JP2016211851A - 電池温度推定装置 - Google Patents

電池温度推定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016211851A
JP2016211851A JP2015092164A JP2015092164A JP2016211851A JP 2016211851 A JP2016211851 A JP 2016211851A JP 2015092164 A JP2015092164 A JP 2015092164A JP 2015092164 A JP2015092164 A JP 2015092164A JP 2016211851 A JP2016211851 A JP 2016211851A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat transfer
battery
temperature
path
temperature difference
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015092164A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6569286B2 (ja
Inventor
裕介 渡邉
Yusuke Watanabe
裕介 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2015092164A priority Critical patent/JP6569286B2/ja
Priority to DE102016107780.1A priority patent/DE102016107780B4/de
Publication of JP2016211851A publication Critical patent/JP2016211851A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6569286B2 publication Critical patent/JP6569286B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/42Methods or arrangements for servicing or maintenance of secondary cells or secondary half-cells
    • H01M10/48Accumulators combined with arrangements for measuring, testing or indicating the condition of cells, e.g. the level or density of the electrolyte
    • H01M10/486Accumulators combined with arrangements for measuring, testing or indicating the condition of cells, e.g. the level or density of the electrolyte for measuring temperature
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • H01M10/0525Rocking-chair batteries, i.e. batteries with lithium insertion or intercalation in both electrodes; Lithium-ion batteries
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M2220/00Batteries for particular applications
    • H01M2220/20Batteries in motive systems, e.g. vehicle, ship, plane
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Mounting, Suspending (AREA)
  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

Abstract

【課題】温度センサを電池に対して直付けしなくても、電池の温度を取得することができる電池温度推定装置を提供する。
【解決手段】電池本体34a〜34dで生じた熱が伝達される伝熱経路には、電池本体34a〜34d及びサーミスタ51,52の間に第1伝熱抵抗が存在し、サーミスタ51,52及びサーミスタ53の間に第2伝熱抵抗が存在する。制御部は、その伝熱経路において電池本体34a〜34dで生じた熱が各伝熱抵抗を介してサーミスタ51,52及びサーミスタ53に伝わることを想定し、サーミスタ51,52及びサーミスタ53の検出温度の差と、第1伝熱抵抗及び第2伝熱抵抗とに基づいて、電池本体34a〜34d及びサーミスタ51,52の温度の差(推定温度差)を算出する。そして、その算出した推定温度差とサーミスタ51,52の検出温度とを加算して、電池本体34a〜34dの温度を算出する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、例えば自動車等の車両に搭載される電池ユニットにおいて、電池の温度を推定する電池温度推定装置に関するものである。
例えば自動車等の車両において、電源として、複数の単電池を備えてなる蓄電池(組電池モジュール)が用いられる技術が知られている。このような組電池では、単電池の温度が所定温度以上になると、寿命の低下等の不都合が生じるため、かかる不都合を回避するために単電池の温度を検出する必要がある。そのため、例えば、各単電池にそれぞれサーミスタ(温度センサ)を取り付けて、それらのサーミスタにより各単電池の温度を検出するようにしている。
なお、複数の単電池を備えてなる蓄電池に関する先行技術として、複数の単電池のうち一部の単電池のみにサーミスタを取り付ける構成とし、そのサーミスタにより検出された電池温度と、組電池に関する取得情報とに基づいて、サーミスタを具備しない単電池の温度を推定する技術が提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
特開2003−185504号公報 特開2014−26752号公報
しかしながら、ラミネート型の単電池が複数積層されて構成された組電池等、組電池の種類によっては構造上、サーミスタを単電池に直付けするのが困難な場合がある。また、単電池の温度を推定する際には、単電池の発熱を適正に知る必要があり、この点において技術の改善の余地があると考えられる。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、温度センサを電池に対して直付けしなくても、電池の温度を取得することができる電池温度推定装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について説明する。
第1の発明の電池温度推定装置(60)は、電池(34)にて生じた熱が伝達される伝熱経路上であって前記電池からの伝熱の経路長が小さい位置及び大きい位置にそれぞれ第1温度センサ(51,52)と第2温度センサ(53)とが設けられる電池ユニット(10)に適用され、前記電池の温度を推定する。そして、電池温度推定装置(60)は、前記伝熱経路において、前記電池及び前記第1温度センサの間となる第1経路部に第1伝熱抵抗(R13,R14,R15,R33,R34,R35)が存在し、前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの間となる第2経路部に第2伝熱抵抗(R20,R40)が存在し、その伝熱経路において、前記電池にて生じた熱が前記各伝熱抵抗を介して前記第1温度センサ及び前記第2温度センサに伝わることを想定し、前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの検出温度の差であるセンサ間温度差と、前記第1伝熱抵抗及び前記第2伝熱抵抗とに基づいて、前記電池及び前記第1温度センサの温度の差である推定温度差を算出する温度差算出手段と、前記第1温度センサの検出温度に、前記温度差算出手段により算出した前記推定温度差を加算して、前記電池の温度を算出する電池温度算出手段と、を備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、電池で生じた熱が伝達される伝熱経路上に第1温度センサと第2温度センサとが設けられ、その伝熱経路において電池及び第1温度センサの間(第1経路部)に第1伝熱抵抗が存在し、第1温度センサ及び第2温度センサの間(第2経路部)に第2伝熱抵抗が存在する構成が想定されている。このような構成の下では、第1温度センサ及び第2温度センサの検出温度の差が求まれば、その温度差と第2伝熱抵抗とに基づいて第2経路部を伝わる熱の量(第2温度センサに伝わる伝熱量)が定まる。そして、この第2経路部における伝熱量と、第1経路部における伝熱量とが予め対応付けしてあれば、第1経路部における伝熱量(第1温度センサに伝わる伝熱量)も定まり、その結果第1経路部の伝熱量と第1伝熱抵抗とに基づいて電池及び第1温度センサの温度の差を求めることが可能となる。
そこで、上記発明では、第1温度センサ及び第2温度センサの検出温度の差(センサ間温度差)と、第1伝熱抵抗及び第2伝熱抵抗とに基づいて、電池及び第1温度センサの温度の差(推定温度差)を算出するようにしている。そして、その算出した推定温度差を第1温度センサの検出温度に加算することで電池の温度を算出するようにしている。これにより、電池に対して温度センサを直付けしなくても、電池の温度を取得することが可能となる。
第2の発明は、前記電池ユニットは、制御基板(12)を備え、前記電池と前記制御基板とが導電部材(44,46)により電気的に接続されており、前記第1温度センサは、前記導電部材と前記制御基板とが接続される接続部の温度を検出し、前記第2温度センサは、前記制御基板において前記接続部から離間した部位の温度を検出し、前記第1経路部は、前記導電部材を含んで構成され、前記第2経路部は、前記制御基板を含んで構成され、前記第1経路部には、前記第1伝熱抵抗として、前記導電部材における伝熱抵抗(R11)が含まれており、前記第2経路部には、前記第2伝熱抵抗として、前記制御基板における伝熱抵抗(R20)が含まれており、前記温度差算出手段は、前記導電部材における伝熱抵抗と、前記制御基板における伝熱抵抗とに基づいて、前記推定温度差を算出することを特徴とする。
第1温度センサにより導電部材と制御基板との接続部の温度を検出し、第2温度センサにより制御基板において接続部から離間した部位の温度を検出する構成において、導電部材における伝熱抵抗と制御基板における伝熱抵抗とに基づいて、推定温度差を算出するようにした。この場合、導電部材及び制御基板のそれぞれに応じた伝熱抵抗を設定することで推定温度差の算出精度を向上させることができ、ひいては電池温度の算出精度を向上させることができる。
第3の発明は、前記第1温度センサ及び前記第2温度センサは、前記制御基板において互いに離間した位置にそれぞれ設けられており、前記第1経路部には、前記第1伝熱抵抗として、前記導電部材における伝熱抵抗と、前記制御基板において前記導電部材の接続部から前記第1温度センサまでの離間部分の伝熱抵抗(R12)とが含まれており、前記温度差算出手段は、前記第1経路部の前記各伝熱抵抗に基づいて前記推定温度差を算出することを特徴とする。
各温度センサをそれぞれ制御基板に設けたため、各温度センサを伝熱経路に取り付けるにあたって別途取付部材を設ける必要がない。そして、このような構成にあって、導電部材における伝熱抵抗と、制御基板において導電部材の接続部から第1温度センサまでの離間部分の伝熱抵抗とを考慮して、推定温度差を算出するようにした。この場合、推定温度差の算出精度をより向上させることができ、ひいては電池温度の算出精度をより向上させることができる。
第4の発明は、前記電池を複数有するとともに、互いに異なる前記電池にそれぞれ導電部材(44,46)が接続されており、前記各導電部材ごとに前記伝熱経路が形成され、それら各伝熱経路には、経路ごとに前記第1温度センサが設けられるとともに、経路共通に第2温度センサが設けられており、前記温度差算出手段は、前記複数の伝熱経路の各々において前記推定温度差を算出し、前記電池温度算出手段は、前記複数の伝熱経路の各々において、前記第1温度センサの検出温度に前記推定温度差を加算して前記電池の温度を算出することを特徴とする。
各導電部材ごとの伝熱経路に第1温度センサを設けるとともに、経路共通に第2温度センサを設けた構成において、複数の伝熱経路の各々において推定温度差を算出し、複数の伝熱経路の各々において、第1温度センサの検出温度に推定温度差を加算して電池の温度を算出するようにした。この場合、サーミスタの個数増大を抑制しながら、各電池の温度を算出することができる。
第5の発明は、互いに直列接続された複数の前記電池を有し、前記複数の電池にはそれぞれ正側電極(35)及び負側電極(36)が設けられ、直列接続で隣り合う各電池のうち一方の電池の正側電極と他方の電池の負側電極とが接続され、その接続部に導電部材(44,46)が接続されており、前記伝熱経路として、前記一方の電池の熱が伝達される第1伝熱経路と、前記他方の電池の熱が伝達される第2伝熱経路とが存在し、前記第1伝熱経路では、前記第1経路部が前記正側電極と前記導電部材とを含んで構成され、前記第2伝熱経路では、前記第1経路部が前記負側電極と前記導電部材とを含んで構成され、前記第1伝熱経路の第1経路部には、前記第1伝熱抵抗として、前記正側電極における伝熱抵抗(R13)と、前記導電部材における伝熱抵抗(R11)とが含まれており、前記第2伝熱経路の第1経路部には、前記第1伝熱抵抗として、前記負側電極における伝熱抵抗(R14)と、前記導電部材における伝熱抵抗(R11)とが含まれており、前記温度差算出手段として、前記第1伝熱経路における前記推定温度差を算出する第1温度差算出手段と、前記第2伝熱経路における前記推定温度差を算出する第2温度差算出手段とを有し、前記第1温度差算出手段は、前記正側電極における伝熱抵抗に基づいて前記第1伝熱経路の前記推定温度差を算出し、前記第2温度差算出手段は、前記負側電極における伝熱抵抗に基づいて前記第2伝熱経路の前記推定温度差を算出し、前記電池温度算出手段は、前記第1伝熱経路及び第2伝熱経路の各々において、前記第1温度センサの検出温度に前記推定温度差を加算して前記各電池の温度を算出することを特徴とする。
上記構成では、直列接続で隣り合う各電池において互いに接続される2つの電極の各々の伝熱抵抗を加味することで、精度の高い推定温度差の算出を行うことができる。これにより、各電池の温度を精度よく算出することができる。
第6の発明は、前記電池は板状をなすとともに複数積層されて組電池(31)を構成していることを特徴とする。
板状の電池が複数積層されてなる組電池では、その構造上、電池に温度センサを直付けするのがとりわけ困難である。その点、上記構成では、かかる電池に電池温度推定装置を適用しているため、温度センサを電池に直付けしなくても電池温度を取得できるという効果を大きな効果として得ることができる。
電池ユニットの全体構成を示す斜視図。 電池ユニットの主要な構成を分解して示す分解斜視図。 組電池モジュールの斜視図。 組電池モジュールの各構成要素を分解して示す分解斜視図。 組電池モジュールの各構成要素を分解して示す分解斜視図。 電池集合体を示す正面図。 制御基板を示す平面図。 熱回路網モデルを示す図。 伝熱経路の各部における伝熱抵抗を示す図。 電池温度推定処理の内容を示す機能ブロック図。 別形態において熱回路網モデルを示す図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、車両に搭載される電源システムに具体化した場合を想定しており、本電源システムは、車載の各種電気負荷に電力を供給するための蓄電部(電源部)において充電や放電を逐次制御するものとなっている。車両は、内燃機関であるエンジンと、エンジンやその他各部を制御する車載ECUと、エンジンにより駆動されて発電する発電機(オルタネータ)と、発電機の発電電力により充電される蓄電部とを備えるものであり、特に蓄電部として、鉛蓄電池とリチウムイオン蓄電池とを用いる構成としている。本実施形態では、リチウムイオン蓄電池として機能するLi電池ユニット(以下、単に電池ユニットという)について詳しく説明する。
まず、電池ユニット10の全体構成について図1及び図2を用いて説明する。なお、以下の説明では便宜上、電池ユニット10を水平面に設置した状態である図1を基準に、電池ユニット10の上下方向を規定することとしている。
電池ユニット10は、主要な構成として、複数のラミネート型単電池を有してなる組電池モジュール11と、組電池モジュール11における充放電の制御等を行う制御基板12と、これら組電池モジュール11及び制御基板12を収容する収容ケース13とを備えている。収容ケース13は、本電池ユニット10の搭載場所に固定されるベース14と、ベース14の上方に取り付けられるカバー15と、ベース14及びカバー15の間に設けられる中間ケース16とを備えている。組電池モジュール11と制御基板12とは、組電池モジュール11が下、制御基板12が上になるように互いに上下に対向配置され、それぞれベース14に対して固定されている。カバー15及び中間ケース16も同様に、それぞれベース14に対して固定されている。
次に、電池ユニット10の各部の構成について説明する。
収容ケース13において、ベース14は、アルミニウム等の金属材料により形成されている。ベース14は、略四角形状に形成された底板部21と、その底板部21の周縁部又は略周縁部から起立して設けられる立ち壁部22とを有している。底板部21は、組電池モジュール11が載置される載置部となっている。底板部21に組電池モジュール11が載置された状態では組電池モジュール11が立ち壁部22により取り囲まれるようになっている。また、ベース14には、組電池モジュール11や制御基板12で生じた熱を外部に放熱するヒートシンク23が取り付けられている。
カバー15は、ベース14と同様、アルミニウム等の金属材料により形成されている。カバー15は、略四角形状をなしており、平面視においてベース14とほぼ同じ大きさを有している。
中間ケース16は、合成樹脂材料により形成されている。中間ケース16は、平面視で略四角形の環状をなす中間壁部25を有している。中間壁部25の下端部はベース14の立ち壁部22の上端部に組み付けられており、その組み付け状態で中間壁部25が立ち壁部22に連続して上方に延びている。
続いて、組電池モジュール11について説明する。図3は、組電池モジュール11の斜視図であり、図4及び図5は、組電池モジュール11の各構成要素を分解して示す分解斜視図である。図6は、組電池モジュール11を構成する電池集合体を示す正面図である。
図3乃至図5に示すように、組電池モジュール11は、複数(本実施形態では4つ)の単電池33を有してなる電池集合体31と、その電池集合体31に組み付けられる電池ホルダ32とを有している。電池集合体31は、ラミネート型電池よりなる複数の単電池33を有しており、それら各単電池33が上下に積層されて構成されている。
各単電池33はそれぞれ、四角板状の電池本体34(図6参照)と、その電池本体34に接続された電極端子としての板状の一対の電極タブ35,36とを有している。電池本体34はラミネートフィルムよりなる扁平状容器37に収容されており、その扁平状容器37の周縁部が封止されることで同容器37内に密封されている。各単電池33の電池本体34は上下に積層された状態で設けられている。
一対の電極タブ35,36は、電池本体34の相対向する2辺側にそれぞれ設けられている。これら各電極タブ35,36はそれぞれ、電池本体34から互いに反対側に向けて引き出されており(延出しており)、詳しくは電池本体34の厚み方向(各単電池33の積層する電池積層方向)と直交する方向(以下、タブ引き出し方向ともいう)に引き出されている。各電極タブ35,36のうち一方が正極タブ35となっており、他方が負極タブ36となっている。本実施形態では、正極タブ35がアルミニウムよりなり、負極タブ36が銅よりなる。
図6に示すように、上下に積層される各単電池33は、上下に隣り合う単電池33同士で正極タブ35と負極タブ36とが互い違いとなる向きで配置されている。この場合、上下に隣り合う各単電池33において、一方の単電池33の正極タブ35と他方の単電池33の負極タブ36とは上下に向き合って互いに重なり合っており、その重なり部分で互いに接合されている。これにより、各単電池33が直列に接続されている。
上下に積層される各単電池33のうち、最上部に配置された単電池33では、その正極タブ35(以下、この符号にAを付す)が他の単電池33の負極タブ36と接続されていない。また、最下部に配置された単電池33では、その負極タブ36(以下、この符号にAを付す)が他の単電池33の正極タブ35と接続されていない。これら正極タブ35A及び負極タブ36Aは、直列接続された複数の単電池33(からなる直列回路)の正極端子及び負極端子をそれぞれ構成しており、互いのタブ引き出し方向が同じとなっている。
各単電池33(詳しくは各電池本体34)の間にはそれぞれ、両面接着タイプの接着テープ38が介在している。この接着テープ38の接着により各単電池33が一体化されている。各単電池33のうち最上の単電池33の上には、鉄板よりなる剛性プレート39が接着テープ38により取り付けられている。
電池ホルダ32は、各単電池33の相対向する2辺のうち一方側の各電極タブ35,36に対して組み付けられる第1保持部41と、他方側の各電極タブ35,36に対して組み付けられる第2保持部42と、これら各保持部41,42を互いに連結する連結部43とを有している。これら各部は、例えば合成樹脂材料により一体形成されている。
第1保持部41は、電池集合体31の両側(単電池33の対向する2辺)のうち一方側の各電極タブ35,36に電気的に接続される板状の複数(3つ)のバスバー44(44a,44b,44c)を有している。これら各バスバー44a〜44cは、電池積層方向に並び、かつ板面が上下を向くようにして片持ち状態で設けられている。なお、各バスバー44a〜44cは、上から下に向けてバスバー44a、バスバー44b、バスバー44cの順で並んでいる。
各バスバー44a〜44cのうち、バスバー44aは、その板面を正極タブ35Aに重ね合わせた状態で当該正極タブ35Aに接合されている。つまり、バスバー44aは、複数の単電池33からなる直列回路の正極端子に接続されている。バスバー44bは、その板面を互いに接合状態にある各電極タブ35,36に重ね合わせた状態でそれら各電極タブ35,36に接合されている。バスバー44cは、その板面を負極タブ36Aに重ね合わせた状態で当該負極タブ36Aに接合されている。
第2保持部42は、電池集合体31の両側のうち他方側の各電極タブ35,36に電気的に接続される板状の複数(2つ)のバスバー44(44d,44e)を有している。これら各バスバー44d,44eは、やはり電池積層方向に並び、かつ板面が上下を向くようにして片持ち状態で設けられている。なお、各バスバー44d,44eのうち、バスバー44dが上側、バスバー44eが下側に配置されている。また、各バスバー44d,44eは、その板面を互いに接合状態にある各電極タブ35,36に重ね合わせた状態でそれら各電極タブ35,36に接合されている。
第1保持部41には各バスバー44a〜44cにそれぞれ接続される3つのバスバー46(46a,46b,46c)が設けられている。この場合、バスバー46aがバスバー44aと接続され、バスバー46bがバスバー44bと接続され、バスバー46cがバスバー44cと接続されている。また、第2保持部42には各バスバー44d,44eにそれぞれ接続される2つのバスバー46(46d,46e)が設けられている。この場合、バスバー46dがバスバー44dと接続され、バスバー46eがバスバー44eと接続されている。各バスバー46a〜46eはいずれも上方に延びるように設けられ、その先端が制御基板12に接続されている(図7参照)。これにより、互いに接続されたバスバー44a〜44eとバスバー46a〜46eとを介して単電池33ごとに端子電圧を検出することが可能となっている。
また、第1保持部41には、バスバー44aと接続された2つの電力端子47が設けられている。すなわち、これらの電力端子47は、複数の単電池33からなる直列回路の正極端子に接続されている。
次に、制御基板12に関する構成について説明する。図7は、制御基板12を示す平面図である。なお、図7では、制御基板12に接続されたバスバー46a〜46e及び電力端子47についても図示をしている。
図7に示すように、制御基板12は、基板面に回路パターンが形成された矩形板状(長方形板状)のプリント基板よりなる。制御基板12は、上述したように、組電池モジュール11上に組み付けられており、その組み付け状態において基板長辺方向を各電極タブ35,36のタブ引き出し方向に向けて配置されている。
制御基板12の基板面には、各種の電子部品が実装されている。これらの電子部品には、組電池モジュール11の充放電制御の処理等を実行する制御部60(CPU)や、スイッチング素子56等が含まれている。図7では、図示の便宜上、制御部60を制御基板12から離して示している。
制御基板12には、その略中央部に板厚方向に貫通する貫通孔55が形成されている。スイッチング素子56は、制御基板12上において基板短辺方向における貫通孔55を挟んだ両側のうち一方側(図7における下側)に配置され、他方側(図7における上側)には配置されていない。この場合、制御基板12上において貫通孔55よりも上記他方側はスイッチング素子56が存在しない領域となっている。また、スイッチング素子56が熱を発する発熱素子である点からすると、当該領域を発熱素子が存在しない未発熱領域12aということもできる。
制御基板12には、第1保持部41の各バスバー46a〜46cと第2保持部42の各バスバー46d,46eとがそれぞれ基板長手方向において互いに反対側となる位置で接続されている。これらの各バスバー46a〜46eは、制御基板12に形成された孔部58a〜58eに挿し込まれた状態で制御基板12に接続されている。また、これらのバスバー46a〜46eはいずれも、制御基板12における未発熱領域12aに接続されている。
制御基板12には、第1保持部41の各バスバー46a〜46cとの接続部付近に当該第1保持部41の各電力端子47が接続されている。これらの電力端子47は、制御基板12に形成された孔部59に挿し込まれた状態で制御基板12に接続されている。
制御基板12上には、バスバー46dの温度(制御基板12とバスバー46dとの接続部の温度)を検出するサーミスタ51と、バスバー46eの温度(制御基板12とバスバー46eとの接続部の温度)を検出するサーミスタ52とが実装されている。サーミスタ51は、制御基板12上においてバスバー46dの近傍に配置され、サーミスタ52は、制御基板12上においてバスバー46eの近傍に配置されている。
各サーミスタ51,52の配置に関して詳しく説明すると、各バスバー46d,46eは制御基板12において基板短手方向に並んで配置されており、それらバスバー46d,46eの並び方向に沿って各サーミスタ51,52が配置されている。この場合、各サーミスタ51,52は、バスバー46d,46eに対して基板長手方向の中央側(同じ側)に配置されている。また、各サーミスタ51,52は、バスバー46d,46eの並び方向(基板短手方向)における各バスバー46d,46eの中央位置を基準として対称配置されており、かかる配置状態において各サーミスタ51,52間の間隔は各バスバー46d,46e間の間隔よりも大きくなっている。
ちなみに、制御基板12上において各バスバー46d,46eは各バスバー46a〜46cよりもスイッチング素子56から離れた位置にある。このため、各バスバー46d,46eの近傍にサーミスタ51,52を配置した上述の構成は、各バスバー46a〜46cの近傍にサーミスタ51,52を配置する構成(換言すると、サーミスタ51,52によりバスバー46a〜46cの温度を検出する構成)と比べて、サーミスタ51,52をスイッチング素子56(ひいては発熱素子)から離れた位置に配置することが可能となる。そのため、サーミスタ51,52によりバスバー46の温度を検出する上で、スイッチング素子56からの熱の影響を少なくすることができる。
制御基板12上には、上記各サーミスタ51,52の他に、制御基板12の温度を検出するサーミスタ53が実装されている。サーミスタ53は、上記のサーミスタ51,52とは異なり、制御基板12上においてバスバー46d,46eから離れた位置に配置されている。そのため、サーミスタ53はバスバー46d,46eからの温度による影響をほとんど受けることなく、制御基板12の温度を検出するものとなっている。
サーミスタ53は、バスバー46d,46eに対して基板長手方向の中央側に配置されている。つまり、サーミスタ53は、バスバー46d,46eに対して各サーミスタ51,52と同じ側に配置されており、基板長手方向で見た場合にサーミスタ51,52を挟んでバスバー46d,46eとは反対側に位置している。また、サーミスタ53は、制御基板12上において基板長手方向の略中央部に配置されている。この場合、サーミスタ53と第1保持部41の各バスバー46a〜46cとの距離と、サーミスタ53と第2保持部42の各バスバー46d,46eとの距離とは略同じとなっている。
また、サーミスタ53は、制御基板12上において未発熱領域12aに配置されている。そのため、サーミスタ53に対してはスイッチング素子56からの熱の影響も少なくされている。
上記の各サーミスタ51〜53はいずれも制御部60に接続されている。制御部60には、これらのサーミスタ51〜53からそれぞれ検出結果(検出温度)が入力される。そして、制御部60は、これら各サーミスタ51〜53から入力される検出温度に基づいて、各単電池33の温度を推定する後述の温度推定処理を実施するようになっている。
ところで、上述した本電池ユニット10の構成では、各単電池33(詳しくは電池本体34)で発生した熱が電極タブ35,36とバスバー44,46とを経由して制御基板12へと伝わることが考えられる。したがって、本電池ユニット10では、電極タブ35,36とバスバー44,46と制御基板12とにより、各電池本体34で生じた熱が伝達される伝熱経路が構築されている。そこで、本実施形態では、その伝熱経路における熱の移動をモデル化した熱回路網モデルを作成し、その熱回路網モデルを用いて各電池本体34の温度を推定することとしている。以下、かかる電池温度の推定を行う電池温度推定装置について説明する。
まず、電池温度推定の基礎となる熱回路網モデルについて説明する。図8(a)及び(b)は、その熱回路網モデルを示す図である。図8(a)では、熱回路網モデルを電池ユニット10の構造を含めて示しており、図8(b)では、図8(a)の熱回路網モデルをそれと等価なモデルに変形して示している。
図8(a)に示すように、熱回路網モデルにおいて熱源となる各単電池33(詳しくは電池本体34)は、上述したように、上下に積層された状態で配置されている。これら各単電池33(33a〜33d)は、上側のものから下側のものに向かって順に第1単電池33a、第2単電池33b、第3単電池33c、第4単電池33dとなっている。また、以下においては便宜上、これら各単電池33a〜33dの電池本体34の符号にそれぞれa〜dを付す。
伝熱経路には、第1単電池33a及び第2単電池33bの各電池本体34a,34bで生じた熱が伝達される伝熱経路K1と、第3単電池33c及び第4単電池33dの各電池本体34c,34dで生じた熱が伝達される伝熱経路K2とが存在する。伝熱経路K1上には、サーミスタ51とサーミスタ53とが設けられている。この場合、伝熱経路K1上において電池本体34a,34bからの伝熱の経路長が小さい位置にサーミスタ51が配置され、電池本体34a,34bからの伝熱の経路長が大きい位置にサーミスタ53が配置されている。
一方、伝熱経路K2上には、サーミスタ52とサーミスタ53とが設けられている。この場合、伝熱経路K2上において電池本体34c,34dからの伝熱の経路長が小さい位置にサーミスタ52が配置され、電池本体34c,34dからの伝熱の経路長が大きい位置にサーミスタ53が配置されている。このように、サーミスタ51とサーミスタ52とは各伝熱経路K1,K2ごとにそれぞれ設けられているのに対し、サーミスタ53は各伝熱経路K1,K2に共通に設けられている。なお、各サーミスタ51,52がそれぞれ第1温度センサに相当し、サーミスタ53が第2温度センサに相当する。
続いて、伝熱経路K1について詳しく説明する。
図8(a)及び図8(b)に示すように、伝熱経路K1は、互いに接続された第1単電池33a及び第2単電池33bの各電極タブ35,36により構成される一対のタブ経路部K1a,K1bと、バスバー44d,46dを含んで構成されるバスバー経路部K1cと、制御基板12により構成される基板経路部K1dとを有する。
タブ経路部K1aは第1単電池33aの負極タブ36により構成され、電池本体34aに接続されている。タブ経路部K1bは第2単電池33bの正極タブ35により構成され、電池本体34bに接続されている。タブ経路部K1aには伝熱抵抗R13が存在しており、タブ経路部K1bには伝熱抵抗R14が存在している。
バスバー経路部K1cは、各タブ経路部K1a,K1bにそれぞれ接続されている。バスバー経路部K1cは、各タブ経路部K1a,K1bの接続部からサーミスタ51までの経路となっている。詳しくは、バスバー経路部K1cは、バスバー44d,46dにより構成される経路部K1eと、制御基板12においてバスバー46dとの接続部62からサーミスタ51までの離間部分により構成される経路部K1fとを有している(図8(b)参照)。経路部K1eには伝熱抵抗R11が存在し、経路部K1fには伝熱抵抗R12が存在している。この場合、伝熱抵抗R11と伝熱抵抗R12との和がバスバー経路部K1cの伝熱抵抗R15となる。
基板経路部K1dは、サーミスタ51からサーミスタ53までの経路となっている。基板経路部K1dには、伝熱抵抗R20が存在している。なお、伝熱経路K1の各部における伝熱抵抗をまとめると、図9に示すとおりである。
伝熱経路K2は、上記の伝熱経路K1と基本的に同じ構成を有している。すなわち、伝熱経路K2は、第3単電池33c及び第4単電池33dの各電極タブ35,36により構成される一対のタブ経路部K2a,K2bと、バスバー44e,46eを含んで構成されるバスバー経路部K2cと、制御基板12により構成される基板経路部K2dとを有している。タブ経路部K2aには伝熱抵抗R33が存在し、タブ経路部K2bには伝熱抵抗R34が存在している。
バスバー経路部K2cは、各タブ経路部K2a,K2bの接続部からサーミスタ52までの経路となっている。バスバー経路部K2cは、バスバー44e,46eにより構成される経路部K2eと、制御基板12においてバスバー46eとの接続部63からサーミスタ52までの離間部分により構成される経路部K2fとを有している。経路部K2eには伝熱抵抗R31が存在し、経路部K2fには伝熱抵抗R32が存在している。この場合、伝熱抵抗R31と伝熱抵抗R32との和がバスバー経路部K2cの伝熱抵抗R35となる。
基板経路部K2dは、サーミスタ52からサーミスタ53までの経路となっている。基板経路部K2dには、伝熱抵抗R40が存在している。
続いて、各単電池33の電池本体34で生じた熱が伝熱経路K1,K2を伝わる際の熱の流れについて説明する。まず、第1単電池33a及び第2単電池33bの各電池本体34a,34bで生じた熱が伝熱経路K1を伝わる場合の熱の流れについて説明する。
図8(b)に示すように、第1単電池33aの電池本体34aで生じた熱はタブ経路部K1aを伝ってバスバー経路部K1cへ移動し、第2単電池33bの電池本体34bで生じた熱はタブ経路部K1bを伝ってバスバー経路部K1cへ移動する。この場合、タブ経路部K1aにおける伝熱量(熱移動量)をQa、タブ経路部K1bにおける伝熱量をQbとすると、バスバー経路部K1cさらには基板経路部K1dにおける伝熱量はQa+Qbとなる。
このような伝熱量を想定した場合、タブ経路部K1aの両端における温度差はQa×R13で表され、タブ経路部K1bの両端における温度差はQb×R14で表される。また、バスバー経路部K1cの両端における温度差は(Qa+Qb)×R15で表される。そのため、第1単電池33aの電池本体34aの温度をT1、第2単電池33bの電池本体34bの温度をT2とした場合に、これら各温度T1,T2をそれぞれ以下の式1で表すことができる。なお、式1において、Taはサーミスタ51による検出温度である。
Figure 2016211851
また、サーミスタ53による検出温度をTbとした場合、各サーミスタ51,53の検出温度の差はTa−Tbで表すことができる。この検出温度の差Ta−Tbは、基板経路部K1dの両端における温度差に相当する。また、基板経路部K1dにおける伝熱量はQa+Qbとなっているため、この場合、Qa+Qbを以下の式2で表すことができる。
Figure 2016211851
この式2を上記式1に代入すると、下記の式3が導かれる。
Figure 2016211851
これにより、伝熱経路K1上の各伝熱抵抗R13,R14,R15,R20と、伝熱経路K1上の各サーミスタ51,53の検出温度Ta,Tbとがわかれば、それらに基づき各電池本体34a,34bの温度T1,T2を算出することが可能となる。
ここで、第1単電池33a及び第2単電池33bの各電池本体34a,34bで生じた熱の流れについてさらに説明を行うと、電池本体34aで生じた熱はタブ経路部K1aとバスバー経路部K1cと基板経路部K1dとを伝ってサーミスタ53まで流れる。この場合、電池本体34aの熱が伝達される伝熱経路Kaは、タブ経路部K1aとバスバー経路部K1cと基板経路部K1dとを有して構成されていることになる。この伝熱経路Kaにおいては、タブ経路部K1aとバスバー経路部K1cとにより第1経路部が構成され、基板経路部K1dにより第2経路部が構成される。したがって、タブ経路部K1a及びバスバー経路部K1cの各伝熱抵抗R13,R15がそれぞれ第1伝熱抵抗に存在し、基板経路部K1dの伝熱抵抗R20が第2伝熱抵抗に相当する。
一方、電池本体34bで生じた熱はタブ経路部K1bとバスバー経路部K1cと基板経路部K1dとを伝ってサーミスタ53まで流れる。この場合、電池本体34bの熱が伝達される伝熱経路は、タブ経路部K1bとバスバー経路部K1cと基板経路部K1dとを有して構成されていることになる。この伝熱経路Kbにおいては、タブ経路部K1bとバスバー経路部K1cとにより第1経路部が構成され、基板経路部K1dにより第2経路部が構成される。したがって、タブ経路部K1b及びバスバー経路部K1cの各伝熱抵抗R14,R15がそれぞれ第1伝熱抵抗に存在し、基板経路部K1dの伝熱抵抗R20が第2伝熱抵抗に相当する。
このように、各電池本体34a,34bごとに熱の流れを追った場合、伝熱経路K1には、各電池本体34a,34bにそれぞれ対応する2つの伝熱経路Ka,Kbが含まれていることがわかる。この場合、これらの伝熱経路Ka,Kbはそれぞれ、経路ごとに設けられたタブ経路部K1a,K1bと、経路共通に設けられたバスバー経路部K1c及び基板経路部K1dを有して構成されている。
ちなみに、上記式3(上記式1)の上式は、伝熱経路Kaに対応する式であり、当該上式の第2項が伝熱経路Kaを構成するバスバー経路部K1cの経路両端における温度差に相当し、第3項が同じく伝熱経路Kaを構成するタブ経路部K1aの経路両端における温度差に相当する。また、上記式3(上記式1)の下式は、伝熱経路Kbに対応する式であり、当該下式の第2項が伝熱経路Kbを構成するバスバー経路部K1cの経路両端における温度差に相当し、第3項が同じく伝熱経路Kbを構成するタブ経路部K1bの経路両端における温度差に相当する。
なお、この場合、伝熱経路Kaが第2伝熱経路に相当し、伝熱経路Kbが第1伝熱経路に相当する。
続いて、第3単電池33c及び第4単電池33dの各電池本体34c,34dで生じた熱が伝熱経路K2を伝わる場合の熱の流れについて説明する。伝熱経路K2は、上述したように、伝熱経路K1と同様の構成を有しているため、伝熱経路K2における熱の流れは、基本的に伝熱経路K1における熱の流れと同様である。そのため、ここでは、簡単な説明だけ行うこととする。
電池本体34cで生じた熱はタブ経路部K2aとバスバー経路部K2cと基板経路部K2dとを伝ってサーミスタ53まで流れる。そのため、電池本体34cの熱が伝達される伝熱経路Kcは、タブ経路部K2aとバスバー経路部K2cと基板経路部K2dとを有して構成されている。また、電池本体34dで生じた熱はタブ経路部K2bとバスバー経路部K2cと基板経路部K2dとを伝ってサーミスタ53まで流れる。そのため、電池本体34dの熱が伝達される伝熱経路Kdは、タブ経路部K2bとバスバー経路部K2cと基板経路部K2dとを有して構成されている。したがって、伝熱経路K2には、各電池本体34c,34dにそれぞれ対応した各伝熱経路Kc,Kdが含まれている。なお、伝熱経路K2においては、伝熱経路Kcが第2伝熱経路に相当し、伝熱経路Kdが第1伝熱経路に相当する。
次に、上述した熱回路網モデルを用いて、各電池本体34a〜34dの温度を推定する電池温度推定処理について説明する。電池温度推定処理は、制御部60により実施されるものとなっている。図10は、その電池温度推定処理の内容を示す機能ブロック図である。なお、図10中の各機能ブロックは制御部60により実現されるものとなっている。
また、かかる電池温度推定処理は、各伝熱経路K1,K2ごとに個別に実施されるものとなっている。すなわち、伝熱経路K1に接続された各電池本体34a,34bの温度を推定する温度推定処理と、伝熱経路K2に接続された各電池本体34c,34dの温度を推定する温度推定処理とがそれぞれ個別に実施されるものとなっている。これら各温度推定処理はいずれも同様の処理であるため、以下においては特に、各電池本体34a,34bの温度を推定する温度推定処理について説明する。
図10に示すように、第1温度差算出部71では、サーミスタ51による検出温度Taからサーミスタ53による検出温度Tbを引くことで、これら各検出温度Ta,Tbの差ΔT(=Ta−Tb)を算出する。なお、この温度差ΔTが「センサ間温度差」に相当する。
第2温度差算出部72は、第1温度差算出部71により算出された温度差ΔTに基づいて、電池本体34aの温度T1とサーミスタ51の検出温度Taとの差(温度差)をy1として算出する。この温度差y1は以下の式4で表される。
Figure 2016211851
温度差y1は、上記式3(詳しくはT1に関する式)の第2項と第3項との和に相当する。また、式4中の各伝熱抵抗R13,R15,R20はいずれも適合値とされ、またQa×R13についても適合値とされている。なお、この場合、温度差y1が「推定温度差」に相当し、第2温度差算出部72が温度差算出手段及び第2温度差算出手段に相当する。
加算部73は、第2温度差算出部72で算出された温度差y1(T1−Ta)と、サーミスタ51による検出温度Taとを加算する。これにより、電池本体34aの温度T1が算出(推定)される(上記式3も参照)。なお、加算部73が電池温度算出手段に相当する。
第3温度差算出部74は、第1温度差算出部71により算出された温度差ΔTに基づいて、電池本体34bの温度T2とサーミスタ51の検出温度Taとの差(温度差)をy2として算出する。この温度差y2は以下の式5で表される。
Figure 2016211851
温度差y2は、上記式3(詳しくはT2に関する式)の第2項と第3項との和に相当する。また、式5中の伝熱抵抗R14,R15,R20はいずれも適合値とされ、またQb×R14についても適合値とされている。ちなみに、Qb×R14を式4中のQa×R13と比較すると、Qb×R14はQa×R13よりも大きな値として設定されている。これは、電池本体34aと電池本体34bとで熱の発生量を比べた場合、内側に位置する電池本体34bの方が熱の発生量が多くなると想定されるからである。なお、この場合、温度差y2が「推定温度差」に相当し、第3温度差算出部74が温度差算出手段及び第1温度差算出手段に相当する。
加算部75は、第3温度差算出部74で算出された温度差y2(T2−Ta)と、サーミスタ51による検出温度Taとを加算する。これにより、電池本体34bの温度T2が算出(推定)される(上記式3も参照)。なお、加算部75が電池温度算出手段に相当する。
このように、上記の温度推定処理では、各電池本体34a,34bの伝熱経路Ka,Kbごとにそれぞれ電池本体34a,34bの温度T1,T2を算出するようにしている。すなわち、各伝熱経路Ka,Kbごとにそれぞれ各温度差算出部72,74により推定温度差(T1―Ta),(T2−Ta)を算出し、その算出した推定温度差に基づいて各加算部73,75により各電池本体34a,34bの温度T1,T2を算出するようにしている。
また、各電池本体34c,34dの温度T3,T4を推定する温度推定処理についても簡単に説明すると、当該処理に関しても、上記温度推定処理と同様、各電池本体34c,34dの伝熱経路Kc,Kdごとに電池本体34c,34dの温度T3,T4を算出するようにしている。つまり、各伝熱経路Kc,Kdごとにそれぞれ温度差算出部(温度差算出手段に相当)により推定温度差を算出し、その算出した推定温度差を加算部によりサーミスタ52の検出温度に加算して各電池本体34c,34dの温度T3,T4を算出するようにしている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
電池本体34で生じた熱の伝熱量を想定して構築された熱回路網モデルを用い、各電池本体34の温度を推定するようにした。具体的には、サーミスタ51,52及びサーミスタ53の検出温度差と、電池本体34及びサーミスタ51,52の間の伝熱抵抗R13,R14,R15と、サーミスタ間の伝熱抵抗R20とに基づいて、電池本体34及びサーミスタ51,52の間の温度差を算出した。そして、電池本体34及びサーミスタ51,52の間の温度差をサーミスタ51,52の検出温度に加算することで、電池本体34の温度T1,T2を算出した。これにより、電池本体34にサーミスタを直付けしなくても、電池本体34の温度を取得することが可能となる。
電池本体34(単電池33)と制御基板12とがバスバー44,46により接続されている構成において、サーミスタ51によりバスバー46と制御基板12との接続部の温度を検出し、サーミスタ53により制御基板12において当該接続部から離間した部位の温度を検出するようにした。また、伝熱経路Ka,Kbにおいて電池本体34a,34b及びサーミスタ51の間にはバスバー44,46(経路部K1e)における伝熱抵抗R11を設定し、各サーミスタ51,53の間には制御基板12(基板経路部K1d)における伝熱抵抗R20を設定した。この場合、それらバスバー44,46及び制御基板12の各伝熱抵抗R11,R20に基づいて推定温度差(T1−Ta),(T2−Ta)が算出される。そのため、バスバー44,46及び制御基板12のそれぞれに応じた伝熱抵抗を設定することで推定温度差(T1−Ta),(T2−Ta)の算出精度を向上させることができ、ひいては電池温度T1,T2の算出精度を向上させることができる。
各サーミスタ51,53をそれぞれ制御基板12に設けたため、各サーミスタ51,53を伝熱経路Ka,Kbに取り付けるにあたって別途取付部材を設ける必要がない。そして、このような構成にあって、伝熱経路Ka,Kbにおいて電池本体34a,34b及びサーミスタ51の間に、バスバー44,46(経路部K1e)における伝熱抵抗R11と、制御基板12においてバスバー46の接続部62からサーミスタ51までの離間部分の伝熱抵抗R12とをそれぞれ伝熱抵抗として設定し、これら各伝熱抵抗R11,R12に基づいて推定温度差(T1−Ta),(T2−Ta)の算出を行った。この場合、それらの伝熱抵抗R11,R12を加味することで推定温度差の算出精度をより向上させることができ、ひいては電池温度の算出精度をより向上させることができる。
互いに異なる電池本体34a(34c)にそれぞれバスバー44d,46d(44e,46e)が接続されている構成では、それらバスバーごとに伝熱経路Ka(Kc)が形成される。そこで、それら各伝熱経路Ka(Kc)において、経路ごとにサーミスタ51,52を設けるとともに経路共通にサーミスタ53を設けた。この場合、サーミスタの個数増大を抑制しながら、各電池本体34a,34cの温度を算出することができる。
直列接続で隣り合う各電池本体34a,34bの電極タブ35,36同士の接続部分にバスバー44,46が接続されている構成にあって、電池本体34aの熱が伝達される伝熱経路Kaがバスバー44,46と負極タブ36とを含んで構成され、電池本体34bの熱が伝達される伝熱経路Kbがバスバー44,46と正極タブ35とを含んで構成されている。そして、かかる構成にあって、第2温度差算出部72により、負極タブ36(タブ経路部K1a)における伝熱抵抗R13に基づき伝熱経路Ka側の推定温度差(T1−Ta)を算出し、第3温度差算出部74により、正極タブ35(タブ経路部K1b)における伝熱抵抗R14に基づき伝熱経路Kb側の推定温度差(T2−Ta)を算出するようにした。そして、各加算部73,75により、それら算出した推定温度差をサーミスタ51の検出温度Taに加算することで各電池本体34a,34bの温度T1,T2を算出するようにした。この場合、各電極タブ35,36の伝熱抵抗R13,R14を加味した精度の高い推定温度差の算出を行うことができるため、各電池本体34a,34bの温度T1,T2を精度よく算出することができる。
また、各伝熱経路Ka,Kbの共通経路(バスバー経路部K1c及び基板経路部K1dからなる経路)に各サーミスタ51,53をそれぞれ設けたため、各電池本体34a,34bの温度T1,T2を算出するにあたって、これらのサーミスタ51,53を共通に使用することができる。そのため、サーミスタの個数増大を抑えながら、各電池本体34a,34bの温度T1,T2を算出することが可能となる。
板状の電池本体34(単電池33)が複数積層されてなる電池集合体31では、その構造上、電池本体34にサーミスタを直付けするのがとりわけ困難である。その点、上記の実施形態では、かかる電池本体34に電池温度推定装置を適用しているため、サーミスタを電池本体34に直付けしなくても電池温度を取得できるという効果を大きな効果として得ることができる。
電池集合体31を構成する各電池本体34a〜34dごとの伝熱経路Ka〜Kdが構築された熱回路網モデルを用いて、各電池本体34a〜34dそれぞれの温度T1〜T4を算出するようにした。これにより、電池集合体31を構成するすべての電池本体34a〜34dの温度T1〜T4を取得することができる。
上記実施形態を例えば次のように変更してもよい。
(1)上記実施形態では、伝熱経路Ka,Kbにおける電池本体34a,34b及びサーミスタ51の間(第1経路部に相当)に、第1伝熱抵抗として、タブ経路部K1a,K1bの伝熱抵抗R13,R14と、経路部K1eの伝熱抵抗R11と、経路部K1fの伝熱抵抗R12とをそれぞれ設定したが、これら各伝熱抵抗R13(R14),R11,R12のうち、例えば経路部K1fの伝熱抵抗R12を省略した熱回路モデルを構築してもよい。制御基板12においてバスバー46dとの接続部62からサーミスタ51までの距離が近いことを前提とすると、このような省略も可能となる。また、経路部K1fの伝熱抵抗R12を省略することに代えて又は加えて、タブ経路部K1a,K1bの伝熱抵抗R13(R14)を省略した熱回路モデルを構築してもよい。これらの熱回路モデルを用いても、設定された伝熱抵抗(第1伝熱抵抗)に基づき推定温度差を算出することができる。
(2)上記実施形態では、第1温度センサとしてのサーミスタ51,52によりバスバー46d,46eと制御基板12との接続部の温度を検出すべく、サーミスタ51,52を制御基板12においてバスバー46d,46eの近傍に配置したが、これを変更して、サーミスタ51,52を制御基板12においてバスバー46d,46eから離れた位置に配置してもよい。この場合、サーミスタ51,52により制御基板12の温度を検出することになる。
また、サーミスタ51,52は必ずしも制御基板12上に設ける必要はなく、例えばバスバー46d,46e上に設けてもよい。
(3)上記実施形態では、第2温度センサとしてのサーミスタ53を制御基板12上に設けたが、サーミスタ53は必ずしも制御基板12上に設ける必要はない。例えば、サーミスタ53を電池ユニット10(収容ケース13)内において制御基板12から上方に(換言すると、制御基板12を挟んで電池集合体31とは反対側に)離して設け、サーミスタ53により収容ケース13内の雰囲気温度を検出することが考えられる。この場合、伝熱経路Kaにおいてサーミスタ51からサーミスタ53までの第2経路部が空気により構成される。そのため、第2経路部の第2伝熱抵抗としては、空気における伝熱抵抗が設定されることになる。
(4)上記実施形態では、伝熱経路K1(伝熱経路Ka,Kb)と伝熱経路K2(伝熱経路Kc,Kd)とにそれぞれサーミスタ51,52(第1温度センサ)を設けたが、これを変更して、各伝熱経路K1,K2に共通に、すなわち各伝熱経路Ka〜Kdに共通に第1温度センサを設けてもよい。そうすれば、第1温度センサの個数を減らすことができる。
また、上記実施形態では、サーミスタ53(第2温度センサ)を伝熱経路K1(伝熱経路Ka,Kb)と伝熱経路K2(伝熱経路Kc,Kd)とに共通に設けたが、サーミスタ(第2温度センサ)を各伝熱経路K1,K2にそれぞれ設けるようにしてもよい。
(5)上記実施形態では、電池集合体31を構成する各電池本体34a〜34dごとの伝熱経路Ka〜Kdが構築された熱回路網モデルを用いて、各電池本体34a〜34dそれぞれの温度T1〜T4を算出したが、これを変更して、各電池本体34a〜34dのうち少なくともいずれかの電池本体34の伝熱経路が構築された熱回路モデルを用いて、その電池本体34の温度だけを検出するようにしてもよい。
(6)上記実施形態では、各電池本体34a,34bごとに伝熱経路Ka,Kbが構築された熱回路網モデルを用いて、各電池本体34a,34bの温度T1,T2をそれぞれ算出するようにしたが、これを変更してもよい。例えば、2つの電池本体34a,34bで生じた熱が伝達される一の伝熱経路(詳しくは分岐した経路部分を有しない一の伝熱経路)が構築された熱回路モデルを作成し、その熱回路モデルを用いて各電池本体34a,34b全体としての温度を算出してもよい。
この場合、伝熱経路は、タブ経路部と、バスバー経路部K1cと、基板経路部K1dとを有して構成され、タブ経路部は各電池本体34a,34bの電極タブ35,36を含んで構成される。そして、タブ経路部の伝熱抵抗RTは、正極タブ35の伝熱抵抗R14と負極タブ36の伝熱抵抗R13との合成抵抗(RT=R13・R14/(R13+R14))として設定される。
かかる構成では、タブ経路部の伝熱抵抗RTと及びバスバー経路部K1cの伝熱抵抗R15(これらは第1伝熱抵抗に相当)と、基板経路部K1dの伝熱抵抗R20(第2伝熱抵抗に相当)とに基づいて、電池本体34a,34b全体としての温度が算出される。したがって、算出された温度を例えば各電池本体34a,34bそれぞれの温度として取得することができる。
(7)上記実施形態では、電池本体34にて生じた熱が伝達される場合に、同一の伝熱経路によりサーミスタ51,52(第1温度センサ)とサーミスタ53(第2温度センサ)とにそれぞれ熱が伝わることを想定したが、これを変更してもよく、各サーミスタ(第1温度センサ、第2温度センサ)への伝熱経路自体はそれぞれ異なっていてもよい。
例えば、図11に示すように、電池本体34には2系統の伝熱経路K11,K12が想定されており、一方の伝熱経路K11には、経路長をL1とする位置に第1温度センサS1が設けられ、他方の伝熱経路K12には、経路長をL2(>L1)とする位置に第2温度センサS2が設けられている。そして、伝熱経路K11には、電池本体34及び第1温度センサS1の間となる第1経路部に第1伝熱抵抗R51が存在し、伝熱経路K12には、第1温度センサS1及び第2温度センサS2の間となる第2経路部に第2伝熱抵抗R52が存在している。なお、ここでの伝熱経路K12には第1伝熱抵抗R51が存在しないが、伝熱経路K12において伝熱経路K11と同等の位置に仮想的に第1伝熱抵抗R51が存在しているとして、熱回路網モデルが構築されている。
かかる場合、制御部60は、上記同様、第1温度センサS1及び第2温度センサS2の検出温度の差であるセンサ間温度差と、第1伝熱抵抗R51及び第2伝熱抵抗R52とに基づいて、電池本体34及び第1温度センサS1の温度の差である推定温度差を算出するとともに、第1温度センサS1の検出温度に、推定温度差を加算して、電池本体34の温度を算出する。
(8)上記実施形態の熱回路網モデルに、例えば以下のような変更を加えてもよい。
上述の電池ユニット10では、上下に隣り合う単電池33(電池本体34)間で熱の伝わり(授受)があることが想定される。そこで、この点を考慮した熱回路モデルを作成してもよい。例えば、隣り合う電池本体34間にそれぞれ伝熱抵抗を設定した熱回路モデルを作成することが考えられる。
また、上述の電池ユニット10では、バスバー44d,44e(46d,46e)だけでなく、それ以外のバスバー44a〜44c(46a〜46c)も制御基板12に接続されている。そのため、電池本体34で生じた熱はバスバー44d,44e(46d,46e)を介して制御基板12に伝達されるだけでなく、これらのバスバー44a〜44c(46a〜46c)を介して制御基板12に伝達される。そこで、この点を考慮した熱回路モデルを作成してもよい。
(9)上記実施形態では、温度センサとしてサーミスタ51,52を用いたが、感温ダイオード等、その他の温度センサを用いてもよい。
(10)上記実施形態では、ラミネート型の複数の単電池33(電池本体34)を有する電池集合体31(組電池に相当)に本発明を適用したが、これに代えて、缶型の複数の単電池を有する組電池に本発明を適用してもよい。また、本発明は、必ずしも組電池に適用する必要はなく、例えば単品の蓄電池に適用してもよい。
また、上記実施形態では、単電池33(蓄電池)としてリチウムイオン蓄電池を用いたが、ニカド蓄電池やニッケル水素蓄電池など、他の蓄電池を用いてもよい。
10…電池ユニット、11…組電池モジュール、12…制御基板、13…収容ケース、31…電池集合体、33…単電池、44…バスバー、46…バスバー、51…サーミスタ、52…サーミスタ、53…サーミスタ。

Claims (6)

  1. 電池(34)にて生じた熱が伝達される伝熱経路上であって前記電池からの伝熱の経路長が小さい位置及び大きい位置にそれぞれ第1温度センサ(51,52)と第2温度センサ(53)とが設けられる電池ユニット(10)に適用され、前記電池の温度を推定する電池温度推定装置(60)であって、
    前記伝熱経路には、前記電池及び前記第1温度センサの間となる第1経路部に第1伝熱抵抗(R13,R14,R15,R33,R34,R35)が存在し、前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの間となる第2経路部に第2伝熱抵抗(R20,R40)が存在し、その伝熱経路において、前記電池にて生じた熱が前記各伝熱抵抗を介して前記第1温度センサ及び前記第2温度センサに伝わることを想定し、
    前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの検出温度の差であるセンサ間温度差と、前記第1伝熱抵抗及び前記第2伝熱抵抗とに基づいて、前記電池及び前記第1温度センサの温度の差である推定温度差を算出する温度差算出手段と、
    前記第1温度センサの検出温度に、前記温度差算出手段により算出した前記推定温度差を加算して、前記電池の温度を算出する電池温度算出手段と、
    を備えることを特徴とする電池温度推定装置。
  2. 前記電池ユニットは、制御基板(12)を備え、前記電池と前記制御基板とが導電部材(44,46)により電気的に接続されており、
    前記第1温度センサは、前記導電部材と前記制御基板とが接続される接続部の温度を検出し、
    前記第2温度センサは、前記制御基板において前記接続部から離間した部位の温度を検出し、
    前記第1経路部は、前記導電部材を含んで構成され、
    前記第2経路部は、前記制御基板を含んで構成され、
    前記第1経路部には、前記第1伝熱抵抗として、前記導電部材における伝熱抵抗(R11)が含まれており、
    前記第2経路部には、前記第2伝熱抵抗として、前記制御基板における伝熱抵抗(R20)が含まれており、
    前記温度差算出手段は、前記導電部材における伝熱抵抗と、前記制御基板における伝熱抵抗とに基づいて、前記推定温度差を算出することを特徴とする請求項1に記載の電池温度推定装置。
  3. 前記第1温度センサ及び前記第2温度センサは、前記制御基板において互いに離間した位置にそれぞれ設けられており、
    前記第1経路部には、前記第1伝熱抵抗として、前記導電部材における伝熱抵抗と、前記制御基板において前記導電部材の接続部から前記第1温度センサまでの離間部分の伝熱抵抗(R12)とが含まれており、
    前記温度差算出手段は、前記第1経路部の前記各伝熱抵抗に基づいて前記推定温度差を算出することを特徴とする請求項2に記載の電池温度推定装置。
  4. 前記電池を複数有するとともに、互いに異なる前記電池にそれぞれ導電部材(44,46)が接続されており、
    前記各導電部材ごとに前記伝熱経路が形成され、それら各伝熱経路には、経路ごとに前記第1温度センサが設けられるとともに、経路共通に第2温度センサが設けられており、
    前記温度差算出手段は、前記複数の伝熱経路の各々において前記推定温度差を算出し、
    前記電池温度算出手段は、前記複数の伝熱経路の各々において、前記第1温度センサの検出温度に前記推定温度差を加算して前記電池の温度を算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電池温度推定装置。
  5. 互いに直列接続された複数の前記電池を有し、
    前記複数の電池にはそれぞれ正側電極(35)及び負側電極(36)が設けられ、直列接続で隣り合う各電池のうち一方の電池の正側電極と他方の電池の負側電極とが接続され、その接続部に導電部材(44,46)が接続されており、
    前記伝熱経路として、前記一方の電池の熱が伝達される第1伝熱経路と、前記他方の電池の熱が伝達される第2伝熱経路とが存在し、
    前記第1伝熱経路では、前記第1経路部が前記正側電極と前記導電部材とを含んで構成され、
    前記第2伝熱経路では、前記第1経路部が前記負側電極と前記導電部材とを含んで構成され、
    前記第1伝熱経路の第1経路部には、前記第1伝熱抵抗として、前記正側電極における伝熱抵抗(R13)と、前記導電部材における伝熱抵抗(R11)とが含まれており、
    前記第2伝熱経路の第1経路部には、前記第1伝熱抵抗として、前記負側電極における伝熱抵抗(R14)と、前記導電部材における伝熱抵抗(R11)とが含まれており、
    前記温度差算出手段として、前記第1伝熱経路における前記推定温度差を算出する第1温度差算出手段と、前記第2伝熱経路における前記推定温度差を算出する第2温度差算出手段とを有し、
    前記第1温度差算出手段は、前記正側電極における伝熱抵抗に基づいて前記第1伝熱経路の前記推定温度差を算出し、
    前記第2温度差算出手段は、前記負側電極における伝熱抵抗に基づいて前記第2伝熱経路の前記推定温度差を算出し、
    前記電池温度算出手段は、前記第1伝熱経路及び第2伝熱経路の各々において、前記第1温度センサの検出温度に前記推定温度差を加算して前記各電池の温度を算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電池温度推定装置。
  6. 前記電池は板状をなすとともに複数積層されて組電池(31)を構成していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電池温度推定装置。
JP2015092164A 2015-04-28 2015-04-28 電池温度推定装置 Active JP6569286B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015092164A JP6569286B2 (ja) 2015-04-28 2015-04-28 電池温度推定装置
DE102016107780.1A DE102016107780B4 (de) 2015-04-28 2016-04-27 Vorrichtung zur Berechnung einer Temperatur einer elektrischen Batterie

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015092164A JP6569286B2 (ja) 2015-04-28 2015-04-28 電池温度推定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016211851A true JP2016211851A (ja) 2016-12-15
JP6569286B2 JP6569286B2 (ja) 2019-09-04

Family

ID=57135990

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015092164A Active JP6569286B2 (ja) 2015-04-28 2015-04-28 電池温度推定装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6569286B2 (ja)
DE (1) DE102016107780B4 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110495046A (zh) * 2017-11-07 2019-11-22 株式会社Lg化学 用于估计电池的温度的装置和方法
WO2022107567A1 (ja) * 2020-11-17 2022-05-27 株式会社オートネットワーク技術研究所 配線モジュール

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102017103194A1 (de) 2017-02-16 2018-08-16 Metabowerke Gmbh Akkupack
DE102020203959A1 (de) 2020-03-26 2021-09-30 Viessmann Werke Gmbh & Co Kg Temperaturmessanordnung und Verfahren zur Messung der Temperatur von einer oder mehreren Zellen

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005265825A (ja) * 2004-02-20 2005-09-29 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk バッテリ温度検出装置及び車載電源分配装置
JP2014163679A (ja) * 2013-02-21 2014-09-08 Daikin Ind Ltd 温度推定装置および半導体装置
JP2015002140A (ja) * 2013-06-18 2015-01-05 株式会社デンソー 電池ユニット

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3832332B2 (ja) 2001-12-20 2006-10-11 日産自動車株式会社 電池温度検出装置
JP5874560B2 (ja) 2012-07-25 2016-03-02 株式会社デンソー 電池温度算出装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005265825A (ja) * 2004-02-20 2005-09-29 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk バッテリ温度検出装置及び車載電源分配装置
JP2014163679A (ja) * 2013-02-21 2014-09-08 Daikin Ind Ltd 温度推定装置および半導体装置
JP2015002140A (ja) * 2013-06-18 2015-01-05 株式会社デンソー 電池ユニット

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110495046A (zh) * 2017-11-07 2019-11-22 株式会社Lg化学 用于估计电池的温度的装置和方法
US11552343B2 (en) 2017-11-07 2023-01-10 Lg Energy Solution, Ltd. Apparatus and method for estimating temperature of battery
WO2022107567A1 (ja) * 2020-11-17 2022-05-27 株式会社オートネットワーク技術研究所 配線モジュール

Also Published As

Publication number Publication date
DE102016107780A1 (de) 2016-11-03
DE102016107780B4 (de) 2022-02-03
JP6569286B2 (ja) 2019-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6569286B2 (ja) 電池温度推定装置
JP6600701B2 (ja) 改善した締結構造を有するバッテリーモジュール
US10847776B2 (en) Conductive module and battery pack
JP4967421B2 (ja) 電流測定装置
US9178203B2 (en) Battery module with a flexible bus
JP6025964B2 (ja) 電池パック
JP4203261B2 (ja) 二次電池モジュール
JP5774232B2 (ja) 新規構造のスイッチングボード及びそれを含んでいる電池モジュール
KR102582363B1 (ko) 배터리 모듈
JP2012243535A (ja) 電池パック
US10581125B2 (en) Battery system having a metallic end plate with thermally conductive adhesive portions thereon
KR102321513B1 (ko) 버스바 플레이트를 포함하는 배터리 모듈
JP2017502470A (ja) 信号収集電源接続アセンブリ、パワーバッテリモジュール、および車両
KR101502901B1 (ko) 전지 팩
US9040186B2 (en) Method and device to measure temperature of a prismatic cell of automotive battery
KR102658613B1 (ko) 상호연결 장치
JP2010015903A (ja) 二次電池装置
JP2016212948A (ja) 電池ユニット
CN112868129A (zh) 电池模组
JP2008159328A (ja) 電池モジュール
KR20190097098A (ko) 열전대 유닛을 갖는 배터리 모듈
JP2015138648A (ja) 電池モジュール
JP2019186038A (ja) 組電池
JP5987639B2 (ja) 電流計測装置
JP2015220206A (ja) 蓄電装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170728

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180703

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190709

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190722

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6569286

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250