JP2016204565A - 撥水剤組成物及び当該組成物を用いた撥水加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】汎用性のシリコーン系化合物を組み合わせることにより、シリコーン系撥水剤の特徴である柔軟な風合いと耐摩擦性、耐磨耗性を維持すると共に、従来のシリコーン系撥水剤の欠点である洗濯耐久性の向上を図り、従来のフッ素系撥水剤と同程度の撥水性能を有する撥水剤組成物及び当該組成物を用いた撥水加工方法を提供する。【解決手段】両末端がヒドロキシ基を有する又は生じうる有機基で変性されたジメチルポリシロキサンを第1成分とし、両末端がヒドロキシ基を有する又は生じうる有機基で変性されたアミノ変性ポリシロキサンを第2成分とする。第1成分の動粘度の値は、2000mm2/s〜25000mm2/sの範囲内にある。第1成分の動粘度の値(mm2/s)をXとし、第2成分の動粘度の値をYとし、第2成分のアミン当量の値(g/mol)をZとしたときに、その比の値[(X+Y)/Z]が、略1〜6の範囲内にあることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、撥水剤組成物に関するものであり、特に被処理材料の耐久性撥水加工に使用される撥水剤組成物に関するものである。また、本発明は、当該撥水剤組成物を用いた耐久性のある撥水加工方法に関するものである。
従来から繊維製品、紙、木材、皮革等の親水性物質の表面に撥水性を付与する方法として、パラフィン系、シリコーン系、フッソ系などの撥水性付与剤(以降「撥水剤」という。)で撥水加工を行っている。これらの撥水剤の中で最も基本的なものはパラフィン系撥水剤であるが、この撥水剤は初期撥水性能及び耐久性(主に洗濯耐久性)が弱いという問題があった。また、フッソ系撥水剤は、初期撥水性能及び洗濯耐久性は良好であるが、薬剤コストが高く、繊維等に処理した場合に風合いが硬く、また、摩擦や磨耗による撥水性能の低下という問題があった。
更に、従来のフッソ系撥水剤は炭素数が8以上のパーフロロアルキル基を有するものが撥水性能の点から主流であった。これらのフッソ系撥水剤が環境中に排出された場合に分解して、パーフルオロオクタン酸(以下「PFOA」という。)などの生体蓄積性のある物質を発生する可能性が指摘され、環境・安全上の懸念材料として取りざたされている。これに対して、PFOAよりも生分解性の高い炭素数が6以下のパーフロロアルキル基を有するフッ素系撥水剤が提案されている。しかし、炭素数が6以下のパーフロロアルキル基を有する撥水剤は、従来の炭素数が8以上のパーフロロアルキル基を有する撥水剤に比べ、撥水性能(特に洗濯耐久性)が劣ることが問題となっている。
一方、シリコーン系撥水剤は、主にメチルハイドロジェンポリシロキサンが使用され、フッソ系撥水剤に比べ風合いが柔らかく、摩擦や磨耗に強いという良好な性質を有している。しかし、シリコーン系撥水剤は洗濯耐久性が弱く、JIS L1092(スプレー法)による撥水性能が洗濯5回後で1級〜2級程度に低下してしまうという問題があった。
これに対して、下記特許文献1には、カルボキシル基含有ポリシロキサンによる撥水性の供与が提案されている。また、下記特許文献2には、側鎖にエポキシ基、カルボキシル基及びメルカプト基の少なくとも1種の官能基を付けて、被処理物の官能基と反応させて洗濯耐久性を向上することが提案されている。
特開2001−234071号公報 特開2002−114972号公報
ところで、上記特許文献1及び上記特許文献2のシリコーン系撥水剤においては、撥水性能の洗濯耐久性の向上はみられるものの、特殊な構造のシリコーン系化合物を使用しなければならず、また、従来のフッ素系撥水剤に比べ撥水性能は不十分であった。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処して、入手が容易な汎用性のシリコーン系化合物を組み合わせることにより、シリコーン系撥水剤の特徴である柔軟な風合いと耐摩擦性、耐磨耗性を維持すると共に、従来のシリコーン系撥水剤の欠点である洗濯耐久性の向上を図り、従来のフッ素系撥水剤と同程度の撥水性能を有する撥水剤組成物及び当該組成物を用いた撥水加工方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明者らは、鋭意研究の結果、汎用性のシリコーン系化合物の構造と分子量、或いは官能基とその導入量に着目し、特定の構造と分子量を持った2種類のシリコーン系化合物を組み合わせることにより、上記目的を達成できることを見出し本発明の完成に至った。
即ち、本発明に係る撥水剤組成物は、請求項1の記載によると、
官能基を有するシリコーン系主剤からなり、多官能イソシアネート化合物を併用することにより、被処理材料に耐久撥水性能を付与する撥水剤組成物であって、
両末端がヒドロキシ基を有する有機基、又は、ヒドロキシ基を生じうる有機基で変性されたジメチルポリシロキサンを第1成分とし、
両末端がヒドロキシ基を有する有機基、又は、ヒドロキシ基を生じうる有機基で変性され、且つ、側鎖がモノアミンで変性されたアミノ変性ポリシロキサンを第2成分とし、
前記第1成分の動粘度の値が、2000mm/s〜25000mm/sの範囲内、好ましくは、3000mm/s〜20000mm/sの範囲内にあり、且つ、
前記第1成分の動粘度の値(mm/s)をXとし、前記第2成分の動粘度の値(mm/s)をYとし、当該第2成分のアミン当量の値(g/mol)をZとしたときに、その比の値[(X+Y)/Z]が、略1〜6の範囲内にあることを特徴とする。
また、本発明は、請求項2の記載によると、請求項1に記載の撥水剤組成物において、
前記第2成分のアミン当量の値が、2000g/mol〜20000g/molの範囲内にあって、且つ、
当該第2成分の動粘度の値(mm/s)をYとし、当該第2成分のアミン当量の値(g/mol)をZとしたときに、その比の値[Y/Z]が、略0.4〜1.8の範囲内にあることを特徴とする。
また、本発明は、請求項3の記載によると、請求項1又は2に記載の撥水剤組成物において、
前記第1成分及び前記第2成分を界面活性剤により水中に乳化分散してなることを特徴とする。
また、本発明に係る撥水加工方法は、請求項4の記載によると、
両末端がヒドロキシ基を有する有機基、又は、ヒドロキシ基を生じうる有機基で変性されたジメチルポリシロキサンからなる第1成分と、
両末端がヒドロキシ基を有する有機基、又は、ヒドロキシ基を生じうる有機基で変性され、且つ、側鎖がモノアミンで変性されたアミノ変性ポリシロキサンからなる第2成分と、
多官能イソシアネート化合物からなる第3成分とを含有し、これらの成分を界面活性剤により水中に乳化分散してなる処理液を被処理材料に付与する第1工程と、
前記処理液を付与した被処理材料に対して、乾燥及び熱処理を行う第2工程とを有し、
前記第1成分の動粘度の値が、2000mm/s〜25000mm/sの範囲内、好ましくは、3000mm/s〜20000mm/sの範囲内にあり、且つ、
前記第1成分の動粘度の値(mm/s)をXとし、前記第2成分の動粘度の値(mm/s)をYとし、当該第2成分のアミン当量の値(g/mol)をZとしたときに、その比の値[(X+Y)/Z]が、略1〜6の範囲内にあることを特徴とする。
また、本発明は、請求項5の記載によると、請求項4に記載の撥水加工方法において、
前記第2成分のアミン当量の値が、2000g/mol〜20000g/molの範囲内にあって、且つ、
当該第2成分の動粘度の値(mm/s)をYとし、当該第2成分のアミン当量の値(g/mol)をZとしたときに、その比の値[Y/Z]が、略0.4〜1.8の範囲内にあることを特徴とする。
また、本発明は、請求項6の記載によると、請求項4又は5に記載の撥水加工方法において、
前記第3成分のイソシアネート当量の値は、250g/mol〜1200g/molの範囲内にあることを特徴とする。
上記構成によれば、本発明に係る撥水剤組成物は、第1成分として両末端がヒドロキシ基を有する有機基、又は、ヒドロキシ基を生じうる有機基で変性されたジメチルポリシロキサンを含有する。この第1成分の動粘度の値は、2000mm/s〜25000mm/sの範囲内にあることを特徴とする。また、第1成分の動粘度の値は、3000mm/s〜20000mm/sの範囲内にあることが好ましい。このような第1成分は、汎用性のシリコーン系化合物として入手が容易である。
また、本発明に係る撥水剤組成物は、第2成分として両末端がヒドロキシ基を有する有機基、又は、ヒドロキシ基を生じうる有機基で変性され、且つ、側鎖がモノアミンで変性されたアミノ変性ポリシロキサンを含有する。この第2成分のアミン当量の値は、2000g/mol〜20000g/molの範囲内にあることが好ましい。また、この第2成分の動粘度の値(mm/s)をYとし、当該第2成分のアミン当量の値(g/mol)をZとしたときに、その比の値[Y/Z]が、略0.4〜1.8の範囲内にあることが好ましい。このような第2成分は、汎用性のシリコーン系化合物として入手が容易である。
更に、本発明に係る撥水剤組成物は、第1成分の動粘度の値(mm/s)をXとし、第2成分の動粘度の値(mm/s)をYとし、当該第2成分のアミン当量の値(g/mol)をZとしたときに、その比の値[(X+Y)/Z]が、略1〜6の範囲内にあることを特徴とする。このように、汎用性のシリコーン系化合物の中から所定の性質を有する化合物を選択して組み合わせることにより、本発明に係る撥水剤組成物を構成することができる。また、本発明に係る撥水剤組成物は、第1成分及び第2成分を界面活性剤により水中に乳化分散してなるものであってもよい。
このようにして構成した撥水剤組成物は官能基を有しており、この官能基に作用する第3成分として多官能イソシアネート化合物を併用することができる。この第3成分のイソシアネート当量の値は、250g/mol〜1200g/molの範囲内にあることが好ましい。この第3成分は、撥水剤組成物の官能基と被処理材料との間を架橋し、また、撥水剤組成物の官能基同士を架橋することができる。
よって、上記構成によれば、入手が容易な汎用性のシリコーン系化合物を組み合わせることにより、シリコーン系撥水剤の特徴である柔軟な風合いと耐摩擦性、耐磨耗性を維持すると共に、従来のシリコーン系撥水剤の欠点である洗濯耐久性の向上を図り、従来のフッ素系撥水剤と同程度の撥水性能を有する撥水剤組成物及び当該組成物を用いた撥水加工方法を提供することができる。
本発明に係る撥水剤組成物を被処理材料に処理する前の状態(a)と、処理した後の状態(b)を示す概念図である。
以下、本発明について具体的に説明する。本発明において、撥水剤組成物により撥水性能を付与する被処理材料は、特に限定されるものではなく、例えば、織物、編物、糸、不織布、繊維ウェブなどの繊維製品、或いは、紙、皮革、木材、金属、無機建材等が挙げられる。また、繊維製品を構成する繊維は、特に制限されるものではなく、一般の衣料あるいは産業資材として使用される有機繊維、無機繊維又は金属繊維などのいずれでもよい。
例えば、有機繊維には、綿繊維、麻繊維、羊毛繊維、絹繊維などの天然繊維、ビスコースレーヨン繊維、キュプラ繊維、ポリノジック繊維、テンセル繊維、キチン繊維、アルギン繊維などの再生繊維、アセテート繊維、プロミックス繊維などの半合成繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、フッ素繊維、PPS繊維、PBZ繊維などの合成繊維などがある。また、無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、活性炭素繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、ロックファイバーなどがある。これらの繊維は、単独または混紡、混繊、交織、交編など、二種類以上の繊維が任意の割合で混用されていてもよい。
また、本発明に係る撥水剤組成物の第1成分を構成するジメチルポリシロキサンは、ポリシロキサンの側鎖が全てメチル基からなる。更に、第1成分を構成するジメチルポリシロキサンは、その両末端がヒドロキシ基(−OH)を有する有機基、又は、ヒドロキシ基を生じうる有機基で変性されている。両末端がヒドロキシ基を有する有機基で変性されたジメチルポリシロキサンとしては、例えば、両末端のケイ素(Si)がシラノール変性(−OH)、或いは、カルビノール変性などのアルカノール変性(−ROH)されたものを挙げることができる。ここで、アルカノール変性のRは、炭素数1〜3のアルキル基を示す。
また、両末端がヒドロキシ基を生じうる有機基で変性されたジメチルポリシロキサンとしては、例えば、両末端のケイ素(Si)がアルコキシ変性(−OR)されたものを挙げることができる。ここで、アルコキシ変性のRは、炭素数1〜3のアルキル基を示す。このアルコキシ基は、加水分解してヒドロキシ基を生じうる。
このような第1成分を構成するジメチルポリシロキサンは、全ての側鎖がメチル基からなり良好な撥水性能を有している。また、これらのジメチルポリシロキサンが両末端に有するヒドロキシ基は、後述する第2成分を構成するアミノ変性ポリシロキサンが両末端に有するヒドロキシ基との間で脱水反応により結合して、より大きな分子量を有するポリシロキサンを形成する。
一方、本発明に係る撥水剤組成物の第2成分を構成するアミノ変性ポリシロキサンは、メチル基からなるポリシロキサンの側鎖の一部がモノアミン(−RNH)で変性されている。ここで、モノアミンのRは、炭素数1〜3のアルキル基を示す。本発明においては、第2成分の側鎖は主にモノアミン変性されたものであり、ジアミン変性などの他の有機基で変性された部分が存在するとしても、モノアミン基に比べ微量でなければならない。その理由については、後述する。
更に、第2成分を構成するアミノ変性ポリシロキサンは、両末端がヒドロキシ基を有する有機基、又は、ヒドロキシ基を生じうる有機基で変性されている。両末端がヒドロキシ基を有する有機基で変性されたアミノ変性ポリシロキサンとしては、この場合にも、両末端のケイ素(Si)がシラノール変性(−OH)、或いは、カルビノール変性などのアルカノール変性(−ROH)されたものを挙げることができる。ここで、アルカノール変性のRは、炭素数1〜3のアルキル基を示す。
また、両末端がヒドロキシ基を生じうる有機基で変性されたアミノ変性ポリシロキサンとしては、この場合にも、両末端のケイ素(Si)がアルコキシ変性(−OR)されたものを挙げることができる。ここで、アルコキシ変性のRは、炭素数1〜3のアルキル基を示す。このアルコキシ基は、加水分解してヒドロキシ基を生じうる。
このような第2成分を構成するアミノ変性ポリシロキサンは、側鎖の一部がアミノ基(モノアミン)からなる反応性官能基として作用し、後述する多官能イソシアネート化合物などと反応することにより、被処理材料との間で架橋結合などの強力な親和力を形成する。また、これらのアミノ変性ポリシロキサンが両末端に有するヒドロキシ基は、上述の第1成分を構成するジメチルポリシロキサンが両末端に有するヒドロキシ基との間で脱水反応により結合して、より大きな分子量を有するポリシロキサンを形成する。
また、本発明に係る撥水剤組成物の使用時に併用され、或いは、本発明に係る撥水加工方法おいて第3成分を構成する多官能イソシアネート化合物は、分子中に2又はそれ以上のイソシアネート基を有する化合物を総称するものである。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネートアダクト、トリメチロールエタントリレンジイソシアネートアダクト、グリセリントリレンジイソシアネートアダクト、ヘキサメチレンジイソシアネートアダクト、ヘキサメチレンジイソシアネートビウレット、ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレート、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビスジフェニルイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等を挙げることができる。
また、多官能イソシアネート化合物が有するイソシアネート基は、イソシアネートの状態(−NCO)そのままであってもよく、或いは、ブロック化剤によりブロック化されたブロック化イソシアネートの状態であってもよい。イソシアネート基は、ブロック化されることにより安定性が向上し、撥水加工工程の熱処理(後述の第2工程)において解離して活性なイソシアネート基を再生する。なお、イソシアネート基のブロック化剤としては、例えば、フェノール類、ε−カプロラクタム、マロン酸ジエチルエステル、メチルエチルケトオキシム、重亜硫酸ソーダ、イミダゾール類などを挙げることができる。なお、本発明に使用されるブロック化イソシアネートの場合には、そのイソシアネート当量の値は、250g/mol〜1200g/molの範囲内にあることが好ましい。
一般に、多官能イソシアネート化合物は、有機溶剤溶液の状態、又は、水分散体の状態で使用される。なお、本発明に係る撥水剤組成物を界面活性剤により水中に乳化分散させた状態で使用する場合には、多官能イソシアネート化合物も水分散体の状態で配合することが好ましい。この場合には、多官能イソシアネート構造に親水基を導入して、界面活性効果を持たせた水分散性多官能イソシアネート化合物とすることも有効である。
なお、多官能イソシアネート化合物は、本発明に係る撥水剤組成物を撥水加工に使用するにあたり、被処理材料への処理液を調整する際に配合される。しかし、本発明に係る撥水剤組成物を水中に乳化分散させた状態で製造し、且つ、多官能イソシアネート化合物をブロック化してイソシアネート基の安定性を向上した場合には、撥水剤組成物に予め多官能イソシアネート化合物を配合した状態で製造、輸送、供給することができる。
本発明に係る撥水加工方法では、まず、第1工程において、第1成分と第2成分と第3成分とを界面活性剤により水中に乳化分散した処理液を調整する。このとき、第1成分と第2成分とを水中に乳化分散した撥水剤組成物を調整し、これに第3成分を水中に乳化分散した架橋剤組成物を配合してそれぞれ所定の濃度に水で希釈するようにしてもよい。または、第1成分と第2成分と第3成分とを水中に乳化分散した撥水剤組成物を予め調整しておき、これを所定の濃度に水で希釈するようにしてもよい。
なお、各成分を界面活性剤により水中に乳化分散する方法は、特に限定するものではなく一般の乳化分散法を採用すればよい。次に、所定の濃度に調整した処理液を被処理材料に付与する。被処理材料への付与方法は、被処理材料の形態により適宜選定すればよい。例えば、被処理材料は織物のようなシート状態の場合には、浸漬、パディング、スプレー、コーティングなどの方法を採用することができる。
次に、本発明に係る撥水加工方法の第2工程においては、処理液を付与した被処理材料の乾燥及び熱処理を行う。このとき、乾燥と熱処理は別工程で行ってもよく、或いは、1つの工程として行うようにしてもよい。熱処理の温度と時間は、被処理材料の素材と形状、付与した撥水剤組成物の状態と濃度、及び、多官能イソシアネート化合物の反応性によって適宜選定すればよい。なお、多官能イソシアネート化合物がブロック化されている場合には、そのブロック化剤の解離条件以上の温度と時間であることが必要である。
第1成分と第2成分と第3成分とを水中に乳化分散した撥水剤組成物を使用した場合には、第2工程において撥水剤組成物の乳化分散が解消する。また、多官能イソシアネート化合物がブロック化されている場合には、第2工程において多官能イソシアネート化合物のブロック化剤が解離する。このことにより、第2成分が側鎖に有するアミノ基と第3成分が有するイソシアネート基が効率よく反応することができる。更に、多官能イソシアネート化合物を使用する場合には、第2成分のアミノ基とイソシアネート基との反応を促進するために、有機錫、有機亜鉛等の触媒を併用することも有効である。
次に、本発明に係る撥水剤組成物、及び、本発明に係る撥水加工方法の特徴について説明する。
《第1の特徴》
本発明の第1の特徴は、上記第1成分と第2成分とを配合することである。上述のように、本発明における第1成分と第2成分は、それぞれ分子構造上の特徴が異なっている。本発明においては、撥水剤組成物に配合された第1成分と第2成分とが被処理材料の表面で結合して大きな分子量を有するポリシロキサン(撥水剤成分)を形成する。このとき、全ての側鎖が疎水性のメチル基で構成される第1成分のジメチルポリシロキサンは、基本性能である撥水性能を主に担っているものと考えられる。一方、側鎖の一部に反応性官能基としてアミノ基(モノアミン)を有する第2成分のアミノ変性ポリシロキサンは、第3成分と反応して被処理材料との間で架橋結合などの強力な親和力を形成する。このことにより、第2成分のアミノ変性ポリシロキサンは、撥水性能に加え撥水剤組成物の洗濯耐久性を担っているものと考えられる。
《第2の特徴》
本発明の第2の特徴は、撥水性能を主に担っている第1成分のジメチルポリシロキサンがある程度大きな分子量(分子の長さ)を有していることである。本発明においては、第1成分と第2成分とが結合したポリシロキサン(撥水剤成分)における第1成分の分子量が撥水性能に大きく作用するものと考えられる。本発明においては、ポリシロキサンの分子量(分子の長さ)を表す指標として動粘度の値を採用する。ここで、動粘度とは粘度を密度で除した値であり、「流体の動きにくさ」を表す指標としてポリシロキサンの性質を表す1つの指標として使用されている。従って、ポリシロキサン同士を比較する場合、動粘度の値は分子の長さ即ち分子量に対応するものと考えられる。
具体的には、第1成分を構成するジメチルポリシロキサンは、その動粘度の値が、2000mm/s〜25000mm/sの範囲内にあることが必要である。更に、第1成分の動粘度の値が、3000mm/s〜20000mm/sの範囲内にあることがより好ましい。第1成分の動粘度の値が2000mm/sより小さい場合には、第1成分のポリシロキサンの分子量が小さく十分な撥水性能を発現することができない。一方、第1成分を構成するジメチルポリシロキサンの動粘度の値が25000mm/sより大きい場合には、これに結合する第2成分を構成するアミノ変性ポリシロキサンによる洗濯耐久性を十分に発現することができない。
《第3の特徴》
本発明の第3の特徴は、第1成分と第2成分とが結合したポリシロキサン(撥水剤成分)の分子量に対する、アミノ基(モノアミン)の量が所定の範囲内にあることである。本発明においては、第1成分の分子量の大きさに加え、第1成分と第2成分とが結合したポリシロキサン(撥水剤成分)における第2成分のアミノ基の量が撥水剤組成物の洗濯耐久性に大きく作用するものと考えられる。具体的には、第1成分の動粘度の値(mm/s)をXとし、第2成分の動粘度の値(mm/s)をYとし、第2成分のアミン当量の値(g/mol)をZとしたときに、その比の値[(X+Y)/Z]が、略1〜6の範囲内にあることが必要である。
ここで、ポリシロキサンの動粘度の値をアミン当量の値で除した値に直接的な意味が認められないように思われる。しかし、上述のように、ポリシロキサンの動粘度の値は、分子の長さ即ち分子量に対応するものと考えられる。一方、アミノ変性ポリシロキサンのアミン当量の値は、アミノ基1つ当たりのポリシロキサンの分子量に対応する。従って、第1成分と第2成分とが結合したポリシロキサン(撥水剤成分)の合計の動粘度の値(X+Y)を第2成分のアミン当量の値(Z)で除した比の値[(X+Y)/Z]には、次のような意味があるものと考えられる。
すなわち、比の値[(X+Y)/Z]は、第1成分と第2成分とが結合したポリシロキサン(撥水剤成分)の全分子に対するアミノ基の量に対応し、被処理材料表面における撥水剤成分の架橋密度に対応するものと考えられる。更に、この値に加え第1成分の動粘度の値(X)が上述の所定の範囲内にあることにより、撥水剤成分の架橋の分布が均一ではなく第2成分に集中していることが重要であると考えられる。換言すれば、第1成分と第2成分とが結合したポリシロキサンからなる撥水剤成分には、所定の長さの主たる撥水性発現部分と、それ以外の部分における被処理材料との架橋結合の密度が最適の撥水性能及びその洗濯耐久性を発現するものと考えられる。
従って、比の値[(X+Y)/Z]が、1より小さい場合には、アミノ基の量が多くなり架橋強度は向上するが、主たる撥水成分である第1成分の比率が下がり基本性能である撥水性能を発現することができない。一方、比の値[(X+Y)/Z]が、6より大きい場合には、撥水剤成分の全体に占めるアミノ基の量が少なくなり十分な洗濯耐久性を発現することができない。
ここで、比の値[(X+Y)/Z]に対しては、本発明に係る撥水剤組成物における第1成分と第2成分との配合比率が影響する。すなわち、第1成分と第2成分との配合比率が極端に異なる場合には、(X+Y)のバランスが変化することとなる。そこで、本発明においては、第1成分と第2成分との配合比率は、固形分にして2:1〜1:2の範囲内、好ましくは、略同量であることがより好ましい。
《第4の特徴》
本発明の第4の特徴は、第2成分を構成するアミノ変性ポリシロキサンが側鎖に有するアミノ基である。第2成分のアミノ基は、上述のように、モノアミン(−RNH)であることを特徴とする。撥水剤組成物のポリシロキサンが側鎖に有する反応性官能基に、架橋剤を併用して被処理材料に結合することは、従来から行われている。この反応性官能基として、モノアミンだけでなくジアミン(−RNHRNH)も使用される。本発明者らは、鋭意研究の結果、第2成分のアミノ基としてジアミンではなくモノアミンを採用することにより、高度の初期撥水性能と選択耐久性が向上することを見出した。
その理由については定かではないが、次のように考えられる。モノアミン及びジアミンは、いずれも親水性の官能基であり基本性能の撥水性能に影響を及ぼす。ここで、アミノ基にイソシアネート基が反応すると、その親水性が弱められる。アミノ基がモノアミン(−RNH)の場合には、1つのアミノ基に対して2つのイソシアネート基が反応する可能性がある。しかし、実際には1つのイソシアネート基が反応して1つのイミノ基が残ることとなるが、この場合でもその親水性が弱められる。一方、アミノ基がジアミン(−RNHRNH)の場合には、1つのアミノ基と1つのイミノ基に対して3つのイソシアネート基が反応する可能性がある。しかし、この場合にも実際には1つのイソシアネート基が反応して2つのイミノ基が残ることとなり、その親水性が殆ど弱められることがない。
また、第2成分を構成するアミノ変性ポリシロキサンは、そのアミン当量の値が、2000g/mol〜20000g/molの範囲内にあることが好ましい。更に、第2成分の動粘度の値(mm/s)をYとし、第2成分のアミン当量の値(g/mol)をZとしたときに、その比の値[Y/Z]が、略0.4〜1.8の範囲内にあることが好ましい。
ここで、上述のように、アミノ変性ポリシロキサンのアミン当量の値は、アミノ基1つ当たりのポリシロキサンの分子量に対応する。しかし、第2成分の分子量に対応する動粘度の値を第2成分のアミン当量の値で除した比の値[Y/Z]は、本発明に採用される第2成分を特定するより具体的な指標であると考えられる。
従って、第2成分のアミン当量の値が2000g/mol〜20000g/molの範囲内にあり、且つ、比の値[Y/Z]が、0.4より小さい場合には、アミノ基の量が多くなり基本性能である撥水性能を発現することができない。一方、比の値[Y/Z]が、1.8より大きい場合には、アミノ基の量が少なくなり十分な洗濯耐久性を発現することができない。
次に、本発明に係る撥水剤組成物が上述の第1〜第4の特徴を有することにより、高度な撥水性能と高度な洗濯耐久性を発現する理由について考える。図1は、本発明に係る撥水剤組成物を被処理材料に処理する場合の概念図である。図1(a)は、撥水剤組成物を被処理材料に付与した状態(第1工程後)を表している。一方、図1(b)は、撥水剤組成物を付与した被処理材料を乾燥及び熱処理した後の状態(第2工程後)を表している。
図1(a)の第1工程後において、被処理材料(10)の表面には、第1成分(20)及び第2成分(30)が複数付与されている。この図1(a)においては、本来は存在する第3成分の多官能イソシアネート化合物を図示していない。ここで、これらの第1成分(20)及び第2成分(30)は、いずれも相互に結合していない。第1成分(20)は、全ての側鎖がメチル基(図示しない)からなるジメチルポリシロキサンであって、その両末端(21)はヒドロキシ基を有する有機基、又は、ヒドロキシ基を生じうる有機基で変性されている。
一方、第2成分(30)は、一部の側鎖がアミノ基(32)からなるアミノ変性ポリシロキサンであって、その両末端(31)はヒドロキシ基を有する有機基、又は、ヒドロキシ基を生じうる有機基で変性されている。この状態において、第2成分(30)のアミノ基(32)は、その方向性が不規則でありあらゆる方向に向いている。
図1(b)の第2工程後において、被処理材料(10)の表面には、第1成分(20)と第2成分(30)とが反応部(41)を介して相互に結合した撥水剤成分(40)が形成されている。ここで、第1成分(20)は、被処理材料(10)の表面に密着して存在し、側鎖のメチル基(図示しない)が被処理材料(10)の表面側及び反対側(処理表面側)に存在して撥水性能を発現している。
一方、第2成分(30)は、被処理材料(10)の表面に密着して存在し、側鎖のアミノ基(32)が全て被処理材料(10)の表面側に配向して多官能イソシアネート化合物(図示しない)を介して被処理材料(10)と結合している。このように、アミノ基(32)が全て被処理材料(10)の表面側に配向することにより、その反対側(処理表面側)には第2成分のメチル基(図示しない)だけが現れる。
これらのことから、撥水加工後の被処理材料(10)の処理表面には、第1成分(20)のメチル基(図示しない)と第2成分(30)のメチル基(図示しない)が整列している。よって、第1成分(20)による高度の撥水性能に加え、第2成分(30)による撥水性能も向上し、第1成分(20)と第2成分(30)とが結合した撥水剤成分(40)の処理表面には、高度な撥水性能が発現している。また、第2成分(30)のアミノ基(32)が多官能イソシアネート化合物(図示しない)を介して被処理材料(10)と結合している。これらの結合部位は、第2成分(30)に集中して撥水剤成分(40)全体に分布することがない。このことにより、高度な撥水性能に加え強固な結合が形成され高度な洗濯耐久性を発現している。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。また、本実施例の効果を確認するために並行して比較例を行った。まず、本実施例及び比較例において使用する第1成分(ジメチルポリシロキサン)、及び、第2成分(アミノ変性ポリシロキサン)を表1に示す。表1において、両末端はアルコキシ変性(−OR)及びシラノール変性(−OH)であった。なお、これらのポリシロキサンは、汎用材料として容易に入手することができた。
《被処理材料の準備》
本実施例及び比較例においては、被処理材料として綿100%織物(40番手単糸ブロード)を通常の方法で精練漂白したものを使用した。
《処理液の調整》
処理液の調整は、次のようにして行った。まず、A〜Dのいずれか1つのジメチルポリシロキサン15部と、E〜Jのいずれか1つのアミノ変性ポリシロキサン15部に、非イオン性界面活性剤8部を混合し、水60部を加えてホモジナイザーで転層乳化を行って撥水剤組成物を得た。得られた撥水剤組成物5部と、3官能のブロック化イソシアネート化合物のエマルション(有効成分40%)1部に水を加えて100部として処理液を調整した。使用した多官能ブロック化イソシアネート化合物のイソシアネート当量は、306g/molであった。調整した各処理液における各シロキサンの組み合わせ、及び、それぞれの比の値[(X+Y)/Z]、及び、比の値[Y/Z]を表2に示す。
《処理工程:第1工程→第2工程》
連続走行のマングル及び乾燥機を用いて、上記で調整した処理液を綿100%織物にパディングし、マングルで搾液したのち予備乾燥した。次に、連続熱処理装置を用いて150℃で2分間の熱処理を行い、各実施例及び各比較例の撥水加工織物を得た。
《撥水性能の評価》
撥水性能の評価は、JIS L1092(スプレー法)により初期性能及び洗濯20回後の性能を評価した。なお、洗濯はJIS L0217の103法(家庭洗濯)に準拠して行った。
表2の結果から、実施例1〜6に係る撥水加工織物は、いずれも初期撥水性能及び洗濯20回後の撥水性能が4級以上であり、従来のフッ素系撥水剤と同程度の撥水性能を示している。これに対して、モノアミン変性のアミノ変性シロキサンを使用した比較例1〜6においては、初期撥水性能がいずれも4級を示すことができず、洗濯20回後の撥水性能は更に低下した。なお、比較例3においては、比の値[(X+Y)/Z]及び比の値[Y/Z]は満足するものであるが、第1成分Aの動粘度の値が小さく、十分な結果が得られていない。また、ジアミン変性のアミノ変性シロキサンを使用した比較例7〜18においては、初期撥水性能が4級を示すものも一部には見られたが、洗濯20回後の撥水性能が低下した。
以上説明したことにより、本発明によれば、入手が容易な汎用性のシリコーン系化合物を組み合わせることにより、シリコーン系撥水剤の特徴である柔軟な風合いと耐摩擦性、耐磨耗性を維持すると共に、従来のシリコーン系撥水剤の欠点である洗濯耐久性の向上を図り、従来のフッ素系撥水剤と同程度の撥水性能を有する撥水剤組成物及び当該組成物を用いた撥水加工方法を提供することができる。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施例に限らず次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)上記各実施例においては、第1成分(ジメチルポリシロキサン)と第2成分(アミノ変性ポリシロキサン)とを同量で配合した。しかし、これに限るものではなく、配合比率に変化を持たせるようにしてもよい。但し、この場合においても、比の値[(X+Y)/Z]、及び、比の値[Y/Z]が所定の範囲内に入っていることが必要である、また、第1成分と第2成分との配合比率は、固形分にして2:1〜1:2の範囲内であることが好ましい。
(2)上記各実施例においては、被処理材料として綿100%素材を使用した。しかし、これに限るものではなく、綿/ポリエステル混紡素材、或いは、ポリエステル100%素材、ナイロン100%素材においても本発明の効果が発揮されることを確認した。
10…被処理材料、
20…第1成分、21…末端(反応基)、
30…第2成分、31…末端(反応基)、32…側鎖(アミノ基)、
40…撥水剤成分、41…反応部。

Claims (6)

  1. 官能基を有するシリコーン系主剤からなり、多官能イソシアネート化合物を併用することにより、被処理材料に耐久撥水性能を付与する撥水剤組成物であって、
    両末端がヒドロキシ基を有する有機基、又は、ヒドロキシ基を生じうる有機基で変性されたジメチルポリシロキサンを第1成分とし、
    両末端がヒドロキシ基を有する有機基、又は、ヒドロキシ基を生じうる有機基で変性され、且つ、側鎖がモノアミンで変性されたアミノ変性ポリシロキサンを第2成分とし、
    前記第1成分の動粘度の値が、2000mm/s〜25000mm/sの範囲内、好ましくは、3000mm/s〜20000mm/sの範囲内にあり、且つ、
    前記第1成分の動粘度の値(mm/s)をXとし、前記第2成分の動粘度の値(mm/s)をYとし、当該第2成分のアミン当量の値(g/mol)をZとしたときに、その比の値[(X+Y)/Z]が、略1〜6の範囲内にあることを特徴とする撥水剤組成物。
  2. 前記第2成分のアミン当量の値が、2000g/mol〜20000g/molの範囲内にあって、且つ、
    当該第2成分の動粘度の値(mm/s)をYとし、当該第2成分のアミン当量の値(g/mol)をZとしたときに、その比の値[Y/Z]が、略0.4〜1.8の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の撥水剤組成物。
  3. 前記第1成分及び前記第2成分を界面活性剤により水中に乳化分散してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の撥水剤組成物。
  4. 両末端がヒドロキシ基を有する有機基、又は、ヒドロキシ基を生じうる有機基で変性されたジメチルポリシロキサンからなる第1成分と、
    両末端がヒドロキシ基を有する有機基、又は、ヒドロキシ基を生じうる有機基で変性され、且つ、側鎖がモノアミンで変性されたアミノ変性ポリシロキサンからなる第2成分と、
    多官能イソシアネート化合物からなる第3成分とを含有し、これらの成分を界面活性剤により水中に乳化分散してなる処理液を被処理材料に付与する第1工程と、
    前記処理液を付与した被処理材料に対して、乾燥及び熱処理を行う第2工程とを有し、
    前記第1成分の動粘度の値が、2000mm/s〜25000mm/sの範囲内、好ましくは、3000mm/s〜20000mm/sの範囲内にあり、且つ、
    前記第1成分の動粘度の値(mm/s)をXとし、前記第2成分の動粘度の値(mm/s)をYとし、当該第2成分のアミン当量の値(g/mol)をZとしたときに、その比の値[(X+Y)/Z]が、略1〜6の範囲内にあることを特徴とする撥水加工方法。
  5. 前記第2成分のアミン当量の値が、2000g/mol〜20000g/molの範囲内にあって、且つ、
    当該第2成分の動粘度の値(mm/s)をYとし、当該第2成分のアミン当量の値(g/mol)をZとしたときに、その比の値[Y/Z]が、略0.4〜1.8の範囲内にあることを特徴とする請求項4に記載の撥水加工方法。
  6. 前記第3成分のイソシアネート当量の値は、250g/mol〜1200g/molの範囲内にあることを特徴とする請求項4又は5に記載の撥水加工方法。
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