JP2023061647A - ロボットシステム、ロボットシステムの制御方法、ロボットシステムを用いた物品の製造方法、低摩擦部材、制御プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

ロボットシステム、ロボットシステムの制御方法、ロボットシステムを用いた物品の製造方法、低摩擦部材、制御プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 ロボットに設けられた線材が、力の情報を取得するセンサに影響を与えることを低減する。【解決手段】 回転または揺動するリンクを有するロボット本体と、線材と、部材と、を備え、部材は、リンクと線材との間に配置され、前線材が部材に接触した状態で発生する第1摩擦力は、線材がリンクに接触した状態で発生する第2摩擦力より小さい、ことを特徴とするロボットシステムを採用した。【選択図】 図8

Description

本発明は、ロボットに関する。
近年、リンクを有するロボットにおいて、リンクに与えられている力の情報を取得するためのセンサをロボットの関節等に配置し、力の情報に基づく制御を行うことができるロボットが注目を集めている。特に、関節に力の情報としてトルクの情報を取得できるトルクセンサを配置することにより、ロボットの関節に生じる力の制御や、ロボットの先端に配置されたエンドエフェクタが部品に与える荷重ないし力を制御する事が容易になった。
ここで、関節やエンドエフェクタを駆動する駆動源(アクチュエータ)としてモータのような回転駆動源を用いるロボットでは、このモータやその駆動回路に制御信号や駆動電力を伝達する伝達部材として電線(ケーブル)のような線材を用いる。また、関節やエンドエフェクタを駆動するために油圧、空気圧などを利用したアクチュエータを用いる場合、駆動信号(エネルギー)を伝達するために、例えばラバーなどフレキシブルな材料からなる圧力管のような線材が伝達部材として用いられることがある。
ロボットの構成や規模などによっても異なるが、上記のような各種ケーブルや圧力管の線材が変形したり、ロボットを動作させた際に各種ケーブルや圧力管の線材がロボットに接触した場合の反力は、数百グラムの単位に及ぶことがある。従って、このような反力は、数グラムの精度でロボットを高精度に力(ないしトルク)制御する場合、非常に大きな外乱となり、ロボットの制御の精度に影響を与えてしまう。
特許文献1に記載の技術では、線材をリンクに固定する留め具の位置を、トルクセンサの入力側と出力側とすることで、線材が変形する力がトルクセンサの起歪体に与える影響を低減している。
特開2015-123570号公報
しかしながら特許文献1では、以下に示す課題から、ロボットに生じる力の情報を正確に推定できない可能性がある。例えば、線材がフレームに接触した状態でロボットが姿勢変更した場合に、線材とフレームとの接触状態が急激に変化すると、線材とフレームとの摩擦の影響でトルクセンサの測定値に影響を与えてしまう。
上記課題を鑑み、本発明は、ロボットに設けられた線材が、力の情報を取得するセンサに影響を与えることを低減することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明においては、回転または揺動するリンクを有するロボット本体と、線材と、部材と、を備え、前記部材は、前記リンクと前記線材との間に配置され、前記線材が前記部材に接触した状態で発生する第1摩擦力は、前記線材が前記リンクに接触した状態で発生する第2摩擦力より小さい、ことを特徴とするロボットシステムを採用した。
本発明によれば、ロボットの線材が、力の情報を取得するセンサに影響を与えることを低減することができる。
実施形態におけるロボットシステム(ロボット装置)1000の概略図である。 実施形態におけるロボットシステム1000の制御系を示した制御ブロック図である。 従来の関節J2の概略図である。 実施形態における留め具800、801、802を示した図である。 実施形態における留め具800、801、802を示した図である。 実施形態における留め具800、801、802を示した図である。 実施形態における留め具800、801、802を示した図である。 実施形態における低摩擦部材900を示した図である。 実施形態における低摩擦部材900を示した図である。 実施形態における低摩擦部材900を示した図である。 実施形態における低摩擦部材900を示した図である。 実施形態における低摩擦部材900を示した図である。 実施形態における関節J2に低摩擦部材900を配置した際の図である。
以下、添付図面に示す実施例を参照して本発明を実施するための形態につき説明する。なお、以下に示す実施例はあくまでも一例であり、例えば細部の構成については本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者が適宜変更することができる。また、本実施形態で取り上げる数値は、参考数値であって、本発明を限定するものではない。なお以下の図面において、図中の矢印X、Y、Zはロボットシステムの全体の座標系を示す。一般に、XYZ3次元座標系は、設置環境全体のワールド座標系を示す。その他、制御の都合などによって、ロボットハンド、指部、関節などに関して適宜ローカル座標系を用いる場合がある。
(第1の実施形態)
図1は本実施形態におけるロボットシステム(ロボット装置)1000の概略図である。図1は、本実施形態のロボットシステム1000を例えば側面(XZ平面)から示している。図1(b)は、ロボットシステム1000のロボットアーム本体200を例えば後方(図1(a)の紙面右方)から示している。例えば、図1(a)に示したロボットアーム本体200の姿勢を初期姿勢とする。
図1(a)に示すように、ロボットシステム1000は、ロボット本体となるロボットアーム本体200と、ロボット本体となるエンドエフェクタ本体300とを備える。さらにロボットアーム本体200とエンドエフェクタ本体300とを制御する制御装置400、外部入力装置500を備える。制御装置400には外部入力装置500が接続され、これら制御装置400および外部入力装置500によってロボットアーム本体200の制御システムが構成される。外部入力装置500は、例えばティーチングペンダントのような教示装置があげられ、作業者がロボットアーム本体200やエンドエフェクタ本体300の位置を指定するのに用いられる。本実施形態では、エンドエフェクタとしてロボットアーム本体200の先端部に設けられるものが、ロボットハンドである場合について説明するが、これに限定するものではなく、ツール等であってもよい。
図1に示したロボットアーム本体200は、複数リンクを例えばシリアルリンク形式で複数の関節(6軸)を介して相互に接続した構成を有するロボットアームである。ロボットアーム本体200の先端のリンク206にエンドエフェクタ本体300が接続されている。ロボットアーム本体200のリンク201、202、203、204、205、および206は、例えば各関節、本実施形態では関節J1、J2、J3、J4、J5、およびJ6を介して次のように接続されている。
各関節J1~J6には、各関節を各回転軸まわりにそれぞれ回転駆動させる駆動源として、複数(6つ)のアームモータ211~216と減速機および伝達機構を有している。アームモータ211~216には、それぞれモータ出力軸の回転位置を検出するエンコーダ221~226(図2)を備えている。さらに関節J1~J6には、各リンク201~206に生じる力の情報としてトルクを検出できるトルクセンサ231~236を備えている。
ロボットアーム本体200の基台210(ベース)とリンク201はZ軸方向の回転軸の周りで回転する関節J1で接続されている。関節J1は、例えば初期姿勢から約±180度の可動範囲を有するものとする。ロボットアーム本体200のリンク201とリンク202はY軸方向の回転軸の周りで回転する関節J2で接続されている。関節J2は、例えば初期姿勢から約±80度の可動範囲を有するものとする。
ロボットアーム本体200のリンク202とリンク203はY軸方向の回転軸の周りで回転する関節J3で接続されている。関節J3は、例えば初期姿勢から約±70度の可動範囲を有するものとする。ロボットアーム本体200のリンク203とリンク204とはX軸方向の回転軸の周りで回転する関節J4で接続されている。関節J4は、例えば初期姿勢から約±180度の可動範囲を有するものとする。
ロボットアーム本体200のリンク204とリンク205はY軸方向の回転軸の周りで回転する関節J5で接続されている。関節J5は、例えば初期姿勢から約±120度の可動範囲を有するものとする。ロボットアーム本体200のリンク205とリンク206はX軸方向の回転軸の周りで回転する関節J6で接続されている。関節J6は、例えば初期姿勢から約±240度の可動範囲を有するものとする。
以上のように、本実施形態では、関節J1、J4、J6の回転軸は、各々が結合する2つのリンクの中心軸(1点鎖線)と平行(ないしは同軸)に配置されて、この2つのリンクの回転軸廻りの(相対)角度を変化させることができるよう配置されている。一方、関節J2、J3、およびJ5の回転軸は、これら各々が結合する2つのリンクの中心軸(同)の交差する(相対)角度を変化させることができるよう配置されている。
また、ロボットアーム本体200のリンク206の先端には、生産ラインにおいて組み立て作業や移動作業を行うための(電動)ハンドや(空気圧駆動の)エアハンドなどのエンドエフェクタ本体300が接続される。このエンドエフェクタ本体300は、リンク206に対してビス止めなどの(半)固定的な手段(不図示)によって装着されるか、あるいは、ラッチ(ラチェット)止めなどの着脱手段(不図示)によって装着可能であるものとする。特に、エンドエフェクタ本体300が着脱可能である場合は、ロボットアーム本体200を制御して、ロボットアーム本体200自身の動作によって供給位置(不図示)に配置されたエンドエフェクタ本体300を着脱ないし交換する方式も考えられる。
ここで、ロボットアーム本体200の手先とは、本実施形態では、エンドエフェクタ本体300のことである。エンドエフェクタ本体300が物体を把持している場合は、エンドエフェクタ本体300と把持している物体(例えば部品やツール等)とを含めてロボットアーム本体200の手先という。つまり、エンドエフェクタ本体300が物体を把持している状態であるか物体を把持していない状態であるかにかかわらず、エンドエフェクタ本体300であるロボットハンド本体を手先という。
外部入力装置500には、例えば、ロボットアーム本体200の関節の姿勢(位置や角度)、あるいはロボットアーム本体200の手先を移動させるための操作キーを含む操作部が配置される。外部入力装置500の操作部で何らかの操作が行われると、外部入力装置500の操作に応じて、制御装置400はケーブル80(線材)を介して各関節の駆動源に信号を送信し、ロボットアーム本体200の動作を制御する。その際、制御装置400が後述の制御プログラムを含むロボット制御プログラムを実行することにより、ロボットアーム本体200の各部が制御される。
以上の構成により、ロボットアーム本体200によりエンドエフェクタ本体300を任意の位置に動作させ、所望の作業を行わせることができる。例えば、材料として所定ワークと他のワークとを用い、所定ワークと他のワークとを組み付ける処理を行うことで、成果物として組付けワークを製造することができる。以上によりロボットアーム本体200によって物品の製造を行うことができる。
図2は図1のロボットシステム1000の制御系の詳細な構成を示したブロック図である。制御装置400は、コンピュータで構成されており、プロセッサであるCPU(Central Processing Unit)401を備える。また、記憶部として、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403、HDD(Hard Disc Drive)404、記録ディスクドライブ405を備えている。また、各機器と通信を行うためのインタフェース406、407、408、409、410、411を備える。CPU401、ROM402、RAM403、インタフェース406~412は、互いに通信可能にバス411で接続されている。
このうち、RAM403は外部入力装置500の操作による教示点や制御指令などのデータの一時記憶に用いられる。ROM402には、CPU401に、各種演算処理を実行させるためのBIOS等の基本プログラム430が格納されている。CPU401は、HDD404に記録(格納)された制御プログラムに基づいて各種演算処理を実行する。HDD404は、CPU401の演算処理結果である各種のデータ等を記憶する記憶部である。記録ディスクドライブ405は、記録ディスク431に記録された各種データや制御プログラム等を読み出すことができる。更に、インタフェース407、408には、各種画像が表示されるモニタ511や書き換え可能な不揮発性メモリや外付けHDD等の外部記憶装置512が接続されている。
外部入力装置500は、例えばティーチングペンダント(TP)のような操作装置が考えられるが、ロボットプログラムを編集可能な他のコンピュータ装置(PCやサーバ)であってもよい。外部入力装置500は、制御装置400に対して有線ないし無線の通信接続手段を介して接続することができ、ロボット操作および状態表示などのユーザインターフェース機能を有する。外部入力装置500により入力された各関節J1~J6の目標関節角度をインタフェース406及びバス411を介してCPU401に出力する。
CPU401は、例えば外部入力装置500で入力された教示点データをインタフェース406から受信する。また、外部入力装置500から入力された教示点データに基づきロボットアーム本体200の各軸の軌道を生成し、インタフェース409を介し、アームモータドライバ230を用いてアームモータ211~216に送信することができる。CPU401は、各アームモータ211~216の回転角度の制御量を示す駆動指令のデータを所定間隔でバス412及びインタフェース409を介してアームモータドライバ230に出力する。
アームモータドライバ230は、CPU401から入力を受けた駆動指令に基づき、各アームモータ211~216への電流の出力量を演算し、各アームモータ211~216へ電流を供給して、各関節J1~J6の関節角度制御を行う。また、各エンコーダ221~226、トルクセンサ231~236からの検出信号をインタフェース409及びバス412を介してCPU401に出力する。即ち、CPU401は、アームモータドライバ230を介して、各エンコーダ221~225により検出される関節J1~J6の関節角度現在値が目標関節角度となるように、各アームモータ211~216のフィードバック制御を実行する。同様に各トルクセンサ231~236により検出される関節J1~J6のトルク現在値が目標トルクとなるように、各アームモータ211~216のフィードバック制御を実行する。なお、本実施形態ではアームモータドライバ230を1つとしたが、各アームモータ211~216それぞれにアームモータドライバを設けても構わない。
さらに制御装置400はハンドモータ311ともインタフェース410およびハンドモータドライバ330を介して接続されている。ハンドモータドライバ330は、CPU401から入力を受けた駆動指令に基づき、ハンドモータ311への電流の出力量を演算し、ハンドモータ311へ電流を供給して、ハンドモータ311の速度制御を行う。また、エンコーダ321からのパルス信号をインタフェース410及びバス412を介してCPU401に出力する。即ち、CPU401は、ハンドモータドライバ330を介して、エンコーダ321により検出されるハンドモータ311の位置およびまたは速度の現在値が目標位置およびまたは目標速度となるように、ハンドモータ311のフィードバック制御を実行する。
ここで図1の関節J2を駆動するアームモータ212(図2)の駆動トルク(回転駆動力)、即ち、アームモータ212からリンク202に印加される駆動トルクを検出(取得)するトルクセンサ232(図2)が設けられる。このトルクセンサ232は、例えば関節J2の内部に配置されたアームモータ212あるいは不図示の減速機から成る駆動系の駆動軸上の所定位置に配置されていれば良い。
なお本実施形態では関節J2を例に取り、トルクセンサ232の構造や配置位置の詳細は以下図を用いて詳述する。このような関節の駆動トルクを測定するトルクセンサ232に関しては公知の構造を利用してよい。また、他の関節J1、J3、J4、J5、J6に関しても、それぞれトルクセンサ232と同様のトルクセンサ231、233、234、235、236が配置されるものとする。
図1のロボットアーム本体200の関節J1~J6、ないしはエンドエフェクタ本体300に設けられたアームモータ211~216、ハンドモータ311は、例えば電気的なモータにより駆動される。その場合、モータの他に波動歯車機構などを利用した減速機が用いられることがある。また、ハンドやグリッパのようなエンドエフェクタではラック&ピニオンのような減速ないしは駆動方向の変換機構が用いられることがある。関節J1~J6(ないしエンドエフェクタ本体300)を駆動するモータは、各関節J1~J6(ないしエンドエフェクタ本体300)の内部の所定位置に配置される。なお、本実施形態では、これらのモータ(ないし減速機)は内部に配置されるものとするが、モータ(ないしは減速機)は外部に配置されていてもよい。
関節J1~J6やエンドエフェクタ本体300の駆動手段がこのようにモータである場合、各モータを駆動するためのエネルギー(駆動電力)ないしは制御信号、即ち駆動信号を伝達するための伝達手段として、ケーブルやワイヤのような線材が必要である。このような線材には、複数の線材を結束してワイヤハーネスの形態、あるいは1本の被覆内に複数の線材を収容してマルチケーブル化した形態がある。
また、関節J1~J6や、エンドエフェクタ本体300の駆動手段が、油(液)圧や空気圧を利用した圧力機構により構成される場合も考えられる。その場合は、これらロボットアーム本体200の各部、即ち関節J1~J6や、エンドエフェクタ本体300に圧力信号から成る駆動エネルギーないしは制御信号(駆動信号)を伝達する必要がある。この場合は、駆動エネルギーないしは制御信号の伝達のための伝達手段としては、好ましくはフレキシブルな圧力チューブのような線材が用いられる。
本実施形態では、説明を容易にするため、関節J1~J6(ないしエンドエフェクタ本体300)の駆動手段はモータであり、従ってこれら各部に駆動エネルギーないしは制御信号を伝達する伝達手段としての線材は、(電気)ケーブル80であるものとする。また、ケーブル80は、例えば制御装置400から各関節J1~J6(あるいはエンドエフェクタ本体300)の間を連絡する複数の線材から成り、例えばワイヤハーネス(束線)構成であるものとする。
このケーブル80の概略の配線(取り回し)経路は、図1において実線によって示してある。ケーブル80(ないしそのハーネス)は、基台210、各リンク201~206において、ロボットアーム本体200の動作を妨げたり、周辺の装置に干渉したりしないようロボットアーム本体200の内外に配設され、任意の場所で固定されているものとする。
ここで図3に従来の関節J2におけるケーブル80の固定方法を説明するための概略図を示す。ロボットアーム本体200の基台210に近い側にあるリンク201には、関節J2を駆動するアームモータ212が接続されている。アームモータ212の回転軸は、入力軸と減速部と出力軸とで構成された減速機242の入力軸に接続されている。高速回転するアームモータ212の回転は減速機242において低速回転、高トルクに変換され減速機242の出力軸から出力される。
リンク201とリンク202とは軸受(クロスローラーベアリング)262を介して接続されおり、モータ212および減速機242により、リンク202をリンク201対して相対的に軸A2回りに回転させる。減速機242およびトルクセンサ232は、互いの取り付け穴の自由度を確保するために取り付け穴の位置が自由になる出力フレーム252で接続されている。減速機242とトルクセンサ232が、直接、接続することが可能な場合は、出力フレーム252を設けなくても構わない。出力フレーム252は、アームモータ212、減速機242を有する駆動装置に接続され、リンク202と共にリンク201に対して回転または揺動する出力部材となる。本実施形態では、第1リンクをリンク201とした際、リンク201に対して相対的に回転するリンク202を第2リンクと呼称する場合がある。
トルクセンサ232は、出力フレーム252に接続される入力部232a、駆動トルクによって変形する起歪部232b、リンク202と接続される出力部232cを備えている。さらに、起歪部232bの変形を検出する不図示のひずみセンサや光学式エンコーダなど備えている。トルクセンサ232において、入力部232aと出力部232cは便宜上の表現であり、入力部232aと出力部232cの位置関係は入れ替わってよい。
また、接続する相手においてもリンク201とリンク202は入れ替わっていてもよい。本実施形態におけるトルクセンサ232はスポークタイプのトルクセンサであり、入力部232a、出力部232cはリング状の弾性体であり、起歪部232bは梁状の弾性体を用いるが、これに限られない。
次にケーブル80および留め具800、811、822の位置について述べる。リンク201とリンク202との間に敷設されているケーブル80の固定は、留め具800、801、802を用いて行う。また変形ケーブル81は、ケーブル80が関節J2の回転やロボットアーム本体200の動作で揺動して変形した状態を示している。留め具800、801、802は、ケーブル80を保持する保持機構として機能する。
留め具800、801、802を固定する方法は2パターンある。1つ目は、リンク201やリンク203、出力フレーム252に対して直接固定する場合で、2つ目は、リンク201やリンク203、出力フレーム252に接続された板金などの部品に固定する場合である。本実施形態では、1つ目のパターンを用いて各留め具800、801、802を固定する。ケーブル80を固定する留め具800、801、802は結束バンドや樹脂製の門型クランプで、固定フレームや板金には結束バンドを通す穴および門型クランプを固定するネジ穴が形成されているものとする。
ケーブル80の固定する場所は、1つの関節J2につき2か所および3か所である。1つ目の固定場所は、留め具800でリンク201にケーブル80を固定する。2つ目の固定場所は、留め具801で起歪部232bに対してリンク201側に配置されている出力フレーム252に固定する。3つ目の固定場所は、留め具802で起歪部232bに対してリンク201の反対側の出力部232cに接続されているリンク202に固定する。関節J2のスペースによっては、3つ目の固定箇所である留め具802を省略することも可能である。
図4に本実施形態における留め具800、801、802の例図を示す。図4(a)では、ケーブル80を保持する保持機構として結束バンド803を用いている。図4(b)では、ケーブル80を保持する保持機構として門型クランプ804を用いている。図4(a)(b)より、留め具800、801、802のエッジ部分は折り曲げ加工807を施しており、エッジ接触によるケーブル80へのダメージを低減している。
図4(a)では、留め具800、801、802には、結束バンド803が挿通する孔805aが設けられている。孔805aは、紙面奥方向にも同様に設けられ、計4つ設けられているものとする。2つの結束バンド803を孔805aに挿通させ、ケーブル80に結束し保持する。また、取付部805には、2つの孔805aが設けられており、孔805aにボルトを挿通させ、リンク201、202、出力フレーム252に固定される。
図4(b)では、留め具800、801、802には、門型クランプ804が設けられている。門型クランプ804の門部分にケーブル80を挿通させことでケーブル80を保持する。また、取付部805には、2つの孔805aが設けられており、孔805aにボルトを挿通させ、リンク201、202、出力フレーム252に固定される。
図5は本実施形態における留め具800、801、802のバリエーションを示した図である。図5(a)は、図4(a)で示した留め具800、801、802においてバネ部806を設けた図、図5(b)は、図4(b)で示した留め具800、801、802においてバネ部806を設けた図である。
図5(a)(b)に示したように、留め具800、801、802は、変形部となるバネ部806によってケーブル80が変形した際に生じる反力に応じて変形する。これにより、ケーブル80によって生じる力を緩和し、ケーブル80の摩擦によるトルクセンサ232の測定値への影響を低減することができる。
図6は本実施形態における留め具800、801、802のバリエーションを示した図である。図6(a)は、留め具800、801、802の取付部805に、孔805aと、留め具800、801、802の姿勢を変更するための円弧スライド溝805bを設けた例を示している。図6(b)は、図6(a)に示す留め具800、801、802を固定する固定部材900を示している。
図6(a)(b)より、固定部材900の紙面奥側の面には、雌ネジが切られたネジ穴900a、900bが設けられている。ネジ穴900a、900bの径は、孔805aの径および円弧スライド溝805bの幅以下であるものとする。また、ネジ穴900aの中心とネジ穴900bの中心との距離は、孔805aの中心から、円弧スライド溝805bまでの半径rと同じとなっている。
孔805aと円弧スライド溝805bにボルトを挿通させ、ネジ穴900aと孔805aを重ね、ネジ穴900bと円弧スライド溝805bとを重ね、ボルトで締結することで、固定部材900と留め具800、801、802とが固定される。ボルトの頭部は、孔805aの径および円弧スライド溝805bの幅よりも大きくなっているものとする。
孔805aにボルトを仮止めしておき、留め具800、801、802の角度を調整しながら、円弧スライド溝805bの所定位置とネジ穴900bを重ねボルトを挿通し締結する。こうすることで、円弧スライド溝805bに沿って留め具800、801、802の固定する角度(ロボットアーム本体200に対して傾斜する角度)を、ケーブル80の這いまわし方に合わせて調整することが可能になる。
また、図6(c)のように、それぞれの中心との距離をrに保った、複数のネジ穴900aと900bとの組を、固定部材900に設けても構わない。これにより、ネジ穴900a同士の間隔、ネジ穴900b同士の間隔で、取付部805の取付位置を調整することが可能となる。
図7は留め具800、801、802における更なるバリエーションを示している。図7(a)は、図4(a)で示した留め具800、801、802において、取付部805に2つのスライド溝805cを設けた図である。図7(b)は、図7(a)で示した留め具800、801、802において、エッジ部分にR加工808を施した図である。図7(c)は、図7(a)(b)の留め具800、801、802が固定される際の固定部材900を示している。
図7(a)(b)(c)より、留め具800、801、802の取付部805に、スライド溝805cを2つ設けている。ネジ穴900aとネジ穴900bの径は、スライド溝805cの幅以下である。また2つのスライド溝805cのそれぞれの中心の距離はrである。2つのスライド溝805cにボルトを挿通させ、固定部材900のネジ穴900aとネジ穴900bと重ねて締結することで、固定部材900に固定される。ボルトの頭部は、スライド溝805cの幅よりも大きくなっているものとする。取付部805のZ方向における位置を調整しながら、2つのスライド溝805cの所定位置にボルトを挿通し、ネジ穴900aとネジ穴900bと重ねて締結する。
こうすることで、2つのスライド溝806cに沿って留め具800、801、802の固定する位置を調整することが可能になる。よって、ケーブル80の這いまわし方に合わせて留め具800、801、802の位置を調整することが可能になる。また図7(b)より、留め具800、801、802のエッジはR加工808が施されており、エッジによるケーブル80へのダメージを低減できるようにしている。
ここで、関節J2の回転によって、リンク201とリンク202との位置関係は大きく変化する、その際、トルクセンサ232の起歪部232bは微小に変形する。図3に示すようにケーブル80はロボットアーム本体200の初期姿勢でのケーブル80の状態であり、変形ケーブル81はロボットアーム本体200の動作によってケーブル80が変形してリンク202に衝突している状態を示している。この接触により、ケーブル80とリンク202との間に摩擦(摩擦力)が発生する。
上述したとおり、ケーブル80は、ロボットアーム本体200の複数の関節分の線材を束ねたハーネス構造のものが敷設される。このようなハーネスには、関節を駆動するモータの動作を検出するエンコーダや、上記のトルクセンサの信号を制御系にフィードバックするための線材が収容されることもある。また、ロボットアーム本体200の先端には、エンドエフェクタ本体300として、ハンドやグリッパのような把持装置が装着される。このようなエンドエフェクタ本体300に対しても、上記の駆動信号の入出力(伝達)を行うことが必要で、その場合、上記のケーブル80には、エンドエフェクタ本体300に対して駆動信号を入出力する線材が収容されることがある。
従って、駆動信号を伝達するケーブル80は、ロボットアーム本体200の各関節が回転動作(並進動作の場合も同様)した際に変形し、ケーブル80が、リンク202に接触した状態で移動した場合などでは大きな摩擦力を発生させる。ロボットアーム本体200の動作によっては摩擦力の増減を繰り返し、関節J2に配置されているトルクセンサ232の測定精度に影響を与えてしまう。特に数グラム程度の微小重量の部品や、薄いフィルムやシートの操作などを、トルクセンサを用いた力制御で組み立てる場合、ケーブルがリンクに生じさせる摩擦力に起因するトルクセンサの測定誤差発生による力制御性の低下が無視できなくなってくる。以下、上述した課題の具体的な解決方法について詳述する。
図8に本実施形態における低摩擦部材700を関節J2に配置した図を示す。図8(a)はYZ平面図、図8(b)はXZ平面図である。説明の便宜上、図8(b)においてトルクセンサ232を簡略化して示している。低摩擦部材700はケーブル80が変形してリンク202に接触し、リンク202を摩擦する可能性のある箇所に配置される。本実施形態では、低摩擦部材700として、テープ、シート、樹脂コーティングのような薄膜状の部材を用いている。低摩擦部材700の材質はテフロン(登録商標)や、ナイロン、ABS樹脂などケーブル80との摩擦係数が小さく滑り性が良い材質を用いる。
本実施形態での低摩擦部材700とケーブル80との摩擦係数は、リンク202とケーブル80との摩擦係数よりも小さいものとする。これにより、ケーブル80が低摩擦部材700に接触した状態からケーブル80を移動させる際の摩擦力(静摩擦力)が、ケーブル80がリンク202に接触した状態からケーブル80を移動させる際の摩擦力(静摩擦力)よりも小さくすることができる。さらに、ケーブル80が低摩擦部材700に接触した状態でケーブル80を移動させている際の摩擦力(動摩擦力)が、ケーブル80がリンク202に接触した状態でケーブル80を移動させている際の摩擦力(動摩擦力)よりも小さくすることもできる。また低摩擦部材700をリンク202に固定する方法は、テープ、シート等である場合は、両面テープなどを用いて貼付する。本実施形態では、ケーブル80が低摩擦部材700に接触した状態からケーブル80を移動させる際の摩擦力を第1摩擦力、ケーブル80がリンク202に接触した状態からケーブル80を移動させる際の摩擦力を第2摩擦力と呼称する場合がある。
よって、ケーブル80が、図3の変形ケーブル81に示すようにリンク202に接触した状態でリンク202を移動(摩擦)した際の摩擦力を低減できる。ゆえにケーブル80がリンク202を摩擦することで生じる摩擦力がトルクセンサ232に影響することを低減することができる。
以上本実施形態によれば、ケーブル80がリンク202に接触した状態でリンク202を摩擦した際の摩擦力を低減できる。ゆえにトルクセンサの測定精度を向上させ、ロボットアームに設けられるエンドエフェクタによって部品に与える荷重の精度を向上させることができる。例えば汎用構成のロボットアームにおいても、関節の力制御を正確に行うことができ、繊細な力制御の必要な数グラム程度の重量の小さい部品の組み立てを実現することができる。そして、微小重量の部品を組み立てる生産ラインにおいて、専用装置や、人力による手動作業などを必要とせず、汎用構成のロボットアームを用いることが可能となる。従って、従来、必要とされた、専用装置の設計、製造コストの削減、あるいはさらに製作期間の削減、といった効果を期待でき、生産ラインの立ち上げコストの低減を図ることも可能となる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、低摩擦部材700として、薄膜状の部材を用いた。しかしながら、切削や金型で成型された樹脂部品を低摩擦部材700として用いてよい。本実施形態で詳述する。以下では、第1の実施形態とは異なるハードウェアや制御系の構成の部分について図示し説明する。また、第1の実施形態と同様の部分については上記と同様の構成ならびに作用が可能であるものとし、その詳細な説明は省略するものとする。
図9は本実施形態における低摩擦部材700を示した図である。図9(a)は低摩擦部材700の詳細を示した図である。図9(b)は低摩擦部材700をリンク202に取り付けた図である。
図9(b)より本実施形態では、リンク202に関節開口部202aとリンク開口部202bが設けられており、関節開口部202aからリンク開口部202bを介してケーブル80を挿通させる形態となっている。本実施形態では関節開口部202aを第1開口部、リンク開口部202bを第2開口部と呼称する場合がある。
図9(a)より、本実施形態の低摩擦部材700は樹脂で形成されており、黒枠で示した環状の取付部701を有している。この取付部701を一度変形させ、リンク202の関節J2部分の円状の関節開口部202aにはめ込むことで、樹脂部品の変形がもとの形状に戻ろうとする反力を用い、低摩擦部材700をリンク202に図9(b)のように固定している。
また図9(a)(b)に示すように、低摩擦部材700は、ケーブル80と接触する接触部702、703を備えている。接触部702は関節開口部202aにおいてケーブル80と接触する部分、接触部703はリンク開口部202bにおいてケーブル80と接触する接触部となっている。接触部703は、リンク開口部202bの形状に合わせ変形するようになっている。また、接触部702は、ケーブル80の径よりも3倍以上のR面702aを有し、接触部703は、平面703aを有しているものとする。本実施形態では、接触部702を第1接触部、接触部703を第2接触部と呼称する場合がある。
これら接触部702、703を有することで、ケーブル80が変形した場合でも、リンク202に発生させる摩擦力を低減させることができる。また、リンク202はアルミなどの金属部品となっているため、関節開口部202a、リンク開口部202bのエッジにケーブル80が擦れてケーブル80にダメージが生じることを低減できる。さらに、接触部703に、図4~図7で説明したケーブル80を保持する保持機構を設けても構わない。接触部703で保持することで、ケーブル80が変形した際に生じる反力に応じて接触部703が変形する。これにより、ケーブル80によって生じる力を緩和し、ケーブル80の摩擦によるトルクセンサ232の測定値への影響を低減することができる。
[変形例1]
図10は本実施形態における低摩擦部材700のバリエーションを示した図である。図10(a)は低摩擦部材700の詳細を示した図である。図10(b)は低摩擦部材700をリンク202に取り付けた図である。
図10(a)(b)で示す低摩擦部材700は、図9(a)で示した低摩擦部材700において、取付部701および接触部702に切り欠き部704が設けられている。この切り欠き部704により、矢印a方向に取付部701を変形しやすくなり、関節開口部202aにはめ込みやすくすることが可能となる。また、切り欠き部704により、取付部701は通常状態では径方向に広がりやすくなっているため、関節開口部202aにはめ込んだ際、取付部701と関節開口部202aとの密着性も向上させることができ、脱落しづらくすることも可能となる。
[変形例2]
図11は本実施形態における低摩擦部材700のバリエーションを示した図である。図11(a)は低摩擦部材700の詳細を示した図である。図11(b)は低摩擦部材700をリンク202に取り付けた図である。
図11(a)(b)で示す低摩擦部材700は、図9(a)で示した低摩擦部材700において、取付部701および接触部702を、ロボットアーム本体200の可動範囲に基づくケーブル80の変形に合わせて必要な部分だけ残した図である。たとえば、関節J2の可動範囲が360度に満たない場合は図11(a)のように、取付部701および接触部702を設けても良い。これにより、関節開口部202aにはめ込みやすくし、脱落しづらくするだけでなく、低摩擦部材700における部品削減によるコストダウンを図ることも可能となる。
[変形例3]
図12は本実施形態における低摩擦部材700のバリエーションを示した図である。図12(a)は低摩擦部材700の詳細を示した図である。図12(b)は低摩擦部材700をリンク202に取り付けた図である。
図12(a)より、低摩擦部材700の取付部701は、黒枠に示すように、リンク202を挟み込むようなU字状(U字型)の断面形状になっている。これにより、さらに低摩擦部材700の脱落を低減することが可能となる。
本実施形態での低摩擦部材700とケーブル80との摩擦係数は、低摩擦部材700を樹脂で構成していることにより、リンク202とケーブル80との摩擦係数よりも小さいものとする。本実施形態では、低摩擦部材700とケーブル80との摩擦係数を第1摩擦係数、リンク202とケーブル80との摩擦係数を第2摩擦係数と呼称する場合がある。これにより、ケーブル80が低摩擦部材700に接触した状態からケーブル80を移動させる際の摩擦力(静摩擦力)が、ケーブル80がリンク202に接触した状態からケーブル80を移動させる際の摩擦力(静摩擦力)よりも小さくすることができる。さらに、ケーブル80が低摩擦部材700に接触した状態でケーブル80を移動させている際の摩擦力(動摩擦力)が、ケーブル80がリンク202に接触した状態でケーブル80を移動させている際の摩擦力(動摩擦力)よりも小さくすることもできる。
よって、ケーブル80が、図3の変形ケーブル81に示すようにリンク202に接触した状態でリンク202を移動(摩擦)した際の摩擦力を低減できる。ゆえにケーブル80がリンク202を摩擦することで生じる摩擦力がトルクセンサ232に影響することを低減することができる。
以上本実施形態によれば、ケーブル80がリンク202に接触した状態でリンク202を摩擦した際の摩擦力を低減できる。ゆえにトルクセンサの測定精度を向上させ、ロボットアームに設けられるエンドエフェクタによって部品に与える荷重の精度を向上させることができる。例えば汎用構成のロボットアームにおいても、関節の力制御を正確に行うことができ、繊細な力制御の必要な数グラム程度の重量の小さい部品の組み立てを実現することができる。そして、微小重量の部品を組み立てる生産ラインにおいて、専用装置や、人力による手動作業などを必要とせず、汎用構成のロボットアームを用いることが可能となる。従って、従来、必要とされた、専用装置の設計、製造コストの削減、あるいはさらに製作期間の削減、といった効果を期待でき、生産ラインの立ち上げコストの低減を図ることも可能となる。なお、所定のロボットにおいて、本実施形態および変形例と上述の実施形態および変形例とを組み合わせて実施しても構わない。
(第3の実施形態)
図8に示すように上述の実施形態では、リンク201を紙面右側に配置し、アームモータ212や減速機242、出力フレーム252などの各要素が、軸A2方向に順番に積み上がるよう配置した状態で、留め具800、801、802でケーブル80を留めた。本実施形態では、出力フレーム252の形状を中空にし、その中空部にケーブル80を通して留め具800、801、802でケーブル80を留める場合を詳述する。以下では、第1の実施形態とは異なるハードウェアや制御系の構成の部分について図示し説明する。また、第1の実施形態と同様の部分については上記と同様の構成ならびに作用が可能であるものとし、その詳細な説明は省略するものとする。
図13に本実施形態における関節J2の概略図を示す。図13より、ロボットアーム本体200の基台210に近い側にあるリンク201には、関節J2を駆動するアームモータ212が設けられている。アームモータ212の回転軸は、入力軸と減速部と出力軸で構成された減速機242の入力軸に接続されており高速回転するモータの回転は減速機242において低速、高トルクに変換され減速機242から出力される。また減速機242の出力軸は出力フレーム252に接続されている。出力フレーム252とリンク201とは軸受262で接続されており、モータ212および減速機242により、出力フレーム252を介してリンク202をリンク201対して相対的に軸A2回りに回転させる。
トルクセンサ232は、出力フレーム252と接続される入力部232a、減速機242から出力されるトルクによって変形する起歪部232b、リンク202と接続される出力部232cを備えている。さらに起歪部232bの変形を検出する不図示のひずみセンサまたは光学式エンコーダなどを備えている。
そして、出力フレーム252には、中空部252aを有している。図13に示すように、中空部252aは、YZ平面(所定の方向)の断面図がL字型となる円筒形状で、出力フレーム252に設けられている。ケーブル80は、中空部252aを通り、出力フレーム252に設けられた留め具801によって保持されている。留め具801は、ケーブル80が中空部252aからリンク202側に出るための出口に設けられている。低摩擦部材700は薄膜状の部材であり、出力フレーム252の中空部252aのケーブル80が通る部分に配置されている。
これにより、ケーブル80が、出力フレーム252の内部で接触した状態でリンク202を摩擦した際の摩擦力を低減できる。よってケーブル80が出力フレーム252を摩擦することで生じる摩擦力がトルクセンサ232に影響することを低減することができる。
以上本実施形態によれば、留め具800が突出する方向と、留め具801、802が突出する方向を折り返すことができる。よってリンク201から留め具801、802までの軸A2方向における幅を狭くすることができ、ロボットアーム本体200の省スペース化を図ることが可能となる。
なお、トルクセンサ232において、入力部232aと出力部232cは便宜上の表現であり、入力部232aと出力部232cの位置関係は入れ替わってもよい。また、リンク201とリンク202は入れ替わってよい。また、出力フレーム252、留め具801を分割して説明したが、それぞれ一体になった構成であっても構わない。なお、所定のロボットにおいて、本実施形態および変形例と上述の種々の実施形態および種々の変形例とを組み合わせて実施しても構わない。
(その他の実施形態)
以上述べた実施形態の処理手順は具体的には制御装置400のCPU401により実行されるものである。従って上述した機能を実行可能なソフトウェアのプログラムを記録した記録媒体を読み出して実行するように構成することもできる。この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が上述した各実施形態の機能を実現することになり、プログラム自体およびそのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
また、各実施形態では、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が各ROM或いは各RAM或いは各フラッシュROMであり、ROM或いはRAM或いはフラッシュROMにプログラムが格納される場合について説明した。しかしながら本発明はこのような形態に限定されるものではない。本発明を実施するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であれば、いかなる記録媒体に記録されていてもよい。例えば、制御プログラムを供給するための記録媒体としては、HDD、外部記憶装置、記録ディスク等を用いてもよい。
また上述した種々の実施形態では、ロボットアーム本体200が複数の関節を有する多関節ロボットアームを用いた場合を説明したが、関節の数はこれに限定されるものではない。ロボットアームの形式として、垂直多軸構成を示したが、水平多関節型、パラレルリンク型、直交ロボットなど異なる形式の関節においても上記と同等の構成を実施することができる。また、トルクセンサ等の力を検出するセンサを備えた義手や義足、パワードスーツ(パワーアシストスーツ)に適用しても構わない。
また上述した種々の実施形態は、制御装置に設けられる記憶装置の情報に基づき、伸縮、屈伸、上下移動、左右移動もしくは旋回の動作またはこれらの複合動作を自動的に行うことができる機械に適用可能である。
なお本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。
80 ケーブル
81 変形ケーブル
200 ロボットアーム本体
201、202、203、204、205、206 リンク
202a 関節開口部
202b リンク開口部
210 基台
211、212、213、214、215、216 アームモータ
221、222、223、224、225、226、321 エンコーダ
231、232、233、234、235、236 トルクセンサ
232a 入力部
232b 起歪部
232c 出力部
242 減速機
252 出力フレーム
252a 中空部
262 軸受(クロスローラーベアリング)
300 ロボットハンド本体
311 ハンドモータ
400 制御装置
500 外部入力装置
700 低摩擦部材
701、805 取付部
702、703 接触部
702a R面
703a 平面
704 切り欠き部
800、801、802 留め具
803 結束バンド
804 門型クランプ
805a 孔
805b 円弧スライド溝
805c、806c スライド溝
806 バネ部
900 固定部材
900a、900b ネジ穴
1000 ロボットシステム(ロボット装置)
J1、J2、J3、J4、J5、J6 関節

Claims (31)

  1. 回転または揺動するリンクを有するロボット本体と、
    線材と、
    部材と、を備え、
    前記部材は、前記リンクと前記線材との間に配置され、前記線材が前記部材に接触した状態で発生する第1摩擦力は、前記線材が前記リンクに接触した状態で発生する第2摩擦力より小さい、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  2. 請求項1に記載のロボットシステムにおいて、
    前記部材は、前記リンクに設けられている、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  3. 請求項1または2に記載のロボットシステムにおいて、
    前記線材と前記部材との第1摩擦係数は、前記線材と前記リンクとの第2摩擦係数よりも小さい、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のロボットシステムにおいて、
    前記部材は、薄膜状である、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  5. 請求項3に記載のロボットシステムにおいて、
    前記部材は、テープ、シート、樹脂コーティングの少なくとも1つである、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  6. 請求項4または5に記載のロボットシステムにおいて、
    前記部材は、テフロン、ナイロン、ABS樹脂の少なくとも1つを含む、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  7. 請求項4から6のいずれか1項に記載のロボットシステムにおいて、
    前記部材は、両面テープを用いて前記リンクに固定されている、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  8. 請求項1から3のいずれか1項に記載のロボットシステムにおいて、
    前記部材は、
    前記リンクに取り付けるための取付部と、
    前記線材と接触する接触部と、を備えている、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  9. 請求項8に記載のロボットシステムにおいて、
    前記取付部は変形が可能であり、
    前記取付部を前記リンクに嵌め込むことで、前記部材を前記リンクに固定する、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  10. 請求項9に記載のロボットシステムにおいて、
    前記取付部は、切り欠き部を備えている、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  11. 請求項8から10のいずれか1項に記載のロボットシステムにおいて、
    前記取付部の所定の方向からの断面図はU字型となっている、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  12. 請求項8から11のいずれか1項に記載のロボットシステムにおいて、
    前記接触部は、前記線材の径よりも3倍以上のR面、およびまたは平面を備えている、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  13. 請求項8から12のいずれか1項に記載のロボットシステムにおいて、
    前記リンクは第1リンクと第2リンクを有し、前記第1リンクに対して関節によって前記第2リンクが揺動または回転し、
    前記第2リンクには、前記関節に前記線材を挿通させるための第1開口部を備え、
    前記接触部は、前記第1開口部に設けられる第1接触部を有している、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  14. 請求項13に記載のロボットシステムにおいて、
    前記第1接触部に、前記線材の径よりも3倍以上のR面が設けられている、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  15. 請求項13または14に記載のロボットシステムにおいて、
    前記第1接触部は、前記関節による前記第2リンクの可動範囲に基づき設けられている、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  16. 請求項15に記載のロボットシステムにおいて、
    前記第1接触部は、前記可動範囲のみに設けられている、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  17. 請求項13から16のいずれか1項に記載のロボットシステムにおいて、
    前記第2リンクには、前記第1開口部とは異なる第2開口部を備え、
    前記接触部は、前記第2開口部に設けられる第2接触部を有している、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  18. 請求項17に記載のロボットシステムにおいて、
    前記第2接触部に平面を備えている、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  19. 請求項8から18のいずれか1項に記載のロボットシステムにおいて、
    前記部材は、切削または金型で形成された樹脂部品である、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  20. 請求項1から12のいずれか1項に記載のロボットシステムにおいて、
    前記ロボット本体は、前記リンクを回転または揺動させる駆動装置に接続され前記リンクと共に回転または揺動する出力部材を備え、
    前記出力部材は、中空部が設けられており、
    前記中空部に前記線材が配されている、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  21. 請求項20に記載のロボットシステムにおいて、
    前記中空部の所定の方向からの断面図はL字型となっている、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  22. 請求項20または21に記載のロボットシステムにおいて、
    前記中空部における、前記線材が前記リンクの側に出るための出口に、前記線材を保持する保持機構が設けられている、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  23. 請求項1から22のいずれか1項に記載のロボットシステムにおいて、
    前記第1摩擦力は、前記線材が前記部材に接触した状態から前記線材を移動させる際の摩擦力であり、
    前記第2摩擦力は、前記線材が前記リンクに接触した状態から前記線材を移動させる際の摩擦力である、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  24. 請求項1から22のいずれか1項に記載のロボットシステムにおいて、
    前記第1摩擦力は、前記線材が前記部材に接触した状態で移動させている際の摩擦力であり、
    前記第2摩擦力は、前記線材が前記リンクに接触した状態で移動させている際の摩擦力である、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  25. 請求項1から24のいずれか1項に記載のロボットシステムにおいて、
    前記部材は、低摩擦部材である、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  26. 請求項1から25のいずれか1項に記載のロボットシステムにおいて、
    前記ロボット本体は、力を検出するセンサを備えている、
    ことを特徴とするロボットシステム。
  27. 請求項1から26のいずれか1項に記載のロボットシステムを用いて物品の製造を行うことを特徴とする物品の製造方法。
  28. 回転または揺動するリンクを有するロボット本体と、
    線材と、
    部材と、を備えたロボットシステムの制御方法であって、
    前記部材は、前記リンクと前記線材との間に配置され、前記線材が前記部材に接触した状態で発生する第1摩擦力は、前記線材が前記リンクに接触した状態で発生する第2摩擦力より小さく、
    制御装置が、前記線材を用いて前記ロボット本体に設けられている駆動装置を制御して前記ロボット本体を制御する、
    ことを特徴とする制御方法。
  29. 請求項28に記載の制御方法を実行可能な制御プログラム。
  30. 請求項29に記載の制御プログラムを格納した、コンピュータで読み取り可能な記録媒体。
  31. 回転または揺動するリンクと、線材と、部材と、を有するロボット本体に設けられる低摩擦部材であって、
    前記低摩擦部材は、前記リンクと前記線材との間に配置され、前記線材が前記低摩擦部材に接触した状態で発生する第1摩擦力は、前記線材が前記リンクに接触した状態で発生する第2摩擦力より小さい、
    ことを特徴とする低摩擦部材。
JP2021171696A 2021-10-20 2021-10-20 ロボットシステム、ロボットシステムの制御方法、ロボットシステムを用いた物品の製造方法、低摩擦部材、制御プログラムおよび記録媒体 Pending JP2023061647A (ja)

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