JP2016203304A - ロボット装置、およびロボット装置の制御方法 - Google Patents

ロボット装置、およびロボット装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ロボット装置の関節(あるいはエンドエフェクタ)との駆動信号の伝達に用いられる線材の反力を測定し、その測定値を用いて高精度なロボット制御を行えるようにする。
【解決手段】ロボット装置は、ロボットアーム1を構成する複数のリンク10〜60と、各リンクを相互に接続する回転関節11〜61と、各回転関節を駆動するモータ(92)と、各リンクに沿って配置され少なくとも駆動源に駆動信号を伝達する線材としてケーブル80と、を含む。制御装置91は、ケーブル80の変形時に関節部に印加される反力を測定するケーブル反力測定部932(931〜936)が出力する反力値に基づき、回転関節11〜61を駆動するモータ(92)の駆動制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロボットアームを構成する複数のリンクに沿ってロボットアーム各部に駆動信号ないし制御信号を伝達する線材が配置されるロボット装置、およびその制御方法に関するものである。
近年、ロボット装置、例えば関節が回転拘束される多軸多関節ロボットにおいて、駆動源がリンクに与えているトルクを計測するためのトルクセンサを関節に配置して関節に生じるトルクをトルク(力)制御する多関節ロボットが注目を集めている。関節にトルクセンサを配置することにより、多関節ロボットの関節に生じる力の制御やロボットアームの先端に配置されたエンドエフェクタが部品に与える荷重ないし力を制御する事が容易になった。
現在のところ、トルクセンサを有しトルク制御が可能なロボット装置は、自動車のエンジン部品の組み立など、数百グラムから数キログラムの荷重を部品に与えるような組み立てに使われることが多い。一方、数グラムの微小な部品やフィルムやシートの操作など、組立時に部品に与える力ないし荷重が数グラム程度の微小荷重の組み立てには、ロボット装置は、あまり利用されていない。その理由の1つは、現在の多関節ロボットの力(トルク)制御がそれほど高精度ではなく、ロボットアーム先端のエンドエフェクタで部品に与える荷重が数グラム程度の範囲の組み立てを行うのに十分な精度範囲を達成できていない点にある。
例えば、ロボット装置は、ロボットアームの各部、例えば関節を駆動するアクチュエータとの間で、当該のアクチュエータを制御するための駆動信号を伝達するための伝達部材を必要とする。これらの駆動信号には、制御信号のような制御情報の範疇に属する電気信号の他、駆動電力、油圧や空気圧の圧力信号などの駆動エネルギーの範疇に属する信号が含まれる。本明細書では、上記のような制御情報や駆動エネルギーを伝達するための電気信号や圧力信号などの信号を、ロボットアームの各部のアクチュエータを制御するための信号を「駆動信号」という。
例えば、関節やエンドエフェクタを駆動する駆動源(アクチュエータ)としてモータのような回転駆動源を用いるロボットでは、このモータやその駆動回路に制御信号や駆動電力を伝達する伝達部材として電線(ケーブル)のような線材を用いる。また、関節やエンドエフェクタを駆動するために油圧、空気圧などを利用したアクチュエータを用いる場合、駆動信号(エネルギー)を伝達するために、例えばラバーなどフレキシブルな材料から成る圧力管のような線材が伝達部材として用いられることがある。
また、上記のようなケーブルや圧力管の線材は1本のみ敷設されるより、例えばロボットアームの複数の関節ぶんの線材を束ねたハーネス構造のものが敷設されるような構造が多い。また、このようなハーネスには、関節を駆動するアクチュエータの動作を検出するエンコーダや、上記のトルクセンサの信号を制御系にフィードバックするための線材が収容されることもある。また、ロボットアーム先端には、エンドエフェクタ(ないしツール)として、例えばハンドやグリッパのような把持装置が装着されることがある。このようなエンドエフェクタ(ないしツール)に対しても、上記の駆動信号の入出力(伝達)を行うことが必要で、その場合、上記の線材のハーネスには、エンドエフェクタ(ないしツール)に対して駆動信号を入出力する線材が収容されることがある。
上記のような線材(ないしそのハーネス)はロボットアームの内側あるいは外側に敷設され、その場合、ロボット装置の各関節を跨ぐように設置される。従って、駆動信号を伝達する線材は、ロボット装置の関節が回転動作(並進動作の場合も同様)した時に変形し、その変形に応じた反力を発生する。
一方、上記のように、リンク(あるいはエンドエフェクタ部)を支持する関節にトルク(力)センサを設けてトルク(力)制御を行うなら、本来、関節に生じているトルクのみをトルクセンサで測定し、トルク制御系にフィードバックできるのが望ましい。ところが、ロボット装置の動作に伴う上記の関節(やエンドエフェクタ)に駆動信号を伝達する線材の変形によって生じる反力は、関節に配置したトルクセンサの測定値に測定誤差として影響を与える。
例えば、ロボット装置の構成や規模などによっても異なるが、各種ケーブルや圧力管の線材のハーネスが変形した時の反力は、数百グラムの単位に及ぶことがある。従って、このような反力は、数グラムの精度で力(ないしトルク)制御をする場合、非常に大きな外乱となり、制御の精度に影響を与える問題がある。
以上の問題に鑑み、力制御性を改善するために、例えば事前に測定した関節の回転角度とケーブル反力の関係をテーブルとして予め用意して、ロボット装置の関節に生じている力を推定し、各関節を制御する構成が提案されている(下記の特許文献1)。
特開2012−218104号公報
しかしながら、上記の特許文献1では、事前に測定したケーブル反力をテーブル化して用いるため、特定の関節動作について、実際のロボット装置に設置されたケーブルが、テーブル通りの反力を生じるとは限らない。例えば、ケーブルのような線材の変形には、再現性がなく、このため変形によって生じる反力にもおそらく再現性がないためである。第二に、常に事前の測定と同等の状態に線材を配置できるとは限らず、このような設置精度の問題から事前の測定と同じ関節動作で実際に同じ反力が生じるとは限らない。
従って、特許文献1の技術では、線材の反力を考慮した制御とはいっても、充分な精度で力(トルク)制御を行うことができない、という問題がある。物品の搬送や重量が数キログラムあるような物品の組み立てでは、上記のような微小な力制御性能の低下は問題にならないが、数グラムの微小重量の部品を力制御で組み立てる場合は、ケーブルの反力に起因する力制御性の低下が無視できなくなってくる。特許文献1の技術は、ロボットが取り扱う荷重範囲が大きい場合、あるいは実用的に利用できる可能性がある。ところが、特に上記のように数グラムのオーダの力(トルク)制御においては、特許文献1の技術でも充分な精度を達成できず、力制御性が低下する可能性がある。
従来、汎用的な多関節ロボット装置が微小荷重の組み立てに積極的に利用されてこなかった理由は、以上のような問題に起因する。そして、数グラムの微小重量の物品の組み立てには、従来では、ロボット装置ではなく、特別な構造を持ち、充分、寸法や精度範囲がコントロールされた専用に製造された装置を用いることが多かった。
一方で、今後、多くの工業製品の製造は、多品種少量生産に向かう、との予想もある。そして、上記のような専用装置が微小(微細)部品のそれぞれに個別に必要である、という事情は、多品種少量生産の実現に関して重大な隘路となり得る。多品種少量生産のために必要な多数の微小(微細)部品のそれぞれについて、上記のような専用装置の設計、製作が必要ならば、これによって生産ラインの立ち上げ期間の長期化、立ち上げコストの上昇などの問題が生じる可能性がある。
そこで、汎用的な多関節ロボット装置で、線材の反力を考慮した充分高精度な力(トルク)制御が可能であれば専用装置を必要とせず、短期間で効率の高い多品種少量生産を行えるようになる、と考えられる。
本発明の課題は、ロボット装置の関節(あるいはエンドエフェクタ)との駆動信号の伝達に用いられる線材の反力を測定し、その測定値を用いて高精度なロボット制御を行えるようにすることにある。
上記課題を解決するため、本発明においては、ロボットアームを構成する複数のリンクと、前記リンクを相互に接続する関節と、前記関節を駆動する駆動源と、前記リンクに沿って配置され少なくとも前記駆動源に駆動信号を伝達する線材と、前記駆動源を制御する制御装置と、を備えたロボット装置、およびその制御方法において、前記制御装置は、前記線材の変形時に前記線材から前記関節に印加される反力を力センサによって測定し、測定した反力の測定値に基づき、前記関節を駆動する前記駆動源を駆動制御する構成を採用した。
本発明によれば、駆動信号を伝達する線材の変形時に関節に印加される線材の反力を力センサによって測定し、測定した反力の測定値に基づき関節を駆動する前記駆動源を駆動制御する。これにより、例えば関節に生じる力を精度良く測定または推定することが可能になり、精度高くロボット装置の関節を制御することができる。例えば、トルクセンサを用いてワークやリンクに加わる力をトルク(力)制御する場合には、トルクセンサの出力から外乱として作用する線材の反力を除去するなどの演算が可能となり、正確なトルク検出に基づき、的確なトルク(力)制御を行うことができる。これにより、例えば汎用構成のロボット装置において、関節の力制御を正確に行うことができ、数グラム程度の重量の小さい部品の組み立てを実現することができる。そのため、微小重量の部品を組み立てる生産ラインにおいて、専用装置や、人力による手動作業などを必要とせず、汎用構成のロボット装置を用いることが可能となり、専用装置の設計、製造コストの削減、製作期間の削減が可能になる。また、微細部品を組み立てる生産ラインの立ち上げコストを低減することが可能になる。
実施例1のロボット装置の正面と側面を示した説明図である。 実施例1のロボット装置におけるケーブル反力測定部の構造を示した説明図である。 実施例1のロボット装置におけるケーブル反力測定部の設置場所を示した説明図である。 実施例1のロボット装置の制御系の構成を示したブロック図である。 実施例2のロボット装置における力センサ設置部位を示した説明図である。 実施例1のロボット装置におけるケーブル反力測定部の構造を示した説明図である。 実施例1のロボット装置におけるロボット制御を示したフローチャート図である。 実施例2のロボット装置における異なるロボット制御を示したフローチャート図である。 実施例1のロボット装置の制御装置の構成例を示したブロック図である。
以下、添付図面に示す実施例を参照して本発明を実施するための形態につき説明する。なお、以下に示す実施例はあくまでも一例であり、例えば細部の構成については本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者が適宜変更することができる。また、本実施形態で取り上げる数値は、参考数値であって、本発明を限定するものではない。
(ロボット装置の基本構成)
図1(a)、(b)は本発明を採用したロボット装置の一例として、多関節ロボット装置の全体構成を示している。図1(a)は、本実施例のロボット装置を例えば側面から示している。図1(a)の左下部には、このロボット装置制御に用いられる3次元(XYZ)座標系の座標軸を示してある。図示の通り、これら座標軸のうちZ軸は図の上方へ、またX軸は図の左方向へ向かうよう配置されている。図1(b)は、同ロボット装置のロボットアーム1を例えば後方(図1(a)の左方)から示している。図1(b)右下部にも同様の3次元(XYZ)座標系の座標軸を示してある。例えば、図1(a)に示したロボットアーム1の姿勢を初期姿勢とする。
図1(a)に示すように、ロボット装置はロボットアーム1(ロボット本体)と、ロボットアーム1を制御する制御装置91を含む。より詳細には、図4に示すように、制御装置91には指令装置94が接続され、これら制御装置91および指令装置94によってロボットアーム1(ロボット本体)の制御システム97が構成される。指令装置94は、例えばティーチングペンダントのような教示装置である。
指令装置94には、例えば、ロボットアーム1の関節の姿勢(位置や角度)、あるいはロボットアーム1先端などに配置された基準位置の位置などを移動させるための操作キーを含む操作部が配置される。指令装置94の操作部で何らかのロボット操作が行われると、指令装置94の操作に応じて、制御装置91はケーブル80(線材)を介して操作を介してロボットアーム1の動作を制御する。その際、制御装置91が後述の制御プログラムを含むロボット制御プログラムを実行することにより、ロボットアーム1の各部が制御される。
図1(a)、(b)に示したロボットアーム1は、複数リンクを例えばシリアルリンク形式で複数の関節(6軸)を介して相互に接続した構成を有するロボットアームである。ロボットアーム1の先端のリンク60にエンドエフェクタ70が接続されている。ロボットアーム1のリンク10、20、30、40、50、および60は、例えば各関節、本実施例では回転関節11、21、31、41、51、および61を介して次のように接続されている。
ロボットアーム1のベース100(基台部)とリンク10はZ軸方向の回転軸の周りで回転する回転関節11で接続されている。回転関節11は、例えば初期姿勢から約±180度の可動範囲を有するものとする。ロボットアーム1のリンク10とリンク20は回転関節21で接続されている。回転関節21の回転軸は、図示の状態ではY軸方向に一致している。この回転関節21は、例えば初期姿勢から約±80度の可動範囲を有するものとする。
ロボットアーム1のリンク20とリンク30は回転関節31で接続されている。この回転関節31の回転軸は、図示の状態ではY軸方向に一致している。回転関節31は、例えば初期姿勢から約±70度の可動範囲を有するものとする。ロボットアーム1のリンク30とリンク40とは、回転関節41で接続されている。この回転関節41の回転軸は、図示の状態ではX軸方向に一致している。回転関節41は、例えば初期姿勢から約±180度の可動範囲を有するものとする。
ロボットアーム1のリンク40とリンク50は回転関節51で接続されている。回転関節51の回転軸は、図示の状態ではY軸方向に一致している。この回転関節51は、例えば初期姿勢から約±120度の可動範囲を有するものとする。ロボットアーム1のリンク50とリンク60は回転関節61で接続されている。回転関節61の回転軸は、図示の状態ではX軸方向に一致している。この回転関節61は、例えば初期姿勢から約±240度の可動範囲を有するものとする。
以上のように、本実施例では、回転関節11、41、61の回転軸は、各々が結合する2つのリンクの中心軸(1点鎖線)と平行(ないしは同軸)に配置されて、この2つのリンクの回転軸廻りの(相対)角度を変化させることができるよう配置されている。一方、回転関節21、31、および51の回転軸は、これら各々が結合する2つのリンクの中心軸(同)の交差する(相対)角度を変化させることができるよう配置されている。
また、ロボットアーム1のリンク60の先端には、生産ラインにおいて組み立て作業や移動作業を行うための(電動)ハンドや(空気圧駆動の)エアハンドなどのエンドエフェクタ70が接続される。このエンドエフェクタ70は、リンク60に対してビス止めなどの(半)固定的な手段(不図示)によって装着されるか、あるいは、ラッチ(ラチェット)止めなどの着脱手段(不図示)によって装着可能であるものとする。特に、エンドエフェクタ70が着脱可能である場合は、ロボットアーム1を制御して、ロボット自身の動作によって供給位置(不図示)に配置されたエンドエフェクタを着脱ないし交換する方式も考えられる。
(ケーブル経路)
図1(a)、(b)のロボットアーム1の回転関節11〜61、ないしはエンドエフェクタ70は、例えば電気的な回転駆動源、例えばモータ(後述の92:図4)により駆動される。その場合、回転関節では、モータの他に波動歯車機構などを利用した減速機が用いられることがある。また、ハンドやグリッパのようなエンドエフェクタではラック&ピニオンのような減速ないしは駆動方向の変換機構が用いられることがある。回転関節11〜61(ないしエンドエフェクタ70)を駆動するモータは、各回転関節(ないしエンドエフェクタ70)の内部の所定位置に配置される。なお、本実施例では、これらのモータは関節内部に配置されるものとするが、モータ(ないしは減速機)は関節外部に配置されていてもよい。
回転関節11〜61の駆動手段がこのようにモータである場合、各モータを駆動するためのエネルギー(駆動電力)、ないしは制御信号の伝達のための伝達手段として(電気、ないし信号)ケーブルのような線材が必要である。
また、回転関節11〜61や、エンドエフェクタ70の駆動手段が、油(液)圧や空気圧を利用した圧力機構により構成される場合も考えられる。その場合は、これらロボットアーム1の各部、即ち回転関節11〜61や、エンドエフェクタ70に圧力信号から成る駆動エネルギーないしは制御信号を伝達する必要がある。この場合は、駆動エネルギーないしは制御信号の伝達のための伝達手段としては、好ましくはフレキシブルな圧力チューブのような線材が用いられる。
本実施例では、説明を容易にするため、回転関節11〜61(やエンドエフェクタ70)の駆動手段はモータであり、従ってこれら各部に駆動エネルギーないしは制御信号を伝達する伝達手段としての線材は、(電気)ケーブル80であるものとする。このケーブル80は、例えば制御装置91から各回転関節(あるいはエンドエフェクタ70)の間を連絡する複数の線材から成る、いわゆるワイヤハーネス(束線)構成とされる。
このケーブル80の配線(取り回し)経路は、図1(a)、(b)では破線によって示してある。ケーブル80(ないしそのハーネス)は、ベース100、各リンク10〜60のケーブル80はロボットアーム1の動作を妨げたり、周辺の装置に干渉したりしないようアームの内外に配設され、任意の場所で固定(ないしは半固定)する。
例えば、本実施例では、図1(b)に示すように、ケーブル80は、回転関節21(31)のほぼ回転軸上の位置で固定部材(例えば後述のケーブル固定部材81)によって固定(ないしは半固定)されている。
なお、ケーブル80(ないしそのワイヤハーネス)は、ベース100、各リンク10〜60の内部の空間に配置される場合も考えられるが、その場合でも後述の線材の変形時の反力を測定する力センサを用いた構成、および制御は同様に実施することができる。
(トルクセンサの配置)
本実施例は、ケーブル80の変形時の反力を測定する力センサを配置して、その検出結果を、特に回転関節11〜61の駆動制御に反映させることができるよう構成してある。例えば、ロボットアーム1の回転関節21の場合、回転関節21を駆動するモータ(不図示)の駆動トルク、即ち、このモータからリンク20に印加される回転駆動力を測定するトルクセンサ22が設けられる(図1(b))。このトルクセンサ22は、例えば回転関節21の内部に配置されたモータあるいはさらに減速機から成る駆動系の駆動軸上の所定位置に配置される。
なお、トルクセンサ22の構造や配置位置の詳細は不図示であるが、このような回転関節の回転駆動力を測定するトルクセンサ22に関しては公知の構造を利用してよい。また、他の回転関節11、31、41、51、61に関しても、それぞれトルクセンサ22と同様のトルクセンサ12、32、42、52、62(図4)が配置されるものとする。
また、本実施例では、同じ回転関節21に関して、図1(b)に示すようにケーブル反力測定部932を配置する。このケーブル反力測定部932の構造例は、図2によって後述する。
図1(b)では、回転関節21に関して設けられるトルクセンサ22(の位置)およびケーブル反力測定部932のみを図示している。しかしながら、他の回転関節11、41、51、61についても、同様の関節の回転駆動力を測定するためのトルクセンサ22と同様のトルクセンサを設けることができる。また、ケーブル反力測定部についても、他の回転関節11、41、51、61に関してケーブル反力測定部932と同様のケーブル反力測定手段を設けることができる。
回転関節21の回転駆動力を測定するためのトルクセンサ22は、上記の通り、回転関節21を駆動するモータあるいはさらに減速機などから成る駆動系の駆動軸上の所定位置に配置される。そして、上記のように、例えば回転関節21の軸上にケーブル80が(半)固定されるような構造では、モータにより回転関節21を駆動してその角度を変化させると、ケーブル80は回転関節21の両側で変形することになる。
従って、回転関節21の回転駆動力を測定するためのトルクセンサ22は、実際には、このケーブル80の変形時の反力と、回転関節21を駆動するモータの回転駆動力が合成されたトルクを検出することになる。
そこで、本実施例では、回転関節21に関して、ケーブル80の変形時の反力を検出するケーブル反力測定部932を設けている。このケーブル反力測定部932の出力を用いて、例えばトルクセンサ22の出力を回転関節21の駆動にフィードバックする駆動制御を補正することができる(後述の図7、図8)。
(力センサの構成)
図2に、回転関節21に関して設けるケーブル反力測定部932の構造例を示す。
図2において、ケーブル反力測定部932は、機械的には、ケーブル80をリンク10に固定するケーブル固定部材81と、ケーブル80の反力を受けて変形する変形部材82から構成されている。ケーブル固定部材81の構造の詳細は図示を省略しているが、例えば2枚分割の金属や樹脂から成る円盤状の部材から構成することができる。その場合、ケーブル固定部材81の2枚分割の部材の内側の対向面に図示のような位置でケーブル80を挟持(ないしガイド)して位置決めできるような溝を設けておく。
ケーブル固定部材81は、ケーブル80の特定部位を固定的に位置決めするものであってもよく、また、単に上記の溝(ないし透孔)で半固定的にケーブル80をガイドするような構造であってもよい。いずれの場合でも、例えば回転関節21を駆動してその角度を変更すると、ケーブル80を変形させることになり、その反力が回転関節21の回動軸廻りに働く。このため、前述のように、回転関節21に配置されたトルクセンサ22は、このケーブル80が変形する時の反力と回転関節21の駆動トルクの合力を検出することになる。
一方、変形部材82は、樹脂などから成る弾性変形可能な弾性部材から構成する。変形部材82は、回転関節21の回転軸上でケーブル固定部材81を保持するよう構成されており、このため、変形部材82は、回転関節21の位置において、上記のケーブル80が変形する時の反力に応じてねじれ変形することになる。この変形部材82の変形量を検出するため、本実施例では、変形部材82の所定部位(たとえば表面)に変形部材82の変形量を計測するセンサ83を装着している。このセンサ83は、例えば歪みゲージなどの検出素子から構成することができる。
センサ83の出力、即ち、ケーブル反力測定部932の出力は、信号ケーブル87を介して制御装置91に送出される。信号ケーブル87は、ケーブル80の一部として、ケーブル80を構成するワイヤハーネスに収容することができる。なお、その場合は、回転関節21の位置においてケーブル80が変形する時の反力には信号ケーブル87が変形する時に発生する反力の成分も含まれることになる。
制御装置91は、信号ケーブル87を介して送信されたケーブル反力測定部(932)で検出したケーブル80の反力(以下、ケーブル反力と略記する)の計測データを用いて、ロボット制御、特に当該関節の駆動制御を行うことができる。例えば、ケーブル反力測定部932で検出した回転関節21の位置において発生しているケーブル反力を用いて回転関節21に設けたトルクセンサ22が検出している測定トルクを補正することができる。
例えば、回転関節21で実際に発生している関節駆動トルクを、所望の値に制御するような技術では、トルクセンサ22の出力値をケーブル反力測定部932の出力値で補正する。これにより、トルクセンサ22の出力値に外乱として含まれているケーブル反力の成分を除去することができ、正確な関節トルク制御が可能となる。このような関節の駆動制御の補正処理例の詳細については後述する。
なお、本実施例においては、ケーブル反力測定部932(の変形部材82、ケーブル固定部材81ないしセンサ83)は、ケーブル80の変形により生じる、回転関節の回転軸と同じ軸上のねじれ方向の反力を測定できるよう設置する。これは、ケーブル反力測定部の出力により回転関節の回転駆動トルクを検出するよう配置されたトルクセンサ22の出力を補正するために必要な要件である。
(反力測定部の配置)
図2は、回転関節21に関するケーブル反力測定部932の構成のみを示しているが、同様の構成は、同様にケーブル80の固定部が必要な他の回転関節11、31、41、51、61などに必要に応じて配置することができる。これにより、ケーブル80の固定部を有する各回転関節において、その位置で発生しているケーブル反力を測定することができ、その測定値を当該の回転関節の駆動制御にフィードバックすることができる。
図3にロボットアーム1の各回転関節(11〜61)に関して、ケーブル反力測定部931、932、933、934、935、および936を設けた配置例を示す。これらのうち、回転関節31、51は、結合する2つのリンクと関節の回転軸が直角ないし交差する回転関節21と同様の構造である。従って、回転関節31、51に関して配置するケーブル反力測定部933、935は、例えば、図2に示したケーブル反力測定部932と同様に構成することができる。
一方、回転関節11、41、61については、結合する2つのリンクの中心軸に一致するよう関節の回転軸が配置され、これらの回転関節を駆動することにより2つのリンクの関節回転軸まわりの(相対)角度が制御される。このような構成においても、例えば関節の一部にケーブル80が位置決めされていれば、回転関節11、41、61の駆動により、ケーブル80が変形すると、これら回転関節11、41、61と同軸廻りに回そうとするケーブル反力が発生する。
両側のリンクと同軸の回転関節11、41、61に設けるケーブル反力測定部931、934、936も、これら回転関節の駆動トルクを検出するトルクセンサ(不図示)の回転方向と同じ回転軸上でねじれるケーブル反力を測定する必要がある。このため、ケーブル反力測定部931、934、936も、図2のケーブル反力測定部932と同様に、図変形部材82に相当する変形部材は、これら回転関節の回転軸と同じ軸でケーブル反力を受けてねじれ変形するよう設置する。
そのために好適な構造としては、例えばリンク同軸の回転関節11、41、61ではその内部にケーブル80を通すものとし、接続されるいずれかのリンクの内側にケーブル反力測定部931、934、936を配置する。その場合、ケーブル反力測定部931、934、936として、例えば図2に示したケーブル固定部材81、変形部材82、およびセンサ83から成る構成を回転関節11、41、61で接続されるリンクの内側に配置して構成する。この時、センサ83を配置した変形部材82と、ケーブル固定部材81の中心(図2の1点鎖線)は中空とし、それぞれ管状(ないし円環状)に形成し、その中空部分にケーブル80を通過させ、その一部をケーブル固定部材81に固定する。この時、ケーブル80をケーブル固定部材81に固定するには、接着や、かしめ用のシュー部材をケーブル固定部材81の外周からビスなどによりケーブル80に押圧する、といった任意の構造を利用できる。変形部材の例えば表面には、図2と同様の姿勢でセンサ83を設置する。
以上のようにして、回転関節21、31、51の場合と同様に、回転関節11、41、61の関節軸と同軸廻りに働くケーブル反力を測定するケーブル反力測定部931、934、936を構成することができる。そして、上記のように構成したケーブル反力測定部931、934、936により、各関節の回転駆動トルクを各々検出するトルクセンサに外乱として働く回転関節の回転軸と同じ軸廻りの方向のケーブル反力の成分を測定することができる。
なお、以上に説明した各回転関節のケーブル反力測定部931〜936は、回転関節21、31、51ではロボットアーム1(リンク)の外側に、回転関節11、41、61ではアーム(リンク)の内側にケーブル80を配設するようになっている。このようにケーブル80はロボットアーム1の内外を縫うように配置されていてもよく、その場合、ロボットアーム1のリンク上の適当な場所に設けた透孔を介してリンク内外にケーブル80が出入りするよう配設することができる。
(制御装置)
図4は、本実施例のロボット装置の制御系の構成例を示している。図4において、ロボット装置の制御システム97は制御装置91(図1(a))と指令装置94により構成されている。制御装置91は、図4の右側に示した下記の各部を制御することにより、ロボットアーム1の動作を制御する。
図4では、上述の回転関節11、21、31、41、51、61を駆動する各モータはモータ92の1ブロックにより示してある。モータ92は、たとえばサーボモータであり、各回転関節のモータ92には関節回転角を位置制御するために回転角を検出するエンコーダ95が(それぞれ)併設される。より詳細には、エンコーダ95はモータ92の出力軸、ないしはその回転出力を減速する減速機の出力軸、あるいはこれら出力軸の双方に配置される。
また、例えば回転関節11、21、31、41、51、61の回転駆動トルクの制御(例えばトルクサーボ)のために、上述のトルクセンサ12、22、32、42、52、62が各回転関節の駆動系(不図示)の一部に配置されている。これらトルクセンサ12、22、32、42、52、62も、図4では1ブロックによって図示されている。
さらに、回転関節11、21、31、41、51、61に関して、上述のケーブル反力測定部931、932、933、934、935、936が配置されている。これらケーブル反力測定部931、932、933、934、935、936も、図4では1ブロックによって図示されている。
制御装置91は、各関節のエンコーダ95を用いて、各関節の回転角(姿勢)を検出し、例えばエンドエフェクタ70が所定の位置姿勢を取るように、ロボットアーム1の全体の位置姿勢を制御することができる。また、制御装置91は、トルクセンサ12、22、32、42、52、62により検出した各関節の駆動トルクに基づき、各関節のモータ92の駆動エネルギーを制御(例えばPWM制御など)することにより、各関節の駆動トルクを所望の値に制御する。これにより、例えば、エンドエフェクタ70でワークを操作する際にワークの物性(例えば剛性や強度)に応じた力がワークに加わらないように制御する、といった制御が可能となる。
これらエンコーダ95を用いた位置(姿勢)制御、およびトルクセンサ12、22、32、42、52、62を用いたトルク制御(トルクサーボ)のそれぞれは公知の制御である。例えば、制御装置91は、特定の回転関節について、予めプログラムされた(あるいは指令装置94により指定された)回転角度、ないしは関節駆動トルクの目標値と、エンコーダ95およびトルクセンサ12〜62の実測値を用いてモータ92を制御する。その場合、制御装置91が目標値と実測値が一致するように制御を行うことによって、所期のロボット動作を実現する。
本実施例では、さらに、トルクセンサ12、22、32、42、52、62を用いたトルク制御(トルクサーボ)に、上述のケーブル反力測定部931、932、933、934、935、936で検出したケーブル反力の測定値を反映させることができる。
上述のように、ケーブル反力測定部931、932、933、934、935、936は特に各関節のトルクセンサと同じ回転軸廻りに外乱として働くケーブル反力(のみ)を検出することができる。一方、トルクセンサ12、22、32、42、52、62は、各回転関節の駆動系の一部に配置されるため、機構上、モータ92の駆動トルクと上記ケーブル反力の合力を測定することになる。従って、例えば、後述のようにトルクセンサ12、22、32、42、52、62を用いたトルク検出値を、ケーブル反力測定部931、932、933、934、935、936で検出したケーブル反力を用いて補正することができる。これにより、ケーブル反力の外乱成分を除去し、各回転関節に関して正確なトルク制御(トルクサーボ)を実施することができる。
なお、より詳細には、制御装置91は、例えば図9に示すように、汎用マイクロプロセッサなどを用いたCPU601を中心として構成することができる。図9において、制御装置91は、例えばCPU601と、各部を制御するためのロボット制御プログラムを記憶するROM602と、データを一時的に記憶するRAM603と、インタフェース回路604、605から構成することができる。
ROM602は、後述のようなトルク制御を含むロボット制御プログラムを記憶するコンピュータ(CPU601)により読み取り可能な記録媒体に相当する。CPU601は、例えばROM602に格納されたロボット制御プログラムを実行することにより、後述のようなトルク制御を含むロボット制御を実行する。
なお、ROM602の一部は、E(E)PROMのような書き換え可能な不揮発領域により構成できる。その場合、不図示のフラッシュメモリや光ディスクのようなコンピュータ読み取り可能な記録媒体や、ネットワークなどを介して取得したロボット制御プログラムを新たに上記書き換え可能な不揮発領域にインストールすることができる。また、上記書き換え可能な不揮発領域に格納されているロボット制御プログラムは、上記コンピュータ読み取り可能な記録媒体や、ネットワークなどを介して取得したデータによって更新することもできる。
インタフェース回路604は、例えば指令装置94との間のデータ入出力に用いることができる。また、インタフェース回路605は、例えば上述のモータ92、エンコーダ95、トルクセンサ12、22、32、42、52、62、およびケーブル反力測定部931、932、933、934、935、936との間のデータ入出力に用いることができる。
ロボットアーム1の動作指令を与える指令装置94には、不図示の記憶装置(例えばRAM、ROMや外部記憶装置)があり、この記録装置には、製品組み立てなどを行うのに必要なロボットアーム1のロボット制御情報が記録されているものとする。このロボット制御情報は、例えば複数の教示点データ、あるいはロボット制御プログラムの書式などによって記述される。また、このロボット制御情報の記憶装置は、指令装置94側ではなく、制御装置91側のRAM603やROM602、あるいは不図示の外部記憶装置(例えばHDDやSSD)によって構成することもできる。
作業者は、指令装置94を操作して、予め作成された上記のロボット制御情報の実行(再生)を指定することにより、ロボットアーム1に予めプログラムした動作を行わせることができる。また、指令装置94がティーチングペンダントなどの教示装置である場合には、指令装置94の関節の動作をジョグ操作方式などにより指令する操作キーを操作して、ロボットアーム1に対話的に任意の動作を行わせることができる。その場合、順次実行させた動作を上記の記憶装置にロボット制御情報として記憶させることもできる。上記のロボット装置の教示操作や、ロボット制御情報の格納方式については公知技術であるため、ここでは上記以上の詳細な説明は省略する。
本実施例では、制御装置91は、トルクセンサ12〜62の測定誤差(外乱)として作用するケーブル反力(のみ)をケーブル反力測定部931〜936で測定できる。そして、例えば、ケーブル反力測定部931〜936で測定したケーブル反力成分をトルクセンサ12〜62の測定値から差し引く補正制御を行うことができる(後述の図8)。このようにトルクセンサ12〜62の出力値からケーブル反力の成分を差し引く補正演算を行うことにより、各モータ92が減速機(不図示)を介して当該関節の手先側のリンクに実際に与えているトルクの実際値をより正確に算出することができる。そして、ケーブル反力を除去して得たトルク値と、指令装置94から関節で生じるトルク目標値が一致するように制御を行うことによって、より正確にロボットアーム1の関節のトルク(サーボ)制御を実行することができる。なお、制御装置91のCPU601で実行可能なロボット制御の実例については後述の実施例3で説明する。
以上のように、本実施例では、回転関節11、21、31、41、51、61に関して、ケーブル反力測定部931〜936をそれぞれ設けている。そして、ケーブル反力測定部931〜936の出力を用いて各関節の駆動トルクを測定するトルクセンサ12〜62の出力を補正する補正演算を実施することができる。
従来のロボット装置の回転関節のトルク制御においては、トルク制御性を向上させるため、関節にトルクセンサを設置して駆動トルク値を検出して当該関節のモータ制御にフィードバックするトルク制御が行われていた。このようなトルク制御(サーボ)では、理想的には、トルクセンサ12〜62の測定値は関節がリンクに与えているトルクのみを測定する必要がある。しかしながら、ロボットアーム1の内外に沿ってケーブル80を配設する場合、ロボット動作に伴うケーブル80の変形により生じるケーブル反力がトルクセンサ12〜62の測定値に誤差を生じさせる問題があった。
これに対して、本実施例では、ケーブルが変形することで生じる反力をケーブル反力測定部931〜936で測定し、トルクセンサで測定したトルク値を補正することで、誤差の少ない値をフィードバックすることができる。これにより、従来は、トルクセンサの誤差によって不可能であった微小な力の範囲で関節のトルク制御を行うことができるようになり、特に微小重量の微細な部品を力(トルク)制御を作用させて組み立てることができるようになる。
これにより、従来、特別に設計、製造された専用装置を用いる必要なく、汎用的な多関節ロボットを力(トルク)制御で用いることにより、従来はこの種のロボットで不可能であった微細部品の製造、組み立てを行うことができる。
また、回転関節に配置したトルクセンサで検出したトルク値は、ロボットアームの振動抑制に利用されることがある。特に、多関節のロボットアームでは、動いている状態から停止した時のエンドエフェクタ70の振動が問題になる事がある。例えば、ロボットアーム先端の位置がオーバーシュートし、エンドエフェクタが他の部材に緩衝、接触するなどした状況において、振動が停止するまでの待ち時間が組み立て時間短縮のネックになる場合がある。
上記のロボットアーム1において、各関節に設けたトルクセンサ12、22、32、42、52、62はこの振動問題に対処するために利用することができる。例えば、トルクセンサ12、22、32、42、52、62で、当該の関節に生じているトルクを計測し、そのトルクを打ち消すように当該関節を駆動するモータ92を駆動する制御を行うことにより、ロボットアーム1の振動を抑えることができる。
そして、本実施例によれば、トルクセンサ12、22、32、42、52、62の出力値から、ケーブル反力測定部931、932、933、934、935、936によって、各関節で生じているケーブル反力を外乱として除去することができる。このため、当該関節が支持しているリンクに生じている実トルク値を極めて精度良く測定でき、この実トルク値をロボットの振動抑制にフィードバックすることにより、振動抑制の性能を大きく向上することができる。
ロボットアーム1の回転関節に関して配置するケーブル反力測定部については、異なる構成が考えられる。本実施例においても、上記実施例1において、図4、図9などに示したロボット装置の制御系の構成は同様であるものとする。また、本実施例および後述の実施例では、上記実施例1と同一ないし相当する部材には同一(ないしは類似の)参照符号を用い、その詳細な説明は省略するものとする。
(力センサの配置)
図5に本実施例のロボットアーム1と、回転関節11、21、31、41、51、61に関して配置されたケーブル反力測定部931〜936の構成を示す。
本実施例では、リンク同軸の構成を有する回転関節11、41、61に関して設けられるケーブル反力測定部931、934、936の構造は、上述の実施例1で説明したものと同様であるものとする。これらケーブル反力測定部931、934、936の変形部材(82)は、ケーブル80の変形に伴って生じるケーブル反力によって各関節軸と同じ軸でねじれ変形するよう設置される。
一方、ケーブル80は、ケーブルクランプ961、962、964などにより、リンク10、20、40のほぼ半ばの位置でこれらのリンクに固定され、これによりロボットアーム1に沿うように配設される。なお、これらケーブルクランプによるケーブル80の固定個所は、ロボットアーム1の動きに干渉せず、またケーブル80に過度な張力が加わりケーブル断線などの問題が生じない場所であれば、上記以外の任意の場所でかまわない。
そして、本実施例では、両側のリンクの中心軸のなす相対角度を制御するように配置された回転関節21、31、51に関して配置するケーブル反力測定部932、933、935の構成が上記実施例1とは異なっている。本実施例では、ケーブル反力測定部932、933、935は、回転関節21、31、51の回転軸と同軸上以外の位置に設置されている。
なお、ケーブル反力測定部931、934、936の位置では、前述のようにケーブル80はリンク内部を通過する必要がある。そこで、例えば次に例示するような態様で、ケーブル80をロボットアーム1の内外を縫うように配設することが考えられる。
例えば、ケーブル反力測定部931に関しては、ケーブル80はベース100およびリンク10の内部を通過させ、ケーブルクランプ961の近傍でリンク10に設けた透孔(不図示)からケーブル80をリンク10の内側から外側に導出する。
また、ケーブル反力測定部934に関しては、ケーブル反力測定部933でクランプされている部位よりアーム先端側に近いケーブル80の部位をリンク30に設けた透孔(不図示)を介してリンク30内に導入し、ケーブル反力測定部934を通過させる。そしてリンク40に設けた透孔(不図示)を介して再度リンク40の外部にケーブル80を導出し、その先をケーブルクランプ964で保持させる。その先の部位で、ケーブル80はケーブル反力測定部935により支持され、再度リンク50に設けた透孔(不図示)を介してリンク50内部に導入し、ケーブル反力測定部936を通過させるようにする。
ケーブル反力測定部931、934、および936の構成が実施例1で示したものと同様であるのに対して、ケーブル反力測定部932、933、および935の構成は実施例1のものと異なっている。これらケーブル反力測定部932、933、および935の構成につき、以下、ケーブル反力測定部932を例に説明するが、ケーブル反力測定部932の構成はケーブル反力測定部933、935でも同様であるものとする。
ケーブル反力測定部932は、基部9321と、ケーブル80の固定およびケーブル反力の検出部を構成するセンサ部9322から成る(図5)。ケーブル反力測定部932の基部9321は、リンク20と固着される基台部で、基部9321の先端に腕木状のセンサ部9322が、例えばリンク20の表面とは離間した状態で支持される。
センサ部9322の構造は、概ね、図2に示したケーブル固定部材81および変形部材82から成る構造と同じでよい。ケーブル固定部材81は、実施例1において説明したケーブル反力測定部932の場合(図2)と同様に、変形部材82およびケーブル固定部材81の長手方向と交差する方向でケーブル2を保持する。変形部材82は、実施例1の場合と同様に樹脂などの弾性変形可能な材料から構成する。図2においてリンク10として示した部位は、本実施例のケーブル反力測定部932の場合は、基部9321に置き換えられる。
また、本実施例のケーブル反力測定部932の配置によると、下記のように変形部材82は例えば3方向の力の成分を検出することができる。このため、変形部材82には下記の複数(3)方向の力の成分を検出できるよう、当該の方向の変形部材82の変形を検出するセンサ83(例えば歪みゲージなど)を複数配置することができる。
以上のような構成により、ケーブル反力測定部932、あるいは933、935は、3方向への力を測定することができる。理解を容易にするため、図5中のロボットアーム1の姿勢に限って、3次元座標軸の方向でこれら3つの力の成分を記載すると、1つ目はX方向の並進力、2つ目はZ方向の並進力、そして3つ目はY軸周りのねじり力(トルク)である。
本実施例によれば、特に実施例1と異なる構成を有するケーブル反力測定部932、あるいは933、935は、少なくとも上記のような3つの方向の力の成分を含むケーブル80のケーブル反力を測定できる。このため、より複雑なケーブル80の変形に伴う、より複雑なケーブル反力を測定し、ロボットアーム1の制御にフィードバックすることができる。
また、ケーブル反力測定部932、933、935は、回転関節の回転軸以外の場所に取り付けることができ、ケーブル80を配線する経路の自由度が増す。これにより、ケーブル80の断線などのトラブルを回避しやすい場所を経路として選択することができ、ロボット装置の信頼性を向上させることができる。
また、ケーブル80の経路の自由度が増すことにより、例えば撓んだケーブル80の部位などを含むロボットアーム1の実質的な外形のサイズが小さくなるようケーブルの経路を選ぶことができる。これによりロボット装置のサイズをコンパクトにすることができる。一般に、この種の垂直多関節のロボット装置の関節部位はモータ、減速機など複数の機械要素が配置されていてサイズが大きくなりやすい場所である。その関節部位にさらにケーブル反力測定部を設置ことで、関節部位の小型軽量化かなり難しくなってくる。これに対して、ケーブル反力測定部932、933、935のように、回転関節以外の部位にこれら測定部を装着できれば、特に関節部位の構造を簡略化でき、また、それによりロボット装置全体を小型軽量化することができる。
本実施例では、上述の制御装置91のCPU601で実行可能なロボット制御手順(ロボット制御プログラム)の例をいくつか例示する。図7、および図8は、それぞれ制御装置91のCPU601で実行可能なロボット制御手順(ロボット制御プログラム)の流れを示している。図7の制御例は、ケーブル反力測定部931、932、933、934、935、936により測定したケーブル反力に応じて、指令装置94による回転関節を駆動するための指令値を補正するものである。また、図8の制御例は、ケーブル反力測定部931、932、933、934、935、936により測定したケーブル反力に応じて、トルクセンサ12、22、32、42、52、62の出力値をフィードバックして行うトルク制御を補正するものである。図7、図8の制御は、理解を容易にするため、特定の1つの回転関節に係る制御に単純化して図示してある。図7、図8に示した制御は、CPU601が実行するロボットプログラムの一部として例えばROM602などに格納しておくことができる。
特に、図8(あるいは図7も同様)の制御は、回転関節の駆動トルクを測定するトルクセンサ12、22、32、42、52、62の出力値を用いた制御に係るものである。このため、トルク制御に用いるケーブル反力値には、例えば実施例1のように配置され、回転関節の回転軸廻りのケーブル反力を測定するケーブル反力測定部931、932、933、934、935、936で検出した検出値を用いるのが好適である。ただし、実施例2のケーブル反力測定部932、933、935のような構成でも、適当な演算により回転関節の軸廻りのトルク(力)を取得できる場合には、図8(図7も同様)の制御を実施することができる。
指令装置94はロボットアーム1の回転関節11、21、31、41、51、61の位置ないし姿勢に係る指令値を制御装置91に送信できるものとする。ここで図7の制御は1関節に係る制御として示してあるが、制御装置91が指令装置94から指令値を受信すると、受信した指令値に応じて当該の駆動制御を行うための指令値を当該関節のモータ92に送信する。
図7において、CPU601はステップS74において指令装置94から、同図の制御に係る回転関節の駆動制御に係る指令値を受信すると、ステップS75において、受信した指令値に係る回転関節(上記回転関節のいずれか)の回転方向を判定する。回転関節の制御に用いられるこの種の指令値、特に回転角度に係るものは、例えばその回転関節のある特定の回転方向に関する指令値は正(+)、その逆の回転方向に関する指令値は負(−)の符号により表現される。そこで、例えばステップS74において受信した指令値の符号などを解釈することにより、指令値に相当する回転関節の回転方向が正(+)か負(−)(あるいは正方向か逆方向)のいずれであるかを判定できる。
同時に、CPU601はステップS71で図7の制御に関係する回転関節に関して設けられたケーブル反力測定部から、出力するケーブル反力の測定値を取得する。さらに、ステップS72ではケーブル反力測定部の出力した測定値(例えばその符号)から、当該の関節が支持しているケーブル80の荷重の方向を判定する。ステップS71、S72のケーブル反力測定部との入出力と荷重方向判定、および、ステップS74、S75の指令装置94との入出力と動作方向判定は、例えばハードウェア割り込みなどを利用して並行的に実行することができる。
例えば、図2に示すように構成されたケーブル反力測定部932の場合、ケーブル80の変形に起因して回転関節21により支持されているリンク20とリジッドに結合された回転関節軸に印加されるケーブル反力を測定することができる。このケーブル反力(荷重)も当然ながらこの関節の回転方向と同様に正(+)か負(−)(あるいは正方向か逆方向)の回転方向を有する。CPU601は、ステップS72において、この回転方向をケーブル反力測定部932の変形部材82ないしセンサ83の変形方向を介して検出する。
ステップS76では、ステップS75、S72でそれぞれ特定した指令装置94の指令値に係る回転関節の動作方向と、当該関節に関してケーブル反力測定部で特定したケーブル反力の方向の一致または不一致を判定する。
そして、両者の方向が一致(S77)している場合には、ケーブル反力が当該関節を駆動するモータ(92)の駆動力をアシストしていることになる。この場合は、ステップS79に進み、指令装置94の指令に応じて当該関節のモータ(92)に送信する指令値を、ケーブル反力の大きさに応じた量、小さくする補正を行う。
一方、ステップS76で両者の方向が不一致(S78)の場合には、ケーブル反力が当該関節を駆動するモータ(92)の駆動力に抵抗する方向に働いていることになる。この場合は、ステップS80に進み、指令装置94の指令に応じて当該関節のモータ(92)に送信する指令値を、ケーブル反力の大きさに応じた量だけ大きくする補正を行う。
一方、図8は、ケーブル反力測定部931、932、933、934、935、936により測定したケーブル反力をトルクセンサ12、22、32、42、52、62の出力値を用いたトルク制御に作用させる場合の制御例を示している。図8の制御では、予め用意されたロボット制御プログラム(不図示)に基づき、図示の制御手順に係る回転関節の指令値が定められ、その指令値をモータ(92)に送り、当該関節を駆動する処理(不図示)が並行して実行されているものとする。
図8のステップS83において、CPU601は同図の制御に係る回転関節に設けられたトルクセンサ(12、22、32、42、52、62のいずれか)の測定データを取得し、ステップS84では当該関節の回転方向を判定する。ステップS84の回転方向の判定では、上記制御により別途発生されている当該関節のモータ92の指令値(の符号)を用いてもよく、また、当該関節に係るトルクセンサの出力値の符号を用いてもよい。
一方、ステップS81では、図8の制御に関係する回転関節に関して設けられたケーブル反力測定部から、出力するケーブル反力の測定値を取得する。さらに、ステップS82ではケーブル反力測定部の出力した(例えばその符号)測定値から、当該の関節が支持しているケーブル80の荷重の方向を判定する。ステップS81、S82のケーブル反力測定部との入出力と荷重方向判定、および、ステップS83、S84の指令装置94との入出力と動作方向判定は、例えばハードウェア割り込みなどを利用して並行的に実行することができる。
ステップS86では、図7のステップS76と同様にステップS84、S82でそれぞれ特定した回転関節の動作方向と、当該関節に関してケーブル反力測定部で特定したケーブル反力の方向の一致または不一致を判定する。
そして、両者の方向が一致(S87)している場合には、当該関節に係るトルクセンサは、当該関節に係るケーブル反力測定部で実測したケーブル反力を含んだ値を出力していることになる。即ち、実際にこの関節のモータ(92)が発生している関節駆動トルクは、トルクセンサで検出している値よりも小さいはずである。この場合は、ステップS89に進み、真の(実)関節駆動トルクを演算するために、当該関節に係るトルクセンサの出力値から、当該関節に係るケーブル反力測定部で実測したケーブル反力の値を減算する補正を行う。
一方、ステップS86で両者の方向が不一致(S88)の場合には、当該関節に係るトルクセンサは、当該関節に係るケーブル反力測定部で実測したケーブル反力の分が減算された値を出力していることになる。即ち、実際にこの関節のモータ(92)が発生している関節駆動トルクがトルクセンサで検出している値よりも大きいはずである。この場合は、ステップS90に進み、真の(実)関節駆動トルクを演算するために、当該関節に係るトルクセンサの出力値に当該関節に係るケーブル反力測定部で実測したケーブル反力の値を加算する補正を行う。
続いて、ステップS91で、ステップS89、S90においてケーブル反力の分を補正した真の(実)関節駆動トルク値を用いて、当該関節のモータ(92)に与える関節駆動トルクの指令値を演算する。ステップS91のトルク制御演算の目的の1つは、例えば上述のようにエンドエフェクタ70により微細な部品(ワーク)などを取り扱う場合のトルク制限などが考えられる。この場合は、例えば、当該関節の駆動トルクが所定値を超えないように指令値を演算する。ステップS91のトルク制御演算では、上述のようにロボットアーム1の振動を抑制するための指令値演算を行うこともできる。
ステップS92では、ステップS91のトルク制御演算の結果、得られた指令値を当該関節のモータ(92)に送信する。
以上、図7、図8に示したように、回転関節(11〜61)に関して設けたケーブル反力測定部(931〜936)により測定したケーブル(80)の反力値に基づき、当該の関節を駆動する駆動源としてのモータ(92)を駆動制御することができる。上記のようにケーブル反力測定部(931〜936)は、ケーブル(80)のケーブル反力(のみ)を検出するよう構成することができる。
このため、図7の制御では、ケーブル反力測定部(931〜936)により測定したケーブル(80)のケーブル反力の方向と当該関節の動作方向の関係に応じて、当該関節の駆動源としてのモータ(92)の指令値を補正することができる。例えば、例えばケーブル反力が当該関節の関節動作を補助しているか、あるいは関節動作に抵抗しているかに応じて、当該関節の駆動源としてのモータ(92)の指令値を補正することができる。
また、図8の制御では、回転関節(11〜61)に関して設けたトルクセンサ(12〜62)の検出した回転駆動トルク値に外乱として含まれているケーブル(80)のケーブル反力の成分を除去して、真の(実)回転駆動トルク値を検出できる。上述のようにケーブル反力測定部(931〜936)ケーブル(80)のケーブル反力(のみ)を検出するよう構成することができるため、このようなトルク制御が可能となる。そして、ケーブル反力の成分を除去した真の(実)回転駆動トルク値を用いて、力(トルク)制限や振動抑制などの目的に即して、正確に当該関節の駆動源としてのモータ(92)の指令値を補正することができる。
以上のように、ロボットアーム(1)の少なくとも回転関節の駆動源に駆動信号を伝達する線材としてケーブル(80)に関し、ケーブル(80)の変形に伴うケーブル反力を測定するケーブル反力測定部(931〜936)を配置することができる。ケーブル反力測定部(931〜936)は、ロボット動作に伴うケーブル(80)の変形時に回転関節に印加される反力(のみ)を測定する力センサとして作用する。このため、ケーブル反力測定部(931〜936)で測定したケーブル反力を回転関節の駆動源としてのモータ(92)の駆動制御にフィードバックすることにより、位置制御やトルク制御を含む高精度なロボット制御を行うことができる。即ち、ケーブル反力測定部(931〜936)により、ロボット装置の関節(あるいはエンドエフェクタ)との駆動信号の伝達に用いられる線材であるケーブル(80)のの反力を測定し、その測定値を用いて高精度なロボット制御を行うことができる。
なお、回転関節11〜61に関して配置したトルクセンサ12〜62で測定した回転駆動トルクをモータ92への動作指令値にフィードバックする場合、上述のような力(トルク)制御のみならず位置制御にフィードバックすることも考えられる。例えば、トルクセンサ12〜62で測定した回転駆動トルクに基づき、ロボットアーム1のエンドエフェクタ70の位置ずれを検知して、その位置ずれに応じたモータ92の駆動量(位置制御指令)にフィードバックすることが考えられる。このようにエンドエフェクタ70の位置精度が高くなるという効果がある。なお、トルクセンサ12〜62で測定した回転駆動トルクをモータ92への位置制御指令にフィードバックする場合には、動作指令値として指令している位置(例えば回転角)を調整する制御や、位置指令のゲインを変更する制御が考えられる。
(変形例など)
上記の各実施例では、6軸のシリアルリンク構成の垂直多関節ロボットアームを例示したが、関節数やリンク構成は上記の構成に限定されない。例えば、ロボットアームは7軸の多関節、あるいはより少ない関節数で構成されていともよい。また、水平多関節構成のロボットアームや、パラレルリンク構成のロボットアームにおいても、上述と同様の構成、および制御を実施することができる。その場合、上述と同様に駆動信号の伝達部材としての線材が変形した時に生じる反力を測定してフィードバックすることで力制御性、ないし位置制御性を向上させることができる。
また、以上では、(回転)関節を駆動する駆動系としてモータ(92)や減速機を用いた構成を例示した。しかしながら、(回転)関節駆動に油圧(や空気圧)駆動のアクチュエータを用いるような構成においても、上述同様のトルクセンサやケーブル(線材)反力測定部を配置し、これらを用いてロボット制御を行うことができる。その場合、以上に示した電気信号を伝達するケーブル(80)は、必要に応じてフレキシブルな圧力チューブのような線材に置換される。
なお、実施例1の図2では、ケーブル反力測定部(932)の構成として、ケーブル固定部材81、変形部材82、センサ83から成る構造を明示的に示した。しかしながら、ケーブル反力測定部は、例えば図6に示すように図2のセンサ83と変形部材82を一体化した荷重センサ84によって構成してもよい。この荷重センサ84は、図2に示した、変形部材82中にセンサ83を内蔵ないし埋設して成るもので、先端にはケーブル固定部材81が装着され、その表面から測定値を出力するためのケーブル87が導出されている。このように、ケーブル反力測定部の具体的な構成については、当業者において任意の設計変更が可能である。また、ケーブル反力測定部を設置する場所に関しても、当業者において任意の設計変更が可能であり、ケーブル反力を測定できる位置であれば、上述の実施例で例示した位置以外に任意に変更することができる。
本発明の制御は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してロボットシステムまたはロボット装置に供給することができる。そして、そのロボットシステムまたはロボット装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1…ロボットアーム、31〜36…トルクセンサ、80…ケーブル、91…制御装置、931〜936…ケーブル反力測定部。

Claims (10)

  1. ロボットアームを構成する複数のリンクと、前記リンクを相互に接続する関節と、前記関節を駆動する駆動源と、前記リンクに沿って配置され少なくとも前記駆動源に駆動信号を伝達する線材と、前記駆動源を制御する制御装置と、を備えたロボット装置において、
    前記線材の変形時に前記線材から前記関節に印加される反力を測定する力センサを備え、
    前記制御装置は、前記力センサの出力する反力値に基づき前記関節を駆動する前記駆動源を駆動制御することを特徴とするロボット装置。
  2. 請求項1に記載のロボット装置において、前記関節が回転関節、前記駆動源が回転駆動源であり、前記関節は当該関節の回転駆動トルクを測定するトルクセンサを備え、
    前記制御装置は、前記トルクセンサで測定したトルク値、および前記力センサで測定した前記関節の回転軸廻りの前記反力値に基づき、前記駆動源の回転駆動トルクを制御するトルク制御を実行することを特徴とするロボット装置。
  3. 請求項1または2記載のロボット装置において、前記力センサが前記関節の回転軸に設置されることを特徴とするロボット装置。
  4. 請求項1または2記載のロボット装置において、前記力センサが前記リンクに設置されることを特徴とするロボット装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のロボット装置において、前記線材により伝達される駆動信号が電気信号であることを特徴とするロボット装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のロボット装置において、前記線材が前記ロボットアームの外側または内側に設置されることを特徴とするロボット装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のロボット装置の前記ロボットアームに装着可能なエンドエフェクタであって、前記ロボットアームに装着された時、前記線材と接続されることを特徴とするエンドエフェクタ。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のロボット装置の制御装置に、前記のロボット制御を実行させることを特徴とするロボット制御プログラム。
  9. 請求項8に記載のロボット制御プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  10. ロボットアームを構成する複数のリンクと、前記リンクを相互に接続する関節と、前記関節を駆動する駆動源と、前記リンクに沿って配置され少なくとも前記駆動源に駆動信号を伝達する線材と、前記駆動源を制御する制御装置と、を備えたロボット装置の制御方法において、
    前記制御装置が、前記線材の変形時に前記関節に印加される反力を力センサによって測定する測定工程と、
    前記制御装置が、前記測定工程で測定した反力の測定値に基づき、前記関節を駆動する前記駆動源を駆動制御する制御工程を含むことを特徴とするロボット装置の制御方法。
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