JP2016204576A - 空孔を備えたゲル構造体およびその製造方法、並びにその利用 - Google Patents
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Abstract
Description
前記ゲル構造体は、前記化学式(1)にて表される化合物の脱離によって形成された空孔を備え、
前記空孔は、当該空孔の内壁に前記不飽和化合物に由来する官能基を備えることを特徴とするゲル構造体。
(iii)前記重合体に対して加水分解を行うことにより、前記重合体から、前記化学式(1)にて表される化合物を1以上脱離させ、空孔を備えたゲル構造体を得る工程と、を含むことを特徴とする、ゲル構造体の製造方法。
本発明に係る、空孔を備えたゲル構造体は、下記化学式(1)にて表される化合物(Noria)が備える水酸基の1以上が不飽和化合物によりエステル化されたエステルを、重合および架橋して得られる重合体から、前記化学式(1)にて表される化合物が1以上脱離されてなる、空孔を備えたゲル構造体であって、前記ゲル構造体は、前記化学式(1)にて表される化合物の脱離によって形成された空孔を備え、前記空孔は、当該空孔の内壁に前記不飽和化合物に由来する官能基を備える、ゲル構造体である。
本発明に係る金属の包接材は、本発明に係る空孔を備えたゲル構造体を有効成分として含有し、金属を包接し得る。
本発明に係る二酸化炭素の吸着剤は、本発明に係る空孔を備えたゲル構造体を有効成分として含有し、二酸化炭素を吸着し得る。
本発明に係る二酸化炭素の分離膜は、本発明に係る二酸化炭素の吸着材が成膜されてなるものである。
他の実施形態において、本発明は、上述のNoriaの脱離により形成される空孔を備えるゲル構造体の製造方法である。
(i)Noriaが備える水酸基の1以上と、不飽和化合物との間にエステル結合を形成させ、エステルを得る工程、
(ii)前記エステルを、架橋剤の存在下で重合および架橋することによって、重合体を得る工程、
(iii)前記重合体に対して加水分解を行うことにより、前記重合体から、Noriaを1以上脱離させ、空孔を備えたゲル構造体を得る工程。
Noriaは、上述の反応式(1)に基づき、レゾルシノールと1,5−ペンタンジアールとの縮合反応を、エタノール溶液中にて塩酸(東京化成製)の存在下にて、80℃にて、48時間かけて行うことにより合成したものを使用した。
本実施例において得られた化合物について、以下の示す装置を使用して得られた化合物の構造解析を行った。
本実施例においては、1H核磁気共鳴装置(日本電子(株)製 JOEL ECS−400K)を用いて、400MHz−NMRスペクトルを測定した。
本実施例においては、フーリエ変換近赤外/中赤外/遠赤外分光分析(FT−IR)装置(パーキンエルマージャパン(株)製 Spectrum 100(R))を用いて、IRスペクトルを測定した。
本実施例においては、島津製作所(株)製 TGA−50を用いて、熱重量損失温度測定を行った。前記測定は、窒素雰囲気下にて、アルミニウムパンを使用して、昇温速度30℃/分にて200℃まで加熱した後、昇温速度10℃/分にて450℃まで加熱する測定条件にて行った。
[Noria−MAの合成]
IR(KBr,cm−1):1739(vC=O:エステル)、1494(vC=C:メタクリロイル基)
1NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):0.57〜2.20(m,60H,Ha,Hb,Hf)、3.74〜4.41(m,12H,Hc)、5.55〜6.18(m,48H,Hg,Hg)、6.43〜7.50(m,24H,Hc,Hd)
なお、上に示すHX(X=a、b、c、d、fまたはg)は、図3中の構造式におけるHX(X=a、b、c、d、fまたはg)の位置のプロトンに対応する。
前述のように測定したIRスペクトルには、Noriaにおいて観測されないエステル結合のC=O伸縮振動に起因する1739cm−1のピークと、メタクリロイル基のC=C伸縮振動に起因する1497cm−1のピークとが新たに確認された。このことから、Noriaと、メタクリロイルクロライドとの間にエステル化反応が進行し、Noriaのエステル化が進行したことが示唆された。
[1,3−ビス(メタクリルアミド)プロパン(以下、「DMA3」と称する)の合成]
IR(KBr,cm−1):1651(vC=O:アミド)、1532(vC=C:メタクリロイル基)
1NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):1.48〜1.62(t,2H,Hf)、1.76〜1.84(s,6H,Hd)、2.96〜3.14(t、4H,He)、5.24(s,4H,Hb)、5.61(s,2H,Hc)、7.78〜7.96(t,2H,Ha)
なお、上に示すHX(X=a〜fの何れか)は、図5中の構造式におけるHX(X=a〜fの何れか)の位置のプロトンに対応する。
前述のように測定したIRスペクトルには、アミド結合に起因する1651cm−1のピーク、およびメタクリロイル基に起因する1532cm−1のピークが確認された。このことから、DMA3が合成されたことが示唆された。
[1,6−ビス(メタクリルアミド)ヘキサン(以下、「DMA6」と称する)の合成]
IR(KBr,cm−1):1654(vC=O:アミド)、1541(vC=C:メタクリロイル基)
1NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):1.12〜1.46(m,8H,Hf)、1.70〜1.88(s,6H,Hd)、2.91〜3.13(t、4H,He)、5.10(s,2H,Hb)、5.64(s,2H,Hc)、7.66〜7.93(t,2H,Ha)
なお、上に示すHX(X=a〜fの何れか)は、図7中の構造式におけるHX(X=a〜fの何れか)の位置のプロトンに対応する。
前述のように測定したIRスペクトルには、アミド結合に起因する1654cm−1のピーク、およびメタクリロイル基に起因する1541cm−1のピークが確認された。このことから、DMA6が合成されたことが示唆された。
[1,12−ビス(メタクリルアミド)ドデカン(以下、「DMA12」と称する)の合成]
IR(KBr,cm−1):1651(vC=O:アミド)、1532(vC=C:メタクリロイル基)
1NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):1.12〜1.46(quin,10H,Hg)、1.79(s,6H,Hd)、3.01〜3.09(q、4H,Hf)、5.25(s,2H,Hb)、5.57(s,2H,Hc)、7.83(s,2H,Ha)
なお、上に示すHX(X=a、b、c、d、fまたはg)は、図9中の構造式におけるHX(X=a、b、c、d、fまたはg)の位置のプロトンに対応する。
前述のように測定したIRスペクトルには、アミド結合に起因する1654cm−1のピーク、およびメタクリロイル基に起因する1532cm−1のピークが確認された。このことから、1,12−ビス(メタクリルアミド)ドデカン(以下、DMA12と称する)が合成されたことが示唆された。
[Noria−Gel(3)の製造]
製造例5〜8では、Noria−MAと、DMA3とを種々の仕込み比で反応させることにより、Noria骨格を有するゲル構造体(以下、「Noria−Gel(3)」と称する)を製造した。
IR(KBr,cm−1):1741,1126(vC=O:エステル)、1660(vC=O:アミド)
また、得られたNoria−Gel(3)の収率は、製造例5が87%であり、製造例6〜8はいずれも>99%であった。
前述のように測定したそれぞれのNoria−Gel(3)のIRスペクトルにおいて、メタクリロイル基に起因する1532cm−1のピークの消失が観測され、新たに、エステル結合に起因する1741cm−1のピーク、アミド結合に起因する1660cm−1のピークが観測された。前記観測結果から、Noria−Gel(3)は、Noria骨格を有する架橋化合物であることが確認された。
[Noria−Gel(6)の製造]
製造例9〜11では、Noria−MAと、DMA6とを種々の仕込み比で反応させることにより、Noria骨格を有するゲル構造体(以下、「Noria−Gel(6)」と称する)を製造した。
IR(KBr,cm−1):1741,1126(vC=O:エステル)、1660(vC=O:アミド)
また、得られたNoria−Gel(6)の収率は、仕込み比を、製造例9〜11のすべてで>99%であった。
前述のように測定したそれぞれのNoria−Gel(6)のIRスペクトルにおいて、製造例5〜8と同様の位置に、IRスペクトルのピークが存在することが確認された。よって、Noria−Gel(6)は、Noria−Gel(3)と同様に、Noria骨格を有する架橋化合物であることが確認された。
[Noria−Gel(12)の製造]
製造例12〜16では、Noria−MAと、DMA12とを種々の仕込み比で反応させることにより、Noria骨格を有するゲル構造体(以下、「Noria−Gel(12)」と称する)を製造した。
IR(KBr,cm−1):1741,1126(vC=O:エステル)、1660(vC=O:アミド)
また、Noria−Gel(12)の収率は、仕込み比が、製造例12〜16のすべてで>99%であった。
前述のように測定したそれぞれのNoria−Gel(12)のIRスペクトルにおいて、において、製造例5〜11と同様の位置に、IRスペクトルのピークが存在することが確認された。よって、Noria−Gel(12)は、Noria−Gel(3)およびNoria−Gel(6)と同様に、Noria骨格を有する架橋化合物であることが確認された。
[参考例1]
(Noria−Gel(3)(A)の加水分解による脱コア)
Noria−Gel(3)(A)0.05gを30mlナスフラスコに量り取り、NaOH水溶液(6M)を10ml加えた。その後リフラックス(還流)条件下にて、120℃にて、6時間撹拌し、Noria−Gel(3)(A)に対する加水分解反応を行った。反応終了後、反応物に対して濃塩酸を用いて酸析を行い、メンブラン(アドバンテック社製)で濾過を行った。その結果、水に対して可溶性のポリマーのみが得られた。
(Noria−Gel(3)(B)の加水分解による脱コア)
Noria−Gel(3)(A)の代わりにNoria−Gel(3)(B)を使用した以外は、参考例1と同様の操作を行った。その結果、水に対して可溶性のポリマーのみが得られた。
(Noria−Gel(3)(C)の加水分解による脱コア)
Noria−Gel(3)(A)の代わりにNoria−Gel(3)(C)を使用した以外は、参考例1と同様の操作を行った。その結果、水に対して可溶性のポリマーのみが得られた。
IR(KBr,cm−1):1711,1192(vC=O:カルボキシル基)、1630(vC=O:アミド)
一方、前記可溶部分に対して、濃塩酸を用いて酸析を行った結果、茶色固体を得た。前記固体を大量の水道水にて洗浄した後、60℃の条件下にて真空乾燥を行い、24時間かけて乾燥させたものに対して、IRスペクトルおよび1NMRスペクトルを測定して構造解析を行った。測定結果を図14および図15に示す。
前記茶色のゲル構造体のIRスペクトルを、Noria−Gel(3)(D)のIRスペクトルと比較すると、ベンゼン環に起因する1400cm−1付近のピークおよびエステル結合に起因する1126cm−1付近のピークの減少、並びに、カルボン酸に起因する1711cm−1のピークが新たに出現したことが確認された。
(Noria−Gel(6)(A)の加水分解による脱コア)
Noria−Gel(3)(A)の代わりにNoria−Gel(6)(A)を使用した以外は、参考例1と同様の操作を行った。その結果、水に対して可溶性のポリマーのみが得られた。
(Noria−Gel(6)(B)の加水分解による脱コア)
IR(KBr,cm−1):1718,1182(vC=O:カルボキシル基),1624(vC=O:アミド)
一方、前記可溶部分に対して、濃塩酸を用いて酸析を行った結果、茶色固体を得た。前記固体についても、実施例1と同様の方法にて、IRスペクトルおよび1NMRスペクトルを測定し、構造解析を行った。測定結果を図17および図18に示す。
前記茶色のゲル構造体のIRスペクトルに関して、Noria−Gel(6)(D)のIRスペクトルと比較すると、実施例1の場合と同様に、ベンゼン環に起因する1400cm−1付近のピークおよびエステル結合に起因する1126cm−1付近のピークの減少、並びに、カルボン酸に起因する1718cm−1のピークが新たに出現したことが確認された。
(Noria−Gel(6)(C)の加水分解による脱コア)
Noria−Gel(3)(A)の代わりにNoria−Gel(6)(C)を使用した以外は、参考例1と同様の条件にて、実施例2に記載の反応式(8)に示す加水分解を行った。その結果、NaOH水溶液に可溶な部分と、不溶な部分とが得られた。
前記茶色固体および前記ゲル構造体のIRスペクトルおよび1NMRスペクトルは、実施例2にて得られたスペクトルと類似しており、同様の位置にピークが観測された。前記事項から、実施例3において、実施例2と同様に、NaOH水溶液に可溶な部分はNoriaであること、および、Noria−Gel(6)(C)から可溶部としてNoria部位が脱離した、空孔を備えたゲル構造体(以下、Gel−MA(Noria)(6)(C)と称する)が得られたことが示唆された。
(Noria−Gel(12)(A)の加水分解による脱コア)
Noria−Gel(3)(A)の代わりにNoria−Gel(12)(A)を使用したこと、および、反応物に対して、濃塩酸の代わりに1Nの塩酸を用いた以外は、参考例1と同様の操作を行った。その結果、水に対して可溶性のポリマーのみが得られた。
(Noria−Gel(12)(B)の加水分解による脱コア)
Noria−Gel(12)(A)の代わりにNoria−Gel(12)(B)を使用した以外は、参考例5と同様の操作を行った。その結果、水に対して可溶性のポリマーのみが得られた。
(Noria−Gel(12)(D)の加水分解による脱コア)
IR(KBr,cm−1):1741,1126(vC=O:カルボキシル基)、1660(vC=O:アミド)
一方、前記可溶部分に対して、1Nの塩酸を用いて酸析を行った結果、茶色固体を得た。前記固体を大量の水道水にて洗浄した後、60℃の条件下にて真空乾燥を行い、24時間かけて乾燥させたものに対して、IRスペクトルおよび1NMRスペクトルを測定した。測定結果を図20および図21に示す。
前記茶色のゲル構造体のIRスペクトルに関して、Noria−Gel(12)(D)のIRスペクトルと比較すると、ベンゼン環に起因する1400cm−1付近のピークおよびエステル結合に起因する1126cm−1付近のピークの減少、並びに、カルボン酸に起因する1718cm−1のピークが新たに出現したことが確認された。
(Noria−Gel(12)(C)の加水分解による脱コア)
Noria−Gel(12)(A)の代わりにNoria−Gel(12)(C)を使用した以外は、参考例1と同様の条件にて、実施例4に記載の反応式(9)に示す加水分解を行った。その結果、NaOH水溶液に可溶な部分と、不溶な部分が得られた。
前記茶色固体および前記ゲル構造体のIRスペクトルおよび1NMRスペクトルは、実施例4にて得られたスペクトルと類似しており、同様の位置にピークが観測された。前記事項から、実施例5において、実施例4と同様に、NaOH水溶液に可溶な部分はNoriaであること、および、Noria−Gel(12)(C)から、可溶部としてNoria部位が脱離した、空孔を備えたゲル構造体(以下、Gel−MA(Noria)(12)(C)と称する)が得られたことが示唆された。
(Noria−Gel(12)(E)の加水分解による脱コア)
Noria−Gel(12)(A)の代わりにNoria−Gel(12)(E)を使用した以外は、参考例1と同様の条件にて、実施例4に記載の反応式(9)に示す加水分解を行った。その結果、NaOH水溶液に可溶な部分と、不溶な部分が得られた。
前記茶色固体および前記ゲル構造体のIRスペクトルおよび1NMRスペクトルは、実施例4にて得られたスペクトルと類似しており、同様の位置にピークが観測された。前記事項から、実施例5において、実施例4と同様に、NaOH水溶液に可溶な部分はNoriaであること、および、Noria−Gel(12)(E)から、可溶部としてNoria部位が脱離した、空孔を備えたゲル構造体(以下、Gel−MA(Noria)(12)(E)と称する)が得られたことが示唆された。
上の製造例5〜16にて得られたNoria−Gel(X)(X=3、6または12)および実施例1〜6にて得られたGel−MA(Noria)(X)(X=3、6または12)についてTGA測定を行った。その結果を以下の表1に示す。
実施例においてNoriaを使用したことによる効果を確認するために、Noriaを使用せず、メチルメタクリレートとDMA6とを重合および架橋させて得られた重合体を加水分解することにより、ゲル構造体(以下、Gel(MA)(6)と称する)を製造した。
(Gel(MMA)(6)の合成)
IR(KBr,cm−1):3421,1668(vC=O:アミド)、1733,1244(vC=O:エステル)
また、得られたGel(MMA)(6)の収量は、1.32g(収率>99%)であった。
前述のように測定されたGel(MMA)(6)のIRスペクトルにおいて、DMA6のアミド結合に起因する3421cm−1および1668cm−1のピーク、並びに、MMAのエステル結合に起因する1733cm−1のピークおよび1244cm−1のピークが観測された。前記観測結果から、得られたゲル構造体(Gel(MMA)(6))は、MMAとDMA6とからなる架橋性ポリマーであることが確認された。
前記IRスペクトルにおいて、加水分解前(すなわち、Gel(MMA)(6))と比較して、カルボン酸(カルボキシル基)に起因する3400cm−1付近のピーク強度が増大したことが観測された。前記事項から、反応式(13)に示す加水分解反応が進行し、カルボン酸が形成されたことが示された。すなわち、加水分解の進行と共に、MMAとDMA6との結合が乖離し、カルボン酸が形成されたことが示された。
[アルカリ金属包接能の評価]
(アルカリ金属ピクリン酸塩の生成)
実施例1〜3、5、6にて得られた、ホストのポリマー:Gel−MA(Noria)に対して、ゲスト(ピクリン酸塩)の脱イオン水溶液を2.4×10−4重量%の濃度となるように加えた後、前記ホストおよび前記ゲストを含む液体から、ゲスト溶液を5mlサンプル管に抽出し、室温(25℃)で24時間撹拌した。またホスト非存在下における対象サンプルとして、2.4×10−4重量%の濃度に調整したゲスト溶液を用いた。撹拌終了後、得られた水層を石英セルに移しピクリン酸アニオンの吸収極大波長(355nm)における吸光度を測定し、対象サンプルの吸光度と比較し、以下の式に従い、その減少率から包接率(Ex(%))を求めた。
Ex(%)=[Abs(Bi)−Abs(Ex)]/[Abs(Bi)]×100
Abs(Bi): ホスト非存在下における抽出操作後の吸光度(波長=355nm)
Abs(Ex): ホスト存在下における抽出操作後の吸光度(波長=355nm)
前記包接能の評価結果を以下の表2に示す。
比較例1にて得られたゲル構造体:Gel(MMA)(6)について、実施例7〜11にてアルカリ金属包接能を評価したのと同様の方法にて、アルカリ金属包接能を評価した(比較例2)。
表2から、同一のDMAを用いたゲル構造体同士(Gel−MA(Noria)(6)(B)とGel−MA(Noria)(6)(C)、および、Gel−MA(Noria)(12)(D)とGel−MA(Noria)(12)(E))を比較すると、Noria−MAとDMAとの仕込み比が、1.0:12.0のものよりも、1.0:24.0のものの方が、アルカリ金属の種類に関係なく高い包接率を示すことが分かった。このことから、DMAのメチレン鎖の長さに関わらず、Noria−MAに対するDMAの仕込み量が多い方が、得られるゲル構造体における脱離したNoria部位に由来する空孔を保持するために好ましいことが分かった。
Claims (22)
- 前記不飽和化合物は、カルボン酸ハロゲン化物、2-クロロ-4-(ビニルフェニル)アセトアミド、イソシアナートスチレン、ジイソシアナート、2−(ビニロキシ)エチルメタクリレート、および、4−(2−ビニロキシ)エトキシスチレンからなる群より選ばれる1以上の不飽和化合物であることを特徴とする請求項1に記載のゲル構造体。
- 前記カルボン酸ハロゲン化物が、メタクリロイルクロライドであることを特徴とする請求項2に記載のゲル構造体。
- 前記エステルは、前記化学式(1)にて表される化合物が備える水酸基24個が不飽和化合物によりエステル化されてなるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲル構造体。
- 前記架橋が、多官能性の架橋剤によって行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のゲル構造体。
- 前記多官能性の架橋剤が、2官能性〜4官能性の架橋剤であることを特徴とする請求項5に記載のゲル構造体。
- 前記架橋剤が、前記化学式(2)で表される化合物であり、前記化学式(2)においてn=6の化合物であることを特徴とする請求項7に記載のゲル構造体。
- 前記官能基が、カルボキシ基、アミノ基、および水酸基からなる群より選ばれる1以上の官能基であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のゲル構造体。
- 前記エステルと、前記架橋剤とのモル比が1.0:3.0〜1.0:96.0であることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載のゲル構造体。
- 前記モル比が1.0:12.0〜1.0:24.0であることを特徴とする請求項10に記載のゲル構造体。
- 前記空孔は、内径が3〜10Åであることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のゲル構造体。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載のゲル構造体を有効成分として含有し、金属を包接し得ることを特徴とする、金属の包接材。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載のゲル構造体を有効成分として含有し、二酸化炭素を吸着し得ることを特徴とする、二酸化炭素の吸着材。
- 請求項14に記載の二酸化炭素の吸着材が成膜されてなることを特徴とする二酸化炭素の分離膜。
- 前記不飽和化合物は、カルボン酸ハロゲン化物、2-クロロ-4-(ビニルフェニル)アセトアミド、イソシアナートスチレン、ジイソシアナート、2−(ビニロキシ)エチルメタクリレート、および、4−(2−ビニロキシ)エトキシスチレンからなる群より選ばれる1以上の不飽和化合物であることを特徴とする請求項16に記載のゲル構造体の製造方法。
- 前記エステルと、前記架橋剤とのモル比が1.0:3.0〜1.0:96.0であることを特徴とする請求項16〜18のいずれか1項に記載のゲル構造体の製造方法。
- 前記モル比が1.0:12.0〜1.0:24.0であることを特徴とする請求項19に記載のゲル構造体の製造方法。
- 前記重合が、溶液重合法または固層重合法によって行われることを特徴とする請求項16〜20のいずれか1項に記載のゲル構造体の製造方法。
- 前記不飽和化合物と、前記架橋剤とが、共にジイソシアナートであることを特徴とする請求項16〜請求項21のいずれか1項に記載のゲル構造体の製造方法。
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