JP2016205515A - クラッチユニット - Google Patents

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政義 山田
Masayoshi Yamada
政義 山田
川合 正浩
Masahiro Kawai
正浩 川合
康雅 日比
Yasumasa Hibi
康雅 日比
紹ラン 辺
Shaoluan BIAN
紹ラン 辺
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Abstract

【課題】 ボルト圧入時の側板の平面度を安定化させる。【解決手段】 入力側に設けられ、レバー操作により入力される回転トルクの伝達および遮断を制御するレバー側クラッチ部と、出力側に設けられ、レバー側クラッチ部からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側から逆入力される回転トルクを遮断するブレーキ側クラッチ部とからなり、ブレーキ側クラッチ部は、回転が拘束された静止部材の一部を構成し、外周に設けられたフランジ部25cで固定部位に取り付けられる側板25を備え、その側板25は、ボルト21が圧入される取り付け孔25bがプレス加工によりフランジ部25cに形成された構造を有し、取り付け孔25bのシートフレーム側周縁部に面取り25dを設ける。【選択図】 図4

Description

本発明は、レバー操作により回転トルクが入力されるレバー側クラッチ部と、そのレバー側クラッチ部からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側からの回転トルクを遮断するブレーキ側クラッチ部とを備えたクラッチユニットに関する。
一般に、円筒ころやボール等の係合子を用いるクラッチユニットにおいては、入力部材と出力部材との間にクラッチ部が配設される。このクラッチ部は、前述の入力部材と出力部材との間で円筒ころやボール等の係合子を係合および離脱させることによって、回転トルクの伝達および遮断を制御する構成になっている。
本出願人は、レバー操作により座席シートを上下調整する自動車用シートリフタ部に組み込まれるクラッチユニットを先に提案している(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示されたクラッチユニットは、レバー操作により回転トルクが入力されるレバー側クラッチ部と、そのレバー側クラッチ部からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側からの回転トルクを遮断するブレーキ側クラッチ部とを備えている。
レバー側クラッチ部は、レバー操作により回転トルクが入力される外輪と、その外輪から入力される回転トルクをブレーキ側クラッチ部に伝達する内輪と、外輪と内輪との間に形成された楔すきまでの係合および離脱により外輪からの回転トルクの伝達および遮断を制御する複数の円筒ころと、それら円筒ころを円周方向等間隔に保持する保持器と、外輪からの回転トルクで弾性力を蓄積し、その回転トルクの入力がなくなると、蓄積された弾性力で保持器および外輪を中立状態に復帰させる二つのセンタリングばねとで主要部が構成されている。
ブレーキ側クラッチ部は、回転が拘束された側板、外輪およびカバーと、回転トルクが出力される出力軸と、外輪と出力軸との間に形成された楔すきまでの係合および離脱により出力軸からの回転トルクの遮断とレバー側クラッチ部からの回転トルクの伝達とを制御する複数対の円筒ころと、各対の円筒ころ間に介挿され、それら円筒ころ同士に離反力を付勢する板ばねとで主要部が構成されている。なお、レバー側クラッチ部の内輪は、レバー側クラッチ部からの回転トルクをブレーキ側クラッチ部に伝達する機能と、外輪と出力軸との間に配置された各対の円筒ころを円周方向等間隔に保持する機能とを備えている。
レバー側クラッチ部では、レバー操作により外輪に回転トルクが入力されると、円筒ころが外輪と内輪との間の楔すきまに係合し、その円筒ころを介して内輪に回転トルクが伝達されて内輪が回転する。この時、外輪および保持器の回転に伴って両センタリングばねに弾性力が蓄積される。その回転トルクの入力がなくなると、両センタリングばねの弾性力により保持器および外輪が中立状態に復帰する一方で、内輪は、与えられた回転位置をそのまま維持する。従って、この外輪の回転繰り返し、つまり、操作レバーのポンピング操作により、内輪は寸動回転する。
ブレーキ側クラッチ部では、座席シートへの着座により出力軸に回転トルクが逆入力されると、円筒ころが出力軸と外輪との間の楔すきまと係合して出力軸が外輪に対してロックされる。このようにして、出力軸から逆入力された回転トルクは、ブレーキ側クラッチ部でロックされてレバー側クラッチ部への還流が遮断される。これにより、座席シートは上下調整が不可となる。
一方、レバー側クラッチ部から回転トルクが内輪に入力されると、内輪が回転して円筒ころと当接して板ばねの弾性力に抗して押圧することにより、その円筒ころが外輪と出力軸間の楔すきまから離脱してロック状態が解除され、出力軸は回転可能となる。内輪がさらに回転することにより、内輪からの回転トルクが出力軸に伝達され、出力軸が回転する。つまり、内輪が寸動回転すると、出力軸も寸動回転することになる。この出力軸の寸動回転により座席シートの上下調整が可能となる。
特開2009−210114号公報
ところで、特許文献1で開示されたクラッチユニットは、自動車用シートリフタ部に組み込むに際して、ブレーキ側クラッチ部の側板をシートリフタ部のシートフレームに取り付けるようにしている。つまり、側板のフランジ部に形成された取り付け孔の円筒部をシートフレームに加締めることにより、側板をシートフレームに固定している。加締めにより固定する方法は、取り外しが必要になった場合、加締め部を破壊するしかなく再組み立てができない。
このように、側板をシートフレームに加締めにより固定する方法以外に再組み立てができる方法として、側板をシートフレームにボルト締結により固定する方法がある。このボルト締結による固定は、側板に設けられた取り付け孔にボルトを圧入し、側板のボルトをシートフレームにナットで締め付け固定する。
しかしながら、側板をシートフレームにボルト締結により固定する場合、側板の取り付け孔にボルトを圧入した際に、側板のボルト圧入側と反対側に位置するシートフレーム取り付け面で、取り付け孔の周縁部にバリや余肉が発生するおそれがある。このバリや余肉を除去しようとすると、バリや余肉の除去工程が必要となって工数が増加する。
このようなバリや余肉が存在すると、そのバリや余肉によって側板のシートフレーム取り付け面の平面度が不安定になる。そのため、バリや余肉により側板とシートフレームとの間に隙間が発生するおそれがある。その結果、クラッチユニットのシートリフタ部への組み付けが不安定な状態となる。
そこで、本発明は前述の課題に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、再組み立てができるボルト固定方法において、ボルト圧入時の側板の平面度を安定化し得るクラッチユニットを提供することにある。
本発明に係るクラッチユニットは、入力側に設けられ、レバー操作により入力される回転トルクの伝達および遮断を制御するレバー側クラッチ部と、出力側に設けられ、レバー側クラッチ部からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側から逆入力される回転トルクを遮断するブレーキ側クラッチ部とからなる基本構成を具備する。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明のブレーキ側クラッチ部は、回転が拘束された静止部材の一部を構成し、外周に設けられたフランジ部で固定部位に取り付けられる側板を備え、その側板は、ボルトが圧入される取り付け孔がプレス加工によりフランジ部に形成された構造を有し、取り付け孔の固定部位側周縁部に拡径部を設けたことを特徴とする。
本発明において、側板のフランジ部は、ボルトが圧入される取り付け孔の固定部位側周縁部に拡径部を設けた構成を具備することにより、取り付け孔へのボルト圧入時、取り付け孔の固定部位側周縁部にバリや余肉が発生しても、そのバリや余肉が拡径部に存在するため、側板のシートフレーム取り付け面から突出することを抑制できる。
その結果、側板のシートフレーム取り付け面の平面度を安定化させることができ、側板とシートフレームとの間に隙間が発生することを抑制して、クラッチユニットのシートリフタ部への組み付けが安定した状態となる。
本発明における拡径部は、取り付け孔の固定部位側周縁部に設けられた面取りで構成されていることが望ましい。このように、拡径部を面取りで構成すれば、取り付け孔へのボルト圧入時、取り付け孔の固定部位側周縁部にバリや余肉が発生しても、そのバリや余肉が面取り形成部位に配置されるため、側板のシートフレーム取り付け面から突出することを抑制できる。
本発明における拡径部は、ボルト圧入治具の側板支持部に対してフランジ部を載置した状態で取り付け孔にボルトを圧入する時、側板支持部が取り付け孔の固定部位側周縁部に食い込むことにより形成された凹状部で構成されていることが望ましい。このように、拡径部を凹状部で構成すれば、取り付け孔へのボルト圧入時、取り付け孔の固定部位側周縁部にバリや余肉が発生しても、そのバリや余肉が凹状部に収容されるため、側板のシートフレーム取り付け面から突出することを抑制できる。
本発明に係るクラッチユニットは、レバー側クラッチ部およびブレーキ側クラッチ部を自動車用シートリフタ部に組み込むことで自動車用途として適している。
本発明によれば、取り付け孔へのボルト圧入時、取り付け孔の固定部位側周縁部にバリや余肉が発生し難くなる。万一、バリや余肉が発生しても、そのバリや余肉が拡径部に存在するため、側板のシートフレーム取り付け面に突出することを抑制できる。そのため、側板のシートフレーム取り付け面の平面度を安定化させることができ、側板とシートフレームとの間に隙間が発生することを抑制して、クラッチユニットのシートリフタ部への組み付けが安定した状態となる。その結果、バリや余肉の除去工程が不要となって工数削減が図れると共に、シートリフタ部への良好な組み付け状態を確保した高品質のクラッチユニットを提供できる。
本発明の実施形態で、クラッチユニットの全体構成を示す断面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図1のB−B線に沿う断面図である。 図1の側板へのボルト組み付け構造の一例で、(A)はボルト圧入前の状態を示す断面図、(B)はボルト圧入後の状態を示す断面図である。 図1の側板へのボルト組み付け構造の他例で、(A)はボルト圧入前の状態を示す断面図、(B)はボルト圧入後の状態を示す断面図である。 治具による側板へのボルト圧入要領を説明するためのもので、(A)はボルト圧入前の状態を示す断面図、(B)はボルト圧入時の状態を示す断面図、(C)はボルト圧入後の状態を示す断面図である。 自動車の座席シートを示す斜視図である。 シートリフタ部の一構造例を示す概念図である。 図8の要部拡大図である。
本発明に係るクラッチユニットの実施形態を図面に基づいて詳述する。図1はこの実施形態のクラッチユニットの全体構成を示す断面図、図2は図1のA−A線に沿う断面図、図3は図1のB−B線に沿う断面図である。なお、この実施形態の特徴的な構成を説明する前にクラッチユニットの全体構成を説明する。
この実施形態のクラッチユニット10は、図1に示すように、入力側に設けられたレバー側クラッチ部11と、出力側に設けられたブレーキ側クラッチ部12とをユニット化した構造となっている。レバー側クラッチ部11は、レバー操作により入力される回転トルクの伝達および遮断を制御する。ブレーキ側クラッチ部12は、レバー側クラッチ部11からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側から逆入力される回転トルクを遮断する逆入力遮断機能を有する。
レバー側クラッチ部11は、図1および図2に示すように、レバー操作により回転トルクが入力される入力部材としての側板13および外輪14と、その外輪14から入力される回転トルクをブレーキ側クラッチ部12に伝達する連結部材としての内輪15と、外輪14と内輪15との間での係合および離脱により外輪14からの回転トルクの伝達および遮断を制御する複数の円筒ころ16と、複数の円筒ころ16を円周方向等間隔に保持する保持器17と、その保持器17を中立状態に復帰させるための内側センタリングばね18と、外輪14を中立状態に復帰させるための外側センタリングばね19とを具備する。
このレバー側クラッチ部11において、側板13の外周縁部に形成された爪部13aを、外輪14の外周縁部に形成された切欠き凹部14aに挿入して加締めることにより、側板13を外輪14に固定し、レバー側クラッチ部11の入力部材として一体化している。外輪14の内周には、複数のカム面14bが円周方向等間隔に形成されている。外輪14への回転トルクの入力は、側板13にねじ止め等により取り付けた上下方向揺動可能な操作レバー42(図7〜図9参照)により行われる。
内輪15は、出力軸22が挿通される筒状部15aと、その筒状部15aのブレーキ側端部を径方向外側に延在させた拡径部15bと、その拡径部15bの外周端部を軸方向に屈曲させることにより突出した複数の柱部15c(図3参照)とからなる。内輪15の筒状部15aの外周に形成された円筒面15dと、外輪14の内周に形成されたカム面14bとの間に楔すきま20が形成され、その楔すきま20に前述の円筒ころ16が保持器17により円周方向等間隔で配設されている。
内側センタリングばね18は、保持器17とブレーキ側クラッチ部12の静止部材であるカバー24との間に配設された断面円形のC字状弾性部材で、その両端部を保持器17およびカバー24の一部に係止させている。この内側センタリングばね18は、レバー操作により外輪14から入力される回転トルクの作用時、静止状態にあるカバー24に対して、外輪14に追従する保持器17の回転に伴って押し拡げられて弾性力が蓄積され、外輪14から入力される回転トルクの開放時、その弾性力により保持器17を中立状態に復帰させる。
内側センタリングばね18の外側に位置する外側センタリングばね19は、外輪14と前述のカバー24との間に配設されたC字状帯板弾性部材で、その両端部を外輪14およびカバー24の一部に係止させている。この外側センタリングばね19は、レバー操作により外輪14から入力される回転トルクの作用時、静止状態にあるカバー24に対して、外輪14の回転に伴って押し拡げられて弾性力が蓄積され、外輪14から入力される回転トルクの開放時、その弾性力により外輪14を中立状態に復帰させる。
保持器17は、円筒ころ16を収容する複数のポケット17aが円周方向等間隔に形成された樹脂製の円筒状部材である。なお、この保持器17の一方の軸方向端部、つまり、ブレーキ側クラッチ部12のカバー24側の軸方向端部には、前述の内側センタリングばね18の両端部を係止させている。保持器17は、径方向で外輪14と内輪15との間に配置され、軸方向で前述の外輪14とブレーキ側クラッチ部12のカバー24との間に挟み込まれている。
ロック型と称されるタイプで逆入力遮断機能を有するブレーキ側クラッチ部12は、図1および図3に示すように、レバー側クラッチ部11からの回転トルクが入力される連結部材としての内輪15と、レバー側クラッチ部11からの回転トルクが出力される出力部材としての出力軸22と、回転が拘束された静止部材としての外輪23、カバー24および側板25と、外輪23と出力軸22との間での係合および離脱により、出力軸22から逆入力される回転トルクの遮断と内輪15から入力される回転トルクの伝達とを制御する複数対の円筒ころ27、および各対の円筒ころ27同士に円周方向への離反力を付勢する断面N字形の板ばね28とで主要部が構成されている。
出力軸22は、内輪15の筒状部15aが外挿された軸部22aの軸方向中央部位に、径方向外側に延びて拡径した大径部22bが一体的に形成されている。この大径部22bの側板25と対向する軸方向端面には環状凹部22cが形成され、この環状凹部22cに摩擦リング39が締め代をもって圧入されている。軸部22aの出力側端部には、シートリフタ部41(図7〜図9参照)と連結するためのピニオンギヤ22dが同軸的に形成されている。また、軸部22aの入力側端部にウェーブワッシャ30を介してワッシャ31を圧入することにより、レバー側クラッチ部11の構成部品を抜け止めしている。
出力軸22の大径部22bの外周には複数(例えば6つ)の平坦なカム面22eが円周方向等間隔に形成されている。大径部22bのカム面22eと外輪23の内周面23aとの間で設けられた楔すきま26に、二つの円筒ころ27とそれら円筒ころ27間に介挿された一つの板ばね28とがそれぞれ配置されている(図3参照)。円筒ころ27および板ばね28は、外輪14から入力される回転トルクを出力軸22に伝達する機能を持つ内輪15の柱部15cにより円周方向等間隔に配設されている(図3参照)。つまり、内輪15の柱部15cは、円筒ころ27および板ばね28をポケット15fに収容して円周方向等間隔に保持することにより保持器として機能する。出力軸22の大径部22bには、内輪15からの回転トルクを出力軸22に伝達するための突起22fが設けられている。突起22fは、内輪15の拡径部15bに形成された孔15eにクリアランスをもって挿入配置されている。
外輪23、カバー24および側板25は、厚肉板状の外輪23の外周縁部に形成された切欠き凹部23bと、カバー24の外周縁部に形成された切欠き凹部24aとに、側板25の外周縁部に形成された爪部25aを挿入して加締めることにより、外輪23およびカバー24に側板25を固定し、ブレーキ側クラッチ部12の静止部材として一体化されている。
制動部材としての摩擦リング39は、例えば、樹脂材を射出成形などによりリング状に形成した部材であり、側板25に固着されている。この摩擦リング39は、出力軸22の大径部22bに形成された環状凹部22cの内周面22gに締め代をもって圧入される。摩擦リング39の外周面39bと出力軸22の環状凹部22cの内周面22gとの間に生じる摩擦力によって、レバー操作時、出力軸22に回転抵抗が付与される。
前述の構成からなるレバー側クラッチ部11では、レバー操作により外輪14に回転トルクが入力されると、円筒ころ16が外輪14と内輪15との間の楔すきま20に係合し、円筒ころ16を介して内輪15に回転トルクが伝達されて内輪15が回転する。この時、外輪14および保持器17の回転に伴って両センタリングばね18,19に弾性力が蓄積される。回転トルクの入力がなくなると、両センタリングばね18,19の弾性力により保持器17および外輪14が中立状態に復帰する一方で、内輪15は、与えられた回転位置をそのまま維持する。従って、外輪14の回転繰り返し、つまり、操作レバーのポンピング操作により、内輪15は寸動回転する。
前述の構成からなるブレーキ側クラッチ部12では、座席シートへの着座により出力軸22に回転トルクが逆入力されても、円筒ころ27が出力軸22と外輪23との間の楔すきま26と係合して出力軸22が外輪23に対してロックされる。このようにして、出力軸22から逆入力された回転トルクは、ブレーキ側クラッチ部12によってロックされてレバー側クラッチ部11への逆入力トルクの還流が遮断される。これにより、座席シートは上下調整が不可となる。
一方、レバー側クラッチ部11からの回転トルクが内輪15に入力されると、内輪15が円筒ころ27と当接して板ばね28の弾性力に抗して円筒ころ27を押圧する。これにより、円筒ころ27が楔すきま26から離脱して出力軸22のロック状態が解除され、出力軸22は回転可能となる。内輪15がさらに回転すると、内輪15の拡径部15bの孔15eと出力軸22の大径部22bの突起22fとのクリアランスが詰まって内輪15の拡径部15bが出力軸22の突起22fに回転方向で当接する。これにより、レバー側クラッチ部11からの回転トルクは、突起22fを介して出力軸22に伝達されて出力軸22が回転する。つまり、内輪15が寸動回転すると、出力軸22も寸動回転することになる。これにより、座席シートの上下調整が可能となる。
この実施形態におけるクラッチユニット10の全体構成は、前述のとおりであるが、その特徴的な構成を以下に詳述する。
このクラッチユニット10は、後述の自動車用シートリフタ部41(図7〜図9参照)に組み込まれる。このクラッチユニット10のシートリフタ部41への組み付けは、ブレーキ側クラッチ部12の側板25をシートリフタ部41のシートフレーム41i(図1参照)にボルト締結により固定するようにしている。このボルト締結により側板25をシートフレーム41iに固定するため、側板25の外周三箇所(図2参照)に、取り付け孔25bがプレス加工により形成されたフランジ部25cを設けている。
図1に示すように、側板25のフランジ部25cの取り付け孔25bにボルト21をクラッチユニット側から圧入し、側板25のボルト21をシートフレーム41iにナットで締め付け固定するようにしている。ボルト21のねじ切りトルクをアップさせるため、ボルト21の頭部フランジ21aとねじ部21bとの間に首部セレーション21cを設けている。首部セレーション21cの軸方向長さは、側板25のフランジ部25cの取り付け孔25bの軸方向長さよりも長くなっている。
この実施形態では、側板25の取り付け孔25bの固定部位側周縁部であるシートフレーム側周縁部に拡径部を設けている。この拡径部としては、図4(A)(B)に示すような円弧状の面取り25dや、図5(A)(B)に示すようなテーパ状の面取り25eが可能である。なお、図4(A)および図5(A)はボルト21の圧入前の状態を示し、図4(B)および図5(B)はボルト21の圧入後の状態を示す。
このように、側板25の取り付け孔25bのシートフレーム側周縁部に面取り25d,25eを設けたことにより、取り付け孔25bへのボルト圧入時、取り付け孔25bのボルト圧入部よりも大径の面取り25d,25eが存在することから、万一、バリや余肉が発生しても面取り25d,25eが形成された部位に配置されるため、側板25のシートフレーム取り付け面25fから突出することを抑制できる。つまり、バリや余肉を収容する拡径部として面取り25d,25eを構成している。このことから、側板25のシートフレーム取り付け面25fの平面度を安定化させることができ、側板25とシートフレーム41iとの間に隙間が発生することを抑制して、クラッチユニット10のシートリフタ部41への組み付けが安定した状態となる。
なお、取り付け孔25のシートフレーム側周縁部は、取り付け孔25bのプレス加工による破断面側となる。これに対して、取り付け孔25bのクラッチユニット側周縁部は、取り付け孔25bのプレス加工による剪断面側となる。この取り付け孔25bの剪断面側には、プレス加工によるダレ25gが存在する。このダレ25gは、ボルト21の頭部フランジ21aと首部セレーション21cとの間に存在する隅R部21dの逃げとして機能する。
以上の実施形態では、拡径部として面取り25d,25eを例示したが、本発明はこれに限定されることなく、図6(A)〜(C)に示すように、拡径部を凹状部25h〔図6(C)参照〕で構成することも可能である。この凹状部25hは、ボルト圧入治具29を利用することにより形成される。つまり、図6(A)に示すように、ボルト圧入治具29の円筒状の側板支持部29aに対して側板25のフランジ部25cを載置する。この時、側板支持部29aに対してフランジ部25cの取り付け孔25bが位置決めされる。
この状態で、図6(B)に示すように、フランジ部25cの取り付け孔25bにボルト21を圧入する時、取り付け孔25bのシートフレーム側周縁部が側板支持部29aで支持されているので、そのシートフレーム側周縁部にバリや余肉を発生し難くさせると共に、側板支持部29aを取り付け孔25bのシートフレーム側周縁部に食い込ませ、わずかであるが凹状部25hを形成できる。取り付け孔25bのシートフレーム側周縁部は、側板支持部29aの接触面積を小さくし、取り付け孔25bのシートフレーム側周縁部での面圧を大きくすることで容易に変形する。このように、側板支持部29aが取り付け孔25bのシートフレーム側周縁部に食い込むことにより、ボルト圧入後、図6(C)に示すように、取り付け孔25bのシートフレーム側周縁部に凹状部25hが形成される。なお、図6(c)の凹状部25hは説明のため誇張している。
以上のように、側板25の取り付け孔25bのシートフレーム側周縁部に凹状部25hを形成したことにより、取り付け孔25bへのボルト圧入時、取り付け孔25bのシートフレーム側周縁部が側板支持部29aで支持されているので、そのシートフレーム側周縁部にバリや余肉が発生し難くなる。万一、バリや余肉が発生しても凹状部25hに収容されるため、側板25のシートフレーム取り付け面25fから突出することを抑制できる。このことから、側板25のシートフレーム取り付け面25fの平面度を安定化させることができ、側板25とシートフレーム41iとの間に隙間が発生することを抑制して、クラッチユニット10のシートリフタ部41への組み付けが安定した状態となる。
最後に、この実施形態のクラッチユニットの適用例を説明する。以上で詳述した構造を具備するクラッチユニット10は、レバー操作により座席シート40の高さ調整を行う自動車用シートリフタ部41に組み込まれて使用される。図7は自動車の乗員室に装備される座席シート40を示す。座席シート40は着座シート40aと背もたれシート40bとで構成され、着座シート40aの高さHを調整するシートリフタ部41などを備えている。着座シート40aの高さHの調整はシートリフタ部41の操作レバー42によって行う。例えば、座席シート40の座面を低くする場合、レバー側クラッチ部11(図1参照)でのレバー操作、つまり、操作レバー42を下側へ揺動させる操作により、ブレーキ側クラッチ部12(図1参照)のロック状態を解除し、その際に出力軸22(図1参照)に適正な回転抵抗を付与することで、座席シート40の座面を搭乗者にとって違和感なくスムーズに低くするようにしている。
図8はシートリフタ部41の一構造例を概念的に示す。シートスライドアジャスタ41bのスライド可動部材41gにリンク部材41c,41dの一端がそれぞれ回動自在に枢着される。リンク部材41c,41dの他端はそれぞれ着座シート40aに回動自在に枢着される。リンク部材41cの他端はリンク部材41eを介してセクターギヤ41fに回動自在に枢着される。セクターギヤ41fは着座シート40aに回動自在に枢着され、支点41h回りに揺動可能である(図9参照)。リンク部材41dの他端は着座シート40aに回動自在に枢着される。
図9において、操作レバー42を上側へ揺動操作すると、その方向の入力トルクがクラッチユニット10を介してピニオンギヤ22dに伝達され、ピニオンギヤ22dが反時計方向に回動する。そして、ピニオンギヤ22dと噛合するセクターギヤ41fが時計方向に揺動して、リンク部材41cの他端をリンク部材41eを介して引っ張る。その結果、リンク部材41cとリンク部材41dが共に起立して、着座シート40aの座面が高くなる(図8参照)。
このようにして、着座シート40aの高さHを調整した後、操作レバー42を開放すると、操作レバー42が両センタリングばね18,19の弾性力によって下側へ回動して元の位置(中立状態)に戻る。なお、操作レバー42を下側へ揺動操作した場合は、上記とは逆の動作によって、着座シート40aの座面が低くなる。また、高さ調整後に操作レバー42を開放すると、操作レバー42が上側へ回動して元の位置(中立状態)に戻る。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
11 レバー側クラッチ部
12 ブレーキ側クラッチ部
21 ボルト
25 側板
25b 取り付け孔
25c フランジ部
25f,25e 拡径部(面取り)
25h 拡径部(凹状部)
29 ボルト圧入治具
29a 側板支持部
41 シートリフタ部

Claims (4)

  1. 入力側に設けられ、レバー操作により入力される回転トルクの伝達および遮断を制御するレバー側クラッチ部と、出力側に設けられ、前記レバー側クラッチ部からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側から逆入力される回転トルクを遮断するブレーキ側クラッチ部とからなり、
    前記ブレーキ側クラッチ部は、回転が拘束された静止部材の一部を構成し、外周に設けられたフランジ部で固定部位に取り付けられる側板を備え、前記側板は、ボルトが圧入される取り付け孔がプレス加工により前記フランジ部に形成された構造を有し、前記取り付け孔の固定部位側周縁部に拡径部を設けたことを特徴とするクラッチユニット。
  2. 前記拡径部は、前記取り付け孔の固定部位側周縁部に設けられた面取りで構成されている請求項1に記載のクラッチユニット。
  3. 前記拡径部は、ボルト圧入治具の側板支持部に対して前記フランジ部を載置した状態で前記取り付け孔にボルトを圧入する時、前記側板支持部が取り付け孔の固定部位側周縁部に食い込むことにより形成された凹状部で構成されている請求項1に記載のクラッチユニット。
  4. 前記レバー側クラッチ部と前記ブレーキ側クラッチ部が自動車用シートリフタ部に組み込まれている請求項1〜3のいずれか一項に記載のクラッチユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110745036A (zh) * 2018-07-23 2020-02-04 福州明芳汽车部件工业有限公司 改良型座椅高低调整装置

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