JP2016203288A - 作業ロボット用撥水性保護カバー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の作業ロボット用撥水性保護カバーは、水が付着する作業ロボットに被せる保護カバー(21,24,26,34)であって、合成繊維糸を使用した編み物で構成し、前記編み物はJIS L1018B法(定荷重法)に準拠した荷重4.9Nにおける伸び率が、たて方向で20%以上、円周方向で15%以上あり、前記編み物は撥水加工されており、JIS L 1092に規定されているスプレー試験で4級以上である。
【選択図】図6
Description
(1)機械加工:旋盤、フライス盤、ドリル、グラインダー等
(2)溶断加工:レーザーによる切断、ガス溶接トーチによる切断、プラズマ切断等
(3)浸食加工:ウォータージェット、放電加工等
JIS L1018B法(定荷重法)に準拠した。温度20±2℃、相対湿度65±2%の雰囲気下で編み物をウェール方向(たて方向)及びコース方向(よこ方向)にそれぞれ長さ30cm、幅5cmの大きさに切断し、5枚の試験片とした。この試験片の一端を上部クランプで固定し、他端に3gfの初期荷重を加え、20cm間隔に印を付け、静かに4.9Nの荷重を加えて1分間保持後の印間の距離を測定し、次の式によって伸び率(%)を求め、ウェール方向(たて方向)及びコース方向(よこ方向)それぞれ5回の平均値を算出した。
Ep={(L1−L)/L}×100
Ep:伸び率(%)
L:元の印間の長さ(cm)
L1:4.9Nの荷重を加え1分間保持後の印間の長さ(cm)
<撥水性>
日本工業規格JIS L 1092に規定されているスプレー試験で撥水性を測定した。評価基準は次のとおりである。下記の評価基準中、表面とは編み物の表面のことである。
1級:表面全体に湿潤を示もの。
2級:表面の半分に湿潤を示し、小さな個々の湿潤が布を浸透する状態を示すもの。
3級:表面に小さな個々の水滴状の湿潤を示すもの。
4級:表面に湿潤しないが、小さな水滴の付着を示すもの。
5級:表面に湿潤及び水滴の付着がないもの。
(1)編み物編成
下記a,bの糸を使用し、33インチ、28ゲージの丸編機に供給してダブルニットのスムース組織に編成した。サイズは、円筒状物をそのまま平らな場所に置いた状態(生機、編みあがり)で幅Dは92cm、長さL36mであった。
a.糸1:ポリウレタンフィラメント糸(44tex,texは1000m当たりのg数)とポリエステルフィラメント糸(フィラメント数36本、トータル繊度84tex)を合わせた糸
b. 糸2:ポリエステルフィラメント糸(フィラメント数36本、トータル繊度84tex、酸化チタン0.5質量%添加)
糸1と糸2の使用割合は、糸1と糸2の合計を100質量%としたとき、糸1は70質量%、糸2は30質量%であった。
(2)染色及び精練
通常の分散染料を使用して染色機中120℃で20分間し、冷却後、汚れ等を取りリラックスのため精練した。このようにして得られた保護カバーのサイズは、円筒状物をそのまま平らな場所に置いた状態で図1における幅Dは69cm、長さLは25m、目付は350g/m2であった。
このようにして得られた編地をロボット形状に合わせて裁断と縫製をした。撥水処理加工前に縫製をするのは、縫製糸も撥水処理加工するためである。これにより、縫製糸からの水の浸入を防ぐことができる。
(2)撥水処理加工
前記の縫製後の編地を、下記の条件で撥水処理加工した。
a.使用薬剤
・撥水剤:ツヤック社製、商品名“WO91”(フッ素系撥水剤)、使用量7%o.w.f(o.w.fはon the wight of fiberの略)
・触媒:名声化学社製、商品名“メイカネートCX” 、使用量1%o.w.f
b.加工
前記編み物を保護カバーに縫製後、前記撥水剤を含む処理液に浸漬し、脱水し(ピックアップ率85%)、乾燥し、180℃で1分間キュアして熱硬化した。
(3)保護カバーの伸び率
前記したJIS L1018B法に準拠した伸び率は、たて方向で34.9%、よこ(円周)方向で31.1%であった。
(4)保護カバーの撥水性
保護カバーの撥水性は5級であった。
(5)ロボットの保護カバー試験
以上のようにして得られた保護カバーを、金属切削工程の後の非加工物の受け渡し作業ロボットに着装した。その結果、着脱が容易で、着脱作業時間は5〜10分間で済み、作業ロボットが受け渡し作業を繰り返しても、引っかかるなどの問題は生じなかった。さらにこの保護カバーは撥水が高いことから、金属の切削屑と切削油とクーラント(水)が混合した汚染物がふりかかっても簡単に除去でき、ロボットを保護できることが確認できた。また洗濯して再使用することもできた。
(1)編み物編成
実施例1と同様に編み物を作成した。
(2)撥水処理
実施例1と同様に撥水処理した。このようにして得られたサイズは、円筒状物をそのまま平らな場所に置いた状態で図1における幅Dは1m、長さLは45mであった。
(3)保護カバーの伸び率
前記したJIS L1018B法に準拠した伸び率は、たて方向で34.9%、よこ(円周)方向で31.1%であった。
(4)保護カバーの撥水性
保護カバーの撥水性は、5級であった。
(5)ロボットの保護カバー試験
以上のようにして得られた保護カバーを、金属切削工程の後の非加工物の受け渡し作業ロボットに着装した。その結果、着脱が容易で、着脱作業時間は5〜10分間で済み、作業ロボットが受け渡し作業を繰り返しても、引っかかるなどの問題は生じなかった。さらにこの保護カバーは撥水が高いことから、金属の切削屑と切削油とクーラント(水)が混合した汚染物がふりかかっても簡単に除去でき、ロボットを保護できることが確認できた。また洗濯して再使用することもできた。
この実施例においては、作業ロボットの形状及び大きさにフィットする複数の大きさのパーツからなる複数の保護カバーの例について説明する。下記を変えた以外は実施例1と同様に保護カバーを作成した。まず、図3に示すように、金属切削作業ロボットの先端保護カバー21を丸編機で作成した。大きさは図3のように畳んだ状態で下辺横200mm、上辺横90mm、縦320mmとした。上辺の末端は、融着幅5mmの高周波融着加工によりほつれ防止縁22とした。融着加工することにより、末端からほつれることはなく、繊維屑も発生しなかった。下辺は袋縫いしゴム23を入れた。
撥水処理しない以外は実施例1と同様に保護カバーを作成した。この保護カバーの撥水性は3級であった。この保護カバーを、実施例1と同様に金属切削作業ロボットに着装した。その結果、金属の切削屑と切削油とクーラント(水)が混合した汚染物がふりかかって濡れ、前記汚染物は保護カバーに付着して取れなくなってしまった。そのうえ、保護カバーから作業ロボット側に汚染水が浸み込んでしまい、作業ロボット自体が汚染してしまった。
3,4 円筒状編み物
21 先端保護カバー
22 ほつれ防止縁
23 ゴム
24 中間保護カバー
25 紐
26 ボティー保護カバー
27 分離部
28,28 ボタン穴
29,29 ボタン
30 ボタン用紐
Claims (6)
- 水が付着する作業ロボットに被せる保護カバーであって、
合成繊維糸を使用した編み物で構成し、前記編み物はJIS L1018B法(定荷重法)に準拠した荷重4.9Nにおける伸び率が、たて方向で20%以上、円周方向で15%以上あり、
前記編み物は撥水加工されており、JIS L 1092に規定されているスプレー試験で4級以上であることを特徴とする作業ロボット用撥水性保護カバー。 - 前記保護カバーは、フッ素系撥水剤を含む加工液に浸漬した後、脱水、乾燥、キュアにより撥水加工されている請求項1に記載の作業ロボット用撥水性保護カバー。
- 前記編み物は、ポリウレタンとポリエステルのフィラメント糸により編製されている請求項1又は2に記載の作業ロボット用撥水性保護カバー。
- 前記編み物は、目付けが80g/m2以上600g/m2以下の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の作業ロボット用撥水性保護カバー。
- 前記編み物はダブル編み物組織である請求項1〜4のいずれかに記載の作業ロボット用撥水性保護カバー。
- 前記作業ロボットは、金属切削加工作業ロボット、水洗作業ロボット又は水が付着する部品を搬送する作業ロボットである請求項1〜5のいずれかに記載の作業ロボット用撥水性保護カバー。
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JP2015086129A JP2016203288A (ja) | 2015-04-20 | 2015-04-20 | 作業ロボット用撥水性保護カバー |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018164967A (ja) * | 2017-03-28 | 2018-10-25 | 艶金化学繊維株式会社 | 作業ロボット用耐熱性保護カバー |
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- 2015-04-20 JP JP2015086129A patent/JP2016203288A/ja active Pending
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