JP2016203901A - 車両用シート装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】着座シート部のチルト動作に対応可能な保持構造と機器搭載性との両立を図る車両用シート装置を提供する。【解決手段】車両用シート装置は、チルトパン32が傾動するときに傾動の支点として動作する支点ロット部35と、送風装置4が固定され、傾動に伴ってチルトパン32と一体に変位するブラケット5と、を備える。車両用シート装置は、ブラケット5のフック部50が引っ掛ることでブラケット5を保持する静止ロット部34を備える。支点ロット部35は、静止ロット部34よりも後方に設けられる。フック部50は、チルトパン32が第1の保持状態から第2の保持状態にわたって静止ロット部34がフック部50に対して相対変位するように、静止ロット部34に保持される相対変位手段を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、着座シート部に機器が固定される車両用シート装置に関する。
特許文献1は、車両用シートの着座シート部に対してブラケットを介して送風機等を装着する構造を開示している。具体的には、着座シート部のシートパッドを支えるシートワイヤに対して複数箇所でブラケットを取り付け、第1の箇所ではブラケットとブラケット固定部材とでシートワイヤを保持し、第2の箇所ではブラケットでシートワイヤを保持する。第1の箇所での保持構造はねじを取り外すことにより解除でき、第2の箇所で保持構造はブラケットを水平方向に移動することにより解除することができるようになっている。
特開2013−126789号公報
特許文献1のような車両用シートにおいては、シート空調用として、送風機、ヒータ装置等の機器を設けることがよく知られている。このような機器を車両用シートに設置するためには、その搭載スペースを確保することが求められる。さらに、近年、車室内スペースの拡大が求められ、車両用シートの位置が低くなる傾向にある。したがって、シートと床面との距離が小さくなり機器の設置スペースを確保することが困難となっている。
一方、車両用シートの下方空間のうち、着座シート部の前部に位置するチルトパンの直下には、比較的、スペースを確保することが可能である。このチルトパンは、前部側が高くなるように傾いた姿勢で調整可能に構成されているため、この傾動動作によって着座シート部の姿勢を調整することができる。
そして、特許文献1の装置に対してチルトパンに機器を装着する構成を適用しようとした場合、固定金具に保持される前側のシートワイヤはチルトパンの一部として傾動する部材を構成し、後側のシートワイヤはチルトパンとは別体の傾動しない部材を構成する。すなわち、チルトパンの傾動動作に応じて、前側のシートワイヤはチルトパンとともに傾くが、後側のシートワイヤはこの傾きとは関係なく静止したままとなる。
この場合、特許文献1において後側のシートワイヤを保持するブラケットは、前側のシートワイヤが傾動したときにこの動きに追従できない保持構造であるため、実際にはチルトパンに機器を装着する構成を特許文献1に適用できないという問題がある。
そこで本発明は、前述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、着座シート部のチルト動作に対応可能な保持構造と機器搭載性との両立を図る車両用シート装置を提供することである。
本発明は前述の目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示された車両用シート装置に係る発明のひとつは、乗員が着座する着座シート部(3)に設けられるシートパッド(31)と、シートパッドの前部に設けられて傾動可能に構成されるチルトパン(32)と、シートパッドの下側に設けられ、前部側が高くなるようにチルトパンが傾動するときに傾動の支点として動作するチルト用支持部材(35)と、シート空調に用いられる部品(4)を着座シート部の下側に設置するブラケットであって、部品が固定され、または部品と一体に構成され、傾動に伴ってチルトパンと一体に変位するブラケット(5,105)と、シートパッドを支える線状部材(33)と一体に構成されて、チルトパンが傾動しても静止した状態を維持する部材であって、ブラケットに設けられるフック部(50,150)が引っ掛ることでブラケットを保持する保持用部材(34)と、を備え、
チルト用支持部材は、保持用部材よりも後方に位置して設けられており、
フック部は、ブラケットと保持用部材との保持関係を維持しかつチルトパンが傾いていない第1の保持状態から、当該保持関係を維持しつつチルトパンが傾いている第2の保持状態にわたって保持用部材をフック部に対して相対変位させる相対変位手段(500,501;1500,1501)を備えることを特徴とする。
この発明によれば、フック部が備える相対変位手段によって、チルトパンが傾かない状態から傾いた状態にわたって保持用部材とフック部とが相対変位可能となるため、チルトパンの傾動動作に追従してブラケットを保持することができる。したがって、チルトパンの傾動動作を可能にした保持構造と、チルトパンの下方におけるシート空調用の部品の設置と、を両立することを実現できる。さらにチルト用支持部材を保持用部材よりも後方に設けることにより、チルトパンの傾き可能な角度範囲を大きくすることができる。以上のようにこの発明によれば、着座シート部のチルト動作に対応可能な保持構造と機器搭載性との両立を図る車両用シート装置を提供できる。
第1実施形態に係る車両用シート装置を示す外観図である。 チルトパンが傾いた状態について、チルトパン、シートワイヤ、ブラケット、回転支点となるロット部、静止ロット部、及び送風装置の各部の関係を説明する図面である。 シートパッド下方に位置する、チルトパン、シートワイヤ、ブラケット、回転支点用のロット部、静止用のロット部、及び送風装置を示す平面図である。 シートワイヤが衝撃、荷重等によって撓んで前側に変形した状態を説明するための図面である。 チルトパンが傾いた状態について、チルトパン、シートワイヤ、ブラケット、回転支点となるロット部、静止ロット部、及び送風装置の各部の関係を説明するための図面である。 第1実施形態に係る車両用シート装置について、チルトパンが傾いた状態でのチルトパン、シートワイヤ、ブラケット、回転支点となるロット部、静止ロット部、及び送風装置の各部の関係を説明するための説明図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。
(第1実施形態)
本発明を適用した第1実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。本発明を適用する車両用シート装置1は、シートに着座する乗員の背中部、臀部、大腿部裏側等に対して、空気を送風する機能や暖房熱を提供する機能を備えている。図1に示すように、車両用シート装置1は、乗員の背中部を支持するシートバック部2と乗員の臀部等を支持する着座シート部3と、を備えている。
車両用シート装置1は、少なくとも着座シート部3にシート空調に用いられる部品を備えている。この部品には、例えば、送風を行う送風装置、熱を放出するヒータ装置、空気の流れを案内するダクト等が含まれる。
着座シート部3には、シート空調用の部品の一例として、乗員に向かって空気を送風する送風装置4が搭載されている。また、シートバック部2にも、乗員に向かって空気を送風する送風装置を搭載するようにしてもよい。
送風装置4は、着座シート部3に配設されるシートパッド31に形成された空気通路31aの圧損が高いため、スクロール状のケーシングの内部にモータによって回転駆動されるシロッコファンが配置されている。このシロッコファンの軸方向は、車両上下方向に向いている。ケーシング40には、車両下方の底面部に空気吸入口が形成されている。送風装置4の空気吸入口は、シロッコファンが駆動されることにより、シートパッド31の下方の車室内の床面6の近傍の空間から車室内空気を吸入する。送風装置4による送風空気は、空気通路31aを通してシートパッド31の表皮部材30に向かって送風され、この表皮部材30に開口している多数の小穴からなる吹出開口部30aから空気を図1の矢印に示すように乗員の身体に向けて吹き出される。送風装置4は、後述するチルト機構の作動により、チルトパン32及びブラケット5とともに上下に変位する。
また、ケーシング40におけるシロッコファンの遠心方向の端部には、ダクト部41が接続されている。ダクト部41は、シロッコファンの吹出し空気が流れる通路を形成する、例えば蛇腹状のダクトである。ダクト部41は、例えば樹脂材料によって形成され、この材質は素材自体が弾性を有する材質であってもよい。
また、シートパッド31及びシートバック部2において、表皮部材30の裏側にそれぞれ電気ヒータを配置するようにしてもよい。この電気ヒータによれば、冬期の暖房時に電気ヒータに通電すると、電気ヒータにより加熱された温風を表皮部材30の吹出開口部から吹き出すことが可能になるとともに、表皮部材自身も加熱することができる。
着座シート部3は、表皮部材30の裏側にシートパッド31を備え、シートパッド31の裏側にシートワイヤ33を備えている。表皮部材30は、革またはファブリックで構成される。シートパッド31は、弾性変形可能な材料で構成され、具体的には、例えば、連続気泡型の発泡ポリウレタン等の弾性樹脂材である。シートパッド31は、表皮部材30に比較して十分大きな厚み寸法を有し、シートのクッション作用を発揮する部分である。
シートワイヤ33は、ばね鋼材からなる断面円形の線状部材の一例であり、シートパッド31を支える。シートワイヤ33は、着座シート部3の骨格部材であるフレームに一定の張力を有するように張られた状態で固定されている。フレームには、複数本のシートワイヤ33が車両前後方向にS状の屈折を繰り返すように配置されている。これにより、シートパッド31等は、パッド支持部材の一例であるシートワイヤ33等によって撓み等の変形が可能に支持される。
着座シート部3の骨格部材であるフレームには、チルトパン32と、静止ロット部34と、支点ロット部35が含まれる。静止ロット部34は、チルトパン32が傾動しても静止した状態を維持する部材であり、シートワイヤ33の前側端部と一体に構成されて前側でシートワイヤ33を支える。支点ロット部35は、シートワイヤ33の後側端部と一体に構成されて後側でシートワイヤ33を支える。支点ロット部35は、軸方向がシート幅方向に沿う状態で配置される、フレームの後部における円柱状のチルト用支持部材である。静止ロット部34は、支点ロット部35よりも前方に位置し、軸方向がシート幅方向に沿う状態で配置される円柱状の保持用部材である。
車両用シート装置1は、フレームに組み込まれるチルト機構によって、チルトパン32の前部側を上下動させることにより、着座シート部3の前部の上下方向の高さ位置を調節することができる。車両用シート装置1は、シートパッド31の下側に設けられ、チルトパン32の前部側が高くなるようにチルトパン32が傾動するときに傾動の支点として動作する支点ロット部35を備える。支点ロット部35は、シート幅方向の左右に設けられた軸受部材やボルト部材によって、軸方向両端部が軸線回り回転可能に支持される。
支点ロット部35は、例えば、リンク部材によりチルトパン32に連結されている。このような構成により、操作ハンドルが回転操作されると、軸線回りに回転する支点ロット部35の回転角度が変化し、チルトパン32は、支点ロット部35の回転角度に連動して、その前部側が上下動する。したがって、チルトパン32は、フレームの前部における部材であり、チルト機構によってシートパッド31の前部において傾動可能に設けられる。このチルト機構によれば、チルトパン32の後方に位置する支点ロット部35を支点として、着座シート部3の前部を傾動させることができる。この傾動動作によれば、きめ細やかなシート姿勢に調整することができる。
車両用シート装置1は、前述のシート空調用の部品が固定され、チルトパン32の傾動に伴ってチルトパン32と一体に変位するブラケット5を備える。また、ブラケット5は、シート空調用の部品と一体であって当該部品の一部として構成されるものでもよい。ブラケット5は、シートパッド31の下側に設置されて、シート空調用の部品を着座シート部3の下側に固定するための部材である。
ブラケット5は、チルトパン32に固定される前側固定部52と、前側固定部52よりも後方に位置して静止ロット部34に引っ掛かるフック部50と、シート空調用の部品である送風装置4が固定される部品固定部51と、を備えて形成される。送風装置4は、ボルトやねじを用いた締結構造によって部品固定部51に固定される。ブラケット5は、例えば、ステンレス板、亜鉛鋼板等で形成される板状部材である。また、ブラケット5には、送風装置4をねじ止めするためのバーリング等のねじ穴が設けられている。また、ブラケット5は、プレス加工によって製造してもよいし、金型を用いて製造される樹脂成型品とすることもできる。
部品固定部51は、前側固定部52及びフック部50よりも下方に位置し、前側固定部52と後側のフック部50とを連結する部分でもある。図2や図4に図示するように、送風装置4は、ブラケット5を介して、チルトパン32及び静止ロット部34から吊り下がるように設置されている。換言すれば、ブラケット5は、チルトパン32に前側固定部52が固定され、静止ロット部34にフック部50が引っ掛かるようにして、シートパッド31の下側にぶら下がっている。また、送風装置4は、ブラケット5と床面6の間に位置して、チルトパン32と床面6の間に形成されるチルトパン32の下方空間に収容されている。図2、図4〜図6は、シートパッド31及びその下方を横からみた状態を示した図面である。
フック部50は、上側に位置する上側支持部500と、上側支持部500に対向するように下方に位置する下側支持部501と、を連結するように縦断面形状がC字状をなす部分である。上側支持部500と下側支持部501との間隔は、静止ロット部34の外径よりも大きくなるように設定されている。
フック部50は、縦断面形状がC字状をなすため、上側支持部500と下側支持部501との間には、静止ロット部34に対してフック部50を着脱可能な開放部502が設けられる。開放部502は、開放長さ、例えば、上側支持部500と下側支持部501との間の距離が静止ロット部34の外径よりも大きくなるように形成されている。この開放部502を有する構成によれば、フック部50と静止ロット部34とが離れる方向にフック部50を静止ロット部34から外したり、静止ロット部34をフック部50の内側に引っ掛けたりすることができる。したがって、静止ロット部34に対してフック部50を引っ掛けたり、脱落させたりすることが可能である。
図2及び図4は、フック部50と静止ロット部34との保持関係を維持し、かつチルトパン32が傾いていない第1の保持状態を示している。図5は、フック部50と静止ロット部34との保持関係を維持し、第1の保持状態よりもチルトパン32の前部側が上昇して、チルトパン32が傾いている第2の保持状態を示している。フック部50は、第1の保持状態から第2の保持状態にわたって、保持関係を維持しつつ静止ロット部34をフック部50に対して相対変位させる相対変位手段を備える。前述の相対変位手段は、上側支持部500と下側支持部501とを含んで構成される。ここでいう第2の保持状態は、チルトパン32が最大限に傾いた状態であるときの状態としてもよいし、第1の保持状態から最大限に傾いた状態との間の状態としてもよい。
図2及び図4に示すように、第1の保持状態では、上側支持部500が静止ロット部34の上側表面に接触して静止ロット部34に引っ掛かっている。そして、下側支持部501は、静止ロット部34の外周面から離れており、下側支持部501と静止ロット部34の下側表面との間には所定の大きさの隙間503が形成されている。この隙間503は、静止ロット部34に対してフック部50を着脱可能な開放部502の開放方向、すなわち挿入または脱落する方向に対して交差する方向に延びる長さを有する。この交差する方向は、例えば、上下方向であり、上側支持部500と下側支持部501とが対向する方向である。
この隙間503は、第1の保持状態からチルトパン32が傾動する過程で、静止ロット部34がフック部50に対して相対変位可能な範囲に相当する。また、隙間503において交差する方向の長さは、フック部50に対する静止ロット部34の相対変位可能な長さ以上に設定することが好ましい。
図5に示すように、第2の保持状態では、上側支持部500は静止ロット部34の上側表面から離れ、下側支持部501と静止ロット部34の下側表面との間隔は第1の保持状態よりも小さくなっている。この第2の保持状態でも、静止ロット部34は上側支持部500と下側支持部501との間に位置しているので、静止ロット部34とフック部50の保持関係は維持されている。さらに、この保持関係は、第1の保持状態から第2の保持状態にかけて、静止ロット部34が上側支持部500と下側支持部501とを連結する連結部分に接触していることにより、強化される。つまり、静止ロット部34がフック部50の一部に接触しながら上側支持部500と下側支持部501との間を相対変位することで、ブラケット5はチルトパン32の傾動に対応しつつも保持機能を発揮し続けることができる。
また、送風装置4を含む空調用部品は静止ロット部34よりも前方に設置されている。この構成は、図4に二点鎖線で図示するように、シートワイヤ33が衝撃、荷重等によって撓んで前側に変形した場合でも、シートワイヤ33が空調用部品に接触しないことに寄与する。
また、送風装置4を含む空調用部品は、チルトパン32の前部よりも後方であって静止ロット部34よりも前方に設置されている。この構成は、乗員が着座シート部3と床面6との間に手探りで手を入れたときに、手が空調用部品に触れることを抑制できる。
以下に、第1実施形態の車両用シート装置1がもたらす作用効果について説明する。車両用シート装置1は、チルトパン32と、チルト用支持部材である支点ロット部35と、シート空調用の部品を着座シート部3の下側に設置するブラケット5と、ブラケット5を保持する保持用部材である静止ロット部34と、を備える。チルトパン32は、シートパッド31の前部に設けられて傾動可能に構成される。支点ロット部35は、シートパッド31の下側に設けられ、前部側が高くなるようにチルトパン32が傾動するときに傾動の支点として動作する。
ブラケット5は、シート空調用の部品が固定され、または部品と一体に構成されて、傾動に伴ってチルトパン32と一体に変位する。静止ロット部34は、シートパッドを支えるシートワイヤ33と一体に構成されて、ブラケット5に設けられるフック部50が引っ掛ることでチルトパン32が傾動しても静止した状態を維持する。支点ロット部35は、静止ロット部34よりも後方に位置して設けられている。フック部50は、ブラケット5と静止ロット部34との保持関係を維持しかつ第1の保持状態から当該保持関係を維持しつつ第2の保持状態にわたって静止ロット部34をフック部50に対して相対変位させる相対変位手段を備える。
この構成によれば、フック部50が備える相対変位手段によって、チルトパン32が傾かない状態から傾いた状態にわたって静止ロット部34とフック部50とが相対変位可能となる。この働きにより、チルトパン32の傾動動作に追従してブラケット5を保持することができる。車両用シート装置1は、チルトパン32の傾動動作を可能にした保持構造と、チルトパン32の下方におけるシート空調用の部品の設置と、を両立することを実現する。また、ブラケット5を保持する保持構造は、前方のチルトパン32と一体である部位と、静止ロット部34に引っ掛かるフック部50と、で少なくとも構成されるため、片持ち保持でない安定的な保持を実現することができる。さらに支点ロット部35を静止ロット部34よりも後方に設ける配置構成により、チルトパン32の傾き可能な角度範囲を大きく設定することができる。以上のように車両用シート装置1は、着座シート部3のチルト動作に対応可能な保持構造と機器搭載性との両立を図ることを可能にする。
また、この相対変位手段は、上側に設けられる上側支持部500と、上側支持部500に対向するように上側支持部500よりも下側に設けられる下側支持部501と、を有して構成される。第1の保持状態において、上側支持部500に接触する静止ロット部34と下側支持部501との間には、静止ロット部34がフック部50に対して相対変位可能な隙間503が形成されている。
この構成によれば、上側支持部500と下側支持部501との隙間503の範囲で、静止ロット部34をフック部50に対して相対変位させることができる。これにより、チルトパン32が傾動する範囲に対応してフック部50が変位する範囲内で隙間503の大きさを設定すれば、チルトパン32の傾動動作に追従するとともに、ブラケット5を脱落することなく保持することができる。
また、上側支持部500と下側支持部501との間には、静止ロット部34に対してフック部50を着脱可能な開放部502が設けられる。隙間503は、静止ロット部34に対してフック部50を着脱可能とする開放部502の開放方向に対して交差する方向に延びる長さを有する。この構成によれば、フック部50を着脱可能な方向と相対変位可能な方向とが交差するため、フック部50が静止ロット部34から脱落しにくいように、フック部50を相対変位させることができる。したがって、チルトパン32の傾動に対してフック部50が静止ロット部34から脱落しにくい保持構造を提供できる。
また、送風装置4は、静止ロット部34及びシートワイヤ33よりも前方において、チルトパン32にブラケット5を介して一体に設けられる。この構成によれば、例えばシートワイヤ33が撓んで変形した場合でも、送風装置4が静止ロット部34等の前方にあるため、シートワイヤ33が送風装置4に干渉しにくい装置を提供できる。したがって、比較的、スペースを確保することが可能なチルトパン32と床面6との間に、シートワイヤ33の変形の影響を受けにくい送風装置4を設置することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態の他の形態であるブラケット105について図6を参照して説明する。第1実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品、第2実施形態において説明しない他の構成は、第1実施形態と同様であり、また同様の作用効果を奏するものである。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。
図6に示すように、ブラケット105は、前述の相対変位手段を備えつつ、開放部1502の開放長さを静止ロット部34の外径よりも小さくなるように絞る絞り部をさらに備える。この絞り部は、開放部1502の開放長さ、例えば、上下方向長さを小さくするように、上側支持部1500から延びる上側抜け止め部1500aと下側支持部1501から延びる下側抜け止め部1501aと、を含んで構成される。
上側抜け止め部1500a、下側抜け止め部1501aのそれぞれは、一定以上の外力が作用すると、両者の間隔が広がるように弾性変形する。一定以上の外力が作用していない場合には、両方の抜け止め部は弾性変形していない状態であり、両者の間隔は静止ロット部34の外径よりも小さくなっている。両方の抜け止め部は、チルトパン32が傾動する過程で絞り部に作用する外力によっては弾性変形しない程度の曲げに対する硬さとなるように形成されている。両方の抜け止め部の曲げ硬さは、板厚寸法、長さ寸法を調整することにより、設定することができる。
例えば、図6に図示するようにフック部150の内側で静止ロット部34が保持されている場合に、静止ロット部34に対してフック部150が前方寄りの斜め上方に大きく相対変位すると、静止ロット部34は、絞り部を押し広げるようになる。そして、上側抜け止め部1500aと下側抜け止め部1501aとの間隔が大きくなり、この間隔が静止ロット部34の外径よりも拡大すると、フック部150は静止ロット部34から脱落する。このときブラケット105は、前方側ではチルトパン32に固定されているが、後方側では静止ロット部34による保持力がなくなり、チルトパン32のみで支持されてぶら下がる不安定な状態になる。
第2実施形態のブラケット105によると、フック部150が静止ロット部34から離れる方向に外力が作用したとしても、弾性変形しない程度の外力であれば、絞り部によってフック部150に対する静止ロット部34の相対変位の大きさを抑制できる。例えば、チルトパン32の傾動動作において、フック部150が静止ロット部34から脱落することを抑制することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
フック部50、150が備える相対変位手段は、前述の実施形態において図4や図6を参照して説明した形状に限定されない。フック部は、第1の保持状態において静止ロット部34にフック部が吊り下がり、第1の保持状態から第2の保持状態にわたってフック部の内側で静止ロット部34が相対変位でき、フック部が静止ロット部34から脱落しない状態を実現できる形状であればよい。
前述の実施形態において、操作ハンドルを回転操作することにより、支点ロット部35の回転角度が変化する構成としたが、これに限らない。例えば、支点ロット部35の回転角度が変化させる構成は、モータの駆動力が入力部に入力されることにより、機構部が駆動される構成である電動チルト機構としてもよい。
上記の実施形態において、ブラケットは、強度が必要なため、金属品であるが、この材質に限定されるものではない。例えば、これらの部材を、必要な強度を有する樹脂部品、樹脂部品にガラス線維、タルク材等の強化材料を混ぜたもの等で形成するようにしてもよい。
3…着座シート部
4…送風装置(部品)
5,105…ブラケット
31…シートパッド
32…チルトパン
33…シートワイヤ(線状部材)
34…静止ロット部(保持用部材)
35…支点ロット部(チルト用支持部材)
50,150…フック部

Claims (5)

  1. 乗員が着座する着座シート部(3)に設けられるシートパッド(31)と、
    前記シートパッドの前部に設けられて傾動可能に構成されるチルトパン(32)と、
    前記シートパッドの下側に設けられ、前部側が高くなるように前記チルトパンが傾動するときに傾動の支点として動作するチルト用支持部材(35)と、
    シート空調に用いられる部品(4)を前記着座シート部の下側に設置するブラケットであって、前記部品が固定され、または前記部品と一体に構成され、前記傾動に伴って前記チルトパンと一体に変位するブラケット(5,105)と、
    前記シートパッドを支える線状部材(33)と一体に構成されて、前記チルトパンが傾動しても静止した状態を維持する部材であって、前記ブラケットに設けられるフック部(50,150)が引っ掛ることで前記ブラケットを保持する保持用部材(34)と、
    を備え、
    前記チルト用支持部材は、前記保持用部材よりも後方に位置して設けられており、
    前記フック部は、前記ブラケットと前記保持用部材との保持関係を維持しかつ前記チルトパンが傾いていない第1の保持状態から、前記保持関係を維持しつつ前記チルトパンが傾いている第2の保持状態にわたって前記保持用部材を前記フック部に対して相対変位させる相対変位手段(500,501;1500,1501)を備えることを特徴とする車両用シート装置。
  2. 前記相対変位手段は、上側に設けられる上側支持部(500,1500)と、前記上側支持部に対向するように前記上側支持部よりも下側に設けられる下側支持部(501,1501)と、を有して構成され、
    前記第1の保持状態において、前記上側支持部に接触する前記保持用部材と前記下側支持部との間には、前記保持用部材が前記フック部に対して相対変位可能な隙間(503)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート装置。
  3. 前記上側支持部と前記下側支持部との間には、前記保持用部材に対して前記フック部を着脱可能な開放部(502,1502)が設けられ、
    前記隙間は、前記フック部を着脱可能な前記開放部の開放方向に対して交差する方向に延びる長さを有することを特徴とする請求項2に記載の車両用シート装置。
  4. 前記フック部は、前記開放部の開放長さを前記保持用部材の外径よりも小さくなるように絞る弾性変形可能な絞り部(1500a,1501a)をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の車両用シート装置。
  5. 前記部品は、前記シートパッドを通じて前記乗員に対して送風する送風装置(4)であり、
    前記送風装置は、前記保持用部材及び前記線状部材よりも前方において、前記チルトパンに前記ブラケットを介して一体に設けられることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両用シート装置。
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