JP5441402B2 - 鋳物製造用構造体、鋳物製造用構造体用組成物、鋳物製造用構造体の製造方法、及び鋳物の製造方法 - Google Patents

鋳物製造用構造体、鋳物製造用構造体用組成物、鋳物製造用構造体の製造方法、及び鋳物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋳物の製造時に用いられる鋳型等の鋳物製造用構造体に関する。また、該構造体の製造方法、該構造体用組成物、及び該構造体を用いた鋳物の製造方法に関する。
鋳物は、一般に、木型や金型などをもとに鋳物砂で内部にキャビティを有する鋳型を形成するとともに、必要に応じて該キャビティ内に中子を配した後、該キャビティに溶湯を供給して製造されている。
鋳物砂を用いた砂型は、通常の砂にバインダーを添加し、硬化させて形状を保持させているため、砂の再利用には再生処理工程が必須となる。さらに、再生処理の際にダストなどの廃棄物が発生するなどの問題も生じている。中子を砂型で製造する場合は、上記課題に加え、中子自身の質量のために取り扱いに難があり、さらには、鋳込み時の強度保持と鋳込み後の中子除去性という相反する性能が要求される。
このような課題を解決する技術として、軽量性、加工性、廃棄物低減に優れる、有機繊維、無機繊維、無機粒子及び熱硬化性樹脂を含有する鋳物製造用構造体を得る技術(特許文献1)が知られている。
また、特許文献2は平均粒径70μm以下の鱗状黒鉛、熱硬化性樹脂および有機繊維を含有する鋳物製造用構造体を開示する。また、特許文献3と特許文献4は熱硬化性樹脂を被覆した砂および含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物とからなるシェル鋳型材料を開示している。また、特許文献5は溶融金属の鋳造に使用する熱絶縁体を開示し、通気度を記載している。
特開2005−349428号公報、 特開2007−144511号公報 特開昭62−45446号公報 特開昭62−156044号公報 特公昭50−20545号公報
特許文献1は、鋳込み時においても優れた熱間強度を有し、鋳込み後の鋳物の形状保持性に優れる為、表面平滑性に優れた鋳物を製造することができるものの、複雑な鋳物形状を製造する場合には、鋳物のガス欠陥が生じ易く、更なる鋳物のガス欠陥低減が望まれている。
本発明の目的は、軽量で、鋳込み時においても十分な熱間強度を有し、ガス欠陥低減効果に優れる鋳物が得られる鋳物製造用構造体及びその製造方法、当該構造体用組成物、並びにこれらを用いた鋳物の製造方法を提供することにある。
本発明は、土状黒鉛及び人造黒鉛から選ばれる1種以上の無機粒子(以下、無機粒子Aともいう)、無機繊維及び熱硬化性樹脂を含有する鋳物製造用構造体であって、通気度が1〜500である鋳物製造用構造体に関する。
また、本発明は、土状黒鉛及び人造黒鉛から選ばれる1種以上の無機粒子、無機繊維、熱硬化性樹脂を含有する鋳物製造用構造体用組成物であって、当該鋳物製造用構造体の通気度が1〜500である鋳物製造用構造体用組成物に関する。
また、本発明は、上記本発明の鋳物製造用構造体用組成物を分散媒に分散させてドウ状の成形原料を調製した後、該成形原料を成形型内に充填し、該成形型を加熱して前記熱硬化性樹脂を硬化させて成形する鋳物製造用構造体の製造方法に関する。
また、本発明は、上記本発明の鋳物製造用構造体を使用して溶融金属を鋳込む鋳造工程を具備する鋳物の製造方法に関する。
本発明によれば、鋳込み時においても十分な熱間強度を有し、ガス欠陥低減効果に優れる鋳物が得られる鋳物製造用構造体が提供される。本発明の構造体は、鋳物の製造時に用いられる軽量性、加工性に優れた鋳型等の鋳物製造用構造体である。
本発明の鋳物製造用構造体は、土状黒鉛及び人造黒鉛から選ばれる1種以上の無機粒子、無機繊維、熱硬化性樹脂を含有し、通気度が1〜500であることに特徴を有し、鋳込み時においても十分な熱間強度を有し、複雑形状の鋳物の製造においてもガス欠陥の発生が抑えられた鋳物が得られるという優れた効果を発現するものである。
本発明者らは、軽量性、加工性に優れる鋳物製造用構造体を使用する分野において、特に複雑な鋳物形状を造型するような厳しい条件における鋳物のガス欠陥低減を達成するべく鋭意研究を重ねたところ、当該構造体の通気度を1〜500とすれば、特に複雑な鋳物形状を造型するような厳しい条件においても鋳物のガス欠陥大きく低減できることを見出した。
すなわち、本発明の技術的特徴の一つは、軽量性、加工性に優れる鋳物製造用構造体を使用して、特に複雑な鋳物形状を造型する場合に発生する鋳物のガス欠陥の課題を解決する手段として、当該構造体の通気度を特定の範囲にすることが有効であることを見出したことにある。当該構造体の通気度を特定の範囲にするためには、土状黒鉛及び人造黒鉛から選ばれる1種以上の無機粒子(無機粒子A)を選択することと、好ましくは後記するように、当該無機粒子Aの平均粒子径を80〜3000μmにし、当該無機粒子Aの形状係数を2.3〜1.0にすることによって可能である。
本発明の鋳物製造用構造体の通気度は、鋳物のガス欠陥低減効果に優れる観点から、1以上であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましい。更に、6以上が好ましく、15以上がより好ましい。また、本発明の鋳物製造用構造体の通気度は、鋳物のガス欠陥低減効果に優れる観点と構造体が鋳込み時においても十分な熱間強度を有する観点から、500以下であり、400以下が好ましく、300以下がより好ましい。更に、120以下が好ましく、100以下がより好ましい。かかる観点から、本発明の鋳物製造用構造体の通気度は、1〜500であり、2〜500が好ましい。更に、6〜120、より更に15〜100が好ましい。尚、鋳物製造用構造体の通気度は、実験例記載の測定方法により求めることができる。
更には、通気度が1〜500の構造体の多くは、それに用いた無機粒子、なかでも無機粒子Aの形状係数が2.3〜1.0にあることを見出した。このような無機粒子を用いた鋳物製造用構造体で鋳造することにより高品質な鋳物が期待できる。鋳物製造用構造体のマトリックスを形成する空隙が確保されるため、前記通気度1〜500をもたらすことができると考えられる。従って、本発明に用いられる土状黒鉛及び人造黒鉛から選ばれる1種以上の無機粒子の形状係数は、鋳物ガス欠陥低減効果に優れる観点より、2.3〜1.0が好ましく、2.1〜1.0がより好ましい。尚、無機粒子A等の無機粒子の形状係数は下記のように定義されるものである。
<無機粒子の形状係数測定方法>
無機粒子の形状係数測定方法として、社団法人 日本鋳造技術協会 平成15年12月研究調査報告書「鋳物砂粒形と鋳型特性」p10〜15に記載されている形状係数測定方法を用いる。即ち、測定装置として(株)キーエンス製「VH−5000」を用い、画像解析ソフトはキーエンス製「VHX−H2M」、倍率は50倍のマイクロスコープ画像を撮影し、画像解析を行い周囲長及び面積を求め、各種無機粒子の形状係数を次式の形状係数式に代入して算出する。画像撮影は、白紙の上に無機粒子を単分散させ1視野に無機粒子を5個以上乗せて行い、1つの試料につき無作為に20回の測定及び形状係数の算出を行い、その平均値を無機粒子の形状係数とする。
形状係数=(周囲長)2/(4π×面積)
本発明は、特に複雑な鋳物形状を造型するような厳しい条件で発生するガス欠陥の低減に顕著な効果を発揮する。
このような効果が発現する理由は定かではないが、軽量性、加工性に優れる鋳物製造用構造体を使用する分野における、従来の鋳物製造用構造体では十分な通気性がないため、特に複雑な鋳物形状を造型するような厳しい条件では、鋳物製造用構造体から発生する微量なガスが鋳物を構成する溶湯金属側へ入り込むため、鋳物表面にガス欠陥を及ぼしていたものと考えられる。一方、本発明の鋳物製造用構造体では適度な通気度を有していることにより、特に複雑な鋳物形状を造型するような厳しい条件でも、鋳物製造用構造体から発生する微量なガスが鋳物を構成する溶湯金属側へ入り込むのを顕著に抑えられる為、その結果、鋳物のガス欠陥を特段に低減できたものと考えられる。
本発明の所定の通気度を有する鋳物製造用構造体は、以下に示すとおり、無機粒子の種類、粒径及びアスペクト比、熱硬化性樹脂の種類、並びに各成分の配合比等を調整することによって得ることができる。
本発明の成形体製造用構造体中における、無機粒子A、無機繊維、熱硬化性樹脂、各成分の配合比(質量比率)は、無機粒子A/無機繊維/熱硬化性樹脂=40〜90/1〜20/1〜30(質量比率)が好ましく、50〜85/2〜16/2〜25(質量比率)がより好ましく、50〜85/2〜16/2〜20(質量比率)がさらに好ましい。
無機粒子は、該構造体の耐熱性を向上させる成分である。本発明では、鋳物製造用構造体の通気性を向上させる観点から、土状黒鉛及び人造黒鉛から選ばれる少なくとも1種(無機粒子A)が用いられる。さらには、品質が安定し、構造体の通気度を制御し易い観点から人造黒鉛を用いることが好ましい。土状黒鉛及び人造黒鉛以外に本発明の効果を奏する範囲内で、黒曜石、雲母、ムライト、シリカ、マグネシア、タルク等の任意成分としての無機粒子を併用することもできる。これらの無機粒子は単独で又は二種以上を併用しても良い。耐焼着性の観点からも、土状黒鉛及び人造黒鉛から選ばれる1種以上は好ましい。なお、一般に黒鉛は、鱗状黒鉛や土状黒鉛のように天然に産出されるものと、石油コークスやカーボンブラックあるいはピッチなどを原料に人工的に製造される人造黒鉛とに分類される。また鱗状黒鉛は、形状が薄片状で平面的に積層しやすいことが特徴である。
全無機粒子中に占める無機粒子Aの合計量の好ましい割合は90重量%以上、より好ましい割合は95重量%以上、更に好ましい割合は実質100重量%である。
無機粒子Aの平均粒子径は、鋳物製造用構造体の通気性を向上させる観点から、80μm以上が好ましく、100μm以上がより好ましく、120μm以上がより更に好ましい。また、無機粒子Aの平均粒子径は、鋳物製造用構造体が鋳込み時においても十分な熱間強度を有する観点から、3000μm以下が好ましく、2500μm以下がより好ましく、1000μm以下が更に好ましく、800μm以下がより更に好ましい。かかる観点から、無機粒子Aの平均粒子径は、80〜3000μmが好ましく、100〜2500μmがより好ましく、100〜1000μmが更に好ましく、120〜800μmがより更に好ましい。
ここで、無機粒子A等の無機粒子の平均粒子径は、下記の第1の測定方法で測定し、算出される平均粒子径が200μm以上の場合は、第1の測定方法で算出される平均粒子径に求め、そうでない場合は、下記の第2の測定方法で測定することにより求めることができる。
<第1の測定方法>
JIS Z2601(1993)「鋳物砂の試験方法」附属書2に規定する方法に基づいて測定し、質量累積50%をもって平均粒子径とした。前記質量累積は、各ふるい面上の粒子を、JIS Z2601(1993)解説表2に示す「径の平均Dn(μm)」とみなして計算するものとする。
<第2の測定方法>
レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製LA−920)を用いて測定された体積累積50%の平均粒子径である。分析条件は下記の通りである。
・測定方法:フロー法
・屈折率:無機粒子によって変動(LA−920付属のマニュアル参照)
・分散媒:メタノール
・分散方法:攪拌、内蔵超音波3分
・試料濃度:2mg/100cc
無機粒子Aの含有量は、構造体の鋳込み時での形状保持性、成形品の表面性及び成形後の離型性が好適となる観点から、構造体中、40〜90質量%が好ましく、50〜85質量%がより好ましい。なお、この含有量の数値は、構造体を製造する際の配合量の数値であってもよい(以下も同様)。
前記無機繊維は、主として成形体の骨格をなし、例えば、鋳造時の溶融金属の熱によっても燃焼せずにその形状を維持する。前記無機繊維としては、炭素繊維、ロックウール等の人造鉱物繊維、セラミック繊維、天然鉱物繊維が挙げられる。前記無機繊維は、一種又は二種以上を選択して用いることができる。これらの中では、前記熱硬化性樹脂の炭化に伴う収縮を効果的に抑える点から高温でも高強度を有する炭素繊維が好ましく、ピッチ系やポリアクリロニトリル(PAN)系の炭素繊維がより好ましく、ポリアクリロニトリル(PAN)系の炭素繊維が更に好ましい。
前記無機繊維は、鋳型等の構造体の成形性、均一性の観点から平均繊維長が0.5〜15mm、さらには1〜8mmであるものが好ましい。
前記無機繊維の含有量は、構造体の成形性及び鋳込み時の形状保持性の観点から、構造体中、1〜20質量%が好ましく、2〜16質量%がより好ましい。
前記熱硬化性樹脂は、構造体の常温強度及び熱間強度を維持させるとともに、構造体の表面性を良好とし、構造体を鋳型として用いた場合に鋳物の表面粗度を向上させる上で必要な成分である。前記熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、特に、鋳造時における熱硬化性樹脂の分解ガスの発生量が少なく、燃焼抑制効果があり、熱分解(炭化)後における残炭率が25%以上と高く、構造体を鋳型に用いた場合に炭化皮膜を形成して良好な鋳肌を得ることができる点からフェノール樹脂を用いることが好ましい。フェノール樹脂には、硬化剤を必要とするノボラックフェノール樹脂、硬化剤の必要ないレゾールフェノール樹脂が用いられる。前記熱硬化性樹脂は、一種又は二種以上を選択して用いることができる。
また、フェノール樹脂の中でも、レゾールフェノール樹脂を単独又は併用すると、酸、アミン等の硬化剤を必要とせず、構造体成形時の臭気や、構造体を鋳型として用いた場合に鋳造欠陥を低減することができ、より好ましい。
市販されているレゾールフェノール樹脂としては、例えば、旭有機材(株)製商品名KL−4000、エア・ウォーター(株)製ベルパールS−890などが挙げられる。
また、熱硬化性樹脂の含有量は、構造体の成形性及び鋳込み時の形状保持性の観点と鋳物の表面平滑性の観点から、構造体中、1〜30質量%が好ましく、2〜25質量%がより好ましく、2〜20質量%が更に好ましい。
本発明では、鋳物製造用構造体の製造原料に、鋳物製造用構造体の成形性向上の観点から、水溶性高分子化合物を添加することが好ましい。
本発明に用いられる水溶性高分子化合物とは、通常(例えば25℃)の使用条件下で水を吸着または吸収する高分子化合物を意味し、例えば、25℃純水に対して1.0質量%以上溶解する水溶性高分子化合物が好ましい。
本発明に用いられる水溶性高分子化合物としては、増粘性の多糖類、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
これらの中では、成形性向上の観点から増粘性の多糖類が好ましい。ここで増粘性の多糖類とは、水系で増粘性を発現する多糖類であり、例えば、キサンタンガム、タマリンドガム、ジェランガム、グアーガム、ローカストビーンガム、タラガム等のガム剤、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カラギーナン、プルラン、ペクチン、アルギン酸、寒天等が挙げられる。これら多糖類の中でも寒天のような天然物よりも、非天然物、例えば、カルボキシメチルセルロースのようなセルロース誘導体は、鋳物製造用構造体用組成物における水溶性高分子化合物の配合比を少量でその性能を発揮することができる観点で好ましい。
これら水溶性高分子化合物の重量平均分子量は、好ましくは1万〜300万、より好ましくは2万〜100万である。
鋳物製造用構造体に水溶性高分子化合物が添加される場合における、水溶性高分子化合物の含有量は、構造体の成形性を向上させる観点から、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、構造体の通気度を付与させる観点から、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。かかる観点から、水溶性高分子化合物の含有量は、構造体中、0.5〜10質量%が好ましく、1〜7質量%がより好ましい。
また、本発明では、鋳物製造用構造体の製造原料に、鋳物製造用構造体の成形性向上の観点から、熱膨張性粒子を添加することが好ましい。
本発明に用いられる熱膨張性粒子としては、熱可塑性樹脂の殻壁に、気化して膨張する膨張剤を内包したマイクロカプセルが好ましい。該マイクロカプセルは、例えば、80〜200℃で加熱すると、直径が好ましくは3〜5倍、体積が好ましくは50〜100倍に膨張する。膨張前の平均粒径は、好ましくは5〜80μm、より好ましくは20〜50μmである。熱膨張性粒子の膨張が斯かる範囲であると膨張による成形精度への悪影響を抑えた上で添加効果が十分に得られやすい。
前記マイクロカプセルの殻壁を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はこれらの組み合わせが挙げられる。前記殻壁に内包される膨張剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソブタン、石油エーテル等の低沸点の有機溶剤が挙げられる。それらの中でも、適切な膨張開始温度や高い膨張率を得る観点から、アクリロニトリルや塩化ビニリデンからなる重合体、又はそれらを1つ以上含む共重合体で殻壁を構成することが好ましい。
鋳物製造用構造体に熱膨張性粒子が添加される場合における、熱膨張性粒子の含有量は、構造体の成形性に優れる観点から、構造体中、0.5〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
鋳物製造用構造体中の熱膨張性粒子の含有量が、0.5質量%以上であると、膨張により成形原料が型の細部にわたり充填され、型の形状を忠実に転写でき、添加効果が十分に得られる観点から好ましく、また、10質量%以下であると、過膨張を防ぐことができ、余分な冷却時間を必要としないため、高い生産性を維持することができる観点から好ましい。
本実施形態の鋳物製造用構造体の成形原料や、成形時或いは成形後には、前記各成分以外に、着色剤、離型剤、コロイダルシリカ等の他の成分を適宜の割合で添加することもできる。
本実施形態の構造体は、水を含む成形原料から製造された場合は、該構造体の使用前(鋳造に供せられる前)の質量含水率は5%以下が好ましく、2%以下がより好ましい。含水率が低いほど、鋳造時の水蒸気に由来するガス発生量を低く抑えることができ、ガス欠陥を低減できる。
本発明により得られた鋳物製造用構造体は、内面に鋳物製品形状のキャビティを有する主型、その主型に入れて使用する中子、或いは湯道などの注湯系部材、フィルター保持具等に適用することができるが、本発明の鋳物製造用構造体が表面平滑性に優れており、良好な鋳肌の鋳物を得ることができるため、主型や中子への適用が好ましい。特に本発明の鋳物製造用構造体は、鋳物のガス欠陥低減効果に優れる為、注型時に溶湯金属に覆われてガス欠陥が発生しやすくなる中子への適用が好ましく、中空中子への適用がより好ましい。
<鋳物製造用構造体の製造方法>
次に、本発明の鋳物製造用構造体の製造方法を、その好ましい実施形態に基づいて説明する。
本発明の鋳物製造用構造体の製造方法は、土状黒鉛及び人造黒鉛から選ばれる1種以上の無機粒子、無機繊維、熱硬化性樹脂及び分散媒を含有する成形原料(鋳物製造用構造体用組成物と分散媒とを含有する組成物)を調製し、当該成形原料を成形型に注入して、鋳物製造用構造体を得る方法が好ましい。
本発明の製造方法に使用される鋳物製造用構造体用組成物は、土状黒鉛及び人造黒鉛から選ばれる1種以上の無機粒子、無機繊維及び熱硬化性樹脂を含有する鋳物製造用構造体用組成物であって、当該鋳物製造用構造体の通気度が1〜500である鋳物製造用構造体用組成物であり、好ましくは分散媒に分散させて用いられる。鋳物製造用構造体の成型原料(無機粒子A、無機繊維、熱硬化性樹脂)と分散媒との分離を防止し、均一に混合できる観点から、更に水溶性高分子化合物を含有することが好ましい。すなわち、かかる鋳物製造用構造体用組成物は、通気度が1〜500である鋳物製造用構造体の製造に用いられる。
鋳物製造用構造体用組成物中に、水溶性高分子化合物を含有することによって、成形原料中にポリマー分子鎖によるマトリクスを形成して分散媒との分離を抑制できていると考えられる。また、同時に成形原料の凝集も抑制し、当該組成物の流動性を確保し、当該構造体の成形性向上に寄与していると考えられる。
本発明に使用される好適な鋳物製造用構造体用組成物の各成分の配合比(質量比率)は、無機粒子A、無機繊維、熱硬化性樹脂、及び水溶性高分子化合物の固形分総質量に対し、無機粒子A/無機繊維/熱硬化性樹脂/水溶性高分子化合物(固形分)=40〜90/1〜20/1〜30/1〜10(質量比率)が好ましく、50〜85/2〜16/2〜25/1〜7(質量比率)がより好ましく、50〜85/2〜16/2〜20/1〜7(質量比率)がさらに好ましい。(ただし上記質量比率に用いる各成分の数値の合計は100である。)また、鋳物製造用構造体用組成物中、(i)無機粒子A、無機繊維及び熱硬化性樹脂の合計含有量、又は、(ii)無機粒子A、無機繊維、熱硬化性樹脂及び水溶性高分子化合物の合計含有量、又は、(iii)無機粒子A、無機繊維、熱硬化性樹脂及び熱膨張性粒子の合計含有量、又は、(iv)無機粒子A、無機繊維、熱硬化性樹脂、水溶性高分子化合物及び熱膨張性粒子の合計含有量は、90〜100質量%、更に95〜100質量%であることが好ましい。なお、鋳物製造用構造体用組成物中、紙繊維、フィブリル化した合成繊維、再生繊維等の有機繊維の含有量は0.1質量%以下、更に0.05質量%以下とすることができる。有機繊維を含有させることにより、構造体自体の強度が向上するが、有機繊維の熱分解ガスが発生し易くなり、ガス欠陥を誘発するおそれがある。
前記無機粒子Aの配合が前記範囲であると、鋳込み時での形状保持性、成形品の表面性が良好となり、また成形後の離型性も好適となり易い。前記無機繊維の配合比が前記範囲であると、成形性、鋳込み時の形状保持性が良好となり易い。前記熱硬化性樹脂の配合比が前記範囲であると、鋳型の成形性、鋳込み後の形状保持性、表面平滑性が良好となり易い。前記水溶性高分子化合物の配合比が前記範囲であると、成形原料(成形体製造用組成物に分散媒を添加し調製して得られる原料)を成形型内に充填する際に、成形原料中の分散媒が分離することなく流動性が良好な状態で充填可能であるとともに、得られる構造体の通気性が良好となり易い。
鋳物製造用構造体用組成物の調製は、前記無機粒子A、前記無機繊維、前記熱硬化性樹脂を予め乾式で混合することが好ましく、均一に混合できる観点及び成形性向上の観点から、更に前記水溶性高分子化合物も予め乾式で混合することが好ましく、成形性の観点から、更に熱膨張性粒子も予め乾式で混合することが好ましい。そしてこれらの混合物を、分散媒に分散させて混練機で混練し、鋳物製造用構造体用組成物をドウ状に調製することが好ましい。該ドウ状の成形原料を成形型内に充填し、該成形型を加熱して前記熱硬化性樹脂を硬化させて成形することが好ましい。
前記分散媒としては、水、エタノール、メタノール等の溶剤又はこれらの混合系等の水系の分散媒が挙げられる。成形体の品質の安定性、費用、取り扱い易さ等の点から特に水が好ましい。
ここで、鋳物製造用構造体用組成物をドウ状に調製するとは、無機粒子A、無機繊維、及び熱硬化性樹脂を含む組成物と分散媒を捏和混練し、流動性を有しながらも無機粒子A及び無機繊維と分散媒が容易に分離することがない状態に調製することをいう。
前記分散媒の成形原料中の含有量は、流動性を有しながらも無機粒子A及び無機繊維と分散媒が容易に分離することがない状態に成形原料を調製できる観点から、前記無機粒子A、前記無機繊維、前記熱硬化性樹脂及び前記水溶性高分子化合物の固形分総質量に対し、好ましくは10〜100%(質量%)であり、より好ましくは25〜80%(質量%)であり、さらに好ましくは30〜70%(質量%)である。
次に、本発明の鋳物製造用構造体の製造方法に使用する成形型は、例えば、図1に示す中空棒状品に対応したキャビティを有する主型と中空を形成する芯材とを備えることによって構成される。
成形型の温度は、分散媒の蒸発、熱硬化性樹脂の硬化や熱膨張性粒子の膨張を考慮して、120〜250℃程度に加熱される。
次に、成形型にはゲートの開閉手段を設けることにより、鋳物製造用構造体用組成物が成形型に充填される。充填圧力は、エア圧力を手段にした場合は、0.5〜3MPa程度が好適である。
次に、成形型された鋳物製造用構造体用組成物は、成形型の温度により分散媒由来の蒸気、熱硬化性樹脂由来のガス等が発生するのを、成形型外へ放出させつつ乾燥させ、冷却後、必要に応じてトリミング、薬剤の塗布等を行うことによって、本発明の鋳物製造用構造体を製造することができる。
<鋳物の製造方法>
次に、本発明の鋳物製造用構造体を用いた鋳物の製造方法を、その好ましい実施形態に基づいて説明する。本実施形態の鋳物の製造方法では、上述のようにして得られた鋳物製造用構造体を鋳物砂内の所定位置に埋設して造型する。鋳物砂には、従来からこの種の鋳物の製造に用いられている通常のものを特に制限なく用いることができる。
そして、注湯口から溶融金属を注ぎ入れ、鋳込みを行う。このとき、本発明の構造体は、熱間強度が維持され、鋳物製造用構造体の熱分解に伴う熱収縮が小さいため、各鋳物製造用構造体のひび割れや、鋳物製造用構造体自体の破損が抑制され、溶融金属の鋳物用構造体への差込みや鋳物砂などの付着も生じにくい。
鋳込みを終えた後、所定の温度まで冷却し、鋳枠を解体して鋳物砂を取り除き、さらにブラスト処理によって鋳物製造用構造体を取り除いて鋳物を露呈させる。この時、前記熱硬化性樹脂が熱分解しているため、鋳物製造用構造体の除去処理は容易である。その後必要に応じて鋳物にトリミング処理等の後処理を施して鋳物の製造を完了する。
更に好ましい鋳物の製造方法としては、本発明の鋳物製造用構造体を中空中子として使用する態様であり、鋳型内に中空中子を、中空中子の開口部の少なくとも1つが鋳型外に開放するように配置し、次いで、鋳型内に溶融金属を注湯する方法が挙げられる。
具体的には、図3に示すように、図1の中空中子を主型に配置し、ケレンにより中空中子を支持し、中空中子の開口部の1つが鋳型外に開放するように配置し、次いで、鋳型内に溶融金属を注湯して鋳物を製造する方法が挙げられる。
尚、中空中子の開口部の1つが鋳型外に開放するように配置する方法としては、主型に中空中子の中空部と連通するように開口部を備える方法でもかまわない。
〔実験例1〜7〕
<鋳物製造用構造体用組成物及び成形原料の調製>
無機粒子、無機繊維、熱硬化性樹脂、水溶性高分子化合物及び熱膨張性粒子の組成及び配合率(質量比率)が表1の通りになるように鋳物製造用構造体用組成物を調製した後、この鋳物製造用構造体用組成物に水を添加し水分率約40%(鋳物製造用構造体用組成物と水の合計中、水が40質量%)であるドウ状の成形原料を調製した。表1に示すそれぞれの成分は、下記の通りである。なお、無機粒子の形状係数は前記の方法で測定した。また、無機粒子の一部について、形状係数測定のための顕微鏡写真(マイクロスコープ画像)と解析画像とを、図5〜7に示した。図5〜7は、無作為に行う20回の測定のうち、1回分の例を示したものである。
〔無機粒子〕
鱗状黒鉛1:Bogala Graphite Lanka Limited製「BP8083」、平均粒子径56μm、形状係数2.85
鱗状黒鉛2:中国青島閣▲キン▼石墨制品有限公司製「#285」、平均粒子径29μm、形状係数2.75
人造黒鉛1:日本黒鉛工業(株)製「切粉F」、平均粒子径150μm、形状係数1.99
人造黒鉛2:伊藤黒鉛工業(株)製「AGB−604」、平均粒子径101μm、形状係数1.85
人造黒鉛3:(株)中越黒鉛工業所製「G−30」、平均粒子径210μm、形状係数1.78
土状黒鉛1:(株)中越黒鉛工業所製「AE−1」、平均粒子径425μm、形状係数2.05
土状黒鉛2:帝研化工(株)製「土状黒鉛」、平均粒子径30μm
〔無機繊維〕
炭素繊維:PAN炭素繊維(三菱レーヨン(株)製、商品名「パイロフィルチョップドファイバー」、繊維長3mm)
〔熱硬化性樹脂〕
フェノール樹脂:旭有機材(株)製「KL−4000」
〔水溶性高分子化合物〕
CMC:カルボキシルメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬(株)製セロゲンWS−C)
〔熱膨張性粒子〕
F−105D:松本油脂製薬(株)製、商品名「マツモトマイクロスフェアーF−105D」(膨張開始温度130℃)
<鋳物製造用構造体の製造>
図1に示す中空棒状品に対応するキャビティを有する主型と中空を形成する芯材を備える成形型に、上記調製の成形原料をエア圧力1MPaで加熱された成形型へ充填した。成形型の温度は200℃とし、成形型の温度により分散媒由来の蒸気や、熱硬化性樹脂由来のガスを成型型外へ放出させつつ乾燥させ、外形11mm(中空部径5mm)×長さ380mmの図1に示す中空棒状品(鋳物製造用構造体)を得た。
<成形体の通気度測定方法>
JIS Z2601(1993)「鋳物砂の試験方法」に基づいて規定された、「消失模型用塗型剤の標準試験方法」(平成8年3月 社団法人日本鋳造工学会関西支部)の「5.通気度測定法」に従い、当該刊行物(24ページ図5−2)に記載された通気度測定装置(コンプレッサー空気通気方式)と同等原理の装置を用いて測定した。通気度Pは「P=(h/(a×p))×v」 で表わされる。式中はそれぞれ、h:試験片厚さ(cm)、a:試験片断面積(cm2)、p:通気抵抗(cmH2O)、v:空気の流量(cm3/min)である。
ここで、試験片厚さは前記成形体(中空棒状品)の肉厚すなわち「(外径−中空部直径)/2」とし、試験片断面積は「中空部直径×円周率×長さ」とした。
測定に際して、図2に示すとおり通気度試験器には前記成形体中空部に漏れなく接続できるようゴムチューブ及び接続冶具(パッキン)を取り付け、さらに前記中空棒状成形体の中空部片端に前記接続冶具を隙間無く接続し、もう片端をパッキン等で塞ぎ空気の漏れを防ぎ、そして測定を行った。
<鋳物の鋳造>
図3に示すように図1の中空中子を主型に配置した鋳型を使用し、下記溶湯を注入して下記形態の鋳物を鋳造した。
溶湯:鋳鉄 JIS FC300相当、溶湯温度1400℃
鋳物の形態:外径54mm、長さ280mm、中空部径11mmの中空棒状
鋳型(主型):シェルモールド鋳型で鋳物中心線を水平分割面とした上下割型
<鋳物の評価>
上記で得られた鋳物表面の欠陥を評点に換算して評価した。前記評点は、鋳物を軸方向に16分割のエリアに区切り、それぞれ上型側表面・下型側表面に発生し易い欠陥の有無で点数を集計して比較した。前記各エリアにおける点数は、下記(1)〜(5)の欠陥ごとに、存在しなければ1点、存在すれば0点とした。結果として、エリア毎に5点満点、鋳物全体で5×16=80点満点となる。結果を表1に示した。
<上型側表面>
(1)砂の焼着欠陥
(2)ピンホール欠陥(1mm以上の球状)
(3)クレーター状欠陥(3mm以上の浅い凹み)
<下型側>
(4)砂の焼着欠陥
(5)ピンホール欠陥(1mm以上の球状)
表1に示すように、実験例2、3、4及び6では、中空棒状品(鋳物製造用構造体)は適度な通気性を有する為、鋳物のガス欠陥に起因する欠陥(砂の燃着欠陥、ピンホール欠陥、クレーター状欠陥)が顕著に低減された鋳物が得られていることがわかる。これに対し、実験例1、5及び7は比較例であり、中空棒状品(鋳物製造用構造体)の通気性が十分ではないため、得られた鋳物における欠陥の発生を十分に低減できていないことがわかる。
実験例で製造した鋳物製造用構造体を模式的に示す斜視図である。 実験例で用いた成形体の通気度測定方法である。 実験例で用いた鋳型を示す概略図である。 鋳物表面の欠陥評価用に鋳物を軸方向に16分割した箇所を示す概略図である。 形状係数を測定した鱗状黒鉛1、2の顕微鏡写真と解析画像である。 形状係数を測定した人造黒鉛1、2の顕微鏡写真と解析画像である。 形状係数を測定した人造黒鉛3及び土状黒鉛1の顕微鏡写真と解析画像である。

Claims (20)

  1. 土状黒鉛及び人造黒鉛から選ばれる1種以上の無機粒子(以下、無機粒子Aという)、無機繊維及び熱硬化性樹脂を含有する鋳物製造用構造体であって、無機粒子A/無機繊維/熱硬化性樹脂の質量比率が50〜85/2〜16/2〜20であり、以下に定義される通気度が1〜500である鋳物製造用構造体。
    <鋳物製造用構造体の通気度>
    通気度P=(h/(a×p))×v
    式中、h:試験片厚さ(cm)、a:試験片断面積(cm )、p:通気抵抗(cmH O)、v:空気の流量(cm /min)である。
  2. 更に、水溶性高分子化合物を含有する請求項1記載の鋳物製造用構造体。
  3. 水溶性高分子化合物が増粘性の多糖類である請求項2記載の鋳物製造用構造体。
  4. 水溶性高分子化合物を、構造体中、0.5〜10質量%含有する請求項2又は3記載の鋳物製造用構造体。
  5. 無機繊維が、炭素繊維である請求項1〜の何れか1項記載の鋳物製造用構造体。
  6. 更に熱膨張性粒子として、熱可塑性樹脂の殻壁に、気化して膨張する膨張剤を内包したマイクロカプセルを含有し、
    マイクロカプセルの殻壁を構成する熱可塑性樹脂が、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はこれらの組み合わせであり、
    マイクロカプセルの殻壁に内包される膨張剤が、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソブタン、及び石油エーテルから選ばれる低沸点の有機溶剤であり、
    マイクロカプセルが、膨張前の平均粒径が5〜80μmで、80〜200℃での加熱により直径が3〜5倍、体積が50〜100倍に膨張するマイクロカプセルである、
    請求項1〜の何れか1項記載の鋳物製造用構造体。
  7. 前記鋳物製造用構造体が中子である請求項1〜の何れか1項記載の鋳物製造用構造体。
  8. 前記中子が中空中子である請求項記載の鋳物製造用構造体。
  9. 土状黒鉛及び人造黒鉛から選ばれる1種以上の無機粒子の平均粒子径が80〜3000μmである請求項1〜8の何れか1項記載の鋳物製造用構造体。
  10. 土状黒鉛及び人造黒鉛から選ばれる1種以上の無機粒子の形状係数が2.3〜1.0である請求項1〜9の何れか1項記載の鋳物製造用構造体。
  11. 土状黒鉛及び人造黒鉛から選ばれる1種以上の無機粒子(以下、無機粒子Aという)、無機繊維、熱硬化性樹脂を含有する鋳物製造用構造体用組成物であって、無機粒子A/無機繊維/熱硬化性樹脂の質量比率が50〜85/2〜16/2〜20であり、以下に定義される通気度が1〜500である鋳物製造用構造体の製造に用いられる、鋳物製造用構造体用組成物。
    <鋳物製造用構造体の通気度>
    通気度P=(h/(a×p))×v
    式中、h:試験片厚さ(cm)、a:試験片断面積(cm )、p:通気抵抗(cmH O)、v:空気の流量(cm /min)である。
  12. 土状黒鉛及び人造黒鉛から選ばれる1種以上の無機粒子の平均粒子径が80〜3000μmである請求項11記載の鋳物製造用構造体用組成物。
  13. 土状黒鉛及び人造黒鉛から選ばれる1種以上の無機粒子の形状係数が2.3〜1.0である請求項11又は12記載の鋳物製造用構造体用組成物。
  14. 更に、水溶性高分子化合物を含有する請求項11〜13の何れか1項記載の鋳物製造用構造体用組成物。
  15. 無機粒子A/無機繊維/熱硬化性樹脂/水溶性高分子化合物の質量比率が、固形分換算で、50〜85/2〜16/2〜20/1〜7(ただし該質量比率に用いる各成分の数値の合計は100である。)である、請求項14記載の鋳物製造用構造体用組成物。
  16. 鋳物製造用構造体用組成物中、紙繊維、フィブリル化した合成繊維、再生繊維等の有機繊維の含有量が0.1質量%以下である、請求項11〜15の何れか1項記載の鋳物製造用構造体用組成物。
  17. 請求項1116の何れか1項記載の鋳物製造用構造体用組成物を分散媒に分散させてドウ状の成形原料を調製した後、該ドウ状の成形原料を成形型内に充填し、該成形型を加熱して前記熱硬化性樹脂を硬化させて成形する、以下に定義される通気度が1〜500である鋳物製造用構造体の製造方法。
    <鋳物製造用構造体の通気度>
    通気度P=(h/(a×p))×v
    式中、h:試験片厚さ(cm)、a:試験片断面積(cm )、p:通気抵抗(cmH O)、v:空気の流量(cm /min)である。
  18. 更に熱膨張性粒子として熱可塑性樹脂の殻壁に、気化して膨張する膨張剤を内包したマイクロカプセルを前記分散媒に分散させて前記成形原料に該熱膨張性粒子を含ませ、前記成形型の加熱によって前記熱膨張性粒子を膨張させて成形する請求項17に記載の鋳物製造用構造体の製造方法であって、
    マイクロカプセルの殻壁を構成する熱可塑性樹脂が、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はこれらの組み合わせであり、
    マイクロカプセルの殻壁に内包される膨張剤が、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソブタン、及び石油エーテルから選ばれる低沸点の有機溶剤であり、
    マイクロカプセルが、膨張前の平均粒径が5〜80μmで、80〜200℃での加熱により直径が3〜5倍、体積が50〜100倍に膨張するマイクロカプセルである、
    鋳物製造用構造体の製造方法。
  19. 請求項1〜10の何れかに記載の鋳物製造用構造体を使用して溶融金属を鋳込む鋳造工程を具備する鋳物の製造方法。
  20. 鋳物製造用構造体が中空中子であり、鋳型内に該中空中子を、該中空中子の開口部の少なくとも1つが鋳型外に開放するように配置し、次いで、鋳型内に溶融金属を注湯する、請求項19記載の鋳物の製造方法。
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