JP2016202888A - 処置具 - Google Patents

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Abstract

【課題】貼付シートの取り付けが容易であり、簡単な操作で貼付シートを体内で広げて患部に貼り付けることのできる処置具を提供する。
【解決手段】処置具10は、貼付シートSを押し広げて体内の患部Pへ貼付するのに使用され、基端側にハンドル操作部20と、先端側に貼付シートSが被せられる作動部30とを備え、作動部30は、貼付シートSを内側より支持する頭部31と、貼付シートSの頭部により支持される部分S1の周辺部分S2を内側より支持する胴部32とからなり、胴部32は支持部材40aと少なくとも2本の可撓性部材321A〜321Dとから構成され、各可撓性部材は先端側が頭部31に支持され、基端部が頭部31に対して進退可能な可動筒50に支持されることにより、各可撓性部材が可動筒50の前進に伴って外方へ膨らみかつ前記頭部の周囲に張り出す構成されている。
【選択図】図8

Description

本発明は、内視鏡の鉗子ポートに挿入されて使用される処置具に関し、特に、貼付シートを押し広げて体内の患部へ貼付するのに使用されるものである。
内視鏡検査において、食道、胃、十二指腸等の粘膜部分に腫瘍などの病変部が発見されると、内視鏡下で病変部を切除する処置が施されるが、病変部の切除から数日後に遅発性の出血や穿孔が発生する場合がある。このため、病変部を切除した後に、患部を貼付シートで覆う処置を行い、出血や穿孔を予防している。
この種の処置を行うための処置具が、例えば特許文献1に提案されている。特許文献1の処置具は、内視鏡の鉗子チャンネル(鉗子ポート)に挿入されるものであり、外側シースに内側シースが内挿され、内側シースの先端には、保護シート(貼付シート)がロール状に取り付けられた第1の線状部材と、内側シース内に挿通された第2の線状部材とが設けられ、第2の線状部材に保護シートの一端が固着されている。体内において、内側シースと、第1及び第2の線状部材と、保護シートとが外側シースに対して押し出されたとき、第1及び第2の線状部材の間隔が広がることで保護シートが広げられる。この状態で第2の線状部材を内側シースに対して牽引して保護シートと第2の線状部材の固着部分とを分離し、保護シートの端部を患部の周縁に位置合わせして貼り付ける。さらに、第1の線状部材を移動させてロール状の保護シートを巻き終わりまで引き出して保護シートを第1の線状部材から分離させ、患部に貼り付ける。
特開2012−40135号公報
しかし、特許文献1に記載のものでは、ロール状にした貼付シート(保護シート)を第1の線状部材に取り付け、貼付シート(保護シート)の一端を第2の線状部材に固着させなくてはならず、貼付シートの処置具への取り付けが煩雑である。また、第1、第2の線状部材を別々に操作してロール状の貼付シートを引き出しながら広げる必要があり、貼付シートを貼り付ける操作が複雑である。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、貼付シートを容易に取り付けることができ、また簡単な操作で貼付シートを押し広げて患部に貼り付けることのできる処置具を提供することを目的とする。
本発明による処置具は、貼付シートを体内の患部へ貼付するのに使用される処置具であって、基端側に手持ち操作のためのハンドル操作部と、先端側に前記貼付シートが被せられる作動部とを備え、前記作動部は、前記貼付シートを内側より支持する頭部と、前記貼付シートの前記頭部により支持される部分の周辺部分を内側より支持する胴部とからなり、前記胴部は前記頭部を支持する支持部材と前記頭部の周りに配置される少なくとも2本の可撓性部材とから構成され、各可撓性部材はそれぞれの先端側が頭部に支持され、基端側が頭部に対して進退可能な可動部材に支持されており、前記ハンドル操作部を操作することにより、各可撓性部材が前記可動部材の前進に伴って外方へ膨らみかつ前記頭部の周囲に張り出すように構成されている。
処置具の作動部に貼付シートを被せ、内視鏡の鉗子ポートに挿入する。体内において、作動部の頭部を貼付シートを介して患部に当接させ、ハンドル操作部を操作することにより可動部材を頭部に対して前進させることで、作動部の胴部の可撓性部材が外方へ膨らみ頭部の周囲に張り出すため、作動部に被せられた貼付シートが押し広げられて患部に貼付される。
上記の構成によれば、処置具の作動部に貼付シートを被せるだけの簡単な動作で、処置具に容易に貼付シートを取り付けることができる。また、可動部材を頭部に対して前進させるだけの簡単な操作で、作動部に被せられた貼付シートを押し広げて患部に貼り付けることができる。
好ましい実施形態においては、前記可撓性部材はそれぞれの先端側が頭部の外周面に開口する径方向の孔に挿入されて支持されている。
上記の構成によれば、可撓性部材のそれぞれの先端側は、頭部の外周面に垂直に近い角度で支持されるので、可動部材を頭部に対して前進させることで、可撓性部材を確実に頭部の周囲に張り出すことができる。また、可撓性部材は直線形状が記憶された形状記憶合金により形成されていることが好ましい。
さらに好ましい実施形態においては、前記頭部は前記貼付シートを内側より支持する押圧部と前記可撓性部材のそれぞれの先端部が支持される本体部から構成され、前記押圧部の先端面が平坦または半球状であり、前記本体部の外径が前記押圧部の外径よりも小さい。
上記の構成によれば、貼付シートを内側から支持する押圧部の先端面は平坦または半球状であるため、体内において作動部の頭部を貼付シートを介して患部に当接させる際に、患部を傷つけることを防ぐことができる。また、作動部に被せられた貼付シートを処置具で押しながら内視鏡の鉗子ポート内を搬送する際に、頭部が貼付シートを突き破ることを防止するためには、頭部の外径は貼付シートを被せた状態で内視鏡の鉗子ポートを通過できる範囲で可能な限り大きくすることが好ましい。患部を傷つけることを防ぐためにも同様である。
一方、貼付シートを作動部に被せた処置具を鉗子ポートに挿入する際、貼付シートの頭部により支持される部分の周辺部分は本体部の周囲に支持された可撓性部材上に支持されつつ折り重なるが、本体部の外径が大きい場合には、貼付シートの周辺部分がさらに折り重なるため、鉗子ポートに挿入できなくなる恐れがある。このため、より大きなサイズの貼付シートを搬送するには、可撓性部材の先端側が頭部に支持される本体部の外径は可能な限り小さくすることが好ましい。上記の構成によれば、本体部の外径が押圧部の外径よりも小さいため、貼付シートの周辺部分を支持する可撓性部材も径方向に小さくなり、貼付シートの折り重なった部分が押圧部の外周面より突出しないため、本体部の外径と押圧部の外径とが等しい場合に比べてより大きなサイズの貼付シートを突き破ることなく安定して搬送することができ、患部を傷つけることなく体内において作動部の頭部を貼付シートを介して患部に当接させることができる。
好ましい実施形態においては、前記胴部は、偶数本の可撓性部材を有しており、相対する可撓性部材は、1本の線材を前記頭部の外周面に開口する径方向の貫通孔に挿入して折り返すことにより形成されている。
上記の構成によれば、相対する可撓性部材は頭部の本体部に開けられた貫通孔に1本の線材を折り返すことで構成されているため、相対する可撓性部材を別個の線材で構成する場合に比べて孔に線材を通す回数が1度で済み、作業が容易となる。また、相対する可撓性部材を別個の線材で構成する場合は、頭部の本体部の外周面の相対する位置に各線材の先端部を係止するための孔を個々に開設することになるが、各線材の先端部を確実に係止することができる深さの孔を開設するには、頭部の本体部の外径を相応に大きくする必要がある。上記の構成によれば、相対する可撓性部材は1本の線材を貫通孔に挿入して折り返すことで形成されるため、可撓性部材は確実に本体部に係止され、頭部の本体部の外径をより小さくすることができ、さらに低コストでの製作が可能となる。
前記線材の折り返し部分は、前記貫通孔に固定されているか、前記貫通孔に摺動可能に支持されていることが好ましい。
また、前記可撓性部材は直線形状が記憶された形状記憶合金により形成されていることが好ましい。
この実施形態において、可動部材を頭部に対して前進させると、可撓性部材の直線形状に戻ろうとする復元力により、線材は貫通孔の内部で軸心の周りに軸回転してねじれようとする。
このとき、可撓性部材の線材の折り返し部分が貫通孔に固定されている場合には、線材の折り返し部分はねじれることができず、外方へ湾曲して膨らみながら頭部の周囲に張り出す。さらに可動部材が前進すると、可撓性部材は直線形状に戻ろうとする復元力により湾曲しながらねじれ始め、頭部の先端部側から可撓性部材を見たとき、各可撓性部材のねじれた部分は楕円形の面を構成し、頭部の周囲に花びら状に張り出す。このため、貼付シートに接する部分が増え、貼付シートを確実に押し広げて患部に貼り付けることができる。
一方、線材の折り返し部分が貫通孔に摺動可能に支持されている場合には、可動部材を頭部に対して前進させると、可撓性部材は貫通孔の内部で軸回転してねじれ、頭部の先端部側から可撓性部材を見たとき、各可撓性部材のねじれ部分は楕円形の面を構成し、楕円形の面は本体部の貫通孔を各可撓性部材が貫通する方向に対して一方側に傾きつつ、外方へ大きく湾曲して膨らみ、頭部の周囲に張り出す。さらに可動部材が前進すると、可撓性部材は貫通孔の内部でさらに軸回転し、頭部の押圧部の先端面よりも先端側に大きく突出する。このため、貼付シートを頭部よりも前方に押し出して患部に貼り付けることができる。
さらに好ましい実施形態においては、前記貫通孔は前記頭部に複数個設けられ、各貫通孔に前記線材が挿入されており、少なくとも1つの前記線材は折り返し部分が貫通孔に固定されており、残りの前記線材は折り返し部分が貫通孔に摺動可能に支持されている。
上記の構成によれば、貫通孔に固定された可撓性部材と貫通孔に固定されておらず貫通孔に摺動可能に支持された可撓性部材との両方を備えているため、貫通孔に固定された可撓性部材により貼付シートを確実に押し広げて患部に貼り付けることができるとともに、貫通孔に摺動可能に支持された可撓性部材により貼付シートを頭部よりも前方に押し出して患部に貼り付けることができる。
前記線材の折り返し部分が固定される貫通孔の少なくとも1つと前記線材の折り返し部分が摺動可能に支持される貫通孔の少なくとも1つとは、貫通方向が同じであり、前記可動部材の進退方向に沿って形成されていることが好ましい。
好ましい実施形態においては、前記支持部材は、前記ハンドル操作部と前記作動部の頭部とを連結するガイド軸の先端部から構成され、前記可動部材は前記ガイド軸上を進退可能な可動筒であり、前記可動筒に各可撓性部材の基端部が接続されている。
上記の構成によれば、可動筒をガイド軸に沿って前進させることにより、可撓性部材を外方へ膨らませかつ頭部の周囲に張り出させることができる。
好ましい実施形態においては、前記可動筒は、前記可動筒の外側に設けられた外筒内を進退可能である。
外筒が設けられていない処置具を、例えば長尺であり先端部が湾曲した状態の内視鏡の鉗子ポートを介して患部近傍まで挿入している場合、作動部の頭部に対して可動筒を前進させようとしても、鉗子ポートの湾曲部で鉗子ポートの内壁面と可動筒との間に大きい摺動抵抗が発生して可動筒の前進が妨げられ、内視鏡の鉗子ポート外の弛み部分で前進動作が吸収されることになり、逆にガイド軸が可動筒の側に後退しながら可撓性部材が外方に膨らみ、作動部の頭部が患部から離れてしまうことがある。このため、可撓性部材が膨らむ途中で貼付シートが処置具から脱落したり、貼付位置がずれたりする恐れがある。
一方、本実施形態においては、可動筒の外側に外筒を設ける構成とし、外筒内の可動筒のみを前進させるため、鉗子ポートの内壁面と可動筒の間に摺動抵抗は発生せず、確実に可動筒を前進させることができる。このため、作動部の頭部に対して可動筒を前進させることができ、確実に貼付シートを患部に貼り付けることができる。
前記支持部材は前記作動部の頭部と固定筒の先端部を連結する支持棒から構成され、前記可動部材は前記固定筒内を進退可能な可動ロッドであり、前記可動ロッドの先端部に各可撓性部材の基端部が接続されていてもよい。
上記の構成によれば、可動ロッドを固定筒内で前進させることにより、可撓性部材を外方へ膨らませかつ頭部の周囲に張り出させることができる。
前記可動筒、ガイド軸、可動ロッド、固定筒、支持棒は可撓性の材料で構成されていてもよい。
上記の構成によれば、前記可動筒、ガイド軸、可動ロッド、固定筒、支持棒にも柔軟性があるため、湾曲した内視鏡の鉗子ポートにおいても処置具を用いて貼付シートを搬送することが可能となる。特に、処置具の先端側の支持部材(ガイド軸の先端部または支持棒)が可撓性の材料で構成されていることで、作動部の長さを長くした場合においても、湾曲した内視鏡の鉗子ポートに処置具を挿入して貼付シートを搬送することができるため、より大きなサイズの貼付シートを押し広げることができる。更に、患部に処置具を押し付けた際のクッションとしても機能する。
本発明によれば、作動部の胴部の可撓性部材が外方へ膨らみ頭部の周囲に張り出すため、作動部に被せられた貼付シートが押し広げられて患部に貼付される。このように、処置具の作動部に貼付シートを被せるだけの簡単な動作で、処置具に容易に貼付シートを取り付けることができる。また、可動部材を頭部に対して前進させるだけの簡単な操作で、作動部に被せられた貼付シートを押し広げて患部に貼り付けることができる。
本発明の一実施形態に係る処置具の斜視図である。 処置具の先端部を示す概略斜視図である。 作動部の頭部の斜視図である。 作動部に貼付シートを被せた状態を示す概略斜視図である。 頭部を先端側から見た正面図である。 可動筒の先端部を示す斜視図である。 先端側が頭部に固定された可撓性部材の変形動作を説明する図であり、(A)は可動筒が後退位置にある場合の側面図、(B)は(A)の頭部を先端側から見た正面図、(C)は可動筒が前進動作した場合の側面図、(D)は(C)の頭部を先端側から見た正面図、(E)は可動筒がさらに前進位置にある場合の側面図、(F)は(E)の頭部を先端側から見た正面図である。 処置具の動作を示す要部の断面図であり、(A)は作動部に貼付シートを被せた状態の断面図、(B)は貼付シートが押し広げられた状態を示す断面図である。 頭部を先端側から見た正面図であり、(A)は可撓性部材が2本の場合の正面図、(B)は可撓性部材が6本の場合の正面図である。 他の実施形態に係る処置具の動作を示す要部の断面図であり、(A)は作動部に貼付シートを被せた状態の断面図、(B)は貼付シートが押し広げられた状態を示す断面図である。 先端側が頭部の貫通孔に摺動可能に支持された可撓性部材の変形動作を説明する図であり、(A)は可動筒が前進動作した場合の側面図、(B)は(A)の頭部を先端側から見た正面図、(C)は可動筒がさらに前進位置にある場合の側面図、(D)は(C)の頭部を先端側から見た正面図である。 図11の実施形態にかかる可動筒が後退位置にある場合の要部の断面図である。 さらに他の実施形態に係る作動部の頭部の斜視図である。 さらに他の実施形態に係る処置具の斜視図である。
以下、本発明の処置具10の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
なお、以下の説明では、図1において、右側を処置具10の長さ方向の先端側、先端側と反対方向を基端側としており、前進方向とは先端側に向かう方向を示し、後退方向とは、前進方向と反対方向を示している。
本発明の処置具10は、内視鏡の鉗子ポートや腹腔鏡手術時などのトロッカーの貫通孔(図示せず)に挿入されるものであり、貼付シートSを押し広げて体内の患部Pへ貼付するのに使用される。貼付シートSとして、例えばグンゼ株式会社製のポリグリコール酸を材料とした不織布である吸収性縫合補強材(ネオベール(登録商標))を用いることができる。以下の説明では内視鏡の鉗子ポートに挿入される場合について説明する。
図1に示すように、処置具10は、基端側に手持ち操作のためのハンドル操作部20と、先端側に貼付シートSが被せられる作動部30と、作動部30からハンドル操作部20まで延びるガイド軸40と、ガイド軸40上を進退可能な可動筒50(可動部材)とを備えている。ハンドル操作部20は、ガイド軸40と可動筒50のそれぞれの基端部から構成され、ハンドル操作部20を操作することにより、可動筒50をガイド軸40に対して進退させることができる。この動作が実現できればハンドル操作部20の形状および構成は特に限定されない。また、作動部30に貼付シートSを被せて内視鏡の鉗子ポートに挿入する際に、ハンドル操作部20にガイド軸40と可動筒50を固定するためのロック機構を備えていてもよい。
ガイド軸40は、可撓性を有し適度に剛性がある限り、特に限定はされないが、例えば、単線または撚り線からなる金属ワイヤが挙げられる。金属の素材としては、例えば、ステンレス、タンタル、ニッケル−チタン合金が挙げられる。
作動部30は、図2、図4に示すように、貼付シートSの略中央部分S1を内側より支持する頭部31と、貼付シートSの略中央部分S1の周辺部分S2を内側より支持する胴部32とからなり、胴部32は頭部を支持するガイド軸40の先端部40a(支持部材)と4本の可撓性部材321(321A〜321D)とからなる。本実施形態では、ガイド軸40の先端部40aが支持部材を構成しているが、ガイド軸40と支持部材を別部材で構成して連結してもよく、また各々の外径は同じであっても異なっていてもよい。また、本実施形態では貼付シートの略中央部分S1の内側を頭部31で支持しているが、貼付シートのどの部分を頭部31で支持してもよい。
図3、図5に示すように、頭部31は、円柱状の本体部311と、本体部311の先端部に設けられ本体部311よりも径の大きい円柱状の押圧部312とからなる。本体部311の基端面には、基端側からガイド軸40の先端部40aを挿入するための係止穴311bが設けられ、ガイド軸40の先端部40aが接着、溶着、ロウ付け等の固定方法で固定されている。
なお、頭部31の本体部311、押圧部312の形状は円柱状に限定されず、多角柱状であってもよい。
押圧部312は、図4に示すように、作動部30に貼付シートSを被せたときに、貼付シートSの略中央部分S1を内側より支持する。すなわち、内視鏡の鉗子ポート内に処置具10で貼付シートSを挿入していく場合には、押圧部312の先端面312aで貼付シートSを押していくことになる。また、貼付シートSを患部Pに貼付する場合には、押圧部312の先端面312aが貼付シートSを介して患部Pに押しつけられることになる。このため、内視鏡の鉗子ポート内の搬送の際に貼付シートSを押圧部312が突き破ることを防止するためと、押圧部312を患部Pに押し付けた際に患部Pを傷つけることを防止するために、図3に示すように、先端面312aを平坦とし、先端面312aと押圧部312の周壁の間にテーパー312bを設けている。なお、先端面312aは半球状であってもよい。また、押圧部312の外径は、貼付シートSを被せた処置具10が鉗子ポートに挿入可能なように鉗子ポートの内径より小さいが、できるだけ大きい径とすることが好ましい。また、本体部311の外径が確保できる場合には、押圧部312を本体部311と同じ径として本体部311に連続して設けて押圧部312により貼付シートSの略中央部分S1を支持してもよい。
図3、図5に示すように、本体部311には、本体部311の軸方向(処置具10の長さ方向)に対して略垂直方向に2個の貫通孔311aが直交する状態で設けられている。貫通孔311aは本体部311の径方向に沿っており、各貫通孔311aの両端が本体部311の外周面に開口している。各貫通孔311aには可撓性部材321A〜321Dが挿入される。本実施形態では、2本の線材を2つの貫通孔311aにそれぞれ挿入し、折り返すことで計4本の可撓性部材321A〜321Dを形成している。2本の線材は2つの貫通孔311aにそれぞれ接着、溶着、ロウ付け等の固定方法で固定されている。
各可撓性部材321A〜321Dは可撓性を有し貼付シートSを押し広げるための剛性を有していればよく、例えば、単線または撚り線からなる金属ワイヤが挙げられる。金属の素材としては、例えば、ステンレス、タンタル、ニッケル−チタン合金が挙げられる。より好ましくは、直線状の形態に形状記憶されたニッケル−チタン合金等の形状記憶合金により形成されている。また、可撓性部材321の長さ方向に対して垂直方向の断面形状は、特に限定はされないが、円、楕円、長方形等が挙げられる。
また、可撓性部材321A〜321Dをそれぞれ1本の線材(合計4本の線材)で形成し、各可撓性部材321A〜321Dの先端部を本体部311の貫通孔311aに固定してもよく、また本体部311に設けた貫通しない有底の穴に固定されていてもよい。本実施形態のように可撓性部材の本数が偶数本の場合には、貫通孔311aに1本の線材を挿入し折り返すことで可撓性部材を形成するようにすれば、本体部311への固定等が容易になり、また、各線材を貫通孔に通すことで可撓性部材は確実に本体部311に係止されるため、頭部31の本体部311の外径をより小さくすることができ、さらに低コストでの製作が可能となる。
本実施形態においては、可撓性部材321A〜321Dのそれぞれの先端部は、処置具10の長さ方向に対して垂直に頭部31に固定されているが、それぞれの可撓性部材を本体部311に固定する角度は、処置具10の長さ方向に対して垂直方向に近ければそれに限定されるわけではない。
なお、可撓性部材321A〜321Dを処置具10の長さ方向に対して垂直以外で固定する場合にも、孔をV字形状で設けるなどにより1本の線材を折り返すことで2本の可撓性部材とすることもできる。
各可撓性部材321A〜321Dは基端側が可動筒50に固定されており、可動筒50の前進動作に伴い変形する。先端側が頭部に固定された可撓性部材321A、321Bの変形動作について図7(A)〜図7(F)を用いて説明する。図7(A)〜図7(F)は、説明の簡略化のために可撓性部材321C、321D、貼付シートSの図示を省略しているが、可撓性部材321C、321Dも可撓性部材321A、321Bと同様に変形する。
図7(A)、図7(B)に示すように、可動筒50が後退位置にある場合、各可撓性部材321A、321Bの先端側は外側にわずかに膨らんだ円弧形状となっている。
図7(C)、図7(D)に示すように、可動筒50が前進すると、可撓性部材321A、321Bは、外方へ大きく湾曲して膨らみ、頭部31の周囲に張り出す。このときの可撓性部材321A、321Bの張り出し方向は、頭部31の先端部側から可撓性部材321A、321Bを見たとき、各可撓性部材321A、321Bが本体部311の貫通孔311aを貫通する方向、すなわち図7(D)では上下方向である。
図7(E)、図7(F)に示すように、さらに可動筒50が前進すると、可撓性部材321A、321Bは可撓性部材321A、321Bの直線形状に戻ろうとする復元力により、湾曲しながらねじれ始める。頭部31の先端部側から可撓性部材321A、321Bを見たとき、各可撓性部材321A、321Bのねじれた部分は楕円形の面を構成し、頭部31の周囲に花びら状に張り出す。
なお、前述したように、可動筒50が後退位置にある場合、各可撓性部材321A〜321Dは外側にわずかに膨らんだ円弧形状となっている。このため、各可撓性部材321A〜321Dが固定される本体部311の外径は可能な限り小さくして、作動部30に貼付シートSを被せた時の作動部30の外径を小さくし、内視鏡の鉗子ポートに挿通しやすくすることが好ましい。また、ガイド軸40の先端部40aが固定される本体部311の基端側の外径よりも各可撓性部材321A〜321Dが固定される本体部311の先端側の外径が小さくなるように、本体部311の外径を変化させてもよい。
図5に示すように、本実施形態では、4本の線状の可撓性部材321A〜321Dが頭部31の周囲に等角度(90度)に配置して構成されているが、貼付シートSを押し広げることができれば、周方向への配置は等角度に限定されない。
可動筒50は、ガイド軸40上をガイドされて作動部30の頭部31に対して進退可能なものであり、図6、図8(A)、図8(B)に示すように、筒本体51と、筒本体51の先端部に取り付けられた筒状の先端キャップ52を備えている。先端キャップ52の基端部521は筒本体51の内部の孔511に嵌めこまれて固定されており、先端キャップ52の先端部522が筒本体51から突出している。
筒本体51は、中空円筒状で、円筒内をガイド軸40が貫通する。筒本体51の素材は、可撓性を有し適度に剛性がある限り、特に限定されない。筒本体51の素材としては、ステンレスなどの密着巻コイル、ポリエチレン、ポリプロリレン、フッ素樹脂(PTFE)などの樹脂などが挙げられる。また、内視鏡の鉗子ポート内での摺動性を高めるために、筒本体51の表面をコーティングしてもよい。また、先端キャップ52の素材としては、ステンレスなどの金属などが挙げられるが、樹脂製であってもよい。
先端キャップ52の先端部522の先端面には周方向に等間隔に穴523が形成されており、穴523に可撓性部材321A〜321Dの基端部が挿入されて、例えば接着、溶着、ロウ付け等の固定方法で固定されている。穴523の数は可撓性部材321A〜321Dの本数と同じであり、周方向への穴523の配置は頭部31の本体部311に設けられた貫通孔311aの開口位置に対応している。これにより、図6に示すように、4本の可撓性部材321A〜321Dが作動部30の長さ方向に沿って配置されている。可撓性部材321A〜321Dの基端部は先端キャップ52の長さ方向に対して平行に固定されているが、長さ方向に対して、外向き斜め方向に固定してもよい。
筒本体51の内部の孔511と先端キャップ52の内部の孔524とは連通しており、これらの孔511、孔524をガイド軸40が貫通している。従って、筒本体51及び先端キャップ52はガイド軸40上を摺動可能である。筒本体51及び先端キャップ52がガイド軸40上を摺動する際に、筒本体51及び先端キャップ52がガイド軸40の径方向に回転することを防止するためのガイド機構等を設けてもよい。
ガイド軸40は、前述したように先端部40aが作動部30の頭部31に接続されるとともに、基端部がハンドル操作部20に接続されている。ガイド軸40は可動筒50の進退をガイドするとともに、貼付シートSを患部Pに貼り付ける際に作動部30の頭部31を支える支持部材としても機能し、頭部31の患部Pへの当接を支持する。
なお、筒本体51の内部の孔511とガイド軸40の周囲に形成される空間を埋めるために筒状のスペーサを設け、ガイド軸40が筒本体51の孔511内で径方向に動くことを防止してもよい。
次に、本発明の処置具10の使用方法について説明する。
まず、処置具10の作動部30に貼付シートSを被せ(図4)、処置具10のハンドル操作部20を把持して、内視鏡の鉗子ポートに先端側より挿通して体内に挿入する。
次に、作動部30の頭部31が貼付シートSを介して患部Pに当接するまで、処置具10を前進させる(図7(A)、図7(B)、図8(A))。この状態で、ハンドル操作部20を操作して可動筒50を作動部30の頭部31に対して前進させると、可撓性部材321A〜321Dが外方へ膨らみ、頭部31の周囲に張り出し、貼付シートSが確実に押し広げられる(図7(C)、図7(D)、図8(B))。この状態下で、可撓性部材321A〜321Dにより貼付シートSを患部Pに押し付けて貼付することも可能である。
さらに、可動筒50を作動部30の頭部31に対して前進させると、各可撓性部材321A〜321Dが撓みながらねじれ、頭部31の先端部側から可撓性部材321A〜321Dを見たとき、各可撓性部材321A〜321Dのねじれた部分が楕円形状、いわゆる花びらの形状となって頭部31の周囲に広がる(図7(E)、図7(F))。このねじれにより可撓性部材321A〜321Dが貼付シートSに接触する部分が多くなり、さらに安定した状態で貼付シートSを患部Pに押し付けて貼付することができる。
貼付シートSを患部に押し付けた後、処置具10を引いて作動部30を貼付シートSより離脱させることで貼付動作が完了する。可撓性部材321A〜321Dが頭部31の周囲に張り出した状態で再度処置具10を前後させて作動部30で貼付シートSの押し付け動作を行ってもよい。その後、ハンドル操作部20を操作して可動筒50を頭部31に対して後退させて、作動部30を図8(A)の状態にした後、処置具10を内視鏡の鉗子ポートから回収する。
本発明によれば、処置具10の作動部30に貼付シートSを被せるだけの簡単な動作で、処置具10に貼付シートSを容易に取り付けることができる。また、可動筒50を頭部31に対して前進させるだけの簡単な操作で、貼付シートSを押し広げて患部Pに貼付シートSを貼り付けることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、可撓性部材321A〜321Dの数は、上記実施形態の4本に限定されず、図9(A)に示すように2本であってもよく、図9(B)に示すように6本であってもよい。2本の場合、各可撓性部材321A、321Bは180度間隔で頭部31の周囲に配置される。また、6本の場合、各可撓性部材321A〜321Fは60度間隔で頭部31の周囲に配置される。すなわち、可撓性部材の本数は少なくとも2本以上で構成されていればよく、偶数のみでなく奇数で構成してもよい。また、頭部31の周囲への配置は等角度に限定されず、偏った配置にしてもよい。
図10に本発明の他の実施形態を示す。図示例の処置具10は、作動部30の頭部31に支持棒61(支持部材)を介して先端部が接続された固定筒60と、固定筒60内を進退可能な可動ロッド(可動部材)70とを備えたものであり、固定筒60と可動ロッド70のそれぞれの基端部は図示しないハンドル操作部20に連結されている。ハンドル操作部20を操作することにより、可動ロット70を固定筒60に対して進退させることができる。
支持棒61は、可撓性を有し適度に剛性がある限り、特に限定はされないが、例えば、単線または撚り線からなる金属ワイヤが挙げられる。金属の素材としては、例えば、ステンレス、タンタル、ニッケル−チタン合金が挙げられる。より好ましくは、例えばニッケル−チタン合金等の形状記憶合金であり、直線状態で形状記憶されていることがより好ましい。支持棒61が可撓性を有していることで、作動部30の長さを長くした場合でも、処置具10を湾曲した状態の内視鏡の鉗子ポート内に挿通させることが可能となる。また、頭部31を患部Pに押し付けた際のクッションとしても機能する。
作動部30の頭部31の本体部311の基端面には、支持棒61の先端部が挿入される係止穴311bが形成されている。支持棒61の先端部はこの係止穴311bに挿入されて例えば接着、溶着、ロウ付け等の固定方法で固定される。後述するように、支持棒61の基端部は固定筒60の先端部に接続されている。
固定筒60は、円筒状の本体部62と、本体部62の先端部を閉鎖する先端キャップ63を備えている。先端キャップ63の先端面63aには係止穴63cが形成され、支持棒61の基端部が挿入されて例えば接着、溶着、ロウ付け等の固定方法により固定されている。また、先端キャップ63の支持棒61の周囲には、可撓性部材321A〜321Dを摺動可能に挿通させるための貫通孔63bが長さ方向に形成されている。貫通孔63bの数は可撓性部材321A〜321Dの本数と同じであり、本実施形態では4つである。4つの貫通孔63bが周方向に等間隔に形成されている。
固定筒60の素材は、可撓性を有し適度に剛性がある限り、特に限定されない。固定筒60の素材としては、ステンレスなどの密着巻コイル、ポリエチレン、ポリプロリレン、フッ素樹脂(PTFE)などの樹脂などが挙げられる。また、先端キャップ63の素材としては、ステンレスなどの金属などが挙げられるが、樹脂製であってもよい。
可動ロッド70の先端部には連結体71を介して可撓性部材321A〜321Dの基端部が接続されている。各可撓性部材321A〜321Dの基端部は、先端キャップ63の貫通孔63bを通って固定筒60の内部の孔62aに挿入され、連結体71の先端部に例えば接着、溶着、ロウ付け等の固定方法で接続されている。
可動ロッド70は、可撓性を有し適度に剛性がある限り、特に限定はされないが、例えば、単線または撚り線からなる金属ワイヤが挙げられる。金属の素材としては、例えば、ステンレス、タンタル、ニッケル−チタン合金が挙げられる。また、本実施形態では1本の可動ロッド70でハンドル操作部20と連結体71とを連結しているが、可動ロッド70は複数の部材を連結して構成してもよく、また各々部材の外径は同じであっても異なっていてもよい。
その他の構成については、図1〜図8の実施形態と同様であるため、対応する構成には同一の符号を付して説明を省略する。
次に、図10の実施形態の処置具10の使用方法について説明する。
まず、処置具10の作動部30に貼付シートSを被せて、処置具10のハンドル操作部20を把持して、内視鏡の鉗子ポートに先端側より挿通して体内に挿入する。
次に、作動部30の頭部31が貼付シートSを介して患部Pに当接するまで、処置具10を前進させる(図10(A))。この状態で、ハンドル操作部20を操作して可動ロッド70を作動部30の頭部31に対して前進させると(図10(B))、作動部30の胴部32の可撓性部材321A〜321Dが外方へ膨らみかつ頭部31の周囲に張り出す。これにより貼付シートSが押し広げられる。この状態下で、可撓性部材321A〜321Dにより貼付シートSを患部Pに押し付けて貼付することも可能である。
さらに、可動ロッド70を作動部30の頭部31に対して前進させると、図7(E)、図7(F)に示す実施形態と同様に、各可撓性部材321A〜321Dがねじれ、頭部31の先端部側から可撓性部材321A〜321Dを見たとき、各可撓性部材321A〜321Dのねじれた部分が楕円形状、いわゆる花びらの形状となって頭部31の周囲に広がる。このねじれにより可撓性部材321A〜321Dが貼付シートSに接触する部分が多くなり、さらに安定した状態で貼付シートSを患部Pに押し付けることができる。
この状態で処置具10を引いて作動部30を貼付シートSより離脱させることで貼付動作が完了する。その後、ハンドル操作部20を操作して可動ロッド70を頭部31に対して後退させて、作動部30を図10(A)の状態にした後、処置具10を内視鏡の鉗子ポートから回収する。
本発明によれば、処置具10の作動部30に貼付シートSを被せるだけで、処置具に貼付シートSを容易に取り付けることができる。また、可動ロッド70を頭部31に対して前進させるだけの簡単な操作で、貼付シートSを広げて患部Pに貼付シートSを貼り付けることができる。
図11、図12に本発明の他の実施形態を示す。図示例の処置具10は、図3に示す処置具10において、可撓性部材321A〜321Dを構成する2本の線材が2つの貫通孔311aに固定されずにそれぞれ摺動可能に支持されたものである。
各可撓性部材321A〜321Dは、可動筒50の前進動作に伴い変形するもので、以下、先端側が頭部の貫通孔に摺動可能に支持された可撓性部材321A、321Bの変形動作について図11(A)〜図11(D)を用いて説明する。なお、可撓性部材321C、321Dも可撓性部材321A、321Bと同様に変形するが、図11(A)、〜図11(D)では、説明の簡略化のために可撓性部材321C、321D及び貼付シートSの図示を省略している。
可動筒50が後退位置にあるとき、図7(A)、図7(B)に示す実施形態と同様に、各可撓性部材321A、321Bは外側にわずかに膨らんだ円弧形状となっている。
可動筒50が前進すると、図11(A)、図11(B)に示すように、可撓性部材321A、321Bは、可撓性部材321A、321Bの直線形状に戻ろうとする復元力によって貫通孔311aの内部で軸回転してねじれる。このとき、可撓性部材321A、321Bは、頭部31の先端部側から見たとき、ねじれ部分が楕円形の面を構成している。この楕円形の面は本体部311の貫通孔311aを各可撓性部材321A、321Bが貫通する方向に対して一方側(図11(B)では左側)に傾きつつ大きく湾曲して膨らみ、頭部31の周囲に張り出す。
さらに可動筒50が前進すると、図11(C)、図11(D)に示すように、可撓性部材321A、321Bは貫通孔311aの内部でさらに軸回転してねじれ、頭部31の押圧部312の先端面312aよりも先端側に大きく突出する。
その他の構成については、図1〜図8の実施形態と同様であるため、対応する構成には同一の符号を付して説明を省略する。
次に、本発明の処置具10の使用方法について説明する。本発明の処置具10は、図12に示すように、処置具10の長さ方向に対して患部Pが斜め方向に傾いている状態で使用しているが、これに限定されるものではない。
まず、処置具10の作動部30に貼付シートSを被せ(図4)、処置具10のハンドル操作部20を把持して、内視鏡の鉗子ポートに先端側より挿通して体内に挿入する。
次に、作動部30の頭部31が貼付シートSを介して患部Pに当接するか、作動部30の頭部31が患部Pの近傍に位置するまで処置具10を前進させる(図12)。
この状態で、ハンドル操作部20を操作して可動筒50を作動部30の頭部31に対して前進させると、作動部30の胴部32の可撓性部材321A〜321Dが外方へ膨らみ、頭部31の周囲に張り出し、貼付シートSが押し広げられる。この状態下で、可撓性部材321A〜321Dにより貼付シートSを患部Pに押し付けて貼付することも可能である。例えば、図12における頭部31より下側の貼付シートSは、可撓性部材321A〜321Dにより患部Pに押しつけられて貼付される。
さらに、可動筒50を作動部30の頭部31に対して前進させると、各可撓性部材321A〜321Dがねじれ、図11(C)、図11(D)に示すように、頭部31の先端部側から見たとき、各可撓性部材321A〜321Dのねじれた部分が楕円形状になるとともに、頭部31の押圧部312の先端面312aよりも先端側に大きく突出する。この突出部分により、頭部31の先端面312aよりもさらに先端側にある患部Pに貼付シートSが貼り付けられる。図12においては、頭部31より上側の貼付シートSは、可撓性部材321Aが頭部31の先端面312aよりもさらに先端側に突出することで、患部Pに押しつけられて貼付される。
この状態で処置具10を引いて作動部30を貼付シートSより離脱させることで貼付動作が完了する。
本発明によれば、体内において、作動部30の頭部31が患部Pに当接せずに離れている場合であっても、貼付シートSを頭部31よりも前方に押し出して患部Pに貼り付けることができる。
図13に本発明の他の実施形態を示す。
この実施形態では、作動部30の頭部31の本体部311に、本体部311の軸方向(処置具10の長さ方向)に対して略垂直方向に貫通する3つの貫通孔311c、311d、311e(以下、311c、311dを「第1の貫通孔」、311eを「第2の貫通孔」という。)が、本体部311の軸方向に沿って設けられている。第1の貫通孔311c、311dは直交する状態で設けられており、第2の貫通孔311eは第1の貫通孔311cと同じ貫通方向に設けられている。
第1、第2の各貫通孔311c、311d、311eには、可撓性部材321A〜321Fが挿入されている。本実施形態では、3本の線材を第1、第2の各貫通孔311c、311d、311eにそれぞれ挿入して折り返すことで計6本の可撓性部材321A〜321Fを形成している。第1の貫通孔311c、311dに通された2本の線材は折り返し部分がそれぞれ接着、溶着、ロウ付け等の固定方法で本体部311に固定されて可撓性部材321A〜321Dを形成している。第2の貫通孔311eに通された1本の線材は折り返し部分が第2の貫通孔311eに摺動可能に支持されて可撓性部材321E、321Fを形成している。
本実施形態の処置具10においては、図示しない可動筒を頭部31に対して前進させると、第1の貫通孔311c、311dに挿入された可撓性部材321A〜321Dは、図7に示す実施形態と同様の動作を行い、頭部31の先端部側から可撓性部材321A〜321Dを見たとき、可撓性部材321A〜321Dは十字形状に膨らむ。第2の貫通孔311eに挿入された可撓性部材321E、321Fは、図11に示す実施形態と同様の動作を行い、頭部31の先端部側から可撓性部材321E、321Fを見たときに一方側に傾きつつ湾曲して膨らむ。すなわち、可撓性部材321E、321Fは可撓性部材321A〜321Dによって形成された十字形状の間を外方へ膨らむことになる。図示しない可動筒をさらに頭部31に対して前進させると、各可撓性部材321A〜321Dは頭部の周囲に花びら状に広がり、可撓性部材321E、321Fは、ねじれた部分が楕円形状となるとともに、頭部31の押圧部312の先端面312aよりも先端側に大きく突出する。
その他の構成については、図1〜図8の実施形態と同様であるため、対応する構成には同一の符号を付して説明を省略する。
上記の構成によれば、第1の貫通孔311c、311dに固定された可撓性部材321A〜321Dと第2の貫通孔311eに固定されずに摺動可能に支持された可撓性部材321E、321Fとの両方を備えているため、図示しない可動筒を頭部に対して前進し始めると、可撓性部材321A〜321Dが前記した十字形状の膨らみ動作を行うことで貼付シートSを確実に押し広げて患部Pに貼り付けることができるとともに、さらに可動筒を頭部に対して前進させると可撓性部材321E,321Fが貼付シートSを頭部31の先端面312aよりも先端側に押し出して患部Pに貼り付けることができる。
なお、本実施形態では、第1の貫通孔311c、311dを2つ、第2の貫通孔311eを1つ開設しているが、第1の貫通孔、第2の貫通孔の個数はこれに限定されず、第1の貫通孔を1つまたは3つ以上としてもよく、第2の貫通孔を2つ以上としてもよい。また、本実施形態では、第2の貫通孔311eは第1の貫通孔311cの一つと同じ貫通方向に開設しているが、どの方向に開設してもよい。
図14に本発明の他の実施形態を示す。
本実施形態においては、可動筒50は、可動筒50の外側に設けられた外筒80内を進退可能となっている。外筒80は、可動筒50が進退動作しても常に先端側から可動筒50の先端キャップ52が突出状態となる長さに設定されている。また、外筒80の基端部はハンドル操作部20を構成するハンドル支持部81に接続されている。ハンドル支持部81には可動筒50の基端部53が進退可能に収容されるとともに、ハンドル支持部81の基端部にガイド軸40の基端部が連結されている。
ハンドル支持部81には、可動筒50の進退方向に長い長孔82が開設されている。長孔82には、可動筒50の基端部53と一体の爪部54がスライド自在に係合し、爪部54はハンドル支持部81の外側へ突出している。爪部54を長孔82に沿って摺動させることで、可動筒50が外筒80内を移動する。
外筒80の素材は限定されないが、本実施形態ではポリプロピレン(PP)などの樹脂としている。また、可動筒50の筒本体51をフッ素樹脂(例えばPTFE)から構成することで、可動筒50が外筒80内部を移動するときの摺動抵抗を少なくしている。
本実施形態では可動筒50の筒本体51に摺動性のよい材料を使用しているが、外筒80に摺動性のよい材料を使用してもよいし、筒本体51と外筒80との両方に摺動性のよい材料を使用してもよい。
その他の構成については、図1〜図8の実施形態と同様であるため、対応する構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の処置具10は、特に、内視鏡の鉗子ポートに挿入して用いられる。可動筒50の外側に外筒80を設ける構成とすることで、鉗子ポートの内壁面は外筒80と接触するが可動筒50とは接触しない。このため、爪部54を長孔82に沿って摺動させた動作を確実に可動筒50を通じて作動部30に伝えることができるため、頭部31の位置を固定したままで貼付シートSを患部Pに貼りつけることができる。よって、鉗子ポートの内壁面と可動筒50との間の摺動抵抗により可動筒50の前進が妨げられたり、逆にガイド軸40が可動筒50の側に後退して作動部30の頭部31が患部Pから離れてしまうということがない。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
10 処置具
20 ハンドル操作部
30 作動部
31 頭部
311a 貫通孔
311b 係止穴
311c、311d 第1の貫通孔
311e 第2の貫通孔
32 胴部
321(321A〜321F) 可撓性部材
40 ガイド軸
40a ガイド軸の先端部(支持部材)
50 可動筒
60 固定筒
61 支持棒(支持部材)
70 可動ロッド
71 連結体
80 外筒
P 患部
S 貼付シート
S1 貼付シートの略中央部分
S2 貼付シートの略中央部分の周辺部分

Claims (10)

  1. 貼付シートを体内の患部へ貼付するのに使用される処置具であって、
    基端側に手持ち操作のためのハンドル操作部と、先端側に前記貼付シートが被せられる作動部とを備え、
    前記作動部は、前記貼付シートを内側より支持する頭部と、前記貼付シートの前記頭部により支持される部分の周辺部分を内側より支持する胴部とからなり、前記胴部は前記頭部を支持する支持部材と前記頭部の周りに配置される少なくとも2本の可撓性部材とから構成され、各可撓性部材はそれぞれの先端側が頭部に支持され、基端側が頭部に対して進退可能な可動部材に支持されており、前記ハンドル操作部を操作することにより、各可撓性部材が前記可動部材の前進に伴って外方へ膨らみかつ前記頭部の周囲に張り出すように構成されてなる処置具。
  2. 前記可撓性部材はそれぞれの先端側が頭部の外周面に開口する径方向の孔に挿入されて支持されている請求項1に記載の処置具。
  3. 前記頭部は前記貼付シートを内側より支持する押圧部と前記可撓性部材のそれぞれの先端部が支持される本体部から構成され、
    前記押圧部の先端面が平坦または半球状であり、前記本体部の外径が前記押圧部の外径よりも小さい請求項1または2に記載の処置具。
  4. 前記胴部は、偶数本の可撓性部材を有しており、相対する可撓性部材は、1本の線材を前記頭部の外周面に開口する径方向の貫通孔に挿入して折り返すことにより形成されている請求項1から3のいずれかに記載の処置具。
  5. 前記線材の折り返し部分は、前記貫通孔に固定されているか、前記貫通孔に摺動可能に支持されている請求項4に記載の処置具。
  6. 前記貫通孔は前記頭部に複数個設けられ、各貫通孔に前記線材が挿入されており、
    少なくとも1つの前記線材は折り返し部分が貫通孔に固定されており、残りの前記線材は折り返し部分が貫通孔に摺動可能に支持されている請求項に記載の処置具。
  7. 前記線材の折り返し部分が固定される貫通孔の少なくとも1つと前記線材の折り返し部分が摺動可能に支持される貫通孔の少なくとも1つとは、貫通方向が同じであり、前記可動部材の進退方向に沿って形成されている請求項6に記載の処置具。
  8. 前記支持部材は前記ハンドル操作部と前記作動部の頭部とを連結するガイド軸の先端部から構成され、前記可動部材は前記ガイド軸上を進退可能な可動筒であり、前記可動筒に各可撓性部材の基端部が接続されている請求項1から7のいずれかに記載の処置具。
  9. 前記可動筒は、前記可動筒の外側に設けられた外筒内を進退可能である請求項8に記載の処置具。
  10. 前記支持部材は前記作動部の頭部と固定筒の先端部を連結する支持棒から構成され、前記可動部材は前記固定筒内を進退可能な可動ロッドであり、前記可動ロッドの先端部に各可撓性部材の基端部が接続されている請求項1から7のいずれかに記載の処置具。
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