滴のサイズを変調可能な方式を用いても構わない。
次に、印刷装置24の画像形成動作について説明する。記録基材1208が所定の記録開始位置に搬送されると、キャリッジ1202がガイドシャフト1203に沿って記録基材1208上を移動し、その移動の際に記録ヘッドの吐出口よりインクが吐出される。インクが吐出された直後にUVランプ1221が点灯し、UV硬化型インクが硬化される。キャリッジ1202がガイドシャフト1203の一端まで移動すると、搬送ローラ1209が所定量だけ記録基材1208をキャリッジ1202の走査方向に垂直な方向に搬送する。この記録基材1208の搬送を「紙送り」または「副走査」といい、この搬送方向を「紙送り方向」または「副走査方向」という。記録基材1208の所定量副走査方向に搬送し終えると、キャリッジ1202は再度ガイドシャフト1203に沿って移動する。このように、記録ヘッドのキャリッジ1202による走査と紙送りとを繰り返す。この結果、記録基材1208全体に、光輝感を表現するための構造体が形成される。なお、本実施形態で用いられる記録基材は、記録ヘッドによる構造体形成に対応できるものであれば記録用紙以外のものを用いてもよい。また、本実施形態では、インクジェット方式を採用した例を示したが、電子写真方式などその他の記録方式であってもよい。上記キャリッジ1202の走査をS51で設定した積層回数分繰り返すことによりUV硬化型インクを積層し、各構造体を記録基材1208上に形成する。なお、S30で生成した画像データ1101の解像度は、印刷装置24の解像度に合わせて生成されたが、双方の解像度が異なる場合は、画像データ1101に対して適宜解像度変換処理を行えばよい。また、印刷装置24が、UV硬化型インクに加え、光輝材を含有する金属色インクをさらに備える態様であってもよい。この変形例の場合、印刷装置制御部305は、金属色インクを各構造体の上層または下層に塗布して高光沢層を形成することで、構造体の金属調の質感をさらに高めることができる。あるいは、印刷装置制御部305は、S50の処理後、形成された各構造体の上層にぬれ性の高いインクを吐出し、各構造体の上層により滑らかな傾斜面を形成してもよい。各構造体にぬれ性の高いインクを突出することで、より輝度の高い輝点を記録基材上に表現することができる。
(光輝感を擬似的に表現した構造体の形成例)
次に、図13を参照して、光輝感を擬似的に表現した構造体の例について説明する。図13(a)(b)はそれぞれ、画像処理装置1の上述の処理により記録基材1208上に形成した構造体の断面を模式的に示した図である。図13(a)(b)に示される通り、記録基材1208上には、異なる傾斜角度を有する2種類の構造体が組み合わせて配置されており、各構造体は一辺の長さがXの底面積を有する。また、記録基材1208上に形成された各構造体の配置は、図13(a)(b)共に同一である。
しかし、それぞれ異なる照射角度から構造体が形成された記録基材1208を照射すると、同一の受光角度に対して鏡面反射する構造体の位置がそれぞれ相違する。そのため、同一の観察地点から記録基材1208を観察した場合、図13(a)から(b)に照射角度が変化するのに伴い、または図13(b)から(a)に照射角度が変化するのに伴い、輝点の位置が変化するように視認される。照射角度または観察地点の変化に伴い、物体の表面に含まれる輝点の特性が変化することにより、観察者は、キラキラしている質感や、粒状性を有している質感などの、光輝感特有の質感を視認することができる。
以上説明したように、本実施形態における画像処理装置1は、異なる傾斜角度が対応付けられた2種類以上の構造体を組み合わせて記録基材上に形成することにより、光輝感を擬似的に表現することができる。また、本実施形態における画像処理装置1は、入力パラメータとして対象物の輝点の大きさを用いることにより、輝点の大きさとの差が小さい構造体を記録基材上に形成するように制御する。そのため、対象物の光輝感と比較して、一定の再現性を有する光輝感を表現する構造体を形成することができる。なお実施形態1では、実際に構造体を形成する印刷装置24とは独立した装置として、画像処理装置1が構成されたシステムを例に説明した。しかしながら、印刷装置24に画像処理装置1が内蔵された構成としてもよい。この場合、画像処理装置1は、専用の画像処理回路として実現され、各機能は回路によって実現することもできる。
[実施形態2]
実施形態1では、対象物の輝点の大きさに着目し、入力を受け付けた対象物の輝点の面積に基づいて、記録基材上に形成する構造体の特性を導出していた。本実施形態では、対象物の観察条件に着目し、輝点が観察される角度条件に基づいて、記録基材上に形成する構造体の特性を導出する態様について説明する。なお、実施形態2における画像処理装置1のハードウェアおよびソフトウェア機能構成は実施形態1のものと同じである。本実施形態では、UI表示部301によるUIの表示処理(S10)、および構造体特性導出部303による構造体の特性を導出する処理(S30)について実施形態1の処理と相違するため、以下、当該処理の内容についてのみ説明する。
S10において、画像処理装置1が必要な情報の入力を受け付けるために、UI表示部301はユーザに必要な情報の入力を促すUIをディスプレイ25に表示する。図14は、本実施形態におけるユーザに入力を促すUI1400の例を示す。図14(a)のUI1400において、入力領域1401乃至1404は、対象物の輝点情報の入力を受け付ける領域である。本実施形態において、画像処理装置1は、ユーザによって入力領域1401乃至1404に入力された輝点情報の入力を受け付ける。出力ボタン1405は、記録基材上に印刷処理を開始させる指示を受け付ける領域である。終了ボタン1406は、図4(a)に示される一連の処理を終了させる指示を受け付ける領域である。ユーザにより入力領域1401乃至1404に輝点情報の入力がされ、次いで出力ボタン1405が押下されると、S20に移行する。S20以降の処理は、実施形態1と同じため説明を省略する。
本実施形態のUI1400は、輝点の面積s1の入力を受け付ける入力領域1401と、輝点の角度条件の入力を受け付ける入力領域1402と、各角度条件に対応する輝点の数の入力を受け付ける入力領域1403とを有する。さらに、UI1400は、入力領域1402乃至1403に入力された各値を、S30以下の処理で用いるか否かの指示入力を受け付ける入力領域1404を有する。ここで、本実施形態における角度条件とは、対象物の観察時の角度条件、すなわち対象物を観察した時点における対象物への照射角度および観察地点の受光角度である。各角度条件に対応する輝点の数は、照射角度および受光角度の角度条件を満たした際に、対象物を観察して取得することができる輝点の数である。当然、各角度条件に対応する輝点の少なくとも一部は、互いに位置が異なっている。本実施形態では、対象物の輝点が観察される角度条件を用いることにより、対象物の輝点が観察される角度条件と、記録基材上に形成される構造体が輝点として視認される角度条件との差が小さくなるように制御される。そのため、本実施形態の画像処理装置1は、対象物の光輝感と比較して、一定の再現性を有する光輝感を表現する構造体を形成することができる。なお、各角度条件に対応する輝点の数は、図14(a)のUI1400のように、数値を直接入力する形態でなくてもよい。例えば、図14(b)のUI1410のように、横軸に照射角度θを、縦軸に輝点の数を対応付けたグラフにおいて、ユーザがプロット点1411を縦軸方向にスライド操作することにより、輝点の数の入力を受け付けることもできる。
(構造体特性導出部の制御内容)
次に、図15を参照して本実施形態における構造体の特性を導出する処理(S30)について説明する。S1531において、構造体特性導出部303は、UI1500を介して入力を受け付けた角度条件から、記録基材上に形成する複数の傾斜角度の目標範囲を設定する。S1531で設定される複数の傾斜角度の目標範囲は、観察地点と、照射光の鏡面反射方向とが一致する目標角度θを算出し、目標角度θを中心とした許容誤差θdの範囲とすることができる。例えば目標角度θが0度、10度、20度、25度と算出され、許容誤差θdが±2度であった場合では、目標角度θが0度、10度、20度、25度を中心として±2度の範囲が目標範囲として設定される。なお、上述の例では許容誤差θdを固定値として設定する例を示したが、許容誤差θdを比率に基づいて設定してもよい。例えば、各目標角度θの差分値の10%を許容誤差θdとするなど、許容誤差θdを適用的に変化させる形態であってもよい。
S1532において、構造体特性導出部303は、データ格納部306に格納されている構造体特性テーブル801を参照する。構造体特性テーブル801のデータ構造については、実施形態1(図8)と同じである。
S1533において、構造体特性導出部303は、入力を受け付けた角度条件(S1531)と、構造体特性テーブル801の参照結果(S1532)と、から構造体の底面積s2を設定する。
S1534において、構造体特性導出部303は、S1533で設定された面積s2の構造体が、S1531で設定された目標範囲内の傾斜角度を形成可能か判定する。例えば、目標範囲として0±2度、10±2度、20±2度、25±2度が設定され、S1533において、構造体の面積s2=90x90μm^2と設定された場合を具体例として説明する。構造体特性導出部303は、構造体特性テーブル801を参照し、構造体の底面積s2=90x90μm^2が形成可能な構造体の傾斜角度θとして、0度、9.5度、18.4度、26.6度、33.7度、39.8度、45度の値を特定する。この場合、構造体特性導出部303は、目標範囲のうち10±2度、20±2度、25±2度の傾斜角度を形成することができる。このように、面積s2の構造体が、目標範囲内の傾斜角度を形成することができると判定された場合(S1534:Yes)、S1536に移行する。一方、面積s2の構造体が、目標範囲内の傾斜角度を形成することができないと判定された場合(S1534:No)、S1535に移行する。S1534において、目標範囲内の傾斜角度が形成可能と判定された場合、構造体特性テーブル801を参照して、形成可能と判定された複数の傾斜角度に対応付けられた構造体の面積s2をあわせて導出する。この場合、対象物の輝点が観察される角度条件と、記録基材上に形成される構造体が輝点として視認される角度条件との差が小さくなるような構造体の特性を導出することができる。
S1535において、構造体特性導出部303は、構造体の底面積s2を更新する。本実施形態においては、構造体特性テーブル801に示される通り、構造体の底面積s2の面積が大きい程、印刷装置24が形成することができる構造体の傾斜角度が増える。そのため、構造体特性導出部303は、底面積s2=90x90μm^2から底面積s2=120x120μm^2などのように、S1533で設定した構造体の底面積s2から1つ大きいサイズに更新する。
S1536において、構造体特性導出部303は、構造体特性テーブル801の参照結果(S1532)と、判定結果(S1534)とから、印刷装置24に形成させるための、構造体の傾斜角度θを導出する。
以上説明したように、本実施形態における画像処理装置1は、異なる傾斜角度を有する2種類以上の構造体を組み合わせて記録基材上に形成することにより、光輝感を擬似的に表現することができる。また、本実施形態の画像処理装置1は、入力パラメータとして対象物の輝点が観察される角度条件を用いることにより、対象物の輝点が観察される角度条件と、記録基材上に形成される構造体が輝点として視認される角度条件との差が小さくなるように制御する。そのため、対象物の光輝感と比較して、一定の再現性を有する光輝感を表現する構造体を形成することができる。
[実施形態3]
実施形態1では、配置データ生成部304が、データ格納部306に予め格納された構造体数テーブル802(図8(b))を参照することにより、各傾斜角度に対応する各構造体の数を導出した。本実施形態では、輝点が観察される角度条件と、当該角度条件下で観察される輝点の数との関係に基づいて、各傾斜角度の対応する各構造体の数を導出する。なお、本実施形態における画像処理装置1のハードウェアおよびソフトウェア機能構成は実施形態1と同じである。さらに本実施形態におけるUI表示部301のUIの表示処理(S10)は実施形態2と同じである。本実施形態では、配置データ生成部304による構造体の配置を導出する処理(S40)について上述の実施形態と相違するため、以下、当該処理の内容についてのみ説明する。
(配置データ生成部の制御内容)
図16を参照して、本実施形態における構造体の配置を導出する処理(S40)について説明する。S1641において、配置データ生成部304は、記録基材面の2次元座標に対応した画像データを生成し、当該画像データをS30で導出した面積s2の矩形ブロックに分割する。
S1642において、配置データ生成部304は、入力を受け付けた輝点の角度条件と、当該角度条件下の輝点の数Mxとから、各傾斜角度に対応する各構造体の数を導出する。なお、本実施形態においても、UI1400(図14(a))の入力領域1402乃至1403を介して、輝点が観察される角度条件と、当該角度条件下で観察される輝点の数とを受け付け、これらの値を用いることができる。
配置データ生成部304は、先ず、入力を受け付けた角度条件から、観察地点と、照射光の鏡面反射方向とが一致するような構造体の傾斜角度θxを導出する。以下の説明ではθxを目標角度と記す。本実施形態において、例えば図7(b)に示されるように、照射角度と受光角度とがそれぞれ15度と0度とであった場合、構造体が配置された領域が輝点として視認され得る目標角度は7.5度となる。次に、配置データ生成部304は、目標角度θxに対応する構造体の数Myを導出する。傾斜角度θxを有する構造体の数Myは、目標角度θx1およびθx2と、目標角度θx1およびθx2のそれぞれに対応する輝点の数M1およびM2の各値とを、以下の数式で演算することにより導出することができる。ここで、θx1≦θx≦θx2とする。
My=M1+(M2−M1)×(θx−θx1)/(θx2−θx1)・・・(3)
上記数式3を用いた線形補間によって構造体の数Myを推定する手法の他、S30で導出された各傾斜角度と目標角度θxとの差分に着目し、当該差分が最小となる傾斜角度に対応した輝点の数をMyとして推定するなど、異なる手法を用いることもできる。
S1643において、配置データ生成部304は、S1641で分割した画像データの各矩形ブロックに各傾斜角度が対応付けられた構造体を割り当てることにより、構造体の配置を特定する構造体配置データを生成する。本実施形態では、配置データ生成部304は、S30で導出された異なる傾斜角度を有する2種類以上の構造体を組み合わせた配置を特定する構造体配置データを生成する。
以上説明したように、本実施形態では、輝点が観察される角度条件と、当該角度条件下で観察される輝点の数との関係に基づいて、各傾斜角度に対応する各構造体の数を記録基材上に形成するように制御する。そのため、対象物の光輝感と比較して、再現性が高い光輝感を表現する構造体を形成することができる。
[実施形態4]
実施形態1では、対象物の輝点の大きさに着目し、入力を受け付けた輝点の面積に基づいて、記録基材上に形成する構造体の特性を導出した。また、実施形態2では、対象物の観察条件に着目し、輝点が観察される角度条件に基づいて、記録基材上に形成する構造体の特性を導出した。本実施形態では、輝点の面積および輝点が観察される角度条件のいずれを優先するかを決定し、構造体の特性の導出方法を切り替える実施例について説明する。本実施形態では、UI表示部301によるUIの表示処理(S1810)、および優先度決定部1701による優先度の決定処理について実施形態1乃至3の処理と相違するため、以下、当該処理の内容についてのみ説明する。
図17は、本実施形態における画像処理装置1のソフトウェア機能構成を示すブロック図である。実施形態1乃至3における画像処理装置1のソフトウェア機能構成とは、優先度決定部1701の構成のみが相違する。優先度決定部1701は、構造体の特性を導出する際に、複数種類の輝点情報からいずれを優先するかを決定する。本実施形態では、優先度決定部1701は、輝点の大きさおよび角度条件のいずれを優先するかを決定する。
(画像処理装置の動作)
図18は、本実施形態における画像処理装置1の処理手順を示すフローチャートである。以下、図18を参照して本実施形態における画像処理装置1の処理手順の詳細を説明する。S1810において、画像処理装置1が必要な情報の入力を受け付けるために、UI表示部301はユーザに必要な情報の入力を促すUIをディスプレイ25に表示する。図19は、本実施形態におけるユーザに入力を促すUI1400の例を示す。実施形態4におけるUI1400は、入力領域1901の構成を除き、図14(a)に示されるものと同じである。本実施形態では、入力領域1901について実施形態2乃至3と相違するため、以下、当該内容についてのみ説明する。入力領域1901は、ユーザから優先して用いる輝点情報の種類の入力を受け付ける領域である。出力ボタン1405は、記録基材上に印刷処理を開始させる指示を受け付ける領域である。終了ボタン1406は、図18に示される一連の処理を終了させる指示を受け付ける領域である。ユーザにより入力領域1401乃至入力領域1404に輝点情報の入力がされ、さらに入力領域1901に輝点情報の種類の入力がされた後、出力ボタン1405が押下されると、S1820に移行する。
S1820において、データ取得部302は、S1810で入力を受け付けた輝点情報および輝点情報の種類を取得する。
S1830において、優先度決定部1701は、S1820で取得した輝点情報の種類から、構造体の特性を導出する際に優先して用いる輝点情報の種類を決定する。
図9に示される通り、記録基材上に形成される構造体の傾斜角度は、印刷装置24が吐出可能なインクのドットサイズおよび組み合わせに依存する。そのため、画像処理装置1は、入力パラメータとして対象物の輝点の大きさを用いることにより、対象物の輝点の大きさとの差が小さい構造体を記録基材上に形成するように制御する。しかし、対象物の輝点が観察される角度条件と、構造体が輝点として視認される角度条件との差が大きくなってしまう可能性がある。一方、画像処理装置1は、入力パラメータとして対象物の輝点が観察される角度条件を用いることにより、対象物の輝点が観察される角度条件と、構造体が輝点として視認される角度条件との差が小さくなるように制御する。しかし、対象物の輝点の大きさと、構造体の面積との差が大きくなってしまう可能性がある。本実施形態では、S1830において、優先度決定部1701は、積層されるドットインクの数および組合せに起因する輝点情報のトレードオフ関係下、優先して用いる輝点情報の種類を決定する。なお、実施形態は輝点情報の種類の入力を受け付ける態様に限られず、例えばスライドバーによるUI等を用いて、輝点情報の優先度を段階的に受け付ける態様であってもよい。このとき、輝点情報の優先度に応じて記録基材上に表現する構造体の精度について、許容誤差を可変に設定する処理を適用する態様が考えられる。
S1830において、輝点の面積を優先すると判定された場合(S1830:Yes)、S1840に移行し、構造体特性導出部303は、S1820で取得された輝点の面積に基づいて、記録基材上に形成する構造体の特性を導出する。なお、S1840の処理の詳細は、S30と同じため説明を省略する。
S1830において、角度条件を優先すると判定された場合(S1830:No)、S1850に移行し、構造体特性導出部303は、S1820で取得された角度条件に基づいて、記録基材上に形成する構造体の特性を導出する。なお、S1850の処理の詳細は、S1531〜S1536と同じため説明を省略する。
S1860において、配置データ生成部304は、S1840またはS1850で導出された構造体の特性に応じて、記録基材上に形成する構造体の配置を導出する。配置データ生成部304は、分割した画像データの各矩形ブロックに各傾斜角度が対応付けられた構造体を割り当てることにより、構造体の配置を特定する構造体配置データを生成する。なお、S1860の処理の詳細は、S40と同じため説明を省略する。
S1870において、印刷装置制御部305は、S1860で生成された構造体配置データに基づいて、印刷装置24による画像形成動作の実行を指示し、当該指示を受信した印刷装置24は記録基材上に構造体を形成する。なお、S1870の処理の詳細は、S50と同じため説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態では、輝点の面積および輝点が観察される角度条件のいずれを優先するかを決定し、構造体の特性を導出する方法を切り替える。かかる構成により、輝点の大きさについての再現性を優先して構造体を形成するか、輝点が観察される角度条件についての再現性を優先して構造体を形成するかを、ユーザの意向を反映して決定することができる。
[実施形態5]
実施形態1乃至4では、UIへの定量値のパラメータ入力を介して輝点情報を受け付ける態様について説明した。本実施形態における画像処理装置1は、UIへの定量値のパラメータ入力の代わりに参照画像の入力を受け付け、受け付けた参照画像から輝点情報を抽出し、抽出した輝点情報に基づいて処理を行う態様について説明する。本実施形態において、入力を受け付ける参照画像として図6(a)に示される撮像画像を例に説明するが、例えばCADシステム等で生成された画像を参照画像とする態様であってもよい。本実施形態では、UI表示部301によるUIの表示処理(S2110)、データ取得部302による参照画像の取得処理(S2120)、および輝点情報抽出部2001による輝点情報の抽出処理(S2130)について実施形態1乃至3の処理と相違する。以下、当該処理の内容についてのみ説明する。
図20は、本実施形態における画像処理装置1のソフトウェア機能構成を示すブロック図である。実施形態1乃至3における画像処理装置1のソフトウェア機能構成とは、輝点情報抽出部2001の構成のみが相違する。本実施形態における輝点情報抽出部2001は、入力された参照画像から輝点情報を抽出する。
(画像処理装置の動作)
図21(a)は、本実施形態における画像処理装置1の処理手順を示すフローチャートである。以下、図21(a)を参照して本実施形態における画像処理装置1の処理手順の詳細を説明する。S2110において、画像処理装置1が必要な情報の入力を受け付けるために、UI表示部301はユーザに必要な情報の入力を促すUIをディスプレイ25に表示する。図22は、本実施形態におけるUI2200の例を示す。図22のUI2200において、入力領域2201は、参照画像の格納先の入力を受け付ける領域である。参照画像の格納先として、ファイルパスなどが例示される。入力領域2202は、対応する参照画像の取得時における角度条件の入力を受け付ける領域である。出力ボタン2204は、記録基材上に印刷処理を開始させる指示を受け付ける領域である。終了ボタン2205は、図21(a)に示される一連の処理を終了させる指示を受け付ける領域である。ユーザにより入力領域2201乃至2203への入力がされ、次いで出力ボタン2204が押下されると、S2120に移行する。本実施形態のUI2200は、さらに、入力領域2201および2202に入力された各値を、S2140以下の処理で用いるか否かの指示入力を受け付ける入力領域2203を有する。
S2120において、データ取得部302は、S2110で入力を受け付けた格納先から、輝点情報を抽出するための参照画像を取得する。S2120において、データ取得部302は、各格納先から参照画像の画像データを取得するか、または取得した参照画像から画像データに変換する。また、このときデータ取得部302は、当該参照画像の角度条件も取得する。本実施形態において、角度条件とは、例えば参照画像がデジタルカメラなどによる撮像画像である場合、当該撮像画像の撮像時における照射角度や受光角度などの撮像条件などをいう。
S2130において、輝点情報抽出部2001は、S2120で取得した参照画像と当該参照画像の角度条件とに基づいて、対象物の輝点情報を抽出する。なお、上述の実施形態と同様に、輝点情報とは、対象物を観察することにより得られる輝点の面積や、対象物を観察する際の角度条件および当該角度条件下の輝点の数を示す。輝点情報を抽出する処理の詳細については後述する。
S2140において、構造体特性導出部303は、S2130で抽出された輝点情報に基づいて、記録基材上に形成する構造体の特性を導出する。なお、S2140の処理の詳細は、S30またはS1531〜S1536と同じため説明を省略する。
S2150において、配置データ生成部304は、S2140で導出された構造体の特性に応じて、記録基材上に形成する構造体の配置を導出する。配置データ生成部304は、分割した画像データの各矩形ブロックに各傾斜角度が対応付けられた構造体を割り当てることにより、構造体の配置を特定する構造体配置データを生成する。なお、S2150の処理の詳細は、S40と同じため説明を省略する。
S2160において、印刷装置制御部305は、S2150で生成された構造体配置データに基づいて、印刷装置24による画像形成動作の実行を指示し、当該指示を受信した印刷装置24は記録基材上に構造体を形成する。なお、S2160の処理の詳細は、S50と同じため説明を省略する。
(輝点情報抽出部の制御内容)
次に、図21(b)を参照して本実施形態における輝点情報を抽出する処理(S2130)について説明する。S2131において、輝点情報抽出部2001は、S2120で取得した参照画像のうち、S2132〜S2134の処理を施していない未処理の参照画像を読み込む。本実施形態において、輝点情報の抽出に用いられる参照画像は、1チャネルのグレースケール画像であって、画素値は輝度値に正の相関を有する0〜255の8ビットで値を保持されたものが好適に用いられる。また、このような参照画像は、Exif等の画像情報記録用フォーマット形式に従って、画像の解像度が参照画像のデータ内に保持されているものとする。
S2132において、輝点情報抽出部2001は、S2131で読み込んだ参照画像に対して2値化処理を施して2値画像を生成する。輝点情報抽出部2001は、参照画像の各画素に対して閾値判定を行い、閾値以上の画素の画素値を255に置換し、閾値未満の画素の画素値を0に置換する。閾値は参照画像の画素値のヒストグラムに基づいて適応的に決定するものとし、例えば判別分析法を用いて閾値を決定することができる。なお、2値化処理は、ヒストグラムの谷に相当する画素値を閾値と設定するモード法などの公知技術が多数存在し、2値化方法は上記の態様に限定されない。2値化処理した2値画像において、画素値が255の領域が輝点に相当する。
S2133において、輝点情報抽出部2001は、S2132で生成した2値画像に対してラベリング処理を施す。輝点情報抽出部2001は、2値画像において画素値が255の画素に対して4連結のラベリング処理を施し、当該画素の上下左右に隣接していて、かつ画素値が255のものに同一のラベルを付与する。なお、当該画素の上下左右に加えて斜め方向に隣接する画素に同一のラベルを付与する8連結のラベリング処理であってもよい。
S2134において、輝点情報抽出部2001は、S2133のラベリング処理の結果、2値画像に含まれる輝点の数および輝点の平均面積を取得し、取得した輝点の数および輝点の平均面積を、S2110で入力を受け付けた角度条件と対応付ける。より詳細には、輝点情報抽出部2001は、S2133で取得された輝点の形状を正方形と仮定し、一辺の長さに基づいて各輝点の面積を取得する。輝点情報抽出部2001は、S2133のラベリング処理の結果から、各輝点に付与されたラベル数と、ラベルが付与された各画素群の平均画素数を取得する。このとき、各輝点に付与されたラベル数が輝点の数となる。また、輝点情報抽出部2001は、ラベルが付与された各画素群の平均画素数と、参照画像の解像度とを、数式(1)によって演算することにより、当該参照画像に対応する輝点の面積を取得する。次いで、輝点情報抽出部2001は、取得した輝点の数と輝点の面積とを、S2110で入力を受け付けた角度条件と対応付けてデータ格納部306に保存する。
S2135において、全ての参照画像の処理が完了したか否かを判定する。全ての参照画像の処理が完了したと判定された場合(S2135:Yes)、S2136に移行する。全ての参照画像の処理が完了していないと判定された場合(S2135:No)、再びS2131の処理に戻る。
S2136において、S2134で保存した各参照画像に対応する輝点の面積をデータ格納部306から読み出し、全参照画像における輝点の平均面積を取得する。輝点情報抽出部2001は、取得した全参照画像における輝点の面積を、データ格納部306に保存する。S2136の処理が終了すると、再び図21(a)のフローチャートの処理に戻り、S2130で抽出した輝点の平均面積に基づいて、記録基材上に形成する構造体の特性を導出する。
以上説明したように、本実施形態では、入力を受け付けた参照画像から輝点情報を抽出し、抽出した輝点情報に基づいて構造体の特性を導出する。かかる構成により、本実施形態における画像処理装置1は、ユーザが煩雑な作業に時間を費やすことなく、対象物を撮像した撮像画像などから簡易に輝点情報を抽出することができる。そのため、対象物の光輝感と比較して、一定の再現性を有する光輝感を表現する構造体を形成することができる。
[実施形態6]
前記実施形態では、輝点情報を取得して記録基材上に構造体を形成するための画像処理を行っていた。本実施形態では、輝点情報に加えてカラー情報を取得し、カラー画像および構造体を形成する実施例について説明する。本実施形態では、UI表示部301によるUI表示処理(S2401)乃至カラーインク量決定部2301によるカラーインク量の決定処理(S2403)について実施形態1乃至5の処理と相違するため、以下、当該処理の内容についてのみ説明する。なお、印刷装置24は、カラーインクとしてCMYKインクを搭載しているものとする。
図23は、本実施形態における画像処理装置1のソフトウェア機能構成を示すブロック図である。実施形態1乃至5における画像処理装置1のソフトウェア機能構成とは、カラーインク量決定部2301および色分解テーブル2302の構成のみが相違する。カラーインク量決定部2301は構造体の下層に形成するカラー画像のインク量を決定する。
(画像処理装置の動作)
図24は、本実施形態における画像処理装置1の処理手順を示すフローチャートである。以下、図24を参照して本実施形態における画像処理装置1の処理手順の詳細を説明する。
S2401において、画像処理装置1が必要な情報の入力を受け付けるために、UI表示部301はユーザに必要な情報の入力を促すUIをディスプレイ25に表示する。図25は、本実施形態におけるユーザに入力を促すUI2500の例を示す。実施形態6におけるUI2500は、入力領域2501の構成を除き、図5に示されるものと同じである。入力領域2501は、カラー情報を含む参照画像の格納先の入力を受け付ける領域である。参照画像の格納先として、ファイルパスなどが例示される。当該入力領域2501へ参照画像の格納先の入力と、入力領域501へ実施形態1と同様に輝点情報の入力がされた後、出力ボタン502が押下されると、S2402に移行する。
S2402において、データ取得部302は、S2401で入力を受け付けた格納先から、カラー画像を形成するための参照画像を取得する。S2402において、データ取得部302は、各格納先から参照画像の画像データを取得するか、または取得した参照画像から画像データに変換する。本実施形態にて用いられる参照画像は、カラー情報を示すRGB値と、構造体を形成する領域と構造体を形成しない領域とを識別する2値情報が記録された、計4チャネルの画像とする。なお、画像形式はこれに限定せず、例えばRGB値の変わりにCIELab値が格納された画像でも構わない。また、構造体を形成する領域を適応的に設定しない場合は、前記2値情報を含まず、通常のRGB値のみが格納された画像であっても構わない。さらに、形成するカラー情報が座標によらず一様な場合、UIにて単一のRGB値を入力することによりカラー情報を取得することも可能である。
S2403において、カラーインク量決定部2301は、データ格納部306から色分解テーブル2302を読み出し、参照画像の各座標のRGB値に対応するカラーインク量を決定する。色分解テーブル2302は、例えばRGBを9スライスした計729色に対するCMYKインク量が対応付けられており、公知の補間演算処理を用いることで任意のRGB値に対応するCMYKインク量を算出する。なお、色分解テーブル2302は予めデータ格納部306に保持されているものとする。
S2404において、データ取得部302は、S2401で入力を受け付けた輝点情報を取得する。なお、S2404の処理の詳細は、S20と同じため説明を省略する。
S2405において、構造体特性導出部303は、S2404で取得した輝点情報から構造体の特性を導出する。なお、S2405の処理の詳細は、S30と同じため説明を省略する。
S2406において、配置データ生成部304は、S2405で導出された構造体の特性に応じて、構造体配置データを生成する。なお、S2406の処理の詳細は、S40と同じため説明を省略する。ただし、本実施形態のS41における画像データは、S2402にて取得したカラー画像に含まれる2値情報にて識別される、構造体を形成する領域のみを対象としたものである。
S2407において、印刷装置制御部305は、S2403にて算出した各画素のカラーインク量を印刷装置24に送信すると共に、画像形成動作の実行を指示する。カラーインクは上述の通りCMYKインクが用いられる。印刷装置24は、受信した各画素のカラーインク量に対応する記録ヘッドの吐出制御を行うことにより、記録基材1208上にカラー画像を形成する。
S2408において、印刷装置制御部305は、S2406で生成された構造体配置データを基に、各座標における積層回数を決定し、印刷装置24に当該情報および構造体を形成する領域を送ると共に画像形成動作の実行を指示する。なお、S2408の処理および印刷装置24における画像形成動作についての詳細は、S50および実施形態1に記載の動作と同じため説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態では、カラー画像を形成し、当該カラー画像の上層に構造体を形成する。かかる構成により、任意の金属色および光輝感を有する画像を形成することができる。
[実施形態7]
上述の実施形態において、ユーザが輝点情報を直接入力し、画像処理装置1は入力を受け付けた輝点情報に基づいて構造体特性を決定していた。本実施形態では、光輝感の異なる質感を示す名称(以下、モードとする)を表示し、ユーザが複数のモードから任意に1つのモードを選択することにより、間接的に輝点情報を指示入力する形態について説明する。本実施形態では、UI表示部301によるUIの表示処理(S10)と、データ取得部302における輝点情報の取得処理(S20)について上述の実施形態と相違するため、以下、当該処理の内容についてのみ説明する。
(画像処理装置の動作)
S10において、画像処理装置1が必要な情報の入力を受け付けるために、UI表示部301はユーザに必要な情報の入力を促すUIをディスプレイ25に表示する。図26は、本実施形態におけるユーザに入力を促すUI2600の例を示す。入力領域2601は、プリセットされたモードの中からユーザが選択するモードを受け付ける領域であり、例えばコンボボックスなどを用いることができる。ユーザにより入力領域2601にてモードが選択され、次いで出力ボタン2602が押下されるとS20に移行する。このように、UI表示部301によってディスプレイ25に表示されるUI2600は、いわばモードの選択を受け付ける選択受付手段として機能するといえる。
S20において、データ取得部302は、各モードと輝点情報とが対応付けられたテーブルを参照し、S10でユーザから受け付けたモードに対応する輝点情報を取得する。モードと輝点情報の対応関係の例として、例えば、ラメ調と金属調モードを保持し、ラメ調モードでは輝点の面積が金属調モードと比較して大きい値を設定するなどの形態が考えられる。その他に、配置する構造体の傾斜角の頻度分布の分散度が大きく、角度条件に伴う輝点の変化がより広い傾斜角度の範囲で視認されるモードをギラギラモード、対して分散度が小さく、輝点の変化がより限定された狭い傾斜角度の範囲で視認されるモードをキラキラモードなどとした輝点情報とモードとの対応関係が考えられる。なお、各モードと輝点情報とが対応付けられたテーブルはデータ格納部306などに保持されているものとする。
S30において、構造体特性導出部303は、S20で取得された輝点情報に基づいて、記録基材上に形成する構造体の特性を導出する。S40において、配置データ生成部304は、S30で導出された構造体の特性に応じて、記録基材上に形成する構造体配置データを生成する。S50において、印刷装置制御部305は、S40で生成された構造体配置データを基に、各座標における積層回数を決定し、印刷装置24に当該情報を送ると共に画像形成動作の実行を指示する。
以上説明したように、本実施形態における画像処理装置1は、異なる質感を示す名称と輝点情報を予め保持し、ユーザは当該名称を選択することにより、簡易に光輝感の異なる質感を選択および再現することが可能となる。
[実施形態8]
上述の実施形態では、輝点の大きさや輝点が観察される角度条件に基づいて光輝感を表現する構造体を形成していた。本実施形態では、輝点からの反射光の強さを示す輝点の強度を輝点情報として用いて、記録基材上に形成する構造体の特性を導出する態様について説明する。以下、上述の実施形態1〜7と共通する部分については説明を簡略化ないし省略し、本実施形態に特有な点を中心に説明する。
図27は、本実施形態における画像処理装置1のソフトウェア機能構成を示すブロック図である。実施形態1における画像処理装置1のソフトウェア機能構成とは、データ取得部302が輝点情報として輝点の強度を取得する点、および反射光量テーブル2701と、出力条件変更部2704の構成が相違する。反射光量テーブル2701は、記録基材情報と、単位面積あたりの反射光量とが対応付けられ、データ格納部306に保持されている。出力条件変更部2704は、取得された輝点の強度に対応する構造体を形成することができない場合、輝点の見えを制御するための出力条件の入力をユーザに促し、またはこのような出力条件を変更する。
(画像処理装置の動作)
図28(a)は、本実施形態における画像処理装置1の処理手順を示すフローチャートである。以下、図28(a)を参照して本実施形態における画像処理装置1の処理手順の詳細を説明する。S2810において、UI表示部301はユーザに必要な情報の入力を促すUIをディスプレイ25に表示する。図29は、本実施形態におけるUI2900の例を示す。図29のUI2900は、上述の実施形態で説明した、優先して用いる輝点情報の種類の入力を受け付ける入力領域2902や、参照画像の格納先の入力を受け付ける入力領域2905などを有する。さらに、本実施形態のUI2900は、記録基材の種類を示す記録基材情報を受け付ける入力領域2906を有する。
S2820において、データ取得部302は、S2810で入力を受け付けた格納先から参照画像を取得する。データ取得部302は取得した参照画像から輝点の強度を抽出する。参照画像から輝点の強度を抽出する以外にも、データ取得部302は、UI2900を介して輝点の強度を示す値の入力を受け付けてもよい。また、上述の実施形態と同様に、データ取得部302は、輝点の面積を取得することもできる。さらに、S2820において、データ取得部302は、S2810で入力を受け付けた記録基材情報を取得する。
S2830において、構造体特性導出部303は、S2820で取得された輝点の強度と、記録基材情報とに基づいて、記録基材上に形成する構造体の特性を導出する。なお、S2830の処理の詳細は後述する。
S2840において、配置データ生成部304は、S2830で導出された構造体の特性に応じて構造体配置データを生成する。配置データ生成部304は、分割した画像データの各矩形ブロックに各傾斜角度が対応付けられた構造体を割り当てることにより、構造体の配置を特定する構造体配置データを生成する。なお、S2840の処理の詳細は、S40と同じため説明を省略する。
S2850において、印刷装置制御部305は、S2840で生成された構造体配置データに基づいて、印刷装置24による画像形成動作の実行を指示し、当該指示を受信した印刷装置24は記録基材上に構造体を形成する。なお、S2850の処理の詳細は、S50と同じため説明を省略する。
(構造体特性導出部の制御内容)
図28(b)は、本実施形態における構造体特性導出部303の処理手順を示すフローチャートである。以下、図28(b)を参照して本実施形態における構造体特性導出部303の処理手順の詳細を説明する。
S2831において、構造体特性導出部303は、データ格納部306に格納されている反射光量テーブル2701を参照し、S2820で特定した記録基材に対応する単位面積あたりの反射光量を取得する。ここで、本実施形態における単位面積あたりの反射光量について、図30を参照して説明する。実施形態1で説明した通り、本実施形態の印刷装置24は、記録基材上に透明のUV硬化型インクを積層することにより、構造体を形成する。そのため、透明の構造体3001に照射された光は、構造体3001を透過して記録基材1208に到達する。さらに、記録基材1208に到達した光は、記録基材1208から反射し、構造体3001の傾斜面から放たれる。このとき、構造体3001の傾斜面から放たれる反射光量は、記録基材1208の反射特性と、構造体3001の傾斜面の面積とに依存する。
例えば、図30(a)を参照して、単位面積(例えば1mm^2)あたりの反射光量が20である記録基材1208に、傾斜面の面積が1mm^2となる構造体3001が形成された場合を考える。この場合、構造体3001への照射光量100に対して、反射光量20が構造体3001の傾斜面から放たれる。構造体3001が、印刷装置24が形成可能な最小単位の構造体であるとすると、輝点の強度=100(反射光量=100)を再現するためには、記録基材1208上に、5mm^2の傾斜面の面積を有する構造体を形成する必要があることが分かる。一方、図30(b)を参照して、単位面積あたりの反射光量が100である記録基材1208に、傾斜面の面積が1mm^2となる構造体3001が形成された場合を考える。この場合、構造体3001への照射光量100に対して、反射光量100が構造体3001の傾斜面から放たれる。構造体3001が、印刷装置24が形成可能な最小単位の構造体であるとすると、輝点の強度=100(反射光量=100)を再現するためには、記録基材1208上には、1mm^2の傾斜面の面積を有する構造体を形成するだけでよいことが分かる。このように、本実施形態における単位面積あたりの反射光量とは、構造体における所定面積(例えば、1mm^2)の傾斜面から放たれる反射光量に相当する。
次に、反射光量テーブル2701の例を図31に示す。本実施形態の反射光量テーブル2701は、構造体の傾斜面の面積を単位面積(例えば、1mm^2)として、単位面積あたりの反射光量と、構造体を形成する対象となる記録基材とが対応付けられてデータ格納部306に保持されている。各反射光量の値は、写真光沢紙などの白色ベースの記録基材や、アルミなどの金属を蒸着して作成された記録基材などに形成された構造体からの反射光量をあらかじめ測定することにより、データ格納部306にプリセットされる。
再び図28(b)に戻り、S2832において、構造体特性導出部303は、S2820で取得した輝点の強度と、S2831で取得した単位面積あたりの反射光量とから、所望の輝点の強度を再現するために必要な構造体の傾斜面の面積s3を導出する。本実施形態において、S2820で取得した輝点の強度を再現するために必要な構造体の傾斜面の面積s3は、次式により算出することができる。
傾斜面の面積s3=輝点の強度÷単位面積あたりの反射光量 ・・・(4)
S2833において、構造体特性導出部303は、データ格納部306に格納されている構造体特性テーブル2702を参照する。図32に、本実施形態の構造体特性テーブル2702の例を示す。本実施形態の構造体特性テーブル2702は、印刷装置24が形成可能な構造体の傾斜面の面積s3と、当該傾斜面の面積を有する構造体で形成可能な複数の傾斜角度と、が対応付けられている。図32に示される構造体特性テーブル2702では、例えば、傾斜面の面積s3:Aμm^2に対して、75.0度、45.0度、および15度の複数の傾斜角度が対応付けられている。図32に示される通り、記録基材に形成された各構造体が光輝感を表現するために、1つの傾斜面の面積s3に対して、2種類以上の異なる傾斜角度が対応づけられている。なお、構造体特性テーブル2702に含まれる傾斜角度は図32に示される角度に限られない。
S2834において、構造体特性導出部303は、傾斜面の面積s3が対応付けられた構造体を形成することができるかを判定する。本実施形態では、入力される輝点の強度が大きいほど、傾斜面の面積s3も大きくなる。しかしながら、構造体配置データに配置される構造体の数が多い場合、傾斜面の面積s3が対応付けられた構造体の大きさ(底面積)が大きすぎると、必要な数の構造体を構造体配置データに配置することができなくなってしまう。そのため、構造体特性導出部303は、所定の面積に配置可能な構造体の傾斜面の面積s3を上限として、S2834の判定を行うことができる。所定の面積とは、例えば、画像データを配置する構造体の数で分割して得られた面積とすることができる。一方、傾斜面の面積s3が対応付けられた構造体の大きさ(底面積)が小さい場合、印刷装置24の性能によっては、必要な大きさの構造体を形成できなくなるおそれがある。そのため、構造体特性導出部303は、印刷装置24で出力可能な、最も小さい構造体に対応付けられる傾斜面の面積s3を下限として、S2834の判定を行うことができる。
構造体を形成することができると判定された場合(S2834:YES)、S2835において、構造体特性導出部303は、傾斜面の面積s3(S2832)と、構造体特性テーブル2702の参照結果(S2833)とから、構造体の傾斜角度θを導出する。本実施形態では、例えば、構造体特性テーブル2702において、構造体の傾斜面の面積s3:Aμm^2に対応付けられる、75.0度、45.0度、15.0度の値が導出される。S2835で導出された構造体の傾斜角度θは、構造体数テーブル2703に規定される比率に応じて、構造体配置データの各ブロックに割り当てられる。以降の処理は上述の実施形態1の処理と同じため、説明を省略する。
構造体を形成することができないと判定された場合(S2834:No)、出力条件変更部2704は、輝点の見えを制御するための出力条件の入力をユーザに促し、またはこのような出力条件を変更する。図33は、本実施形態における出力条件変更部2704の処理手順を示すフローチャートである。以下、図33を参照して本実施形態における出力条件変更部2704の処理手順の詳細を説明する。
S2861において、出力条件変更部2704は、輝点の強度(S2820)、記録基材情報(S2820)、および単位面積あたりの反射光量(S2831)を取得する。
S2862において、出力条件変更部2704は、S2820で取得した輝点情報の種類から、構造体の特性を導出する際に優先して用いる輝点情報の種類を決定する。本実施形態では、輝点の強度と、輝点の面積とのうち、優先して用いる輝点情報の種類を決定する。S2862の処理は、上述の実施形態4の手法を用いることができる。
輝点の強度が優先されないと判定された場合、すなわち指定された記録基材の種類の使用が優先された場合(S2862:NO)、出力条件変更部2704は、S2863において、指定された記録基材で再現可能な輝点の強度の範囲を導出する。輝点の強度の範囲は、最も小さい構造体の傾斜面の面積s3(S2834)から放たれる反射光量と、最も大きい構造体の傾斜面の面積s3(S2834)から放たれる反射光量の範囲から求めることができる。
S2864において、S2863で導出された結果を、UI表示部301を介してディスプレイ25などに報知する。本実施形態では、S2864が終了すると、以降の処理(S2840,S2850)がスキップされ再び図28(a)のフローが開始される。再び開始されたフローのS2810においても、S2863で導出された結果を、UI表示部301を介してディスプレイ25などに表示する。かかる表示により、指定された記録基材で再現することができる輝点の強度の入力を、ユーザに促すことができる。
一方、輝点の強度が優先されると判定された場合(S2862:YES)、出力条件変更部2704は、S2865において、輝点の強度を再現する記録基材を指定可能か判定する。
記録基材を指定することができる場合(S2865:YES)、S2866に移行し、出力条件変更部2704は、S2865の結果および指定可能な記録基材の種類を、UI表示部301を介してディスプレイ25などに報知する。本実施形態では、S2866が終了すると、以降の処理(S2840,S2850)がスキップされ再び図28(a)のフローが開始される。再び開始されたフローのS2810においても、指定可能な記録基材の種類を、UI表示部301を介してディスプレイ25などに表示する。かかる表示により、記録基材を指定する入力を、ユーザに促すことができる。
記録基材を指定することができない場合(S2865:NO)、S2867に移行し、出力条件変更部2704は、S2810で入力を受け付けた参照画像から、輝点の強度と、輝点の周辺領域における反射光の強度との比率(コントラスト)を求める。
S2868において、出力条件変更部2704は、指定された記録基材で再現可能な輝点の強度の範囲を導出する。輝点の強度の範囲は、最も小さい構造体の傾斜面の面積s3(S2834)から放たれる反射光量と、最も大きい構造体の傾斜面の面積s3(S2834)から放たれる反射光量の範囲から求めることができる。
S2869において、出力条件変更部2704は、S2867で求めた比率(コントラスト)に基づいて、記録基材1208上に形成する構造体の周辺領域における色・明るさを補正する。具体的には、出力条件変更部2704は、S2868で求めた輝点の強度の範囲のうち、輝点の強度の上限または下限を基準に、輝点を表現する構造体の周辺領域に対して、S2867で求めた比率(コントラスト)を適用する。なお、上記した色・明るさの補正は、画像処理の分野で周知の補正手法が適用され得る。また、上述の実施形態で説明した通り、本実施形態の印刷装置24は、記録基材上に透明のUV硬化型インクを積層することにより、構造体を形成する。そのため、出力条件変更部2704は、実施形態6の手法よって構造体の下層に形成されたカラー画像に対して、上述の補正処理を行うことができる。S2860が終了すると、S2835に移行し、S2869で得られた輝点の強度の上限または下限に基づき、傾斜面の面積s3に対応する構造体の傾斜角度θが導出される。
図34は、印刷装置24からの出力サンプル3401〜3413を示す図である。出力サンプル3401〜3403は、傾斜面の面積s3の大きさの変化と、輝点の見えの変化との関係を示す。図34に示される通り、記録基材の種類が同じであれば、傾斜面の面積s3が大きいほど、より高い強度の輝点を再現することができる。
さらに、出力サンプル3411〜3413は、輝点の周辺領域の色・明るさの変化と、輝点の見えの変化との関係を示す。図34に示される通り、傾斜面の面積s3が同じであれば、輝点の周辺領域が暗くなるほど、より高い強度の輝点を再現することができる。
以上説明した通り、本実施形態の画像処理装置1は、図28(a)のS2830の処理により、記録基材上に形成する構造体の特性(構造体の傾斜面の面積および複数の傾斜角度)を導出することができる。また、本実施形態の画像処理装置1は、構造体の傾斜面の面積s3を変更するだけではなく、輝点の強度や記録基材の種類の変更を促すことにより、輝点の強度を再現することができる。さらに、色・明るさのコントラストを調整することにより、輝点の強度を再現することができる。
[実施形態9]
上述の実施形態では、輝点の大きさや輝点が観察される角度条件に基づいて光輝感を表現する構造体を形成していた。しかしながら、上述の実施形態では、構造体の傾斜面が反射光を放つ方位と、観察者が構造体を観察する観察方向との関係を考慮していないため、構造体の観察方向を変更すると光輝感を得られないことがある。本実施形態では、構造体の観察方向を考慮して構造体を配置する態様について説明する。以下、上述の実施形態1〜8と共通する部分については説明を簡略化ないし省略し、本実施形態に特有な点を中心に説明する。
図35は、本実施形態における画像処理装置1のソフトウェア機能構成を示すブロック図である。実施形態1における画像処理装置1のソフトウェア機能構成とは、方位数決定部3501の構成が相違する。方位数決定部3501は、構造体の特性に基づいて、再現可能な方位数を決定する。
(画像処理装置の動作)
図36(a)は、本実施形態における画像処理装置1の処理手順を示すフローチャートである。以下、図36(a)を参照して本実施形態における画像処理装置1の処理手順の詳細を説明する。S3610〜S3630の処理は、実施形態1におけるS10〜S30の処理と同じため、説明を省略する。S3640において、方位数決定部3501は、S3630で導出された構造体の特性に基づいて、後述の処理により形成可能な構造体の方位数を決定する。S3650において、配置データ生成部304は、S3630で導出された構造体の特性と、S3640で決定された構造体の方位数とに応じて、記録基材上に形成する構造体配置データを生成する。構造体配置データを生成する処理については後述する。S3660において、印刷装置制御部305は、S3650で生成された構造体配置データを基に、各座標における積層回数を決定し、印刷装置24に当該情報を送ると共に画像形成動作の実行を指示する。
(方位数決定部の制御内容)
図36(b)は、本実施形態における方位数決定部3501の処理手順を示すフローチャートである。以下、図36(b)を参照して本実施形態における方位数決定部3501の処理手順の詳細を説明する。S3641において、方位数決定部3501は、S3630で導出した構造体の特性である、構造体の底面積s2を取得する。S3642において、方位数決定部3501は、S3641で取得した構造体の底面積s2から、記録基材1208上に形成可能な構造体の方位数を決定する。本実施形態では、以下の算出式を用いて方位数を決定する例が示される。なお、以下の式5において、Wは方位数を、Ndotは構造体の底面における1辺のドット数を示す。
ここで、本実施形態における方位数を決定する手法について、図37を参照して説明する。図37では、底面積s2が60×60μm^2のインクドット群3701から、構造体の方位数を決定する例について示される。本実施例における底面積s2は、1辺の長さがおよそ60μmであり、1ドットの長さがおよそ30μmのインクドット3702の集合によって構成されている。この場合、構造体の底面における1辺のドット数は「2」であり、上記式5により方位数は「8」と算出される。本実施形態の画像処理装置1は、印刷装置24に、インクドットを選択的に吐出させることにより、方位1〜方位8それぞれに傾斜面3703を有する構造体を形成することができる。構造体に照射された照射光は、傾斜面3703から反射方向3704に、反射光として放たれることになる。
(配置データ生成部の制御内容)
図36(c)は、本実施形態における配置データ生成部304の処理手順を示すフローチャートである。以下、図36(c)を参照して本実施形態における配置データ生成部304の処理手順の詳細を説明する。S3651〜S3652の処理は、実施形態1におけるS41〜S42の処理と同じため、説明を省略する。S3653において、配置データ生成部304は、構造体の総数を算出する。本実施形態では、以下の算出式を用いて構造体の総数を算出する例が示される。なお、以下の式6において、Nsumは構造体の総数を、Nθnは傾斜角度θnにおける構造体の数を、Wは方位数を示す。
S3654において、配置データ生成部304は、S3651で生成した画像データにおける矩形ブロックの総数と、S3653で算出した構造体の総数とを比較する。矩形ブロックの総数が少ない場合(S3654:NO)、以下の式7を用いてNθnを変更して再びS3653に移行する。
一方、矩形ブロックの総数が多い場合(S3654:YES)、配置データ生成部304は、S3653で総数が算出された全ての構造体に番号を割り当てる。
図38(a)は、各構造体に割り当てられた番号の一覧を模式的に示す図である。図38(a)において、Dは傾斜角度の種類を、Nθnは傾斜角度θnが対応付けられた構造体の数を、Wは方位数を示す。図38(a)に示される通り、方位1、方位2・・・方位Wなどの各方位を跨いで、連続した番号が各構造体に割り当てられる。
図38(b)は、方位1〜方位8ごとに、それぞれ0度、14.0度、26.6度、36.9度、45度の傾斜角度が対応付けられた構造体が形成される場合において、各構造体に割り当てられた番号の具体例を示す図である。方位1で形成される各構造体には、1〜25までの連続した番号が割り当てられる。次いで、方位2で形成される各構造体には、26〜50までの連続した番号が割り当てられる。以降、方位3・・・方位Wで形成される各構造体にも連続した番号が割り当てられ、構造体それぞれに一意な番号が付与される。
S3655において、配置データ生成部304は、構造体の配置を定義したマスクパターンを用いて、S3651で分割した画像データの各矩形ブロックiに、構造体を割り当てる。本実施形態のマスクパターンには、構造体の配置態様に応じて予め番号が付与されている。配置データ生成部304は、構造体に割り当てられた番号と、マスクパターンに付与されている番号とが一致するかに基づいて、構造体を矩形ブロックiに割り当てることができる。
図39は、S3655で配置データ生成部304が生成する画像データ3901の一部を表す模式図である。実施形態1の図11と同様に、画像データ3901には、0度、14.0度、26.6度、36.9度、および45度の異なる傾斜角度が対応付けられた5種類の構造体が、それぞれブロック1104〜1108に配置される。本実施形態では、さらに、各ブロックに配置される構造体は方位が対応付けられている。図39において、矢印は構造体の方位を示している。図39に示される通り、方位ごとに異なる傾斜角度が対応付けられた構造体が、それぞれブロック1104〜1108に配置されていることが分かる。
以上説明したように、本実施形態の画像処理装置1は、構造体の特性に応じて構造体の方位を求め、方位ごとに複数の傾斜角度が対応付けられた構造体を割り当てる。かかる構成により、本実施形態の画像処理装置1は、観察方向が異なっていても、光輝感を再現することができる。本実施形態では、構造体の特性に応じて最大方位数を求める実施例を説明したが、変形例においては、ディスプレイ25にUIを表示し、UIを介して方位の指定を受け付けてもよい。さらに、UIを介して再現する輝点の数、すなわち傾斜角度ごとの構造体の数の指定を受け付けてもよい。
[実施形態10]
上述の実施形態9では、構造体の特性に応じて構造体の方位を求め、方位ごとに複数の傾斜角度が対応付けられた構造体を割り当てる実施例について説明した。しかしながら、実施形態9では、構造体を方位ごとに均等に割り当てていたので、方位や傾斜角度の数が増加すると光輝感を再現するために必要な構造体を記録基材上に割り当てることができない場合があった。そこで本実施形態では、方位や傾斜角度の数が増加しても、光輝感を再現するために必要な構造体を割り当てることができる実施例について説明する。以下、上述の実施形態1〜9と共通する部分については説明を簡略化ないし省略し、本実施形態に特有な点を中心に説明する。
図40は、本実施形態における画像処理装置1のソフトウェア機能構成を示すブロック図である。実施形態9における画像処理装置1のソフトウェア機能構成とは、構造体再構成部4001と、構造体参照テーブル4002の構成が相違する。構造体再構成部4001は、i番目の矩形ブロックに複数の方位が割り当てられている場合、i番目の矩形ブロックにおける構造体の形状を再構成する。構造体参照テーブル4002は、配置データ生成部304によって割り当てられた方位の組み合わせと、構造体の形状とが対応付けられ、データ格納部306に保持されている。
(配置データ生成部の動作)
図41は、本実施形態における配置データ生成部304の処理手順を示すフローチャートである。以下、図41を参照して本実施形態における配置データ生成部304の処理手順の詳細を説明する。なお、図41のフローチャートによる処理は、実施形態9におけるS3650のサブフローによる処理に相当する。また、S4151〜S4153の処理は、実施形態9におけるS3651〜S3653の処理と同じため、説明を省略する。
S4154において、配置データ生成部304は、S4152で総数が算出された全ての構造体に番号を割り当てる。図42(a)は、各構造体に割り当てられた番号の一覧を模式的に示す図である。図42(a)において、Dは傾斜角度の種類を、Nθnは傾斜角度θnが対応付けられた構造体の数を、Wは方位数を示す。
図42(b)は、方位1〜方位8ごとに、それぞれ0度、14.0度、26.6度、36.9度、45度の傾斜角度が対応付けられた構造体が形成される場合において、各構造体に割り当てられた番号の具体例を示す図である。方位1で形成される各構造体には、1〜25までの連続した番号が割り当てられる。以降、方位2・・・方位Wで形成される各構造体にも、1〜25までの連続した番号が割り当てられる。このように、本実施形態では、実施形態9と異なり、方位1、方位2、・・・方位Wの構造体それぞれに共通な番号が割り当てられる。
S4155において、配置データ生成部304は、構造体の配置を定義したマスクパターンを用いて、S4151で分割した画像データの各矩形ブロックiに、構造体を割り当てる。本実施形態のマスクパターンには、構造体の配置態様に応じて予め番号が付与されている。配置データ生成部304は、構造体に割り当てられた番号と、マスクパターンに付与されている番号とが一致するかに基づいて、構造体を矩形ブロックiに割り当てる。なお、本実施形態では、上述の実施形態9と異なり、方位1〜方位8ごとに、構造体の配置が異なるように定義されたマスクパターンが用いられる。
S4156において、構造体再構成部4001は、i番目の矩形ブロックに複数の方位が割り当てられている場合、i番目の矩形ブロックにおける構造体の形状を再構成する。図43に、本実施形態の構造体参照テーブル4002の例を示す。本実施形態の構造体参照テーブル4002は、配置データ生成部304によって割り当てられた方位の組み合わせと、構造体の形状とが対応付けられ、データ格納部306に保持されている。図37で説明した通り、画像処理装置1は、構造体を形成する各層のインクドットを選択的に配置することにより、方位を考慮した構造体を形成することができる。本実施形態の構造体再構成部4001は、S4155で生成された画像データを探索し、i番目の矩形ブロックに複数の方位が割り当てられている場合、i番目の矩形ブロックに対応するドット配置を変更する。構造体参照テーブル4002において、「○」は方位が割り当てられていることを示し、「×」は方位が割り当てられていないことを示す。図43に示される通り、i番目の矩形ブロックに、方位1および方位2が割り当てられているため、ドット配置が変更されていることが分かる。なお、図37に示される実施例では、底面積s2が60×60μm^2である場合、構造体の底面における1辺のドット数は「2」である実施例について説明したが、ドット数はこれに限られない。本実施形態では、説明の便宜上、1辺のドット数が「4」である実施例について説明した。
図44は、S4156において、構造体再構成部4001によって再構成が施された後の画像データ4401の一部を表す模式図である。実施形態1の図11と同様に、画像データ4401には、0度、14.0度、26.6度、36.9度、および45度の異なる傾斜角度が対応付けられた5種類の構造体が、それぞれブロック1104〜1108に配置される。本実施形態では、さらに、各ブロックに配置される構造体は、構造体の傾斜面が反射光を放つ方位が対応付けられている。図44において、矢印は構造体の方位を示している。i番目の矩形ブロックに複数の方位が割り当てられている場合、i番目の矩形ブロックに対応するドット配置が変更されているため、異なる方位を有する複数の構造体が合成される。図44に示される通り、i番目の矩形ブロックに1つの方位のみが割り当てられている場合、1つの傾斜面を有する構造体が形成されるが、複数の方位が割り当てられている場合、それぞれの方位を向く傾斜面を有する構造体が合成されることが分かる。
S4157において、構造体再構成部4001は、画像データにおける全ての矩形ブロックの再構成を行ったかを判定し、再構成を行っていなければ(S4157:NO)、iに1を加えて再びS4156に移行する。再構成を行っている場合(S4157:YES)、本フローチャートによる処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態の画像処理装置1は、方位ごとに異なるマスクパターンを用いて矩形ブロックに構造体を割り当てる。同一の矩形ブロックに複数の方位が割り当てられた場合、複数の方位それぞれに傾斜面を有する構造体を合成する。かかる構成により、本実施形態の画像処理装置1は、方位や傾斜角度の数が増加しても、光輝感を再現するために必要な構造体を構造体配置データに割り当てることができる。
[変形例]
上記実施形態では、UV硬化型インクを積層して構造体を形成する方法による実施形態を説明したが、構造体の形成方法はこれに限定されない。例えば、各構造体に対応した形状を有した原版を記録基材に押圧して構造体を形成するナノインプリント技術によって各構造体を形成することも可能である。また、上記実施形態では、記録基材上に印刷した画像を正対方向から観察したとき、照射角度に依存せず、輝点の面積が同じ大きさになるように構造体を形成したが、形成する構造体はこのようなものに限定されない。例えば、構造体の底面積に代えて、構造体の斜面の面積に着目し、構造体の斜面の面積が同じかまたは所定範囲内である構造体を形成する態様であってもよい。また、上記実施形態では、構造体界面からの鏡面反射光の方向を制御する方法による実施形態を説明したが、記録基材面からの鏡面反射光の方向を構造体で制御する方法を用いてもよい。例えば、記録基材面からの鏡面反射光の方向を、吸収係数および散乱係数の小さいクリアインクで形成された構造体界面で屈折させ、鏡面反射光の方向を制御する形態が考えられる。
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。また、上記のいずれの実施形態においても、各処理の一部または全機能を印刷装置24に内蔵されたエンジンにて実行する形態でも実現可能である。
1・・・・画像処理装置
301・・UI表示部
302・・データ取得部
303・・構造体特性導出部
304・・配置データ生成部
305・・印刷装置制御部
306・・データ格納部
801・・構造体特性テーブル
802・・構造体数テーブル

Claims (25)

  1. 異なる角度において観察した際に輝点の位置が異なる特性を表現するための構造体を、記録基材上に形成するための画像処理装置であって、
    輝点の特性に関する情報に基づいて、前記記録基材上に形成可能な、第1の傾斜角度が対応付けられた第1の構造体と、前記第1の傾斜角度とは異なる第2の傾斜角度が対応付けられた第2の構造体とを少なくとも含む、2種類以上の前記構造体それぞれの配置を特定する配置データを生成する生成手段を有する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記情報は、前記輝点の大きさ、数、強度のうち少なくともいずれか1つを示す
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記生成手段は、前記第1の構造体と、前記第2の構造体それぞれが、所定の領域において分散して配置される配置を特定する前記配置データを生成する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記構造体は、記録材によるドットを積層することにより形成されるものであって、
    前記生成手段は、前記第1の構造体を形成する各層のドットの数の差と、前記2の構造体を形成する各層のドットの数の差とが異なるように、前記第1の構造体と、前記第2の構造体それぞれが配置される配置を特定する配置データを生成する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記情報は、第1の角度から観察した時の輝点の数を示す第1の情報と、前記第1の角度とは異なる第2の角度から観察した時の輝点の数を示す第2の情報とからなり、
    前記生成手段は、前記第1の角度に対応する前記第1の構造体の数を、前記第1の情報に基づいて決定し、前記第2の角度に対応する前記第2の構造体の数を、前記第2の情報に基づいて決定する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記生成手段は、前記情報に基づいて前記第1の構造体および前記第2の構造体の底面積を決定し、同じ前記底面積を有する前記第1の構造体と、前記第2の構造体それぞれが所定の比率で配置される配置を特定する配置データを生成する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記生成手段は、前記底面積に基づいて前記第1の構造体および前記第2の構造体の傾斜面が向く複数の方位を決定し、前記複数の方位のうち少なくともいずれか1つが対応付けられた前記第1の構造体と、前記第2の構造体それぞれの配置を特定する配置データを生成する
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記方位のうち2以上の方位が対応付けられた前記構造体の形状を、当該方位の組み合わせに応じて再構成する再構成手段をさらに有する
    ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記構造体は、記録材によるドットを積層することにより形成されるものであって、
    前記再構成手段は、前記第1の構造体および前記第2の構造体を形成する各層のドットの配置を変更することにより、前記第1の構造体および前記第2の構造体の形状を再構成すること
    ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 前記生成手段は、前記情報に基づいて前記第1の構造体および前記第2の構造体の傾斜面の面積を決定し、同じ前記傾斜面の面積を有する前記第1の構造体と、前記第2の構造体それぞれが所定の比率で配置される配置を特定する前記配置データを生成する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  11. 前記傾斜面の面積は、前記構造体を形成する前記記録基材の単位面積あたりの反射光量に応じて決定される
    ことを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
  12. 前記情報は、前記輝点の強度であり、
    前記輝点の強度に相当する反射光を放つ前記傾斜面を有する前記構造体を形成できない場合、前記輝点の強度とは異なる値の輝点の強度の入力を促すUIを表示する表示手段をさらに有する
    ことを特徴とする請求項10または11に記載の画像処理装置。
  13. 前記情報は、前記輝点の強度であり、
    前記輝点の強度に相当する反射光を放つ前記傾斜面を有する前記構造体を形成できない場合、前記記録基材とは異なる種類の記録基材を指定する入力を促すUIを表示する表示手段をさらに有する
    ことを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  14. 前記情報は、前記輝点の強度であり、
    前記輝点の強度に相当する反射光を放つ前記傾斜面を有する前記構造体を形成できない場合、前記構造体と、前記構造体の周辺領域と、における色または明るさのうち少なくとも1つのコントラストを補正する補正手段をさらに有する
    ことを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  15. 輝点の特性に関する情報を取得する取得手段と、
    取得された複数種類の前記情報のうち、いずれかを優先するかを決定する優先度決定手段とをさらに有する
    ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  16. 画像から前記情報を抽出する抽出手段をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  17. 前記抽出手段は、
    前記画像を2値化処理した2値画像を生成し、前記2値画像に含まれる所定の画素値を有する領域から、前記情報を抽出する
    ことを特徴とする請求項16に記載の画像処理装置。
  18. モードの選択を受け付ける選択受付手段をさらに有し、
    前記生成手段は、前記情報に基づき、選択された前記モードごとに異なる、前記構造体の底面積、前記構造体の傾斜面の面積、前記構造体に対応付けられた傾斜角度の分散度、前記構造体に対応付けられた傾斜角度の範囲のうち少なくともいずれか1つを決定する
    ことを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  19. 前記配置データに基づいて、前記構造体を前記記録基材上に形成させる形成制御手段をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  20. 前記形成制御手段は、前記構造体を透明の記録材によって形成させる
    ことを特徴とする請求項19に記載の画像処理装置。
  21. 前記形成制御手段は、前記記録基材上にカラー画像を形成させ、形成させた前記カラー画像の上層にさらに前記構造体を形成させる
    ことを特徴とする請求項19または20に記載の画像処理装置。
  22. 前記形成制御手段は、前記構造体にさらに光輝材を含有する金属色インクを塗布させる
    ことを特徴とする請求項19から21のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  23. 前記形成制御手段は、前記構造体にさらにぬれ性の高いUV硬化型インクを付与させる
    ことを特徴とする請求項19から22のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  24. 異なる角度において観察した際に輝点の位置が異なる特性を表現するための構造体を、記録基材上に形成するための画像処理方法であって、
    輝点の特性に関する情報に基づいて、前記記録基材上に形成可能な、第1の傾斜角度が対応付けられた第1の構造体と、前記第1の傾斜角度とは異なる第2の傾斜角度が対応付けられた第2の構造体とを少なくとも含む、2種類以上の前記構造体それぞれの配置を特定する配置データを生成する生成ステップを有する
    ことを特徴とする画像処理方法。
  25. コンピュータを、請求項1から請求項23のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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