JP2016203374A - ポリビニルアルコールフィルムロールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]刃物を周波数5kHz以上で振動させながらPVAフィルムを切断する工程を有する、切断されたPVAフィルムの製造方法;
[2]切断に供されるPVAフィルムを構成するPVAのけん化度が80〜99モル%である、上記[1]の製造方法;
[3]切断に供されるPVAフィルムが可塑剤を含む、上記[1]または[2]の製造方法;
[4]切断に供されるPVAフィルムを20℃の水に浸漬したときの溶解時間(厚みを30μmとした際の換算値)が300秒以下である、上記[1]〜[3]のいずれか1つの製造方法;
[5]切断されたPVAフィルムの切断面の表面粗さをフィルムの厚み方向に測定したとき、算術平均粗さ(Ra)が2μm以下である、上記[1]〜[4]のいずれか1つの製造方法;
[6]上記[1]〜[5]のいずれか1つの製造方法によって製造されたPVAフィルムがロール状に巻き取られてなるロール;
[7]上記[1]〜[5]のいずれか1つの製造方法によって製造されたPVAフィルムの表面に印刷を施してなる液圧転写用フィルム;
[8]上記[6]のロールからPVAフィルムを繰り出す工程と、繰り出されたPVAフィルムの表面に印刷を施す工程とを有する液圧転写用フィルムの製造方法;
[9]上記[7]の液圧転写用フィルムを印刷が施された面を上にして液面に浮かべる工程と浮かべた液圧転写用フィルムの上方から被転写体を押し付ける工程とを有する液圧転写方法;
に関する。
本発明の切断されたPVAフィルムの製造方法は、刃物を周波数5kHz以上で振動させながらPVAフィルムを切断する工程を有する。このような工程を有することにより、切断面の形状が制御され、ロールから繰り出す際などに破断しにくいPVAフィルムが得られる。
PVAフィルムから長さ40mm×幅10mmの長方形のサンプルを切り出し、50mm×50mmのプラスチック板に長さ35mm×幅23mmの長方形の窓(穴)を開けたもの2枚の間に、サンプルの長さ方向が窓の長さ方向に平行でかつサンプルが窓の幅方向のほぼ中央に位置するように挟み込んで固定した。
一方、500mlのビーカーに300mlの水を入れ、回転数280rpmで3cm長のバーを備えたマグネチックスターラーで撹拌しつつ、水温を20℃に調整しておき、上記したプラスチック板に固定したサンプルをマグネチックスターラーのバーに接触しないように注意しながらビーカー内に浸漬した。水に浸漬してから、水中に分散したサンプル片が完全に消失するまでの時間(秒)を測定し、これをサンプルの溶解時間とした。そして、以下の式によって、PVAフィルムの厚みを30μmとした際の換算値を得た。
20℃の水に浸漬したときの溶解時間(厚みを30μmとした際の換算値)(秒)=[30/PVAフィルムの厚み(μm)]2×(サンプルの溶解時間(秒))
KEYENCE社製形状測定レーザーマイクロスコープ「VK−X200」を用いた。具体的には、製造されたロールから切断されたPVAフィルムを繰り出してその幅方向(TD)両端の切断面のうちの任意の1箇所でフィルムの厚み方向に表面粗さを測定して算術平均粗さ(Ra)を求めた。
(1)ロールの製造
ロールから長尺のPVAフィルム(長さ1000m、幅700mm、厚み30μm)を連続的に繰り出し、繰り出されたPVAフィルムの両端より内側にそれぞれ10cmまでの範囲を耳部として設定してこれを除去するように、刃を周波数20kHzで振動させた超音波カッターを用いてPVAフィルムを長さ方向(MD)に切断後、得られた幅500mmの切断されたPVAフィルムを紙管(内径75mm、外径90mmの円筒状の紙管)にロール状に巻き取ってロールとした。
この際に、切断に供される長尺のPVAフィルムとしては、ポリ酢酸ビニルの単独重合体をけん化してなる重合度1700およびけん化度88モル%のPVAから構成され、可塑剤としてグリセリンをPVA100質量部に対して8質量部含む、水分率3質量%のPVAフィルム(20℃の水に浸漬したときの溶解時間(厚みを30μmとした際の換算値)39秒)を使用した。また、超音波カッターとしては、超硬合金製で刃先角度が30°で厚みが0.38mmのレザー刃を有するものを使用した。
また切断にあたっては、超音波カッターの位置を固定し、溝付ロールをPVAフィルムの裏側に配置し、PVAフィルムを40m/分の搬送速度(繰り出し速度)で移動させながら行った。なお、超音波カッターの刃の刃先とPVAフィルムのなす角度は45°とし、溝付ロールによるPVAフィルムの屈曲角度(PVAフィルムの溝付ロールへの抱き角)は5°とした。
このようにして得られた切断されたPVAフィルムの切断面の表面粗さ(算術平均粗さ(Ra))を上記した方法によって測定したところ1.2μmであった。
(1)において製造したロールを室温20℃、相対湿度60%に加湿空調した室内にて繰り出し装置に装着し、30m/分の繰り出し速度でロールからPVAフィルムを連続的に繰り出し、繰り出されたPVAフィルムの片面に印刷を施して液圧転写用フィルムを得た。
この際、ロールからPVAフィルムを繰り出すときのロールの端面におけるPVAフィルムの剥離音の回数とPVAフィルムの破断回数を数えた。この評価を(1)において上記したのと同様にして製造した5本のロールについて行い、その平均値を算出したところ、剥離音が0.2回、破断回数が0回であった。
(1)ロールの製造
超音波カッターの振動を停止したこと以外は、実施例1の(1)と同様にしてPVAフィルムを切断後、ロールとした。
このようにして得られた切断されたPVAフィルムの切断面の表面粗さ(算術平均荒さ(Ra))を上記した方法によって測定したところ1.5μmであった。
(1)において上記したのと同様にして製造した5本のロールについて、実施例1の(2)と同様にして剥離音の回数とPVAフィルムの破断回数の平均値を算出したところ、剥離音が0.4回、破断回数が0.2回であった。
[1]PVAフィルムを切断する工程と、切断されたPVAフィルムをロール状に巻き取る工程とを有するロールの製造方法であって;
切断に供されるPVAフィルムが、PVA100質量部に対して1〜20質量部の可塑剤を含み、
切断に供されるPVAフィルムの厚みが10〜100μmであり、かつ
切断する工程において、刃物を周波数5kHz以上で振動させながらPVAフィルムを切断することを特徴とするロールの製造方法;
[2]切断に供されるPVAフィルムを構成するPVAのけん化度が80〜99モル%である、上記[1]のロールの製造方法;
[3]切断に供されるPVAフィルムを20℃の水に浸漬したときの溶解時間(厚みを30μmとした際の換算値)が300秒以下である、上記[1]又は[2]のロールの製造方法;
[4]切断されたPVAフィルムの切断面の表面粗さをフィルムの厚み方向に測定したとき、算術平均粗さ(Ra)が2μm以下である、上記[1]〜[3]のいずれか1つのロールの製造方法;
[5]上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の方法によって製造されたロールからPVAフィルムを繰り出す工程と、繰り出されたPVAフィルムの表面に印刷を施す工程とを有する液圧転写用フィルムの製造方法;
[6]上記[5]に記載の方法によって製造された液圧転写用フィルムを印刷が施された面を上にして液面に浮かべる工程と、浮かべた液圧転写用フィルムの上方から被転写体を押し付ける工程とを有する液圧転写方法;
に関する。
Claims (9)
- 刃物を周波数5kHz以上で振動させながらポリビニルアルコールフィルムを切断する工程を有する、切断されたポリビニルアルコールフィルムの製造方法。
- 切断に供されるポリビニルアルコールフィルムを構成するポリビニルアルコールのけん化度が80〜99モル%である、請求項1に記載の製造方法。
- 切断に供されるポリビニルアルコールフィルムが可塑剤を含む、請求項1または2に記載の製造方法。
- 切断に供されるポリビニルアルコールフィルムを20℃の水に浸漬したときの溶解時間
(厚みを30μmとした際の換算値)が300秒以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。 - 切断されたポリビニルアルコールフィルムの切断面の表面粗さをフィルムの厚み方向に測定したとき、算術平均粗さ(Ra)が2μm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されたポリビニルアルコールフィルムがロール状に巻き取られてなるロール。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されたポリビニルアルコールフィルムの表面に印刷を施してなる液圧転写用フィルム。
- 請求項6に記載のロールからポリビニルアルコールフィルムを繰り出す工程と、繰り出されたポリビニルアルコールフィルムの表面に印刷を施す工程とを有する液圧転写用フィルムの製造方法。
- 請求項7に記載の液圧転写用フィルムを印刷が施された面を上にして液面に浮かべる工程と浮かべた液圧転写用フィルムの上方から被転写体を押し付ける工程とを有する液圧転写方法。
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