JP2016207694A - プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】埋め込み配線導体層と接続導体との境界部のクラックや、ヒートサイクルによる熱応力での剥離の抑制。【解決手段】第1面20aおよびその反対面の第2面20bを有する樹脂絶縁層20の第1面20aに埋め込み配線導体層21が埋め込まれて一面のみが露出している。この埋め込み配線導体層21と接続され、樹脂絶縁層20の第2面20b側に端面25aが露出するように接続導体25が形成されている。本実施形態では、例えばこの埋め込み配線導体層21と接続導体25とが電解めっきにより同時に形成されることにより、一体型に形成されている。【選択図】図1A
Description
本発明は樹脂絶縁層の第1面に埋め込み配線導体層を有し、埋め込み配線導体層に接続されて第2面側に端面が露出するように形成される接続導体を有するプリント配線板およびその製造方法に関する。
特許文献1は、片面回路基板を開示している。すなわち、絶縁性硬質基板の一方の面上に金属箔から形成された導体回路(導体層)が形成される。そして、この導体回路に絶縁性硬質基板の他方の面から導体回路に達する貫通孔が形成される。この貫通孔内に導電性ペーストが埋め込まれる。これにより絶縁性硬質基板の一方の面に導体回路が形成され、絶縁性硬質基板の他方の面には導体回路と接続された導体の端部のみが露出する片面回路基板になっている。
特許文献1の回路基板では、導体回路を形成する導体層が絶縁性硬質基板の表面上に形成されている。そのため、配線パターンをファインピッチ化すると、絶縁性硬質基板との接触面積が少なくなると考えられる。密着性が低下することが予想される。また、半導体素子の接続部間で接合材が流れて接触しやすくなると考えられる。ショート状態になることが予想される。また、特許文献1の回路基板は、導体回路と接続される導体が絶縁性硬質基板にレーザ加工により形成される穴内に導電性ペーストを充填することで形成されている。そのため、穴の形状は、加工をする側で大きく、接続する導体回路側で小さくなると考えられる。すなわち、接続する導体(導電性ペースト)はテーパ形状になり、導体層との接続部の面積は小さくなると考えられる。しかも加工した絶縁材の残渣が残リやすいと考えられる。しかも、ペーストの埋め込みにより形成されるため、ファインピッチ化により小さい加工穴になると、より一層接続の信頼性が低下することが予想される。
本発明のプリント配線板は、第1面およびその反対面の第2面を有する樹脂絶縁層と、該樹脂絶縁層の第1面に埋め込まれて一面のみが露出する埋め込み配線導体層と、前記埋め込み配線導体層と接続され、前記樹脂絶縁層の第2面側に端面が露出するように形成される接続導体と、を備えている。そして、前記埋め込み配線導体層と前記接続導体とが一体的に形成されている。
本発明のプリント配線板の製造方法は、樹脂絶縁層に埋め込まれた埋め込み配線導体層と、該埋め込み配線導体層と接続された接続導体とを有するプリント配線板の製造方法である。その製造方法は、金属膜を準備することと、前記金属膜上に、前記埋め込み配線導体層の配線パターンおよび前記接続導体に合せた凹部を有する前記樹脂絶縁層を形成することと、前記樹脂絶縁層に形成された凹部内に電解めっきにより導体層を埋め込むことにより、前記埋め込み配線導体層と前記接続導体とを形成することと、を含む。
本発明の実施形態のプリント配線板によれば、埋め込み配線導体層と、外部の基板などに接続される接続導体との間にクラックなどが入り難い。信頼性の高いプリント配線板が得られる。
本発明の実施形態のプリント配線板の製造方法によれば、信頼性の高いプリント配線板を容易に、かつ効率よく製造することができる。
つぎに、本発明の一実施形態のプリント配線板が図面を参照しながら説明される。本実施形態のプリント配線板10は、図1Aに示されるように、第1面20aおよびその反対面の第2面20bを有する樹脂絶縁層20の第1面20aに埋め込み配線導体層21が埋め込まれて一面のみが露出している。この埋め込み配線導体層21と接続され、樹脂絶縁層20の第2面20b側に端面25aが露出するように接続導体25が形成されている。本実施形態では、例えばこの埋め込み配線導体層21と接続導体25とが電解めっきにより同時に形成されることにより、一体的に形成されていることに特徴がある。
実施形態の埋め込み配線導体層21は、その露出する一面が樹脂絶縁層20の第1面20a側に露出するように、樹脂絶縁層20の第1面20a側に全体が埋め込まれている。従って、埋め込み配線導体層21と樹脂絶縁層20とは、埋め込み配線導体層21の裏面(一面と反対面)だけではなく、埋め込み配線導体層21の側面においても接触している。側面とは、具体的には、埋め込み配線導体層21に形成されている第1パターン21aや第2パターン21bの側面である。このため、第1パターン21aや第2パターン21bがファインピッチで形成され、埋め込み配線導体層21の裏面の面積が小さくなっても、埋め込み配線導体層21と樹脂絶縁層20との密着性は低下し難い。また、埋め込み配線導体層21の樹脂絶縁層20内への埋め込みにより、プリント配線板10が薄くされ得る。さらに、実施形態では、埋め込み配線導体層21と接続導体25とが一体的に形成されている。この一体化により、埋め込み配線導体層21と接続導体26との境界部でクラックや、ひび割れが入り難い。非常に信頼性が向上する。
すなわち、製造方法の一例が後述されるように、例えば樹脂絶縁層20に埋め込み配線導体層21および接続導体25の形状に相当する凹部が形成される。そして、その凹部内に、例えばめっきにより埋め込み配線導体層21と接続導体25とが同時に形成される。そのため、例えば樹脂絶縁層20の一部を除去して形成された開口部内に露出する銅箔に電解めっきなどにより導体層が接続される場合とは異なる。すなわち、導体層上に形成された樹脂絶縁層を開口部の形成のために除去しても、完全に樹脂絶縁層が除去されないかもしれない。また、除去の際に発生する残渣が導体層上に付着するかもしれない。その場合、その上に形成される導体層と露出した導体層との密着性は低下することが予想される。製品化後の使用段階におけるヒートサイクルなどによる応力で、その境界部にひび割れやクラックが入ったりしやすいと予想される。実施形態によれば、樹脂絶縁層に形成される埋め込み配線導体層用の凹部と接続導体用の凹部内に電解めっきにより導体層が形成されている。従って、埋め込み配線導体層21と接続導体25との間に樹脂や残渣が入り込む余地がない。埋め込み配線導体層21と接続導体25とが完全に連続して一体的に形成されている。その結果、この境界部でクラックやひび割れが入り難くなる。
実施形態によれば、接続導体25および埋め込み配線導体層21の各パターン21a、21bは、前述のように、樹脂絶縁層20に形成された凹部に導体が埋め込まれることにより形成される。この凹部の形成は、例えば樹脂の軟化した状態で金型を圧入するインプリント法により形成される。またはLPP法(レーザによりパターニングするプロセス)で加工することにより形成される。インプリント法では、埋め込み配線導体層21の各パターンと接続導体25の部分を凸にした形状で金型が形成される。または、そのようなパターンと略同じ形状の凸部を内部に有する樹脂注入用の金型を形成して、トランスファーモールド法またはインジェクションモールド法により樹脂絶縁層が形成されてもよい。要は、埋め込み配線導体層21などのパターンと略同じ形状の凸部を有する金型により形成された凹凸を有する樹脂絶縁層20が形成される。そして、その凹部内に例えば電解めっき法により導体層が形成される。そうすることにより、樹脂絶縁層20内に埋め込まれた埋め込み配線導体層21と接続導体25が一体化されて形成される。その結果、埋め込み配線導体層21と接続導体25との間に不純物が入る余地がなくなる。完全に連続して一体化している。このため、この境界部でひび割れや、クラックが入り難い。
樹脂絶縁層に形成される凹部は、前述のように、埋め込み配線導体層21が埋め込まれる側から金型またはレーザ加工により形成される。そのため、図1Bに接続導体25の部分が拡大断面図で誇張して示されるように、樹脂絶縁層20の第1面20a側の幅Aが広くなる。樹脂絶縁層20の第2面20b側の幅Bは狭く形成される。すなわち、従来の樹脂絶縁層を先に形成する場合と異なる。レーザ光などにより導通用孔が形成されて、接続される埋め込み配線導体層21を露出させる場合には、接続される埋め込み配線導体層21側が開口の際の奥側になる。そのため、埋め込み配線導体層21側で孔が小さくなる。埋め込み配線導体層21と接続導体25との境界部の面積も小さくなる。しかし、実施形態では、この境界部分の面積の方が逆に大きくなる。その結果、一体化による境界部の接合の確実さの他にも広い面積で接合している効果がある。ヒートサイクルなどにより両者間に応力が働いても、より一層境界部でのクラックなどが入り難くなる。
なお、接続導体25の外形は、前述の金型による凹凸が樹脂絶縁層20に形成されるので、その金型の凸部の形状により定まる。円形に限らず、角形でも、楕円形状でも、星形でも、自由な形状に形成される。また、この金型の外表面に0.05〜10μm程度の高さの突起部が形成されることにより、樹脂絶縁層20の凹部の内面に細かい傷穴程度の凹凸が形成される。この凹部内に電解めっき法などにより導体層が充填される。その結果、その傷穴程度の凹部内にも導体層が埋め込まれる。アンカー効果により、導体層と樹脂絶縁層20との密着性が向上する。この樹脂絶縁層20の凹部内の凹凸の形成は、このような金型に凹凸を形成する方法に限定されない。例えば樹脂絶縁層の樹脂内に、化学的にエッチングされやすい粒状物を混ぜておき、凹部が形成された後に、樹脂層をエッチングすることもできる。
樹脂絶縁層20としては、熱硬化性樹脂が好ましい。樹脂絶縁層20は、熱膨張率が1〜30ppm/℃、かつ、弾性率が5〜30GPaのモールド成形用樹脂材料であることが好ましい。例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂や尿素樹脂などのアミノ樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ変成ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂などが挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、単独で用いられてもよい。または2種類以上の混合樹脂が用いられてもよい。
上記熱硬化性樹脂には硬化剤が用いられる。その硬化剤としては、例えば、ポリフェノール系硬化剤、ポリアミン系硬化剤、カルボン酸ヒドラジド類、ジアミノマレオニトリル類、ジシアンジアミド、イミダゾール類ポリアミンのナイロン塩およびリン酸塩、ルイス酸およびそのアミン錯体などの使用が使用され得る。これらの硬化剤は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
また、この樹脂絶縁層は、少なくとも一部に熱硬化性樹脂が用いられることを条件として、この熱硬化性樹脂と他の樹脂との複合樹脂であってもよい。例えば、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を混合した樹脂であることが望ましい。このような複合樹脂中には、熱硬化性樹脂を含有しているので、熱硬化後に再軟化することはない。熱硬化性樹脂と同様に上述したような利点を具える。
複合樹脂における熱可塑性樹脂の混合割合は、固形分で10〜70wt%程度である。15〜50wt%の場合がより好適である。その理由は、10wt%未満では、熱可塑性樹脂を混合することで期待される強靭化の効果を奏することができないからであり、70wt%を越えると、熱可塑が支配的になり、インプリント法に適しない樹脂絶縁層となってしまうからである。
上記熱可塑性樹脂の例としては、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオキシベンゾエート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアセタール、ポリカーボネートなどが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いてもよい。また、2種類以上が併用されてもよい。
上記樹脂絶縁層を構成する熱硬化性樹脂以外の樹脂としては、感光性を付与した熱硬化性樹脂が用いられてもよい。このような樹脂もまた、熱硬化成分と光硬化成分を含有している。従って、熱硬化後あるいは光硬化後に再軟化することはなく、熱硬化性樹脂と同様に多層化が可能となる。
上記の感光性を付与した熱硬化型樹脂の例としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂や尿素樹脂などのアミノ樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ変成ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂などの熱硬化性樹脂の熱硬化に寄与する官能基の一部を感光基で置換したものなどが使用され得る。
なお、金型を形成する材料としては、金属またはセラミックスが用いられる。例えば、金属製の金型としては、ニッケル、銅、クロム等が、またセラミックス製の金型としては、ガラス、シリコン、カーボン、窒化アルミニウムなどを用いることができる。
埋め込み配線導体層21には、前述のように、第1パターン21aおよび第2パターン21bが形成されている。実施形態では、第1パターン21aは、樹脂絶縁層20の第2面20b側でプリント配線板10と接続される他のプリント配線板(図示せず)などと電気的に接続される配線パターンである。ここで、他のプリント配線板とは、プリント配線板10が用いられる電子機器などのマザーボードまたはインターポーザであってもよい。または、プリント配線板10と共に多層配線板を構成する、絶縁層と導体層との積層体であってもよい。または、第2パターン21bは、例えば半導体素子(図示せず)などが接続される接続パッドであってもよい。また、埋め込み配線導体層21には、第1および第2パターン21a、21b以外の配線パターンが形成されていてもよい。例えば、第2パターン21bに接続される半導体素子の電極のうち外部と電気的に接続されるものは、埋め込み配線導体層21に形成される配線パターン(図示せず)を介して、第1パターン21aおよび接続導体25と電気的に接続される。埋め込み配線導体層21に形成される配線パターンは、第2パターン21bと第1パターン21aとを接続するように形成される。
樹脂絶縁層20の凹部内に、埋め込み配線導体層21および接続導体25が形成されている。従って、結果的に、埋め込み配線導体層21や接続導体25は樹脂絶縁層20内に埋め込まれている。樹脂絶縁層20の第1面20a側には埋め込み配線導体層21の一面が露出している。樹脂絶縁層20の反対側の第2面20b側には接続導体25の端面25aが露出している。樹脂絶縁層20の厚さは、特に限定されない。例えば50〜200μm程度にされる。プリント配線板10への薄型化の要求と、取扱いが容易な一定の剛性を有するという観点から樹脂絶縁層20の厚さが定まる。樹脂絶縁層20の材料は前述のとおりである。
図1Aに示される実施形態のプリント配線板10では、埋め込み配線導体層21の一面は、樹脂絶縁層20の第1面20aより第2面20b側に位置している。埋め込み配線導体層21が樹脂絶縁層20の第1面20aよりも凹むように形成されている。これにより、電極が狭ピッチで配置された図示しない半導体素子が、接合材などにより第2パターン21bなどに接続される場合でも、第2パターン21b間の樹脂絶縁層20の部分が壁となる。その結果、隣接する第2パターン21b間で接合材などが接触して電気的にショート状態となることが防止され得る。また、後述するように、接続導体25の端面25aも、樹脂絶縁層20の第2面20bより凹んでいる。この接続導体25の端面25aの凹みは、埋め込み配線導体層21の一面の樹脂絶縁層20の第1面20aからの凹み量よりも大きい。しかし、必要に応じて接続導体25の端面25aの凹み量が小さくされてもよい。この埋め込み配線導体層21の樹脂絶縁層20の第1面からの凹み量は、例えば1〜7μm程度である。このような凹み部があることにより、隣接するパターン間のショートが防がれ易い。
埋め込み配線導体層21の露出面および接続導体25の端面25aには、表面保護膜が形成されていてもよい。表面保護膜は、酸化などの腐食に対して埋め込み配線導体層21や接続導体25を保護する。表面保護膜は、例えばハンダなどの接合材やボンディングワイヤなどとの良好な接合性を得るために導体層21の一面や接続導体25の端面25a上に形成される膜であってよい。また、表面保護膜は、埋め込み配線導体層21の一面と接続導体25の端面25aとの両方に形成されてもよく、または、いずれか一方だけに形成されてもよい。
埋め込み配線導体層21は、例えば銅の電解めっき膜である。導電性がよく、安価で容易に形成され得る。しかしながら、埋め込み配線導体層21は、電解めっき法以外の方法で形成されてもよい。なお、接続導体25の端面25aは、後述されるプリント配線板10の製造方法において詳述されるように、金属膜81(図2H参照)がエッチングにより除去されるときにエッチングされる。金属膜81が全て溶解した後も確実にエッチング除去されるように、エッチングが適切な時間継続されることによる。そのため、樹脂絶縁層20の第2面20bよりも凹み得る。この金属膜81のエッチング工程において、埋め込み配線導体層21の露出面側にマスクが形成されていれば、埋め込み配線導体層21は全くエッチングされることがない。その場合、樹脂絶縁層20の第1面と面一を維持する。しかし予め埋め込み配線導体層21の表面がエッチングされていれば、その凹み量を維持する。それにより、接続導体25の端面25aの樹脂絶縁層20の第2面20bからの凹み量が、埋め込み配線導体層21の樹脂絶縁層20の第1面20aからの凹み量より大きくされ得る。一方、マスクをしないで、前述の金属膜81がエッチング除去されることで、埋め込み配線導体層21の表面もエッチング液に晒される。その結果、埋め込み配線導体層21の一面(露出面)は、樹脂絶縁層20の第1面20aよりも凹む。その凹み量は、接続導体25の端面25aの樹脂絶縁層20の第2面20bからの凹み量よりも大きくなる。
埋め込み配線導体層21および接続導体25を構成する材料は特に限定されない。埋め込み配線導体層21には、電解めっきにより容易に形成され、しかも導電性に優れる銅が主に用いられる。接続導体25も同じ材料であることが好ましい。しかし、埋め込み配線導体層21および接続導体25は、銅以外の材料により構成されてもよい。
埋め込み配線導体層21および接続導体25の各部の寸法の好ましい例が説明される。樹脂絶縁層20の第1面20aから埋め込み配線導体層21の一面までの距離は、1〜7μmが例示される。このような寸法に形成されることにより、隣接する第2パターン21b間などで接合材などが接触することが防止され得る。樹脂絶縁層20の第2面20bから接続導体25の端面25aまでの距離は、3〜20μmが例示される。このような寸法にされることにより、接続導体25間の短絡が回避され易い。埋め込み配線導体層21の厚さは、10〜25μm程度にされる。一定の導電性を確保しつつ、電解めっき法において比較的短い時間で埋め込まれ得ると考えられる。接続導体25の高さ(埋め込み配線導体層21との接触面から端面25aまでの長さ)は、埋め込み配線導体層21と、樹脂絶縁層20の第2面20b側のマザーボードなどとを接続できる高さであれば、特に限定されない。50〜150μmが例示される。しかし、これらの距離および厚さは、それぞれ、前述された範囲を上回る、または下回る距離または厚さにされてもよい。
前述のように、実施形態では、樹脂絶縁層20の第1面20aから埋め込み配線導体層21の一面までの距離が、樹脂絶縁層20の第2面20bから接続導体25の端面25aまでの距離よりも小さい。例えば、図示しない半導体素子がハンダボールなどにより埋め込み配線導体層21と接続される場合でも、樹脂絶縁層の突出した壁部でショートが防止され得る。また、図示しない半導体素子がワイヤボンディングなどにより埋め込み配線導体層21と接続される場合でも、強固な接続が得られることがある。実施形態では、埋め込み配線導体層21の一面上の凹みが埋まるほど厚くボンディング性の良好なボンディング層が埋め込み配線導体層21の一面上に形成され得るからである。この場合、ボンディング層により樹脂絶縁層20の第1面20aからの凹みがなくなってもよい。半導体素子が、ワイヤボンディングなどにより埋め込み配線導体層21と接続される場合は、ハンダのような流動性の接合材が用いられないからである。また、埋め込み配線導体層21の一面上に全く凹みを要しない場合は、予め埋め込み配線導体層21の表面をエッチングすることなく、前述のように、金属膜81(図2H参照)が除去される際に、埋め込み配線導体層21にマスクがされてもよい。
図5Aには、実施形態のプリント配線板10の接続導体25の樹脂絶縁層20の第2面20bにおける配置例が示されている。接続導体25は、図1Aに示される例では、第2パターン21bが配置されている領域の両側に1つずつ形成されているが、接続導体25が形成される数および形成される位置は図1Aに示されるものに限定されない。例えば、図5Aに示されるように、接続導体列26が、プリント配線板10の各辺に沿って2列並置して形成されていてもよい。接続導体列26は、一方向に並べて形成されている複数の接続導体25からなる列である。接続導体列26は3列以上並置されてもよい。図5Aに示されるように、各辺に沿って形成されている接続導体列と一定の間隔を空けて、さらに中心部に格子状に接続導体25が配置されてもよい。また、例えば、樹脂絶縁層20の第2面20bの全面に亘って格子状に形成されてもよい。
図5Aに示されるプリント配線板10の樹脂絶縁層20の第1面20a側の埋め込み配線導体層21には、例えば、図5Bに示されるように、第1および第2パターン21a、21b、および、配線パターン21dが形成され得る。すなわち、第1パターン21aそれぞれの図5Bに示されている面(第1面20a)の反対側の面(第2面20b)上には、図5Aに示される接続導体25が形成されている。第2パターン21bは、図5Bに示される例では、図示されていない半導体素子が接続される接続パッド21cであり、例えば、ICチップなどの電極とハンダバンプやボンディングワイヤなどにより電気的に接続される。図5Bは、矩形状の外形の4辺それぞれに電極が配置されている半導体素子と接続される接続パッド21cの例であり、接続パッド21cを一定のピッチで配列してなる4つの接続パッド21cの列が、全体として矩形をなすように配置されている。また、接続パッド21c(第2パターン21b)と、その周囲に形成されている第1パターン21aとは、配線パターン21dにより接続されている。これにより、図示されない半導体素子の電極が、接続導体25を介して、図示されないマザーボードなどの他の配線板と電気的に接続され得る。なお、図5Bに示されている埋め込み配線導体層21の各パターンは一例に過ぎず、プリント配線板10内に形成される電気回路に応じて、任意の導体パターンが形成される。
また、図6に示されるように、接続導体25は、並置される2つの接続導体列26の列方向の位置が互いにずれるような配置で形成されていてもよい。図6に示される例では、互いに同じピッチで接続導体25が並べられ、隣接して形成されている2つの接続導体列26が、接続導体25の配置ピッチの半分の長さだけ列方向に位置をずらして形成されている。すなわち、接続導体25が千鳥状に配置されている。このように接続導体25が千鳥状に配置されることにより、隣接する接続導体列26の間の接続導体25同士の間隔が広くなる。そのため、接続導体25同士が電気的にショート状態となるおそれが少なくなる。従って、接続導体列26がさらに狭ピッチで並置され得る。なお、図6に示される配置の場合も、接続導体列26が樹脂絶縁層20の第2面20bの全面に亘って形成されてよい。
以上の説明では、1つのプリント配線板10が示されている。しかし、実施形態のプリント配線板10は、図7に示されるように、複数個のプリント配線板10が縦横に配列される多数個取り基板15として製造され、最終的に分割されて個々のプリント配線板10とされる。または、多数個取り基板15のまま、電子機器製造業者などのユーザーに届けられてもよい。多数個取り基板15の形態で製造されると、後述のプリント配線板10の製造工程の説明で示されるエッチング処理やめっき膜の形成を複数個同時に行えるため、効率的にプリント配線板10が製造され得る。また、ユーザーの工程においても電子機器などが効率的に製造され得る。図7に示される例では、多数個取り基板15は、多数個取り基板15の外周に沿って形成されていて埋め込み配線導体層21の一部であるダミー部21fの内周側に配線板群15aを有している。配線板群15aには、図7上、縦方向に7個、横方向に10個のプリント配線板10が配列されている。図7の例では、配線板群15aが横方向に2つ並べて形成されている。2つの配線板群15aの間のダミー部21fでは、残銅率の調整のためにダミー部21fの一部が4箇所に亘って長円形の形状に除去されている。下層の樹脂絶縁層20が露出している。多数個取り基板15内の配線板10の縦方向の配列数および横方向の配列数は図7に示される例に限定されない。配線板10の各方向の配列数は、多数個取り基板15に用いられる樹脂絶縁層20などの材料が効率よく利用され得るように個々の配線板10のサイズに応じて適宜選択されてよい。なお、実際の製造の場合には、この多数個取り基板15をさらに複数個有するパネルの状態で製造され得る。
つぎに、図1Aに示されるプリント配線板10の製造方法の一例が、図2A〜2Hを参照して説明される。
図1Aに示されるプリント配線板10の製造方法では、まず、図2Aに示されるように、出発材料として、金属膜81が用意される。具体的には、支持板80に金属箔が積層されて用意される。支持板80、キャリア銅箔80aおよび金属膜81が積層される。支持板80の両面にキャリア銅箔80aが積層され、加圧および加熱されて接合される。支持板80には、好ましくは、ガラスクロスなどの芯材にエポキシなどの絶縁性樹脂を含浸させた材料などからなる半硬化状態のプリプレグ材などが用いられる。しかし、これに限定されず、銅などの他の材料が用いられてもよい。金属膜81の材料は、表面上に、後述の接続導体25(図2E参照)を電解めっきにより形成し得るものであって、後述の埋め込み配線導体層21(図2F参照)および接続導体25の材料が溶解するエッチング液で同様に溶解し得る材料が用いられる。好ましくは、2〜3μmの厚さの銅箔が用いられる。また、キャリア銅箔80aは、例えば、15〜30μm、好ましくは18μmの厚さの銅箔が用いられる。しかしながら、キャリア銅箔80aの厚さは、これに限定されず、他の厚さにされてもよい。
キャリア銅箔80aと金属膜81との接合方法は、特に限定されないが、例えば、両者の貼り付け面の略全面において図示されない剥離し易い熱可塑性の接着剤により接着されてもよい。または、前述の多数個取り基板15またはパネルの状態のダミー部21fの外周付近の余白部において、接着剤または超音波接続により接合されてもよい。また、キャリア銅箔80aと金属膜81とは、キャリア銅箔80aが支持板80に接合される前に接合されてもよい。しかし、これに限定されず、例えば、支持板80に両面銅張積層板が用いられ、表面の銅箔をキャリア銅箔80aとして、その上に単体の金属膜81が前述の方法などを用いて接合されてもよい。
なお、図2A〜2Fには、支持板80の両側の面に金属膜81が接合され、それぞれの面において、埋め込み配線導体層21、接続導体25および樹脂絶縁層20が形成される製造方法の例が示されている。このような方法で製造されれば、埋め込み配線導体層21や接続導体25などが2つ同時に形成されるという点で好ましい。しかしながら、支持板80の一方の面だけに埋め込み配線導体層21などが形成されてもよく、また、両側で互いに異なる回路パターンの配線導体層などが形成されてもよい。以下の説明は、両面に同じ回路パターンが形成される例を参照して説明される。そのため、一方の面だけについて説明され、他面側に関しての説明、および、各図面における他面側の符号は適宜省略される。
つぎに、図2Bに示されるように、金属膜81上にモールド用の樹脂201が塗布されるか、またはフィルム状に成形されて積層される。そして、温度上昇により軟化状態にされる。その後、図2Bに示されるような金型85を圧接して、モールド用の樹脂201に形付けがされる。金型85の圧接面には、製造されるべき埋め込み配線導体層21のパターンおよび接続導体25のパターンと略同じ形状の凸部パターンが形成されている。モールド用の樹脂201は軟化状態になっているので、金型85が圧接されることにより、金型85の突出している部分の樹脂は左右に押し出され、金型85の形状の凸部と凹部が反転したパターンがモールド用の樹脂201に形成される。この状態で、このパターン形状が崩れない程度に半硬化させて、金型85が取り外される。
その後、加熱して本硬化させることにより、図2Cに示されるような埋め込み配線導体層21と接続導体25が形成される部分が除去された形状の樹脂絶縁層20が金属膜81上に形成される。すなわち、接続導体用凹部25R、埋め込み配線導体層用凹部21Rが形成された樹脂絶縁層20が得られる。勿論、金型85をモールド用の樹脂201に圧接したまま、加熱して本硬化させることも可能である。
なお、図示されていないが、接続導体用凹部25Rおよび埋め込み配線導体層用凹部21Rの内面は、粗化処理により、粗面に形成されることが好ましい。粗化処理は、例えばデスミア処理等の化学処理またはサンドブラスト等により行われる。粗化処理は、金型85を取り外した後、本硬化前に行われてもよい。このような粗化処理が行われることにより、埋め込み配線導体層21または接続導体25と樹脂絶縁層20との密着性がアンカー効果により向上する。
その後、図2Dに示されるように、樹脂絶縁層20の露出面の全面に、例えば無電解めっきなどにより、シード層211が形成される。このシード層211は無電解めっきではなく、スパッタリングまたは真空蒸着などにより形成されてもよい。電解めっきをするための給電層とするものである。従って厚さは数μm程度でよい。このシード層211も好ましくは銅が用いられる。
つぎに、シード層の形成された中間工程の組立体が硫酸銅溶液などのめっき液に浸漬され、シード層211に通電される。通電されることにより、図2Eに示されるように、埋め込み配線導体層21が形成される電解めっき膜212が形成されると共に、接続導体25も同時に形成される。従って、埋め込み配線導体層21と接続導体25とは、両者の境界部に不純物が入ることなく、一体に形成される。
なお、図2Cに示される接続導体25の部分の凹部25Rが埋め込み配線導体層21の部分の凹部21Rよりも遥かに深く、均一な電解めっき膜が得られにくい場合には、接続導体25と埋め込み配線導体層21とが分けて電解めっきされ得る。例えば、図2Dの工程の後に、図4に示されるように、凹部25R以外にマスク84が形成される。その状態で電解めっきが行われ、凹部21Rの底面と略同じ高さまで電解めっき膜が形成されることで、接続導体25のみが形成される。その後、シード層211上のマスク84が除去される。その後、図2Eと同様に電解めっきが施される。それにより図2Eに示されるように埋め込み配線導体層21用の電解めっき膜212が形成される。なお、マスク84が除去された後に、接続導体25の表面を少しエッチングすることにより、接続導体25の表面は清浄になる。そのため、電解めっきが連続的に形成され、完全に接続導体25と埋め込み配線導体層21とは一体化される。
次に、図2Fに示されるように、電解めっき膜212の表面が研磨されることにより、樹脂絶縁層20の凹部でない第1面20aが露出するまで研磨され、表面が平坦化される。その結果、第1面20a上のシード層211も除去されて、第1パターン21aおよび第2パターン21bもそれぞれ分離される。その結果、埋め込み配線導体層21のパターンが形成される。なお、第1面20a上のシード層211は、後述の金属膜81のエッチングなどによる除去時に、除去されてもよい。その場合、金属膜81のエッチング時に、第1面20a側はマスクされない。
その後、図2Fに示される中間製造体の全体がエッチング液に浸漬されることにより、埋め込み配線導体層21の表面がエッチングされる。そして、支持板80およびキャリア銅箔80aと、金属膜81とが分離される(図2G参照)。具体的には、まず、銅をエッチングするエッチング液に浸漬することにより、埋め込み配線導体層21の一面を樹脂絶縁層20の第1面20aより凹ませる。これは、前述のように、凹んでいることが、隣接するパターン間のショートを防止する面で好ましいからである。このエッチング液は、次の工程のエッチング液と同じものが用いられる。凹ませる必要のない場合は、このエッチング工程は不要である。次に、キャリア銅箔80aと金属膜81とを接合している図示しない熱可塑性接着剤の温度を上昇させる。温度上昇により熱可塑性接着剤が軟化している状態で、支持板80およびキャリア銅箔80aに、金属膜81との界面に沿う方向の力が加えられる。それにより、キャリア銅箔80aと金属膜81とが引き離される。または、前述のように、パネル周囲の両者が外周付近の余白部において接着剤または超音波接続により接合されている場合は、接合箇所よりも内周側で、キャリア銅箔80a、金属膜81、および支持板80が樹脂絶縁層20などと共に切断される。それにより、接着剤などによる接合箇所が切除されることによりキャリア銅箔80aと金属膜81とが分離される。その結果、図2Gに示されるように、樹脂絶縁層20の第1面20aに埋め込み配線導体層21が埋め込まれ、その埋め込み配線導体層21の第1パターン21aに接続される接続導体25の端面25aが樹脂絶縁層20の第2面20b側に露出するプリント配線板が得られる。この状態では、まだ樹脂絶縁層20の第2面20bおよび接続導体25の端面25aは金属膜81で覆われている。なお、支持板80が除去されることにより、図2Gに示される配線板が2個得られる。しかし、その一方のみが樹脂絶縁層20の第1面20aを上側にして図2Gに示されている。
続いて、図2Hに示されるように、樹脂絶縁層20の第1面20a側、すなわち埋め込み配線導体層21上にマスク83が形成される。その後、金属膜81が、例えばエッチングなどにより除去される。このエッチング液には、金属膜81が溶解され得るものが用いられる。通常、金属膜81も埋め込み配線導体層21も銅が用いられるので、埋め込み配線導体層21にマスク83が形成されない限り、このエッチング液により埋め込み配線導体層21もエッチングされる。しかし、実施形態では、マスク83が設けられているので、埋め込み配線導体層21はエッチングされない。また、接続導体25も埋め込み配線導体層21と同時に同じ材料で形成されているので、金属膜81が除去されると露出する接続導体もエッチングされることになる。しかし、接続導体25間が完全に分離されるためには、ある程度余分にエッチングされる必要があるので、この接続導体25も多少エッチングされる。エッチングの完了後、マスク83が除去される。その結果、図1Aに示されるように、埋め込み配線導体層21の一面が樹脂絶縁層20の第1面20aよりも僅かに凹み、また、接続導体25の端面25aも樹脂絶縁層20の第2面20bよりも凹む。この両者の凹みの量は、前述のように、埋め込み配線導体層21の一面の樹脂絶縁層20の第1面20aからの凹み量よりも、接続導体25の端面25aの第2面20bからの凹み量の方が大きい。しかし、埋め込み配線導体層21の凹み量の方を大きくすることもできる。すなわち、前述の図2Gのエッチング工程も、図2Hのマスク83の形成工程も行わずに、金属膜81がエッチングされてもよい。その場合、埋め込み配線導体層21の方が接続導体25の端面25aの凹み量よりも多く凹む。
前述の例では、埋め込み配線導体層21の一面が樹脂絶縁層20の第1面より凹み、かつ、その凹み量が接続導体25の端部25aの第2面20bからの凹み量よりも小さくされている。そのため、金属膜81の除去の前に埋め込み配線導体層21の一面が僅かにエッチングされ、その表面にマスク83が形成された。その後に金属膜81がエッチングにより除去された。しかし、次のような方法で行ってもよい。すなわち、図2Eに示される電解めっきの際に厚めに電解めっき膜212が形成され、図2Fに示される研磨の際に、樹脂絶縁層20の第1面20a上の電解めっき膜212の厚さが金属膜81の厚さより若干厚く残存するように研磨される。そうすることにより、図2Gのエッチング工程は不要で、さらに、図2Hのマスク83の形成工程も不要で、金属膜81のエッチングだけが行われる。その結果、図1Aに示される構造が得られる。すなわち、金属膜81の除去の際に残存した電解めっき膜212がエッチングされて樹脂絶縁層20の第1面20aが露出する前に金属膜81が消滅する。さらにエッチングされることにより、埋め込み配線導体層21の一面が露出し、さらに埋め込み配線導体層21の一面がエッチングされる。その結果、埋め込み配線導体層21の一面は樹脂絶縁層20の第1面20aより凹む。この間、接続導体25の端部25aもエッチングされるので、埋め込み配線導体層21の一面の凹み量よりも、接続導体25の端面25aの凹み量の方が大きくなる。
図2Eの状態から、図2Fの研磨工程を省略して、支持板80およびキャリア銅箔80aと、金属膜81とが分離されてもよい。電解めっき膜212の表面に凹凸が少なく平坦な表面の場合には、このように研磨工程が省略され得る。電解めっき膜212の形成時の樹脂絶縁層20の第1面20a上の厚さを、金属膜81の厚さに応じて調節することにより、埋め込み配線導体層21の一面だけを凹ませるエッチング工程やマスク83の形成が省略され得る。すなわち、電解めっき膜212の厚さを金属膜81よりも少し厚くしておくことにより、埋め込み配線導体層21の一面の凹み量よりも、接続導体25の端面25aの凹み量の方が大きくなる。電解めっき膜212と金属膜81との厚さが同じ、または、金属膜81の方が厚い場合は、図2Hの例と同様に、金属膜81のエッチング中にマスク83が一時的に形成されてよい。なお、マスク83がソルダーレジストにより形成された場合には、除去される必要がない。そのソルダーレジスト層に必要な開口部が形成されるだけで保護層として利用され得る。
金属膜81の除去後に、好ましくは、表面保護膜(図示せず)が、埋め込み配線導体層21の一面および接続導体25の端面25aに形成される。表面保護膜の形成は、Ni/Au、Ni/Pd/Au、またはSnなどの複数または単一の金属膜をめっき法により形成することにより行われてよい。また、液状の保護材料内への浸漬や保護材料の吹付けなどによりOSPが形成されてもよい。表面保護膜は、埋め込み配線導体層21の露出面と接続導体25の端面25aとの両方に形成されてもよく、いずれか一方だけに形成されてもよい。また、埋め込み配線導体層21の露出面と接続導体25の端面25aとで、異なる材料の表面保護膜が形成されてもよい。例えば、埋め込み配線導体層21の露出面上に、Ni/Au、Ni/Pd/Auなどの金属膜が形成され、接続導体25の端面25a上にOSPが形成されてもよい。
また、表面保護膜の形成に加えて、または表面保護膜が形成されずに、接続導体25の端面25a上に、接続導体25と外部のマザーボードまたはインターポーザなどとを接合する接合材層(図示せず)が形成されてもよい。接合材層の材料には好ましくはハンダが用いられる。接合材層は、ペースト状のハンダの塗布やハンダボールを配置して一旦溶融後硬化させたり、めっき法を用いたりして形成され得る。しかしながら、接合材層の材料や形成方法は、特に限定されず、他の材料および方法が用いられ得る。
以上の工程を経ることにより、図1Aに示される本実施形態のプリント配線板1が完成する。完成したプリント配線板1には、第2パターン21b上に図示しない半導体素子が接続されてもよい。また、接続導体25の端面25aが、プリント配線板10が用いられる電子機器などのマザーボードなどに接続されてもよい。または、図示しない他のプリント配線板に接続されて多層プリント配線板の一部とされてもよい。
前述の実施例では、モールド用の樹脂201に埋め込み配線導体層21および接続導体25の凹部を形成するのに、金型85が用いられたが、金型を用いないで、LPP(Laser Patterning Process)法を用いて、レーザ加工により凹部が形成されてもよい。
さらに、例えばインジェクションモールドまたはトランスファーモールド法を用いて、図3に示されるような金型86のキャビティ87内にモールド用の樹脂を流し込んでそのまま硬化させ、その後に金型86から取り出してもよい。
10 プリント配線板
20 樹脂絶縁層
20a 第1面
20b 第2面
201 モールド樹脂
21 埋め込み配線導体層
21a 第1パターン
21b 第2パターン
211 シード層
212 電解めっき膜
25 接続導体
25a 接続導体の端面
80 支持板
80a キャリア銅箔
81 金属膜
85 金型
86 トランスファーモールド用金型
87 キャビティ
20 樹脂絶縁層
20a 第1面
20b 第2面
201 モールド樹脂
21 埋め込み配線導体層
21a 第1パターン
21b 第2パターン
211 シード層
212 電解めっき膜
25 接続導体
25a 接続導体の端面
80 支持板
80a キャリア銅箔
81 金属膜
85 金型
86 トランスファーモールド用金型
87 キャビティ
Claims (12)
- 第1面およびその反対面の第2面を有する樹脂絶縁層と、
該樹脂絶縁層の第1面に埋め込まれて一面のみが露出する埋め込み配線導体層と、
前記埋め込み配線導体層と接続され、前記樹脂絶縁層の第2面側に端面が露出するように形成される接続導体と、
を備えるプリント配線板であって、
前記埋め込み配線導体層と前記接続導体とが一体的に形成されている。 - 請求項1記載のプリント配線板であって、前記接続導体の断面形状は、前記埋め込み配線導体層側を底辺とする台形形状である。
- 請求項1または2記載のプリント配線板であって、前記埋め込み配線導体層の前記一面が前記樹脂絶縁層の前記第1面から凹んでおり、また、前記接続導体の端面が前記樹脂絶縁層の前記第2面から凹んでおり、かつ、両者の凹み量が異なっている。
- 請求項3記載のプリント配線板であって、前記樹脂絶縁層の前記第1面から前記埋め込み配線導体層の一面までの距離が前記樹脂絶縁層の第2面から前記接続導体の端面までの距離よりも小さい。
- 請求項4記載のプリント配線板であって、前記樹脂絶縁層の前記第1面から前記埋め込み配線導体層の一面までの距離が1〜7μmであり、前記樹脂絶縁層の第2面から前記接続導体の端面までの距離が3〜20μmである。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のプリント配線板であって、前記樹脂絶縁層が、熱膨張率が1〜30ppm/℃、かつ、弾性率が5〜30GPaのモールド成形用樹脂材料からなる。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のプリント配線板であって、前記埋め込み配線導体層および前記接続導体が電解めっき膜で形成されている。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のプリント配線板であって、前記樹脂絶縁層と前記埋め込み配線導体層および前記接続導体との接触面が粗面に形成されている。
- 樹脂絶縁層に埋め込まれた埋め込み配線導体層と、該埋め込み配線導体層と接続された接続導体とを有するプリント配線板の製造方法であって、
金属膜を準備することと、
前記金属膜上に、前記埋め込み配線導体層の配線パターンおよび前記接続導体に合せた凹部を有する前記樹脂絶縁層を形成することと、
前記樹脂絶縁層に形成された凹部内に電解めっきにより導体層を埋め込むことにより、前記埋め込み配線導体層と前記接続導体とを形成することと、
を含む。 - 請求項9記載のプリント配線板の製造方法であって、
前記凹部が形成された樹脂絶縁層の形成が、前記金属膜上に樹脂絶縁層を形成することと、該樹脂絶縁層を軟化した状態で前記接続導体および前記配線パターンの形状に合せた凸部を有する金型をインプリントするか、LPP工法により凹部を形成することと、該凹部を形成した後に、前記樹脂絶縁層を本硬化させることと、を含む。 - 請求項9記載のプリント配線板の製造方法であって、
前記凹部が形成された樹脂絶縁層の形成が、前記配線パターンに合せた凸部と、前記接続導体に合せた凸部とを有する金型を、該金型が前記金属膜上に被せられた際に、前記導体用ポスト用の凸部が前記金属膜に圧接され、前記配線パターンの凸部は、前記金属膜から所定の間隔を有するように形成することと、前記金型を前記金属膜上に被せ、前記金属膜と前記金型との隙間に樹脂を流し込むことと、を含む。 - 請求項9〜11のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法であって、前記埋め込み配線導体層および前記接続導体の形成が、無電解めっきと電解めっきにより同時に形成されている。
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JP2015083445A JP2016207694A (ja) | 2015-04-15 | 2015-04-15 | プリント配線板およびその製造方法 |
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JP2019207927A (ja) * | 2018-05-29 | 2019-12-05 | Tdk株式会社 | プリント配線板およびその製造方法 |
-
2015
- 2015-04-15 JP JP2015083445A patent/JP2016207694A/ja active Pending
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