本発明の第1の実施の形態について図1ないし図9を参照して説明する。
図1および図2において、1は農作業機で、この農作業機1は、例えば走行車であるトラクタ(図示せず)の後部に連結され、そのトラクタの走行により圃場(水田や畑等)を進行方向である前方に移動しながら耕耘整地作業する耕耘作業機である。
農作業機1は、図示しないトラクタの後部の3点リンク(農作業機昇降支持装置)に連結された機体2を備えている。
機体2は、前後方向の入力軸3が前方に向かって突設されたミッションケース4を左右方向中央部に有している。なお、入力軸3は、トラクタのPTO軸にジョイントを介して接続され、そのPTO軸の回転時に回転してトラクタ側からの動力を農作業機1側へ入力する。
ミッションケース4の左右の側面部には、左右方向長手状のフレームパイプ5の内端部がそれぞれ取り付けられている。
一方側である左側のフレームパイプ5の外端部である左端部には、箱状をなす左側軸支持体であるチェーンケース(一方側軸支持体)6の上端部が取り付けられている。また、他方側である右側のフレームパイプ5の外端部である右端部には、板状をなす右側軸支持体であるブラケット(他方側軸支持体)7の上端部が取り付けられている。
そして、これら互いに離間対向するチェーンケース6の下部およびブラケット7の下部間には、入力軸3側からの動力によって所定の回転方向(例えばダウンカット方向)に回転しながら耕耘作業をする耕耘手段(ロータリー)11が架設されている。
また、耕耘手段11の上方部は機体2の耕耘カバー10によって覆われており、この耕耘カバー10の後端部には、耕耘手段11の後方で整地作業をする板状の整地手段(均平板)12が左右方向の軸13を中心として上下方向に回動可能に設けられている。
なお、整地手段12と機体2との間には整地手段12の接地圧を調整するための接地圧調整手段15が設けられている。また、機体2の前部には、耕耘手段11の耕耘深さを調整するためのゲージ輪手段16が高さ位置調節可能に設けられている。
図2に示すように、耕耘手段11は、左右方向の回転中心軸線Xを中心として回転する左右方向長手状の回転軸体(耕耘軸体)21と、この回転軸体21に脱着可能に取り付けられ、耕耘作業をする複数の耕耘爪22とを有している。なお、耕耘爪22には、複数のボルト用孔22aが形成されている。
回転軸体21は、その軸方向両端部が機体2の左右の軸支持部20にて回転可能に支持されている。つまり、回転軸体21の軸方向一端部である左端部が、チェーンケース6の下部に設けられた円筒状の軸支持部20にて回転可能に支持され、かつ、回転軸体21の軸方向他端部である右端部が、ブラケット7の下部に設けられた円筒状の軸支持部20にて回転可能に支持されている。
なお、左右の各軸支持部(軸受部)20は、例えばベアリング17、止め輪18、ボス(軸受ハウジング)19およびフローティングシール23にて構成されている(図4および図8参照)。図4では、フローティングシール23の図示を省略している。
また、この回転軸体21の軸方向両端部には、機体2の軸支持部20の外周部(外周面)への雑物(草や稲わら等)の巻付きを防止する巻付防止手段25がそれぞれ取り付けられている。
そして、各巻付防止手段(巻付防止用ナット群)25によって、機体2の軸支持部20の外周部の全周(略全周を含む)が覆われている。つまり、回転軸体21の左端側の巻付防止手段(複数の特殊ナット)25によってチェーンケース6側の軸支持部20の外周部の全周が覆われ、かつ、回転軸体21の右端側の巻付防止手段(複数の特殊ナット)25によってブラケット7側の軸支持部20の外周部の全周が覆われている。
なお、左側の巻付防止手段25と右側の巻付防止手段25とは、左右対称に構成されている点が異なるのみで、基本的な構成は同一である。また、チェーンケース6の下部にはチェーンケースガード26が固着され、ブラケット7の下部にはブラケットガード27が固着されている。さらに、チェーンケース6は、上下方向長手状の板部6aと、この板部6aに固着されたカバー部6bとにて構成されている。
また、ブラケットガード27は、図8および図9に示されるように、回転軸体21の軸方向端面を覆うように機体2のブラケット7の下部に固着されている。このブラケットガード27は、従来のものに比べて下方に延びた形状となっている。このため、巻付防止手段25の少なくとも下部が、側面視でブラケットガード27と重なり合っている。換言すると、側面視で巻付防止手段25の下部がブラケットガード27よりも下方に突出していない。なお図示しないが、例えば側面視で巻付防止手段25の下部(最下端の部分)がブラケットガード27よりも下方に突出した構成でもよい。
この図8および図9に示す例では、ブラケットガード27の下端(最下端の部分)27aは、側面視で円筒状の巻付防止手段25の外周縁(最下端の部分)と一致しているが、巻付防止手段25の外周縁よりも下方に位置するようにしてもよい。
ここで、図2ないし図4に示すように、回転軸体21は、左右方向(軸方向)に間隔をおいて並ぶ円板状の耕耘爪取付部(フランジ)30を有する耕耘軸31と、この耕耘軸31の左端部の耕耘爪取付部30に取り付けられたスプライン軸(左軸)32と、耕耘軸31の右端部の耕耘爪取付部30に取り付けられた右軸33とを有している。
スプライン軸32および右軸33の各々は、左右方向の軸状部36と、この軸状部36の内端部に一体に設けられた円板状の板状部(フランジ)37とにて構成されている。
そして、互いに対向して重なり合った板状部37と耕耘爪取付部30とにて、回転軸体21の左右の最外端のフランジ部(軸端フランジ部)40が構成されている。このフランジ部40は、回転軸体21の軸方向両端部にそれぞれ位置し、このフランジ部40には、複数のボルト用孔40aが形成されている。
なお、スプライン軸32の軸状部36には、スプロケット38がスプライン嵌合されてダブルナット39で固定されている。そして、このスプロケット38には、チェーンケース6内に配設されたチェーン(図示せず)が巻き掛けられている。
また、巻付防止手段(左側の巻付防止手段)25は、図4ないし図7にも示すように、例えば複数(例えば2つ)の第1巻付防止用ナット41と、この第1巻付防止用ナット41とは形状が若干異なる複数(例えば2つ)の第2巻付防止用ナット42とにて構成されている。つまり、左右両側の各巻付防止手段25は、回転軸体21の回転方向に互いに近接(接触を含む)した状態で並んで位置する複数(例えば4つ)の巻付防止用ナット41,42にて構成されている。
そして、少なくとも2種の第1巻付防止用ナット41および第2巻付防止用ナット42のうちいずれか一方のみ、すなわち例えば第1巻付防止用ナット41のみが、ボルト43によって回転軸体21のフランジ部40に耕耘爪22とともに共締めされて脱着可能に取り付けられている。
第1巻付防止用ナット41は、図6(a)ないし(c)等に示すように、例えば平板状のナット部材51と、このナット部材51の端面に溶接等によって固着された円弧板状の巻付防止部材52とにて一体に構成された金属製の特殊ナットである。なお、別体である2つの部材51,52からなるものではなく、例えば1つの部材で構成してもよい。
そして、第1巻付防止用ナット41は、複数、すなわち例えば2つのねじ孔53が形成された平板状で回転軸体21の回転方向に長手状をなすナット部(板状ナット部)54を有している。
ナット部54の回転中心軸線X側の内端面(幅方向一端面)には、軸支持部20の円筒面状の外周面の一部に沿ってその外周面に近接(接触を含む)して位置する位置決め用の円弧面55が形成されている。
ナット部54の回転中心軸線X側とは反対側の外端面(幅方向他端面)には、軸支持部20の外周面から径方向外方に少し離れた位置で、その軸支持部20の外周面の一部を覆う円弧板状の巻付防止部56がナット部54の板厚方向に幅方向を有するように固設されている。
巻付防止部56は、回転軸体21の回転中心軸線Xを中心とする回転方向に沿って細長い円弧板状に形成されている。そして、この巻付防止部56は、ナット部54からチェーンケース6側(左側方)に向かって突出しており、この巻付防止部56とチェーンケース6の板部6aとの間にはわずかな隙間(例えば1mm〜2mm程度)57が存在している(図4参照)。なお、これら巻付防止部56およびチェーンケース6間に隙間57が存在しないようにしてもよい。
また、巻付防止部56の長手方向一端部の側面からは、この巻付防止部56と同一面上に位置するように円弧状に湾曲した矩形板状の突出部58が回転軸体21のフランジ部40側(回転軸体21の軸方向中央部側)、つまりチェーンケース6側とは反対側(右側方)に向かって一体に突出している。そして、この突出部58は、フランジ部40の外周面に近接(接触を含む)して位置しており、この突出部58の先端部分58aはフランジ部40よりも右側方に突出して位置している。
第2巻付防止用ナット42は、図7(a)ないし(c)等に示すように、第1巻付防止用ナット41と同様、例えば平板状のナット部材61と、このナット部材61の端面に溶接等によって固着された円弧板状の巻付防止部材62とにて一体に構成された金属製の特殊ナットである。なお、別体である2つの部材61,62からなるものではなく、例えば1つの部材で構成してもよい。
そして、第2巻付防止用ナット42は、複数、すなわち例えば2つのねじ孔63が形成された平板状で回転軸体21の回転方向に長手状をなすナット部(板状ナット部)64を有している。
ナット部64の回転中心軸線X側の内端面(幅方向一端面)には、軸支持部20の円筒面状の外周面の一部に沿ってその外周面に近接(接触を含む)して位置する位置決め用の円弧面65が形成されている。
ナット部64の回転中心軸線X側とは反対側の外端面(幅方向他端面)には、軸支持部20の外周面から径方向外方に少し離れた位置で、その軸支持部20の外周面の一部を覆う円弧板状の巻付防止部66がナット部64の板厚方向に幅方向を有するように固設されている。
巻付防止部66は、回転軸体21の回転中心軸線Xを中心とする回転方向に沿って細長い円弧板状に形成されている。なお、この巻付防止部66は、前記第1巻付防止用ナット41の巻付防止部56よりも少し長い。そして、この巻付防止部66は、ナット部64からチェーンケース6側(左側方)に向かって突出しており、この巻付防止部66とチェーンケース6の板部6aとの間にはわずかな隙間(例えば1mm〜2mm程度)67が存在している(図4参照)。なお、これら巻付防止部66およびチェーンケース6間に隙間67が存在しないようにしてもよい。
また、巻付防止部66の長手方向一端部の側面からは、この巻付防止部66と同一面上に位置するように円弧状に湾曲した矩形板状の突出部68が回転軸体21のフランジ部40側(回転軸体21の軸方向中央部側)、つまりチェーンケース6側とは反対側(右側方)に向かって一体に突出している。そして、この突出部68は、フランジ部40の外周面に近接(接触を含む)して位置しており、この突出部68の先端部分68aはフランジ部40よりも右側方に突出して位置している。
そして、この第2巻付防止用ナット42は、そのナット部64がボルト43によって回転軸体21のフランジ部40の板状部37に直接取り付けられて固定されている。
これに対し、第1巻付防止用ナット41は、そのナット部54がボルト43によって回転軸体21のフランジ部40の板状部37に耕耘爪22を介して取り付けられて固定されている。つまり、ねじ孔53へのボルト43の螺合締付けによって、第1巻付防止用ナット41のナット部54と回転軸体21のフランジ部40とで耕耘爪22の基端部が挟持固定されている。
こうして、複数の第1巻付防止用ナット41の円弧板状の巻付防止部56と複数の第2巻付防止用ナット42の円弧板状の巻付防止部66とによって、機体2の軸支持部20の外周部の全周、すなわち例えば軸支持部20の外周面の全体(略全体を含む)が覆われている。
次に、上記農作業機1の作用等を説明する。
トラクタの後部に農作業機1を連結して、そのトラクタの走行により農作業機1を前方に移動させると、耕耘手段11の各耕耘爪22が回転軸体21と一体となって回転中心軸線Xを中心として所定の回転方向に回転しながら耕耘作業をし、この耕耘手段11の後方では、整地手段12が整地作業をして圃場面を平らにする。
この際、耕耘手段11の回転軸体21の軸方向両端側の位置において、その回転軸体21を回転可能に支持した軸支持部20の外周部がその全周にわたって巻付防止手段(巻付防止用ナット41,42)25によって覆われている。
このため、圃場における草や稲わら等の雑物が、軸支持部20の外周部に巻付くようなことはない。また、草や稲わら等の雑物が、巻付防止部56,66およびチェーンケース6間の隙間57,67や、巻付防止部56,66およびブラケット7間の隙間57,67から、巻付防止部56,66と軸支持部20の外周部との間の空間部70に入り込むようなこともない。
そして、農作業機1によれば、各巻付防止手段25によって機体2の軸支持部20の外周部の全周が覆われているため、軸支持部20の外周部への雑物の巻付きを適切に防止できる。
また、各巻付防止手段25を構成する複数(例えば4つ)の巻付防止用ナット41,42の各々は、ボルト43を螺合するねじ孔53,63が形成された板状のナット部54,64と、このナット部54,64に設けられ軸支持部20の外周部を覆って雑物の巻付きを防止する板状の巻付防止部56,66と、この巻付防止部56,66から回転軸体21の軸方向中央部側であるフランジ部40側に向かって突出する板状の突出部58,68とを有するため、巻付防止部56,66によって雑物の巻付きを適切に防止でき、かつ、突出部58,68によって回転軸体21のフランジ部40を覆って磨耗等から保護でき、しかも、突出部58,68は巻付防止用ナット41,42を持つ際の摘みとしても利用できる。
さらに、例えばメンテナンス時や爪交換時等において、ボルト43を用いて巻付防止用ナット41,42をフランジ部40に取り付ける場合には、巻付防止用ナット41,42の円弧面55,65を軸支持部20のボス19の外周面に当てることによって、ナット部54,64のねじ孔53,63とフランジ部40のボルト用孔40aとを互いに一致させることができるため、孔合わせが簡単で、フランジ部40に対する巻付防止用ナット41,42の取付作業を容易に行うことができる。
次に、図10ないし図12には、第2の実施の形態に係る農作業機1の巻付防止手段25が示されている。
この巻付防止手段25では、軽量化のため、第1巻付防止用ナット41のナット部54の厚さが一定ではなく部分的に薄くなっている。すなわち例えば、板状のナット部54のうち、ねじ孔53の周囲部分54a以外の部分54bが、そのねじ孔53の周囲部分54aよりも薄く形成されている。
また同様に、軽量化のため、第2巻付防止用ナット42のナット部64の厚さが一定ではなく部分的に薄くなっている。すなわち例えば、板状のナット部64のうち、ねじ孔63の周囲部分64a以外の部分64bが、そのねじ孔63の周囲部分64aよりも薄く形成されている。なお、ねじ孔53,63の周囲部分54a,64aの厚さ寸法は、例えば第1の実施の形態における厚さ一定のナット部54,64の厚さ寸法と同じ(略同じを含む)である。
次に、図13ないし図15には、第3の実施の形態に係る農作業機1の巻付防止手段25が示されている。
この巻付防止手段25では、軽量化のため、第1巻付防止用ナット41のナット部54の回転方向に沿った長さが、巻付防止部56の回転方向に沿った長さよりも短くなっている。すなわち例えば、図14に示すナット部54は、図6に示すナット部54において、軸支持部20の外周に沿う部分のみを残して他の部分を削り取った形状となっている。
また同様に、軽量化のため、第2巻付防止用ナット42のナット部64の回転方向に沿った長さが、巻付防止部66の回転方向に沿った長さよりも短くなっている。すなわち例えば、図15に示すナット部64は、図7に示すナット部64において、軸支持部20の外周に沿う部分のみを残して他の部分を削り取った形状となっている。
次に、図16ないし図18には、第4の実施の形態に係る農作業機1の巻付防止手段25が示されている。
この巻付防止手段25では、フランジ部40側へ突出する突出部58、68の大きさが、前記各実施の形態に係る突出部58、68に比べて大きくなっている。すなわち例えば、第1巻付防止用ナット41の突出部58は耕耘爪22に干渉しない程度に大きくし、第2巻付防止用ナット42の突出部68は巻付防止部66と同じ程度に大きくしたものである。この突出部68の回転方向に沿った長さが例えば巻付防止部66の回転方向に沿った長さと同じ(略同じを含む)になっている。
また、前記いずれの実施の形態においても、第1巻付防止用ナット41と第2巻付防止用ナット42とが異なる形状である構成について説明したが、第1巻付防止用ナット41と第2巻付防止用ナット42とが同じ形状であってもよい。
また、回転方向に隣り合う第1巻付防止用ナット41および第2巻付防止用ナット42間にはわずかな間隙が存在するが、例えば間隙が存在しないように隣り合う両ナット41,42同士を互いに当接させた構成でもよい。また、隣り合う両ナット41,42間に所定寸法の間隙が存在するように巻付防止手段25が軸支持部20の外周部の略全周を覆うようにしてもよい。
次に、図19ないし図24に示す第5の実施の形態に係る農作業機1について説明する。
この第5の実施の形態では、左側(進行方向左側)のチェーンケース6の下部に固着された左側ガード体であるチェーンケースガード26の形状が前記実施の形態のものとは少し異なっており、かつ、右側(進行方向右側)のブラケット7の下部に固着された右側ガード体であるブラケットガード27の形状が前記実施の形態のものとは少し異なっている。
まず、チェーンケースガード26は、チェーンケース6の外側面を覆う板状の側面覆い部71と、この側面覆い部71の下端部に連設されチェーンケース6の下面を覆う板状で円弧状の下面覆い部72とを有し、この下面覆い部72の途中には段差部分73が形成されている。
そして、左側の円筒状(略円筒状を含む)の巻付防止手段25の少なくとも下部は、側面視でチェーンケースガード26と重なり合っている(図24参照)。
ここで図21に示すように、チェーンケースガード26の下面覆い部72の内端面は、巻付防止手段25の外端面と対向しており、これら両者間には隙間75が存在している。そして、側面視では、チェーンケースガード26の下面覆い部72と、巻付防止手段25の円弧板状の巻付防止部56,66(第1巻付防止用ナット41の巻付防止部56および第2巻付防止用ナット42の巻付防止部66の少なくともいずれか一方)とが、所定の重なり寸法Aをもって互いに重なり合っている。
また、チェーンケースガード26の下面覆い部72は、チェーンケース6の下方に位置しており、これらチェーンケース6の下面と下面覆い部72の上面との間には空間部76が存在している。
ここで図21に示すように、チェーンケースガード26の下面覆い部72の先端部分72aは、チェーンケース6の板部6aの下方に位置している。このため、平面視では、チェーンケース6の板部6aと、チェーンケースガード26の下面覆い部72とが、所定の重なり寸法Bをもって互いに重なり合っている。
次いで、ブラケットガード27は、ブラケット7の外側面および軸端面カバー板80の外側面を覆う板状の側面覆い部81と、この側面覆い部81の下端部に連設されブラケット7の下面を覆う円弧状の下面覆い部82とを有している。
そして、右側の円筒状(略円筒状を含む)の巻付防止手段25の少なくとも下部は、側面視でブラケットガード27と重なり合っている(図24参照)。
ここで図23に示すように、ブラケットガード27の下面覆い部82の内端面は、巻付防止手段25の外端面と対向しており、これら両者間には隙間85が存在している。そして、側面視では、ブラケットガード27の下面覆い部82と、巻付防止手段25の円弧板状の巻付防止部56,66(第1巻付防止用ナット41の巻付防止部56および第2巻付防止用ナット42の巻付防止部66の少なくともいずれか一方)とが、所定の重なり寸法Cをもって互いに重なり合っている。
また、ブラケットガード27の下面覆い部82は、ブラケット7の下方に位置しており、これらブラケット7の下面と下面覆い部82の上面との間には空間部86が存在している。
ここで図23に示すように、ブラケットガード27の下面覆い部82は、ブラケット7を構成する板部7aの下方に位置している。このため、平面視では、ブラケット7の板部7aと、ブラケットガード27の下面覆い部82とが、所定の重なり寸法Dをもって互いに重なり合っている。
さらに、図24に示すように、左側のチェーンケースガード26の下端(最下端の部分)26aと、右側のブラケットガード27の下端(最下端の部分)27aとは、同じ高さ(略同じ高さを含む)に位置している。なお、各ガード26,27の下端26a,27aは、巻付防止手段25の外周縁(最下端の部分)と一致しているか、或いは、巻付防止手段25の外周縁(最下端の部分)よりも下方に位置している。また、例えば巻付防止手段25の外周縁(最下端の部分)が各ガード26,27の下端26a,27aよりも下方に位置した構成でもよい。
すなわち例えば、この第5の実施の形態では、チェーンケースガード26の下端26aがブラケットガード27の下端27aよりも若干下方に配置されている。
換言すると、農作業機1の作業姿勢時において、回転中心軸線Xと下端(最下端点)26aとの間の垂直距離a(例えば124mm)は、回転中心軸線Xと下端(最下端点)27aとの間の垂直距離b(例えば113mm)よりも若干長い。
また、例えば図示しないが、逆に、回転中心軸線Xと下端(最下端点)26aとの間の垂直距離aが、回転中心軸線Xと下端(最下端点)27aとの間の垂直距離bよりも若干短くてもよく、また、例えば図25に示すように、それら2つの垂直距離aと垂直距離bとが等しくてもよい。すなわち例えば、長い方の垂直距離が短い方の垂直距離に対して、1.0〜1.2倍の距離であればよい。なお、第5の実施の形態におけるその他の構成は、前記第1の実施の形態と基本的に同じである。
そして、第5の実施の形態の農作業機1によれば、巻付防止手段25によって機体2の軸支持部20の外周部への雑物の巻付きを適切に防止できる等の作用効果を奏するのみならず、チェーンケースガード26によってチェーンケース6を適切に保護でき、ブラケットガード27によってブラケット7を適切に保護できる。
また、チェーンケースガード26の下端26aとブラケットガード27の下端27aとが同じ高さに位置するため、耕耘作業時において、耕耘手段11の傾きを減少させることができる。
なお、例えば図示しないが、ガード体(チェーンケースガード26、ブラケットガード27)の一部が、巻付防止手段25の下方に位置して当該巻付防止手段25の下面を覆う構成としてもよい。
また、ガード体(チェーンケースガード26、ブラケットガード27)の形状は、図示したものには限定されず、例えばチェーンケースガード26に段差部分73が形成されていないもの等でもよい。
なお、本発明のいくつかの実施の形態およびその変形例について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、前記各実施の形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。