JP2016204208A - ハニカム構造体 - Google Patents

ハニカム構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP2016204208A
JP2016204208A JP2015088511A JP2015088511A JP2016204208A JP 2016204208 A JP2016204208 A JP 2016204208A JP 2015088511 A JP2015088511 A JP 2015088511A JP 2015088511 A JP2015088511 A JP 2015088511A JP 2016204208 A JP2016204208 A JP 2016204208A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst layer
cell wall
honeycomb structure
recesses
deep
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015088511A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6464909B2 (ja
Inventor
孝洋 別所
Takahiro Bessho
孝洋 別所
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2015088511A priority Critical patent/JP6464909B2/ja
Priority to CN201680022703.1A priority patent/CN107531582B/zh
Priority to PCT/JP2016/061194 priority patent/WO2016170976A1/ja
Publication of JP2016204208A publication Critical patent/JP2016204208A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6464909B2 publication Critical patent/JP6464909B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/34Chemical or biological purification of waste gases
    • B01D53/92Chemical or biological purification of waste gases of engine exhaust gases
    • B01D53/94Chemical or biological purification of waste gases of engine exhaust gases by catalytic processes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J23/00Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00
    • B01J23/38Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00 of noble metals
    • B01J23/54Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00 of noble metals combined with metals, oxides or hydroxides provided for in groups B01J23/02 - B01J23/36
    • B01J23/56Platinum group metals
    • B01J23/63Platinum group metals with rare earths or actinides
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J35/00Catalysts, in general, characterised by their form or physical properties
    • B01J35/50Catalysts, in general, characterised by their form or physical properties characterised by their shape or configuration
    • B01J35/56Foraminous structures having flow-through passages or channels, e.g. grids or three-dimensional monoliths
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/80After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone of only ceramics
    • C04B41/81Coating or impregnation
    • C04B41/85Coating or impregnation with inorganic materials

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Abstract

【課題】触媒層の温度を短時間で活性化温度まで上昇でき、かつ、冷熱サイクルを繰り返しても排ガスの浄化性能が低下しにくいハニカム構造体を提供すること。【解決手段】多角形格子状のセル壁2と、該セル壁2に囲まれた複数のセル3と、セル壁2の表面に形成された触媒層4とを備える。セル壁2には複数の凹部が形成されている。セル壁2の断面を観察したときに、セル壁2の表面からの深さが10μm以上の凹部である深凹部20の開口部21の開口割合が、10%以上とされている。開口部21の長さが8μm以下の深凹部20である狭凹部20aの数NAが、深凹部20の総数NALLに占める割合は10%以上である。また、開口部21の長さが20μm以上の深凹部20である広凹部20bの数NBが、深凹部20の総数NALLに占める割合は10%以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、多角形格子状のセル壁と、該セル壁に囲まれた複数のセルと、上記セル壁に形成された触媒層とを備えるハニカム構造体に関する。
自動車等の排ガス管に取り付けられ、排ガスを浄化するハニカム構造体として、多角形格子状のセル壁と、該セル壁に囲まれた複数のセルと、上記セル壁の表面に形成された触媒層とを備えるものが知られている(下記特許文献1参照)。上記触媒層には、PtやRh等の触媒が含まれる。この触媒層を用いて、排ガスに含まれるNOxやCO等の有害物質を浄化するようになっている。
特開2013−63422号公報
しかしながら、上記ハニカム構造体は、長期間使用すると、排ガスの浄化性能が次第に低下する可能性がある。すなわち、エンジンが稼働して排ガスが流れると、ハニカム構造体の温度が上昇し、セル壁および触媒層が熱膨張する。また、エンジンが停止して排ガスが流れなくなると、ハニカム構造体の温度は低下し、セル壁および触媒層が熱収縮する。このように、ハニカム構造体は、冷熱サイクルを繰り返す環境下で使用される。また、触媒層は、セル壁よりも熱膨張率が高い。そのため、ハニカム構造体に熱を加えると、熱膨張率の差が原因となって、触媒層とセル壁との間に応力が生じる。したがって、冷熱サイクルを繰り返すと、この応力によって触媒層がセル壁から剥離してしまう可能性がある(図17、図18参照)。また、応力によってセル壁に亀裂が生じ、セル壁の一部が触媒層と共に脱落する可能性も考えられる。そのため、排ガスの浄化性能が低下してしまう可能性がある。
また、近年、エンジンを始動した後、上記触媒層の温度を、活性化温度まで短時間で上昇できるハニカム構造体の開発が進められている。触媒層を短時間で活性化温度まで上昇できるようにするためには、ハニカム構造体を軽量化する必要がある。すなわち、セル壁を薄くしたり、気孔率を増やしたりして、セル壁の熱容量を小さくする必要がある。このようにすると、排ガスが流れ始めた後、短時間でセル壁を昇温でき、該セル壁に形成された触媒層を、短時間で活性化温度まで昇温させることが可能になる。しかしながら、セル壁を薄くしたり気孔率を高めたりすると、上述のように、冷熱サイクルを繰り返したときに、応力によってセル壁に亀裂等が発生したり、脱落したりしやすくなり、排ガスの浄化性能が低下する可能性がある。そのため、従来のハニカム構造体は、触媒層の温度を短時間で上昇できるようにすることと、排ガスの浄化性能低下を抑制できるようにすることを、両立しにくかった。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、触媒層の温度を短時間で活性化温度まで上昇でき、かつ、冷熱サイクルを繰り返しても排ガスの浄化性能が低下しにくいハニカム構造体を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、多角形格子状のセル壁と、該セル壁に囲まれた複数のセルと、上記セル壁の表面に形成された触媒層とを備え、
上記セル壁には複数の凹部が形成されており、
上記セル壁の断面を観察したときに、
上記セル壁の上記表面からの深さが10μm以上の上記凹部である深凹部の開口部の開口割合が10%以上であり、
上記開口部の長さが8μm以下の上記深凹部である狭凹部の数が、上記深凹部の総数に占める割合は10%以上であり、
上記開口部の長さが20μm以上の上記深凹部である広凹部の数が、上記深凹部の総数に占める割合は10%以上であることを特徴とするハニカム構造体にある。
本発明者らは、上記構成を採用すると、冷熱サイクルを繰り返しても、ハニカム構造体の浄化性能が低下しにくくなることを見出した。すなわち、セル壁に上記狭凹部が形成されていると、熱を加えたときに、この狭凹部上の触媒層にクラックが発生しやすくなる。そのため、セル壁に狭凹部を多く形成しておくと、触媒層に多くのクラック、すなわち隙間を形成することができる。多くの隙間ができた触媒層は、全体として大きく熱膨張しにくくなる。そのため、セル壁と触媒層との間に応力が発生しにくくなる。したがって、冷熱サイクルを繰り返しても、触媒層がセル壁から剥離する等の問題が生じにくくなり、排ガスの浄化性能が低下しにくくなる。
また、上記広凹部内には、触媒層が侵入しやすい。そのため、セル壁に広凹部を多く形成しておくことにより、触媒層をセル壁にしっかり保持させることが可能になる。したがって、冷熱サイクルを繰り返しても、触媒層がセル壁から剥離しにくくなる。そのため、排ガスの浄化性能が低下しにくくなる。
後述するように、狭凹部及び広凹部を充分に形成し、上記効果を得るためには、上記深凹部の開口割合が10%以上である必要がある。また、狭凹部の数が深凹部の総数に占める割合が10%以上であり、かつ、広凹部の数が深凹部の総数に占める割合が10%以上である必要がある。
また、上記構成を採用すると、冷熱サイクルを繰り返しても、セル壁に応力が加わりにくいため、セル壁に亀裂が発生したり、セル壁が触媒層と共に脱落したりする問題が生じにくくなる。そのため、セル壁を薄くしたり気孔率を高めたりすることが可能になる。これにより、エンジン始動後、短時間でセル壁を昇温でき、該セル壁に形成された触媒層を、活性化温度まで短時間で昇温させることが可能となる。そのため、エンジン始動後、短時間で、有害物質を浄化することが可能になる。
また、上記ハニカム構造体によれば、排ガスの浄化率を高めることもできる。すなわち、近年、上述したように、セル壁を薄くしたり気孔率を高めたりして、ハニカム構造体をより軽量化することが望まれている。また、触媒層は、貴金属触媒をより分散できるように、助触媒の量を増やすことが望まれている。つまり、ハニカム構造体全体の質量に対する、触媒層の重量比率を、より高くすることが望まれている。従来のハニカム構造体は、冷熱サイクルを繰り返すと、触媒層が大きく熱膨張してセル壁との間に応力が発生するため、触媒層の量を充分に増やすことができない。これに対して、本発明では、冷熱サイクルを繰り返しても、触媒層とセル壁との間に大きな応力が発生しにくいため、触媒層の量を増やすことができる。そのため、排ガスの浄化率を高めることができる。このように、本発明によれば、排ガスの浄化率を高めることができ、かつ、冷熱サイクルを繰り返した後、排ガスの浄化性能が低下することを抑制することができる。
以上のごとく、本発明によれば、触媒層の温度を短時間で活性化温度まで上昇でき、かつ、冷熱サイクルを繰り返しても排ガスの浄化性能が低下しにくいハニカム構造体を提供することができる。
実施例1における、ハニカム構造体の斜視図。 実施例1における、冷熱サイクル前の、セル壁の断面図。 実施例1における、冷熱サイクル後の、セル壁の断面図。 実施例1における、排ガス管に挿入されたハニカム構造体の断面図。 実施例1における、ハニカム構造体の断面SEM写真。 実施例1における、ハニカム構造体の原料となる粒子の、焼成前の断面図。 実施例1における、焼成後のセル壁の拡大断面図。 実施例1における、深凹部の長さを測定した箇所を説明するための図。 実施例1における、深凹部と、測定箇所の説明図。 図9とは異なる形状の深凹部と、測定箇所の説明図。 図9、図10とは異なる形状の深凹部と、測定箇所の説明図。 図9〜図11とは異なる形状の深凹部と、測定箇所の説明図。 図9〜図12とは異なる形状の深凹部と、測定箇所の説明図。 図9〜図13とは異なる形状の深凹部と、測定箇所の説明図。 実施例23における、凹部の深さおよび開口径と、凹部上の触媒層の状態との関係を説明するためのグラフ。 実施例24における、凹部の深さ及び触媒層の侵入深さと、凹部上の触媒層の状態との関係を説明するためのグラフ。 比較例における、冷熱サイクル前の、ハニカム構造体の拡大断面図。 比較例における、冷熱サイクル後の、ハニカム構造体の拡大断面図。
上記ハニカム構造体は、車両に搭載される車載用ハニカム構造体とすることができる。ハニカム構造体の形状は、全体が筒状で、多角形状のセルが形成されたものが望ましい。また、セル形状は、一種類の多角形から構成されていてもよく、複数種類の多角形が組み合わされていてもよい。セル形状は、四角形や六角形が特に好ましい。この場合には、排ガスの圧損を低くすることができ、かつ、セルの表面積を高くすることができる。
セル壁の厚さは、0.05mm〜0.15mmであることが好ましく、0.065〜0.10mmがより好ましい。0.065〜0.10mmにすると、排ガスの圧損を低減でき、浄化性能を向上できると共に、セル壁の強度を十分に高くすることができる。
また、セル密度は、62〜186個/cmであることが好ましく、93〜140個/cmであることがより好ましい。セル密度を93〜140個/cmにすると、排ガスの浄化性能を向上でき、圧力損失を低減できると共に、ハニカム構造体の強度を十分に高くすることができる。
また、ハニカム構造体全体の質量に対する、触媒層の重量比は、0.7以上にすることが好ましい。この場合には、触媒層の量が多いため、排ガスの浄化率をより高めることができる。
また、触媒層に含まれる触媒の種類は、貴金属触媒と、γアルミナや希土類酸化物からなる助触媒とを備えた三元触媒を用いることができる。貴金属触媒としては、Pt、Rh、Pdを用いることができる。また、希土類酸化物には、セリア−ジルコニア等を用いることができる。
また、ハニカム成形体に担持させる触媒層の量は、排ガスの浄化性能を高めるために、100〜300g/Lとすることが好ましく、150〜250g/Lがより好ましい。150〜250g/Lにすると、排ガスの浄化性能を高めることと、冷熱サイクルを繰り返した後における浄化性能の低下抑制とを両立しやすい。なお、上記単位(g/L)は、ハニカム成形体の容積1L当たりに担持される触媒層の質量を意味している。
(実施例1)
上記ハニカム構造体に係る実施例について、図1〜図14を用いて説明する。図1〜図3に示すごとく、本例のハニカム構造体1は、多角形格子状のセル壁2と、該セル壁2に囲まれた複数のセル3と、セル壁2の表面に形成された触媒層4とを備える。セル壁2には複数の凹部(20,29)が形成されている。
セル壁2の断面を観察したときに、
セル壁2の表面からの深さが10μm以上の凹部である深凹部20の開口部21の開口割合が、10%以上とされている。
開口部21の長さが8μm以下の深凹部20である狭凹部20aの数Nが、深凹部20の総数NALLに占める割合(以下、狭凹部割合とも記す)は10%以上である。
また、開口部21の長さが20μm以上の深凹部20である広凹部20bの数Nが、深凹部20の総数NALLに占める割合(以下、広凹部割合とも記す)は10%以上である。
本例のハニカム構造体1は、車両のエンジンから排出される排ガスを浄化するための、車載用ハニカム構造体である。
図4に示すごとく、ハニカム構造体1は、セラミック製のマット6によって覆われている。ハニカム構造体1は、上記マット6と共に、車両の排ガス管5に圧入されている。車両の排ガスは、ハニカム構造体1の上記セル3内を流れる。このとき、排ガスの熱によって、触媒層4の温度が上昇し、活性化する。これにより、排ガスに含まれるNOxやCO等の有害物質を浄化するようになっている。
本例のハニカム構造体1の製造方法について説明する。本例では、ハニカム構造体1をコージェライトにより製造した。製造にあたって、まず、タルク、シリカ、カオリン、水酸化アルミニウム、アルミナを混合し、コージェライト原料を製造した。このとき、シリカ50±5wt%、アルミナ36±5wt%、マグネシア14±2wt%になるように調整した。
また、本例では下記表1に示すごとく、粒子径分布がD10=6μm、D90=31μmであるタルク粒子を37.8vol%、平均粒子径5μmのシリカ粒子を8.8vol%含有させた。この他に、有機バインダー、潤滑材、分散媒等を添加して、成形坏土を調整した。そして、金型を用いて、成形坏土を押出し成形し、ハニカム成形体を得た。
なお、粒子径分布は、日機装(株)製の粒度分布測定器(マイクロトラックMT3000)を用いて測定した。D10、D90は、粒度の累積分布が10%および90%であるときの粒子径を意味する。また、上記平均粒子径は、メジアン径(D50)を意味する。
図6に示すごとく、タルク粒子12は鱗片状である。そのため、押出成形を行うと、成形坏土が金型のスリット内を通るときに、タルク粒子12が押出方向(X方向)に対して平行に配列する。また、タルク粒子12は、セル壁2の表面に配されやすい。
上記押出成形を行った後、ハニカム成形体を乾燥し、1380〜1425℃で4〜10時間焼成した。焼成後のハニカム構造体は、端面の直径が100mm、X方向における長さが100mm、セル壁2の厚さは90μm、セル密度は95個/cmであった。
ハニカム成形体を焼成すると、タルク粒子12とシリカ粒子10は溶融し、アルミナ粒子11に向かって流れ、これらが反応してコージェライトになる。したがって、タルク粒子12とシリカ粒子10が存在していた場所には凹部が形成され、アルミナ粒子11が存在していた場所にはセル壁2の骨格が形成される。
上述したように、タルク粒子12は、セル壁2の表面に存在しやすく、かつ、押出方向(X方向)に平行に配されやすい。そのため、タルク粒子12の粒子径分布を調節することにより、凹部の開口径Lの長さを制御することができる。つまり、大きなタルク粒子12を用いると、凹部の開口径Lが長くなり、小さなタルク粒子12を用いると、凹部の開口径Lが短くなる。
また、シリカ粒子10は、タルク粒子12よりもセル壁2の内側に配されやすい。そのため、焼成した際に、シリカ粒子10は、タルク粒子12と繋がりやすい。したがって、シリカ粒子10の平均粒子径を調節することにより、凹部の深さを調節することが可能になる。つまり、大きなシリカ粒子10を用いると、凹部が深くなり、小さなシリカ粒子10を用いると、凹部が浅くなる。
本例では、上述したように、粒子径分布がD10=6μm、D90=31μmのタルク粒子と、平均粒子径5μmのシリカ粒子を用いた。製造されたハニカム構造体1の断面SEM写真を撮影し、上記深凹部20の開口率が10%、上記狭凹部割合が10%、上記広凹部割合が10%であることを確認した。上記開口率、狭凹部割合、広凹部割合の測定方法については、後述する。
また、本例では、シリカ粒子10は、粒子内に細孔を有する多孔質シリカ粒子(富士シリシア化学社製 サイリシアシリーズ等)と、溶融シリカとを混合したものを用いた。これにより、コージェライトの組成である、シリカ50±5wt%、アルミナ36±5wt%、マグネシア14±2wt%を維持しつつ、シリカ粒子10の体積割合を調整できるようにした。
セル壁2に孔を形成するには、一般に、樹脂粒子やカーボン粒子を成型坏土に混合する方法が採用される。樹脂粒子等を成型坏土に混合しておくと、焼成時に樹脂粒子等が燃焼し、この樹脂粒子等が存在していた部分が孔になる。しかしながら、樹脂粒子等は、コージェライト化反応が生じる前に燃焼するという問題がある。つまり、樹脂粒子等が燃焼して孔が形成され、その後、コージェライト化反応、すなわち、タルクやシリカが溶融しながらコージェライトが生成する反応が進行するため、樹脂粒子等の燃焼によって生じた孔の大きさや形状が変化しやすい。したがって、所望の大きさの孔を得たり、孔同士を好適に繋げたりすることが困難である。そのため、本例では、シリカを多孔質化させたもの(多孔質シリカ)を用いている。多孔質シリカは、樹脂粒子等と異なり、コージェライト反応が生じるまで安定して存在する。したがって、多孔質シリカを用いることにより、所望の大きさの孔を安定して形成することが可能になる。また、多孔質シリカの細孔率を調整すれば、コージェライト組成比を変えることなく、シリカの見かけ上の体積を変化させることができる。そのため、シリカの体積量や、タルクとの体積バランスを変化させることができる。
本例では、タルク由来の孔とシリカ由来の孔を連結させることで、所望大きさの凹部を容易に得ることができる点に着目した。そして、タルクとシリカの体積バランスを変化させることにより、凹部の大きさを制御し、同時にタルクの粒子径分布を調整することにより、狭凹部20aと広凹部20bの存在比を制御した。これにより、深凹部20の開口割合と、狭凹部割合と、広凹部割合との、最適な範囲を見出した。
次に、触媒層4の形成工程について説明する。上記ハニカム成形体を焼成した後、セル壁2に触媒層4を形成する。触媒層4には、γアルミナ、希土類酸化物からなる助触媒粒子と、該助触媒粒子に担持された貴金属触媒とが含まれる。貴金属触媒としては、例えばPt、Pd、Rhを用いることができる。助触媒は、アルミナ、ジルコニア、セリア、シリカから選ばれる一種類以上の粒子、及びCeとZrを必須成分とする複合酸化物粒子等の凝集体により構成することができる。本例では、γアルミナとセリア−ジルコニアからなる助触媒粒子に、Pt、RhをPt:Rh=9:1の比率で担持させた後、ボールミルを用いて所望の平均粒子径に調節した。そして、水及び無機バインダー材(アルミナゾル)を添加してスラリーにし、このスラリーに、焼成後の上記ハニカム成形体を浸漬した。次いで、残余のスラリーを除去し、加熱乾燥させた。浸漬〜加熱乾燥を繰り返した後、500℃で2時間加熱し、触媒層4を形成した。ハニカム構造体の容積に対する、触媒層4の担持密度は、250g/Lであった。
次に、上記深凹部20の開口率の測定方法について説明する。開口率を測定するには、先ず、図8に示すごとく、セル壁2の断面SEM写真を撮影する。そして、セル壁2の表面との接点が最も多く得られる直線Aを引く。次いで、直線Aから10μm内側の位置に、平行線Bを引く。この平行線Bを用いて、セル壁2に形成されている個々の凹部が、深さ10μm以上の深凹部20であるか、10μmよりも浅い浅凹部29であるかを判断する。SEM写真内に存在する全ての深凹部20を探し、開口部21の長さLを、全ての深凹部20について合計する。つまり、セル壁2の一方の表面に開口する個々の開口部21の長さLと、他方の表面に開口する個々の開口部21の長さLとを合計する。これにより得られた値である合計長LSUMと、SEM写真における直線Aの長さLとを下記式に代入することにより、開口率を算出する。
開口率(%)=LSUM/2L×100
少なくとも100個の深凹部20が発見されるまでSEM写真の撮影を繰り返し、個々のSEM写真についての開口率を平均した値を、上記表1に開口率として記載した。
なお、SEM写真は、キーエンス社製VE−8800を用いて撮影した。SEM写真の倍率は400倍にした。写真の計測処理は、三谷商事株式会社製のWinroofを用いて行った。
また、上記長さLを測定する際には、図9に示すごとく、原則として、直線Aと開口部21とが接する2点間の距離を測定し、開口部21の長さLとする。図10に示すごとく、深凹部20の開口部21と直線Aとが接しない場合は、開口部21の両端を通り、セル壁2の厚さ方向(Z方向)に平行な直線C1,C2を引く。この直線C1,C2と直線Aとが交わる2点間の距離を、上記長さLとする。
また、図11に示すごとく、深凹部20内に島状部200が存在する場合、この島状部200が直線Aと接しなければ、深凹部20を島状部200によって分けず、一つの深凹部20として長さLを測定する。これに対して、図12に示すごとく、島状部200が直線Aと接する場合は、島状部200によって深凹部20が2つに分かれているものとし、2つの開口部21の長さL1,L2をそれぞれ測定する。図14に示すごとく、直線Aに接する大きな島状部200が、開口21よりも長い場合も同様である。
また、図13に示すごとく、深凹部20と浅凹部29とが連続している場合は、深凹部20の開口部21の長さLのみを測定する。
次に、上記狭凹部割合を測定する方法について説明する。図8に示すごとく、セル壁2の断面SEM写真を撮影し、上記直線A,Bを引いて、SEM写真内に存在する深凹部20の総数NALLを求める。そして、発見された深凹部20のうち、開口部21の長さLが8μm以下の深凹部20である狭凹部20aの数Nを求め、下記式を用いて、上記狭凹部割合を算出する。
狭凹部割合=N/NALL×100
本例では、少なくとも100個の深凹部20が発見されるまでSEM写真の撮影を繰り返し、個々のSEM写真についての狭凹部割合を平均した値を、上記表1に狭凹部割合として記載した。また、上記広凹部割合も同様にして算出した。
次に、上記表1に記載した、浄化性能の評価方法について説明する。まず、製造したハニカム構造体1を、排気量が2000ccのエンジンを備える車両の排ガス管に取り付け、ハニカム構造体1に冷熱サイクルを施した。昇温過程では、ハニカム構造体1の入口側の排ガス温度を950℃まで加熱し、ハニカム構造体1を充分昇温させた。また、冷却過程では、2分間で排ガス温度が600℃となるように、エンジンの出力を低下させた。その後、アイドル状態まで出力を落とし、4分間で300℃まで排ガス温度を低下させた。1サイクルを10分間かけて行い、100サイクル実施した。
上記冷熱サイクルを施した後、ハニカム構造体1の入り口側の排ガス温度を500℃にし、浄化性能の評価を行った。浄化性能の評価では、ハニカム構造体1を通過した排ガス中のHCとNOxの残存率を評価した。残存率は、以下の式によって算出した。
残存率=出口側の成分濃度/入口側の成分濃度×100
後述する比較例1におけるHCとNOxの残存率を基準として、10%以上低いものをBと判定し、20%以上低いものをAと判定した。比較例1と比べて10%以下しか低くなっていないもの、又は悪化したものはCと評価した。なお、表1に示す全てのサンプルについて、HCとNOxの浄化性能の変化率は略同じであった。そのため、浄化性能の評価結果は、HCとNOxのどちらにもあてはまる。
次に、熱膨張特性の評価について説明する。触媒層4は、セル壁2よりも、熱膨張率が2倍以上高い。また、冷熱サイクルを行う前は、触媒層4に上記クラック40が形成されていないため、ハニカム構造体1に熱を加えると、触媒層4が主に膨張し、セル壁2は、触媒層4に引っ張られて一緒に膨張する。そのため、ハニカム構造体1全体の熱膨張率は比較的高い値になる。触媒層4はセル壁2よりも熱膨張率が高いため、触媒層4が形成されたハニカム構造体1は、触媒層4が形成されていないハニカム構造体と比べて、熱膨張率が2倍以上高い。また、冷熱サイクルを行い、上記狭凹部20a上の触媒層4に多くのクラック40が形成されると、触媒層4内に隙間が多く形成されることになり、触媒層4が大きく熱膨張しにくくなる。したがって、ハニカム構造体1全体の熱膨張率は低下する。
本例では、上記冷熱サイクルを100回行う前と後とで、それぞれハニカム構造体1の熱膨張率を測定した。そして、冷熱サイクル実施後の熱膨張率が、実施前の熱膨張率に対してどの程度低下したかを確認した。冷熱サイクルを行うことにより、触媒層4に多くのクラック40、すなわち隙間が発生したものは、触媒層4全体の熱膨張率が低下する。そのため、ハニカム構造体1全体の熱膨張率は、大きく低下する。
また、触媒層4全体の熱膨張率が低減すると、セル壁2と触媒層4との間で熱膨張量に大きな差が生じにくくなり、これらセル壁2と触媒層4との間に応力が発生しにくくなる。したがって、冷熱サイクルを繰り返しても、応力によって触媒層4が剥離する等の問題が生じにくい。
また、冷熱サイクルを行っても、触媒層4にクラック40が多く発生しないものは、触媒層4内の隙間が少ないため、触媒層4全体が大きく熱膨張しやすい。そのため、ハニカム構造体1全体の熱膨張率は、冷熱サイクルを行う前と比較して、あまり低下しない。
この状態では、セル壁2と触媒層4とで熱膨張量に大きな差が生じるため、セル壁2と触媒層4との間に応力が生じやすい。そのため、冷熱サイクルを繰り返すと、応力によって触媒層4が剥離する等の問題が生じやすい。
本例では、冷熱サイクルを行った後におけるハニカム構造体1の熱膨張率が、行う前の熱膨張率にして、30%未満しか低下しない場合はCと判定した。また、冷熱サイクルを行った後におけるハニカム構造体1の熱膨張率が、行う前の熱膨張率にして、30%以上低下した場合はBと判定した。また、冷熱サイクルを行った後におけるハニカム構造体1の熱膨張率が、触媒層4を形成する前におけるハニカム構造体の熱膨張率の±20%以内にまで低下した場合は、Aと判定した。
表1に示すごとく、深凹部20の開口率が少なくとも10%、狭凹部割合が少なくとも10%、広凹部割合が少なくとも10%であれば、浄化性能及び熱膨張特性がそれぞれB判定と良好な結果を得られることが分かる。これは、セル壁2に、狭凹部20a及び広凹部20bがそれぞれ多く形成されているため、触媒層4に多くのクラック40が発生すると共に、広凹部20bによって触媒層4が強固に保持されるためだと考えられる。
すなわち、図2、図3に示すごとく、狭凹部20aは開口部21が狭いため、その内部に触媒層4が入りにくい。このような部位の上に存在する触媒層4は、冷却時に引っ張り応力が局所的に加わって、クラック40が発生しやすい。そのため、多くのクラック40が形成されると、触媒層4内の隙間が多くなり、触媒層4全体としては熱膨張しにくくなる。そのため、セル壁2と触媒層4との間に応力が発生しにくくなる。したがって、冷熱サイクルを繰り返しても、触媒層4が剥離したり、セル壁2に亀裂が生じてセル壁2が剥離したりする等の問題が起きにくくなる。
また、上記広凹部20b内には触媒層4が入りやすいため、広凹部20bを多く形成すると、触媒層4を強固に保持することができる。そのため、触媒層4が剥離する不具合をより効果的に抑制できる。以上の理由により、本例のハニカム構造体1は、熱膨張特性および浄化性能の評価がBと、比較的良好であったと考えられる。
以上説明したように、本例によれば、冷熱サイクルを繰り返しても、排ガスの浄化性能が低下しにくいハニカム構造体1を提供することができる。また、本例のハニカム構造体1は、冷熱サイクルを繰り返しても、セル壁2に応力が加わりにくいため、セル壁2に亀裂が発生したり、セル壁2が触媒層4と共に脱落したりする問題が生じにくい。そのため、セル壁2を薄くしたり気孔率を高めたりすることができる。これにより、エンジン始動後、短時間でセル壁2を昇温でき、該セル壁2に形成された触媒層4を、活性化温度まで短時間で昇温させることが可能となる。そのため、エンジン始動後、短時間で、有害物質を浄化することが可能になる。
以上のごとく、本例によれば、触媒層の温度を短時間で活性化温度まで上昇でき、かつ、冷熱サイクルを繰り返しても排ガスの浄化性能が低下しにくいハニカム構造体を提供することができる。
(実施例2〜7)
これらは、深凹部20の開口率と、狭凹部割合と、広凹部割合とを変更した例である。本例では、タルク粒子の粒子径分布と、シリカ粒子の体積割合とを、上記表1に示す値に調整し、実施例1と同様の製造方法を用いて、ハニカム構造体1を製造した。そして、製造されたハニカム構造体1における、深凹部20の開口率と、狭凹部割合と、広凹部割合とを測定した。また、実施例1と同様に、浄化性能と熱膨張特性を測定した。測定値を表1および評価結果を表1に示す。浄化性能と熱膨張特性は全てB判定と、比較的良好であった。
表1に示すごとく、本例のハニカム構造体1は、深凹部20の開口率が全て10%以上であり、狭凹部割合は全て10%以上であり、広凹部割合は全て10%以上である。この条件を満たすときには、浄化性能と熱膨張特性が比較的良好になることを確認できた。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を備える。
(実施例8〜10)
これらは、深凹部20の開口率と、狭凹部割合と、広凹部割合とを変更した例である。本例では、タルク粒子の粒子径分布と、シリカ粒子の体積割合とを、上記表1に示す値に調整し、実施例1と同様の製造方法を用いて、ハニカム構造体1を製造した。そして、製造されたハニカム構造体1における、深凹部20の開口率と、狭凹部割合と、広凹部割合とを測定した。また、実施例1と同様に、浄化性能と熱膨張特性を測定した。測定値を表1および評価結果を表1に示す。
表1に示すごとく、本例では、狭凹部割合は全て20%以上であった。また、広凹部割合は全て10%以上であった。さらに、狭凹部割合≧広凹部割合であった。すなわち、狭凹部20aの数Nと広凹部20bの数Nとは、N≧Nの関係を満たしている。この場合、浄化性能と熱膨張特性は、共にA判定であった。
本例では、狭凹部割合≧広凹部割合であるため、触媒層4により多くのクラック40が発生する。そのため、触媒層4により多くの隙間が形成され、触媒層4全体の熱膨張率をより低減できる。したがって、熱膨張特性の評価がAと良好な結果が得られたと考えられる。また、触媒層4により多くのクラック40が発生すると、触媒層4の表面積が増えるため、浄化性能の評価がAと良好な結果が得られたと考えられる。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を備える。
(実施例11〜13)
これらは、深凹部20の開口率と、狭凹部割合と、広凹部割合とを変更した例である。本例では、タルク粒子の粒子径分布と、シリカ粒子の体積割合とを、表1に示す値に調整した。得られたハニカム構造体1の深凹部20の開口率と、狭凹部割合と、広凹部割合と、浄化性能及び熱膨張特性の判定結果とを、表1に示す。浄化性能及び熱膨張特性の評価は共にAであった。
表1に示すごとく、本例では、深凹部20の開口率が20%以上である。この場合には、深凹部20の数が多いため、狭凹部20a、および広凹部20bの数も多くすることができる。したがって、触媒層4にクラック40をより多く発生させることが可能となり、触媒層4全体の熱膨張率をより低減できる。そのため、熱膨張特性の評価がAと良好な結果を得られたと考えられる。また、触媒層4にクラック40をより多く形成できると、触媒層4の表面積が増えるため、浄化性能の評価がAと良好な結果が得られたと考えられる。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を備える。
(実施例14〜16)
これらは、実施例1〜13よりもヤング率が低い材料を用いて、セル壁2を構成した例である。表1に示すごとく、本例では、28.4GPa以下の材料を用いて、セル壁2を形成している。本例のハニカム構造体1は、浄化性能および熱膨張特性の評価が、共にAと良好であった。
本例では、セル壁2のヤング率が小さいため、セル壁2は弾性変形しやすい。そのため、熱を加えてもセル壁2には大きな応力が加わりにくく、セル壁2よりも触媒層4に大きな応力が加わると考えられる。そのため、この応力によって、触媒層4に多くのクラック40が形成される。したがって、浄化性能および熱膨張特性の評価が、共にAと良好であったと考えられる。
なお、セル壁2のヤング率を低減するには、以下の方法を採用することができる。例えば、ハニカム構造体を製造する際に、上記多孔質シリカの添加量を増やし、これにより、セル壁2内に空隙を多く形成する。このようにすると、セル壁2の気孔率が増え、ヤング率が低いセル壁2を有するハニカム構造体を製造することができる。
また、セル壁2のヤング率を低くすると、排ガスの圧損を低減できるという効果も生じる。すなわち、上述したように、セル壁2のヤング率が低いということは、セル壁2の気孔率が高いことを意味している。そのため、触媒層4が気孔に侵入しやすくなり、触媒層4の厚さを薄くすることができる。したがって、本例のハニカム構造体1は、排ガスの圧損を低減できるという効果も有する。
なお、本例において、ヤング率は、日本テクノプラス社製の共振法測定装置(JE−HT)を用いて測定した。ヤング率の測定は以下のようにして行った。まず、押出し口がプレート形状の口金を用いて成形坏土を押出し成形し、乾燥させた。その後、厚さ4mm、幅10mm、長さ60mmに加工した。そして、ハニカム構造体を焼成したときと同じ温度である1420℃で焼成し、共振法を用いてヤング率を測定した。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を備える。
(実施例17〜22)
これらは、触媒層4に含まれる助触媒粒子の平均粒子径を変更した例である。表1に示すごとく、本例では、助触媒粒子の平均粒子径を2.2〜7.6μmにした。本例の浄化性能及び熱膨張特性の評価は、全てBと良好であった。
一般に、自動車用のハニカム構造体1に用いられる助触媒は、平均粒子径が1〜10μmである。そのため、本例により、助触媒の平均粒子径が一般的な範囲で変動しても、実施例1と同様の効果を得られることを確認できた。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を備える。
(比較例1〜6)
本発明に属しない比較例としてのハニカム構造体1を製造し、その評価を行った。表1に示すごとく、本例では、狭凹部割合と広凹部割合とのうち少なくとも一方が10%未満である。本例の浄化性能を確認したところ、全てC判定であった。これは、比較例1、2、5、6については、狭凹部20aの数が少ないため、触媒層4に充分な数のクラック40を形成できないためと考えられる。すなわち、触媒層4に充分な数のクラック40を形成できないと、触媒層4に隙間が形成されないため、熱を加えたときに、触媒層4が大きく膨張しやすくなる。そのため、セル壁2と触媒層4との間に応力が発生しやすくなる。したがって、冷熱サイクルを繰り返すと、上記応力によって触媒層4が剥離しやすくなる(図17、図18参照)。また、セル壁2に亀裂が入り、触媒層4と共に脱落する場合もある。そのため、浄化性能が低下したと考えられる。
また、比較例3、4については、広凹部20bの数が少ないため、触媒層4をセル壁2にしっかり保持できなかったと考えられる。そのため、触媒層4が剥離し、浄化性能がCと低い評価であったと考えられる。
また、本例では、熱膨張特性も、比較例3、4を除いて全てC判定であった。これは、触媒層4に充分な数のクラック40が形成されないため、触媒層4が膨張しやすくなり、ハニカム構造体1全体の熱膨張率が低下しなかったためだと考えられる。
なお、比較例3、4は、広凹部20bの数が少ないため、触媒層4を充分に保持できず、触媒層4が剥離してしまったと考えられる。そのため、セル壁2のみが多く残り、部分的に熱膨張率がセル壁2本来の値に戻って、熱膨張特性の判定がBになったと考えられる。
(比較例7〜9)
本発明に属しない比較例としてのハニカム構造体1を製造し、その評価を行った。表1に示すごとく、本例では、深凹部20の開口率が、全て10%未満である。本例のハニカム構造体1について浄化性能を評価したところ、全てC判定であった。これは、本例では深凹部20の数が少ないため、狭凹部20aの数も少なくなり、触媒層4に充分な数のクラック40が形成されなかったためと考えられる。つまり、本例では、触媒層4に充分な数のクラック40が形成されず、充分な隙間が形成されないため、熱を加えたときに触媒層4が熱膨張しやすい。そのため、触媒層4とセル壁2との間に応力が発生して、触媒層4が剥離したり、セル壁2が触媒層4と共に脱落したりし、浄化性能が低下したと考えられる。
また、本例では、熱膨張特性も、比較例9を除いて全てC判定であった。これは、触媒層4に充分な数のクラック40が形成されないため、触媒層4が熱膨張しやすくなり、ハニカム構造体1全体の熱膨張率が低下しなかったためだと考えられる。
なお、比較例9は、狭凹部割合が広凹部割合より大きいため、広凹部20bの数が少なく、触媒層4を充分に保持できなかったと考えられる。そのため、触媒層4が剥離してしまい、部分的に熱膨張率がセル壁2本来の値に戻って、熱膨張特性の判定がBになったと考えられる。
(実施例23)
実施例1と同様の製造方法によりハニカム構造体1を製造し、SEM写真を撮影して、凹部の深さ及び開口径と、凹部上の触媒層4の状態との関係を調査した。その結果を図15に示す。同図に示すごとく、深さが10μm以上であり、かつ開口径が8μm以下の凹部(狭凹部20a)上に存在する触媒層4には、クラック40が発生することが分かる。また、深さが10μm以上であり、かつ開口径が20μm以上の凹部(広凹部20b)には、触媒層4が浸入していることを確認できた。また、この広凹部20bは、触媒層4を保持し、触媒層4が剥離することを防止する部位(アンカー部)として機能していることを確認できた。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を備える。
(実施例24)
実施例23のデータを用い、縦軸を、凹部に侵入した触媒の深さにして、グラフを作成した。その結果を図16に示す。上記SEM写真から、深さが10μm以上であり、かつ開口径が8μm未満の凹部(狭凹部20a)は、触媒層4の侵入深さが5μm未満であることを確認できた。また、狭凹部20aには、触媒層4が充分に侵入せず、この狭凹部20a上の触媒層4に、クラック40が形成されていることを確認できた。さらに、深さが10μm以上であり、かつ開口径が20μm以上である凹部(広凹部20b)には、触媒層4が充分に侵入していることを確認できた。そして、広凹部20bは、触媒層4を強固に保持し、触媒層4が剥離することを防止する部位(アンカー部)として機能していることを確認できた。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を備える。
1 ハニカム構造体
2 セル壁
20 深凹部
20a 狭凹部
20b 広凹部
21 開口部
3 セル
4 触媒層
狭凹部の数
広凹部の数
ALL 深凹部の総数

Claims (4)

  1. 多角形格子状のセル壁(2)と、該セル壁(2)に囲まれた複数のセル(3)と、上記セル壁(2)の表面に形成された触媒層(4)とを備え、
    上記セル壁(2)には複数の凹部が形成されており、
    上記セル壁(2)の断面を観察したときに、
    上記セル壁(2)の上記表面からの深さが10μm以上の上記凹部である深凹部(20)の開口部(21)の開口割合が10%以上であり、
    上記開口部(21)の長さ(L)が8μm以下の上記深凹部(20)である狭凹部(20a)の数(N)が、上記深凹部(20)の総数(NALL)に占める割合は10%以上であり、
    上記開口部(21)の長さ(L)が20μm以上の上記深凹部(20)である広凹部(20a)の数(N)が、上記深凹部(20)の総数(NALL)に占める割合は10%以上であることを特徴とするハニカム構造体(1)。
  2. 上記深凹部(20)の開口部(21)の開口割合が20%以上であることを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体(1)。
  3. 上記狭凹部(20a)の数(N)が、上記深凹部(20)の総数(NALL)に占める割合は20%以上であり、上記狭凹部(20a)の数Nと、上記広凹部(20b)の数Nとは、N≧Nの関係を満たすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハニカム構造体(1)。
  4. 上記セル壁(2)は、ヤング率が28.4GPa以下の材料によって形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のハニカム構造体(1)。
JP2015088511A 2015-04-23 2015-04-23 ハニカム構造体 Expired - Fee Related JP6464909B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015088511A JP6464909B2 (ja) 2015-04-23 2015-04-23 ハニカム構造体
CN201680022703.1A CN107531582B (zh) 2015-04-23 2016-04-06 蜂窝结构体
PCT/JP2016/061194 WO2016170976A1 (ja) 2015-04-23 2016-04-06 ハニカム構造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015088511A JP6464909B2 (ja) 2015-04-23 2015-04-23 ハニカム構造体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016204208A true JP2016204208A (ja) 2016-12-08
JP6464909B2 JP6464909B2 (ja) 2019-02-06

Family

ID=57143579

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015088511A Expired - Fee Related JP6464909B2 (ja) 2015-04-23 2015-04-23 ハニカム構造体

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6464909B2 (ja)
CN (1) CN107531582B (ja)
WO (1) WO2016170976A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102023000280A1 (de) 2022-03-31 2023-10-05 NGK lnsulators, Ltd. Säulenförmige wabenstruktur
DE102023107358A1 (de) 2022-03-31 2023-10-05 Ngk Insulators, Ltd. Säulenförmige wabenstruktur

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6803275B2 (ja) * 2017-03-17 2020-12-23 日本碍子株式会社 ハニカム構造体

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0977573A (ja) * 1995-07-12 1997-03-25 Denso Corp ハニカム構造体及びその製造方法
JP2003040687A (ja) * 2000-06-30 2003-02-13 Ngk Insulators Ltd ハニカムセラミックス構造体とその製造方法
JP2005095884A (ja) * 2003-08-29 2005-04-14 Hitachi Metals Ltd セラミックハニカム構造体及びセラミックハニカム構造体押出成形用坏土
JP2010142704A (ja) * 2008-12-17 2010-07-01 Denso Corp ハニカム構造体及びその製造方法
JP2011179501A (ja) * 2003-06-23 2011-09-15 Ibiden Co Ltd ハニカム構造体
JP2012509840A (ja) * 2008-11-26 2012-04-26 コーニング インコーポレイテッド 低密度コージエライト体およびその製造方法
JP2012213755A (ja) * 2011-03-30 2012-11-08 Ngk Insulators Ltd ハニカム構造体及びハニカム触媒体
JP2013052367A (ja) * 2011-09-06 2013-03-21 Ngk Insulators Ltd ハニカム構造体、及びハニカム触媒体

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0977573A (ja) * 1995-07-12 1997-03-25 Denso Corp ハニカム構造体及びその製造方法
JP2003040687A (ja) * 2000-06-30 2003-02-13 Ngk Insulators Ltd ハニカムセラミックス構造体とその製造方法
JP2011179501A (ja) * 2003-06-23 2011-09-15 Ibiden Co Ltd ハニカム構造体
JP2005095884A (ja) * 2003-08-29 2005-04-14 Hitachi Metals Ltd セラミックハニカム構造体及びセラミックハニカム構造体押出成形用坏土
JP2012509840A (ja) * 2008-11-26 2012-04-26 コーニング インコーポレイテッド 低密度コージエライト体およびその製造方法
JP2010142704A (ja) * 2008-12-17 2010-07-01 Denso Corp ハニカム構造体及びその製造方法
JP2012213755A (ja) * 2011-03-30 2012-11-08 Ngk Insulators Ltd ハニカム構造体及びハニカム触媒体
JP2013052367A (ja) * 2011-09-06 2013-03-21 Ngk Insulators Ltd ハニカム構造体、及びハニカム触媒体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102023000280A1 (de) 2022-03-31 2023-10-05 NGK lnsulators, Ltd. Säulenförmige wabenstruktur
DE102023107358A1 (de) 2022-03-31 2023-10-05 Ngk Insulators, Ltd. Säulenförmige wabenstruktur

Also Published As

Publication number Publication date
WO2016170976A1 (ja) 2016-10-27
CN107531582A (zh) 2018-01-02
JP6464909B2 (ja) 2019-02-06
CN107531582B (zh) 2020-12-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9650928B2 (en) Honeycomb filter
EP2835169B1 (en) Honeycomb filter
JP4516017B2 (ja) セラミックハニカム構造体
KR102465748B1 (ko) 세라믹 허니컴 구조체
WO2013027531A1 (ja) 触媒担持体及びその製造方法
US9707516B2 (en) Honeycomb filter
EP2767527B1 (en) Method for producing ceramic honeycomb structure, and ceramic honeycomb structure
JPWO2015046242A1 (ja) コーディエライト質セラミックハニカム構造体及びその製造方法
EP2862611A1 (en) Honeycomb filter
JP6126416B2 (ja) ハニカム構造体及びハニカム触媒体
JP4130216B1 (ja) ハニカム構造体
JP2013173133A (ja) ハニカム構造体
JP6043286B2 (ja) ハニカム構造体
JP6320798B2 (ja) ハニカム構造体
JP6464909B2 (ja) ハニカム構造体
JP2015171981A (ja) ハニカム構造体
JP2008246472A (ja) 六角セルハニカム担体及び六角セルハニカム触媒体
EP2862610B1 (en) Honeycomb filter
JP2010142704A (ja) ハニカム構造体及びその製造方法
JP2016175809A (ja) ハニカム構造体
JP3935159B2 (ja) セラミックハニカムフィルタ
JP4402732B1 (ja) ハニカム構造体
JP2013053594A (ja) ハニカム触媒体
JP6013243B2 (ja) ハニカム触媒体
JP5208458B2 (ja) ハニカム構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170404

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180522

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180717

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181224

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6464909

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees