JP2016204808A - インクジェット捺染方法及びインクジェット捺染装置 - Google Patents
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Abstract
Description
らなる。ここで、色材に染料を用いると、記録される画像の耐光性等の特性に優れない傾向にあるため、色材として顔料を用いる場合がある。色材として顔料を用いる場合には、顔料を布帛に定着させるために、インクに定着用の樹脂を添加する必要がある。
、インクジェット方式で布帛に顔料インクが付与される際に、間欠性を損なわず、得られたインク塗膜の洗濯堅牢度に優れるインクジェット捺染物を提供できるインクジェット捺染方法、ならびにこれを実施するインクジェット捺染装置を提供するものである。
本発明に係るインクジェット捺染方法の一態様は、
インク組成物を吐出するノズルと、前記インク組成物に圧力を付与して前記ノズルから吐出させる圧力室と、前記圧力室と前記ノズルとを接続する接続部と、を備え、前記圧力室の圧力室からノズル側へインクが流出する部分から前記ノズルまでの接続部の距離が500μm以上であるプリントヘッドを用いて、前記インク組成物を布帛に付着させるインク付着工程を備え、
前記インク組成物は、樹脂を固形分として前記インク組成物に対し10質量%以上26質量%以下含み、前記樹脂の固形分の総含有量に対する有機溶剤の総含有量の比が0.3以上であり、前記樹脂の固形分の総含有量と前記有機溶剤の総含有量の合計が前記インク組成物に対し37質量%以下であることを特徴とする。
適用例1のインクジェット捺染方法において、
前記インク付着工程における前記インク組成物の吐出の1インク滴当たりの最大の質量が30ng以下であることができる。
適用例1または適用例2のインクジェット捺染方法において、
前記プリントヘッドは、前記圧力室1つ当たりの前記圧力室および前記接続部の容積の合計が4200pl以上6200pl以下であることができる。
適用例1ないし適用例3のいずれか一例のインクジェット捺染方法において、
前記圧力室1つ当たりの圧力室の容積が3700pl以下であることができる。
適用例1ないし適用例4のいずれか一例のインクジェット捺染方法において、
前記プリントヘッドが、前記接続部の一部を構成する連通孔が設けられた連通板を備えることができる。
適用例1ないし適用例5のいずれか一例のインクジェット捺染方法において、
更に、前記インク組成物の成分を凝集または増粘させる凝集剤を含む反応液を前記布帛に付着させる反応液付着工程を備えることができる。
適用例1ないし適用例6のいずれか一例のインクジェット捺染方法において、
前記インク組成物が、白色顔料を含む白色インク組成物であることができる。
適用例1ないし適用例7のいずれか一例のインクジェット捺染方法において、
前記プリントヘッドは前記インク組成物を吐出する複数のノズルを列状に備え、列方向におけるノズル密度が200dpi以上であることができる。
適用例1ないし適用例8のいずれか一例のインクジェット捺染方法において、
前記布帛への最大のインク付着量が100mg/inch2以上であることができる。
本発明に係るインクジェット捺染装置の一態様は、
適用例1ないし適用例9のいずれか一例のインクジェット捺染方法で捺染を行うことを特徴とする。
本発明の一実施形態に係るインクジェット捺染方法は、インク組成物を吐出するノズルと、インク組成物に圧力を付与してノズルから吐出させる圧力室と、前記圧力室と前記ノズルとを接続する接続部と、を備え、前記圧力室の圧力室からノズル側へインクが流出する部分から前記ノズルまでの接続部の距離が500μm以上であるプリントヘッドを用いて、インク組成物を布帛に付着させるインク付着工程を備え、インク組成物は、樹脂を固形分としてインク組成物に対し10質量%以上26質量%以下含み、樹脂の固形分の総含有量に対する有機溶剤の総含有量の比が0.3以上であり、樹脂の固形分の総含有量と有機溶剤の総含有量の合計がインク組成物に対し37質量%以下である。
本実施形態に係るインクジェット捺染装置は、上述のように、インク組成物を吐出するノズルと、前記インク組成物に圧力を付与して前記ノズルから吐出させる圧力室と、前記圧力室と前記ノズルとを接続する接続部と、を備え、前記圧力室の圧力室からノズル側へインクが流出する部分から前記ノズルまでの接続部の距離が500μm以上であるプリントヘッドを備えている。
のプリントヘッドが互いに連結されて、1つの集合したヘッドとなっていてもよい。このような集合となったヘッドとしては、例えば、複数のヘッドのそれぞれのノズル孔が全体として均一な間隔を有するような、ライン型のヘッドを挙げることができる。
図2は、プリンター200におけるプリントヘッド100を模式的に示す分解斜視図であり、図1に示したプリンター200に搭載される状態とは上下を逆に示したものである。図3は、プリントヘッド100の要部の断面の模式図であり、インクの吐出動作の際のインク供給室40からノズル12までのインクの流れを、破線矢印で模式的に示してある。
ン、ポリフェニレンスルファイト等が挙げられ、ポリフェニレンスルファイトで形成されることがより好ましい。また、金属としては、例えば、鉄やアルミニウムを含む材料が挙げられる。
μm以下であることが好ましい。なお、連通孔がノズルプレート10に対して斜めに伸びている場合にも、連通孔の長さは連通孔に沿った長さであり、この場合には連通板110の厚み方向の長さd1よりも長くなる。つまり、圧力室20と連通孔の境界から連通孔の中を通ってノズル孔12までに到る最短の距離が連通孔の長さとなり、接続部の距離は、この連通孔の長さに、ノズル孔12及びこれらを接続する全ての部分の長さを足した長さとなる。
しない構造である。
本発明の一実施形態に係るインクジェット捺染方法に用いられるインク組成物は、樹脂を固形分としてインク組成物に対し10質量%以上26質量%以下含み、樹脂の固形分の総含有量に対する有機溶剤の総含有量の比が0.3以上であり、樹脂の固形分の総含有量と有機溶剤の総含有量の合計が前記インク組成物に対し37質量%以下であることを特徴とする。
本実施形態に係るインクジェット捺染方法に用いるインクは、顔料を含有する。顔料としては、有機顔料および無機顔料のいずれも使用することができ、いずれの色の顔料も使用できる。
の金属類、金属酸化物及び硫化物、並びにファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、さらには黄土、群青、及び紺青等の無機顔料を用いることができる。
メント オレンジ 1、2、5、7、13、14、15、16、24、34、36、38
、40、43、63等が挙げられる。
とがより好ましい。さらに7質量%以上15質量%以下であることが好ましく、12質量%以下であることがいっそう好ましい。
本実施形態で用いるインクは、樹脂を含有する。樹脂を含有することにより、インクと布帛の密着性を向上できるので、記録される画像の耐擦性を向上できる。
非白色の布帛へ画像の記録を行う場合、非白色の布帛上での画像の視認性を良くするために、酸化チタン等の白色系の顔料を含む白色インクを用いて記録が行われる。しかし、非白色の布帛は、布帛へインクが浸透した場合のインクの発色性や布帛の隠蔽性の低下が大きく、記録される画像の発色性、布帛の隠蔽性が不十分になる傾向がある。このため、非白色の布帛への画像の形成に用いるインクにより得られる画像の発色性、布帛の隠蔽性を高めるという観点から、インク成分を凝集または増粘させる凝集剤を含む反応液を用いることが好ましい。
本実施形態で用いるインクは、水、有機溶剤、界面活性剤、pH調製剤、防腐剤・防かび剤等を含有してもよい。
水は、インクの主となる媒体であり、乾燥により蒸発飛散する成分である。水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加などによって滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。インクに含まれる水の含有量としては、特に限定されるものではないが、インクの全質量に対して、例えば50質量%以上であることができ、さらには50質量%以上95質量%以下であることができる。
有機溶剤としては、例えば、1,2−アルカンジオール類、多価アルコール類、グリコールエーテル類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。有機溶剤の含有量は、例えば、インク全質量に対して、好ましくは7質量%以上27質量%以下であり、より好ましくは9質量%以上25質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以上20質量%以下であり、もっとも好ましくは11質量%以上15質量%以下であることができる。
できる。1,2−アルカンジオール類を含有する場合には、その含有量は、インクの全質量に対して、1質量%以上20質量%以下であることができる。
界面活性剤は、表面張力を低下させ記録媒体との濡れ性を向上させる機能を備える。界面活性剤の中でも、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、およびフッ素系界面活性剤を好ましく用いることができる。
pH調整剤としては、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
防腐剤・防かび剤としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジンチアゾリン−3−オン(ICI社のプロキセルCRL、プロキセルBND、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)等が挙げられる。
本実施形態で用いるインクは、前述した成分を任意の順序で混合し、必要に応じて濾過等をして不純物を除去することにより得られる。各成分の混合方法としては、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。濾過方法としては、遠心濾過、フィルター濾過等を必要に応じて行なうことができる。
本実施形態で用いるインクのpHは、画像品質とインクジェット用のインクとしての信頼性とのバランスの観点から、20℃における表面張力が20mN/m以上40mN/mであることが好ましく、25mN/m以上35mN/m以下であることがより好ましい。なお、表面張力の測定は、例えば、自動表面張力計CBVP−Z(商品名、協和界面科学株式会社製)を用いて、20℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張
力を確認することにより測定することができる。
本実施形態に係るインク付着工程は、上述したように、インク組成物を吐出するノズルと、前記インク組成物に圧力を付与して前記ノズルから吐出させる圧力室と、前記圧力室の圧力室からノズル側へインクが流出する部分から前記ノズルまでの接続部の距離が500μm以上であるプリントヘッドを用いて、前記インク組成物を布帛に付着させるインク付着工程である。
本実施形態に係るインクジェット捺染方法では、インク付着工程の前または後に、インク組成物の成分を凝集または増粘させる凝集剤を含む反応液を布帛に付着させる反応液付着工程を備えることが好ましい。上述したように、白色系の顔料を含む白色インクを用い
て非白色の布帛上にインクジェット捺染を行う場合において、得られる画像の発色性、布帛の隠蔽性を高めるという観点から、インク成分を凝集または増粘させる凝集剤を含む反応液を布帛に付着させることが好ましい。
以下、本発明を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。
表1の下段に記載の成分を混合し、マグネチックスターラーで2時間混合攪拌した後、さらに孔径5μmのメンブレンフィルターを用いてろ過し、I1〜I9の白色インク組成物を得た。なお、表1中の数値は白色インク組成物中の含有量(質量基準%)を表し、表1の上段は、請求項1に対応した各数値を表す。また、表1に示す各成分の略称は以下の通りである。
・ウレタン樹脂(商品名「タケラックWS−6021」、三井化学社製)
・界面活性剤(商品名「BYK−306」、BYK社製)
・添加剤(商品名「プロキセルCRL」、ICI社製)
上記で説明した図1〜図3に記載されているプリントヘッドを備えるインクジェット捺染装置として、SC−F2000(セイコーエプソン株式会社製)の改造機を用意した。ヘッドとしては、表2に示すH1〜H3の3種類のヘッドを用いた。
である。つまり、ノズルピッチは300dpi、圧力室20の容積は2900plであり、連通孔127、ノズル孔12および圧力室20の容積の合計は、接続部132の距離がヘッドH1よりも短いため3600plである。なお、いずれのヘッドにおいても、ノズル孔12のノズル径は20μmである。
布帛(haines社製ヘビーウェイト、綿100%、黒色生地)に対して捺染記録試験を行った。前処理剤は、15質量%の塩化カルシウムと、0.1質量%の界面活性剤(商品名「BYK−348」、BYK社製)と、モビニール966A(商品名、日本合成化学株式会社製)10質量%と、イオン交換水(残部)とを、総量が100質量%になるよう混合して、前処理剤を得た。ここで、各成分の配合量は、固形分換算したものである。
2.4.1.画像の隠蔽性の評価
印捺物の画像のL*値を、測色器(商品名「Gretag Macbeth Spectrolino」、X−RITE社製)で測定し、以下の評価基準で評価した。
(評価基準)
AA:94≦L*
A:91≦L*<94
B:89≦L*<91
C:L*<89
上記印捺物を洗濯堅牢性試験により評価した。洗濯堅牢性試験は、「AATCC61 2A、3A」に準じて行い、下記評価基準により評価した。なお、下記の「2A」とは、25℃で洗濯したことを示し、「3A」とは、60℃で洗濯したことを示す。Duty100%部は上記捺染記録試験にて作成した画像部であり、Duty50%部は、Duty100%の半分の付着量としたこと以外は同様にして作成した画像部である。
(評価基準)
AA:3A条件において、Duty50%部で被膜の脱落なし
A:3A条件においてDuty50%部で被膜の脱落あり、Duty100%部では被膜の脱落無し。
B:3A条件においてDuty100%部でも被膜の脱落あり、2A条件においてDuty50%部でも被膜の脱落なし。
C:2A条件においてDuty50%部でも被膜の脱落あり。
上記捺染記録試験に用いた装置の記録条件において、長時間使用を想定し、ヘッドからプラテン側方に設けたインク受けにインクの吐出を5分間連続して行い、1分間ヘッドを放置した後、再び5分間連続吐出と1分間放置を、10セット行った。終了後、ノズルの不吐出検査を行い、使用した全ノズル数に対する不吐出ノズル数を算出し、以下の基準で
評価した。
(評価基準)
AA:1%未満
A:1%以上3%未満
B:3%以上5%未満
C:5%以上
上記捺染記録試験に用いた装置の記録条件において、布帛へのインクの付着を5分間連続して行った後、ヘッドのノズルプレートのノズル列の中心から半径7μmの領域において、インク液で被覆している面積の率を測定し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
AA:10%未満
A:10%以上30%未満
B:30%以上50%未満
C:50%以上
捺染記録試験で得た印捺物の画像部の布帛の裏を目視で観察し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
A:裏抜け無し。
B:若干裏抜けがある。
C:かなり裏抜けがある。
各実施例及び比較例の評価結果を下表3に示す。
Claims (10)
- インク組成物を吐出するノズルと、前記インク組成物に圧力を付与して前記ノズルから吐出させる圧力室と、前記圧力室と前記ノズルとを接続する接続部と、を備え、前記圧力室の圧力室からノズル側へインクが流出する部分から前記ノズルまでの接続部の距離が500μm以上であるプリントヘッドを用いて、前記インク組成物を布帛に付着させるインク付着工程を備え、
前記インク組成物は、樹脂を固形分として前記インク組成物に対し10質量%以上26質量%以下含み、前記樹脂の固形分の総含有量に対する有機溶剤の総含有量の比が0.3以上であり、前記樹脂の固形分の総含有量と前記有機溶剤の総含有量の合計が前記インク組成物に対し37質量%以下である、インクジェット捺染方法。 - 請求項1に記載のインクジェット捺染方法において、
前記インク付着工程における前記インク組成物の吐出の1インク滴当たりの最大の質量が30ng以下である、インクジェット捺染方法。 - 請求項1または請求項2に記載のインクジェット捺染方法において、
前記プリントヘッドは、前記圧力室1つ当たりの前記圧力室および前記接続部の容積の合計が4200pl以上6200pl以下である、インクジェット捺染方法。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のインクジェット捺染方法において、
前記圧力室1つ当たりの圧力室の容積が3700pl以下である、インクジェット捺染方法。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のインクジェット捺染方法において、
前記プリントヘッドが、前記接続部の一部を構成する連通孔が設けられた連通板を備える、インクジェット捺染方法。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のインクジェット捺染方法において、
更に、前記インク組成物の成分を凝集または増粘させる凝集剤を含む反応液を前記布帛に付着させる反応液付着工程を備える、インクジェット捺染方法。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のインクジェット捺染方法において、
前記インク組成物が、白色顔料を含む白色インク組成物である、インクジェット捺染方法。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のインクジェット捺染方法において、
前記プリントヘッドは前記インク組成物を吐出する複数のノズルを列状に備え、列方向におけるノズル密度が200dpi以上である、インクジェット捺染方法。 - 請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のインクジェット捺染方法において、
前記布帛への最大のインク付着量が100mg/inch2以上である、インクジェット捺染方法。 - 請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のインクジェット捺染方法で捺染を行う、インクジェット捺染装置。
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