JP2016204169A - 合成石英ガラスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】歩留まりよく合成石英ガラスを製造することが出来る合成石英ガラスの製造方法を提供する。【解決手段】合成石英ガラス母材を、上下面及び側面を有する成型体に成型する成型工程と、前記成型体の前記上下面及び側面にダミー石英ガラスを溶着してダミー部を形成し、ダミー付中間体を作製する中間体作製工程と、前記ダミー付中間体を熱処理する熱処理工程と、前記ダミー付中間体の前記ダミー部を除去し、合成石英ガラスとするダミー部除去工程と、を含む、合成石英ガラスの製造方法とした。【選択図】図1

Description

本発明は、合成石英ガラスの製造方法に関し、特にレンズ母材等の光学用途に適した合成石英ガラスの製造方法に関する。
半導体集積回路の製造のための露光装置には、光リソグラフィー技術が用いられている。近年、半導体集積回路の微細化、高集積化に伴い、露光用の光源の短波長化が進んでいる。現在、最先端の露光装置にはArFエキシマレーザー(波長193.4nm)が光源として用いられ、その光学部材には、高均質性、高透過性、及び高いレーザー耐性等を充たすことが要求されている。
これらの高い要求を充たす光学部材として、高純度の合成石英ガラスが用いられる。この合成石英ガラスは、より高度に改良された工程で製造が行われるため、製造コストを抑えることが重要となる。すなわち歩留まりよく製造することが望まれる。
しかしながら、合成石英ガラスは、近年要求される品質が特に高度化しているため、合成石英ガラス自体が高価でありながら、歩留まりが悪い製法となってしまっている。具体的には、製造工程で汚染などにより外表面近傍の部分が品質の悪いものとなってしまうため、この部分を切り落として、あるいは、研削除去して製品としている。この除去する部分を見越して、製造設計され、母材重量を大きくして製造投入することとなり、歩留まりが悪いものとなってしまう。
特許文献1に記載された石英ガラスの熱アニール方法は前項に記載した製法の典型的な例であり、Na(ナトリウム)汚染を防ぐために、目的とするレンズ部材に対し、外径+30mm以上、厚み+30mm以上となるように、原料である合成石英ガラスインゴットを成型して熱処理を行うとしている。
特開2000-128553号公報
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、歩留まりよく合成石英ガラスを製造することが出来る合成石英ガラスの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の合成石英ガラスの製造方法は、合成石英ガラス母材を、上下面及び側面を有する成型体に成型する成型工程と、前記成型体の前記上下面及び側面にダミー石英ガラスを溶着してダミー部を形成し、ダミー付中間体を作製する中間体作製工程と、前記ダミー付中間体を熱処理する熱処理工程と、前記ダミー付中間体の前記ダミー部を除去し、合成石英ガラスとするダミー部除去工程と、を含む製造方法である。
前記ダミー石英ガラスとしては、ダミー用の合成石英ガラス又はダミー用の天然石英ガラスのいずれも適用できる。
従来の製造方法では、不良部となる石英ガラスの外周部および上下部分を研削除去して合成石英ガラス製品を製造していたが、本発明の製造方法では、ダミー石英ガラスを合成石英ガラス母材の成型体の上下面及び側面に溶着した後に熱処理を行うことで、複屈折値の大きい不良部や、不純物濃度が大きいことによる不良部を、このダミー部が受け持ち、熱処理の工程の後にこのダミー部分を除去することで、合成石英ガラス製品を研削除去することなく、歩留まりよく製造することができる。
また使用したダミー石英ガラスは、合成石英ガラス母材の成型体が同サイズであれば、複数回使用することができ、ダミー石英ガラスを作製する工程を省略することが可能であり、効率的である。
また、本発明の合成石英ガラスの製造方法では、アニール処理による品質調整時においても生じる、複屈折・屈折率均質性不良部である合成石英ガラス外表面近傍をダミー部が受け持つことができ、同様にこのダミー部を取り外して又は研削して除去することで不良部のない合成石英ガラスを歩留まりよく作製することができる。
前記熱処理工程の後、前記ダミー付中間体に対して水素処理を行う水素処理工程と、をさらに含むことが可能である。
このときにおいても、本発明の合成石英ガラスの製造方法であれば、水素処理を施した場合、水素濃度が高くなってしまうことで生じる上下面近傍、外周側面近傍の品質不良部をダミー部が受け持つことができ、これも同様にダミー部を取り外し、あるいは研削除去することで不良部のない合成石英ガラスを歩留まりよく作製することができる。
水素濃度に関しては水素濃度の分布勾配が大きくできてしまうとその部分の屈折率が変化してしまい、屈折率均質性を悪化させてしまうことが知られている。本件のダミー部分を設けることにより、この合成石英ガラス製品部分の屈折率均質性の悪化を防ぐことができる。
前記上下面及び側面に溶着される前記ダミー石英ガラスの厚みが少なくとも10mm以上であるのが好ましい。また、前記ダミー石英ガラスの厚みは、熱処理工程が長くなる点から、30mm以下程度が好ましい。
本発明に係る合成石英ガラスの製造方法によれば、歩留まりよく合成石英ガラスを製造することが出来る合成石英ガラスの製造方法を提供することができるという著大な効果を奏する。
本発明に係る合成石英ガラスの製造方法の一つの実施の形態を製造工程順に示した模式図である。 円柱形状の合成石英ガラスを示す図であって、(a)が円柱形状の合成石英ガラスを上方斜めからみた俯瞰図、(b)が(a)中のB−B´線により切断した断面図である。
本発明に係る合成石英ガラスの製造方法を図1に基づいて説明する。
まず、合成石英ガラスの前駆体となる合成石英ガラス母材10を準備する(図1(a))。合成石英ガラス母材10は、従来公知の合成石英ガラス母材と同様に製造することができる。
より具体的には、例えば、四塩化珪素などを原料とした気相反応法によって合成石英ガラス母材を製造することができる。これは上記原料を水素・酸素火炎中に導入し、生成したシリカ微粒子を耐熱性ターゲット上に堆積させて多孔質体(スート)を製造することにより合成石英ガラス母材を製造する方法である。
かかる合成石英ガラス母材10を、上面14a、側面14b、下面14cを有する成型体12に成型する(成型工程、図1(b))。成型体12に成型するにあたっては、合成石英ガラス母材10を例えば溶融成型することで成型体12が得ることができる。
次に、かかる成型体12の前記上下面14a,14c及び側面14bにダミー石英ガラス18a,18b,18cを溶着してダミー部16を形成し、ダミー付中間体20を作製する(中間体作製工程、図1(c))。ダミー石英ガラス18a,18b,18cは、図示例では、それぞれ上面ダミー石英ガラス18a,側面ダミー石英ガラス18b,下面ダミー石英ガラス18cとから形成される。ダミー石英ガラス18a,18b,18cは、図示例では、それぞれ上面ダミー石英ガラス18a,側面ダミー石英ガラス18b,下面ダミー石英ガラス18cの厚さとしては、少なくとも10mm以上であることが好ましく、30mm以下程度が好ましい。このようにして、ダミー部16が周囲に一体化されたダミー付中間体20が作製される。
そして、得られたダミー付中間体20に対して、熱処理を行う(熱処理工程、図1(d))。熱処理としては、900℃〜1300℃の温度範囲で30分〜800時間の熱処理を行うことが好ましい。20時間〜200時間の熱処理を行うことがより好ましい。また、ダミー付中間体20に対して、前記熱処理工程の後、水素処理を行うようにしてもよい(水素処理工程)。この水素処理工程としては、ダミー付中間体20に対して、水素ガス含有雰囲気中で、300℃〜700℃の温度で熱処理を施し、水素分子を含有させるのが好ましい。
次に、前記ダミー付中間体20の前記ダミー部16を除去する(ダミー部除去工程、図1(e))。前記ダミー部16を除去する方法としては、前記ダミー部16を取り外して除去する方法でもよいし、あるいは前記ダミー部16を研削で除去するようにしてもよい。
このようにして、ダミー部16が除去された製品としての合成石英ガラス22が得られる(図1(f))。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
(実施例1)
外径160mm以上の合成石英ガラス母材から必要重量を切り出して、カーボンを型として溶融成型を行い、外径310mm厚み85mmの円柱形状の上下面及び側面を有する合成石英ガラスの成型体を作製した。また外径380mm内径320mm高さ80mmの合成石英ガラス製のリングを作製し、側面ダミー石英ガラスとした。さらに外径380mm厚み10mmの合成石英ガラス製の板を2枚作製し、それぞれ上面ダミー石英ガラス及び下面ダミー石英ガラスとした。
再びカーボンを型として、側面ダミー石英ガラスである合成石英ガラス製のリングの内側に合成石英ガラス成型体を配置し、その上下に上面ダミー石英ガラス及び下面ダミー石英ガラスの合成石英ガラス製の板を1枚ずつ配置して、溶融成型を行い、側面ダミー石英ガラスのリング、上面ダミー石英ガラス及び下面ダミー石英ガラスの板、成型体が一体となった外径380mm厚み100mmの合成石英ガラスのダミー付中間体を作製した。
この一体となったダミー付中間体を熱処理炉(大気炉)内の炉材上に設置し、室温から10時間かけて1200℃まで昇温し、1200℃で50時間維持した後、100時間かけて1000℃まで降温し、その後ヒーターによる加熱を停止し、放冷した。さらにこの熱処理後にこのダミー付中間体を加圧加熱炉内に設置して、室温から4時間かけて500℃まで昇温し、500℃で800時間維持した後、加熱を停止して放冷した。この加圧加熱炉での熱処理時は、雰囲気を水素、圧力を1気圧とした。
この2つの熱処理工程の後、上・下に配置溶着した上面ダミー石英ガラス及び下面ダミー石英ガラスの板を切断し、側面ダミー石英ガラスのリングに内包溶着した合成石英ガラス部分をくり貫き、ダミー部を除去した。このようにして、外径320mm厚み80mmの円柱形状の合成石英ガラスの製品を得た。この合成石英ガラスの製品の複屈折と、屈折率均質性を測定した。さらに不純物濃度(Na)の測定と、水素濃度の測定も行った。
複屈折は、光ヘテロダイン干渉法を用いて測定し、屈折率均質性は、フィゾー型光干渉計を用い、オイルオンプレート法により測定した。測定に使用した波長は633nmであった。また不純物濃度(Na)測定は、ICPMS分析法を用い、水素濃度測定は、ラマン分光法を用いた。
不純物濃度(Na)の測定は、図2(a)に示した円柱状の合成石英ガラスにおいて、図2(b)に示したように、円柱状の合成石英ガラスの外周表面から中心方向へ5mmずつ内側に入った3か所で測定した。図2(b)において、符号1が外周表面から5mm位置まで、符号2が5mm〜10mm位置まで、符号3が10mm〜15mm位置まで、をそれぞれ示す。
測定の結果、複屈折値(複屈折位相差)の最大値は0.3nm/cm、屈折率均質性は0.8×10-6、不純物濃度(Na)は、側面の表面から5mm内部まで:4.0ppb、5mm〜10mm:2.0ppb、10mm〜15mm:0.5ppb、水素濃度については、最小で1.0×1017分子/cm3、最大で2.0×1017分子/cm3であった。原料14kg(合成石英ガラス母材の重量)を使用し、14kgの製品(最終的に得られた合成石英ガラス)を得た。結果を表1に示す。
複屈折値は1.0nm/cm以下が好ましく、より好ましくは0.5nm/cm以下である。屈折率均質性は、5.0×10-6以下が好ましく、より好ましくは2.0×10-6以下、さらに好ましくは1.0×10-6以下である。不純物濃度(Na)は、10ppb以下が好ましく、より好ましくは5ppb以下、さらに好ましくは2ppb以下である。水素濃度Δ(最大-最小)は、3.0×1017分子/cm3以下が好ましく、より好ましくは2.0×1017分子/cm3以下、さらに好ましくは1.0×1017分子/cm3以下である。
(実施例2)
外径160mmの合成石英ガラス母材から必要重量を切り出して、カーボンを型として溶融成型を行い、外径310mm厚み85mmの円柱形状の上下面及び側面を有する合成石英ガラスの成型体を作製した。また外径360mm内径320mm高さ80mmの合成石英ガラス製のリングを作製し、側面ダミー石英ガラスとした。さらに外径380mm高さ20mmの合成石英ガラス製板を2枚作製し、それぞれ上面ダミー石英ガラス及び下面ダミー石英ガラスとした。
再びカーボンを型として、側面ダミー石英ガラスである合成石英ガラス製のリングの内側に合成石英ガラス成型体を配置し、その上下に上面ダミー石英ガラス及び下面ダミー石英ガラスの合成石英ガラス製の板を1枚ずつ配置して、溶融成型を行い、側面ダミー石英ガラスのリング、上面ダミー石英ガラス及び下面ダミー石英ガラスの板、成型体が一体となった外径360mm厚み120mmの合成石英ガラスのダミー付中間体を作製した。
この一体となったダミー付中間体を熱処理炉(大気炉)内の炉材上に設置し、室温から10時間かけて1200℃まで昇温し、1200℃で50時間維持した後、100時間かけて1000℃まで降温し、その後、ヒーターの加熱を停止し、放冷した。さらにこの熱処理後に一体となったダミー付中間体を加圧加熱炉内に設置して、室温から4時間かけて500℃まで昇温し、500℃で1000時間維持した後、加熱を停止して放冷した。この加熱加圧炉での熱処理時は、雰囲気を水素、圧力を1気圧とした。
この2つの熱処理工程の後、上・下に配置溶着した上面ダミー石英ガラス及び下面ダミー石英ガラスの板を切断し、側面ダミー石英ガラスのリングに内包溶着した合成石英ガラス部分をくり貫き、ダミー部を除去した。このようにして、外径320mm厚み80mmの円柱形状の合成石英ガラスの製品を得た。この合成石英ガラスの製品の複屈折と、屈折率均質性を測定した。さらに不純物濃度(Na)の測定と、水素濃度の測定も行った。
測定の結果、複屈折値(複屈折位相差)の最大値は、0.4nm/cm、屈折率均質性は、1.0×10-6、不純物濃度(Na)は、側面の表面から5mm内部まで:6.0ppb、5mm〜10mm:2.5ppb、10mm〜15mm:0.7ppb、水素濃度については、最小で1.0×1017分子/cm3、最大で2.5×1017分子/cm3であった。原料14kg(合成石英ガラス母材の重量)を使用し、14kgの製品(最終的に得られた合成石英ガラス)を得た。結果を表1に示す。
(実施例3)
外径160mm以上の合成石英ガラス母材から必要重量を切り出して、カーボンを型として溶融成型を行い、外径310mm厚み85mmの円柱形状の上下面及び側面を有する合成石英ガラスの成型体を作製した。また外径380mm内径320mm高さ80mmの合成石英ガラス製のリングを作製し、側面ダミー石英ガラスとした。さらに外径380mm厚み10mmの合成石英ガラス製の板を2枚作製し、それぞれ上面ダミー石英ガラス及び下面ダミー石英ガラスとした。
再びカーボンを型として、側面ダミー石英ガラスである合成石英ガラス製のリングの内側に合成石英ガラス成型体を配置し、その上下に上面ダミー石英ガラス及び下面ダミー石英ガラスの合成石英ガラス製の板を1枚ずつ配置して、溶融成型を行い、側面ダミー石英ガラスのリング、上面ダミー石英ガラス及び下面ダミー石英ガラスの板、成型体が一体となった外径380mm厚み100mmの合成石英ガラスのダミー付中間体を作製した。この一体となったダミー付中間体を熱処理炉(大気炉)内の炉材上に設置し、室温から10時間かけて1200℃まで昇温し、1200℃で50時間維持した後、100時間かけて1000℃まで降温し、その後ヒーターによる加熱を停止し、放冷した。
この熱処理工程の後、上・下に配置溶着した上面ダミー石英ガラス及び下面ダミー石英ガラスの板を切断し、側面ダミー石英ガラスのリングに内包溶着した合成石英ガラス部分をくり貫き、ダミー部を除去した。このようにして、外径320mm厚み80mmの円柱形状の合成石英ガラスの製品を得た。この合成石英ガラスの製品の複屈折と、屈折率均質性を測定した。さらに不純物濃度(Na)の測定を行った。
測定の結果、複屈折値(複屈折位相差)の最大値は、0.3nm/cm、屈折率均質性は、0.5×10-6、不純物濃度(Na)は、側面の表面から5mm内部まで:4.2ppb、5mm〜10mm:2.2ppb、10mm〜15mm:0.6ppbであった。原料14kg(合成石英ガラス母材の重量)を使用し、14kgの製品(最終的に得られた合成石英ガラス)を得た。結果を表1に示す。
(比較例1)
外径160mm以上の合成石英ガラス母材から必要重量を切り出して、カーボンを型として溶融成型を行い、外径320mm厚み80mmの円柱形状の上下面及び側面を有する合成石英ガラスの成型体を作製した。この合成石英ガラスの成型体を熱処理炉(大気炉)内の炉材上に設置し、室温から10時間かけて1200℃まで昇温し、1200℃で50時間維持した後、100時間かけて1000℃まで降温し、その後ヒーターによる加熱を停止し、放冷した。さらにこの熱処理後にこの合成石英ガラスの成型体を加圧加熱炉内に設置して、室温から4時間かけて500℃まで昇温し、500℃で600時間維持した後、加熱を停止して放冷した。この加圧加熱炉での熱処理時は、雰囲気を水素、圧力を1気圧とした。このようにして、外径320mm厚み80mmの円柱形状の合成石英ガラスの製品を得た。
このようにして得られた合成石英ガラスの製品の複屈折と、屈折率均質性を測定した。さらに不純物濃度(Na)の測定と、水素濃度の測定も行った。
測定の結果、複屈折値(複屈折位相差)の最大値は、1.2nm/cm、屈折率均質性は、1.7×10-6、不純物濃度(Na)は、側面の表面から5mm内部まで:25ppb、5mm〜10mm:11ppb、10mm〜15mm:3.0ppb、水素濃度については、最小で1.0×1017分子/cm3、最大で5.0×1017分子/cm3であった。原料14kg(合成石英ガラス母材の重量)を使用し、14kgの製品(最終的に得られた合成石英ガラス)を得た。結果を表1に示す。
(比較例2)
外径160mm以上の合成石英ガラス母材から必要重量を切り出して、カーボンを型として溶融成型を行い、外径380mm厚み100mmの円柱形状の上下面及び側面を有する合成石英ガラスの成型体を作製した。この合成石英ガラスの成型体を熱処理炉(大気炉)内の炉材上に設置し、室温から10時間かけて1200℃まで昇温し、1200℃で50時間維持した後、100時間かけて1000℃まで降温し、その後ヒーターによる加熱を停止し、放冷した。さらにこの熱処理後にこの合成石英ガラスの成型体を加圧加熱炉内に設置して、室温から4時間かけて500℃まで昇温し、500℃で800時間維持した後、加熱を停止して放冷した。この加圧加熱炉での熱処理時は、雰囲気を水素、圧力を1気圧とした。
この2つの熱処理工程の後、上・下10mmを切断し、外周部30mmを研削して、外径320mm厚み80mmの円柱形状の合成石英ガラスの製品を得た。この合成石英ガラス製品の複屈折と、屈折率均質性を測定した。さらに不純物濃度(Na)の測定と、水素濃度の測定も行った。
測定の結果、複屈折値(複屈折位相差)の最大値は、0.3nm/cm、屈折率均質性は、0.8×10-6、不純物濃度(Na)は、側面の表面から5mm内部まで:4.0ppb、5mm〜10mm:2.0ppb、10mm〜15mm:0.5ppb、水素濃度については、最小で1.0×1017分子/cm3、最大で2.0×1017分子/cm3、原料25kg(合成石英ガラス母材の重量)を使用し、14kgの製品(最終的に得られた合成石英ガラス)を得た。結果を表1に示す。
(比較例3)
外径160mm以上の合成石英ガラス母材から必要重量を切り出して、カーボンを型として溶融成型を行い、外径320mm厚み80mmの円柱形状の上下面及び側面を有する合成石英ガラスの成型体を作製した。また外径380mm内径325mm高さ82mmの合成石英ガラス製のリングを作製し、側面ダミー石英ガラスとした。さらに外径380mm厚み10mmの合成石英ガラス製の板を2枚作製し、それぞれ上面ダミー石英ガラス及び下面ダミー石英ガラスとした。
熱処理炉(大気炉)内の炉材上に、作製した下面ダミー石英ガラスの板を敷き、この上に円柱形状の合成石英ガラスの成型体を配置し、この合成石英ガラスの成型体が内包するように合成石英ガラス製の側面ダミー石英ガラスのリングを配置し、これらの上に作製した合成石英ガラスの上面ダミー石英ガラスの板を配置した。溶着はしていないが一体とした石英ガラス中間体を室温から10時間かけて1200℃まで昇温し、1200℃で50時間維持した後、100時間かけて1000℃まで降温し、その後ヒーターによる加熱を停止し、放冷した。さらにこの熱処理後にこの溶着はしていないが一体とした石英ガラス中間体を加圧加熱炉内に設置して、室温から4時間かけて500℃まで昇温し、500℃で600時間維持した後、加熱を停止して放冷した。この加圧加熱炉での熱処理時は、雰囲気を水素、圧力を1気圧とした。
この2つの熱処理工程の後、溶着はしていないが一体とした石英ガラス中間体から側面ダミー石英ガラスのリング、上面ダミー石英ガラス及び下面ダミー石英ガラスの板を外し、外径320mm厚み80mmの円柱形状の合成石英ガラスの製品を得た。この合成石英ガラス製品の複屈折と、屈折率均質性を測定した。さらに不純物濃度(Na)の測定と、水素濃度の測定も行った。
測定の結果、複屈折値(複屈折位相差)の最大値は、0.6nm/cm、屈折率均質性は、1.7×10-6、不純物濃度(Na)は、側面の表面から5mm内部まで:12ppb、5mm〜10mm:6.0ppb、10mm〜15mm:2.0ppb、水素濃度については、最小で1.0×1017分子/cm3、最大で5.0×1017分子/cm3であった。原料14kg(合成石英ガラス母材の重量)を使用し、14kgの製品(最終的に得られた合成石英ガラス)を得た。結果を表1に示す。
Figure 2016204169
上記結果からわかるように、実施例1〜3では、品質が良く且つ歩留りのよい合成石英ガラス製品が得られた。
1:外周表面から5mm位置、2:5mm〜10mm位置、3:10mm〜15mm位置、10:合成石英ガラス母材、12:成型体、14a:上面、14b:側面、14c:下面、16:ダミー部、18a:上面ダミー石英ガラス、18b:側面ダミー石英ガラス、18c:下面ダミー石英ガラス、20:ダミー付中間体、22:合成石英ガラス。

Claims (3)

  1. 合成石英ガラス母材を、上下面及び側面を有する成型体に成型する成型工程と、
    前記成型体の前記上下面及び側面にダミー石英ガラスを溶着してダミー部を形成し、ダミー付中間体を作製する中間体作製工程と、
    前記ダミー付中間体を熱処理する熱処理工程と、
    前記ダミー付中間体の前記ダミー部を除去し、合成石英ガラスとするダミー部除去工程と、
    を含む、合成石英ガラスの製造方法。
  2. 前記熱処理工程の後、前記ダミー付中間体に対して水素処理を行う水素処理工程と、をさらに含む、請求項1記載の合成石英ガラスの製造方法。
  3. 前記上下面及び側面に溶着される前記ダミー石英ガラスの厚みが少なくとも10mm以上である、請求項1又は2記載の合成石英ガラスの製造方法。
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