JP2016204288A - エポキシ基含有環状オルガノシロキサン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】式(1)で示されるエポキシ基含有環状オルガノシロキサン。
(R1はアルキル基又はアリール基、R2は水素原子又はハロゲン原子、ビニル基、エポキシ基、チイラン基、(メタ)アクリル基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、加水分解性シリル基、無水コハク酸基、パーフルオロアルキル基、ポリエーテル基及びパーフルオロポリエーテル基から選ばれる置換基を有してもよいアルキル基であり、その内加水分解性シリル基を置換基とするR2が1個以上、エポキシ基を置換基とするR2が2個以上。nは3〜6の整数。)
【効果】本発明は、1分子中にエポキシ基を2個以上有しているため該官能基と反応性を有する有機基を含有した化合物との組成物を調製した際に、他の有機樹脂との相溶性に優れ、バインダーとしての機能を発現する他、更に加水分解性シリル基も含むためシランカップリング剤としての効果も期待できる。
【選択図】なし
(R1はアルキル基又はアリール基、R2は水素原子又はハロゲン原子、ビニル基、エポキシ基、チイラン基、(メタ)アクリル基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、加水分解性シリル基、無水コハク酸基、パーフルオロアルキル基、ポリエーテル基及びパーフルオロポリエーテル基から選ばれる置換基を有してもよいアルキル基であり、その内加水分解性シリル基を置換基とするR2が1個以上、エポキシ基を置換基とするR2が2個以上。nは3〜6の整数。)
【効果】本発明は、1分子中にエポキシ基を2個以上有しているため該官能基と反応性を有する有機基を含有した化合物との組成物を調製した際に、他の有機樹脂との相溶性に優れ、バインダーとしての機能を発現する他、更に加水分解性シリル基も含むためシランカップリング剤としての効果も期待できる。
【選択図】なし
Description
本発明は、環状シロキサンを主骨格とした1分子中に1個以上の加水分解性シリル基と2個以上のエポキシ基を含有する環状オルガノシロキサンに関する。
エポキシ基と加水分解性シリル基とを有するシランカップリング剤は、密着性向上剤(特許文献1:特開平06−287456号公報)、シリカ表面の処理(特許文献2:特開平08−146435号公報)等の特性を付与することが可能であり、塗料、コーティング剤、電子部品等様々な分野で使用されているが、この場合は加水分解性シリル基とエポキシ基とを1分子中に1個ずつ有するシランカップリング剤のみであり、バインダー効果は期待できない。
一般に、シランカップリング剤を部分加水分解縮合して得られるオルガノオリゴシロキサン(以下、シロキサンオリゴマーと呼称する。)は、構造中に有機基と加水分解性シリル基を複数持った材料であるが、エポキシ基のような加水分解性のある有機基である場合には、シリル基部分の加水分解縮合と同時にエポキシ基も反応してしまうため同技術が応用できず、経時安定性が求められていた。
また、直鎖構造のハイドロジェンポリシロキサンにアリルグリシジルエーテルとビニルアルコキシシランなどを共付加させることが提案されている(特許文献3:特許第2816082号公報、特許文献4:特許第3063712号公報)。しかし、これらの方法で合成されたシロキサン化合物は、分子量分布が広く、高分子成分の影響により他の化合物との相溶性が悪化するなどの問題があった。
また、直鎖構造のハイドロジェンポリシロキサンにアリルグリシジルエーテルとビニルアルコキシシランなどを共付加させることが提案されている(特許文献3:特許第2816082号公報、特許文献4:特許第3063712号公報)。しかし、これらの方法で合成されたシロキサン化合物は、分子量分布が広く、高分子成分の影響により他の化合物との相溶性が悪化するなどの問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、環状シロキサンを主骨格とした1分子中に加水分解性シリル基を1個以上及びエポキシ基を2個以上有する環状オルガノシロキサンを提供することを目的とする。
3官能以上のエポキシ基含有化合物を使用することで樹脂の架橋密度を飛躍的に増大できることから、得られる樹脂成形品の機械的強度の向上が期待される。また、2官能エポキシ基含有化合物である場合にも、その他の有機基として例えば加水分解性シリル基を有する化合物は、樹脂中のバインダーとして機能する他、シランカップリング剤としての効果が期待される。
本発明者らは、かかる点から、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、1分子中に複数のヒドロシリル基及び1つ以上の加水分解性シリル基を有する環状オルガノハイドロジェンシロキサンと、炭素−炭素不飽和結合を有するエポキシ基含有化合物とを白金及び/又は白金錯体存在下においてヒドロシリル化させることで得られる、一般式(1)で示される化合物が、上記課題の解決に有用であることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示すエポキシ基含有環状オルガノシロキサンを提供する。
〔1〕
下記一般式(1)で示されるエポキシ基含有環状オルガノシロキサン。
(式中、R1は各々独立に炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基、R2は各々独立に水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜14のアルキル基であって、該置換基はハロゲン原子、ビニル基、エポキシ基、チイラン基、(メタ)アクリル基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、加水分解性シリル基、無水コハク酸基、パーフルオロアルキル基、ポリエーテル基及びパーフルオロポリエーテル基から選ばれるものであり、その内加水分解性シリル基を置換基とするR2が1個以上、エポキシ基を置換基とするR2が2個以上である。nは3〜6の整数である。)
〔2〕
下記一般式(2)で示される〔1〕記載のエポキシ基含有環状オルガノシロキサン。
(式中、R1は上記と同様であり、R3は各々独立にエポキシ基を含有する置換基、R4は各々独立に炭素数1〜4のアルキル基、R5は各々独立にハロゲン原子、酸素原子を間に挟んでもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、又は炭素数6〜10のアリーロキシ基であり、R6は各々独立に水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜14のアルキル基であって、該置換基はハロゲン原子、ビニル基、チイラン基、(メタ)アクリル基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、無水コハク酸基、パーフルオロアルキル基、ポリエーテル基及びパーフルオロポリエーテル基から選ばれるものであり、kは2〜8の整数、mは2〜14の整数、xは1〜3の整数である。p≧2、q≧1、r≧0、p+q+rは3〜6の整数である。)
〔3〕
下記一般式(3)又は(4)で示される〔2〕記載のエポキシ基含有環状オルガノシロキサン。
(式中、各々独立にp’≧2、q’≧1、p’+q’は4〜5の整数、n’は2〜8の整数である。)
〔4〕
下記一般式(5)、(6)又は(7)で示される〔3〕記載のエポキシ基含有環状オルガノシロキサン。
(式中、各々独立にp”≧2、q”≧1、p”+q”は4〜5の整数である。)
〔5〕
環状シロキサンがシクロテトラシロキサンである〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のエポキシ基含有環状オルガノシロキサン。
〔1〕
下記一般式(1)で示されるエポキシ基含有環状オルガノシロキサン。
〔2〕
下記一般式(2)で示される〔1〕記載のエポキシ基含有環状オルガノシロキサン。
〔3〕
下記一般式(3)又は(4)で示される〔2〕記載のエポキシ基含有環状オルガノシロキサン。
〔4〕
下記一般式(5)、(6)又は(7)で示される〔3〕記載のエポキシ基含有環状オルガノシロキサン。
〔5〕
環状シロキサンがシクロテトラシロキサンである〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のエポキシ基含有環状オルガノシロキサン。
本発明の環状オルガノシロキサンは、1分子中にエポキシ基を2個以上有しているため該官能基と反応性を有する有機基(例えば、アミン、水酸基、酸無水物基)を含有した化合物との組成物を調製した際に、それら化合物との反応性に優れる上に、高分子量体を含まないことから他の有機樹脂との相溶性も優れ、バインダーとしての機能を発現する他、更に加水分解性シリル基も含むためシランカップリング剤としての効果も期待できるこれまでに実例のない材料である。
以下、本発明について具体的に説明する。
[環状オルガノシロキサン]
本発明の環状オルガノシロキサンは、環状シロキサン構造を主骨格とし、1分子中に加水分解性シリル基を1個以上、及びエポキシ基を2個以上含んでなるものであればよく、より好ましくはエポキシ基を3個以上含むものである。該オルガノシロキサンの詳細な構造は下記一般式(1)に示す環状シロキサンであり、加水分解性シリル基及びエポキシ基以外にも下記に列挙した有機官能基を有してもよい。
(式中、R1は各々独立に炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基、R2は各々独立に水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜14のアルキル基であって、該置換基はハロゲン原子、ビニル基、エポキシ基、チイラン基、(メタ)アクリル基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、加水分解性シリル基、無水コハク酸基、パーフルオロアルキル基、ポリエーテル基及びパーフルオロポリエーテル基から選ばれるものであり、その内加水分解性シリル基を置換基とするR2が1個以上、エポキシ基を置換基とするR2が2個以上である。nは3〜6の整数である。各繰り返し単位の配列は任意である。)
[環状オルガノシロキサン]
本発明の環状オルガノシロキサンは、環状シロキサン構造を主骨格とし、1分子中に加水分解性シリル基を1個以上、及びエポキシ基を2個以上含んでなるものであればよく、より好ましくはエポキシ基を3個以上含むものである。該オルガノシロキサンの詳細な構造は下記一般式(1)に示す環状シロキサンであり、加水分解性シリル基及びエポキシ基以外にも下記に列挙した有機官能基を有してもよい。
上記オルガノシロキサンの一般式(1)において、nはシロキサンのユニット数を示し、nは3〜6の範囲であれば分布を持つものであっても問題ないが、より好ましくは熱力学的に安定であり、原料シロキサンの製造が容易なn=4(シロキサン4量体;シクロテトラシロキサン)が好ましい。シロキサン構造が環状であることから、他の有機化合物との相溶性が優れ、硬化した際の収縮も抑えられる。
上記オルガノシロキサンの一般式(1)において、R1は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基であり、代表的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等がアルキル基として挙げられ、フェニル基、ナフチル基等がアリール基として挙げられる。また、R2は水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜14、特に1〜8のアルキル基であって、主構造のアルキル基は先述したR1についてのアルキル基と同様であり、置換基としては塩素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、ビニル基、エポキシ基、チイラン基、(メタ)アクリル基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、加水分解性シリル基、無水コハク酸基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、トリデカフルオロヘキシル基、ヘプタデカフルオロオクチル基等のパーフルオロアルキル基、ポリ(エチレンオキシド)基、ポリ(プロピレンオキシド)基等のポリエーテル基、ポリ(ヘキサフルオロエチレンオキシド)基等のパーフルオロポリエーテル基が挙げられる。
本発明のオルガノシロキサンは、エポキシ基以外に加水分解性シリル基を含むことが必須である。加水分解性シリル基を含有することにより該オルガノシロキサンはシランカップリング剤としての機能を有する。加水分解性シリル基は、ケイ素原子に直結した1価の加水分解性原子(水と反応することでシラノール基を生成する原子)及びケイ素原子に直結した1価の加水分解性基(水と反応することでシラノール基を生成する基)の少なくとも一方を有するシリル基である限り特に限定されない。加水分解性シリル基は、前記オルガノシロキサン中に1個のみ存在しても2個以上存在してもよく、2個以上存在する場合は同種であっても異種であってもよい。加水分解性シリル基及びエポキシ基を有するオルガノシロキサンの具体的な構造としては、下記一般式(2)で表すことができる。
(式中、R1は上記と同様であり、R3は各々独立にエポキシ基を含有する置換基、R4は各々独立に炭素数1〜4のアルキル基、R5は各々独立にハロゲン原子、酸素原子を間に挟んでもよい炭素数1〜20、特に1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜10のアリーロキシ基であり、R6は各々独立に水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜14、特に1〜8のアルキル基であって、該置換基はハロゲン原子、ビニル基、チイラン基、(メタ)アクリル基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、無水コハク酸基、パーフルオロアルキル基、ポリエーテル基、及びパーフルオロポリエーテル基から選ばれるものであり、kは2〜8の整数、mは2〜14、特に2〜8の整数、xは1〜3の整数である。p≧2、q≧1、r≧0、p+q+rは3〜6の整数である。各繰り返し単位の配列は任意である。)
加水分解性シリル基の構造の詳細として、R4は直鎖状又は分岐状であってよく、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等が挙げられ、原料の製造容易さからメチル基が好ましい。R5は水と反応することでシラノールを生成する基であり、具体的は塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリーロキシ基、エチレングリコールモノアルキルエーテル基(例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル基)等の炭素原子の一部が酸素原子で置換されたアルコキシ基などが挙げられるが、ここに例示されたものに限らない。それらの中でも原料製造の容易さ、加水分解性のバランスからメトキシ基、エトキシ基が好ましい。また、R6の置換基のハロゲン原子、パーフルオロアルキル基、ポリエーテル基、パーフルオロポリエーテル基としては、上記一般式(1)のR2について説明したものと同じものを挙げることができる。
上記一般式(2)で示されるオルガノシロキサンの具体例としては、例えば下記一般式(3)又は(4)で示されるものが挙げられる。
(式中、各々独立にp’≧2、q’≧1、p’+q’は4〜5の整数、n’は2〜8の整数である。各繰り返し単位の配列は任意である。)
本発明のオルガノシロキサンとして、より具体的には、例えば下記一般式(5)、(6)又は(7)で示される化合物、即ち、1,3,5−トリス(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル)−7−トリメトキシシリルオクチルテトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ビス(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル)−5,7−ビス(トリメトキシシリルオクチル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ビス(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル)−3,7−ビス(トリメトキシシリルオクチル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ビス(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル)−5,7−ビス(トリメトキシシリルエチル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ビス(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル)−3,7−ビス(トリメトキシシリルエチル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリス(3−グリシドキシプロピル)−7−トリメトキシシリルオクチルテトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)−5,7−ビス(トリメトキシシリルオクチル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ビス(3−グリシドキシプロピル)−3,7−ビス(トリメトキシシリルオクチル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリス(3−グリシドキシプロピル)−7−トリメトキシシリルエチルテトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ビス(3−グリシドキシプロピル)−3,7−ビス(トリメトキシシリルエチル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ビス(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル)−5−(トリメトキシシリルオクチル)−7−プロピルテトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ビス(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル)−3−(トリメトキシシリルオクチル)−7−プロピルテトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ビス(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル)−5−(トリメトキシシリルエチル)−7−プロピルテトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ビス(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル)−3−(トリメトキシシリルエチル)−7−プロピルテトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)−5−(トリメトキシシリルオクチル)−7−プロピルテトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ビス(3−グリシドキシプロピル)−3−(トリメトキシシリルオクチル)−7−プロピルテトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)−5−(トリメトキシシリルエチル)−7−プロピルテトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ビス(3−グリシドキシプロピル)−3−(トリメトキシシリルエチル)−7−プロピルテトラメチルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
(式中、各々独立にp”≧2、q”≧1、p”+q”は4〜5の整数である。)
本発明のオルガノシロキサンは、1分子中に少なくとも2個のSi−H基及び少なくとも1個の加水分解性シリル基を有する環状オルガノハイドロジェンシロキサンと、炭素−炭素不飽和結合を有するエポキシ基含有化合物とを白金及び/又は白金錯体存在下においてヒドロシリル化させることにより製造される。必要により他の有機官能基を導入する場合には、対応する有機官能基を含有する不飽和化合物を上記オルガノハイドロジェンシロキサン中の一部のSi−H基に対してヒドロシリル化した後に、得られた環状オルガノハイドロジェンシロキサン中に残るSi−H基を炭素−炭素不飽和結合を有するエポキシ基含有化合物でヒドロシリル化させることで所望の化合物を得ることができる。この際、ヒドロシリル化させる順序としては特に限定されないが、反応効率の観点から炭素−炭素不飽和結合を含有するエポキシ基含有化合物を後でヒドロシリル化させることが好ましい。
即ち、1分子中に少なくとも2個のSi−H基及び少なくとも1個の加水分解性シリル基を有する環状オルガノハイドロジェンシロキサン中に含まれる一部のSi−H基と、必要により、置換基としてハロゲン原子、ビニル基、チイラン基、(メタ)アクリル基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、無水コハク酸基、パーフルオロアルキル基、ポリエーテル基及びパーフルオロポリエーテル基から選択される少なくとも1種による置換又は非置換の不飽和炭化水素化合物とを白金及び/又は白金錯体存在下においてヒドロシリル化反応させた後、得られた環状オルガノハイドロジェンシロキサン中に残るSi−H基と、炭素−炭素不飽和結合を有するエポキシ基含有化合物とをヒドロシリル化反応させることが好ましい。
本発明のオルガノシロキサンの製造方法において、反応温度は室温(25℃)〜150℃であり、好ましくは40〜130℃、より好ましくは70〜120℃である。室温未満であると反応が進行しない、又は著しく反応速度が低いため生産性に欠ける場合がある。一方、150℃を超える場合には熱分解、又は意図しない副反応が生じるおそれがある。
本発明のオルガノシロキサンの製造方法において、反応時間は10分〜24時間である。反応の進行により原料が十分に消費されるような時間であればよいが、好ましくは1〜10時間、より好ましくは2〜7時間である。10分未満であると原料消費が不十分となるおそれがあり、24時間を超えると既に原料が完全に消費されていて、不要な工程となり生産効率が低下してしまう場合がある。
本発明のオルガノシロキサンの製造方法において適宜反応溶媒を使用してもよい。原料と非反応性並びに反応に使用する白金錯体の触媒毒にならないようなものであれば特に限定されないが、代表的にはヘキサン、ヘプタンといった脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレンといった芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールといったアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといったケトン系溶媒が挙げられる。
本発明におけるオルガノハイドロジェンシロキサンは、環状シロキサンを主骨格とし、1分子中にSi−H基を2個以上及び加水分解性シリル基を1個以上含むものであれば特に限定されず、その他の構造として直鎖状、分岐状といった構造を有してもよい。但し、バインダー成分として用いた際に、ある程度分子量分布が狭い方が不必要な架橋密度の増大を避けることができるため、低分子量とするためにも環状シロキサンであることは必須である。
環状オルガノハイドロジェンシロキサンの具体的な例としては、1,3,5−トリメチル−1−トリメトキシシリルオクチルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリメチル−1−トリメトキシシリルヘキシルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリメチル−1−トリメトキシシリルエチルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリメチル−1−トリエトキシシリルオクチルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリメチル−1−トリエトキシシリルヘキシルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリメチル−1−トリエトキシシリルエチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリメトキシシリルオクチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリメトキシシリルオクチル−3−プロピルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリメトキシシリルオクチル−5−プロピルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリメトキシシリルヘキシルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリメトキシシリルエチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリメトキシシリルエチル−3−プロピルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリメトキシシリルエチル−5−プロピルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリエトキシシリルオクチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリエトキシシリルオクチル−3−プロピルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリエトキシシリルオクチル−5−プロピルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリエトキシシリルヘキシルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリエトキシシリルエチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリエトキシシリルエチル−3−プロピルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリエトキシシリルエチル−5−プロピルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3−ビス(トリメトキシシリルオクチル)シクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3−ビス(トリメトキシシリルヘキシル)シクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3−ビス(トリメトキシシリルエチル)シクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3−ビス(トリエトキシシリルオクチル)シクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3−ビス(トリエトキシシリルヘキシル)シクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3−ビス(トリエトキシシリルエチル)シクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,5−ビス(トリメトキシシリルオクチル)シクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,5−ビス(トリメトキシシリルヘキシル)シクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,5−ビス(トリメトキシシリルエチル)シクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,5−ビス(トリエトキシシリルオクチル)シクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,5−ビス(トリエトキシシリルヘキシル)シクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,5−ビス(トリエトキシシリルエチル)シクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1−トリメトキシシリルオクチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1−トリメトキシシリルヘキシルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1−トリメトキシシリルエチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1−トリエトキシシリルオクチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1−トリエトキシシリルヘキシルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1−トリエトキシシリルエチルシクロペンタシロキサン等が挙げられるが、ここに例示されたものに限らない。これらの中でも上述した理由と原料の入手の容易さから1,3,5,7−テトラメチル−1−トリメトキシシリルオクチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリメトキシシリルエチルシクロテトラシロキサンが最も好ましい。
ここで、本発明においては、必要により加えられる不飽和炭化水素化合物が、下記式
CH2=CH−R6a
(式中、R6aは水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜14、特に1〜8のアルキル基であって、該置換基はハロゲン原子、ビニル基、チイラン基、(メタ)アクリル基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、無水コハク酸基、パーフルオロアルキル基、ポリエーテル基及びパーフルオロポリエーテル基から選ばれるものである。)
で示されるものであり、炭素−炭素不飽和結合を有するエポキシ基含有化合物が、下記式
(式中、R3はエポキシ基を含有する置換基、k1は0〜6の整数である。)
で示されるものであり、下記一般式(2)
(式中、R1は上記と同様であり、R3は各々独立にエポキシ基を含有する置換基、R4は各々独立に炭素数1〜4のアルキル基、R5は各々独立にハロゲン原子、酸素原子を間に挟んでもよい炭素数1〜20、特に1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜10のアリーロキシ基であり、R6は各々独立に水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜14、特に1〜8のアルキル基であって、該置換基はハロゲン原子、ビニル基、チイラン基、(メタ)アクリル基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、無水コハク酸基、パーフルオロアルキル基、ポリエーテル基、及びパーフルオロポリエーテル基から選ばれるものであり、kは2〜8の整数、mは2〜14、特に2〜8の整数、xは1〜3の整数である。p≧2、q≧1、r≧0、p+q+rは3〜6の整数である。各繰り返し単位の配列は任意である。)
で示されるエポキシ基含有環状オルガノシロキサンを得ることが好ましい。
CH2=CH−R6a
(式中、R6aは水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜14、特に1〜8のアルキル基であって、該置換基はハロゲン原子、ビニル基、チイラン基、(メタ)アクリル基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、無水コハク酸基、パーフルオロアルキル基、ポリエーテル基及びパーフルオロポリエーテル基から選ばれるものである。)
で示されるものであり、炭素−炭素不飽和結合を有するエポキシ基含有化合物が、下記式
で示されるものであり、下記一般式(2)
で示されるエポキシ基含有環状オルガノシロキサンを得ることが好ましい。
本発明における炭素−炭素不飽和結合を有するエポキシ基含有化合物は、ヒドロシリル化反応性を有するオレフィン含有のエポキシ基含有化合物であれば特に限定されないが、具体的には1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、アリルグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−7−オクテンが挙げられるが、ここに例示されたものに限らない。
エポキシ基以外の上述した置換基R6を導入する場合は、その置換基を有するオレフィン化合物(上述した、CH2=CH−R6a)を用いればよい。
本発明における反応原料の使用比率はオルガノハイドロジェンシロキサン中のSi−H基1モルに対して炭素−炭素不飽和結合を有する化合物を合計で0.7〜1.5モルが好ましく、より好ましくは0.9〜1.1モルである。
なお、上記環状シロキサンのSi−H基数に対し、上記炭素−炭素不飽和結合を有するエポキシ基含有化合物、更に必要により添加されるオレフィン化合物の合計炭素−炭素不飽和結合基の数が少ない場合、R6が水素原子であるものが得られる。
本発明におけるヒドロシリル化反応触媒は、公知の技術として知られている白金(Pt)及び/又は白金(Pt)を中心金属とする錯体化合物である。具体的には、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体並びに該錯体を中和処理した化合物や、中心金属の酸化数がPt(II)やPt(0)の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。好ましくは中心金属の酸化数がPt(IV)以外の錯体であることが付加位置選択性の点から望ましく、特にPt(0)、Pt(II)であることが好ましい。
本発明におけるヒドロシリル化反応触媒の使用量は、ヒドロシリル化反応の触媒効果が発現する量であれば特に限定されないが、好ましくはオレフィン化合物の合計量1モルに対して白金金属換算で0.000001〜1モルであり、より好ましくは0.000003〜0.01モルである。0.000001モル未満である場合には十分な触媒効果が発現しないおそれがあり、1モルより多い場合には効果が飽和するため生産コストが高くなり不経済になってしまうおそれがある。
以下、本発明を実施例を用いてより詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、粘度はオストワルド粘度計により測定した25℃における値を示す。
[実施例1]1,3,5−トリス(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル)−7−トリメトキシシリルオクチルテトラメチルシクロテトラシロキサンの合成
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた500mlセパラブルフラスコに、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリメトキシシリルオクチルシクロテトラシロキサン100.0質量部(0.21モル)、トルエン100.0質量部、イソプロパノール30.0質量部、アセトニトリル0.09質量部、白金錯体(Pt(0)の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体)のトルエン溶液を、Si−H基1モルに対して白金錯体が0.000003モル(白金換算)に相当する量を納め撹拌混合した。その後、加熱して内温85℃となったところで1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン86.5質量部(0.70モル)を1時間かけて滴下した。滴下と同時に反応が起こり、発熱が生じ、反応液温度が85℃から徐々に上昇したため、加熱を停止し、反応液温度が90℃を超えないように調整しながら滴下を継続した。滴下終了後、内温80℃となるように加熱をしながら反応液を1時間熟成した後に、反応液のIR並びに水素ガス発生量測定を行いSi−H基の残存が無いことを確認した。その後、トリフェニルホスフィンの25質量%トルエン溶液0.01質量部を添加し、減圧留去(80℃、2mmHg)によりトルエン、イソプロパノール、アセトニトリル、過剰の1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサンを除去することで表題シロキサンを粘度262mm2/s、屈折率1.4738(25℃)の無色透明液体として得た。得られた表題シロキサンについて1H−NMR並びにIR測定を行った。結果をそれぞれ図1及び2に示す。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた500mlセパラブルフラスコに、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリメトキシシリルオクチルシクロテトラシロキサン100.0質量部(0.21モル)、トルエン100.0質量部、イソプロパノール30.0質量部、アセトニトリル0.09質量部、白金錯体(Pt(0)の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体)のトルエン溶液を、Si−H基1モルに対して白金錯体が0.000003モル(白金換算)に相当する量を納め撹拌混合した。その後、加熱して内温85℃となったところで1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン86.5質量部(0.70モル)を1時間かけて滴下した。滴下と同時に反応が起こり、発熱が生じ、反応液温度が85℃から徐々に上昇したため、加熱を停止し、反応液温度が90℃を超えないように調整しながら滴下を継続した。滴下終了後、内温80℃となるように加熱をしながら反応液を1時間熟成した後に、反応液のIR並びに水素ガス発生量測定を行いSi−H基の残存が無いことを確認した。その後、トリフェニルホスフィンの25質量%トルエン溶液0.01質量部を添加し、減圧留去(80℃、2mmHg)によりトルエン、イソプロパノール、アセトニトリル、過剰の1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサンを除去することで表題シロキサンを粘度262mm2/s、屈折率1.4738(25℃)の無色透明液体として得た。得られた表題シロキサンについて1H−NMR並びにIR測定を行った。結果をそれぞれ図1及び2に示す。
[実施例2]1,3,5−トリス(3−グリシドキシプロピル)−7−トリメトキシシリルオクチルテトラメチルシクロテトラシロキサンの合成
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた500mlセパラブルフラスコに、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリメトキシシリルオクチルシクロテトラシロキサン100.0質量部(0.21モル)、トルエン100.0質量部、白金錯体(Pt(0)の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体)のトルエン溶液を、Si−H基1モルに対して白金錯体が0.000003モル(白金換算)に相当する量を納め撹拌混合した。その後、加熱して内温85℃となったところでアリルグリシジルエーテル79.7質量部(0.70モル)を1時間かけて滴下した。滴下と同時に反応が起こり、発熱が生じ、反応液温度が85℃から徐々に上昇したため、加熱を停止し、反応液温度が90℃を超えないように調整しながら滴下を継続した。滴下終了後、内温80℃となるように加熱をしながら反応液を1時間熟成した後に、反応液のIR並びに水素ガス発生量測定を行いSi−H基の残存が無いことを確認した。その後、減圧留去(80℃、2mmHg)によりトルエン、過剰のアリルグリシジルエーテルを除去することで表題シロキサンを粘度74mm2/s、屈折率1.4559(25℃)の無色透明液体として得た。得られた表題シロキサンについて1H−NMR並びにIR測定を行った。結果をそれぞれ図3及び4に示す。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた500mlセパラブルフラスコに、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリメトキシシリルオクチルシクロテトラシロキサン100.0質量部(0.21モル)、トルエン100.0質量部、白金錯体(Pt(0)の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体)のトルエン溶液を、Si−H基1モルに対して白金錯体が0.000003モル(白金換算)に相当する量を納め撹拌混合した。その後、加熱して内温85℃となったところでアリルグリシジルエーテル79.7質量部(0.70モル)を1時間かけて滴下した。滴下と同時に反応が起こり、発熱が生じ、反応液温度が85℃から徐々に上昇したため、加熱を停止し、反応液温度が90℃を超えないように調整しながら滴下を継続した。滴下終了後、内温80℃となるように加熱をしながら反応液を1時間熟成した後に、反応液のIR並びに水素ガス発生量測定を行いSi−H基の残存が無いことを確認した。その後、減圧留去(80℃、2mmHg)によりトルエン、過剰のアリルグリシジルエーテルを除去することで表題シロキサンを粘度74mm2/s、屈折率1.4559(25℃)の無色透明液体として得た。得られた表題シロキサンについて1H−NMR並びにIR測定を行った。結果をそれぞれ図3及び4に示す。
[実施例3]1,3,5−トリス(3−グリシドキシプロピル)−7−トリメトキシシリルエチルテトラメチルシクロテトラシロキサンの合成
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた500mlセパラブルフラスコに、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリメトキシシリルエチルシクロテトラシロキサン100.0質量部(0.26モル)、トルエン100.0質量部、白金錯体(Pt(0)の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体)のトルエン溶液を、Si−H基1モルに対して白金錯体が0.000003モル(白金換算)に相当する量を納め撹拌混合した。その後、加熱して内温85℃となったところでアリルグリシジルエーテル117.4質量部(1.03モル)を1時間かけて滴下した。滴下と同時に反応が起こり、発熱が生じ、反応液温度が85℃から徐々に上昇したため、加熱を停止し、反応液温度が90℃を超えないように調整しながら滴下を継続した。滴下終了後、内温80℃となるように加熱をしながら反応液を1時間熟成した後に、反応液のIR並びに水素ガス発生量測定を行いSi−H基の残存が無いことを確認した。その後、減圧留去(80℃、2mmHg)によりトルエン、過剰のアリルグリシジルエーテルを除去することで表題シロキサンを粘度64mm2/s、屈折率1.4552(25℃)の無色透明液体として得た。得られた表題シロキサンについて1H−NMR並びにIR測定を行った。結果をそれぞれ図5及び6に示す。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた500mlセパラブルフラスコに、1,3,5,7−テトラメチル−1−トリメトキシシリルエチルシクロテトラシロキサン100.0質量部(0.26モル)、トルエン100.0質量部、白金錯体(Pt(0)の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体)のトルエン溶液を、Si−H基1モルに対して白金錯体が0.000003モル(白金換算)に相当する量を納め撹拌混合した。その後、加熱して内温85℃となったところでアリルグリシジルエーテル117.4質量部(1.03モル)を1時間かけて滴下した。滴下と同時に反応が起こり、発熱が生じ、反応液温度が85℃から徐々に上昇したため、加熱を停止し、反応液温度が90℃を超えないように調整しながら滴下を継続した。滴下終了後、内温80℃となるように加熱をしながら反応液を1時間熟成した後に、反応液のIR並びに水素ガス発生量測定を行いSi−H基の残存が無いことを確認した。その後、減圧留去(80℃、2mmHg)によりトルエン、過剰のアリルグリシジルエーテルを除去することで表題シロキサンを粘度64mm2/s、屈折率1.4552(25℃)の無色透明液体として得た。得られた表題シロキサンについて1H−NMR並びにIR測定を行った。結果をそれぞれ図5及び6に示す。
Claims (5)
- 下記一般式(1)で示されるエポキシ基含有環状オルガノシロキサン。
- 下記一般式(2)で示される請求項1記載のエポキシ基含有環状オルガノシロキサン。
- 環状シロキサンがシクロテトラシロキサンである請求項1〜4のいずれか1項に記載のエポキシ基含有環状オルガノシロキサン。
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