JP2016213648A - 撮像装置、レンズ装置、撮像装置の制御方法、およびレンズ装置の制御方法 - Google Patents

撮像装置、レンズ装置、撮像装置の制御方法、およびレンズ装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】流し撮りにおける被写体のぶれを高精度に防止する。【解決手段】カメラ本体がパンニング中であることを表す情報を受信するステップS602と、その後、パンニング方向の像振れを補正する補正レンズが停止したかどうかを判定するステップS609と、補正レンズが停止していると判定されると、被写体速度を算出するステップS610と、を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、撮像装置、レンズ装置およびそれらの制御方法に関する。
特許文献1は、手振れなどの振動を補正する(通常防振する)ために、補正光学手段の駆動手段の位置制御ループ内に直列に配置されるハイパスフィルタと、その時定数を変更する手段とを設けた防振装置を提案している。特許文献2は、被写体の撮像面上の移動速度を算出し、流し撮り速度との差から被写体速度を算出し、露光中は被写体速度と流し撮り速度との差を補正するように像振れ補正レンズを移動させる流し撮りアシスト機能を有する撮像装置を提案している。
特開平7−218967号公報 特開2007−139952号公報
特許文献2では、流し撮りアシストと通常防振は別モードで行われており、両者を同時に行う方法は従来提案されていない。両者が同時に行われる場合、パンニングによる流し撮りをアシストするために被写体速度を算出する際に、パンニング方向の通常防振のために補正レンズが移動している場合が考えられるが、このような場合には被写体速度を高精度に検出することが困難になる。補正レンズは、振れ成分を完全に除去できず、残差成分が生じ、また、パンニング中には補正レンズを光軸中心方向に移動する向心力が強まるが、これらの残差成分や向心力の増加によって、被写体速度の検出誤差が生じるからである。
本発明は、流し撮りにおける被写体のぶれを高精度に防止することが可能な撮像装置、レンズ装置、撮像装置の制御方法およびレンズ装置の制御方法を提供することを例示的な目的とする。
本発明の撮像装置の制御方法は、光軸を偏心させる補正レンズを備えたレンズ装置が着脱可能な撮像装置であり、流し撮りにおける被写体角速度と前記撮像装置の角速度との差に基づいて前記補正レンズを移動させる撮像装置の制御方法であって、前記撮像装置が回転移動していることを表す情報を前記レンズ装置から受信する第1ステップと、前記補正レンズの移動速度が所定速度以下であるか否かを判定する第2ステップと、前記補正レンズの移動速度が前記所定速度以下であると判定されることに応じて、前記被写体角速度を取得するための情報を取得する第3ステップと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、流し撮りにおける被写体のぶれを高精度に防止することが可能な撮像装置、レンズ装置、撮像装置の制御方法、およびレンズ装置の制御方法を提供することができる。
本実施形態のカメラシステムを示すブロック図である。 図1に示すカメラシステムによる流し撮りを示す図である。 図2に示す流し撮り時の信号波形図である。 図1に示す測光手段によって求められるベクトル情報を示す図である。 図1に示す手振れ補正レンズの動きとパンニングの関係を示す図である。 図1に示すカメラ本体の動作を示すフローチャートである。 図1に示す交換レンズの動作を示すフローチャートである。 図7に示すシリアル通信割り込みの詳細を示すフローチャートである。 図7に示す像振れ補正割り込みの詳細を示すフローチャートである。 図9に示すS903の詳細を示すフローチャートである。 図9に示すS905の詳細を示すフローチャートである。 図9に示すS907の詳細を示すフローチャートである。 図9に示すS908の詳細を示すフローチャートである。 図6に示すS612の流し撮りアシスト可能表示を示す図である。
図1は、本実施形態のカメラシステム(撮像システム)を表すブロック図である。カメラシステムは、カメラ本体(撮像装置)101と交換レンズ(レンズ装置)102とからなる。カメラ本体101は、一眼レフカメラであるが、ノンフレックス一眼レフカメラ(ミラーレスカメラ)であってもよい。また、交換レンズ102は、カメラ本体101に着脱可能であるが、本発明は、レンズ一体型の撮像装置にも適用可能である。撮像装置は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ機能付き携帯電話、カメラ付きパーソナルコンピュータ(PC)などであってもよい。
被写体からの撮影光束は交換レンズ102の撮影光学系を通り、撮影準備中は中央部分がハーフミラーとなっているクイックリターン主ミラー103で一部が反射され、ペンタプリズム104において正立像となる。撮影者は、正立像を光学ファインダ105において被写体像として確認することができる。光学ファインダ105は、図14は、外枠に液晶表示部を有し、被写体情報や制御情報を表示する表示手段として機能する。
106は、測光回路であり、測光回路内のセンサは複数のエリアに分割された多画素の素子から成るセンサで、被写体の照度を測ると共に、被写体の経時的な移動方向と移動速度を示すベクトル情報を算出することができる。測光回路106は、センサの測光結果やベクトル情報をカメラMPU107に入力する。カメラMPU107は露光時間、絞りなどの撮影条件を決定する。なお、ミラーレスカメラやライブビュー撮影においては、撮像部112から得られる画像信号を処理する画像処理手段によって動きベクトルを検出することができる。また、画像処理手段から得られた情報を使用してカメラMPU107はヒストグラムを作成することによって(主)被写体が存在する領域を特定してもよい。このように、被写体角速度の取得に必要な被写体速度に関する情報を取得するための手段は測光回路106に限定されない。
108はサブミラーであり、クイックリターン主ミラー103の裏面に配置され、クイックリターン主ミラー103のハーフミラー面を通過した光束を焦点検出手段109に入射させる。焦点検出手段109は、入射した光束を光電変換及び信号処理して焦点検出データを作成し、カメラMPU107に入力する。
撮影動作に入ると、クイックリターン主ミラー103及びサブミラー108はペンタプリズム104側へ退避し(ミラーアップ)、フォーカルプレーンシャッター110がシャッター駆動回路111により駆動される。フォーカルプレーンシャッター110は、設定されたシャッター速度で開閉し、露光を停止させる。撮影光束は撮影光学画像としてCCDやCMOSなどの撮像部112面上に結像する。撮影光学画像は、撮像部112によって光電変換され、撮像信号となる。
113はタイミングジェネレータであり、撮像部112の蓄積動作、読み出し動作及びリセット動作などを制御する。114は撮像部112の蓄積電荷ノイズを低減するCDS回路(2重相関サンプリング回路)、115は撮像信号を増幅するゲインコントロール回路である。116は増幅された撮像信号をアナログからデジタルの画像データへ変換するA/D変換器である。117は映像信号処理回路であり、A/D変換器116でデジタル化された画像データに、フィルタ処理、色変換処理及びガンマ処理などを行う。映像信号処理回路117で信号処理された画像信号はバッファメモリ118に格納され、LCD(表示手段)119に表示されたり、着脱可能なメモリカード120に記録されたりする。
操作部(設定手段)121は、各種のモード、撮影条件(例えば、静止画撮影のためのシャッター速度、AFにおける焦点検出の対象を定める焦点検出枠)、記録画像ファイルサイズを設定したり、撮影時のレリーズを行ったりするためのスイッチ類である。
例えば、操作部121は、レリーズボタンを含む。カメラMPU107は、レリーズボタンの半押し(SW1ON)に応じて、測光回路106による測光結果またはユーザが設定した絞り値に応じた絞り128の駆動量を算出し、絞り128を駆動させる。また、カメラMPU107は、レリーズボタンの半押しに応じて、補正レンズ127のロックを解除して駆動可能な状態にする。その後、カメラMPU107は、補正レンズ127を駆動させる命令を送信する。カメラMPU107は、レリーズボタンの全押し(SW2ON)に応じて、シャッター駆動回路111を駆動し、撮影光束を撮像部112に導き、露光(撮影)を行う。
各種のモードは、流し撮り補助(アシスト)モードを含む。流し撮り補助モードは、流し撮り補助をするためのモードであり、流し撮りの際に、被写体の角速度とパンニング角速度の差を補正レンズ127の移動により補正し、その差に起因する被写体のぶれを防止するためのモードである。このとき、カメラMPU107は、シャッター速度を自動で予め記憶された値に設定したり、被写体に連続的にAFしたりしてもよい。また、流し撮り補助モードにおいて、シャッター速度は、ユーザが操作部121によって設定してもよい。
流し撮りにおいて、撮影者は、操作部121を操作することによって、流し撮り補助モードを使用するかどうかを選択することができる。また、流し撮り補助モードにおいて、撮影者は、操作部121を介して、通常防振を同時に作用させることを選択することもできるし、同時に作用させないことも選択することができる。例えば、パンニングによる流し撮りの場合、撮影者は、パンニング方向(第1の方向)には流し撮り補助を働かせ、パンニング方向と直交するチルティング方向(第2の方向)には通常防振のために補正レンズ127を移動させることを選択することができる。この場合、パンニング処理では、第1の方向で補正レンズ127を停止させるが、第2の方向では補正レンズ127を停止させない。
カメラMPU107は、入力された信号や予め記憶されたプログラムに従い、カメラシステムの各部を制御するカメラ制御手段であり、マイクロコンピュータから構成される。カメラMPU107は、カメラ本体101の上記動作を制御するほか、カメラ本体101側のインターフェース回路122及び交換レンズ102側のインターフェース回路123を介して、レンズMPU124と相互に通信する。この通信では、カメラ本体101と交換レンズ102間で様々なデータのやり取りを行う。
交換レンズ102は、被写体像を形成する撮影光学系の一部として、フォーカスレンズ125、ズームレンズ126、補正レンズ127、絞り128を備えている。
フォーカスレンズ125は、光軸方向に移動されて焦点調節を行う。フォーカスレンズ125は、レンズMPU124からの制御信号によりフォーカス制御回路129及びフォーカスレンズ駆動用モータ130を介して駆動される。フォーカス制御回路129には、フォーカスレンズ駆動回路のほか、フォーカスレンズの移動に応じたゾーンパターン信号やパルス信号を出力するフォーカスエンコーダなども含まれている。被写体距離はこのフォーカスエンコーダにより検知することができる。
ズームレンズ(変倍レンズ)126は、光軸方向に移動されて焦点距離を変更する。ズームレンズ126は、撮影者が不図示のズーム操作環を操作することにより移動する。ズームエンコーダ131はズームレンズの移動に応じたゾーンパターン信号を出力する。撮影像倍率は、レンズMPU124がフォーカスエンコーダとズームエンコーダ131からの信号を読み取り、被写体距離と焦点距離の組み合わせにより予め記憶されている撮影像倍率データを読み出すことによって得られる。
(像振れ)補正レンズ127は、光軸に直交する方向に移動され、光軸を偏心することによって像振れを補正する。なお、「直交する方向」は光軸に直交する成分があれば足り、光軸に斜めに移動されてもよい。補正レンズ127は、像振れ補正制御回路132、リニアモータ133を介して駆動される。また、本実施形態のカメラ本体101は、流し撮りにおける被写体角速度と撮像装置の角速度との差に基づいて補正レンズ127を移動させる。補正レンズ127は、流し撮りにおいて露光前に移動可能に構成されているため、上述したように、被写体速度を算出する際に誤差を招くおそれがある。
135は、撮像システムの角速度を検出し、ジャイロセンサなどから構成される角速度センサ(検出手段)である。角速度センサ135は、カメラ本体側に設けられてもよい。像振れ補正において、角速度センサ135から出力される、角速度の情報を含んだ振れ信号が信号処理回路136で信号処理され、レンズMPU124に入力される。レンズMPU124は、補正レンズ駆動目標信号を算出し、この補正レンズ駆動目標信号と補正レンズエンコーダ134から出力される補正レンズ位置信号との差に応じた駆動信号を像振れ補正制御回路132に出力する。像振れ補正は、このように補正レンズエンコーダ134から出力される補正レンズ位置信号を像振れ補正制御回路132にフィードバックすることで行われる。像振れ補正制御は、カメラ本体101を中心として、上下方向の傾きを検出するためのピッチ軸、左右方向の傾きを検出するためのヨー軸の2軸それぞれにおいて行われる。
絞り128は、撮影光学系の射出瞳位置に配置され、光量を調節する。絞り128は、レンズMPU124からの制御信号により絞り制御回路137及びステッピングモータ138を介して駆動される。スイッチ139は像振れ補正ON/OFFの選択用スイッチである。レンズMPU124は、交換レンズ102の各部を制御するレンズ制御手段であり、マイクロコンピュータから構成される。
次に図2〜図4を参照して、本発明の流し撮り方法について説明する。なお、ここでは、カメラの回転移動のうちカメラを左右に振るパンニングについて説明するが、本発明はパンニングだけでなく、カメラを上下に振るチルティングにも適用可能である。
図2(a)、(b)、(c)は、目の前を通り過ぎる被写体を流し撮り手法で撮影した際の、被写体とカメラの動きを時系列的に示している。流し撮りは、露光期間中も被写体の移動速度に合わせるようにカメラをパンニングすることにより、被写体の動きは止め、背景を流した写真を得る方法である。しかし、実際には、パンニング速度と被写体移動速度に差が生じることがある。ここで、被写体移動速度の変動と角速度センサ135の出力の変動には相関関係があり、図2(b)に示すように、変動の角変位をθ[deg]、被写体距離をL、撮影倍率をβ、被写体振れ変位をDとすると、次式が成り立つ。
D=βLπθ/180 ・・・(1)
従って、被写体移動速度をV、変動角速度をωとすると次式が成り立つ。
=βLπω/180 ・・・(2)
以下のように、検出された角速度センサ出力ωから変動角速度ωaを差し引くと、きれいに流し撮りを行うため、即ち、移動する被写体を正確に追従するための角速度ωが算出される。
ω=ω−ω=ω−180V/(βLπ) ・・・(3)
このように、被写体角速度とパンニング角速度をキャンセルするように補正レンズ127を駆動すると、流し撮り時の被写体振れがない、きれいな流し撮りをすることができる。
図3(a)は、図2の方法で流し撮りを行う際の被写体速度を角速度に換算した値と、交換レンズ102内の角速度センサ135から出力された流し撮り時の角速度を示し、図3(a)の縦軸は角速度(度/秒)であり、横軸は時間(秒)である。図3(b)は、補正レンズ127の駆動量を示すグラフであり、縦軸は変位量(mm)、横軸は時間(秒)である。露光開始時点の流し撮り角速度と被写体角速度の差をオフセットとして記憶し(即ち、この時点を基準とし)、露光中の差の積分値が補正レンズ127の目標駆動量になる。
次に、図4を参照して、被写体ベクトルデータの検出について説明する。図4(a)、(b)は、測光回路106内の測光センサに写る被写体像を示している。測光センサは、複数領域に分割された多画素からなり、被写体の明るさと色を測定することができる。また、カメラMPU107は、所定のサンプリングレートで測光回路106から画像を取得することによって、被写体のベクトル情報データを得ることができる。図4(a)と(b)は、流し撮り時に所定のサンプリングレートで更新された被写体像であり、図4(c)は、図4(a)と図4(b)の各領域において比較処理を行った結果得られたベクトルデータを示している。図4(c)では、被写体である電車は流し撮りを行っているから、画面内での位置があまり変化しておらず、ベクトルデータとしては小さな値が出力される。一方、背景は被写体の移動速度で移動しているから大きなベクトルデータが得られる。図4(d)は、図4(c)のベクトル情報と測光センサから得られた色情報から得られる、流し撮り中の画面内での被写体位置を示している。
図5は、パンニング処理前後の補正レンズ127の動きを示す図であり、縦軸は角度、横軸は時間である。ここで、「パンニング処理」とは、詳細については後述するが、パンニング中にパンニング方向に通常防振のために移動している補正レンズ127を(必要があれば、所定の位置に移動させた後で)停止(または略停止)させる処理である。実線(1)はパンニング角度を表しており、一点鎖線(2)は補正レンズ127の動きを表している。Aはパンニング開始(a)からパンニング処理終了(d)までの時間、Bはパンニング処理終了(d)からパンニング終了(b)までの時間を表している。
パンニングを開始すると、レンズMPU124内に設けられたパンニング検出手段によってパンニングが検出される。パンニングが検出されると、パンニング処理手段が補正レンズ127を徐々に光軸中心に移動させてパンニング処理が終了する。そこからパンニングが終了するまでは補正レンズ127は光軸中心に静止し、手振れ補正は行われない。パンニングが終了すると、補正レンズ127は補正量0の状態から徐々に像振れを補正する状態に戻る。
図6は、カメラ本体101の動作(カメラMPU107が実行する制御方法)を示すフローチャートであり、「S」はステップ(工程)を表す。かかる動作(制御方法)は、コンピュータに各ステップの動作を実行させるためのプログラムとして具現化が可能であり、かかるプログラムは非一時的でコンピュータ可読な記憶媒体に格納されてもよい。
カメラ本体101のメインスイッチがONされると、動作が開始される。
S601では、カメラMPU107は、カメラ本体101の操作部121のレリーズスイッチが半押し(SW1ON)されたかどうかの判定を行う。半押しされたら、S602へ進み、半押しされていなかったらここでの処理は終了する。
S602では、インターフェース回路122、123を介して、カメラMPU107は、レンズMPU124と、ステータス通信を行う。カメラMPU107は、カメラ本体101の状態(レリーズスイッチの状態、撮影モード、シャッター速度など)をレンズMPU124へ送信し、交換レンズ102の状態(焦点距離、絞り128の状態、フォーカスレンズ125の駆動状態など)を受信する。なお、図6は、ステータス通信を主要な個所にのみ記載しているが、カメラの状態が変化したときや、カメラがレンズの状態を確認したいときなどに随時行われる。
S602は、カメラシステムが第1の方向(例えば、左右方向)に回転移動していること(即ち、パンニング中)であることを表す情報を受信する(カメラMPU107が行う)第1ステップとしても機能する。本実施形態では、かかる情報は、図5(c)のパンニング検出を開始したことの情報であるが、カメラMPU107が被写体角速度(主被写体角速度)を算出する実施形態では、角速度センサ135から得られる角速度データであってもよい。かかる情報を取得することによって、カメラMPU107は、被写体速度に関する情報を取得しなければならないことを認識する。また、カメラMPU107は、その際、補正レンズ127が第1の方向の像振れを防止するために移動中であることを示す情報を更に受信してもよいが、これは必須ではない。
S603では、レリーズスイッチが半押し(SW1ON)されたので、カメラMPU107は、焦点検出手段109に焦点検出を行わせる。S604では、カメラMPU107は、被写体にピントを合わせるためのフォーカスレンズ駆動量を演算し、レンズMPU124へ送信する。このデータは、例えば、フォーカスエンコーダの駆動目標パルス量として送信する。
S605では、フォーカスレンズ125の駆動が終了したため、カメラMPU107は、再度、焦点検出手段109に焦点検出を行わせる。S606では、カメラMPU107は、合焦深度内であるかどうかの判定を行い、合焦深度内であればS607へ進む。S607では、カメラMPU107は、光学ファインダ105内にLEDを点灯させたり、音を発生させたりすることによって、合焦表示を行う。合焦深度内でなければS601に戻る。
S608では、カメラMPU107は、測光回路106からの測光結果(輝度)を得て、露光時間Tv、絞り値(絞り駆動量)を算出する。
S609では、インターフェース回路122、123を介して、カメラMPU107は、レンズMPU124からパンニング処理終了が通知されたかどうかを判定する。即ち、撮影者がカメラを大きく動かし始め、図5に示すパンニング処理終了(d)に達したかどうかを判定する。
S609は、S602後に、第1の方向の像振れを補正するために移動する補正レンズ127の移動速度(絶対値)が所定速度以下となったかどうかを判定する(カメラMPU107が行う)第2ステップとして機能する。所定速度は、例えば、撮像面換算で100μm/secであるが、固定値ではなく、シャッター速度や被写体距離に応じて変えてもよい。本実施形態では、図5の(d)〜(b)の区間Bに示すように、パンニング処理終了によって補正レンズ127は停止される。「所定速度以下」は、要求される被写体速度の算出精度を満たす補正レンズ127の移動速度を許容する趣旨である。パンニング処理終了が通知された場合はS610へ進み、通知されていない場合はS613へ進む。
S610では、カメラMPU107は、検出した被写体動きベクトルから被写体速度を算出する。S610は、S609によって補正レンズ127の移動速度が所定速度以下になったと判定されると、被写体角速度を取得するための情報を取得する(カメラMPU107が行う)第3ステップとして機能する。上述したように、カメラMPU107は、被写体角速度を取得するための情報は、被写体速度に限定されず、被写体角速度自体などであってもよい。S611では、カメラMPU107は、算出した被写体速度をレンズMPU124へ送信する。
S612では、カメラMPU107は、被写体速度の算出を開始した旨(即ち、流し撮りアシストが可能になった旨)を光学ファインダ105内の液晶表示部に、例えば、図14に「流し撮りアシスト可能表示」と矢印で示す表示を行う。これにより、撮影者は流し撮りアシスト可能タイミングを確認しながら流し撮りを行うことができる。なお、流し撮りアシスト可能表示は、LCD119等の別の表示部に表示してもよい。また、S612は、S609とS610の間、S610とS611の間に設けられてもよい。
S613では、カメラMPU107は、レリーズスイッチが全押し(SW2ON)されたかどうかの判定を行う。全押しされた場合にはS614へ進み、全押しされない場合にはS601に戻る。S614では、カメラMPU107はミラーアップを行う。このとき、焦点検出手段109へ入射していた被写体像は撮像部112に導かれる。また、カメラMPU107は、インターフェース回路122、123を介し、レンズMPU124へSW2ONであることを通知する。
S615では、カメラMPU107は、S608で求めた絞り駆動量を交換レンズ102へ送信し、絞り128の駆動を行わせる。S616では、カメラMPU107は、先幕シャッターを駆動する。S617では、カメラMPU107は、被写体像を撮像部112に露光し電荷を蓄積する。S618では、カメラMPU107は、露光時間が経過したら、後幕シャッターを駆動し、露光を終了する。S619では、カメラMPU107は、撮像部112からの電荷転送(読み出し)を行う。
S620では、カメラMPU107は、読み出した撮影画像信号を、CDS回路114、ゲインコントロール回路115、A/D変換器116を介してデジタルデータへ変換させ、バッファメモリ118に保存させる。S621では、カメラMPU107は、絞り開放命令を交換レンズ102へ送信し、絞り128を開放に戻す。
S622では、カメラMPU107は、クイックリターン主ミラー103及びサブミラー108を光路に配置するミラーダウンを行う。また、このタイミングでインターフェース回路122、123を介して、カメラMPU107は、レンズMPU124へSW2ONが終了したことを通知する。S623では、カメラMPU107は、ガンマ補正や圧縮処理などの画像補正処理を行う。S624では、カメラMPU107は、画像補正処理された画像データをLCD119に表示させると共に、メモリカード120に記録させ、撮影までの一連の動作は終了する。
なお、SW2ONを交換レンズ102へ通知するタイミングは限定されず、少なくとも撮影者がレリーズスイッチを全押ししてから先幕シャッター駆動、もしくは電荷蓄積開始よりも前のタイミングであればよい。
次に、図7〜図13は、交換レンズ102の動作(レンズMPU124の制御方法)を説明するフローチャートである。
まず、図7を参照して、交換レンズ102の動作(レンズMPU124が実行する制御方法)の概要を説明する。交換レンズ102をカメラ本体101に装着すると、カメラ本体101から交換レンズ102へシリアル通信がなされ、S701から動作を開始する。
S701では、レンズMPU124は、レンズ制御、像振れ補正制御のための初期設定を行う。S702では、レンズMPU124は、不図示のスイッチ類の状態検出、ズーム・フォーカスの位置検出を行う。スイッチ類は、例えば、オートフォーカスとマニュアルフォーカスの切り換えスイッチや、像振れ補正機能のON/OFFスイッチなどがある。S703では、レンズMPU124は、カメラ本体101からフォーカス駆動命令を受信したかどうかを判定する。フォーカス駆動命令が受信された場合はS704へ、受信されない場合はS708へ進む。
カメラ本体101からのフォーカス駆動命令通信では、フォーカスレンズの目標駆動量(パルス数)も送信される。S704では、レンズMPU124は、フォーカス制御回路129にあるフォーカスエンコーダのパルス数を検出して、目標パルス数駆動するようフォーカス駆動制御を行う。S705では、レンズMPU124は、目標パルス数Pに達したかどうかの判定を行う。目標に達した場合には、S706へ進み、レンズMPU124は、フォーカスレンズ125の駆動を停止する。達していない場合には、S707へ進み、レンズMPU124は、残り駆動パルス数に応じて、フォーカスレンズ駆動用モータ130の速度設定を行い、残り駆動パルス数が少なくなるに従って減速させる。
S708では、S702で像振れ補正機能OFFが検出されると補正レンズ127を光軸中心にロックし、像振れ補正機能ONが検出され、かつ、SW1ONをステータス通信により検出されると、ロックを解除(アンロック)し、像振れ補正を可能にする。
S709では、レンズMPU124は、カメラから全駆動停止(レンズ内のアクチュエータの全駆動を停止する)命令を受信したかどうかの判定を行う。受信した場合は、S710に進み、受信しない場合はS702に戻る。カメラ側で何も操作がなされないと、しばらくしてからカメラからこの全駆動停止命令が送信される。S710では、レンズMPU124は、全駆動停止制御を行う。ここでは全アクチュエータ駆動を停止し、マイコンをスリープ(停止)状態にする。像振れ補正手段への給電も停止する。その後、カメラ本体側で何か操作が行われると、カメラ本体101は交換レンズ102に通信を送り、スリープ状態を解除する。
これらの動作の間に、カメラ本体101からの通信によるシリアル通信割込み、像振れ補正制御割込みの要求があれば、それらの割込み処理を行う。シリアル通信割込み処理は、通信データのデコードを行い、デコード結果に応じて、例えば、絞り駆動、フォーカスレンズ125の駆動などの処理を行う。通信データのデコードによって、SW1ON、SW2ON、シャッター速度、カメラの機種等も判定できる。また、像振れ補正割込みは、一定周期毎に発生するタイマー割り込みであり、ピッチ方向(縦方向)制御とヨー方向(横方向)の像振れ補正を行うためのものである。
図8は、図7に示すシリアル通信割り込みを説明するためのフローチャートである。
S801では、レンズMPU124は、カメラMPU107からの命令(コマンド)解析を行い、各命令に応じた処理へ分岐する。S802では、フォーカス駆動命令を受信し、S803では、目標駆動パルス数に応じて、フォーカスレンズ駆動用モータ130の速度設定を行し、フォーカスレンズ125の駆動を開始する。S804では、絞り駆動命令を受信し、S805では、ステッピングモータ138の駆動パターンを設定し、設定した駆動パターンを絞り制御回路137を介してステッピングモータ138に出力し、絞り128を駆動する。
S806では、ステータス通信を行い、S807では、レンズの焦点距離情報や像振れ補正状態などをカメラ本体101に送信したり、カメラ本体101のステータス状態(レリーズスイッチの状態、撮影モード、シャッター速度など)を受信する。例えば、レンズMPU124は、S1104、S1204などのレリーズスイッチの全押し(SW2ON)を受信することができる。
S808では、被写体情報受信命令を受信し、S809では、受信した被写体角速度データと被写体位置データをレンズMPU124内のRAMに格納する。S810では、その他の命令、例えばレンズのフォーカス敏感度データ通信や、レンズ光学データ通信などのコマンドを受信し、S811では、受信したその他のコマンドに応じた処理を行う。S803、S805、S807、S809、S811の後で処理を終了する。
図9は、図7に示す像振れ補正割り込みを説明するためのフローチャートである。
S901では、レンズMPU124は、角速度センサ135の信号を、信号処理回路136で処理した出力信号をA/D変換する。S902では、レンズMPU124内は、入力された角速度信号が、所定値以上の大きさを所定時間以上継続した場合パンニングであることを検出する。パンニングを検出した場合はS904へ進み、検出しない場合はS903へ進む。S902は、交換レンズ102が装着されたカメラ本体101がパンニング中(第1の方向に回転移動中)であるかどうかを判定する(レンズMPU124が行う)第1ステップとして機能する。
S903では、レンズMPU124は、通常の手振れ補正の演算処理を行う。詳しい内容は後述するが、この演算処理の中で補正レンズ127の目標位置を算出する。S904では、レンズMPU124は、パンニング処理が終了したかどうかを判定する。パンニング処理が終了している場合はS906へ進み、終了していない場合はS905へ進む。
S905では、レンズMPU124は、パンニング処理を継続し、詳しい内容は後述するが、補正レンズ127の目標位置を算出する。なお、パンニング処理を行うに際して、レンズMPU124は、補正レンズ127がパンニング方向の像振れを補正するために移動中であるかどうかを判定する第4ステップを更に実行してもよい。そして、パンニング中であり、かつ、補正レンズ127がパンニング方向の防振のために移動中であると判定した場合に、パンニング方向の像振れを補正するための補正レンズの移動速度を所定速度以下になるように制御してもよい。補正レンズ127が移動中でない場合はS610の被写体速度を算出する際の問題が発生しないからである。レンズMPU124は、像振れ補正制御回路132との通信によって補正レンズ127が移動中であるかどうかを判定することができる。
S906では、レンズMPU124は、入力された角速度信号が、所定以下の大きさを所定時間以上継続した場合、パンニング動作が終了したと判定する。パンニング終了を検出した場合はS908へ進み、パンニングが継続中である場合はS907へ進む。S907では、パンニング処理が終了し、パンニング動作が継続中である場合、レンズMPU124は、流し撮りアシスト処理を実行する。詳しい内容は後述するが、この演算処理の中で流し撮りアシスト時の補正レンズ127の目標位置を算出する。S908では、パンニング終了を検出した場合はパンニング終了処理を行う。詳しい内容は後述するが、パンニング終了後、図5のように補正レンズ127が徐々に補正動作を開始するように目標位置を算出する。
S909では、レンズMPU124は、補正レンズ127の偏心量を検出する補正レンズエンコーダ134の信号をA/D変換し、A/D結果をレンズMPU124内のRAM領域に格納する。S910では、レンズMPU124は、前段までで得られている補正レンズ127の目標位置と実際の偏心量から、フィードバック演算を行う。S911では、レンズMPU124は、安定な制御系にするために位相補償演算を行う。S912では、レンズMPU124は、S911の演算結果をPWMとしてレンズMPU124のポートに出力し、像振れ補正割込みが終了する。その出力は像振れ補正制御回路132内のドライバー回路に入力し、リニアモータ133によって補正レンズ127が駆動され、像振れが補正、及び流し撮りアシストが行われる。
なお、パンニング検出のタイミングは上記タイミングに限定されず、S903の通常手振れ処理で通常の手振れの目標位置を求めた後または、その途中でもよい。更に、角速度ではなく、角速度を積分した角変位信号に基づいてパンニングを検出してもよい。
図10は、図9のS903の通常手振れ処理の詳細を示すフローチャートである。
S1001では、レンズMPU124は、入力された角速度信号に対して、低周波成分をカットするためハイパスフィルタ(HPF)演算を行う。演算開始から所定時間はハイパスフィルタの時定数切り換えを行い、早急に信号が安定するための動作も行う。S1002では、レンズMPU124は、ハイパスフィルタの演算結果を入力として積分演算を行う。この結果は角変位信号である。S1003では、レンズMPU124は、ズーム位置、フォーカス位置に応じた防振敏感度を読み出し、補正レンズ127の目標位置を算出する。
像振れ補正の性能向上、及び誤動作防止等の目的で、シャッター速度に応じたフィルタ特性の変更や、目標位置信号にリミッタを設ける等の処理を更に行ってもよい。
図11は、図9のS905のパンニング処理の詳細を示すフローチャートである。レンズMPU124は、補正レンズ127が、パンニング方向と直交するチルティング方向の防振のために移動することを許容してもよいので、パンニング処理によって補正レンズ127を停止させる方向はパンニング方向に限定してもよい。従って、この場合、チルティング方向には補正レンズ127は移動を続けることになる。
S1101では、レンズMPU124は、前回の目標位置信号(X0)の大きさが所定範囲に入っているかどうかを判定する。所定範囲とは、例えば、補正レンズ127が移動した際に撮像面上での像の移動量が数μm以内に収まる範囲など、補正レンズ127がほぼ光軸中心位置にあると判断できる範囲を設定すればよい。所定範囲に入っている場合はS1106へ進み、入っていない場合はS1102へ進む。
図5で説明したように、パンニングが検出されると、補正レンズ127は検出された時点の位置から徐々に光軸中心位置へと移動する。光軸中心位置に移動することによって、流し撮り補助において移動する補正レンズ127の移動量を確保することができる。S1102では、レンズMPU124は、像振れ補正割り込み1回当たりの光軸中心へ向けた補正レンズ127の変位量dXを既に算出したかどうかを判定する。算出済みの場合はS1104へ進む。算出済みでない場合はS1103へ進む。
S1103では、レンズMPU124は、パンニングを検出した時点から光軸中心への移動が完了するまでの時間(Tc)と、像振れ補正割り込みの割り込み周期(Ti)と、パンニング検出時点の補正レンズ127の位置(Xi)から、dXを以下のように求める。
dX = Xi/Tc/Ti・・・(4)
S1104では、レンズMPU124は、レリーズスイッチが全押し(SW2ON)されたかどうか(露光開始の情報を受信したかどうか)の判定を行う。全押しされた場合はS1106へ進み、全押しされていない場合はS1105へ進む。S1105では、レンズMPU124は、前回の目標位置X0からdXを減じた値を新たな目標位置に設定する。これにより、補正レンズ127は、徐々に光軸中心に向かって移動する。S1106では、レンズMPU124は、前回の目標位置を新たな目標位置に設定する。このように、カメラMPU107から露光開始の情報を受信した場合には、露光開始の情報を受信した時点の補正レンズ127の位置に補正レンズ127を停止させる。目標位置を前回と同じにする理由は、露光中も光軸中心へ補正レンズ127を移動させる動作を継続すると、その影響により露光画像に像振れを生じるためである。
S1107では、レンズMPU124は、S1101でX0が所定の範囲内にあるため、目標位置を0に設定する。目標位置を0に設定することは、補正レンズ127を移動させない(停止させる)ことである。このため、S1107は、パンニング方向の像振れを補正するための補正レンズ127の移動速度が所定速度以下になるように制御する(レンズMPU124が行う)第2ステップとして機能する。なお、レンズMPU124は、補正レンズ127の移動速度の情報を、補正レンズエンコーダ134から得られた信号に基づいて得ることができる。その後、S806のステータス通信やS1202などにおいて、レンズMPU124は、パンニング処理終了の情報をカメラMPU107に送信する。カメラMPU107は、その情報を受信したかどうかをS609において判定する。
なお、本実施例では、所定の割合で目標位置が0(即ち、光軸中心)に収束する例を示したが、これに限定されるものではなく、所定時間で収束してもよいし、所定の関数に従って収束してもよい。また、必ずしも目標位置を0に収束させる必要はなく、パンニングを検出した時点の位置で補正レンズ127を停止させてもよいが、光軸中心から離れる分だけ、露光期間中の補正可能な量が減少する場合がある。
図12は、図9のS907の流し撮りアシスト処理の詳細を示すフローチャートである。
S1201では、レンズMPU124は、パンニング処理終了をカメラMPU107に送信したかどうかを判定する。通知済みの場合はS1203へ進み、未通知の場合はS1202へ進む。S1202では、レンズMPU124は、インターフェース回路122、123を介して、パンニング処理が終了したことをカメラMPU107に通知する。S1202やS806は、補正レンズ127の移動速度が所定速度以下になった後(本実施例では停止した後)で、その旨を表す情報をカメラMPU107に送信する(レンズMPU124が行う)第3ステップとして機能する。
S1203では、レンズMPU124は、角速度センサ135のA/D変換結果とカメラMPU107から受信した被写体速度データから、数式2のように、被写体角速度を算出する。S1204では、レンズMPU124は、操作部121にあるレリーズスイッチが全押し(SW2ON)されたかどうかの判定を行う。全押しされたらS1206へ進み、全押しされていなければS1205へ進む。
S1205では、レンズMPU124は、目標位置を0に設定する。これは、カメラMPU107が正確な被写体速度を算出できるように、補正レンズ127の動きを止めるためである。このため、S1205は、パンニング方向の像振れを補正するための補正レンズ127の移動速度が所定速度以下になるように制御する(レンズMPU124が行う)第2ステップとして機能する。S1206では、レンズMPU124は、S1203で算出している被写体角速度と、角速度センサ135から求めたパンニング角速度との差を算出する。
S1207では、レンズMPU124は、S1206で算出した角速度の差を積分演算し、角変位データを算出する。S1208では、レンズMPU124は、ズーム位置、フォーカス位置に応じた防振敏感度を読み出し、補正レンズ127の目標駆動量を算出する。このように、S1203、S1206〜S1208は、S1202の後で、カメラMPU107から受信した被写体速度に関する情報に基づいて、被写体角速度とパンニング角速度との差に起因する像振れを補正するための補正レンズ127の移動量を算出する。
このように、被写体の移動速度と現在の流し撮り速度との差をキャンセルするように補正レンズ127を駆動することによって、流し撮り時に被写体振れがなくなり、被写体がぶれない高精度な流し撮り写真を撮影することが可能となる。なお、S1203において被写体角速度の算出を行ったが、必ずしも交換レンズ側で行う必要はなく、数式2に従ってカメラ本体側で算出してもよい。
図13は、図9のS908のパンニング終了処理の詳細を示すフローチャートである。
S1301では、レンズMPU124は、入力された角速度信号に対して、低周波成分をカットするためハイパスフィルタ演算を行う。演算開始から所定時間はハイパスフィルタの時定数切り換えを行い、早急に信号が安定するための動作も行う。S1302では、レンズMPU124は、ハイパスフィルタの演算結果を入力として積分演算を行う。この結果は角変位信号である。
S1303では、レンズMPU124は、図5のパンニング終了後の補正レンズの動きのように、補正レンズ127は、静止状態から徐々に像振れを補正する状態に戻る。そのため、レンズMPU124は、徐々に0から1になるようなゲインをS1302の積分演算結果に乗算する。ここでは、ゲインが既に1に達したかどうかを判定する。1に達している場合はS1306へ進み、達していない場合はS1304へ進む。
S1304では、レンズMPU124は、像振れ補正割り込み1回当たりのゲインの変化量dGとし、前回のゲインにdGを加算した値を今回のゲインとして設定する。なお、ゲインが0から1になるまでの時間を毎回一定時間とすれれば、dGは常に同じ値であり、算出し直す必要はない。S1305では、レンズMPU124は、S1302で得られた積分演算結果にゲインを乗算する。S1306では、レンズMPU124は、S1303でゲインが既に1に達している場合はパンニング終了処理を終了し、S1307では、レンズMPU124は、ゲインを0に戻す。S1308では、レンズMPU124は、ズーム位置、フォーカス位置に応じた防振敏感度を読み出し、補正レンズ127の目標駆動量を算出する。
なお、本実施例では、所定時間でゲインが1になる例を示したが、これに限定されるものではなく、所定の割合でもよいし、所定の関数に従ってもよい。また、チルティング方向で流し撮り補助を行い、パンニング方向で通常防振を行ってもよい。
本実施形態によれば、像振れ補正を行いつつ、撮影者が流し撮りを行う際には補正レンズが自動的に静止し、正確な被写体速度の検出が可能であるため、効果的な流し撮りアシストが可能となる。
光軸を偏心させる補正レンズを有するレンズ一体型撮像装置の場合、撮像装置は、流し撮りにおける被写体角速度と撮像装置の角速度との差に基づいて補正レンズを移動させる。また、補正レンズは、流し撮りにおいて露光前に移動可能に構成される。更に、制御手段が実行する制御方法は、第1ステップから第3ステップを有する。第1ステップは、撮像装置が回転移動しているか否かを判定する。第2ステップは、撮像装置が回転移動しているであると判定されたことに応じて、補正レンズの移動速度を、所定速度以下になるように制御する。第3ステップでは、第2ステップの後で、被写体角速度を取得するための情報(例えば、被写体速度、被写体角速度自体)を取得する。
また、パンニング方向、チルティング方向のいずれにも一致しない斜め方向にカメラが回転移動されて航空機等を流し撮りする際に補正レンズ127が防振のために移動中であれば、補正レンズ127をいずれの方向においても停止させてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明の撮像装置は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ付電子機器等の用途に適用することができる。
101…カメラ(撮像装置)、102…交換レンズ(レンズ装置)、107…カメラMPU、124…レンズMPU(レンズ制御手段)、127…補正レンズ

Claims (18)

  1. 光軸を偏心させる補正レンズを備えたレンズ装置が着脱可能な撮像装置であり、流し撮りにおける被写体角速度と前記撮像装置の角速度との差に基づいて前記補正レンズを移動させる撮像装置の制御方法であって、
    前記撮像装置が回転移動していることを表す情報を前記レンズ装置から受信する第1ステップと、
    前記補正レンズの移動速度が所定速度以下であるか否かを判定する第2ステップと、
    前記補正レンズの移動速度が前記所定速度以下であると判定されることに応じて、前記被写体角速度を取得するための情報を取得する第3ステップと、
    を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
  2. 前記第1ステップは、撮像装置が第1の方向に回転移動していることを表す情報を受信するステップであり、前記第2ステップは、前記第1の方向における前記補正レンズの移動速度が前記所定速度以下であるか否かを判定するステップであることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置の制御方法。
  3. 前記第2ステップは、前記補正レンズが停止しているか否かを判定するステップであることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置の制御方法。
  4. 前記撮像装置は、表示手段を更に有し、
    前記第3ステップが開始されたことを表す情報を前記表示手段に表示させるステップを更に有することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の撮像装置の制御方法。
  5. 前記撮像装置は、表示手段を更に有し、
    前記第2ステップによって前記補正レンズが停止していると判定されたことを表す情報を前記表示手段に表示させるステップを更に有することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の撮像装置の制御方法。
  6. 前記所定速度は、要求される被写体速度の算出精度を満たす速度であることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の撮像装置の制御方法。
  7. 光軸を偏心させる補正レンズを有し、撮像装置に着脱可能なレンズ装置の制御方法であって、
    前記撮像装置は、流し撮りにおける被写体角速度と前記撮像装置の角速度との差に基づいて前記補正レンズを移動させ、
    前記レンズ装置の制御方法は、
    前記レンズ装置が装着された前記撮像装置が回転移動しているか否かを判定する第1ステップと、
    前記撮像装置が回転移動していると判定されたことに応じて、前記補正レンズの移動速度を、所定速度以下になるように制御する第2ステップと、
    前記補正レンズの移動速度が前記所定速度以下になったことを表す情報を前記撮像装置に送信する第3ステップと、
    を有することを特徴とするレンズ装置の制御方法。
  8. 前記第1ステップは、前記レンズ装置が装着された前記撮像装置が第1の方向に回転移動しているか否かを判定するステップであり、前記第2ステップは、前記第1の方向における前記補正レンズの移動速度を、前記所定速度以下になるように制御するステップであることを特徴とする請求項7に記載のレンズ装置の制御方法。
  9. 前記補正レンズが移動中であるかどうかを判定するステップを更に有し、
    前記第1ステップによって、前記撮像装置が回転移動していると判定され、かつ、前記補正レンズが移動していると判定されたことに応じて、前記補正レンズの移動速度を、前記所定速度以下になるように制御することを特徴とする請求項7または8に記載のレンズ装置の制御方法。
  10. 前記第2ステップは、前記補正レンズを、前記第1ステップによって前記撮像装置が回転移動していると判定されたときの位置で停止させることを特徴とする請求項7乃至9のうちいずれか1項に記載のレンズ装置の制御方法。
  11. 前記レンズ装置は、前記補正レンズを含む撮影光学系を有し、
    前記第2ステップは、前記補正レンズを前記撮影光学系の光軸中心位置に移動させた後に停止させるステップであることを特徴とする請求項7乃至9のうちいずれか1項に記載のレンズ装置の制御方法。
  12. 前記第2ステップは、前記撮像装置から露光を開始することを示す情報を受信したときの前記補正レンズの位置に前記補正レンズを停止させるステップであることを特徴とする請求項11に記載のレンズ装置の制御方法。
  13. 前記第2のステップにおいて、前記補正レンズが、前記第1の方向と直交する第2の方向の像振れを補正するために移動することを許容することを特徴とする請求項9に記載のレンズ装置の制御方法。
  14. 前記撮像装置から受信した前記被写体角速度を取得するための情報に基づいて、被写体角速度と前記第1の方向への前記撮像装置の角速度との差に基づいて前記補正レンズの移動量を算出するステップを更に有することを特徴とする請求項7乃至13のうちいずれか1項に記載のレンズ装置の制御方法。
  15. 光軸を偏心させる補正レンズを有する撮像装置であって、流し撮りにおける被写体角速度と前記撮像装置の角速度との差に基づいて前記補正レンズを移動させる前記撮像装置の制御方法であって、
    前記撮像装置が回転移動しているか否かを判定する第1ステップと、
    前記撮像装置が回転移動していると判定されたことに応じて、前記補正レンズの移動速度を所定速度以下になるように制御する第2ステップと、
    前記被写体角速度を取得するための情報を取得する第3ステップと、
    を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
  16. 光軸を偏心させる補正レンズを備えたレンズ装置が着脱可能な撮像装置であって、
    流し撮りにおける被写体角速度と前記撮像装置の角速度との差に基づいて前記補正レンズを移動させると共に、前記レンズ装置との通信が可能な制御手段を有し、
    前記制御手段は、前記撮像装置が回転移動していることを表す情報を前記レンズ装置から受信し、前記補正レンズの移動速度が所定速度以下であるか否かを判定し、前記補正レンズの移動速度が前記所定速度以下であると判定されることに応じて、前記被写体角速度を取得するための情報を取得することを特徴とする撮像装置。
  17. 光軸を偏心させる補正レンズと、レンズ制御手段と、を有し、撮像装置に着脱可能なレンズ装置であって、
    前記撮像装置は、流し撮りにおける被写体角速度と前記撮像装置の角速度との差に基づいて前記補正レンズを移動させ、
    前記レンズ制御手段は、前記レンズ装置が装着された前記撮像装置が回転移動しているか否かを判定し、前記撮像装置が回転移動していると判定されたことに応じて、前記補正レンズの移動速度を所定速度以下になるように制御し、前記補正レンズの移動速度が前記所定速度以下になったことを表す情報を前記撮像装置に送信することを特徴とするレンズ装置。
  18. 光軸を偏心させる補正レンズを有する撮像装置であって、
    流し撮りにおける被写体角速度と前記撮像装置の角速度との差に基づいて前記補正レンズを移動させる制御手段を更に有し、
    前記制御手段は、前記撮像装置が回転移動しているか否かを判定し、前記撮像装置が回転移動していると判定されたことに応じて、前記補正レンズの移動速度を所定速度以下になるように制御し、前記被写体角速度を取得するための情報を取得することを特徴とする撮像装置。
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