JP2016211419A - 車両用エンジンの吸気系温水加熱装置 - Google Patents

車両用エンジンの吸気系温水加熱装置 Download PDF

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衛 吉岡
実 秋田
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実 秋田
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努 国吉
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Abstract

【課題】吸気系の付属機器を、エンジンを冷却することで暖められる温水により、吸気温度や温水温度に左右されることなく外気温度の低温化に合わせて応答性よく加熱し、外気温度が高温化して加熱が不必要なときに加熱を確実に停止すること。
【解決手段】車両1前部のエンコパ2には、前側にラジエータ3が配置され、ラジエータ3の後方には、エンジン5と吸気系11,12,13,14が配置される。吸気系11〜14には、スロットル装置12が設けられる。スロットル装置12を加熱するために、エンジン5を冷却することで暖められた温水が温水通路16を介してスロットル装置12へ循環させる。温水通路16には温水制御弁17が設けられる。エンコパ2には、車両1前側からラジエータ3を介して走行風TWが流れ込む。温水制御弁17には、走行風TWの温度に応じて温水制御弁17の開閉を制御する膨縮部材18が設けられる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車両のエンジンコンパートメント(エンコパ)の中にエンジンとラジエータと吸気系を配置した車両用エンジンに係り、吸気系に関連して設けられる各種付属機器を、エンジンを冷却することで暖められた冷却水(温水)を流すことにより加熱するように構成した車両用エンジンの吸気系温水加熱装置に関する。
一般に、エンジンでは、外気がそのまま吸気通路を通じて燃焼室に取り込まれるようになっている。また、吸気通路には、吸気通路に関連してスロットル弁や過給機のコンプレッサ前ミキサー等の付属機器が設けられている。そのため、寒冷地では、冷たい外気がそのまま吸気通路に取り込まれ、吸気通路に設けられた各種付属機器で凍結が起きるおそれがあった。そこで、従来の付属機器では、エンジンを冷却することで暖められた冷却水(温水)を付属機器に循環させることにより、付属機器を加熱し、その凍結を回避するように構成されている。
例えば、下記の特許文献1に記載された装置では、エンジンを冷却することで暖められた冷却水(温水)を温水循環路を通じてスロットル弁の本体に循環させ、スロットル弁を加熱してその凍結を回避するようになっている。この装置では、温水循環路に設けられた開閉弁が、吸気通路における吸気温度に応じて開閉制御される。すなわち、この装置では、吸気温度が設定値及びそれ以下のときには開閉弁を開き、吸気温度が設定値以上のときは開閉弁を閉じるようになっている。
また、下記の特許文献2に記載された装置は、同じく冷却水(温水)を循環させてスロットル弁を加熱するように構成され、その温水の流れが、温水の温度に感応して開閉する制御弁により制御されるようになっている。
一方、車両に設けられる装置として、エンジンに導入される吸気の温度を制御する吸気温度制御装置が知られている。例えば、下記の特許文献3に記載される装置は、暖気(ホットエア)と外気(クールエア)の各取入口を開閉するホットエアバルブと、ホットエアバルブの開閉量を制御して、暖気、外気もしくはその両方からなる吸気の温度を一定の範囲に保つサーモスタットとを有する。暖気の取入口には、排気マニホールドの周りで暖められた空気が導入される。外気の取入口には、外気が導入される。ここで、サーモスタットは、各取入口より下流の吸気通路の中に配置される。そのため、サーモスタットは、吸気通路における吸気温度に感応して作動し、ホットエアバルブの開度が制御される。すなわち、ホットエアバルブの開度が吸気温度に応じて制御され、これにより、エンジンに導入される吸気の温度が制御される。ここで、特許文献1に記載される装置と特許文献3に記載される装置とを併用することが考えられる。
実開昭58−53845号公報 特開昭59−206682号公報 特開2000−234568号公報
ところが、特許文献2に記載の装置では、温水温度に感応して制御弁が開閉されるので、冷間時におけるエンジン暖機完了後、車両を停止させてエンジンをアイドル運転させた場合に、冷えた外気によって吸気通路が温水より先に冷えることがある。その結果、吸気通路が冷え、スロットル弁を加熱する必要があるにもかかわらず、温水温度が依然高いことから、制御弁が閉じたままとなってスロットル弁に温水を流せないことがある。すなわち、スロットル弁を外気温度の低温化に追従させて加熱することができなくなる。一方、この装置では、温水温度が所定値になるまでは制御弁が開き続け、スロットル弁に温水が循環してスロットル弁が加熱される。そのため、例えば、車両の渋滞走行時等には、吸気温度がある程度高くてもスロットル弁が温水で加熱されることがあり、スロットル弁を通過する吸気が更に暖められることがある。この結果、エンジンの燃焼室に取り込まれる吸気の温度が必要以上に高くなり、燃焼室での燃料の燃焼効率が悪化するおそれがある。この点、スロットル弁に対する温水の循環は、冷間時には確実に許容し、非冷間時には確実に遮断できることが望まれる。すなわち、スロットル弁等の付属機器を、外気温度の低温化に合わせて応答性よく加熱し、不必要なときには加熱を停止することが望まれる。
また、特許文献1に記載の装置と特許文献3に記載の装置を併用した場合、吸気温度が設定値以上になると、スロットル弁の加熱を停止するために開閉弁が閉じられる。そのため、エンジン暖機時にホットエアバルブが制御されて吸気通路に暖気が導入されると、開閉弁が閉じてしまう。この結果、スロットル弁に温水が流れなくなり、スロットル弁を加熱が必要なときに十分に加熱できなくなるおそれがある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、吸気系に設けられる付属機器を、エンジンを冷却することで暖められる温水により、吸気温度や温水温度に左右されることなく外気温度の低温化に合わせて応答性よく加熱し、外気温度が高温化して加熱が不必要なときに加熱を確実に停止することを可能とした車両用エンジンの吸気系温水加熱装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車両の前部に配置されたエンジンコンパートメントの中において、その前側にラジエータが配置され、ラジエータの後方にエンジンと吸気系が配置された車両用エンジンの吸気系温水加熱装置であって、吸気系は、エンジンに空気を導入するための吸気通路と、吸気通路に関連して設けられた付属機器とを含むことと、付属機器を加熱するために、エンジンを冷却することで暖められた温水を付属機器へ循環させる温水通路と、温水通路における温水の流れを制御するための温水制御弁と、エンジンコンパートメントには、車両の前側からラジエータを介して走行風が流れ込むように構成されることと、走行風の温度に応じて温水制御弁の開閉を制御するための弁制御手段とを備えたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、車両の前部に配置されたエンジンコンパートメント(以下「エンコパ」という。)の中には、その前側にラジエータが配置され、ラジエータの後方にエンジンと吸気系を構成する吸気通路や付属機器が配置される。ここで、付属機器を加熱するために、エンジンを冷却することで暖められた温水が温水通路を通じて付属機器へ循環される。そして、温水制御弁の開閉が走行風の温度に応じて弁制御手段により制御されることにより、温水通路における温水の流れが制御される。従って、温水制御弁の開閉は、吸気温度や温水温度の変化にかかわらず、外気温度に近い走行風の温度に応じて制御されることになる。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、温水制御弁は、エンジンコンパートメントの外においてラジエータの前方に設けられ、少なくとも弁制御手段が設けられる部位に走行風が当たるように配置されたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、温水制御弁がエンコパの外においてラジエータの前方に設けられ、少なくとも弁制御手段が設けられる部位に走行風が当たるように配置されるので、車両の走行時には、車両の前側に当たる走行風が少なくとも弁制御手段が設けられる部位に直接的に当たり、温水制御弁の開閉が、走行風の温度に応じて制御される。また、車両の停止時には、温水制御弁の開閉が、外気の温度に応じて制御される。すなわち、温水制御弁の開閉は、外気温度の変化に合わせて制御されることになる。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、温水制御弁は、エンジンコンパートメントの中においてラジエータの後側近傍に設けられ、少なくとも弁制御手段が設けられる部位に走行風が当たるように配置されたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、温水制御弁がエンコパの中においてラジエータの後側近傍に設けられ、少なくとも弁制御手段が設けられる部位に走行風が当たるように配置されるので、車両の走行時には、ラジエータを通り抜けた走行風が少なくとも弁制御手段が設けられる部位に当たり、温水制御弁の開閉が、走行風の温度に応じて制御される。また、車両の停止時には、温水制御弁の開閉が、走行風の温度の影響を受けたエンコパの中の温度に応じて制御される。すなわち、温水制御弁の開閉は、ほぼ外気温度の変化に合わせて制御されることになる。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、温水制御弁は、エンジンコンパートメントの中において付属機器に設けられ、少なくとも弁制御手段が設けられる部位に走行風が当たるように配置されたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、温水制御弁が付属機器に設けられるので、温水制御弁を別途取り付ける必要がない。また、温水制御弁がエンジンコンパートメントの中において付属機器に設けられても、少なくとも弁制御手段が設けられる部位に走行風が当たるように配置されるので、温水制御弁の開閉が、付属機器の温度の変化にかかわらず、走行風の温度又は走行風の温度の影響を受けたエンコパの中の温度に応じて制御される。すなわち、温水制御弁の開閉は、ほぼ外気温度の変化に合わせて制御されることになる。ラジエータ通過風は、ラジエータ温度と、外気温/車速の影響を受ける。ここで、ラジエータ温度は、外気温が低い程低温化する。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、温水制御弁は、温水通路を開閉するための弁体と、弁体を駆動するための駆動部材とを含み、弁制御手段は、走行風の温度に感応して膨張又は収縮することにより駆動部材の動作を制御する膨縮部材を含むことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の作用に加え、走行風の温度に感応して膨縮部材が膨張又は収縮することにより駆動部材の動作が制御され、温水制御弁の開閉が制御される。従って、温水制御弁を開閉制御するために、電気的構成を設ける必要がない。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、温水制御弁は、弁制御手段が設けられる部位の外周に熱交換用フィンが設けられたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の作用に加え、弁制御手段が設けられる部位の外周に熱交換用フィンが設けられるので、弁制御手段の外周の受熱面積がフィンにより拡大され、弁制御手段とその周囲との間の熱交換量が増す。
上記目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の車両用エンジンの吸気系温水加熱装置において、吸気通路は、吸気入口を含み、吸気入口から外気を低温空気として導入するように構成され、エンジンコンパートメントの中には、エンジンから排気を導出するための排気通路の一部が設けられ、エンジンコンパートメントの中には、排気通路の周りの高温空気をエンジンに導入するために吸気通路に接続された高温空気通路が設けられ、吸気通路と高温空気通路との接続部には、高温空気通路からの高温空気と吸気入口からの低温空気を吸気通路の下流側へ選択的に流すために流路を切り替える流路切替弁が設けられ、吸気通路における吸気温度に応じて流路切替弁の切り替え動作を制御するための第2の弁制御手段が設けられ、流路切替弁の切り替え動作を制御することによりエンジンに導入される吸気の温度を制御することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の作用に加え、エンジンの運転時には、排気通路の周りで暖められる高温空気が高温空気通路に導入される。ここで、高温空気通路と吸気通路との接続部に設けられた流路切替弁が吸気温度に応じて第2の弁制御手段により制御されることにより、高温空気通路と吸気入口との吸気通路の下流側への流路が切り替えられる。これにより、高温空気と低温空気とが、吸気通路の下流側へと選択的に流される。従って、必要に応じて流路切替弁により流路が切り替えられることにより、エンジンに導入される吸気が高温空気と低温空気との間で切り替えられる。ここで、吸気通路に高温空気又は低温空気が流れるときでも、温水制御弁の開閉は、吸気温度にかかわらず、弁制御手段により走行風の温度に応じて制御される。
請求項1乃至4のいずれかに記載の発明によれば、吸気系に設けられる付属機器を、エンジンを冷却することで暖められる温水により、吸気温度や温水温度に左右されることなく外気温度の低温化に合わせて応答性よく加熱することができ、外気温度が高温化して加熱が不必要なときに加熱を確実に停止することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の効果に加え、吸気系温水加熱装置の構成を簡略化することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の効果に加え、弁制御手段の動作につき走行風の温度に対する応答性を高めることができ、温水制御弁の開閉応答性を向上させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、エンジンに導入される吸気の温度を吸気通路における吸気温度に応じて制御することができる。また、吸気通路への高温空気の導入にかかわらず、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の効果を得ることができる。
第1実施形態に係り、ボンネットを取り外した車両の前部を概略的に示す平面図。 第1実施形態に係り、ボンネットを取り外した車両の前部を概略的に示す平面図。 第1実施形態に係り、閉弁状態の温水制御弁を示す断面図。 第1実施形態に係り、開弁状態の温水制御弁を示す断面図。 第2実施形態に係り、ボンネットを取り外した車両の前部を概略的に示す平面図。 第2実施形態に係り、ボンネットを取り外した車両の前部を概略的に示す平面図。 第3実施形態に係り、ボンネットを取り外した車両の前部を概略的に示す平面図。 第3実施形態に係り、ボンネットを取り外した車両の前部を概略的に示す平面図。 第3実施形態に係り、車両の前部のエンコパの中を概略的に示す側面図。 第3実施形態に係り、閉弁状態の温水制御弁を示す断面図。 第3実施形態に係り、開弁状態の温水制御弁を示す断面図。 第3実施形態に係り、高温ダクトと第2吸気管との接続部分及び流路切替弁を、図7の矢印Aの方向から見て示す概略的な断面図。 第3実施形態に係り、高温ダクトと第2吸気管との接続部分及び流路切替弁を、図7の矢印Aの方向から見て示す概略的な断面図。 第4実施形態に係り、開弁状態の温水制御弁を示す断面図。
<第1実施形態>
以下、本発明における車両用エンジンの吸気系温水加熱装置を具体化した第1実施形態
につき図面を参照して詳細に説明する。
図1、図2に、ボンネットを取り外した車両1の前部を概略的に平面図により示す。図1、図2において、車両1の前後左右の方向を矢印で示す(以下に示す同等の他の図において方向は同じ。)図1、図2において、太い矢印は「走行風TW」を表わし、その矢印中の「網掛け」の濃淡の違いは温度の違いを示す。網掛けが濃いほど温度が高いことを表わす(以下に示す同等の他の図においても同じ。)。エンコパ2には、その前側中央にラジエータ3が配置される。エンコパ2の中には、車両1の前方から取り込まれる走行風TWがラジエータ3を通り抜けて流れ込むように構成される。ラジエータ3の後方には、エンジン5と、エンジン5の吸気系及び排気系が配置される。ここで、ラジエータ3には、エンジン5を冷却して暖められた冷却水(温水)が熱交換のために循環するように冷却水通路(図示略)が設けられる。このため、エンジン5の冷間始動時には、エンジン5で暖められる前の冷却水がラジエータ3を流れる。その後、エンジン5の暖機が進むに連れて冷却水の温度が上昇し、エンジン5の暖機が完了した状態では、高温の温水がラジエータ3を流れることになる。
ラジエータ3の左右両側には、ヘッドライト4が配置される。エンコパ2の中には、エンジン5が横向きに配置される。エンジン5の前側には、燃焼室(図示略)へ空気を導入するための吸気マニホルド11が設けられる。エンジン5の後側には、燃焼室から排気を導出するための排気マニホルド21が設けられる。排気マニホルド21の下流側には、排気浄化のための触媒コンバータと排気管(図示略)が接続される。排気マニホルド21等は、本発明の排気通路と排気系を構成する。
吸気マニホルド11の入口側には、スロットル装置12を介して吸気管13が接続される。吸気管13の先端には、エアクリーナ14が設けられる。エアクリーナ14には、吸気入口14aが設けられる。これら吸気マニホルド11、スロットル装置12、吸気管13及びエアクリーナ14により本発明の吸気通路と吸気系が構成される。吸気通路は、エンジン5の燃焼室へ空気(吸気)を導入するようになっている。吸気マニホルド11は、サージタンク11aと複数の分岐管11bとを含む。スロットル装置12は、スロットル弁12aを含む。スロットル装置12は、横向きに配置されたサージタンク11aの右端に固定される。吸気管13は、スロットル装置12から右方向へ延びてエアクリーナ14に接続される。
この実施形態では、スロットル装置12が、吸気通路に関連して設けられた本発明の付属機器に相当する。また、エンジン5とスロットル装置12との間には、温水通路16が設けられる。温水通路16は、スロットル装置12を加熱するために、エンジン5を冷却することで暖められた冷却水(温水)をスロットル装置12のケーシングへ流して循環させるように設けられる。温水通路16は、上記した冷却水通路から分岐して設けられる。温水通路16の途中には、温水の流れを制御するための非電動式の温水制御弁17が設けられる。この実施形態で、温水制御弁17は、エンコパ2の中においてラジエータ3の後側近傍に設けられる。この温水制御弁17の中には、走行風TWの温度に応じて温水制御弁17の開閉を制御するための膨縮部材18が設けられる。温水制御弁17は、膨縮部材18が設けられる部位を含む温水制御弁17のほぼ全体に走行風TWが当たるように配置される。この実施形態で、膨縮部材18は、本発明の弁制御手段の一例に相当する。
次に、温水制御弁17の構成について詳しく説明する。図3に、閉弁状態の温水制御弁17を断面図により示す。図4に、開弁状態の温水制御弁17を断面図により示す。図3、図4に示すように、温水制御弁17は、温水通路16を開閉するための弁体26を含む弁部17Aと、この弁体26を駆動するための駆動部17Bとを含む。
弁部17Aは、平面略T字形状をなすケーシング27を備える。このケーシング27は、中空の通路部27aと、その通路部27aに交差する中空のシリンダ部27bとを含む。通路部27aの両端部には、それぞれ管継手28が設けられる。これら管継手28に温水通路16が接続されることにより、この通路部27aが温水通路16の一部となる。シリンダ部27bには、弁体26が設けられる。弁体26は、略円柱形状をなし、図3に示すように通路部27aの通路を遮断する閉弁位置と、図4に示すように通路部27aを開放する開弁位置との間で往復動可能に設けられる。弁体26には、駆動部17Bへ向けて延びる弁軸29が設けられる。
駆動部17Bは、円筒形状をなすケーシング30を備える。このケーシング30は、有底筒状をなし、その開口端は蓋30aにより封鎖される。このケーシング30には、その底部を貫通した弁軸29が軸方向へ延びる。ケーシング30の中において、弁軸29の先端には、円板形状をなすフランジ部材31が固定される。このフランジ部材31は、断熱性を有する断熱部材でもある。断熱部材の材料として、例えば、セラミックや樹脂を使用することができる。また、ケーシング30の中には、このフランジ部材31を挟んで膨縮部材18とスプリング19が設けられる。すなわち、スプリング19と膨縮部材18との間に断熱部材であるフランジ部材31が設けられる。つまり、膨縮部材18は、ケーシング30の底部とフランジ部材31との間に設けられる。この膨縮部材18はコイル形状をなす形状記憶合金により形成される。また、スプリング19は、フランジ部材31と蓋30aとの間に設けられる。スプリング19は、駆動部17Bの構成要素であり、本発明の駆動部材の一例に相当する。そして、膨縮部材18は、走行風TWの温度又は走行風TWの影響を受けた温水制御弁17の周囲の温度に感応して膨張又は収縮することによりスプリング19の動作を制御するようになっている。すなわち、走行風TWの温度が高くなる高温時には、図3に示すように膨縮部材18が収縮し、スプリング19の付勢力によりフランジ部材31が弁軸29と共に押圧されることにより、弁体26が閉弁位置に配置される。一方、走行風TWの温度が低くなる低温時には、図4に示すように膨縮部材18が膨張し、スプリング19の付勢力に抗してフランジ部材31が弁軸29と共に逆方向へ押圧されることにより、弁体26が開弁位置に配置される。
例えば、図1において、外気が氷点下となる外気低温時であってエンジン5の暖機完了後には、車両1の走行に伴いラジエータ3を通過する冷えた走行風TWが温水制御弁17に当たり、膨縮部材18が冷やされる。このため、温水制御弁17が開弁され、図1に矢印で示すように、温水通路16に温水が流れ、スロットル装置12が温水により加熱される。一方、図2において、外気が常温となる外気常温時であってエンジン5の暖機完了後には、車両1の走行に伴いラジエータ3を通過する暖まった走行風TWが温水制御弁17に当たり、膨縮部材18が暖められる。このため、温水制御弁17が閉弁され、温水通路16における温水の流れが遮断され、スロットル装置12の加熱が中止される。
以上説明したこの実施形態における車両用エンジンの吸気系温水加熱装置によれば、車両1の前部に配置されたエンコパ2の中には、その前側にラジエータ3が配置され、ラジエータ3の後方にエンジン5と吸気系を構成する吸気マニホルド11、吸気管13及びエアクリーナ14や付属機器であるスロットル装置12が配置される。エンジン5の運転時であって車両1の走行時には、ラジエータ3を通過した走行風TWがエンコパ2の中へ流れ込むと共に温水制御弁17に当たることになる。ここで、スロットル装置12を加熱するために、エンジン5を冷却することで暖められた温水が温水通路16を通じてスロットル装置12へ循環される。そして、温水制御弁17の開閉が走行風TWの温度に応じて弁制御手段である膨縮部材18により制御されることにより、温水通路16における温水の流れが制御される。従って、温水制御弁17の開閉は、吸気通路における吸気温度や温水通路16における温水温度の変化にかかわらず、ほぼ外気温度に近い走行風TWの温度に応じて制御されることになる。このため、吸気系に設けられるスロットル装置12を、エンジン5を冷却することで暖められる温水により、吸気温度や温水温度に左右されることなくほぼ外気温度の低温化に合わせて応答性よく加熱することができ、外気温度が高温化して加熱が不必要なときには加熱を確実に停止することができる。
例えば、この実施形態では、冷間時に吸気通路が冷えてスロットル装置12を加熱する必要があるときは、温水制御弁17が外気温度の低温化に合わせて開き、温水通路16に温水を循環させてスロットル装置12を加熱することができる。すなわち、スロットル装置12を、外気温度の低温化に追従させて加熱することができる。一方、車両1の渋滞走行時等に、外気温度が比較的高くなり、吸気温度がある程度高くなるときは、温水制御弁17が外気温度の高温化に伴って閉じ、温水通路16にて温水が循環しなくなり、スロットル装置12の加熱を確実に停止することができる。すなわち、スロットル装置12の加熱を、外気温度の高温化に追従させて停止することができる。
この実施形態では、温水制御弁17がエンコパ2の中においてラジエータ3の後側近傍に設けられ、膨縮部材18が設けられる部位を含む温水制御弁17のほぼ全体に走行風TWが当たるように配置される。従って、車両1の走行時には、ラジエータ3を通り抜けた走行風TWが膨縮部材18が設けられる部位に当たり、温水制御弁17の開閉が、走行風TWの温度に応じて制御される。また、車両1の停止時には、温水制御弁17の開閉が、走行風TWの温度の影響を受けたエンコパ2の中の温度に応じて制御される。すなわち、温水制御弁17の開閉は、ほぼ外気温度の変化に合わせて制御されることになる。この意味でも、スロットル装置12を、ほぼ外気温度の低温化に合わせて応答性よく加熱することができ、外気温度が高温化して加熱が不必要なときには加熱を確実に停止することができる。この実施形態では、温水制御弁17につき、温水の循環を許容する開き状態から温水の循環を停止する閉じ状態への切り換え温度を、例えば「30〜40℃」に設定することができる。
この実施形態では、走行風TWの温度に感応して膨縮部材18が膨張又は収縮することによりスプリング19の動作が制御され、温水制御弁17の開閉が制御される。従って、温水制御弁17を開閉制御するために、電気的構成を設ける必要がない。このため、吸気系温水加熱装置の構成を簡略化することができる。
この実施形態では、膨縮部材18が形状記憶合金で形成されるので、液体や流動体で形成される膨縮部材に比べて温水制御弁17に対する組み付けや管理が比較的容易となる。この意味で、温水制御弁17の製造や管理を容易化することができる。
この実施形態では、スプリング19と膨縮部材18との間に断熱部材よりなるフランジ部材31が設けられる。従って、スプリング19へ伝わる熱がフランジ部材31により遮断されて膨縮部材18へ伝わり難くなる。このため、膨縮部材18に対する余分な熱的影響を排除することができ、温水制御弁17の開閉を走行風TWの温度に応じて好適に制御することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明における車両用エンジンの吸気系温水加熱装置を具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明において、第1実施形態と同等の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説明する。
この実施形態では、温水制御弁17の配置の点で第1実施形態と構成が異なる。図5、図6に、ボンネットを取り外した車両1の前部を概略的に平面図により示す。図5は、図1の状態に準ずる平面図である。図6は、図2の状態に準ずる平面図である。この実施形態では、温水制御弁17が、エンコパ2の外においてラジエータ3の前方に設けられ、膨縮部材18が設けられる部位を含む温水制御弁17のほぼ全体に走行風TWが当たるように配置される点で第1実施形態と構成が異なる。
従って、この実施形態によれば、温水制御弁17がエンコパ2の外においてラジエータ3の前方に設けられ、膨縮部材18が設けられる部位を含む温水制御弁17のほぼ全体に走行風TWが当たるように配置される。従って、車両1の走行時には、車両1の前側に当たる走行風TWが温水制御弁17に直接的に当たり、温水制御弁17の開閉が、走行風TWの温度に応じて制御される。また、車両1の停止時には、温水制御弁17の開閉が、外気の温度に応じて制御されることになる。すなわち、温水制御弁17の開閉は、外気温度の変化に合わせて制御されることになる。この意味で、吸気系に設けられるスロットル装置12を、外気温度の低温化に合わせて応答性よく加熱することができ、外気温度が高温化して加熱が不必要なときには加熱を確実に停止することができる。この実施形態では、温水制御弁17につき、温水の循環を許容する開き状態から温水の循環を停止する閉じ状態への切り換え温度を、より低温化した温度、例えば「10〜30℃」に設定することができる。この実施形態のその他の作用効果は、第1実施形態のそれと同じである。
<第3実施形態>
次に、本発明における車両用エンジンの吸気系温水加熱装置であって、車両用エンジンの吸気温度制御装置を併用して具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
この実施形態では、温水制御弁40の配置と構成の点で第1及び第2の実施形態の吸気系温水加熱装置と構成が異なる。また、この実施形態では、吸気系温水加熱装置の構成に加え、エンコパ2の中に吸気温度制御装置が設けられる点で第1及び第2の実施形態と構成が異なる。
図7、図8に、ボンネットを取り外した車両1の前部を概略的に平面図により示す。図9に、車両1の前部のエンコパ2の中を概略的に側面図により示す。図7は、図1、図5の状態に準ずる平面図である。図8は、図2、図6の状態に準ずる平面図である。この実施形態で、温水通路16の温水の流れを制御する温水制御弁40は、エンコンパ2の中においてスロットル装置12に一体的に設けられ、膨縮部材46が設けられる部位を含む温水制御弁40のシリンダ部42bに走行風TWが当たるように配置される。この実施形態でも、膨縮部材46は、本発明の第2の弁制御手段の一例に相当する。図10に、閉弁状態の温水制御弁40を断面図により示す。図11に、開弁状態の温水制御弁40を断面図により示す。図10、図11に示すように、温水制御弁40は、平面略T字形状をなすケーシング42を備える。このケーシング42は、中空の通路部42aと、通路部42aに交差する中空のシリンダ部42bとを含む。通路部42aの両端に温水通路16が接続されることにより、通路部42aが温水通路16の一部となる。通路部42aの一部は、スロットル装置12のボディに形成された温水通路16に組み付けられる。シリンダ部42bには、温水通路16を開閉するための弁体26及び弁軸29と、この弁体26を駆動するための駆動部材としてのスプリング43が設けられる。弁体26は、図10に示すように通路部42aを遮断する閉弁位置と、図11に示すように通路部42aを開放する開弁位置との間でシリンダ部42bにて往復動可能に設けられる。
シリンダ部42bには、弁軸29を移動可能に支持する軸受44と隔壁45が固定される。弁軸29は、これら軸受44と隔壁45を貫通して延びる。弁軸29の先端には、円板形状をなし断熱部材でもあるフランジ部材31が固定される。この実施形態では、隔壁45とフランジ部材31との間にスプリング43が設けられる。また、フランジ部材31とシリンダ部42bの底部42cとの間に膨縮部材46が設けられる。この実施形態で、膨縮部材46は「ワックスサーモエレメント」により構成される。周知のように、ワックスサーモエレメントは、温度に感応して膨張又は収縮するサーモワックスを内蔵し、サーモワックスの膨張又は収縮に伴い伸長又は収縮するピストン46aを有する。この実施形態では、図7、図8に示すように、ラジエータ3を通り抜けてきた走行風TWが温水制御弁40に当たる。詳しくは、温水制御弁40のケーシング42のシリンダ部42bに当たるようになっている。そして、シリンダ部42bの内部に収容される膨縮部材46は、走行風TWの温度に感応してピストン46aを伸長又は収縮することにより、スプリング43の動作を制御するようになっている。すなわち、高温時には、図10に示すように、膨縮部材46のピストン46aが伸長し、スプリング43の付勢力に抗してフランジ部材31と弁軸29が押圧されることにより、弁体26が閉弁位置に配置される。一方、走行風TWの温度が低くなる低温時(冷間時)には、図11に示すように、膨縮部材46のピストン46aが収縮すると共にスプリング43がフランジ部材31と共に弁軸29を逆方向へ押圧することにより、弁体26が開弁位置に配置される。
次に、吸気温度制御装置について説明する。図7〜図9に示すように、この実施形態では、吸気系と排気系の構成が次の点で第1及び第2の実施形態と異なる。すなわち、図9に示すように、排気マニホルド21の下流側には、排気を浄化するための触媒コンバータ22を介して排気管23が接続される。排気マニホルド21、触媒コンバータ22及び排気管23は、本発明の排気通路と排気系を構成する。車両1には、エンコパ2の下側(底側)を覆うアンダーカバー6が設けられる。エンコパ2の後側にて、アンダーカバー6には、路面側へ通じる開口部6aが設けられる。排気管23は、この開口部6aを経由して車両1の後側へ延びる。
図7〜図9に示すように、エアクリーナ14の入口には、第2吸気管15が接続される。第2吸気管15は、エアクリーナ14から一旦後方向へ延び、途中から左方向へ屈曲する。第2吸気管15は、その先端に吸気入口15a(図9参照)を含む。この実施形態では、吸気マニホルド11、スロットル装置12、吸気管13、エアクリーナ14及び第2吸気管15により本発明の吸気系及び吸気通路が構成される。吸気入口15aは、アンダーカバー6の開口部6aに隣接すると共に、開口部6aへ向けて配置される。エンジン5、吸気マニホルド11、スロットル装置12、吸気管13、エアクリーナ14、第2吸気管15、排気マニホルド21、触媒コンバータ22及び排気管23は、エンコパ2の中において、ラジエータ3の後方に配置される。
図9に示すように、アンダーカバー6の開口部6aには、第2吸気管15の吸気入口15aへ向けて外気を案内する案内ダクト7が設けられる。この案内ダクト7は、開口部6aの一部に設けられ、開口部6aから吸気入口15aへ向けて延びる筒状をなす。この案内ダクト7には、外気中の異物を捕集するためのフィルタ8が設けられる。また、吸気入口15aと案内ダクト7の先端出口7aとの間には、開放部9が設けられる。つまり、吸気入口15aと先端出口7aとの間は繋がっておらず、所定の空間が設けられる。
エンコパ2の中には、排気マニホルド21の周りの高温空気を捕集するための高温ダクト36が設けられる。この高温ダクト36は、排気マニホルド21の周囲を隙間を保ちながら覆うシュラウド36aと、そのシュラウド36aから延びる導管36bとを含む。導管36bの出口は第2吸気管15に接続される。導管36bと第2吸気管15との接続部には、流路切替弁37が設けられる。この流路切替弁37は、高温ダクト36からの高温空気と吸気入口15aからの低温空気を第2吸気管15の下流側へ選択的に流すために流路を切り替えるように構成される。この実施形態で、高温ダクト36は、本発明の高温空気通路の一例に相当する。
図12、図13に、高温ダクト36と第2吸気管15との接続部分及び流路切替弁37を、図7の矢印Aの方向から見た概略的な断面図により示す。図12、図13に示すように、この実施形態では、流路切替弁37が非電動の機械式弁により構成される。流路切替弁37は、回転軸37aにより搖動可能に設けられた弁体37bを駆動するためのアクチュエータ38を備える。アクチュエータ38は、第2吸気管15と一体に形成されたシリンダ38aと、シリンダ38aに対してストローク運動可能に設けられたロッド38bと、シリンダ38aの中にてロッド38bの基端に設けられたピストン38cと、シリンダ38aの中にてピストン38cの両側に配置されたコイル形状をなす第1スプリング38d及び第2スプリング38eとを備える。ロッド38bの先端は、リンク機構38fを介して回転軸37aに連結される。この実施形態では、第1スプリング38dが、第2吸気官15における吸気温度に感応して流路切替弁37の切り替え動作を制御するための本発明の第2の弁制御手段の一例に相当し、形状記憶合金により形成される。シリンダ38aは、第2吸気管15の内部に面する部分が、他の部分よりも薄肉に形成される。これにより、第2吸気管15の内部における吸気温度が、第1スプリング38dに伝わりやすくなっている。ここで、第1スプリング38dは、吸気温度が所定温度以下の低温になる場合、図12に示すように収縮し、ロッド38bを第2スプリング38eの付勢力により伸長させて弁体37bを高温空気位置に配置させるようになっている。一方、第1スプリング38dは、吸気温度が所定温度より高い高温になる場合、図13に示すように膨張し、ロッド38bを第2スプリング38eの付勢力に抗して収縮させて弁体37bを低温空気位置に配置させるようになっている。
以上説明したこの実施形態における車両用エンジンの吸気系温水加熱装置によれば、第1実施形態と異なり、温水制御弁40がスロットル装置12に設けられるので、スロットル装置12を吸気マニホルド11に取り付ければ、温水制御弁40を別途取り付ける必要がない。このため、温水制御弁40の取り付け作業を省略することができる。また、温水制御弁40がエンコパ2の中においてスロットル装置12に設けられても、膨縮部材46が設けられる部位を含むシリンダ部42bに走行風TWが当たるように配置されるので、温水制御弁40の開閉が、スロットル装置12の温度の変化にかかわらず、走行風TWの温度又は走行風TWの温度の影響を受けたエンコパ2の中の温度に応じて制御される。すなわち、温水制御弁40の開閉は、ほぼ外気温度の変化に合わせて制御されることになる。この意味で、スロットル装置12を、ほぼ外気温度の低温化に合わせて応答性よく加熱することができ、外気温度が高温化して加熱が不必要なときには加熱を確実に停止することができる。この実施形態では、温水制御弁40につき、温水の循環を許容する開き状態から温水の循環を停止する閉じ状態への切り換え温度を、例えば「60〜70℃」に設定することができる。
この実施形態では、ワックスサーモエレメントよりなる膨縮部材46が膨張(伸長)することで、温水制御弁40が閉弁して温水通路16が遮断され、膨縮部材46が収縮することで、温水制御弁40が開弁して温水通路16が開放される。この点、この実施形態における膨縮部材46は、第1実施形態の膨縮部材18に対し、弁体26を開閉させる膨張(伸長)と収縮の動作が逆であるが、温水制御弁40の開閉を制御する機能は同等であることから、第1実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
この実施形態における車両用エンジンの吸気温度制御装置によれば、エンジン5の運転時には、排気マニホルド21の周りで暖められる高温空気が高温ダクト36に導入される。ここで、高温ダクト36と第2吸気管15との接続部に設けられた流路切替弁37が吸気温度に応じて第1スプリング38dにより制御されることにより、高温ダクト36と吸気入口15aとの吸気通路の下流側への流路が切り替えられる。これにより、高温空気と低温空気とが、吸気通路の下流側へと選択的に流される。従って、必要に応じて流路切替弁37により流路が切り替えられ、エンジン5に導入される吸気が高温空気と低温空気との間で切り替えられる。このため、エンジン5に導入される吸気の温度を吸気通路(第2吸気管15)における吸気温度に応じて制御することができる。その結果、例えば、エンジン5の冷間始動時には、高温空気をエンジン5に導入することで、エンジン5の始動性を向上させることができる。また、エンジン5の始動完了後には、低温空気をエンジン5に導入することで、エンジン5の燃焼室における空気密度低下を抑えることができる。ここで、吸気通路に高温空気又は低温空気が流れるときでも、温水制御弁40の開閉は、吸気温度にかかわらず、膨縮部材46により走行風TWの温度に応じて制御されることになる。このため、吸気通路への高温空気の導入にかかわらず、吸気系温水加熱装置の効果を得ることができる。
この実施形態における車両用エンジンの吸気温度制御装置によれば、流路切替弁37は、形状記憶合金よりなる第1スプリング38dが吸気温度に感応して膨張又は収縮することで、アクチュエータ38が弁体37bを駆動し、弁体37bが高温空気位置と低温空気位置との間で切り替え配置される。従って、流路切替弁37を駆動するための電気的な構成が不要となる。このため、吸気温度制御装置の構成を簡略化することができる。
この実施形態では、アンダーカバー6の開口部6aに設けられた案内ダクト7により、第2吸気管15の吸気入口15aへ向けて外気が案内されるので、外気が吸気入口15aへ入り易くなる。このため、エンジン5の加速時にも吸気通路へ外気を吸入し易くすることができ、エンジン5のノッキングを抑えることができる。
この実施形態では、第2吸気管15の吸気入口15aと案内ダクト7との間に開放部9が設けられるので、吸気入口15aに作用する吸気負圧が開放部9で緩和され、開口部6aから案内ダクト7への水滴や雪等の引き込みが少なくなる。このため、エンジン5に水滴や雪などが吸入されることを防止することができる。
この実施形態では、案内ダクト7にフィルタ8が設けられるので、開口部6aから案内ダクト7へ入る飛び石等の異物がフィルタ8で捕集される。このため、飛び石等の異物が第2吸気管15等の吸気通路へ入ることを防止することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明における車両用エンジンの吸気系温水加熱装置を具体化した第4実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
この実施形態では、温水制御弁40に係る構成が第3実施形態と異なる。図14に、この実施形態における開弁状態の温水制御弁40を断面図により示す。図14に示すように、温水制御弁40は、膨縮部材46が設けられる部位のケーシング42(シリンダ部42b)の外周に熱交換用フィン51が設けられる。この実施形態で、フィン51は、シリンダ部42bの底部42c側に圧入される筒部51aと、筒部51aの外周にて隙間51bを隔てて形成された複数の翼部51cとを含む。
従って、この実施形態の吸気系温水加熱装置によれば、第3実施形態の作用効果に加え次のような作用効果を有する。すなわち、膨縮部材46を内包するシリンダ部42bの外周に熱交換用フィン51が設けられるので、膨縮部材46の外周の受熱面積がフィン51により拡大され、膨縮部材46とその周囲との間の熱交換量が増す。このため、膨縮部材46の動作につき走行風の温度に対する応答性を高めることができ、温水制御弁40の開閉応答性を向上させることができる。
なお、この発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更することで次のように実施することができる。
(1)前記第4実施形態では、第3実施形態の温水制御弁40に対し熱交換用フィン51を設けたが、第1及び第2の実施形態の温水制御弁17に対しても同様に熱交換用フィンを設けることができる。
(2)前記各実施形態では、吸気系に設けられる付属機器をスロットル装置12に具体化したが、過給機のコンプレッサ前ミキサー等のその他の機器に具体化することもできる。
(3)前記各実施形態では、膨縮部材18,46が設けられる部位を含む温水制御弁17,40の全体又はほぼ全体に走行風TWが当たるように温水制御弁17,40を配置したが、膨縮部材が設けられる部位のみに走行風が当たるように温水制御弁を配置してもよい。
この発明は、車両用エンジンであって、吸気系に関連した各種付属機器を、エンジンを冷却することで暖められた冷却水(温水)を流すことで加熱するように構成したエンジンに適用することができる。
1 車両
2 エンコパ
3 ラジエータ
5 エンジン
6 アンダーカバー
6a 開口部
11 吸気マニホルド(吸気系、吸気通路)
12 スロットル装置(吸気系、吸気通路、付属機器)
13 吸気管(吸気系、吸気通路)
14 エアクリーナ(吸気系、吸気通路)
15 第2吸気管(吸気系、吸気通路)
15a 吸気入口
16 温水通路
17 温水制御弁
18 膨縮部材(弁制御手段)
19 スプリング(駆動部材)
21 排気マニホルド (排気通路)
22 触媒コンバータ(排気通路)
23 排気管(排気通路)
26 弁体
36 高温ダクト(高温空気通路)
36a シュラウド
36b 導管
37 流路切替弁
38d 第1スプリング(第2の弁制御手段)
40 温水制御弁
43 スプリング(駆動部材)
46 膨縮部材(弁制御手段)
51 フィン
TW 走行風

Claims (7)

  1. 車両の前部に配置されたエンジンコンパートメントの中において、その前側にラジエータが配置され、前記ラジエータの後方にエンジンと吸気系が配置された車両用エンジンの吸気系温水加熱装置であって、
    前記吸気系は、前記エンジンに空気を導入するための吸気通路と、前記吸気通路に関連して設けられた付属機器とを含むことと、
    前記付属機器を加熱するために、前記エンジンを冷却することで暖められた温水を前記付属機器へ循環させる温水通路と、
    前記温水通路における前記温水の流れを制御するための温水制御弁と、
    前記エンジンコンパートメントには、前記車両の前側から前記ラジエータを介して走行風が流れ込むように構成されることと、
    前記走行風の温度に応じて前記温水制御弁の開閉を制御するための弁制御手段と
    を備えたことを特徴とする車両用エンジンの吸気系温水加熱装置。
  2. 前記温水制御弁は、前記エンジンコンパートメントの外において前記ラジエータの前方に設けられ、少なくとも前記弁制御手段が設けられる部位に前記走行風が当たるように配置されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用エンジンの吸気系温水加熱装置。
  3. 前記温水制御弁は、前記エンジンコンパートメントの中において前記ラジエータの後側近傍に設けられ、少なくとも前記弁制御手段が設けられる部位に前記走行風が当たるように配置されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用エンジンの吸気系温水加熱装置。
  4. 前記温水制御弁は、前記エンジンコンパートメントの中において前記付属機器に設けられ、少なくとも前記弁制御手段が設けられる部位に前記走行風が当たるように配置されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用エンジンの吸気系温水加熱装置。
  5. 前記温水制御弁は、前記温水通路を開閉するための弁体と、前記弁体を駆動するための駆動部材とを含み、
    前記弁制御手段は、前記走行風の温度に感応して膨張又は収縮することにより前記駆動部材の動作を制御する膨縮部材を含む
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の車両用エンジンの吸気系温水加熱装置。
  6. 前記温水制御弁は、前記弁制御手段が設けられる部位の外周に熱交換用フィンが設けられたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の車両用エンジンの吸気系温水加熱装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の車両用エンジンの吸気系温水加熱装置において、
    前記吸気通路は、吸気入口を含み、前記吸気入口から外気を低温空気として導入するように構成され、
    前記エンジンコンパートメントの中には、前記エンジンから排気を導出するための排気通路の一部が設けられ、
    前記エンジンコンパートメントの中には、前記排気通路の周りの高温空気を前記エンジンに導入するために前記吸気通路に接続された高温空気通路が設けられ、
    前記吸気通路と前記高温空気通路との接続部には、前記高温空気通路からの高温空気と前記吸気入口からの低温空気を前記吸気通路の下流側へ選択的に流すために流路を切り替える流路切替弁が設けられ、
    前記吸気通路における吸気温度に応じて前記流路切替弁の切り替え動作を制御するための第2の弁制御手段が設けられ、前記流路切替弁の切り替え動作を制御することにより前記エンジンに導入される吸気の温度を制御する
    ことを特徴とする車両用エンジンの吸気系温水加熱装置。
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