JP2016203685A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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【課題】軽量性およびロードノイズを改善した空気入りタイヤを提供する。【解決手段】カーカス4のタイヤ径方向外側に、撚り合わされることなく引き揃えられた複数本のスチールモノフィラメントがゴム中に埋設されてなるベルト層が、層間で互いに交差するように少なくとも2層配置されてなる交差ベルト5を備える空気入りタイヤ10であり、交差ベルト5のタイヤ径方向外側、タイヤ径方向内側、および交差ベルト5の層間のうち少なくとも1カ所に補強素子がゴム中に埋設されてなる少なくとも1層のベルト補強層6を備え、カーカス4およびベルト補強層6のうち少なくとも一方の補強素子として、多孔質繊維を含むコードが用いられている。【選択図】図3

Description

本発明は、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)に関し、詳しくは、軽量性およびロードノイズを改善した空気入りタイヤに関する。
近年、自動車の燃費を向上させるために、タイヤの軽量化に対する要求はますます高まってきている。従来、タイヤの軽量化を目的して、ベルトコードとして複数本のスチールフィラメントを撚り合わせた撚りコードではなく、スチールモノフィラメントを撚り合わせずにベルトコードとして用いる技術が知られており、このスチールモノフィラメントからなるベルト層を少なくとも2層、互いに交差するように配置した交差ベルトの開発がなされている。このようにベルトコードをモノフィラメント化した場合、ベルト層の薄肉化が可能になるため、タイヤの軽量化が可能になる。
しかしながら、スチールモノフィラメントからなるベルト層を用いた場合、ベルト面内における曲げ剛性(面内曲げ剛性)の低下をもたらしてしまうという問題を有している。そこで、特許文献1では、不足した面内曲げ剛性を補うため、タイヤ周方向に対して、80〜90°の角度で埋設されたスチールコードからなるベルト補助層を設けた乗用車用空気入りラジアルタイヤが提案されている。特許文献1によれば、ベルト補助層を設けることで、ベルトコードの座屈を抑制して、モノフィラメント化により低下する曲げに対する疲労性を補うことができる。
特開2012−254668号公報
しかしながら、スチールコードからなるベルト補強層を設けると、スチールの使用量が増加し、タイヤの重量増加につながる。したがって、特許文献1に記載のタイヤでは、交差ベルトをスチールモノフィラメントからなるベルト層で構成することによるタイヤ軽量化の利点を十分に生かすことができず、タイヤの軽量化については必ずしも満足のいくものではないというのが現状である。また、タイヤの環境性能以外にも、ロードノイズの低減といった乗り心地性についても改善が求められている。
そこで、本発明の目的は、軽量性およびロードノイズを改善した空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、カーカスまたはベルト補強層の補強素子を所定のものとすることで、上記課題を解消することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の空気入りタイヤは、カーカスのタイヤ径方向外側に、撚り合わされることなく引き揃えられた複数本のスチールモノフィラメントがゴム中に埋設されてなるベルト層が、層間で互いに交差するように少なくとも2層配置されてなる交差ベルトを備える空気入りタイヤにおいて、
前記交差ベルトのタイヤ径方向外側、タイヤ径方向内側、および交差ベルト層間のうち少なくとも1カ所に補強素子がゴム中に埋設されてなる少なくとも1層のベルト補強層を備え、
前記カーカスおよび前記ベルト補強層のうち少なくとも一方の補強素子として、多孔質繊維を含むコードが用いられていることを特徴とするものである。
また、本発明の他の空気入りタイヤは、カーカスのタイヤ径方向外側に、撚り合わされることなく引き揃えられた複数本のスチールモノフィラメントがゴム中に埋設されてなるベルト層が、層間で互いに交差するように少なくとも2層配置されてなる交差ベルトを備える空気入りタイヤにおいて、
前記カーカスの補強素子として、多孔質繊維を含むコードが用いられていることを特徴とするものである。
本発明のタイヤにおいては、前記多孔質繊維は、多孔質無機繊維であることが好ましく、特に、バサルト繊維またはガラス繊維が好ましい。また、本発明のタイヤにおいては、前記ベルト補強層の補強素子のタイヤ周方向に対する角度は0〜10°であることが好ましい。さらに、本発明のタイヤにおいては、前記交差ベルトのスチールフィラメントの打込み本数は26〜100本/50mmであることが好ましい。さらにまた、本発明のタイヤにおいては、前記交差ベルトのスチールモノフィラメントのタイヤ周方向に対する角度は35°以上であることが好ましい。また、本発明のタイヤにおいては、前記ベルト層の厚さをS(mm)、前記スチールモノフィラメントの径をs(mm)、前記ベルト補強層の厚さをT(mm)、前記多孔質繊維を含むコードの径をt(mm)としたとき、下記式(1)、
1.24<(T+S)/(t+s)<3.63 (1)
で表される関係を満足することが好ましい。さらに、本発明のタイヤにおいては、前記少なくとも2層のベルト層の層間ゴムゲージをh1、前記ベルト層と前記ベルト補強層との層間ゴムゲージをh2としたとき、下記式(2)、
h1>h2 (2)
で表される関係を満足することが好ましい。
本発明によれば、軽量性およびロードノイズを改善した空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の一好適な実施の形態に係る空気入りタイヤの幅方向断面図である。 本発明の他の好適な実施の形態に係る空気入りタイヤの幅方向断面図である。 本発明の一好適な実施の形態に係る空気入りタイヤのベルト層およびベルト補強層の関係を示す概略平面図である。 本発明の一好適な実施の形態に係る空気入りタイヤの交差ベルトおよびベルト補強層のタイヤ幅方向断面図である。
以下、本発明の空気入りタイヤについて、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の一好適な実施の形態に係る空気入りタイヤの幅方向断面図であり、図2は、本発明の他の好適な実施の形態に係る空気入りタイヤの幅方向断面図である。本発明のタイヤ10、20は、図示するように、接地部を形成するトレッド部1、11と、このトレッド部1、11の両側部に連続してタイヤ径方向内方へ延びる一対のサイドウォール部2、12と、各サイドウォール部2、12の内周側に連続するビード部3、13と、を備えている。トレッド部1、11、サイドウォール部2、12およびビード部3、13は、一方のビード部3、13から他方のビード部3、13にわたってトロイド状に延びる一枚のカーカスプライからなるカーカス4、14により補強されている。
本発明のタイヤ10、20においては、カーカス4、14のクラウン領域のタイヤ径方向外側に、少なくとも2層(図示例では2層)、好ましくは2層の第1ベルト層5a、15aと第2ベルト層5b、15bとからなるベルトが配設されている。この第1ベルト層5a、15aと第2ベルト層5b、15bは、撚り合わされることなくタイヤ幅方向に並列に引き揃えられた複数本のスチールモノフィラメントがゴム中に埋設されてなり、第1ベルト層5a、15aと第2ベルト層5b、15bは、層間で互いに交差するように配置されて、交差ベルト5、15を形成している。図1に示す本発明の一好適な実施の形態に係るタイヤ10においては、交差ベルト5のタイヤ径方向外側、タイヤ径方向内側、および交差ベルト層間のうち少なくとも1カ所(図示例では、交差ベルト5のタイヤ径方向外側)に補強素子がゴム中に埋設されてなる少なくとも1層のベルト補強層6が埋設されている。
図1に示す、本発明の一好適な実施の形態に係るタイヤにおいては、カーカス4の補強素子およびベルト補強層6のうち少なくとも一方の補強素子として、多孔質繊維を含むコード(以下、「多孔質繊維コード」とも称す)が含まれている。また、図2に示す、本発明の他の好適な実施の形態に係るタイヤにおいては、ベルト補強層を有さず、カーカス14の補強素子に、多孔質繊維を含むコードが含まれている。多孔質繊維は吸音性に優れているため、本発明のタイヤ10、20は、ロードノイズを低減することができる。ここで、多孔質繊維を含むコードとは、多孔質繊維のみからなるコードであってもよく、多孔質繊維とその他の繊維とからなるコードであってもよい。また、補強素子のすべてを、多孔質繊維を含むコードとしてもよく、一部を多孔質繊維を含むコードとしてもよい。本発明のタイヤ10、20においては、多孔質繊維としては、多孔質有機繊維や多孔質無機繊維を上げることができるが、多孔質無機繊維を含むコードが好ましく、特に多孔質無機繊維のみからなるコードが好適である。
また、無機多孔質繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、バサルト繊維等が挙げらる。これらの中でも、本発明のタイヤ10においては、バサルト繊維が好ましい。バサルト繊維は、バイオマス材料であり環境負荷が小さく、かつ、熱収縮特性が低いため、加硫時におけるコードの収縮が低い。その為、コードの収縮のバラツキによるタイヤの新円性悪化を抑制することができる。したがって、タイヤのユニフォミティが向上し、転がり抵抗が向上するという効果も有している。なお、有機繊維であるポリエステル繊維やポリアミド繊維は化石燃料を原料としており、環境負荷が高いため好ましくない。特に、アラミド繊維においては、その製造過程で硫酸を使用するため、さらに、環境負荷が高いため好ましくない。
本発明のタイヤ10、20においては、上述のとおり、多孔質繊維を含むコードとしては、多孔質繊維のみからなるコードであってもよいが、多孔質繊維とその他の繊維とからなるコードであってもよい。その他の繊維としては、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、レーヨン、ザイロン(登録商標)(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維)、脂肪族ポリアミド(ナイロン)等の有機繊維等を用いることができる。
本発明の一好適な実施の形態に係るタイヤ10においては、ベルト補強層6の補強素子の角度は、その目的が不足するタイヤ周方向の引張剛性を補うことであるため、タイヤ周方向に対して0°〜10°であることが好ましい。図3は、本発明の一好適な実施の形態に係る空気入りタイヤのベルト層およびベルト補強層の関係を示す概略平面図であり、(a)は、ベルト補強層6が交差ベルト5のタイヤ径方向外側に、(b)は、ベルト補強層6が交差ベルト5のタイヤ径方向内側に、(c)は、ベルト補強層6が交差ベルト層5a、5b間に配置されている。
また、本発明のタイヤ10、20においては、交差ベルト5のスチールフィラメントの打込み本数が26〜100本/50mmであることが好ましい。スチールモノフィラメントの打込み本数を26本/50mm以上とすることで、十分な面内曲げ剛性を確保することができる。また、スチールモノフィラメントの打込み本数を100本/50mm以下とすることで、ベルト幅方向端部のコード端を起点としたゴム剥離が容易に隣接コード間に伝播するベルトエッジセパレーション(BES)を抑制する耐BES効果を発揮することができる。これらのバランスを良好に保つことができる好適な範囲は、40〜55本/50mmである。
さらにまた、本発明のタイヤ10、20においては、交差ベルト5のスチールモノフィラメントのタイヤ周方向に対する角度が35°以上であることが好ましい。タイヤ周方向に対してスチールモノフィラメントを高角度で配置することで、交差ベルト5に面内曲げ剛性を付与することができ、タイヤ10の耐久性、耐摩耗性を確保することができる。好ましくは、スチールモノフィラメントのタイヤ周方向に対する角度は45°以上である。なお、交差ベルト5のスチールモノフィラメントのタイヤ周方向に対する角度を35°以上とすると、タイヤ接地幅方向の面内剛性が向上するため、タイヤ内腔内の空気の振動が悪化する。しかしながら、本発明のタイヤ10では、カーカス4の補強素子およびベルト補強層6の補強素子として多孔質繊維コードを用いているため、このようなロードノイズに関する不具合は生じない。
また、本発明の一好適な実施の形態に係るタイヤ10においては、交差ベルト5の層間にベルト補強層6を挿入した場合や、ベルト補強層6を交差ベルト5のタイヤ径方向内側に配置した場合、スチールモノフィラメントからなる交差ベルト層(図示例では、第2ベルト層5b)が保護層の役割を担うことになり、耐カット性が向上する。
図4に、本発明の一好適な実施の形態に係る空気入りタイヤの交差ベルトおよびベルト補強層のタイヤ幅方向断面図を示す。本発明の一好適な実施の形態に係るタイヤ10においては、ベルト層(図示例では第1ベルト層5a、第2ベルト層5b)の厚さをS(mm)、スチールモノフィラメント7の径をs(mm)、ベルト補強層6の厚さをT(mm)、多孔質繊維コード8の径をt(mm)としたとき(図4参照)、下記式(1)、
1.24<(T+S)/(t+s)<3.63 (1)
で表される関係を満足することが好ましい。ここで、T=0.5〜2.0、t=0.2m〜1.8、S=0.66〜1.2、s=0.12〜0.45である。(T+S)/(t+s)を1.25以上とすることで、層間ゲージを保ち、ベルト幅方向端部のコード端を起点としたゴム剥離が容易に隣接コード間に伝播するベルトエッジセパレーション(BES)を良好に防止することができる。一方、3.63未満とすることでゴムの使用量を低減し、耐BES性と軽量性を両立させることができる。
本発明のタイヤ10、20においては、少なくとも2層のベルト層の層間ゴムゲージ(図示例では第1ベルト層5a、第2ベルト層5bのゴムゲージ)をh1、ベルト層とベルト補強層との層間ゴムゲージ(図示例では第2ベルト層5bとベルト補強層6とのゴムゲージ)をh2としたとき、下記式(2)、
h1>h2 (2)
で表される関係を満足することが好ましい。
本発明のタイヤ10、20においては、交差ベルト5をタイヤ周方向に対して高角度とすると、面内曲げ剛性が高くなる。そのため、コーナリング時等には高い接地性を確保できる。しかし、コーナリング限界時にはタイヤ横力に耐えられず、ベルトバックリングを起こす。その際、h1のゲージがh2より薄くなると、ベルト面外曲げ剛性が低下し、ベルトバックリング曲率が大きくなる。その結果、交差ベルト5の耐久性が低下してしまう可能性がある。そこで、交差する第1ベルト層5a、第2ベルト層5b間のゴムゲージをベルト補強層6と第2ベルト層間のゴムゲージよりも大きくすることで、耐疲労性を向上させることができる。また、交差ベルト5は面内曲げ剛性が高いため、コーナリング中に発生するせん断歪みは交差ベルト層間に集中し、ベルト層とベルト補強層間のせん断歪みは小さい。そこでh2をh1より薄くすることができ、タイヤ軽量化が可能になる。
本発明の一好適な実施の形態に係るタイヤ10においては、ベルト補強層6は1層に限らず複数層設けてもよい。この場合、ベルト補強層6のうち少なくとも1層は、タイヤ中心から両幅方向に向かって、交差ベルト5の最大ベルト幅の10%以上の幅とすることが好ましい。これにより、ロードノイズを良好に低減させることができる。好適には、トレッド幅の60%以上である。ベルト補強層6の幅をトレッド幅の60%以上とすることで、タイヤ周方向の引張剛性を効果的に向上させることができる。好ましくは、ベルト補強層6をトレッド幅の全幅に配置する。なお、トレッド幅とは、タイヤを正規リムに装着し、正規内圧を充填し、静止した状態で平板に対し垂直に置き、正規荷重を加えたときのタイヤ接地面のタイヤ軸方向の最大幅をいう。
なお、図1に示すタイヤのベルト補強層6はトレッド幅全幅を覆っているが(いわゆる、キャップ構造)、交差ベルト5の幅方向両端部のみを覆う構造としてもよい(いわゆる、レイヤー構造)。また、第1のベルト補強層を少なくとも交差ベルト5の幅方向中央を覆うように設け、第2のベルト補強層で交差ベルト5の幅方向両端部を覆うように設けてもよい(キャップ・レイヤー構造)。この場合、第1のベルト補強層近傍まで、または、重なるまで連続的にまたは断続的に第2のベルト補強層を設けてもよい。また、ベルト補強層6は、トレッドの形状に応じ、トレッドに設けられた溝下については、補強素子を、間隔を開けて配置してもよい。
さらにまた、本発明のタイヤ10、20においては、カーカス4の補強素子およびベルト補強層6の補強素子である多孔質繊維を含むコードの打込み本数は20〜80本/50mmであることが好ましい。打込み本数を20本/50mm以上とすることで、タイヤ周方向の引張剛性を十分に確保することができる。また、打込み本数を80本/50mm以下とすることで、タイヤ周方向の引張剛性と耐BES性を両立させることができる。
また、本発明のタイヤ10、20においては、カーカス4の補強素子およびベルト補強層6の補強素子である多孔質繊維を含むコードの総繊度は、470〜5000dtexとするのが好ましい。多孔質繊維コード8の総繊度を470dtex以上とすることで、ベルト補強層6の周方向引張剛性を十分に確保することができる。一方、多孔質繊維コードとでベルト補強層6の薄肉化を図り、周方向引張剛性と軽量化とを両立させることができる。なお、本発明のタイヤにおいては、カーカス4の補強素子およびベルト補強層6の補強素子である多孔質繊維を含むコードは片撚りでも双撚りでも3本以上を撚り合わせた撚りコードであってもよい。この場合、上撚り係数は、0.05〜0.8であることが望ましい。
さらに、本発明のタイヤ10、20においては、交差ベルト5を構成するスチールモノフィラメント7の線径は0.12〜0.45mmであることが好ましい。スチールモノフィラメント7の線径を0.12mm以上とすることで、交差ベルト5の面内曲げ剛性を十分に確保することがでる。一方、スチールモノフィラメント7の線径を0.45mm以下とすることで、ベルト層の厚みの増加を防止することができ、ベルト層の面内曲げ剛性と軽量化とを両立させることができる。より好ましくは、0.25〜0.35mmである。
さらに、交差ベルト5を構成するスチールモノフィラメント7、およびベルト補強層6を構成する多孔質繊維コード8は、型付けをされていない真直性を有するものが好ましい。真直性のコードは初期伸びがないため、外部からの入力直後から十分な剛性を得ることができるためである。
さらにまた、本発明のタイヤ10、20においては、スチールモノフィラメント7同士の間隔は均等であることが好ましい。スチールフィラメント7同士の間隔を均等とすることで、ベルトトリートの製造が容易になり生産性が向上する。また、スチールフィラメント7同士の間隔に極端に狭い箇所が存在しないため、耐BES性に優れている。
また、図示する本発明のタイヤ10、20においては、第1ベルト層5aと第2ベルト層5bを構成するスチールモノフィラメントは、タイヤ周方向に対して対称の角度であることが好ましい。かかる構成とすることで、タイヤの生産性が向上し、また、応力を均等に分担することができるため、タイヤの耐久性の観点からも好ましい。
本発明のタイヤ10、20は、上記構成を満足することのみが重要であり、その他の構造については、既知の構造を採用することができる。例えば、図示するように、本発明のタイヤの一対のビード部3にはそれぞれビードコア9が埋設され、カーカス4は、このビードコア9の周りにタイヤ内側から外側に折り返して係止されているが、ビードコア9に巻き付けて係止してもよく、両側からビードワイヤで挟み込んで係止してもよく(図示せず)、いずれの固定方法を用いてもよい。
また、カーカス4は、通常、タイヤ赤道面に対して70°〜90°のコード角度で配列した複数本の補強素子からなる少なくとも1層(図示例においては1層)のカーカスプライからなるが、これに限られるものではなく2層以上のカーカスプライからなっていてもよい。カーカス4の補強素子として、多孔質繊維を含むコードを用いない場合は、有機繊維コードを用いることができる。有機繊維コードは、片撚りコード、双撚りコード、または3本以上の複数本撚りコードとすることができる。
さらに、本発明のタイヤ10、20においては、トレッド部1の表面には適宜トレッドパターンが形成されていてもよく、最内層にはインナーライナー(図示せず)が形成されていてもよい。さらに、本発明のタイヤ10、20において、タイヤ内に充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を変えた空気、もしくは窒素等の不活性ガスを用いることができる。本発明のタイヤは、乗用車用空気入りタイヤに好適である。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<実施例1〜13、比較例1、2および従来例1、2>
実施例1〜12および比較例1、2および従来例1、2は、図1に示すタイプのタイヤを、実施例13は、図2に示すタイプのタイヤを、タイヤサイズ:195/65R15にて作製した。交差ベルトを構成するスチールフィラメントの線径、打込み本数、タイヤ周方向に対する角度は、下記表1〜4に示すとおりである。ベルト補強層のタイヤ周方向に対して略平行とし、打ち込み本数は45本/50mmとした。また、カーカスはタイヤ周方向に対して、略垂直であり、打ち込み本数は50本/50mmとした。得られた各タイヤにつき、軽量性、ロードノイズおよび転がり抵抗の評価を、下記の手順に従って行った。
<軽量性>
タイヤ1本当たりの重量を測定し、従来例1のタイヤと同等の場合を△、従来例よりも100g未満軽量化できた場合を○、100g以上軽量化できた場合を◎とした。結果を表1〜4に併記する。
<ロードノイズ性>
得られたタイヤを排気量1800ccの乗用車に4輪とも装着し、2名乗車して、ロードノイズ評価路のテストコースを60km/hの速度で走行し、運転席の背もたれの中央部に取り付けた集音マイクにて、周波数100〜500Hzおよび300〜500Hzの全音圧(デシベル)を測定し、この測定値からロードノイズを評価した。結果は従来例のロードノイズを100として、この指数値が大きくなるほどロードノイズが小さいことを示す。結果を表1〜4に併記する。
<転がり抵抗>
得られたタイヤをJATMAで規定する正規リムに組み付け、210kPaの内圧充填後、直径1.7mのドラム表面に4kNの荷重で押し付け、時速80km/hで30分間慣らし走行させた。その後240km/hから18km/hに至るまで惰性走行させ、その所要時間から転がり抵抗値を算出した。下記表中の数値は従来例のタイヤの転がり抵抗値を100とした時の指数表示であり、この指数値が大きくなるほど転がり抵抗が小さいことを示す。結果を表1〜4に併記する。
Figure 2016203685
※:スチールモノフィラメント
Figure 2016203685
Figure 2016203685
Figure 2016203685
上記表1〜4より、本発明のタイヤは、軽量性およびロードノイズを改善できていることがわかる。また、転がり抵抗も改善されていることがわかる。
1,11 トレッド部
2,12 サイドウォール部
3,13 ビード部
4,14 カーカス
5,15 交差ベルト
5a,15a 第1ベルト層
5b,15b 第2ベルト層
6 ベルト補強層
7 スチールフィラメント
8 多孔質繊維コード
9,19 ビードコア
10,20 空気入りタイヤ(タイヤ)

Claims (12)

  1. カーカスのタイヤ径方向外側に、撚り合わされることなく引き揃えられた複数本のスチールモノフィラメントがゴム中に埋設されてなるベルト層が、層間で互いに交差するように少なくとも2層配置されてなる交差ベルトを備える空気入りタイヤにおいて、
    前記交差ベルトのタイヤ径方向外側、タイヤ径方向内側、および交差ベルト層間のうち少なくとも1カ所に補強素子がゴム中に埋設されてなる少なくとも1層のベルト補強層を備え、
    前記カーカスおよび前記ベルト補強層のうち少なくとも一方の補強素子として、多孔質繊維を含むコードが用いられていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記多孔質繊維が、多孔質無機繊維である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ベルト補強層の補強素子のタイヤ周方向に対する角度が0〜10°である請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記交差ベルトのスチールフィラメントの打込み本数が26〜100本/50mmである請求項1〜3のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記交差ベルトのスチールモノフィラメントのタイヤ周方向に対する角度が35°以上である請求項1〜4のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ベルト層の厚さをS(mm)、前記スチールモノフィラメントの径をs(mm)、前記ベルト補強層の厚さをT(mm)、前記多孔質繊維を含むコードの径をt(mm)としたとき、下記式(1)、
    1.24<(T+S)/(t+s)<3.63 (1)
    で表される関係を満足する請求項1〜5のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記少なくとも2層のベルト層の層間ゴムゲージをh1、前記ベルト層と前記ベルト補強層との層間ゴムゲージをh2としたとき、下記式(2)、
    h1>h2 (2)
    で表される関係を満足する請求項1記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記多孔質無機繊維が、バサルト繊維またはガラス繊維である請求項2〜6のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  9. カーカスのタイヤ径方向外側に、撚り合わされることなく引き揃えられた複数本のスチールモノフィラメントがゴム中に埋設されてなるベルト層が、層間で互いに交差するように少なくとも2層配置されてなる交差ベルトを備える空気入りタイヤにおいて、
    前記カーカスの補強素子として、多孔質繊維を含むコードが用いられていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  10. 前記多孔質繊維が、多孔質無機繊維である請求項9記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記交差ベルトのスチールモノフィラメントのタイヤ周方向に対する角度が35°以上である請求項9または10記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記多孔質無機繊維が、バサルト繊維またはガラス繊維である請求項9〜11のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
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