JP2016215211A - 転造装置及び転造品製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】予め定められた所定の位置からネジが開始するようにネジ山を形成する。【解決手段】転造装置は、被検出部を有するブランクにネジ山を転造する。転造装置は、ブランクにネジ山を転造する転造ダイス320と、被検出部の回転方向位置を検出する検出部と、検出部によって検出された被検出部の回転方向位置に基づいて、被検出部に対して所定の位置からネジが開始するように、転造ダイス320とブランクとが接触を開始する際の転造ダイス320の回転位置を制御する制御部360と、を備える。【選択図】図3
Description
本発明は、ブランクにネジ山を転造する転造装置及び転造品製造方法に関する。
従来から、ブランクにネジ山を転造する転造装置が知られている。ブランクとしては、例えば点火プラグに用いられる主体金具ブランクを挙げることができる。点火プラグは、例えば、レシプロエンジン、ロータリーエンジン、ジェットエンジンやガスタービン等の熱機関又はプラズマ装置において用いられる(特許文献1参照)。
この点火プラグは、筒状をなす絶縁体としての絶縁部と、前述した主体金具ブランクから形成される筒状の主体金具とを有している。絶縁部には、軸線方向に延びる軸孔が貫通形成されており、当該軸孔の先端側には中心電極が挿設されている。中心電極は、棒状となっており、絶縁部の先端から突出している。主体金具は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面には点火プラグを内燃機関や燃料電池改質器等の取付孔に取付けるためのネジ部が形成されている。主体金具の先端側には、中心電極に向かって屈曲した発火電極が設けられている。
従来では、点火プラグの外周面に形成されるネジ部の始点及び終点の位置は何等考慮されることなくネジが切られていたことから、点火プラグにおける発火電極の位置と、エンジンに設けられた排気口及び吸気口の位置とが、製造される点火プラグ毎に異なる可能性があった。
本発明は、予め定められた所定の位置からネジが開始するようにネジ山を形成できる転造装置及び転造品製造方法を提供する。
本発明による転造装置は、
被検出部を有するブランクにネジ山を転造する転造装置であって、
前記ブランクにネジ山を転造する転造ダイスと、
前記被検出部の回転方向位置を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記被検出部の回転方向位置に基づいて、前記被検出部に対して所定の位置からネジが開始するように、前記転造ダイスと前記ブランクとが接触を開始する際の前記転造ダイスの回転位置を制御する制御部と、
を備える。
被検出部を有するブランクにネジ山を転造する転造装置であって、
前記ブランクにネジ山を転造する転造ダイスと、
前記被検出部の回転方向位置を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記被検出部の回転方向位置に基づいて、前記被検出部に対して所定の位置からネジが開始するように、前記転造ダイスと前記ブランクとが接触を開始する際の前記転造ダイスの回転位置を制御する制御部と、
を備える。
本発明による転造装置において、
前記ブランクは、自動車の点火プラグに用いられ、中空形状からなり発火電極を含む主体金具ブランクであり、
前記被検出部は、前記発火電極であってもよい。
前記ブランクは、自動車の点火プラグに用いられ、中空形状からなり発火電極を含む主体金具ブランクであり、
前記被検出部は、前記発火電極であってもよい。
本発明による転造装置において、
前記制御部は、前記発火電極側から見たときに、前記発火電極に対して時計回り又は反時計回りで規定角度又は規定角度±15度以内からネジが開始するように、前記転造ダイスと前記ブランクとが接触を開始する際の前記転造ダイスの回転位置を制御してもよい。
前記制御部は、前記発火電極側から見たときに、前記発火電極に対して時計回り又は反時計回りで規定角度又は規定角度±15度以内からネジが開始するように、前記転造ダイスと前記ブランクとが接触を開始する際の前記転造ダイスの回転位置を制御してもよい。
本発明による転造装置において、
複数の転造ダイスが設けられ、
前記制御部は、前記被検出部に対して所定の位置からネジが開始するように、各転造ダイスと前記ブランクとが接触を開始する際の前記転造ダイスの回転位置を制御してもよい。
複数の転造ダイスが設けられ、
前記制御部は、前記被検出部に対して所定の位置からネジが開始するように、各転造ダイスと前記ブランクとが接触を開始する際の前記転造ダイスの回転位置を制御してもよい。
本発明による転造装置において、
前記転造ダイスと前記ブランクとが接触を開始する際、前記転造ダイスは回転してもよい。
前記転造ダイスと前記ブランクとが接触を開始する際、前記転造ダイスは回転してもよい。
本発明による転造装置において、
前記転造ダイスが前記ブランクにネジ山を転造している間の前記転造ダイスの回転速度と比較して、前記転造ダイスと前記ブランクとが接触を開始する際の前記転造ダイスの回転速度は遅くなってもよい。
前記転造ダイスが前記ブランクにネジ山を転造している間の前記転造ダイスの回転速度と比較して、前記転造ダイスと前記ブランクとが接触を開始する際の前記転造ダイスの回転速度は遅くなってもよい。
本発明による転造装置において、
前記ブランクは、自動車の点火プラグに用いられ、中空形状からなり発火電極を含む主体金具ブランクであり、
前記転造ダイスは3つ以上設けられ、
各転造ダイスと前記ブランクとは同時に接触を開始してもよい。
前記ブランクは、自動車の点火プラグに用いられ、中空形状からなり発火電極を含む主体金具ブランクであり、
前記転造ダイスは3つ以上設けられ、
各転造ダイスと前記ブランクとは同時に接触を開始してもよい。
本発明による転造装置において、
複数の転造ダイスが設けられ、
各転造ダイスの回転位置又は回転速度を調整するサーボタイプ型電動機をさらに備えてもよい。
複数の転造ダイスが設けられ、
各転造ダイスの回転位置又は回転速度を調整するサーボタイプ型電動機をさらに備えてもよい。
本発明による転造品製造方法は、
被検出部を有するブランクにネジ山を転造してネジ山を有する転造品を製造する転造品製造方法であって、
前記被検出部の回転方向位置を検出することと、
前記検出部によって検出された前記被検出部の回転方向位置に基づいて、前記被検出部に対して所定の位置からネジが開始するように、転造ダイスと前記ブランクとが接触を開始する際の前記転造ダイスの回転位置を制御することと、
を備える。
被検出部を有するブランクにネジ山を転造してネジ山を有する転造品を製造する転造品製造方法であって、
前記被検出部の回転方向位置を検出することと、
前記検出部によって検出された前記被検出部の回転方向位置に基づいて、前記被検出部に対して所定の位置からネジが開始するように、転造ダイスと前記ブランクとが接触を開始する際の前記転造ダイスの回転位置を制御することと、
を備える。
本発明によれば、検出部によって検出された被検出部の回転方向位置に基づいて、被検出部に対して所定の位置からネジが開始するように、転造ダイスとブランクとが接触を開始する際の転造ダイスの回転位置が制御される。このため、予め定められた所定の位置からネジが開始するようにネジ山を形成できる。
例えばブランクとして点火プラグに用いられる主体金具ブランクを用いる場合には、予め定められた所定の位置からネジが開始するようにネジ山を形成できる結果、発火電極に対して所定の位置から主体金具ブランクの外周面にネジ山の転造を開始することができ、所定の位置でネジ山の転造を終了させることができる。したがって、点火プラグをシリンダヘッドに取り付けた際に、発火電極の方向をシリンダヘッドに対して揃えることができる。この結果、シリンダー内での吸気から排気までの流れを整流化することができ、燃焼効率を向上させることができる。
実施の形態
以下、本発明に係る転造装置及び転造品製造方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図13は本発明の実施の形態を示す図である。
以下、本発明に係る転造装置及び転造品製造方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図13は本発明の実施の形態を示す図である。
本実施の形態の転造装置は、あるブランクからネジ山を有する転造品を製造するためのものであり、特に限定されるものではない。一例としては、本実施の形態の転造装置は、主体金具ブランク20aから主体金具20を製造するために用いられる(図3参照)。具体的な一例としては、本実施の形態の転造装置は、自動車の点火プラグ100に用いられ、中空形状からなり発火電極25を含む主体金具20を製造するために用いられる。以下では、主体金具20を製造する態様を用いて説明するが、これに限られることはない。なお、特許請求の範囲における「被検出部」の一例として「発火電極25」が用いられることになるが、これに限られることはない。例えば、発火電極25とは別に「マーク」が設けられてもよい。
点火プラグ100はエンジンに設けられるものである。図1に示すように、エンジンは、排気カムシャフト110と、吸気カムシャフト120と、排気カムシャフト110に連結された排気バルブ130と、吸気カムシャフト120に連結された吸気バルブ135と、排気バルブ130及び吸気バルブ135が当接するピストン140と、ピストン140に連結されたコネクティングロッド150と、コネクティングロッド150に連結されたクランクシャフト160と、排気カムシャフト110と吸気カムシャフト120との間に設けられた点火プラグ100と、を備えている。図2に示すように、点火プラグ100は、絶縁部10と、中空形状からなり絶縁部10を保持する筒状の主体金具20とを有する。
絶縁部10には、軸線方向(図2の上下方向)に延びる軸孔が貫通形成されており、当該軸孔の先端側には中心電極15が挿設されている。また、中心電極15は、棒状となっており、主体金具20の先端(図2の下端)から突出している。
軸孔の後端側(図2の上端側)には、所定の金属(例えば、低炭素鋼等)からなる棒状の端子電極16が設けられている。端子電極16は、その後端部が絶縁部10の後端から露出しており、端子電極16の後端部に対して電力供給用の端子が接続されるようになっている。
中心電極15と端子電極16との間には、図示しない抵抗体が配設されている。当該抵抗体の両端部は、導電性のガラスシール層を介して、中心電極15と端子電極16とにそれぞれ電気的に接続されている。
主体金具20は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面には点火プラグ100を内燃機関や燃料電池改質器等の取付孔に取付けるためのネジ部21が形成されている。また、ネジ部21よりも後端側には径方向外側に突出する座部22が形成されている。さらに、主体金具20の後端側には、主体金具20を内燃機関等に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状等の係合部23が設けられている。また、主体金具20の先端側には、中心電極15に向かって屈曲した発火電極25が設けられている。なお、発火電極25は必ずしも中心電極15に向かって屈曲している必要はなく、例えば直線状に突出しているような態様であってもよい。
次に、図3乃至図8を用いて、上述した自動車用の点火プラグ100に用いられる主体金具20の製造するための転造装置について説明する。主体金具ブランク20aの主体部24の外周面にはネジ山は未だ形成されていない。
図3に示すように、転造装置は、主体金具ブランク20aにネジ山を転造する転造ダイス320を有している。転造ダイス320は一つだけ設けられてもよいが、複数の転造ダイス320が設けられてもよい。本実施の形態では、図4及び図5に示すように、3つの転造ダイス320が設けられている態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、4つ以上の転造ダイス320が設けられてもよい。
図3に示すように、転造装置は、被検出部である発火電極25の回転方向位置を検出する回転方向位置検出部300(特許請求の範囲の「検出部」に対応する。)を有している。この回転方向位置検出部300は、動画像又は静止画像を撮影することで発火電極25の回転方向位置を検出してもよいし、発火電極25が所定の位置にあるかを例えばレーザ光のような光を用いて検出することで発火電極25の回転方向位置を検出してもよい。発火電極25の回転方向位置が検出さえされれば、回転方向位置検出部300が発火電極25の回転方向位置を検出する方法は特に限定されない。発火電極25の回転方向位置を検出する態様としては、リアルタイムで検出する態様には限られず、ある段階での発火電極25の回転方向位置から転造の際の発火電極25の回転方向位置を予測するようにしてもよい。なお、発火電極25の回転方向位置とは、発火電極25側(図2の下方側)から見た際の発火電極25と主体部24との連結箇所25aの位置を意味している。
転造装置は、回転方向位置検出部300によって検出された発火電極25の回転方向位置に基づいて、発火電極25に対して所定の位置からネジが開始するように、転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始する際の各転造ダイス320の回転位置を制御する制御部360も備えている(図3参照)。このように転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始する際、転造ダイス320は回転していてもよく、以下では、主に転造ダイス320が回転しているときに転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始する態様を用いて説明する。制御部360は、回転している各転造ダイス320の回転位置を常に把握しており、タイミングよく、所望の回転位置にある各転造ダイス320を主体金具ブランク20aに接触させることで、発火電極25に対して所定の位置からネジが開始するように調整することができる。なお、ネジの開始位置は、発火電極25側と反対側の端面におけるネジ山の位置のことを意味している(図10参照)。なお、これは一例であり、発火電極25側の端面におけるネジ山の位置のことをネジの開始位置としてもよい。
制御部360は、発火電極25側から見たときに、発火電極25に対して時計回り又は反時計回りで規定角度又は規定角度から若干ずれた角度(±α度)からネジが開始するように、回転している転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始するタイミングを調整するようになっている。シリンダー内での吸気から排気までの流れを整流化し、燃焼効率を向上させるという観点からは、ネジの開始位置が発火電極25から見て規定角度から±15度以内であることが好ましく、±10度以内であることがより好ましく、燃焼効率をより向上させる観点からは±7度以内であることがさらに好ましく、工程能力を考慮した値として±5度以内にあることがさらにより好ましい。この規定角度は例えば90度であることから(図9及び図10参照)、発火電極25側から見たときに、発火電極25に対して時計回り又は反時計回りで75度〜105度の位置から、より好ましくは80度〜100度の位置から、さらに好ましくは83度〜97度の位置から、さらにより好ましくは85度〜95度の位置からネジが開始するように、回転している転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始するタイミングを調整するようになってもよい。
本実施の形態では、3つの転造ダイス320が設けられていることから、制御部360は、発火電極25に対して所定の位置からネジが開始するように、回転している3つの各転造ダイス320の各々と主体金具ブランク20aとが接触を開始するタイミングを調整する。
図3に示すように、主体金具ブランク20aを支持する支持部301が設けられている。このように支持された主体金具ブランク20aは、上方又は下方から3つの転造ダイス320の間に挿入されてもよいし、側方から3つの転造ダイス320の間に挿入されてもよい。一般には、ブランクの大きさが比較的大きい場合には側方から複数の転造ダイス320の間にブランクが位置付けられ、ブランクの大きさが比較的小さい場合には上方又は下方から複数の転造ダイス320の間にブランクが位置付けられる。
主体金具ブランク20aが上方又は下方から複数の転造ダイス320の間に挿入される場合には、主体金具ブランク20aを複数の転造ダイス320の間に位置付ける前に、主体金具ブランク20aの位置を検出する上下方向位置検出部260が設けられてもよい(図3参照)。この上下方向位置検出部260は、例えば、主体金具ブランク20aの上端位置及び/又は下端位置を検出することで、主体金具ブランク20aの上下方向の位置を検出するようになってもよい。また、上下方向位置検出部260は、主体金具ブランク20aの水平方向の位置を検出するようになっていてもよい。この上下方向位置検出部260による検出結果は、制御部360に送信されるようになってもよい。そして、この検出結果を受信した制御部360が、主体金具ブランク20aを支持する支持部301の上下方向の位置及び水平方向の位置を所定位置に位置づけるようになっていてもよい。
主体金具ブランク20aが複数の転造ダイス320の間に位置付けられると、当該主体金具ブランク20aに複数(本実施の形態では3つ)の転造ダイス320の当接が同時に開始されてネジ山が転造される。つまり、本実施の形態では、3つの転造ダイス320が初期位置から同じ距離移動されることで、3つの転造ダイス320の主体金具ブランク20aへの当接が同時に開始され、各転造ダイス320によってネジ山の転造が行われる。なお、主体金具ブランク20aに転造ダイス320が接触すると、主体金具ブランク20aは転造ダイス320によって連れまわし回転され、ネジ山が転造されることになる。
3つの転造ダイス320の同期をとるために仮想軸1軸を電気的に設け、物理的な3軸を同期させてもよい。転造ダイス320は連造回転のため、一度同期合わせを行うと、主体金具ブランク20aの挿入タイミングでサーボタイプ型電動機345を駆動するだけとなってもよい。
本実施の形態では、各転造ダイス320が回転されている状態で主体金具ブランク20aが転造ダイス320の間に挿入される。このため、所定の位置からネジ山の転造が開始されやすくするように、転造ダイス320が主体金具ブランク20aにネジ山を転造している間(加工時)の転造ダイス320の回転速度と比較して、転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始する際の転造ダイス320の回転速度が遅くなってもよい。この場合、転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始する際の転造ダイス320の回転速度は、転造ダイス320が主体金具ブランク20aにネジ山を転造している間の転造ダイス320の回転速度の10%〜90%程であってもよい。位置精度を高める観点からは、転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始する際の転造ダイス320の回転速度は、転造ダイス320が主体金具ブランク20aにネジ山を転造している間の転造ダイス320の回転速度の10%〜30%であってもよい。他方、製造効率を高める観点からは、転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始する際の転造ダイス320の回転速度は、転造ダイス320が主体金具ブランク20aにネジ山を転造している間の転造ダイス320の回転速度の70%〜90%であってもよい。ちなみに、位置精度を確実にするためには、転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始する前に転造ダイス320が所定の位置で一旦停止し、転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触した後で、再び、転造ダイス320が回転し始めてもよい。
主体金具ブランク20aにネジ山が転造されると、主体金具ブランク20aが主体金具20となる(図3参照)。この主体金具20は、図11に示すように、ベルトコンベア等の搬送部270上に載置されてもよい。このように搬送部270に載置された主体金具20の各々に関して正常にネジ山が形成されているかを検査するためのネジ山検査部280が設けられてもよい。
上述した転造ダイス320はネジ転造盤に含まれている。以下では、このネジ転造盤について説明する。以下に示すネジ転造盤は、あくまでも一例である。
ネジ転造盤は、図4乃至図6に示すように、ネジ山を有する例えば3つの丸形ダイスからなる転造ダイス320a,320b,320cと、各転造ダイス320a,320b,320cを保持して固定する装着軸304a,304b,304cと、各装着軸304a,304b,304cに回転駆動軸351を介して連結され、当該装着軸304a,304b,304cを回転させることによって転造ダイス320a,320b,320cを回転開始位置に位置づける回転駆動部350と、を備えている。
なお、図6においては、装着軸304aを駆動する一つの回転駆動部350のみを示しているが、装着軸304b,304cの各々にも、これらを独立して駆動する回転駆動部350が回転駆動軸351を介して設けられている。
図6に示すように、ネジ転造盤は、各回転駆動部350にパルス信号を供給することによって、装着軸304a,304b,304cの各々を所定の位置に位置づける制御部360と、装着軸304a,304b,304cによって保持される転造ダイス320a,320b,320cに対応した回転開始位置を記憶する記憶部365と、をさらに備えている。
また、転造ダイス320a,320b,320cは、装着軸304a,304b,304cに対して、キー又はスプラインにより嵌合されて固定されている(図8参照)。すなわち、装着軸304a,304b,304cにキーが設けられている場合には、転造ダイス320a,320b,320cにキー溝が設けられており、装着軸304a,304b,304cにスプライン軸が設けられている場合には、転造ダイス320a,320b,320cにスプライン溝が設けられている。なお、本実施の形態では、装着軸304a,304b,304cにキー304kが設けられ、転造ダイス320a,320b,320cにキー溝320kが設けられている態様を用いて説明する(図8参照)。
なお、図8においては、装着軸304aと、この装着軸304aに設けられた転造ダイス320aのみを図示しているが、装着軸304b,304cと、これら装着軸304b,304cに設けられた転造ダイス320b,320cも同様の構成になっている。また、装着軸304a,304b,304cに固定された転造ダイス320a,320b,320cは、反時計回りの方向で回転される(図7参照)。
図4乃至図6に示すように、装着軸304a,304b,304cは、第一リンク331に回転可能に保持されている。そして、この第一リンク331は、第一リンク331を貫通した第一軸305を中心として回転自在となっている(図6参照)。また、装着軸304a,304b,304cは、第二リンク332に回転可能に保持されている。そして、この第二リンク332は、第二リンク332を貫通した第二軸306を中心として回転自在となっている。なお、第一軸305はフレーム312に回転可能に固定され、第二軸306は回転駆動リンク311に連結されている。
図6に示すように、回転駆動部350は、サーボタイプ型電動機(例えばサーボモータ)310と、このサーボタイプ型電動機310によって回転される歯車353とを有している。なお、この歯車353は回転駆動軸351を介して装着軸304a,304b,304cに連結され、歯車353が回転されることによって装着軸304a,304b,304cが回転されることとなる。サーボタイプ型電動機310は、サーボ機構を採用しており、回転位置及び回転速度を自在に調整できるようになっている。
また、図4及び図5に示すように、回転駆動リンク311には直動駆動バー340が連結され、直動駆動バー340が直線運動することによって、3つの転造ダイス320a,320b,320cが救心移動及び離隔移動するようになっている。なお、この直動駆動バー340には、図6に示すように、スクリュー機構346を介してサーボタイプ型電動機(例えばサーボモータ)345が設けられている。このスクリュー機構346は、サーボタイプ型電動機345の回転運動を直動に変換する。
ここで、スクリュー機構346を介して設けられたサーボタイプ型電動機345と、直動駆動バー340と、直動駆動バー340に連結された回転駆動リンク311と、第二軸306と、第二リンク332とによって、転造ダイス320a,320b,320cを支持部301で支持された主体金具ブランク20aに向かって移動させる移動機構が構成されている。
なお、一の転造ダイス320a,320b,320cを、隣接する他の転造ダイス320a,320b,320cに対して、1/3(1/n:nは用いられる転造ダイス320a,320b,320c(装着軸304a,304b,304c)の個数)だけ回転させることによって(進めるか、後退させるかによって)ピッチ合わせを行うことができる。より具体的には、装着軸304aのネジ山の切り込み開始位置から、主体金具ブランク20aの長手方向においてピッチ×1/3だけ移動した点が、隣接する装着軸304bのネジ山の切り込み開始位置となり、装着軸304aのネジ山の切り込み開始位置から、主体金具ブランク20aの長手方向においてピッチ×2/3だけ移動した点が、隣接する装着軸304cのネジ山の切り込み開始位置となればよい。
ここで、一の転造ダイス320(例えば、転造ダイス320a)が隣接する他の転造ダイス320(例えば、転造ダイス320b)に対して、正確に1/3だけずれていないと、一の転造ダイス320(転造ダイス320a)によって主体金具ブランク20aに設けられた條痕と、他の転造ダイス320(転造ダイス320b)によって設けられた條痕とが一致せず、ピッチがずれてしまう。他方、一の転造ダイス320(転造ダイス320a)が隣接する他の転造ダイス320(転造ダイス320b)に対して、正確に1/3だけずれていると、一の転造ダイス320(転造ダイス320a)によって主体金具ブランク20aに設けられた條痕と、他の転造ダイス320(転造ダイス320b)によって設けられた條痕とが一致する。
回転駆動部350のサーボタイプ型電動機310による回転運動や、直動駆動バー340を直動させるサーボタイプ型電動機345による回転運動は、操作者が電気操作盤(図示せず)を用いてコントロールすることができる。なお、サーボタイプ型電動機310の回転運動の制御は、サーボタイプ型電動機310に組み込まれたエンコーダ(図示せず)や装着軸304a,304b,304cに組み込まれたセンサー(図示せず)からの信号を受けて行われてもよいし、サーボタイプ型電動機345による回転運動の制御は、直動駆動バー340やスクリュー機構346に取り付けられたセンサー(図示せず)からの信号を受けて行われてもよい。
制御部360が、各回転駆動部350のサーボタイプ型電動機310に例えばパルス信号を供給することによって、装着軸304a,304b,304cの回転位置を適宜調整してもよい。
次に、上述した転造装置を用いた転造品製造方法の一例について説明する。
まず、複数の主体金具ブランク20aが準備される。
主体金具ブランク20aは支持部301によって上方又は側方から支持又は保持されて複数の転造ダイス320の間、より具体的には複数の転造ダイス320の間の中央位置に位置付けられる。このように複数の転造ダイス320の間の中央位置に主体金具ブランク20aが位置付けられる前又は位置付けられた後で、回転方向位置検出部300によって、被検出部である発火電極25の回転方向位置が検出される(図3参照)。
この発火電極25の回転方向位置に基づいて、回転している3つの転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始するタイミングが調整される。より具体的には、規定角度、又は、規定角度から若干ずれた角度(±α度)からネジが開始するように(図9参照)、回転している転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始するタイミングが調整される。なお、規定角度からネジが開始するようにタイミングが調整された結果、規定角度から若干ずれた角度(±α度)からネジが開始するようになってもよい。このように回転している転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始するタイミングが調整されることで、結果的には、転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始する際の転造ダイス320の回転位置が制御されることになる。なお、各転造ダイス320の回転位置はサーボタイプ型電動機310の回転位置によって常に把握されており、所望の位置からネジが開始するよう、所望の回転位置にある各転造ダイス320が同時に主体金具ブランク20aに接触される。なおこの際、転造ダイス320が主体金具ブランク20aにネジ山を転造している間の転造ダイス320の回転速度と比較して、転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始する際の転造ダイス320の回転速度を遅くしてもよい。
このように各転造ダイス320が同時に主体金具ブランク20aに接触された後で、複数の転造ダイス320が同じ距離押し込まれることで、各転造ダイス320によってネジ山の転造が行われる。なお、主体金具ブランク20aに転造ダイス320が接触すると、主体金具ブランク20aは転造ダイス320によって連れまわし回転される。
製造された主体金具20はベルトコンベア等の搬送部270上に載置される(図11参照)。このように搬送部270に載置された主体金具20は搬送部270によって搬送され、ネジ山検査部280で検査された結果、正常にネジ山が形成されていない場合には、当該主体金具20は搬送部270から除去される。
≪効果≫
次に、上述した構成からなる本実施の形態による効果であって、未だ述べられていない効果又は特に重要な効果について説明する。
次に、上述した構成からなる本実施の形態による効果であって、未だ述べられていない効果又は特に重要な効果について説明する。
本実施の形態によれば、回転方向位置検出部300によって検出された被検出部である発火電極25の回転方向位置に基づいて、発火電極25に対して所定の位置からネジが開始するように、転造ダイス320とブランクとが接触を開始する際の転造ダイス320の回転位置が制御される。このため、予め定められた所定の位置からネジが開始するようにネジ山を形成できる。
特にブランクとして点火プラグに用いられる主体金具ブランク20aを用いる場合には、予め定められた所定の位置からネジが開始するようにネジ山を形成できる結果、発火電極25に対して所定の位置から主体金具ブランク20aの外周面にネジ山の転造を開始することができ、所定の位置でネジ山の転造を終了させることができる。したがって、点火プラグをシリンダヘッドに取り付けた際に、発火電極25の方向をシリンダヘッドに対して揃えることができる。この結果、シリンダー内での吸気から排気までの流れを整流化することができ、燃焼効率を向上(一例としては3〜5%向上)させることができる。本実施の形態のような態様を採用しない場合には、吸気バルブ135によって覆われる吸気口及び排気バルブ130によって覆われる排気口(図1参照)に対する発火電極25の相対的位置が点火プラグ100毎に異なる可能性があり、シリンダー内での吸気から排気までの流れを整流化することが困難となる。他方、本実施の形態によれば、吸気バルブ135によって覆われる吸気口及び排気バルブ130によって覆われる排気口に対する発火電極25の相対的位置を常に同じ位置又は概ね同じ位置にすることができるので、シリンダー内での吸気から排気までの流れを整流化することができ、ひいては、燃焼効率を向上させることができる。
発火電極25に対して時計回りで規定角度、又は、規定角度から若干ずれた角度(±α度)からネジが開始するように、転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始する際の転造ダイス320の回転位置を制御した場合には、シリンダー内での吸気から排気までの流れを整流化する効果、及び、燃焼効率を向上させる効果で優れた結果を期待できる。
なお、図9に示す態様では規定角度が90度となっているが、これはあくまでも一例である。規定角度は製造対象によって変わる。このように規定角度が変わる場合であっても、ネジの開始位置が発火電極25から見て規定角度から±15度以内であることが好ましく、±10度以内であることがより好ましく、±7度以内であることがさらに好ましく、±5度以内にあることがさらにより好ましい。なお、規定角度からずれが無い(α=0)であることが最も好ましい。
また、転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始する際、転造ダイス320が回転している態様を採用した場合には、転造ダイス320の回転を止めることなく製造を継続できることから、高い生産性を実現できる。
一例としては、転造開始に先立ち支持部301を回転させ、主体金具ブランク20a上に事前に施された絶対位置マーキング(本実施の形態では、発火電極25)を外部センサーからなる回転方向位置検出部300で高速、高精度で検出し、同センサー信号を軸コントローラ(図13に示す態様では「高速ネットワークコントローラ360a」が「軸コントローラ」に該当する。)経由でサーボタイプ型電動機310へ取り込むことで主体金具ブランク20aの転造ダイス320の位置に対する相対位置をオンラインで確認できるようにしてもよい。この場合には、このようにして得られた絶対位置マーキング(発火電極25)に対する相対位置検出情報と、軸コントローラと各ダイス軸サーボ軸間の同期制御(同調位相制御)機能を用いて、転造ダイス320を一定回転で回転させながらプロセスオンラインで主体金具ブランク20a上の絶対位置とすべての転造ダイス320の転造開始位置をサーボ制御によって合わせる。このため、転造段取りプロセスにおいてワークソーターや整列装置を用いて初期にワーク位置の整列を行なわず、かつ位置検出のために転造プロセスを途中で停止させることなく転造開始位置と主体金具ブランク20a上の発火電極25の位置の偏差を軸コントローラのよる制御で所定の誤差範囲内に収めることができる。このため、段取り設備の低コスト化を実現し、生産性(単位時間当たりのブランク転造数)を向上させることができ、さらには主体金具ブランク20a上の絶対位置と転造開始位置の位置合わせを同時に達成できる。このようにして、ネジ転造開始位置と発火電極25の方向を揃える位置制御機構付き数値制御ダイス転造機を実現できる。
この点、切り込み開始位置を主体金具ブランク20aの特定位置に合わせるための直接的な方法として、主体金具ブランク20aの方向を固定し搬送装置に主体金具ブランク20aを受け渡す前に整列することも考えられる(特願2015−007669号参照)。このような態様によれば、定配装置によって発火電極の方向を拘束することは可能であるが、速度・安定性・エアー配管の取り回しなど問題点が多い。また、搬送装置で主体金具ブランク20aを掴む前の発火電極の方向を発火プラグの六角部対辺方向で拘束する方法も考えられるが、シリンダーの仕様変更・ブランクの送り位置の問題などを改善し、加工速度に追従するものにするのは安易にはできない。また搬送装置でどのように主体金具ブランク20aの姿勢を崩さずに搬送し、既定の高さに挿入するのかに関し、搬送装置の一例であるロボットハンドの回転をロックする機構を導入したり、センサーにて主体金具ブランク20aの掴み位置(高さ)を監視制御する機構を導入したり、転造ダイス320への搬入高さの精度を向上させたりする必要がある。本実施の形態では、このような定配装置等を用いないことから、前述した問題が発生しない点でも優れている。
予め定められた所定の位置からネジが開始することを精度よく行いたい場合には、転造ダイス320が主体金具ブランク20aにネジ山を転造している間の転造ダイス320の回転速度と比較して、転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始する際の転造ダイス320の回転速度を遅くしてもよい。
各転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが同時に接触を開始する態様を採用した場合には、支持部301によって単純に支持されているだけの主体金具ブランク20aが、ある転造ダイス320が他の転造ダイス320と比較して早く接触してしまう事態が発生することを防止できる。このような態様を防止することで、主体金具ブランク20aが水平方向にずれてしまうことを未然に防止することができ、精度よく主体金具ブランク20aにネジ山を形成することができる。
本実施の形態で、上方又は下方から主体金具ブランク20aを複数の転造ダイス320の間に位置付ける場合であって、主体金具ブランク20aを複数の転造ダイス320の間に位置付ける前に、主体金具ブランク20aの位置を検出する上下方向位置検出部260を採用した場合には、複数の転造ダイス320によるネジ山の転造の直前に複数の転造ダイス320を正確に位置づけることができる。このため、発火電極25に対して所定の位置から主体金具ブランク20aの外周面にネジ山の転造を開始し、所定の位置でネジ山の転造を終了させることができる。この結果、点火プラグ100をシリンダヘッドに取り付けた際に、点火プラグ100の長手方向における発火電極25の位置を所望の位置に位置づけることができ、シリンダー内での吸気から排気までの流れをより整流化することができ、燃焼効率をさらに向上させることができる。
転造ダイス320を3つ以上とすることで、各転造ダイス320から主体金具ブランク20aに加わる圧力を低減することができる。このため、中空形状となっており剛性が比較的弱い主体金具ブランク20aであっても、ネジ山を転造している間に変形してしまう可能性を極力なくすことができる。また、転造ダイス320を4つ以上とすると主体金具ブランク20aに加わる圧力をより低減することができるが、他方で、各転造ダイス320の回転開始位置を調整する手間がかかってしまったり、各転造ダイス320によって形成されるネジ山がずれてしまったりする可能性がある。この点、3つの転造ダイス320を用いるようにすることで、中空形状になり剛性が比較的弱い主体金具ブランク20aが変形してしまう可能性を極力減らしつつ、各転造ダイス320の回転開始位置を比較的容易に調整し、かつ、各転造ダイス320によって形成されるネジ山がずれてしまう可能性も減らすことができる。
サーボタイプ型電動機310を採用した場合には、各転造ダイス320の回転位置を容易に把握することができるし、また、各転造ダイス320の回転速度を自在に調整することもできる。また、各サーボタイプ型電動機310が同期して駆動される場合には、各転造ダイス320によって転造されたネジ山がずれることを防止することができる。
また、サーボタイプ型電動機345を採用した場合には、水平方向の各転造ダイス320の位置も容易に微調整することができる。
次に、3つの転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始する際、転造ダイス320が回転している態様を採用した場合について、より具体的な例を用いて説明する。
図13に示される高速ネットワークコントローラ360aは制御部360に含まれている。サーボタイプ型電動機310は、サーボタイプ型電動機310a,310b,310cを有している。図13に示すように、サーボタイプ型電動機310aはD1サーボ(ダイス1サーボ)及びD1モータ(ダイス1モータ)を有し、サーボタイプ型電動機310bはD2サーボ(ダイス2サーボ)及びD2モータ(ダイス2モータ)を有し、サーボタイプ型電動機310cはD3サーボ(ダイス3サーボ)及びD3モータ(ダイス3モータ)を有している。サーボタイプ型電動機345は、切込サーボ及び切込モータを有している。後述する回転サーボモータ301aは、ワーク回転サーボ及びワーク回転モータを有している。また、高速ネットワークコントローラ360aと、D1サーボ、D2サーボ、D3サーボ、切込サーボ及びワーク回転サーボの各々とは、同期型高速シリアルネットワークによって接続されている。
本実施の形態によれば、中央処理装置としての高速ネットワークコントローラ360aがサーボ軸コントローラとしての役割を果たす。このサーボ軸コントローラは、3つの転造ダイス320のダイス軸速度制御及びその同期化の機能に加え、支持部301であるワーク回転軸によるワーク回転と回転方向位置検出部300である外部センサーを用いて位置制御と同期制御を施すことにより以下の問題を解決する。
本実施の形態で実施される切り込み位置合わせを行わない場合には、転造ダイス320を回転させるためダイス3軸を同期させ一旦同期運転が開始されると、後は主体金具ブランク20aの挿入タイミングで切込モータを駆動するのみとなっている。これに対して、特願2015−007669号で採用された態様では、転造ダイス320の回転を一度停止させて主体金具ブランク20aをクランプさせる動作を入れるため、以下のような事項が必要となる。
(1)転造ダイス320を毎回停止させるため、停止位置はその度ごと異なり。サイクル毎に転造ダイス320側のネジの開始位置を合わせる必要がある(ダイス開始位置合わせ動作)。
(2)転造ダイス320で主体金具ブランク20aをクランプする動作を取り入れるが、主体金具ブランク20aの直径寸法は製品品番ごとに異なるためクランプ位置の調整機能が必要となる(クランプ位置調整機能)。
(3)転造ダイス320の回転は毎回停止と再起動を繰り返す。このため同期させた3軸のダイス用モータ(=D1モータ、D2モータ及びD3モータ)の立ち上り制御が必要となる。
(4)転造ダイス320の立ち上りに合わせて切込みを同期させる動作が必要ある。
(1)転造ダイス320を毎回停止させるため、停止位置はその度ごと異なり。サイクル毎に転造ダイス320側のネジの開始位置を合わせる必要がある(ダイス開始位置合わせ動作)。
(2)転造ダイス320で主体金具ブランク20aをクランプする動作を取り入れるが、主体金具ブランク20aの直径寸法は製品品番ごとに異なるためクランプ位置の調整機能が必要となる(クランプ位置調整機能)。
(3)転造ダイス320の回転は毎回停止と再起動を繰り返す。このため同期させた3軸のダイス用モータ(=D1モータ、D2モータ及びD3モータ)の立ち上り制御が必要となる。
(4)転造ダイス320の立ち上りに合わせて切込みを同期させる動作が必要ある。
これに対して、本実施の形態では、サーボ制御における各軸制御のタイミングを合わせることのできる同調位相制御を実現することで、転造ダイス320の3軸同期に加えて、支持部301であるワーク回転サーボ軸によるワーク回転と外部センサー(=回転方向位置検出部300)によるワーク(ブランク)上特定部位位置検出信号を用いた同調位相制御によりダイス回転停止によるクランプ動作を行うことなく、切り込み位置合わせが可能となる。なお、支持部301の回転速度及び回転位置が常に把握されてもよく、支持部301の回転速度及び回転位置も制御部360によって制御できるようになっていてもよい。この場合には、支持部301には回転サーボモータ301a(図3参照)が連結され、回転サーボモータ301aによってワークである主体金具ブランク20aを回転できるようになってもよい。
具体的には、回転サーボモータ301aによりワークである主体金具ブランク20aを回転させてマーキングである発火電極25を外部センサー(=回転方向位置検出部300)で確認し、同センサー信号を軸コントローラ経由サーボドライバ(=サーボタイプ型電動機310)へ取り込む。これによりワークの位置を確認する。
確認後は、軸コントローラとダイス軸サーボ軸間の同期制御(同調位相制御)を実現しながら転造ダイス320を停止させることなく一定回転で回転させて、同期位相制御切込タイミングを合わせることにより、特定部位である発火電極25と全転造ダイス320の切込歯位置を合わせる。これにより、図12に示すように、初期にワーク位置(=発火電極25の回転位置)が揃っていなくても位置決めが可能となる。
なお、図12における「ワーク回転軸」は支持部301の回転位置ひいては主体金具ブランク20aの回転位置と関連付けられ、「ダイス1軸」、「ダイス2軸」及び「ダイス3軸」は、3つの転造ダイス320の回転位置と関連付けられている。図12の「外部センサー」に関するグラフにおいて下方に突出した箇所は、外部センサー(=回転方向位置検出部300)によって発火電極25が検出されたことを意味し、「切込軸」に関するグラフが上方に立ち上がっている間にサーボタイプ型電動機345による押し込みが行われて主体金具ブランク20aにネジの転造が行われ、「切込軸」に関するグラフが下方に降下している間に主体金具ブランク20aから形成された主体金具20から転造ダイス320が離隔されることになる。
図12に示す態様では、3つの転造ダイス320によって主体金具ブランク20aにネジの転造が行われる前に回転サーボモータ301aによる主体金具ブランク20aの回転速度が調整されることで、回転している転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始するタイミングが調整されている。なお、このように回転している転造ダイス320と主体金具ブランク20aとが接触を開始するタイミングが調整する際には、図12に示すように回転サーボモータ301aによる主体金具ブランク20aの回転速度が遅くなってもよいが、これに限られることはなく、回転サーボモータ301aによる主体金具ブランク20aの回転速度が速くなってもよい。
この結果、各転造ダイス320の切込位置を合わせて加工を行うために同期運転を行い、切り込み位置を合わせた加工を行うことができる。ここで切込軸(リンク機構)は既設流用することができる。例えば500rpm回転中に位相がずれた場合、120msで位相をあわすことができる。また転造ダイス320を交換する時、各軸に補正を入れることができるため、セットアップが容易となる。
上述した各実施の形態の記載及び図面の開示は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載又は図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。
20 主体金具
20a 主体金具ブランク
25 発火電極
100 点火プラグ
300 回転方向位置検出部(検出部)
320 転造ダイス
20a 主体金具ブランク
25 発火電極
100 点火プラグ
300 回転方向位置検出部(検出部)
320 転造ダイス
Claims (9)
- 被検出部を有するブランクにネジ山を転造する転造装置において、
前記ブランクにネジ山を転造する転造ダイスと、
前記被検出部の回転方向位置を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記被検出部の回転方向位置に基づいて、前記被検出部に対して所定の位置からネジが開始するように、前記転造ダイスと前記ブランクとが接触を開始する際の前記転造ダイスの回転位置を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする転造装置。 - 前記ブランクは、自動車の点火プラグに用いられ、中空形状からなり発火電極を含む主体金具ブランクであり、
前記被検出部は、前記発火電極であることを特徴とする請求項1に記載の転造装置。 - 前記制御部は、前記発火電極側から見たときに、前記発火電極に対して時計回り又は反時計回りで規定角度又は規定角度±15度以内からネジが開始するように、前記転造ダイスと前記ブランクとが接触を開始する際の前記転造ダイスの回転位置を制御することを特徴とする請求項2に記載の転造装置。
- 複数の転造ダイスが設けられ、
前記制御部は、前記被検出部に対して所定の位置からネジが開始するように、各転造ダイスと前記ブランクとが接触を開始する際の前記転造ダイスの回転位置を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の転造装置。 - 前記転造ダイスと前記ブランクとが接触を開始する際、前記転造ダイスは回転していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の転造装置。
- 前記転造ダイスが前記ブランクにネジ山を転造している間の前記転造ダイスの回転速度と比較して、前記転造ダイスと前記ブランクとが接触を開始する際の前記転造ダイスの回転速度は遅くなることを特徴とする請求項5に記載の転造装置。
- 前記ブランクは、自動車の点火プラグに用いられ、中空形状からなり発火電極を含む主体金具ブランクであり、
前記転造ダイスは3つ以上設けられ、
各転造ダイスと前記ブランクとは同時に接触を開始することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の転造装置。 - 複数の転造ダイスが設けられ、
各転造ダイスの回転位置又は回転速度を調整するサーボタイプ型電動機をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の転造装置。 - 被検出部を有するブランクにネジ山を転造してネジ山を有する転造品を製造する転造品製造方法において、
前記被検出部の回転方向位置を検出することと、
前記検出部によって検出された前記被検出部の回転方向位置に基づいて、前記被検出部に対して所定の位置からネジが開始するように、転造ダイスと前記ブランクとが接触を開始する際の前記転造ダイスの回転位置を制御することと、
を備えたことを特徴とする転造品製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015099881A JP2016215211A (ja) | 2015-05-15 | 2015-05-15 | 転造装置及び転造品製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP (1) | JP2016215211A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018144044A (ja) * | 2017-03-01 | 2018-09-20 | 日本特殊陶業株式会社 | 加工装置、部品の製造方法およびスパークプラグの製造方法 |
-
2015
- 2015-05-15 JP JP2015099881A patent/JP2016215211A/ja active Pending
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