JP2016203288A - 作業ロボット用撥水性保護カバー - Google Patents

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泰和 墨
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Abstract

【課題】水が付着したり降りかかってもロボットを保護でき、着脱が容易でメンテナンスの手間を小さくすることができ、加工製品の不良を減らすことが可能な作業ロボット用撥水性保護カバーを提供する。
【解決手段】本発明の作業ロボット用撥水性保護カバーは、水が付着する作業ロボットに被せる保護カバー(21,24,26,34)であって、合成繊維糸を使用した編み物で構成し、前記編み物はJIS L1018B法(定荷重法)に準拠した荷重4.9Nにおける伸び率が、たて方向で20%以上、円周方向で15%以上あり、前記編み物は撥水加工されており、JIS L 1092に規定されているスプレー試験で4級以上である。
【選択図】図6

Description

本発明は、金属切削加工や水洗ロボット等に好適な作業ロボット用撥水性保護カバーに関する。さらに詳しくは、編み物製の作業ロボット用撥水性保護カバーに関する。
従来から、アームと関節を有する塗装用作業ロボット用保護カバーは知られている(特許文献1〜3)。これらの作業ロボット用保護カバーは、鉄板やプラスチック成形物の表面に塗料を吹き付けなどのコーティング塗装を行うロボットアームへ塗料の飛沫がかかるのを防ぐための保護カバーであり、汚れ防止や製品の歩留まり向上に一定の効果が認められ、実用化されている。これらの保護カバーはどちらかというと親水性や難燃性のものが好適である。他の従来技術としては、特許文献4には撥水性フィルムをラミネートした保護カバーが提案され、特許文献5には羊毛、ナイロン、ポリエステルそれ自体の撥水性糸をメリヤス編みした保護カバーが提案されている。
特許第4659786号公報 特開2011−183496号公報 特開2014−083665号公報 特開2010−274373号公報 実開平1−069659号全文明細書
近年、金属切削加工や水洗ロボット作業ロボット又はロボットアーム等に適用する保護カバーの要求が高まっている。金属切削加工においては、切削油とクーラントを切削部に付与しながら金属切削を行う必要があり、金属の切削屑と切削油とクーラント(水)が混合した汚染物が発生し、これがロボット本体やアームに飛散するという問題がある。したがって、特許文献1〜3のような塗装ロボット用保護カバーを転用するだけでは対処できない問題がある。また、特許文献4のような撥水性フィルムをラミネートした保護カバーでは伸縮性に限界があり、ロボットの自由な動きに追従できないという問題があり、特許文献5のような糸自体の撥水性(正確には疎水性)では撥水性が低く、前記したように金属の切削屑と切削油とクーラント(水)が混合した汚染物が発生し、これがロボット本体やアームに飛散するという問題がある。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、水が付着したり降りかかってもロボットを保護でき、着脱が容易でメンテナンスの手間を小さくすることができ、加工製品の不良を減らすことが可能な作業ロボット用撥水性保護カバーを提供する。
本発明の作業ロボット用撥水性保護カバーは、水が付着する作業ロボットに被せる保護カバーであって、合成繊維糸を使用した編み物で構成し、前記編み物はJIS L1018B法(定荷重法)に準拠した荷重4.9Nにおける伸び率が、たて方向で20%以上、円周方向で15%以上あり、前記編み物は撥水加工されており、JIS L 1092に規定されているスプレー試験で4級以上であることを特徴とする。
本発明の作業ロボット用撥水性保護カバーは、合成繊維糸を使用した編み物で構成し、前記編み物はJIS L1018B法(定荷重法)に準拠した荷重4.9Nにおける伸び率が、たて方向で20%以上、円周方向で15%以上あり、前記編み物は撥水加工されており、JIS L 1092に規定されているスプレー試験で4級以上であることにより、ロボットの動きに追従できるとともに、水が付着したり降りかかってもロボットを保護でき、着脱が容易でメンテナンスの手間を小さくすることができる金属切削加工作業ロボット用保護カバーを提供できる。
図1は発明の一実施例における保護カバーを示す斜視図である。 図2は本発明の別の実施例における保護カバーを示す斜視図である。 図3は本発明の実施例3における作業ロボットの先端保護カバーを示す正面図である。 図4は本発明の実施例3における作業ロボットの中間保護カバーを示す正面図である。 図5は本発明の実施例3における作業ロボットのボディー用保護カバーを示す正面図である。 図6は本発明の実施例3における作業ロボットの全体を覆う保護カバーを示す模式的正面図である。
本発明は、水が付着したり降りかかってもロボットを保護するための保護カバーである。前記作業ロボットは、金属切削加工作業ロボット、水洗作業ロボット又は水が付着する部品を搬送する作業ロボット等がある。切削工程後や水洗工程後の被加工物(部品)の受け渡しをするロボットでもよい。ここで作業ロボットとは、作業ロボット本体でも良いし、ロボットのアームも含む。ロボット本体とアームは共に可動する場合があり、明確に区別できない場合もあるからである。水洗ロボットの場合もロボット本体とアームも含む。
本発明の作業ロボットアームに被せる保護カバーは、好ましくは熱可塑性合成繊維糸を用いる。熱可塑性合成繊維としては、ポリエステル繊維及び/又はポリアミド(ナイロン)繊維、又はこれらの繊維とウレタン繊維を併用してもよい。好ましくはポリエステル繊維又はポリエステル繊維とポリウレタン繊維の併用である。ポリエステル繊維は、強力が高く、保護カバーとして好適である。糸の形態は、紡績糸でもフィラメント糸でもよいが、塵埃を出さないという観点からすると、好ましくはフィラメントである。フィラメント糸の場合は、マルチフィラメント延伸糸(生糸)でもよいし、マルチフィラメントの仮撚加工糸でも良い。仮撚加工糸はバルキーヤーンともいわれている。ポリウレタン繊維はモノフィラメントでもよい。
前記編み物は緯編地又は経編地であるのが好ましい。緯編地の中には丸編ニット地がある。丸編ニット地は円筒状に構成するのが容易である。経編地はトリコット編地又はラッセル編地でもよい。これらの編地は、裁断と縫製によって作業ロボットの形状に合わせて形成することもできる。これらの編地はダブル編み物組織が好ましい。また、編み物は、JIS L1018B法(定荷重法)に準拠した荷重4.9Nにおける伸び率が、たて方向で20%以上、円周方向で15%以上とする。このような大きな伸縮性は、編み物を染色する際に、リラックス状態で染色温度を120℃以上とし、染色仕上げ幅を編み幅の30〜60%に収縮させることにより伸縮性を発現できる。例えば前記編み物をリラックス染色し高温で収縮させると、大きな伸縮性を発現する。染色物の色は、工場のラインに応じて変えることができる。
前記編み物は撥水加工されており、JIS L 1092に規定されているスプレー試験で4級以上である。前記スプレー試験は耐水圧を必要としない撥水性の測定に有用であり、国際規格のISO4920と同様な試験方法である。この試験の4級は、表面に湿潤はないが、小さな水滴の付着を示すであり、5級は表面に湿潤及び水滴の付着がないものである。5級が最高評価である。前記撥水加工は、編地を、フッ素系撥水剤を含む加工液に浸漬した後、脱水、乾燥、キュアすることが好ましい。これにより、撥水剤を強固に繊維に固定できる。
撥水加工は、例えばフッ素含有化合物、シリコーン化合物、フッ素含有シリコーン化合物又は炭化水素系化合物を含む撥水剤を繊維に結合させることにより発現される。本発明で使用できるフッ素系撥水剤としては、例えばツヤック社製、商品名“WO91”、“アサヒガードGS10”(商品名)(旭硝子社製、フッ素系撥水剤エマルジョン)、“NKガードFGN700T”(商品名)、“NKガードNDN7000”(商品名)(いずれも日華化学社製、フッ素系撥水剤エマルジョン)等がある。変性シリコーン系撥水剤としては、エポキシ変性シリコーン系撥水剤、カチオン系アミノ変性シリコーン系撥水剤等があり、市販品としては、“X−22−9002”(商品名、側鎖両末端型エポキシ変性シリコーン)、“X−22−163A”(商品名、両末端型エポキシ変性シリコーン)“KF−8012”(商品名、カチオン系両末端アミノ変性シリコーン)、いずれも信越シリコーン社製などがある。カチオン系フッ素含有シリコーン化合物としては、市販品として日華化学社製、商品名“NKガードS−07”、“NKガードS−09”がある。カチオン系フッ素化合物としては、市販品として“AG−E061” (商品名)、“AG−E081” (商品名)、“AG−E082” (商品名)、“AG−E092” (商品名)、“AG−E500D” (商品名)(いずれも旭硝子社製、カチオン系フッ素系撥水剤エマルジョン)、“カチオン系炭化水素系化合物としては、高融点ワックスエマルジョン:日華化学社製、商品名“TH−44”がある。
前記編地には難燃性及び/又は帯電防止性を付与するのが好ましい。この性質を付与するための難燃加工、帯電防止加工は公知の方法を採用できる。例えば難燃加工はリン系の難燃剤をバインダーで付着させることにより得られる。帯電防止は制電繊維を編み込む方法がある。
緯編みはダブルジャージー(ダブル・ピケなど)、両面編みが好ましく、経編みはダブル・トリコット編み、ダブル・ラッセル編みが好ましい。ダブル編み組織であれば、単位当たりの質量(目付け)も高く、耐久性も高く、ロボットアームの激しく大きな屈伸の動きにも対応できる。丸編ニットは、一例としてダブルのスムース編み組織が好ましい。
マルチフィラメント加工糸の繊度及びフィラメント数は任意のものとすることができる。例えばフィラメント数10〜100本、トータル繊度20〜500dtexの糸を用いる。
前記編み物は、目付けが60g/m2以上600g/m2以下の範囲であることが好ましい。より好ましい目付は100g/m2以上500g/m2以下である。これにより、強度と耐久性が高く、かつ液体の直接的な侵入を防ぐことができる。目付けが60g/m2未満では強度が低く、液体の直接的な侵入を防ぐことは困難である。また目付けが600g/m2を超えるとコストが高くなる傾向となる。
本発明において保護カバーは、作業ロボットの形状及び大きさにフィットする複数の大きさのパーツを組み合わせても良い。通常、作業ロボットは、機台、ボディー、アームなど複数のパーツで構成されているので、各パーツに合わせたサイズで保護カバーを形成すると、無駄がなく、付け替え作業も容易となる。前記保護カバーは、さらに紐、ゴム、ボタン、ホック、フック、磁石、ファスナー又は面ファスナーによる固定手段を有していてもよい。これらの固定手段を使用すると、保護カバーが作業ロボットから外れることを防止できるうえ、クーラント供給パイプ、切削油供給パイプ、電線などが存在していても、隙間を作成して覆うことができる。とくに磁石は、磁石同士でも、磁石とロボットのハウジングなどの金属とも固定でき、複雑な形状であってもたるみなく固定できることから好ましい。
また、前記保護カバーの末端は、融着加工によりほつれ防止処理されていることが好ましい。末端がほつれてほこりが出るのは好ましくない。
本発明の金属切削加工作業ロボットは、次のようなものがある。
(1)機械加工:旋盤、フライス盤、ドリル、グラインダー等
(2)溶断加工:レーザーによる切断、ガス溶接トーチによる切断、プラズマ切断等
(3)浸食加工:ウォータージェット、放電加工等
次に図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施例における円筒状の保護カバー1の平面図である。円周方向にはシームレスである。両末端は伸縮性のある縫い方で処理するか、または伸縮性を損なわない熱溶融処理するので、末端からのほつれは起こらない。この保護カバーは、円筒状編み物の直径が幅となるように折りたたんだ状態で、一例として長さLは0.3〜4.5m、幅Dは0.3〜1.5mである。
図2は、直径の異なる2つの円筒状編み物3,4を縫製してつなぐか、又は連続した編み物とした保護カバーの斜視図である。両末端は同様に折り返され縫製されている。この保護カバーは、円筒状編み物の直径が幅となるように折りたたんだ状態で、一例として長さL1は0.3〜4.0m、L2は0.3〜1.5m、幅D1は0.3〜1.5m、D2は0.05m以上〜0.3m未満である。
以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。なお本発明は下記の実施例に限定して解釈されるものではない。
<編み物の伸び率>
JIS L1018B法(定荷重法)に準拠した。温度20±2℃、相対湿度65±2%の雰囲気下で編み物をウェール方向(たて方向)及びコース方向(よこ方向)にそれぞれ長さ30cm、幅5cmの大きさに切断し、5枚の試験片とした。この試験片の一端を上部クランプで固定し、他端に3gfの初期荷重を加え、20cm間隔に印を付け、静かに4.9Nの荷重を加えて1分間保持後の印間の距離を測定し、次の式によって伸び率(%)を求め、ウェール方向(たて方向)及びコース方向(よこ方向)それぞれ5回の平均値を算出した。
p={(L1−L)/L}×100
p:伸び率(%)
L:元の印間の長さ(cm)
1:4.9Nの荷重を加え1分間保持後の印間の長さ(cm)
<撥水性>
日本工業規格JIS L 1092に規定されているスプレー試験で撥水性を測定した。評価基準は次のとおりである。下記の評価基準中、表面とは編み物の表面のことである。
1級:表面全体に湿潤を示もの。
2級:表面の半分に湿潤を示し、小さな個々の湿潤が布を浸透する状態を示すもの。
3級:表面に小さな個々の水滴状の湿潤を示すもの。
4級:表面に湿潤しないが、小さな水滴の付着を示すもの。
5級:表面に湿潤及び水滴の付着がないもの。
(実施例1)
(1)編み物編成
下記a,bの糸を使用し、33インチ、28ゲージの丸編機に供給してダブルニットのスムース組織に編成した。サイズは、円筒状物をそのまま平らな場所に置いた状態(生機、編みあがり)で幅Dは92cm、長さL36mであった。
a.糸1:ポリウレタンフィラメント糸(44tex,texは1000m当たりのg数)とポリエステルフィラメント糸(フィラメント数36本、トータル繊度84tex)を合わせた糸
b. 糸2:ポリエステルフィラメント糸(フィラメント数36本、トータル繊度84tex、酸化チタン0.5質量%添加)
糸1と糸2の使用割合は、糸1と糸2の合計を100質量%としたとき、糸1は70質量%、糸2は30質量%であった。
(2)染色及び精練
通常の分散染料を使用して染色機中120℃で20分間し、冷却後、汚れ等を取りリラックスのため精練した。このようにして得られた保護カバーのサイズは、円筒状物をそのまま平らな場所に置いた状態で図1における幅Dは69cm、長さLは25m、目付は350g/m2であった。
このようにして得られた編地をロボット形状に合わせて裁断と縫製をした。撥水処理加工前に縫製をするのは、縫製糸も撥水処理加工するためである。これにより、縫製糸からの水の浸入を防ぐことができる。
(2)撥水処理加工
前記の縫製後の編地を、下記の条件で撥水処理加工した。
a.使用薬剤
・撥水剤:ツヤック社製、商品名“WO91”(フッ素系撥水剤)、使用量7%o.w.f(o.w.fはon the wight of fiberの略)
・触媒:名声化学社製、商品名“メイカネートCX” 、使用量1%o.w.f
b.加工
前記編み物を保護カバーに縫製後、前記撥水剤を含む処理液に浸漬し、脱水し(ピックアップ率85%)、乾燥し、180℃で1分間キュアして熱硬化した。
(3)保護カバーの伸び率
前記したJIS L1018B法に準拠した伸び率は、たて方向で34.9%、よこ(円周)方向で31.1%であった。
(4)保護カバーの撥水性
保護カバーの撥水性は5級であった。
(5)ロボットの保護カバー試験
以上のようにして得られた保護カバーを、金属切削工程の後の非加工物の受け渡し作業ロボットに着装した。その結果、着脱が容易で、着脱作業時間は5〜10分間で済み、作業ロボットが受け渡し作業を繰り返しても、引っかかるなどの問題は生じなかった。さらにこの保護カバーは撥水が高いことから、金属の切削屑と切削油とクーラント(水)が混合した汚染物がふりかかっても簡単に除去でき、ロボットを保護できることが確認できた。また洗濯して再使用することもできた。
(実施例2)
(1)編み物編成
実施例1と同様に編み物を作成した。
(2)撥水処理
実施例1と同様に撥水処理した。このようにして得られたサイズは、円筒状物をそのまま平らな場所に置いた状態で図1における幅Dは1m、長さLは45mであった。
(3)保護カバーの伸び率
前記したJIS L1018B法に準拠した伸び率は、たて方向で34.9%、よこ(円周)方向で31.1%であった。
(4)保護カバーの撥水性
保護カバーの撥水性は、5級であった。
(5)ロボットの保護カバー試験
以上のようにして得られた保護カバーを、金属切削工程の後の非加工物の受け渡し作業ロボットに着装した。その結果、着脱が容易で、着脱作業時間は5〜10分間で済み、作業ロボットが受け渡し作業を繰り返しても、引っかかるなどの問題は生じなかった。さらにこの保護カバーは撥水が高いことから、金属の切削屑と切削油とクーラント(水)が混合した汚染物がふりかかっても簡単に除去でき、ロボットを保護できることが確認できた。また洗濯して再使用することもできた。
(実施例3)
この実施例においては、作業ロボットの形状及び大きさにフィットする複数の大きさのパーツからなる複数の保護カバーの例について説明する。下記を変えた以外は実施例1と同様に保護カバーを作成した。まず、図3に示すように、金属切削作業ロボットの先端保護カバー21を丸編機で作成した。大きさは図3のように畳んだ状態で下辺横200mm、上辺横90mm、縦320mmとした。上辺の末端は、融着幅5mmの高周波融着加工によりほつれ防止縁22とした。融着加工することにより、末端からほつれることはなく、繊維屑も発生しなかった。下辺は袋縫いしゴム23を入れた。
次に、図4に示すように、作業ロボットの中間部の可動部を覆うための中間保護カバー24を丸編機で作成した。大きさは図4のように畳んだ状態で横320mm、縦800mmとした。上辺の末端は、融着幅5mmの高周波融着加工によりほつれ防止縁22とした。下辺は袋縫いし紐25を入れて、固定手段とした。
次に図5に示すように、作業ロボットのボディー部を覆うためのボティー保護カバー26を丸編機で作成した。大きさは図5のように畳んだ状態で横1200mm、縦2000mmとした。上辺の末端は、融着幅5mmの高周波融着加工によりほつれ防止縁22とした。下辺は袋縫いし紐25を入れて、固定手段とした。さらに右上から900mmの長さで分離部27を作成し、ボタン29又はフックにより分離部27を止めるようにした。ボタン29,29は紐30に固定されており、ボタン穴28,28に入れて固定する。分離する際にはボタン29,29はボティー保護カバー26から外す。このようにすると洗濯時に生地を痛めることがない。なお、ボタンに換えて磁石を使用してもよい。磁石は、磁石同士でも固定できるほか、磁石とロボットのハウジングなどの金属とも固定でき、複雑な形状であってもたるみなく固定できることから好ましい。磁石も洗濯時には取り外しできる。いずれの保護カバーの撥水性は5級であった。
以上のように作成した保護カバーを、図6に示すように金属切削加工用作業ロボットに被せた。すなわち、切削工具32の上の先端保護カバー21と、中間保護カバー24と、ボティー保護カバー26を、図6に示すように作業ロボット10に被せた。保護カバー21,24,26は、作業ロボット10の形状及び大きさにフィットするように構成されているので、無駄な空間がなくしかもロボットアームが自由に動ける保護カバーとすることができた。31a〜31dは作業ロボットに接続されている電線である。移動アーム10には保護カバー34を被せ、紐25で固定した。保護カバー34も実施例1と同様の撥水処理加工をした。
金属切削加工用作業ロボットの切削工具32の近辺にはシャワー口33から切削油とクーラント(水)のエマルション混合液を切削部に供給して切削加工した。その結果、金属の切削屑と切削油とクーラント(水)が混合した汚染物がふりかかってもロボットを保護でき、ロボットが汚れるのを防げた。また、着脱が容易でメンテナンスの手間を小さくすることができることが確認できた。
(比較例1)
撥水処理しない以外は実施例1と同様に保護カバーを作成した。この保護カバーの撥水性は3級であった。この保護カバーを、実施例1と同様に金属切削作業ロボットに着装した。その結果、金属の切削屑と切削油とクーラント(水)が混合した汚染物がふりかかって濡れ、前記汚染物は保護カバーに付着して取れなくなってしまった。そのうえ、保護カバーから作業ロボット側に汚染水が浸み込んでしまい、作業ロボット自体が汚染してしまった。
1 保護カバー
3,4 円筒状編み物
21 先端保護カバー
22 ほつれ防止縁
23 ゴム
24 中間保護カバー
25 紐
26 ボティー保護カバー
27 分離部
28,28 ボタン穴
29,29 ボタン
30 ボタン用紐

Claims (6)

  1. 水が付着する作業ロボットに被せる保護カバーであって、
    合成繊維糸を使用した編み物で構成し、前記編み物はJIS L1018B法(定荷重法)に準拠した荷重4.9Nにおける伸び率が、たて方向で20%以上、円周方向で15%以上あり、
    前記編み物は撥水加工されており、JIS L 1092に規定されているスプレー試験で4級以上であることを特徴とする作業ロボット用撥水性保護カバー。
  2. 前記保護カバーは、フッ素系撥水剤を含む加工液に浸漬した後、脱水、乾燥、キュアにより撥水加工されている請求項1に記載の作業ロボット用撥水性保護カバー。
  3. 前記編み物は、ポリウレタンとポリエステルのフィラメント糸により編製されている請求項1又は2に記載の作業ロボット用撥水性保護カバー。
  4. 前記編み物は、目付けが80g/m2以上600g/m2以下の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の作業ロボット用撥水性保護カバー。
  5. 前記編み物はダブル編み物組織である請求項1〜4のいずれかに記載の作業ロボット用撥水性保護カバー。
  6. 前記作業ロボットは、金属切削加工作業ロボット、水洗作業ロボット又は水が付着する部品を搬送する作業ロボットである請求項1〜5のいずれかに記載の作業ロボット用撥水性保護カバー。
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