JP2016209920A - 鋳物用砂型製造用組成物、鋳物用砂型の製造方法、及び鋳物用砂型 - Google Patents

鋳物用砂型製造用組成物、鋳物用砂型の製造方法、及び鋳物用砂型 Download PDF

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Abstract

【課題】崩壊性が良好な鋳物用砂型製造用組成物等を提供すること。
【解決手段】鋳物砂と水ガラスとを含み、下記で定義する圧縮率Sの値が25%以上であることを特徴とする鋳物用砂型製造用組成物。150グラムの前記鋳物用砂型製造用組成物を中空円筒状容器に入れ、側面に振動を与える。次に、前記中空円筒状容器の底面から、前記鋳物用砂型製造用組成物の表面までの高さを3箇所で測定し、その平均値をHbとする。次に、試験片搗き固め機を用い、前記鋳物用砂型製造用組成物の表面を搗き固める。次に、前記中空円筒状容器の底面から、前記鋳物用砂型製造用組成物の表面までの高さを3箇所で測定し、その平均値をHaとする。圧縮率Sを以下の式(1)により算出する。式(1) S=((Hb−Ha)/Hb)×100。
【選択図】図1

Description

本発明は鋳物用砂型製造用組成物、鋳物用砂型の製造方法、及び鋳物用砂型に関する。
従来、有機系粘結剤を用いた鋳物用砂型が知られている。この鋳物用砂型は、臭気を発生するため、作業環境問題を生じ、また、大気環境汚染問題を生じる。そこで、水ガラス等の無機系粘結剤を用いた鋳物用砂型が検討されている(特許文献1参照)。
特開2015−51446号公報
特許文献1記載の技術のように、無機系粘結剤を用いた鋳物用砂型は、崩壊性が十分ではなかった。本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、崩壊性を向上させることができる鋳物用砂型製造用組成物、鋳物用砂型の製造方法、及び鋳物用砂型を提供することを目的とする。
本発明の鋳物用砂型製造用組成物は、
鋳物砂と水ガラスとを含み、下記で定義する圧縮率Sの値が25%以上であることを特徴とする。
150グラムの前記鋳物用砂型製造用組成物を、内径50mm、縦150mmの中空円筒状容器に入れ、前記鋳物用砂型製造用組成物の表面が均一な高さとなるまで前記中空円筒状容器の側面に振動を与える。次に、前記中空円筒状容器の底面から、前記鋳物用砂型製造用組成物の表面までの高さを3箇所で測定し、その平均値をHbとする。次に、JIS Z 2601に記載された試験片搗き固め機を用い、搗固め重錘重量は6.5Kg、搗固め重錘落下距離は50mm、搗固め回数は3回という条件で、前記鋳物用砂型製造用組成物の表面を搗き固める。次に、前記中空円筒状容器の底面から、前記鋳物用砂型製造用組成物の表面までの高さを3箇所で測定し、その平均値をHaとする。圧縮率Sを以下の式(1)により算出する。
式(1) S=((Hb−Ha)/Hb)×100
本発明の鋳物用砂型製造用組成物を用いれば、崩壊性が良好な鋳物用砂型を製造することができる。
本発明の鋳物用砂型の製造方法は、上述した鋳物用砂型製造用組成物を用いて成形することを特徴とする。本発明の鋳物用砂型の製造方法によれば、崩壊性が良好な鋳物用砂型を製造することができる。
本発明の鋳物用砂型は、上述した鋳物用砂型製造用組成物を用いて製造されたものである。本発明の鋳物用砂型は崩壊性が良好である。
圧縮率Sの測定に用いる中空円筒状容器1の構成を表す斜視図である。 木型の構成を表す写真である。 図3aは鋳造物を表す写真であり、図3bは、残留する中子を取除いた後、2分割した鋳造物を表す写真である。 図4a、図4bは架橋体を表すSEM画像であり、図4c、図4dは架橋体痕跡を表すSEM画像である。 図4のSEM画像で認められる架橋体の構造変化を表す概念図である。
本発明の実施形態を説明する。
本発明で用いる鋳物砂としては、例えば、合成ムライト砂、アルミナ系耐熱性セラミックス粒子等の人工砂を挙げることができる。人工砂の平均粒径は、50〜300μmの範囲が好ましい。この範囲内である場合、鋳物用砂型の成型性が一層向上する。
人工砂としては、例えば、ルモナス♯60(商品名、KAO製)、ルモナス♯110(商品名、KAO製)、AR SAND♯1000(商品名、群栄化学工業製)、AR SAND♯1500(商品名、群栄化学工業製)等を用いることができる。
水ガラス(珪酸ソーダ)は、一般式NaO・nSiOで表される。nは正の数である。水ガラスにおけるナトリウム分とシリカ分とのモル比(前記一般式のnの値)は、2.0〜3.8の範囲が好ましい。この範囲内である場合、鋳物用砂型の成形性が一層向上する。水ガラスのシリカ濃度は、20〜40重量%の範囲が好ましい。この範囲内である場合、鋳物用砂型の成形性が一層向上する。
鋳物用砂型製造用組成物において、鋳物砂100重量部に対し、水ガラスの量は0.8〜3重量部の範囲が好ましい。この範囲内である場合、鋳物用砂型の成型性が一層向上する。
鋳物用砂型製造用組成物は、鋳物砂と水ガラスとから成り、他の成分を実質的に含まないものであっても良いし、鋳物砂と水ガラスとに加えて、他の無機化学成分を含むものであっても良い。
他の無機化学成分としては、例えば、多孔質材料が挙げられる。多孔質材料としては、例えば、多孔質シリカ、活性炭、ゼオライト等が挙げられ、多孔質シリカが特に好ましい。鋳物用砂型製造用組成物が多孔質シリカを含む場合、鋳物用砂型製造用組成物の製造後、圧縮率Sの値が適切な範囲(例えば25%以上)となる時間帯が長くなる。また、原料物質の混合順序は、水ガラスと鋳物砂を混合した後に多孔質シリカを添加しても、あるいは、鋳物砂と多孔質シリカとの混合後に水ガラスを添加しても良い。
鋳物用砂型製造用組成物において、鋳物砂100重量部に対し、多孔質材料(例えば多孔質シリカ)の量は、0〜1重量部の範囲が好ましい。この範囲内である場合、圧縮率Sの値が適切な範囲となる時間帯が一層長くなる。多孔質シリカとして、例えば、MB4B、BW−80(いずれも富士シリシア化学株式会社製の商品名)を使用することができる。
鋳物用砂型の製造方法において用いる成型の方法は公知の方法の中から適宜選択することができる。例えば、鋳物用砂型製造用組成物を型(例えば、木型、金型)に充填し、抜型する方法を用いることができる。鋳物用砂型は、中子であってもよいし、主型であってもよい。
鋳物用砂型製造用組成物の圧縮率Sは、成型の時点(例えば、鋳物用砂型製造用組成物を型に充填する時点)において、25%以上であることが好ましい。成型の時点における圧縮率Sは、27%以上であることがより好ましく、30%以上であることが特に好ましい。
鋳物用砂型製造用組成物の圧縮率Sは、以下の方法で測定される。まず、150グラムの鋳物用砂型製造用組成物2を、図1に示すような、内径dが50mm、縦hが150mmの中空円筒状容器(例えばアクリルモールド)1に入れる。鋳物用砂型製造用組成物2を中空円筒状容器1に入れる際には、ロートを使用して流し込むことができる。
次に、鋳物用砂型製造用組成物2の表面3が均一な高さとなるまで中空円筒状容器1の側面1Aに振動を与える。次に、中空円筒状容器1の底面1Bから、鋳物用砂型製造用組成物2の表面3までの高さを3箇所で測定し、その平均値をHbとする。
次に、JIS Z 2601に記載された試験片搗き固め機(株式会社ナカヤマ製の鋳物砂搗固機)を用い、搗固め重錘重量は6.5Kg、搗固め重錘落下距離は50mm、搗固め回数は3回という条件で、鋳物用砂型製造用組成物2の表面3を搗き固める。
次に、中空円筒状容器1の底面1Bから、鋳物用砂型製造用組成物2の表面3までの高さを3箇所で測定し、その平均値をHaとする。圧縮率S(%)を以下の式(1)により算出する。
式(1) S=((Hb−Ha)/Hb)×100
圧縮率Sは、鋳物砂と水ガラスとを混合してからの時間Tに依存して変化する。一般的には、時間Tが長くなるほど、圧縮率Sは小さくなる。よって、時間Tを長くする、あるいは短くすることにより、圧縮率Sを調整することができる。
本発明は、粘結剤として無機化合物である水ガラスを使用し、他の添加物として、無機系多孔質材料を使用することができる。本発明では、例えば、有機系粘結剤を実質的に使用しないようにすることができる。この場合、注湯により有害なガスや悪臭を有するガスを発生しにくく、鋳造時の作業環境を汚染しにくい。
鋳物用砂型製造用組成物中に含まれる水ガラスは鋳物砂の粒子間を連結する架橋体として存在し、注湯によってその架橋体に顕著な構造変化が誘起する。このことは、走査電子顕微鏡(SEM)観察により認められる。この架橋構造の注湯前後における熱履歴に伴う構造変化が、本発明の鋳物用砂型における極めて高い崩壊性を発現させると推測される。 よって、本発明の鋳物用砂型製造用組成物及び鋳物用砂型は、効率的な再生利用が可能であり、環境に優しく且つ省エネプロセスを実現できる。
(実施例1)
1.鋳物用砂型製造用組成物K1の製造
以下の成分を混合することで、鋳物用砂型製造用組成物K1を製造した。
人工砂(ルモナス#60):100重量部
水ガラス(富士化学株式会社製、1号珪酸ソーダ(モル比は2.1、シリカ濃度は28.21重量%)):2重量部
多孔質シリカ(富士シリシア株式会社製、MB4B):1重量部
2.鋳物用砂型の製造
上記のように製造した鋳物用砂型製造用組成物K1を、図2に示す木型に手篭めで充填し、15分間放置した。次に、木型から内容物を抜型して鋳物用砂型(中子)を得た。
上記の鋳物用砂型の製造を、時間T(鋳物用砂型製造用組成物K1の各成分を混合してから、鋳物用砂型製造用組成物K1を木型に充填するまでの時間)を様々に変えながら、繰り返し行った。以下では、時間Tのみが異なる8種類の製造条件を1a〜1hとする。また、製造条件1a〜1hにおける時間Tを、それぞれ、時間T1a〜T1hとする。
3.圧縮率Sの計測
鋳物用砂型製造用組成物K1について、時間T1a〜T1hの時点での圧縮率Sをそれぞれ計測した。なお、時間Tの時点での圧縮率Sとは、時間Tの時点で中空円筒状容器に鋳物用砂型製造用組成物を入れ、上述した方法で測定した圧縮率Sを意味する。
時間T1aの時点での圧縮率Sは、製造条件1aにおいて鋳物用砂型製造用組成物を木型に充填した時点(成形の時点)での圧縮率Sである。同様に、時間T1b〜T1hの時点での圧縮率Sは、それぞれ、製造条件1b〜1hにおいて鋳物用砂型製造用組成物を木型に充填した時点(成形の時点)での圧縮率Sである。圧縮率Sの計測結果を表1に示す。また、表1には、圧縮率Sの算出に用いたHb、Haを併せて示す。
4.鋳物用砂型の成形性の評価
製造条件1a〜1hのそれぞれについて、木型から抜型した鋳物用砂型を観察し、鋳物用砂型の成形性を評価した。評価は以下の基準に基づき行った。
A:脱型された鋳物用砂型に全く損傷がなく、強度も十分高い。
B:脱型された鋳物用砂型に全く損傷はないが、強度がやや不足している。
C:脱型された鋳物用砂型に軽度の損傷が見られる。
D:鋳物用砂型として成形することができない。
成形性の評価結果を上記表1に示す。表1に示されているように、圧縮率Sの値が25%以上であれば、成形性が良好であった。また、本実施例で製造した鋳物用砂型は、使用時に有害なガスを発生しにくい。また、本実施例で製造した鋳物用砂型は崩壊性において優れている。
(実施例2)
1.K2の製造
以下の成分を混合することで、鋳物用砂型製造用組成物K2を製造した。
人工砂(ルモナス#110):100重量部
水ガラス(富士化学株式会社製、1号珪酸ソーダ(モル比は2.1、シリカ濃度は28.21重量%)):2重量部
多孔質シリカ(富士シリシア株式会社製、BW−80):1重量部
2.鋳物用砂型の製造
上記のように製造した鋳物用砂型製造用組成物K2を、図2に示す木型に手篭めで充填し、15分間放置した。次に、木型から内容物を抜型して鋳物用砂型(中子)を得た。
上記の鋳物用砂型の製造を、時間Tを様々に変えながら、繰り返し行った。以下では、時間Tのみが異なる4種類の製造条件を2a〜2dとする。また、製造条件2a〜2dにおける時間Tを、それぞれ、時間T2a〜T2dとする。
3.圧縮率Sの計測
鋳物用砂型製造用組成物K2について、時間T2a〜T2dの時点での圧縮率Sをそれぞれ計測した。時間T2a〜T2dの時点での圧縮率Sは、それぞれ、製造条件2a〜2dにおいて鋳物用砂型製造用組成物を木型に充填した時点(成形の時点)での圧縮率Sである。圧縮率Sの計測結果を表2に示す。また、表2には、圧縮率Sの算出に用いたHb、Haを併せて示す。
4.鋳物用砂型の成形性の評価
製造条件2a〜2dのそれぞれについて、前記実施例1と同様に、鋳物用砂型の成形性を評価した。成形性の評価結果を上記表2に示す。表2に示されているように、圧縮率Sの値が25%以上であれば、成形性が良好であった。また、本実施例で製造した鋳物用砂型は、使用時に有害なガスを発生しにくい。また、本実施例で製造した鋳物用砂型は崩壊性において優れている。
(実施例3)
1.鋳物用砂型製造用組成物K3の製造
以下の成分を混合することで、鋳物用砂型製造用組成物K3を製造した。
人工砂(ルモナス#110):100重量部
水ガラス(富士化学株式会社製、1号珪酸ソーダ(モル比は2.1、シリカ濃度は28.21重量%)):2重量部
多孔質シリカ(富士シリシア株式会社製、MB4B):1重量部
2.鋳物用砂型の製造
上記のように製造した鋳物用砂型製造用組成物K3を、図2に示す木型に手篭めで充填し、15分間放置した。次に、木型から内容物を抜型して鋳物用砂型(中子)を得た。
上記の鋳物用砂型の製造を、時間Tを様々に変えながら、繰り返し行った。以下では、時間Tのみが異なる4種類の製造条件を3a〜3dとする。また、製造条件3a〜3dにおける時間Tを、それぞれ、時間T3a〜T3dとする。
3.圧縮率Sの計測
鋳物用砂型製造用組成物K3について、時間T3a〜T3dの時点での圧縮率Sをそれぞれ計測した。時間T3a〜T3dの時点での圧縮率Sは、それぞれ、製造条件3a〜3dにおいて鋳物用砂型製造用組成物を木型に充填した時点(成形の時点)での圧縮率Sである。圧縮率Sの計測結果を表3に示す。また、表3には、圧縮率Sの算出に用いたHb、Haを併せて示す。
4.鋳物用砂型の成形性の評価
製造条件3a〜3dのそれぞれについて、前記実施例1と同様に、鋳物用砂型の成形性を評価した。成形性の評価結果を上記表3に示す。表3に示されているように、圧縮率Sの値が25%以上であれば、成形性が良好であった。また、本実施例で製造した鋳物用砂型は、使用時に有害なガスを発生しにくい。また、本実施例で製造した鋳物用砂型は崩壊性において優れている。
(実施例4)
1.鋳物用砂型製造用組成物K4の製造
以下の成分を混合することで、鋳物用砂型製造用組成物K4を製造した。
人工砂(AR SAND#1500):100重量部
水ガラス(富士化学株式会社製、1号珪酸ソーダ(モル比は2.1、シリカ濃度は28.21重量%)):2.98重量部
多孔質シリカ(富士シリシア株式会社製、MB4B):1重量部
2.鋳物用砂型の製造
上記のように製造した鋳物用砂型製造用組成物K4を、図2に示す木型に手篭めで充填し、15分間放置した。次に、木型から内容物を抜型して鋳物用砂型(中子)を得た。
上記の鋳物用砂型の製造を、時間Tを様々に変えながら、繰り返し行った。以下では、時間Tのみが異なる4種類の製造条件を4a〜4dとする。また、製造条件4a〜4dにおける時間Tを、それぞれ、時間T4a〜T4dとする。
3.圧縮率Sの計測
鋳物用砂型製造用組成物K4について、時間T4a〜T4dの時点での圧縮率Sをそれぞれ計測した。時間T4a〜T4dの時点での圧縮率Sは、それぞれ、製造条件4a〜4dにおいて鋳物用砂型製造用組成物を木型に充填した時点(成形の時点)での圧縮率Sである。圧縮率Sの計測結果を表4に示す。また、表4には、圧縮率Sの算出に用いたHb、Haを併せて示す。
4.鋳物用砂型の成形性の評価
製造条件4a〜4dのそれぞれについて、前記実施例1と同様に、鋳物用砂型の成形性を評価した。成形性の評価結果を上記表4に示す。表4に示されているように、圧縮率Sの値が25%以上であれば、成形性が良好であった。また、本実施例で製造した鋳物用砂型は、使用時に有害なガスを発生しにくい。また、本実施例で製造した鋳物用砂型は崩壊性において優れている。
(実施例5)
1.アルミ鋳造試験後の中子の崩壊性評価
前記実施例1における製造条件1b、前記実施例2における製造条件2b、前記実施例3における製造条件3b、及び前記実施例4における製造条件4bで製造した鋳物用砂型(中子)について、以下のようにして崩壊性を評価した。
まず、評価対象である鋳物用砂型を、日瓢珪砂(6.5号)で作製した主型にセットして、鋳型を作成した。次に、溶融アルミニウム(JISH5202:2010 AC2A)を鋳型に注湯した。注湯後、鋳造物が室温付近になるまで冷却し、鋳型から、図3aに示す鋳造物を取り出した。鋳造物から巾木部分を取除いた後、鋳造物を傾け、さらには手で振とうした。このとき、鋳造物から取り除かれた中子の重量(Wn)を測定した。
次に、図3bに示すように、鋳造物を2分割して残留する中子を集め、その重量(Wr)を測定した。そして、以下の式(2)により崩壊率X(%)を算出した。崩壊率Xは崩壊性の指標であり、その値が大きいほど、崩壊性が良好である。
式(2) X=100xWn/(Wn+Wr)
その結果、前記実施例1における製造条件1b、前記実施例2における製造条件2b、前記実施例3における製造条件3b、及び前記実施例4における製造条件4bで製造した鋳物用砂型は、いずれも崩壊率が顕著に高く、95%以上であった。この高い崩壊率は、機械的装置による型ばらしを要することなく実現された。
なお、鋳物用砂型の製造に用いた、図2に示す木型は、一般的に、中子の崩壊性が不良となり易いとされる袋状及び波状部分を有し、さらに中子巾木ネック部を絞ることによる中子強度の検証が可能な複雑形状の木型である。
鋳造物を2分割して鋳肌等の評価を行ったところ、上記袋状並びに波状部分に残留する中子がほとんど存在しなかった。そのことから、評価を行った各鋳物用砂型が極めて高い崩壊性を発現することが強く裏付けられた。
2.各鋳物用砂型が高い崩壊性を示す理由
各鋳物用砂型が高い崩壊性を示す理由は以下のように推測される。図4aに示す走査電子顕微鏡画像は、前記実施例1における製造条件1bで製造した鋳物用砂型を120℃で焼成した焼成物を観察した画像である。この画像中に、鋳物砂の粒子間を連結する架橋体が認められる。
また、図4bに示す走査電子顕微鏡画像は、前記実施例1における製造条件1bで製造した鋳物用砂型を600℃で焼成した焼成物を観察した画像である。この画像中にも、鋳物砂の粒子間を連結する架橋体が認められる。
図4cは、図4aに示す架橋体と同条件で形成された架橋体の痕跡(以下では架橋体痕跡とする)を示す。架橋体痕跡とは、鋳物砂同士が一旦接触し、その後乖離した後に鋳物砂粒子の表面に残される構造体である。架橋体痕跡は、鋳物砂の粒子間の衝突で形成される。SEM観察すると1つの粒子表面に複数の架橋体痕跡が認められる。図4cは、架橋体を輪切りした状態を示す画像であって、粒子表面に垂直な方向から観察した画像である。
図4dは、図4bに示す架橋体と同条件で形成された架橋体の痕跡(架橋体痕跡)を示す。図4dは、架橋体を輪切りした状態を示す画像であって、粒子表面に垂直な方向から観察した画像である。
架橋体痕跡は、加熱温度が低い場合には粒子表面に一見認め難いが(図4a参照)、温度上昇によって明瞭に認められるようになる(図4b参照)。
図5は、図4a、図4bに示す架橋体の加熱に伴う変化を模式的に表したものある。鋳物砂の粒子間を連結する架橋体の長さ(L)は、鋳物用砂型の成型直後から300℃位までの状態(図5a)と比較すると、より高温では顕著に伸張すると同時に、円殻の厚さ(N)が約0.2μmと極めて薄くなることが分かった(図5b)。この熱履歴による架橋体の構造変化、すなわち円筒状架橋体の伸長且つ薄層化によって、粒子間の結合は脆弱化して高い崩壊性が発現すると考えられる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得る。
例えば、無機砂型造型用鋳物砂K1〜K4は、3次元積層造型砂型用の材料とすることができる。
1…中空円筒状容器、1A…側面、1B…底面、2…鋳物用砂型製造用組成物、3…表面

Claims (6)

  1. 鋳物砂と水ガラスとを含み、下記で定義する圧縮率Sの値が25%以上であることを特徴とする鋳物用砂型製造用組成物。
    150グラムの前記鋳物用砂型製造用組成物を、内径50mm、縦150mmの中空円筒状容器に入れ、前記鋳物用砂型製造用組成物の表面が均一な高さとなるまで前記中空円筒状容器の側面に振動を与える。次に、前記中空円筒状容器の底面から、前記鋳物用砂型製造用組成物の表面までの高さを3箇所で測定し、その平均値をHbとする。次に、JIS Z 2601に記載された試験片搗き固め機を用い、搗固め重錘重量は6.5Kg、搗固め重錘落下距離は50mm、搗固め回数は3回という条件で、前記鋳物用砂型製造用組成物の表面を搗き固める。次に、前記中空円筒状容器の底面から、前記鋳物用砂型製造用組成物の表面までの高さを3箇所で測定し、その平均値をHaとする。圧縮率Sを以下の式(1)により算出する。
    式(1) S=((Hb−Ha)/Hb)×100
  2. 多孔質材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の鋳物用砂型製造用組成物。
  3. 前記多孔質材料が多孔質シリカであることを特徴とする請求項2に記載の鋳物用砂型製造用組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋳物用砂型製造用組成物を用いて成形することを特徴とする鋳物用砂型の製造方法。
  5. 前記成形は、前記鋳物用砂型製造用組成物を型に充填し、抜型する工程であることを特徴とする請求項4に記載の鋳物用砂型の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋳物用砂型製造用組成物を用いて製造された鋳物用砂型。
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