JP2016202681A - 眼科装置、眼科装置の制御方法、プログラム - Google Patents

眼科装置、眼科装置の制御方法、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】オートアライメントにおける可動部の移動が、マニュアルアライメントにおける操作部材による可動部の操作範囲に影響を与えないようにする。
【解決手段】眼底カメラ1は、被検眼Eの測定を行う検眼部6と、検眼部6を基部2に対して移動可能に支持する可動部3と、可動部3を基部2に対して移動させるアライメント操作機構4とを有し、アライメント操作機構4は、可動部3に回転可能に設けられ、基部2に設けられる摩擦板999の表面を転がることによって可動部3を基部2に対して移動させる摺動部材1000と、摺動部材1000を回転させる操作桿40と、摺動部材1000および操作桿40を所定の傾倒角度に移動させて前記所定の傾倒角度に維持する角度維持機構998とを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、眼科装置、眼科装置の制御方法、プログラムに関する。例えば、被検眼の眼底を観察または撮影する眼底カメラや、被検眼の眼底の表面画像および断層画像を撮像する眼底検査装置や、被検眼の眼特性を計測するために用いられる眼屈折力測定装置などといった眼科装置と、この眼科装置の制御方法とプログラムに関する。
眼科装置を用いた被検眼の観察や撮影などにおいては、眼科装置の検眼部を被検眼に対して位置合わせ(アライメント)する必要がある。従来、検眼部の位置合わせの機構としては、機械式のジョイスティック機構のような、検眼部が設けられる可動部を支持台などの基部に対して人力で移動させる機械駆動機構が知られている。従来公知の機械式のジョイスティック機構は、検眼部の微動操作と粗動操作とが可能となっている。また、検眼部を被検眼に自動で位置合わせ(オートアライメント)する電動駆動機構を備えた眼科装置も知られている。そして、特許文献1には、電動駆動機構を備える眼科装置において、機械式のジョイスティック機構と同様に微動操作と粗動操作を行うことができる構成が開示されている。
ここで、被検眼の固視微動が比較的大きい場合には、オートアライメントでは、被検眼の動きに電動駆動機構による検眼部の移動を追従させることができず、被検眼の観察や撮影ができないことがある。また、被検眼が疾病眼であると、オートアライメントでは検眼部を被検眼に位置合わせできないことがある。また、位置合わせに微細な操作が必要とされる場合には、電動駆動機構のためのアライメント操作部材(電動ジョイスティック、トラックボール等)を用いた位置合わせ(マニュアルアライメント)では操作性が悪く、位置合わせに手間を要することがある。なお、大まかなアライメントを電動駆動機構で行い、微細なアライメントを機械駆動機構で行うための構成としては、電動駆動機構と機械駆動機構とで別々の可動部を有する可動部の2段構成や、電動駆動機構と機械駆動機構とで可動部を共用する可動部の1段構成が知られている。
特開2012−179109号公報
しかしながら、可動部の2段構成は、電動駆動機構または機械駆動機構の可動部のみを有する1段構成と比較して、可動部全体でのガタ(遊び)が増加し、アライメントの精度が低くなるおそれがある。一方、電動駆動機構と機械駆動機構とで可動部を共用する1段構成では、オートアライメント時に操作部材が可動部の移動によって変位する。そうすると、オートアライメントの完了後にマニュアルアライメントを行う場合には、操作部材が既に変位した状態でマニュアルアライメントを開始することになる。変位した位置を起点とした場合の操作部材の操作範囲(可動範囲)は、変位していない位置を起点とする操作部材の操作範囲とは異なる。このように、オートアライメント時の可動部の移動が、オートアライメント完了後のマニュアルアライメント時の操作部材の操作範囲に影響を与えることがある。上記実情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、オートアライメントにおける可動部の移動が、オートアライメント完了後のマニュアルアライメントにおける操作部材による可動部の操作範囲に影響を与えないようにすることである。
前記課題を解決するため、本発明の眼科装置は、被検眼の測定を行う検眼部が設けられ、基部に対して移動可能な可動部と、前記可動部を前記基部に対して移動させるアライメント操作機構と、を有し、前記アライメント操作機構は、前記可動部に回転可能に設けられ、前記基部に設けられる摩擦板の表面を転がることによって前記可動部を前記基部に対して移動させる摺動部材と、前記可動部に傾倒可能に設けられ、前記可動部に対して傾倒することによって前記摺動部材を回転させる操作部材と、前記摺動部材の回転角度および前記操作部材の傾倒角度を所定の角度に維持する角度維持機構と、前記角度維持機構を、前記摺動部材の回転角度および前記操作部材の傾倒角度を所定の角度に維持する維持状態と、前記摺動部材の回転角度および前記操作部材の傾倒角度を所定の角度に維持しない解除状態とに切替える制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、角度維持機構によって操作部材の傾倒角度および摺動部材の回転角度を所定の角度に維持できる。このため、オートアライメントにおける可動部の移動が、オートアライメント完了後のマニュアルアライメントにおける操作部材と摺動部材による可動部の操作範囲に影響を与えないようにできる。
本発明の実施形態に係る眼底カメラの全体構成の例を模式的に示す図である。 検眼部の光学系の構成例を模式的に示す図である。 眼底カメラの機能構成の例を示すブロック図である。 (a)は、アライメント操作機構の拡大図であり、(b)は(a)のB部拡大図である。 摺動部材位置制限ピンとテーパー穴の構成を模式的に示す図である。 摺動部材位置制限ピンの動作を模式的に示す図である。 操作桿が傾倒している位置から中立角度に復帰するメカニズムを説明する図である。 操作桿が傾倒している位置から中立角度に復帰するメカニズムを説明する図である。 眼底カメラのアライメントの原理を説明する概要図である。 アライメント指標およびフォーカススプリット指標を説明する概要図である。 フルマニュアルモードにおける眼底カメラの動作を示すフローチャートである。 フルオートモードにおける撮影シーケンスを示すフローチャートである。 セミオートモードにおける撮影シーケンスを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を適用した眼科装置について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、本発明の実施形態を適用した眼科装置の例として、眼底カメラを示す。ただし、本発明の実施形態が適用できる眼科装置の種類は特に限定されない。例えば、眼底カメラのほか、光干渉断層計(OCT)や、共焦点走査型レーザー検眼鏡(SLO)や、補償光学走査型レーザー検眼鏡(AO−SLO)などといった、被検眼を観察または撮像するために用いられる眼科撮像装置や、被検眼の眼底の表面画像および断層画像を撮像する眼底検査装置や、被検眼の眼特性を計測する眼屈折力測定装置などのような眼科装置に適用できる。そして、本発明の実施形態によれば、可動部が基部に対して移動した場合であっても、角度維持機構により操作部材の傾倒角度および摺動部材の回転角度を所定の角度に維持する。このような構成であると、オートアライメントにおいて、操作部材の傾倒角度および摺動部材の回転角度を所定の角度に維持しておくことにより、その後のマニュアルアライメントにおいて所定の角度を操作部材の傾倒操作の起点として操作できる。このように、オートアライメントにおいて可動部が移動しても操作部材は傾倒せず摺動部材は回転しない。したがって、オートアライメントにおける可動部の移動が、オートアライメント完了後のマニュアルアライメントにおける操作部材による可動部の操作範囲に影響を与えないようにできる。
[眼底カメラの全体的な構成]
まず、眼底カメラ1の全体構成を、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る眼底カメラ1の全体構成の例を模式的に示す図である。なお、本実施形態では、被検眼Eの眼幅方向(図1の紙面に直角な方向)をX方向とし、被検眼Eの高さ方向(図1中の上下方向)をY方向とし、被検眼Eの前後方向(図1中の左右方向)をZ方向とする。
図1に示すように、眼底カメラ1は、基部2と、可動部3と、アライメント操作機構4と、フォーカス操作部材5と、検眼部6と、表示部7と、モード切替スイッチ8とを有する。基部2には、被検者Mの顎を支持する顎受け部21が設けられる。可動部3は、後述する摺動機構30により、基部2に対してX方向とZ方向の各方向に相対的に変位可能に設けられる。可動部3には、検眼部6と、アライメント操作機構4と、フォーカス操作部材5と、モード切替スイッチ8とが設けられる。検眼部6は、可動部3に対してY方向に相対的に変位可能に設けられる。検眼部6は、被検眼Eへの観察光等の照射や、被検眼Eの観察および撮影を行なうための後述する各種光学系を有する。また、検眼部6には、表示部7が設けられる。
アライメント操作機構4は、検眼部6を被検眼Eに対してアライメント(位置合わせ)するために使用される。本実施形態では、アライメント操作機構4として、ジョイスティック機構が適用される構成を示す。なお、アライメント操作機構4の構成については後述する。フォーカス操作部材5は、検眼部6の光学系のフォーカスを被検眼Eに合わせるために使用される操作部材である。モード切替スイッチ8は、眼底カメラ1の動作モードを切替えるために使用される操作部材である。本実施形態では、眼底カメラ1は、動作モードとして、フルマニュアルモードと、セミオートモードと、フルオートモードとの3つの動作モードを有する。フルマニュアルモードは、検者等が人力で検眼部6を移動させてアライメントを行うマニュアルアライメントモードの例である。セミオートモードとフルオートモードとは、眼底カメラ1が自動でアライメントを行うオートアライメントモードの例である。そして、モード切替スイッチ8が押下されるごとに、動作モードがフルマニュアルモードとセミオートモードとフルオートモードとに順に切替わる。なお、眼底カメラ1の動作モードについては後述する。表示部7は、液晶表示装置などの表示装置と、表示装置の画面に設けられるタッチパネルとを有する。そして、表示部7は、各種画像を表示するほか、眼底カメラ1を操作するためのインターフェースとしても機能する。
なお、本実施形態では、モード切替スイッチ8が可動部3に設けられる構成を示すが、この構成に限定されない。モード切替スイッチ8は、例えば、基部2と、アライメント操作機構4の操作桿40と、検眼部6と、表示部7とのいずれかに設けられる構成であってもよい。また、モード切替スイッチ8が複数の箇所に設置される構成であってもよい。また、表示部7が検眼部6に設けられる構成を示すが、この構成に限定されない。例えば、表示部7が、基部2または可動部3に設けられる構成であってもよい。
[XYZ可動部]
可動部3は、摺動機構30によって、基部2上を、X方向とZ方向の各方向に移動可能に設けられる。摺動機構30は、摺動軸とリニアブッシュの組み合わせに代表されるような、周知の摺動機構が適用される。さらに、検眼部6は、駆動機構によって、可動部3に対してY軸方向に移動可能に設けられる。駆動機構には、駆動源(モータ)と、減速機構と、回動直動変換機構(送りネジとナット)と、摺動機構30の組み合わせに代表されるような、周知の駆動機構が適用できる。このように、検眼部6は、可動部3を介することで、基部2に対し3次元(X、Y、Z)方向に移動可能である。したがって、検眼部6は、被検眼Eに対して3次元方向にアライメント(位置合わせ)が可能となる。
可動部3には、摺動機構30に各方向の駆動力を伝達する駆動部が設けられる。駆動部は、それぞれ、駆動力を発生する駆動力源の例であるモータと、モータが発生する駆動力を摺動機構30に伝達するか否かを切替える駆動力伝達切替手段とを有する。本実施形態では、駆動力伝達切替手段の例として、電磁クラッチが適用される。駆動力伝達切替手段は、眼底カメラ1の動作モードに応じて、モータが発生する駆動力を摺動機構30に伝達するか否かを切替える。
駆動力伝達切替手段により駆動部から摺動機構30へ駆動力が伝達されない状態において、検者等(使用者)は、可動部3に傾倒可能に設けられた操作桿40を操作し、人力により、可動部3を水平方向(X−Z軸方向)に摺動させることができる。この場合には、摺動機構30は、検者等の人力により可動部3を水平方向に移動させるための機械駆動機構として機能する。一方、駆動力伝達切替手段により駆動部から摺動機構30へ駆動力が伝達される状態においては、駆動部からの駆動力によって、可動部3を水平方向に摺動させる。この場合には、摺動機構30は、可動部3を水平方向に移動させるための電動駆動機構として機能する。
なお、本実施形態に係る眼底カメラ1は、マニュアルアライメントモードで使用する機械駆動機構とオートアライメントモードで使用する電動駆動機構とで、共通の可動部3を用いる1段構成を有する。すなわち、機械駆動機構と電動駆動機構とで可動部が異なる2段構成ではない。
[(X−Z軸)摺動機構詳細]
次に、摺動機構30と、Z駆動部D1と、X駆動部D2と、Y駆動機構34との詳細について説明する。前述のとおり、可動部3は、X方向およびZ方向(水平方向)の摺動機構30を有する。そして、可動部3は、摺動機構30によって、基部2に対してX−Z軸方向(水平方向)に移動できる。Z駆動部D1は、摺動機構30に駆動力を伝達して可動部3をZ方向に移動させる。X駆動部D2は、摺動機構30に駆動力を伝達して可動部3をX方向に移動させる。可動部3は、Z駆動部D1とX駆動部D2から伝達される駆動力によって、基部2に対して相対的にZ軸方向とX軸方向(すなわち水平方向)に移動する。Y駆動機構34は、検眼部6をY方向に移動させる。
可動部3は、摺動機構30として、2つのラック301と、2つのギア302と、シャフト303と、XZフレーム304とを有する。2つのラック301は、基部2のX方向の両端部に設けられる。2つのギア302の各々は、2つのラック301の各々と噛合う。2つのギア302の各々は、シャフト303の両端部に設けられる。XZフレーム304は、不図示のリニアブッシュ及びベアリングを介して、シャフト303に対してその軸線方向(X方向)に摺動可能に設けられる。なお、シャフト303は、不図示のリニアブッシュ及びベアリングを介してXZフレーム304に取り付けられており、2つのギア302とともにXZフレーム304に対して相対的に回転可能である。このように、XZフレーム304は、シャフト303に対してその軸線方向に摺動することによってX方向に移動でき、ギア31がラック301と噛み合った状態で転がることによりZ方向に移動可能である。すなわち、XZフレーム304は、摺動機構30によって、X方向とZ方向に互いに独立して直線摺動が可能である。
可動部3には、アライメント操作機構4の操作部材の例である操作桿40と摺動部材1000が設けられている。検者等(使用者)によりアライメント操作機構4の操作桿40が操作され、可動部3がZ方向へ力(人力)を受けると、シャフト303が不図示のベアリング内で回転し、ギア302がラック301と噛み合った状態で転がる。これにより、可動部3はZ方向に移動する。また、検者等により操作桿40が操作され、可動部3がX方向へ力(人力)を受けると、シャフト303が不図示のリニアブッシュ内で直線摺動する。これにより、可動部3はX方向に移動する。このように、摺動機構30は、可動部3を水平方向に人力で移動させるための機械駆動機構として機能する。なお、本実施形態では、摺動機構30の構成として、スリットランプの技術分野などでは周知の構成を例に示すが、摺動機構30の構成は前述の構成に限定されない。要は、検眼部6を水平方向に移動可能な構成であればよい。
[Z駆動部詳細]
Z駆動部D1は、摺動機構30に駆動力を伝えることにより、可動部3をZ方向に移動させる。Z駆動部D1は、駆動力源の例であるZモータM1と、駆動力伝達切替手段の例であるZクラッチC1と、Z移動量センサS02と、不図示の減速機構と、Z基準センサS03と、Z限界センサS04とで構成される。駆動力伝達切替手段の例であるZクラッチC1には、電磁クラッチが適用される。ZモータM1には、その駆動量を検出するZ駆動量センサS01が設けられる。ZクラッチC1は、摺動機構30へ駆動力を伝達するか否かを自動で切替える。Z移動量センサS02は、ZクラッチC1よりも駆動力の伝達経路の下流側(出力側)に配置されており、可動部3の実際のZ方向の移動量を検出する。Z基準センサS03は、可動部3がZ方向の基準位置にあることを検出する。Z限界センサS04は、可動部3がZ方向の可動範囲の限界位置(例えば、往復動の範囲の両端)にあることを検出する。Z基準センサS03とZ限界センサS04には、たとえば、フォトインタラプタに代表されるようなセンサが適用できる。また、Z駆動部D1には不図示のベアリングを介して回転摺動可能なシャフト303が取り付いている。
Z駆動部D1の最終段のギア(不図示)は、シャフト303に取り付けられたギア(不図示)と噛み合っている。そして、ZモータM1からの駆動力(回転駆動力)は、ZクラッチC1と不図示の減速機構と不図示の最終段のギアとを介してシャフト303に伝達され、シャフト303を回転させる。シャフト303が回転すると、シャフト303の両端部に取り付けられたギア302が、基部2に取り付けられたラック301に噛合いながら転がる。これにより、可動部3は、Z方向へ電動駆動により移動する。このとき、Z駆動部D1も、可動部3とともにZ方向へ移動する。なお、2つのラック301は位相が合せられており、XZフレーム304をZ方向に直線移動させるガイドの役割を果たしている。
[X駆動部詳細]
X駆動部D2は、摺動機構30に駆動力を伝えることにより、可動部3をX方向に移動させる。X駆動部D2は、駆動力源の例であるXモータM2と、不図示の減速機構と、駆動力伝達切替手段であるXクラッチC2と、X移動量センサS06と、X基準センサS07と、X限界センサS08で構成される。XモータM2には、その駆動量を検出するX駆動量センサS05が設けられる。駆動力伝達切替手段であるXクラッチC2には、電磁クラッチが適用される。XクラッチC2は、摺動機構30へ駆動力を伝達するか否かを自動で切替える。X移動量センサS06は、XクラッチC2よりも駆動力の伝達方向の下流側(出力側)に配置されており、可動部3の実際のX方向の移動量を検出できる。X移動量センサS06には、例えば、エンコーダ等の可動部3のX方向の移動量を検出可能なフォトインタラプタなどが適用できる。X基準センサS07は、可動部3がX基準位置にあることを検出する。X限界センサS08は、可動部3がX方向の可動範囲の限界位置(例えば、直線往復動の両端の位置)にあることを検出できる。X移動量センサS06とX基準センサS07には、例えば、フォトインタラプタが適用できる。
XモータM2の駆動力は、X駆動部D2の最終段のギア37に伝達される。X駆動部D2の最終段のギア37は、XZフレーム304に取り付けられたラック38と噛み合っている。このため、XモータM2の駆動力(回転駆動力)は、不図示の減速機構とXクラッチC2とを介して、最終段のギア37に伝達される。そして、最終段のギア37は、XZフレーム304に取り付けられたラック38に噛合った状態で転がる。このように、可動部3は、電動駆動によりX方向へ移動する。なお、X駆動部D2はZ駆動部D1と一体である。そして、X駆動部D2は、可動部3のZ方向の電動駆動と連動してZ方向に移動するが、X方向へは移動しない。なお、シャフト32と不図示のリニアブッシュとベアリングとが、可動部3をX方向に直線移動させるガイドの役割を果たしている。
なお、本実施形態では、駆動力伝達切替手段として電磁クラッチを用いているが、駆動力伝達切替手段は電磁クラッチに限定されない。例えば、ZモータM1とXモータM2とは別にメカクラッチ切替え用の駆動源を設け、駆動力伝達切替手段を、ドグクラッチを含むメカクラッチで構成しても良い。
[Y駆動機構]
Y駆動機構34は、可動部3をY方向に移動させる機構である。Y駆動機構34は、YモータM3と、Yフレーム341と、Y送りネジ343と、Yナット342と、Y基準センサS10と、Y限界センサS11とで構成される。YモータM3は、Y駆動機構34の駆動力源の例であり、Yフレーム341に取り付けられる。YモータM3には、その駆動量を検出するY駆動量センサS09が設けられる。Y送りネジ343は、YモータM3の出力軸に連結される。Yナット342は、XZフレーム304に取り付けられる。Yナット342は、Y送りネジ343に係合しており、その回転に応じてY方向に移動する。このため、Y送りネジ343が回転することで、Yフレーム341はXZフレーム304に対してY方向に移動する。Y基準センサS10は、Yフレーム341がY基準位置にあることを検出する。Y限界センサS11は、Yフレーム341がY方向の駆動量の限界位置(例えば、往復動の範囲の両端)に位置することを検出する。Y基準センサS10とY限界センサS11には、例えば、フォトインタラプタが適用できる。そして、YモータM3が駆動すると、Y送りネジ343とYナット342による送りネジ機構によって、Yフレーム341がXZフレーム304に対しY方向へ電動で移動する。
以上のように、可動部3は、オートアライメントを実行可能な電動駆動機構の摺動機構と、マニュアルアライメントを実行可能な機械駆動機構の摺動機構を兼用している。すなわち、モータによるオートアライメントとアライメント操作機構4を用いたマニュアルアライメントにおいて、X方向とY方向とZ方向の全ての摺動機構を兼用している。これにより、可動部3の1段構成を実現している。
なお、摺動機構30は、各摺動部において嵌合隙間を有している。このため、この嵌合隙間の量に応じて、撮影光軸と被検眼Eの瞳孔中心の偏心量が変化する。例えば、本実施形態に係る眼底カメラ1においては、摺動機構30の嵌合隙間による撮影光軸偏心量を、撮影画像にフレアが写り込むことを防ぐために0.4mm以下に抑えることが望ましい。本実施形態では、オートアライメントの電動駆動機構とマニュアルアライメントの機械駆動機構の可動部3が1段構成あるため、可動部が2段以上の構成に比べて積み重なる嵌合隙間量が少なくなる。したがって、撮影光軸の偏心量を0.2mm程度に抑えることができる。
[光学系]
次に、検眼部6の光学系の構成例について、図2を参照して説明する。図2は、検眼部6の光学系の構成例を模式的に示す図である。検眼部6の光学系は、撮影光源部O1と、観察光源部O2と、照明光学系O3と、撮影/観察光学系O4と、撮影光学系O5と、前眼部観察光学系O6と、内部固視灯部O7とで構成される。
撮影光源部O1または観察光源部O2から射出された光束は、照明光学系O3と、撮影/観察光学系O4とを経て被検眼Eを照明する。被検眼Eからの反射光束(被検眼Eの光学像)の一部は、撮影/観察光学系O4と撮影光学系O5とを経て撮像素子620に結像する。また、他の一部は、前眼部観察光学系O6を経て前眼撮像素子625に結像する。
撮影光源部O1の構成は次のとおりである。光量検出手段601は、フォトダイオード(PD)などの光電変換を利用したセンサである。ミラー602は、アルミや銀が蒸着されたガラス板や、アルミ板などが適用である。ミラー602は、光軸中心付近の光は透過させ、光軸中心付近以外の光は反射させる。撮影光源603は、キセノン管などの可視光の光源が適用される。キセノン管は、Xeが封入されたガラス管を有し、電圧を印加することで可視光を発する。そして、キセノン管の発光により、撮影時において被検眼Eの眼底像を記録するために十分な強度の可視光(白色光)を得ることが可能である。撮影コンデンサレンズ604は、一般的な球面レンズである。撮影リングスリット605と撮影水晶体バッフル606は、いずれも環状の開口を持った平板である。
撮影光源603から射出された光束のうち、ミラー602の側に向かって射出された光の一部は、ミラー602によって反射して被検眼Eの眼底に向かう光束となる。このため、ミラー602が設けられない構成と比較すると、撮影光源603の発光量は少なくてよい。なお、ミラー602を平面とすることにより、光のムラを生じさせないとともに、撮影光源603に対する距離的制約もないようにできる。撮影コンデンサレンズ604は、撮影光源603から射出された光束を被検眼Eの眼底に向けて集光する。撮影リングスリット605は、光束の形状を、被検眼Eの前眼部を通過する際に環状となるよう成形する。撮影水晶体バッフル606は、被検眼Eの水晶体へ投影される光束を制限することにより、眼底像への水晶体からの反射光の写り込みを防ぐ。
観察光源部O2の構成は、次のとおりである。眼底観察光源607は、LEDなど連続発光可能な光源である。眼底観察光源607は、素子の特性や光学フィルタによって、赤外光を発光する。観察コンデンサレンズ608は、一般的な球面レンズである。観察リングスリット609と観察水晶体バッフル610は、いずれも、環状の開口を持った平板である。これらは、撮影光源部O1と光源の種類が異なるだけである。すなわち、観察コンデンサレンズ608は、眼底観察光源607が射出する光束を集光する。観察リングスリット609は、光束形状を、被検眼Eの前眼部を通過する際に環状になるように成形する。観察水晶体バッフル610は、被検眼Eの水晶体へ投影される光束を制限し、眼底像への水晶体からの反射光の写り込みを防いでいる。
照明光学系O3は、撮影光源部O1と観察光源部O2で作られた光束をリレーするとともに、眼底像の焦点合わせのための指標像を造りこむ。照明光学系O3の構成は、次のとおりである。ダイクロイックミラー611は、赤外光を透過し可視光を反射する。このため、撮影光源部O1で作られた可視光(白色光)の光束は反射し、観察光源部O2で作られた赤外光の光束は透過する。このため、いずれの光束も照明光学系O3に導光される。導光された光束は、第一の照明リレーレンズ612と第二の照明リレーレンズ614とによって、リング状の照明光に形成され、被検眼Eに結像される。
スプリットユニット613は、フォーカス指標光源613aと、プリズム613bと、フォーカス指標マスク613cと、図略の進退機構と、図略の移動機構とを有する。フォーカス指標光源613aは、被検眼Eにフォーカススプリット指標を投影するために用いられる。プリズム613bは、光源を分割するために用いられる。フォーカス指標マスク613cは、フォーカススプリット指標の外形を示すために用いられる。進退機構は、スプリット進退駆動モータM4を有する。スプリット進退駆動モータM4は、眼底観察時には照明光学系O3の光路にスプリットユニット613を進入させて、観察像の中にフォーカススプリット指標を投影する。また、撮影時には、スプリットユニット613を照明光学系O3の光路から退避させ、撮影像の中にフォーカススプリット指標が移り込むことが無いようにする。移動機構は、スプリットシフト駆動モータM5とスプリット位置センサS14を有する。スプリットシフト駆動モータM5は、フォーカス指標光源613aと、プリズム613bと、フォーカス指標マスク613cとを光軸方向(図中矢印方向)にシフト駆動することで、眼底観察時にフォーカススプリット指標の焦点を合せる。スプリット位置センサS14は、スプリットユニット613の停止位置を検出する。
角膜バッフル615は、被検眼Eの角膜からの不要な反射光が眼底像に写り込まないようにしている。
撮影/観察光学系O4は、被検眼Eに対して照明光束を投影するとともに、被検眼Eから反射光束を導出する。穴あきミラー616は、外周部がミラーとなっており中央部には穴が形成される。照明光学系O3から導かれた光束は、外周部のミラーで反射して、対物レンズ617を介して被検眼Eを照明する。被検眼Eからの反射光束の一部は、対物レンズ617を戻り、穴あきミラー616の中央部の穴を通って撮影光学系O5に導かれる。
撮影光学系O5は、被検眼Eの眼底像の焦点調節を行い、焦点調節を行った被検眼Eの眼底像を撮像素子620に結像する。視度補正レンズ618は、凸レンズと凹レンズであり、視度補正レンズ進退駆動モータM6により撮影光学系O5の光路に進退可能に設置される。視度補正レンズ618は、焦点調節のためのフォーカスレンズ619では調整困難な強度の近視・遠視の被検眼Eの眼底に焦点を合せるために用いられる。被検眼Eが強度の近視である場合には、視度補正レンズ618の視度補正−レンズ618bを撮影光学系O5の光路に進入させ、強度の遠視である場合には視度補正+レンズ618aを撮影光学系O5の光路に進入させる。フォーカスレンズ619は、穴明きミラー616の中央の穴を通過した光束(被検眼Eの眼底像)の焦点調節を行うためのレンズである。フォーカスレンズ619は、図中矢印方向に移動することで、焦点調節を行う。フォーカスレンズ駆動モータM7は、フォーカスレンズ619を駆動して焦点を合わせる。フォーカスレンズ位置センサS15は、フォーカスレンズ619の停止位置を検出する。撮像素子620は、入射した光束(被検眼Eの眼底像)を光電変換することにより、被検眼Eの眼底像のアナログ形式の信号である画像データを生成する。画像処理部621は、撮像素子620が出力する画像データをデジタルデータに変換(A/D変換)する。表示部7は、赤外観察時において、デジタルデータに変換された画像データを表示する。デジタルデータに変換された画像データッは、撮影後には不図示の記録媒体に記録される。
前眼部観察光学系O6には、ハーフミラー622によって撮影/観察光学系O4から光路分割された光束が導かれる。被検眼Eの前眼部からの反射光束は、ハーフミラー622によって一部が反射される。反射した光束は、前眼プリズム623を通過し、結像レンズ624によって赤外域の感度を持つ前眼撮像素子625に結像される。この光学系によって、被検眼Eの前眼部を観察し、被検眼Eと検眼部6とのアライメント状態の検出が可能になっている。
内部固視灯部O7は、内部固視灯ユニット627を有する。内部固視灯ユニット627は、撮影光学系O5の光路からハーフミラー626によって分割された光路上に、撮影光学系O5の光路に対向して設けられる。内部固視灯ユニット627は、複数のLEDを有する。そして、検者等(使用者等)が選択した固視部に対応した位置のLEDを点灯させる。被検者に点灯したLEDを固視させることで、検者等は被検眼Eの所望の向きの眼底像を得ることができる。
[制御系]
次に、眼底カメラ1の構成について、図3を参照して説明する。図3は、眼底カメラ1のブロック図である。図3に示すように、眼底カメラ1はシステム制御部100を有する。システム制御部100は、眼底カメラ1の各部を制御する。そして、システム制御部100は、以下に示す制御を実行する。なお、システム制御部100には、CPUとROMとRAMを有するコンピュータが適用される。ROMには、眼底カメラ1を制御するためのコンピュータプログラムが格納されている。CPUは、ROMに格納されるコンピュータプログラムを読み出し、RAMをワークエリアとして使用して実行する。これにより、コンピュータはシステム制御部100として機能し、眼底カメラ1の制御が実現する。
電源スイッチ101は、眼底カメラ1の電源状態を選択するスイッチである。システム制御部100は、電源スイッチ101の操作に応じて、眼底カメラ1の電源状態(電源がオンであるかオフであるか)を切替える。
XZクラッチ駆動部102は、システム制御部100の制御に従い、眼底カメラ1の動作モードがマニュアルアライメントモード(フルマニュアルモード)である場合には、ZクラッチC1とXクラッチC2への通電を停止する。これにより、マニュアルアライメントモードである場合には、ZモータM1とXモータM2の駆動力を摺動機構30へ伝達しないように切替える。一方、眼底カメラ1の動作モードがオートアライメントモード(フルオートモードまたはセミオートモード)である場合には、XZクラッチ駆動部102は、ZクラッチC1とXクラッチC2に通電する。これにより、オートアライメントモードである場合には、ZモータM1とXモータM2の駆動力を摺動機構30に伝達するように切替える。
XZモータ駆動部103は、眼底カメラ1の動作モードがオートアライメントモードである場合には、XZ各種センサS01〜S08の出力、および後述のアライメント状態に対するシステム制御部100の出力に応じてZモータM1とXモータM2を駆動する。Yモータ駆動部104は、マニュアルアライメントモードにおいては、Y各種センサS09〜S11の出力とYアライメント操作量センサS12の出力に応じて、YモータM3を駆動する。一方、オートアライメントモードにおいては、Y各種センサS09〜S11の出力と後述するアライメント状態に対するシステム制御部100の出力に応じて、YモータM3を駆動する。
M4駆動部105は、システム制御部100の制御に従い、オートアライメントモードである場合に、撮影スイッチ43が検者等により押下されると、スプリット進退駆動モータM4を駆動する。これにより、スプリットユニット613を、照明光学系O3の光路から退避させる。また、オートアライメントモードのうちのフルオートモードにおいては、撮影条件を全て満足し、自動撮影(オートショット)される際に、スプリットユニット613が照明光学系O3の光路から退避するように、スプリット進退駆動モータM4を駆動する。
M5駆動部106は、マニュアルアライメントモードである場合には、システム制御部100の制御に従い、フォーカス各種センサS13〜S15の出力に応じて、スプリットシフト駆動モータM5を駆動する。また、M5駆動部106は、オートアライメントモードにおいては、フォーカス各種センサS14〜S15の出力と後述するフォーカス状態に対するシステム制御部100の出力に応じて、スプリットシフト駆動モータM5を駆動する。
M6駆動部107は、マニュアルアライメントモードである場合には、システム制御部100の制御に従い、フォーカス各種センサS13〜S15の出力に応じて視度補正レンズ進退駆動モータM6を駆動する。また、M6駆動部107は、オートアライメントモードにおいては、フォーカス各種センサS14〜S15の出力と後述するフォーカス状態に対するシステム制御部100の出力に応じて、視度補正レンズ進退駆動モータM6を駆動する。
M7駆動部108は、マニュアルアライメントモードである場合には、システム制御部100の制御に従い、フォーカス各種センサS13〜S15の出力に応じて、フォーカスレンズ駆動モータM7を駆動する。また、M7駆動部108は、オートアライメントモードにおいては、フォーカス各種センサS14〜S15の出力と後述のフォーカス状態に対するシステム制御部100の出力に、応じてフォーカスレンズ駆動モータM7を駆動する。
撮影光源制御部109は、撮影前に撮影光源603を発光するためのエネルギを充電し、撮影時に充電した電気エネルギを放電して撮影光源603を発光させる。
角度維持機構998は、システム制御部100の制御に従い、操作桿40の傾倒角度および摺動部材1000の回転角度を、所定の角度の例である中立角度に復帰させるとともに、中立角度に維持する。ここで、操作桿40の傾倒角度および摺動部材1000の回転角度の中立角度とは、検者等により操作桿40が操作されていない状態の角度であって、可動部3を移動させない角度をいうものとする。例えば、操作桿40の所定の角度(中立角度)は、操作桿40が摩擦板999に対していずれの方向にも傾倒していない状態の角度である。摺動部材1000の所定の角度は、操作桿40の傾倒角度が前記所定の角度(中立角度)である場合の回転角度である。角度維持機構998の構成については後述する。
[位置検出および位置制御]
次に、XYZの各方向について、可動部3および検眼部6の基準位置および駆動量限界位置の検出方法と位置制御について説明する。
[XZ位置検出/位置制御]
可動部3のX−Z方向(水平方向)の位置検出には、Z各種センサS01〜S04と、X各種センサS05〜S08とが用いられる。駆動力伝達切替手段であるZクラッチC1とXクラッチC2とが切断状態にあると、Z駆動部D1とX駆動部D2から摺動機構30へ駆動力が伝達できない状態となる。この状態において、検者等は、操作桿40を操作することにより、人力により可動部3をX−Z方向(水平方向)へ移動させる。
なお、ZクラッチC1とXクラッチC2とがそれぞれ切断状態にあると、Z駆動量センサS01とX駆動量センサS05のみでは、人力で移動した可動部3の位置を検出できない。これは、次の理由による。Z駆動部D1とX駆動部D2の減速機構に含まれるギアのうち、マニュアルアライメントモードにおいて可動部3の移動に連動して回転するのは、ZクラッチC1とXクラッチC2のそれぞれよりも駆動力の伝達経路の下流側(出力側)のギアのみである。このため、この状態では、可動部3がX−Z方向に移動しても、ZモータM1とXモータM2の軸は回転しないから、Z駆動量センサS01とX駆動量センサS05では、可動部3のX−Z方向の位置を検出できない。そこで、この場合には、システム制御部100は、Z基準センサS03とX基準センサS07により検出される基準位置を基準として用い、Z移動量センサS02とX移動量センサS06の出力に基づき、可動部3の位置を検出する。
なお、ZクラッチC1とXクラッチC2が駆動力を伝達できる状態であっても、前眼部観察光学系O6により被検眼Eが検出されていない領域では、目標となる検出光が得られない。このため、システム制御部100は、可動部3の位置を制御することができない。そこで、この場合には、システム制御部100は、Z基準センサS03とX基準センサS07により検出される位置を基準位置とし、Z移動量センサS02とX移動量センサS06の出力に基づき、可動部3を大まかに絶対位置制御する。
一方、ZクラッチC1とXクラッチC2が駆動力を伝達できる状態であり、かつ、被検眼Eを検出しているときは、Z駆動量センサS01とX駆動量センサS05により、X−Z方向の駆動量を検出できる。そこで、この場合には、システム制御部100は、被検眼Eを検出した位置を可動部3の絶対位置基準とし、Z駆動量センサS01とX駆動量センサS05の出力に基づき、可動部3を詳細に相対位置制御する。ここで、Z基準センサS03とX基準センサS07により検出される基準位置は、可動部3の可動域の中心近傍に設けられる構成が好ましい。
なお、Z駆動部D1とX駆動部D2は、内部に減速機構を有している。そして、Z移動量センサS02とX移動量センサS06は、それらの減速機構よりも動力の伝達方向の下流側(出力側)に配置される。このため、Z移動量センサS02とX移動量センサS06の検出分解能は、Z駆動量センサS01とX駆動量センサS05の検出分解能に比べ、粗くなる。本実施形態では、撮影に際し、可動部3の要求停止精度は例えば0.2mmであるものとする。この要求精度に対し、本実施形態では、Z駆動量センサS01とX駆動量センサS05の検出分解能を0.1mmに設定し、Z移動量センサS02およびX移動量センサS06の検出分解能を約0.5mmに設定している。
また、電動駆動時における可動限界の検出は、次のとおりである。システム制御部100は、Z基準センサS03とX基準センサS07により検出される基準位置を基準として用い、Z移動量センサS02とX移動量センサS06の出力から、可動部3の絶対位置を制御する。これにより、システム制御部100は、可動部3と各方向の可動限界位置との位置関係を把握できる。
ただし、外的要因や故障に起因して、可動部3に位置ずれが生じることがある。そこで、本実施形態では、可動部3の位置ずれ対策として、Z限界センサS04とX限界センサS08が設けられる。そして、システム制御部100は、Z限界センサS04とX限界センサS08の検出結果に基づき、可動部3が各方向の限界位置にあることを検出できる。これにより、電動駆動時において、可動部3が可動限界(Z限界センサS04とX限界センサS08により検出される位置)よりも外側へ移動することが防止される。
なお、電動駆動の開始前において可動部3が可動限界の外側に存在する場合には、システム制御部100は、可動部3を可動域内側へ移動させるように制御する。なお、検者等が人力により可動部3を移動する際の可動限界は、Z限界センサS04とX限界センサS08により検出される可動限界よりも広く設定されている。また、可動限界におけるメカ的な接触箇所には、弾性体が設けられる構成であることが好ましい。
ところで、ギア輪列のように嵌り合って運動する機械要素には、自由に動くために運動方向に隙間(いわゆるバックラッシ)が必要である。また、送りネジ機構における送りネジとナットとの間や、ナットとナットカバーとの間にも、運動方向にバックラッシが設けられる。このように可動部3は、各方向の駆動部D1〜D3の減速機構(ギア等)、駆動力伝達切替手段(クラッチ等)、回動直動変換機構(ラック/ピニオン等)において、バックラッシが設けられる。この場合、これらのバックラッシに起因する位置ずれを防止するため、バネ等で片寄せ付勢を行う機構が用いられることがある。しかしながら、バネ等で片寄せ付勢を行う構成では、検者等が操作桿40を操作してマニュアルアライメントを実施する場合に、操作桿40の操作感に影響を与える。
そこで、本実施形態では、前述のバックラッシを存在させたまま、バネ等による隙間片寄付勢をすることなく、精度の高いアライメントを実現できる構成としている。具体的には、次のとおりである。システム制御部100は、Z基準センサS03とX基準センサS07により検出される位置(基準位置)から、可動部3をそれぞれの方向にある所定の距離(任意の距離)を往復移動させる。そして、システム制御部100は、そのときの移動量とZ駆動量センサS01とX駆動量センサS05の検出結果の差よりバックラッシ量を測定して記憶する。システム制御部100は、電動駆動中に可動部3の移動方向を反転した際に、記憶したバックラッシ量を補正して駆動する。これにより、バックラッシによる可動部3の位置ずれを打ち消すことが可能となる。
なお、バックラッシ量の測定方法は、上述の方法に限定されない。例えば、システム制御部100は、可動部3を可動域の端部で往復させ、Z限界センサS04とX限界センサS08のそれぞれの検出結果を用いて測定しても良い。また、システム制御部100は、可動部3を、Z基準センサS03とX基準センサS07のそれぞれにより検出される基準位置とZ限界センサS04とX限界センサS08のそれぞれにより検出される限界位置との間で往復させ、バックラッシ量を測定してもよい。さらに、システム制御部100は、撮影シーケンス中において、左右眼が切替えられる際等といった、X基準センサS07により検出される基準位置を通過してから、再度通過するまでの駆動量と反転回数から、バックラッシ量を算出しても良い。また、バックラッシ量は経年により変化する可能性がある。このため、システム制御部100は、眼底カメラ1の起動毎にバックラッシ量を測定して記憶することが好ましい。
なお、システム制御部100は、可動部3の位置を大まかに制御する絶対位置制御中は、上述のフィードバック制御を行わなくとも良い。システム制御部100は、被検眼Eを検出した場合に、すなわち、相対位置制御を行う場合に、このようなフィードバック制御を行う構成であればよい。また、Y方向に関しては、検眼部6の自重により下方向へ付勢される。このため、システム制御部100は、Y方向については、上述のフィードバック制御を行わなくて良い。
[Y位置検出/位置制御]
可動部3のY方向位置の検出には、Y駆動量センサS09と、Y基準センサS10と、Y限界センサS11とが用いられる。システム制御部100は、Y基準センサS10により検出される基準位置を基準とし、Y駆動量センサS09の出力に基づき、可動部3を詳細に相対位置制御する。なお、Y基準センサS10により検出される基準位置は、可動部3の可動域の中心近傍に設けられる構成であることが好ましい。さらに、可動限界は、外的要因や故障に起因する位置ずれに対応するため、電動駆動時における可動域の限界(可動限界)を検出するY限界センサS11が設けられる。これにより、システム制御部100は、可動部3の電動駆動時において、可動部3が可動域の外側に移動することを防止する。
[アライメント操作機構]
次に、アライメント操作機構4と角度維持機構998の構成について、図4〜図8を参照して説明する。図4(a)は、アライメント操作機構4の拡大図である。図4(b)は、図4(a)のB部拡大図である。アライメント操作機構4は、操作部材の例である操作桿40と、回転ダイヤル41と、前眼/眼底切替スイッチ42と、撮影スイッチ43と、Yアライメント操作量センサS12と、摺動部材1000(中球)と、角度維持機構998と、摩擦板999とを有する。
摺動部材1000は、球状の構成を有し、可動部3に回転可能に設けられる。例えば、可動部3には、図略の摺動部材支持部が設けられ、摺動部材1000は、この摺動部材支持部によって可動部3に対して回転可能に支持される。摩擦板999は、基部2に固定される。操作部材の例である操作桿40は、可動部3をX−Z方向に移動させるために用いられる。操作桿40は、摺動部材1000に結合されており、可動部3に対して任意の方向に傾倒可能である。そして、摺動部材1000は、摩擦板999の表面に接触しており、摩擦板999の表面を転がることおよび転がらずに摺動することができる。なお、操作桿40および摩擦板999は、従来公知のジョイスティック機構と共通の構成が適用できる。また、操作桿40には、眼底カメラ1を操作するための各種操作部材が設けられていてもよい。
操作桿40は、被検眼Eに対して検眼部6を大まかにアライメントする粗動時には、可動部3の保持(把持)部材として用いられる。検者等が操作桿40を操作して水平方向に力(人力)を掛けると、操作桿40の下側に設けられる摺動部材1000(中球)が、基部2に取り付けられている摩擦板999の表面を滑る。これにより、検者等は、可動部3をX−Z方向(水平方向)に人力で移動(粗動)させることができる。また、操作桿40は、詳細にアライメントする微動時には、傾倒操作を行う操作部材として用いられる。検者等が操作桿40を傾倒操作すると、摺動部材1000と摩擦板999との間の摩擦力によって、摺動部材1000が摩擦板999の表面を転がる。検者等が操作桿40をF−B方向やL−R方向に傾倒させると、摺動部材1000(中球)は、摩擦板999の表面を滑ることなく転がる。これにより検者等は、人力によって可動部3をX−Z方向に微動させることができる。また、摺動部材1000と摩擦板999の間の摩擦力によって、アライメントの操作感を達成している。
回転ダイヤル41は、検眼部6をY方向に移動させるために用いられる操作部材である。回転ダイヤル41は、操作桿40に同軸に設けられ、U−D方向に回転可能である。回転ダイヤル41の内部には、Yアライメント操作量センサS12が設けられる。Yアライメント操作量センサS12は、回転ダイヤル41の回転方向と単位時間当たりの回転角を検出する。システム制御部100は、回転ダイヤル41の回転方向と回転角の検出結果に基づいて、Yモータ駆動部104を制御してYモータM3を駆動し、検眼部6をY方向に移動させる。
前眼/眼底切替スイッチ42は、表示部7に表示する画像を撮影する撮像素子を切替えるための操作部材である。システム制御部100は、前眼/眼底切替スイッチ42の操作を検出すると、表示部7に表示する画像を撮影する撮像素子を切替え、表示部7に表示する画像を、被検眼Eの前眼観察像と眼底観察像のいずれかに切替える。
撮影スイッチ43は、被検眼Eの眼底の撮影を実行するために用いられる操作部材である。システム制御部100は、撮影スイッチ43の押下を検出すると、被検眼Eの眼底の撮影を実行する。
図4に示すように、アライメント操作機構4には、角度維持機構998が設けられる。角度維持機構998は、摺動部材1000の回転角度および操作桿40の傾倒角度を中立角度に維持する。角度維持機構998は、係合部材駆動手段の例である摺動部材位置制限駆動源1001と、係合部材の例である摺動部材位置制限ピン1004と、リンクレバー1002と、復帰バネ1003とを有する。係合部材駆動手段の例である摺動部材位置制限駆動源1001には、例えばロータリーソレノイドが適用できる。また、摺動部材位置制限駆動源1001は、システム制御部100により駆動制御される。係合部材の例である摺動部材位置制限ピン1004は、その軸線方向に往復動移動に設けられ、往復動することによって後述するテーパー穴1005および係合穴1006に挿抜可能である。摺動部材位置制限駆動源1001と摺動部材位置制限ピン1004とはリンクレバー1002を介して連結されており、摺動部材位置制限ピン1004は、摺動部材位置制限駆動源1001の駆動力によってその軸線方向に往復動する。一方、摺動部材1000の表面には、テーパー穴1005が形成されるとともに、このテーパー穴1005の底部(最深部)には、係合部材の例である摺動部材位置制限ピン1004が挿抜可能な係合穴1006が形成される。
図5は、摺動部材位置制限ピン1004とテーパー穴1005の構成を模式的に示す図である。図5(a)は、摺動部材位置制限ピン1004の構成例を模式的に示す斜視図である。図5(a)に示すように、摺動部材位置制限ピン1004は、例えば円柱状の形状を有する。そして、その側面には、半径方向外側に突出し、軸線方向に延伸する係合リブ1007が設けられる。
図5(b)は、テーパー穴1005の構成例を模式的に示す図であり、摺動部材位置制限ピン1004の側から見た図である。図5(b)に示すように、テーパー穴1005の底部(最深部)には、摺動部材位置制限ピン1004の本体部分(円柱状の部分)が嵌まり込むことができる係合穴1006と、係合リブ1007が嵌まり込むことができる係合溝部1008が設けられる。そして、係合穴1006および係合溝部1008の内周面の寸法および形状は、摺動部材位置制限ピン1004の本体部分および係合リブ1007に応じた寸法および形状に設定される。このため、摺動部材位置制限ピン1004が係合穴1006に嵌まり込み、係合リブ1007が係合溝部1008に嵌まり込むと、摺動部材1000は、摺動部材位置制限ピン1004の軸線(往復動の方向)を中心として回転できなくなる。また、摺動部材位置制限ピン1004が係合穴1006に嵌まり込むと、摺動部材1000は、摺動部材位置制限ピン1004に対して、前述の方向以外の方向にも相対的に回転できなくなる。したがって、摺動部材位置制限ピン1004が係合穴1006に嵌まり込み、係合リブ1007が係合溝部1008に嵌まり込むと、摺動部材1000は摺動部材位置制限ピン1004に対して、いずれの方向にも相対的に回転できなくなる。このように、摺動部材位置制限ピン1004が係合穴1006に係合することによって、摺動部材1000の回転が規制される。一方、摺動部材位置制限ピン1004が係合穴1006に係合していない抜け出た状態では、摺動部材位置制限ピン1004と係合穴1006との係合が解除された状態となるから、摺動部材1006は回転できる状態となる。
図5(c)は、図5(b)のC−C線断面図である。図5(c)に示すように、摺動部材1000に設けられるテーパー穴1005の内周面は、摺動部材位置制限ピン1004の往復動の方向に対して傾斜する傾斜面である。このテーパー穴1005は、例えば擂鉢状の穴であり、底に向かうにしたがって穴径が徐々に小さくなる。なお、テーパー穴1005の内周面は、円錐状の面であってもよく、図5(c)に示すような椀状の面であってもよい。
図5(d)は、図5(b)のD−D線断面図である。図5(d)に示すように、係合溝部1008の円周方向の両側には、案内面1009が設けられる。これらの案内面1009は、係合溝部1008から円周方向に離れるにしたがって底が浅くなるテーパー面状に形成される。
図6は、摺動部材位置制限ピン1004の動作を模式的に示す図である。図6に示すように、摺動部材位置制限ピン1004は、摺動部材位置制限駆動源1001の駆動力によって軸線方向に直線運動する。このため、摺動部材位置制限ピン1004と係合リブ1007は、直動することによって、摺動部材1000のテーパー穴1005に設けられる係合穴1006と係合溝部1008に挿抜される。なお、操作桿40の傾倒角度および摺動部材1000の回転角度が所定の角度の例である中立角度にある場合に、摺動部材位置制限ピン1004と係合リブ1007が、係合穴1006と係合溝部1008に嵌まり込むように設定される。前述のとおり、中立角度は、操作桿40が操作されておらず、摩擦板999に対していずれの方向にも傾倒していない状態の角度であり、操作桿40が直立している場合の角度である。
復帰バネ1003は、摺動部材位置制限ピン1004を、テーパー穴1005および係合穴1006から抜け出る方向に付勢する。このため、摺動部材位置制限ピン1004は、外力が掛かっていない状態では、その先端がテーパー穴1005および係合穴1006に嵌まり込んでおらず、係合穴1006に係合しない状態に維持される。したがって、係合部材駆動手段の例である摺動部材位置制限駆動源1001が駆動していない状態では、摺動部材位置制限ピン1004は、復帰バネ1003の付勢力によって、係合穴1006に係合しない状態に維持される。
図7は、操作桿40と摺動部材1000とが、摺動部材位置制限ピン1004の軸線と直角な直線を回転中心として傾倒と回転している角度から中立角度に復帰するメカニズムを説明する図である。システム制御部100は、摺動部材位置制限駆動源1001を駆動して、摺動部材位置制限ピン1004をテーパー穴1005に挿入する。操作桿40および摺動部材1000が前述の方向に傾倒していると、図7(a)に示すように、摺動部材位置制限ピン1004の先端は、まずテーパー穴1005の内周面に当接する。摺動部材位置制限駆動源1001が摺動部材位置制限ピン1004をテーパー穴1005に押し込むと、その押し付け力によって、摺動部材1000が回転し、操作桿40および摺動部材1000が中立角度となるように回転移動する。そして、操作桿40および摺動部材1000が中立角度に復帰すると、摺動部材位置制限ピン1004が係合穴1006に嵌まり込むとともに、係合リブ1007が係合溝部1008に嵌まり込む。この状態になると、操作桿40は、外部から力が加わっても、いずれの方向にも傾倒できない。したがって、操作桿40および摺動部材1000は、中立角度(いずれの方向にも傾倒や回転していない角度)に維持される。
図8は、操作桿40および摺動部材1000が、摺動部材位置制限ピン1004の軸線を中心として傾倒および回転している角度から中立角度に復帰するメカニズムを説明する図である。システム制御部100は、摺動部材位置制限駆動源1001を駆動して、摺動部材位置制限ピン1004をテーパー穴1005に挿入する。操作桿40および摺動部材1000が前述の方向に傾倒していると、摺動部材位置制限ピン1004に設けられる係合リブ1007と、係合溝部1008とが、摺動部材位置制限ピン1004の軸線(往復動の方向)を中心とする円周方向にずれている。このため、この状態では、摺動部材位置制限ピン1004に設けられる係合リブ1007の先端が、案内面1009に当接する。摺動部材位置制限駆動源1001が摺動部材位置制限ピン1004を押し込むと、その押し付け力によって、摺動部材1000が回転し操作桿40および摺動部材1000が中立角度となるように回転する。そして、操作桿40の傾倒角度および摺動部材1000の回転角度が中立角度に復帰すると、摺動部材位置制限ピン1004が係合穴1006に嵌まり込むとともに、係合リブ1007が係合溝部1008に嵌まり込む。この結果、操作桿40は、外部から力が加わっても傾倒できず、操作桿40の傾倒角度および摺動部材1000の回転角度は中立角度に維持される。
このように、操作桿40および摺動部材1000がいずれの方向に傾倒および回転していたとしても、摺動部材位置制限ピン1004をテーパー穴1005および係合穴1006に挿入することによって、操作桿40の傾倒角度および摺動部材1000の回転角度を中立角度に復帰させることができる。そして、操作桿40および摺動部材1000は、中立角度に復帰した後は、中立角度に維持される。
なお、摺動部材位置制限ピン1004と係合リブ1007とテーパー穴1005と係合穴1006と案内面1009の構成は、前述の構成に限定されない。要は、摺動部材位置制限ピン1004を摺動部材1000に押し付けると、操作桿40の傾倒角度および摺動部材1000の回転角度が中立角度に復帰し、かつ、中立角度に維持される構成であればよい。
このような構成であると、システム制御部100は、摺動部材位置制限駆動源1001を駆動制御し、摺動部材位置制限ピン1004を係合穴1005に挿入して係合させることによって、摺動部材1000および操作桿40を中立角度に維持する状態に切替える。一方、この状態から摺動部材位置制限駆動源1001の駆動制御が停止されると、復帰バネ1003の付勢力により摺動部材位置制限ピン1004を係合穴1005から抜け出て、摺動部材1000および操作桿40を中立角度に維持しない状態に切替わる。すなわち、システム制御部100は、摺動部材位置制限駆動源1001の駆動制御が停止することによって、摺動部材1000および操作桿40を中立角度に維持しない状態に切替える。
[アライメントの原理/アライメント指標]
次に、眼底カメラ1のアライメントの原理について、図9を参照して説明する。図9は、眼底カメラ1のアライメントの原理を説明する概要図である。なお、図9は、前眼部観察光学系O6の前眼撮像素子625により撮影される被検眼Eの前眼観察像を示している。前眼プリズム623に入射した光束は、上半分と下半分で相反する左右方向に屈折して分離され、結像レンズ624により前眼撮像素子625に結像する。すなわち、図9に示すように、被検眼Eの前眼観察像は、前眼撮像素子625に、前眼プリズム623により上下に分割されて結像する。そして、被検眼Eと検眼部6の距離が所定の作動距離よりも長い場合には、前眼観察像の上半分は右側にずれた位置に結像し、下半分は左側にずれた位置に結像する。一方、被検眼Eと検眼部6の距離が所定の作動距離よりも短い場合は、前眼観察像の上半分は左側にずれた位置に結像し、下半分は右側にずれた位置に結像する。したがって、前眼観察像の上半分と下半分のずれ方向とずれ量とに基づいて、前眼観察像の前後方向のアライメントが可能である。
また、被検眼Eに対して上下左右方向のアライメントは、以下の原理で行なう。瞳孔部P以外の部分は反射光が多く反射して入ってくるために白く映る。一方、瞳孔部Pは、反射光が入らないので黒く映る。したがって、瞳孔部Pとそれ以外との輝度差に基づいて瞳孔部Pを抽出し、瞳孔部Pの位置を決定することができる。図9(a)では、上下に分割された瞳孔部Pのうち、下部の瞳孔部Pから、瞳孔中心P0を検出している。図9(b)に示すように、瞳孔中心P0を前眼撮像素子625の画像中心Oに合せることで、被検眼Eと検眼部6との上下左右方向のアライメントを行うことができる。
マニュアルアライメントモードであるフルマニュアルモードにおいては、検者等がアライメント操作機構4の操作桿40を操作して、人力により上述のアライメントを行う(前眼マニュアルアライメント)。一方、オートアライメントモードであるフルオートモードおよびセミオートモードにおいては、システム制御部100が自動で上述のアライメントを行う(前眼オートアライメント)。
図10は、眼底カメラ1の眼底観察像のアライメント指標P1,P2およびフォーカススプリット指標613L,613Rを説明する概要図である。なお、図10(a),(b)は、それぞれ撮像素子620により観察される眼底観察像を示している。アライメント指標P1,P2は、撮影光軸から対称にずらした2つのデジタルアライメント指標である。ガイド枠A1,A2は、それぞれアライメント指標P1,P2の合せ位置を示している。マニュアルアライメントモードであるフルマニュアルモードにおいては、検者等がアライメント操作機構4の操作桿40を操作し、ガイド枠A1,A2にアライメント指標P1,P2を合せる(眼底マニュアルアライメント)。これにより、上述の方法により検出した被検眼Eの瞳孔中心P0と前眼撮像素子625の画像中心Oとが一致し、被検眼Eと検眼部6とのアライメントが完了する。
[フォーカスの原理/フォーカススプリット指標]
フォーカススプリット指標613L,613Rは、スプリットユニット613によって被検眼Eに投影され、被検眼Eの瞳上で分割された指標である。スプリットユニット613とフォーカスレンズ619は、システム制御部100の制御に基づいて連動して移動する。また、撮像素子620とフォーカス指標マスク613cとは、光学的に略共役な関係を有する。そして、スプリットユニット613を光軸方向にシフト移動させることで、フォーカススプリット指標613L,613Rが撮像素子620により撮影される眼底観察像上を移動するとともに、フォーカスレンズ619が光軸方向に連動して移動する。したがって、これらのフォーカススプリット指標613L,613Rを、撮像素子620により撮影される眼底観察像上で、図10(a)に示す状態から図10(b)に示す状態(一直線に並ぶ状態)とすることにより、被検眼Eの眼底にフォーカスが合う。マニュアルアライメントモードであるフルマニュアルモードにおいては、検者等がフォーカス操作部材5を操作し、上述の指標合わせを行う。一方、オートアライメントモードであるフルオートモードおよびセミオートモードにおいては、システム制御部100が、自動で上述の指標合せを行う。
[眼底カメラの動作]
次に、眼底カメラ1の動作について説明する。眼底カメラ1は、動作モードとして、フルオートモードと、セミオートモードと、フルマニュアルモードとを有する。フルオートモードとセミオートモードとは、システム制御部100が、検眼部6の被検眼Eに対してオートアライメント(自動での位置合わせ)を行うオートアライメントモードの例である。そして、フルオートモードにおいては、システム制御部100は、オートアライメントの完了後、自動で被検眼Eの眼底像の撮影を実行する。一方、セミオートモードにおいては、システム制御部100は、オートアライメントの完了後、検者等による撮影の実行の指示があるまで待機し、撮影の実行の指示を検出した場合に被検眼Eの眼底像の撮影を実行する。フルマニュアルモードは、検者等が検眼部6の位置合わせを人力で行い(マニュアルアライメント)、撮影を手動で実行する動作モードである。
(第1の動作)
第1の動作は、動作モードに応じて、角度維持機構998の駆動を切替える動作である。制御手段の例であるシステム制御部100は、動作モードがフルオートモードまたはセミオートモード(すなわち、オートアライメントモード)である場合には、角度維持機構998を駆動し、摺動部材1000および操作桿40を中立角度に維持する。摺動部材1000および操作桿40を中立角度に維持する状態が、維持状態の例である。すなわち、システム制御部100は、角度維持機構998を維持状態に切替える。一方、システム制御部100は、動作モードがフルマニュアルモードである場合には、角度維持機構998を駆動せず、摺動部材1000および操作桿40を中立角度に維持しない。摺動部材1000および操作桿40を中立角度に維持しない状態が、解除状態の例である。すなわち、システム制御部100は、角度維持機構998を解除状態に切替える。このため、検者等は、フルマニュアルモード(マニュアルアライメントモード)においては、操作桿40を操作して検眼部6を人力でアライメント(マニュアルアライメント)できる。また、フルオートモードまたはセミオートモードにおいては、摺動部材1000および操作桿40は中立角度に維持されるから、フルオートモードまたはセミオートモードからフルマニュアルモードに切替わった際には、操作桿40は中立角度にある。このため、フルオートモードまたはセミオートモードからフルマニュアルモードに切替わった際に、検者等は、操作桿40を中立角度から操作できる。すなわち、オートアライメントモードの例であるフルオートモードまたはセミオートモードでは、角度維持機構998は維持状態に切替えられる。このため、オートアライメントにおける可動部3の動きによっては摺動部材1000は回転せず、操作桿40は中立角度に維持される。一方、マニュアルアライメントモードの例であるフルマニュアルモードでは、角度維持機構998は解除状態に切替えられるから、検者等は、操作桿40を系統操作してマニュアルアライメントを行うことができる。このような構成であれば、検者等は、オートアライメントの完了後にマニュアルアライメントを行う場合には、操作桿40を中立角度から操作できる。したがって、検者等は、所望の操作範囲を得ることができ、検者等の操作の負担を軽減できる。
なお、眼底カメラ1には、動作モードを切替えるためのモード切替スイッチ8が設けられる。システム制御部100は、モード切替スイッチ8が押下されるごとに、動作モードを、フルマニュアルモードとセミオートモードとフルオートモードとに順に切替える。したがって、検者等は、モード切替スイッチ8を押下することによって、フルマニュアルモードとセミオートモードとフルオートモードのいずれかの動作モードを選択できる。そして、システム制御部100は、モード切替スイッチ8が押下されるごとに、動作モードに応じて、角度維持機構998を駆動するか駆動しないかを切替える(維持状態と解除状態を切替える)。具体的には、システム制御部100は、動作モードをフルオートモードとセミオートモードに切替えるとともに角度維持機構998の駆動制御を開始し、角度維持機構998を維持状態に切替える。また、動作モードをフルマニュアルモードに切替えるとともに角度維持機構998の駆動制御を停止し、角度維持機構998を解除状態に切替える。このように、システム制御部100は、オートアライメントモードが選択された場合には、角度維持機構998を維持状態に切替え、マニュアルアライメントモードが選択された場合には、角度維持機構998を解除状態に切替える。
(第2の動作)
第2の動作は、眼底カメラ1の電源のオン/オフ状態に応じて、角度維持機構998を維持状態と解除状態のいずれかに切替える動作である。眼底カメラ1には、電源の状態を切替える電源スイッチ101が設けられる。システム制御部100は、電源スイッチ101の操作に応じて、眼底カメラ1の電源の状態をオンとオフに切替える。このため、検者等は、電源スイッチ101を操作することによって、眼底カメラ1の電源の状態(オン/オフ)を切替えることができる。システム制御部100は、電源スイッチ101に対して眼底カメラ1の電源をオンにする操作を検出した場合には、角度維持機構998を駆動して維持状態に切替える。そして、摺動部材1000の傾倒角度および操作桿40の回転角度を中立角度に維持する。一方、システム制御部100は、電源スイッチ101に対して眼底カメラ1の電源をオフにする操作を検出した場合には、角度維持機構998の駆動を停止して解除状態に切替える。これにより、摺動部材1000の傾倒角度および操作桿40の回転角度の中立角度の維持を解除する。なお、電源がオフの状態では、復帰バネ1003の付勢力によって、摺動部材位置制限ピン1004が係合穴1006およびテーパー穴1005から抜け出ている状態に維持される。このため、摺動部材1000の回転角度および操作桿40の傾倒角度の中立角度の維持が解除された状態となる。
(第3の動作)
次に、眼底カメラ1の第3の動作について、図11〜図13を参照して説明する。図11〜図13示す処理および動作を実現するためのコンピュータプログラムは、システム制御部100として機能するコンピュータのROMにあらかじめ格納されている。システム制御部100として機能するコンピュータのCPUは、このコンピュータプログラムを読み出し、RAMをワークエリアとして使用して実行する。これにより、図11〜図13のフローチャートに示す処理および動作が実現する。
図11は、動作モードがフルマニュアルモード(マニュアルアライメントモード)に設定されている場合の眼底カメラ1の動作を示すフローチャートである。
ステップS000において、システム制御部100は処理を開始する。なお、システム制御部100は、起動時および前回の撮影シーケンスの完了後には、眼底カメラ1の動作モードをフルマニュアルモードに設定する。また、システム制御部100は、画像処理部621を制御して、現在の眼底カメラ1の動作モードを、表示部7に表示させる。
ステップS001において、システム制御部100は、XZモータ駆動部103とYモータ駆動部104を制御してXモータM2とYモータM3とZモータM1とを駆動し、可動部3を初期位置へ移動させる。初期位置としては、前述の各方向の基準位置が適用される。そして、システム制御部100は、Z基準センサS03とX基準センサS07とY基準センサS10とによる検出結果に基づき、可動部3の各方向の初期位置への移動が完了したか否かを判定する。完了したと判定した場合には、ステップS002へ進む。
ステップS002において、システム制御部100は、不図示の前眼観察光源の発光を開始する。
ステップS003において、システム制御部100は、前眼撮像素子625により撮像した被検眼Eの前眼観察像を、画像処理部621を制御して表示部7に表示させる。
ステップS004においては、システム制御部100は、検者等によるモード切替スイッチ8の操作に応じて、眼底カメラ1の動作モードを、フルマニュアルモードとセミオートモードとフルオートモードのいずれかに切替える。具体的には、システム制御部100は、モード切替スイッチ8の押下を検出する毎に、フルマニュアルモード、セミオートモード、フルオートモードの順で、動作モードを切替える。
さらにシステム制御部100は、動作モードがフルマニュアルモードである場合には、検眼部6と被検眼Eとの前眼アライメントが完了したか否かの判定も行う。具体的には次のとおりである。システム制御部100は、撮影シーケンス完了後と眼底カメラ1の起動後は、動作モードとしてフルマニュアルモードが選択されている。動作モードがフルマニュアルモードである場合には、検者等は、アライメント操作機構4の操作桿40を操作して前眼アライメントを行い、前眼アライメント完了後に前眼/眼底切替スイッチ42を押下する。システム制御部100は、動作モードがセミオートモードまたはフルオートモードに切替えられていない状態で、前眼/眼底切替スイッチ42の押下を検出すると、フルマニュアルモードが選択され、かつ、前眼アライメントが完了したと判定する。そしてこの場合には、ステップS005へ進む。なお、システム制御部100は、前眼アライメントの完了を検出した場合に、自動で前眼/眼底切替えを行っても良い。この場合には、システム制御部100は、前眼/眼底自動切替えと同時にフルマニュアルモードが選択されたと判定すれば良い。
セミオートモードに切替えられた場合には、ステップS105へ進む。フルオートモードに切替えられた場合には、ステップS205へ進む。なお、システム制御部100は、前眼/眼底切替スイッチ42の押下を検出するまでは、モード選択中又は前眼アライメント中であると判定する。この場合には、ステップS004で待機する。
次に、ステップS005に進んだ場合の、フルマニュアルモードでの撮影シーケンスについて説明する。
ステップS005において、システム制御部100は、撮像素子620が撮像した被検眼Eの眼底観察像を、画像処理部621を制御して表示部7に表示させる。
ステップS006において、システム制御部100は、M4駆動部105を制御してスプリット進退駆動モータM4を駆動し、スプリットユニット613を照明光学系O3の光路に進入させる。
ステップS007において、システム制御部100は、不図示の前眼観察光源の発光を停止し、眼底観察光源607の発光を開始する。
ステップS008において、システム制御部100は、撮影準備が完了したか否かの判定を行う。具体的には次のとおりである。検者等は、アライメント操作機構4の操作桿40を操作して眼底アライメントを行い、フォーカス操作部材5を操作して眼底像のフォーカスを行う。そして、検者等は、眼底アライメントおよびフォーカスの完了後に、撮影スイッチ43を押下する。システム制御部100は、撮影スイッチ43の押下を検出すると、撮影準備が完了したと判定する。そしてステップS009へ進む。なお、システム制御部100は、撮影スイッチ43の押下を検出していない場合は、撮影準備中であると判定する。この場合には、このステップS008で待機する。なお、システム制御部100は、設定によっては、オートフォーカスおよびオートショットを選択して行っても良い。
ステップS009において、システム制御部100は、M4駆動部105を制御してスプリット進退駆動モータM4を駆動し、スプリットユニット613を照明光学系O3の光路から退避させる。
ステップS010において、システム制御部100は、撮影光源603を発光させる。これにより、被検眼Eの眼底に、可視光が照射される。
ステップS011において、撮像素子620により、被検眼Eの眼底像を撮影する。以上のステップを経て、動作モードがフルマニュアルモードである場合の撮影シーケンスを完了する。
次に、ステップS205に進んだ場合のフルオートモードでの撮影シーケンスについて、図12を参照して説明する。図12は、眼底カメラ1の動作モードがフルオートモードである場合の撮影シーケンスと、角度維持機構998が駆動を開始して操作桿40および摺動部材1000が中立角度に復帰するまでを示すフローチャートである。
ステップS205において、システム制御部100は、XZクラッチ駆動部102を制御してZクラッチC1とXクラッチC2に通電し、Z駆動部D1とX駆動部D2からの駆動力が摺動機構30に伝達される状態とする。
ステップS206において、システム制御部100は、前眼撮像素子625により撮影される前眼観察像から被検眼Eを検出するため、検眼部6を所定の初期位置に移動させる。なお、システム制御部100は、XZモータ駆動部103とYモータ駆動部104を制御してZモータM1とXモータM2とYモータM3とを駆動することにより、検眼部6を初期位置へ移動させる。なお、初期位置の具体的な位置は特に限定されない。
ステップS207において、システム制御部100は、前眼撮像素子625により撮影される前眼観察像から被検眼Eが検出されたか否かの検出判定を行う。前眼観察像から被検眼Eが検出された場合には、ステップS208へ進む。被検眼Eが検出されなかった場合には、ステップS210へ進む。
ステップS208において、システム制御部100は、XZモータ駆動部103とYモータ駆動部104を制御してZモータM1とXモータM2とYモータM3とを駆動し、オートアライメントを行う。
ステップS209において、システム制御部100は、オートアライメントが完了したか否かの完了判定を行う。具体的には、システム制御部100は、被検眼Eの瞳孔中心P0と前眼撮像素子625の画像中心Oのずれ量が規定量以下である場合には、オートアライメントとが完了したと判定する。そしてこの場合にはスッテプS211へ進む。一方、前述のずれ量が規定量を超える場合には、オートアライメントが完了していないと判定する。この場合には、ステップS210へ進む。
ステップS210においてシステム制御部100は、XZクラッチ駆動部102を制御してZクラッチC1とXクラッチC2への通電を停止し、接続を解除する。これにより、Z駆動部D1とX駆動部D2から摺動機構30に駆動力を伝達できない状態に切替え、動作モードをフルマニュアルモードに切替える。そして、ステップS004へ進む。
ステップS211において、システム制御部100は、撮像素子620により撮像された被検眼Eの眼底観察像を、画像処理部621を制御して表示部7に表示させる。
ステップS212において、システム制御部100は、M4駆動部105を制御してスプリット進退駆動モータM4を駆動し、スプリットユニット613を照明光学系O3の光路へ進入させる。
ステップS213において、システム制御部100は、不図示の前眼観察光源の発光を停止し、眼底観察光源607の発光を開始する。
ステップS214において、システム制御部100は、M5駆動部106とM7駆動部108を制御して、スプリットシフト駆動モータM5とフォーカスレンズ駆動モータM7を連動して駆動する。これによりシステム制御部100は、オートフォーカスを行う。
ステップS215においては、システム制御部100は、オートフォーカスが完了したか否かを判定する完了判定を行う。具体的には、システム制御部100は、フォーカススプリット指標613L,613Rのずれ量が規定量以下であれば、オートフォーカスが完了したと判定する。この場合には、ステップS220へ進む。一方、システム制御部100は、前述のずれ量が規定量を超える場合には、オートフォーカスが完了していないと判定する。この場合には、システム制御部100は、さらに、フォーカスレンズ位置センサS15の検出結果に基づいて、フォーカスレンズ619が可動域端に位置しているか否かを判定する。フォーカスレンズ619が可動域端に位置していない場合には、ステップS214に戻る。フォーカスレンズ619が可動域端に位置している場合には、ステップS216へ進む。
ステップS216において、システム制御部100は、M6駆動部107を制御して視度補正レンズ進退駆動モータM6を駆動し、視度補正レンズ618を撮影光学系O5の光路に進入させる。
ステップS217において、視度補正レンズ618が撮影光学系O5の光路に進入した状態で、システム制御部100はオートフォーカスを行う。ここでは、システム制御部100は、M5駆動部106とM7駆動部108を制御し、スプリットシフト駆動モータM5とフォーカスレンズ駆動モータM7とを連動して駆動することにより、オートフォーカスを行う。
ステップS218において、システム制御部100は、オートフォーカスが完了したか否かを判定する完了判定を行う。具体的には、システム制御部100は、フォーカススプリット指標613L,613Rのずれ量が規定量以下であれば、オートフォーカスが完了したと判定する。この場合には、ステップS220へ進む。前述のずれ量が規定量を超える場合には、システム制御部100は、オートフォーカスが完了していないと判定する。この場合には、ステップS219へ進む。
ステップS219において、システム制御部100は、XZクラッチ駆動部102を制御してZクラッチC1とXクラッチC2への通電を停止し、ZクラッチC1とXクラッチC2の接続を解除する。これにより、Z駆動部D1とXZクラッチ駆動部102を制御してX駆動部D2から摺動機構30に駆動力を伝達できない状態に切替えるとともに、動作モードをフルマニュアルモードへ移行させる。そして、ステップS008へ進む。
ステップS220においては、システム制御部100は、撮影準備が完了したか否かを判定する。具体的には、システム制御部100は、再度、オートアライメントが完了したか否かの完了判定を行う。そして、システム制御部100は、被検眼Eの瞳孔中心P0と前眼撮像素子625により撮影される画像中心Oのずれ量が規定量以下であれば、撮影準備が完了したと判定する。この場合には、ステップS225へ進む。一方、前述のずれ量が規定量を超える場合には、システム制御部100は、撮影準備が完了していないと判断する。この場合には、ステップS221へ進む。
ステップS221において、システム制御部100は、XZモータ駆動部103とYモータ駆動部104を制御してZモータM1とXモータM2とYモータM3とを駆動し、再度、オートアライメントを行う。
ステップS222において、システム制御部100は、M5駆動部106とM7駆動部108を制御し、スプリットシフト駆動モータM5とフォーカスレンズ駆動モータM7とを連動して駆動する。これにより、オートフォーカスを行う。
ステップS223において、システム制御部100は、再度、撮影準備が完了したか否かの判定を行う。すなわち、システム制御部100は、オートアライメントが完了したか否かの完了判定と、フォーカスが完了したか否かの完了判定を行う。そして、システム制御部100は、被検眼Eの瞳孔中心P0と前眼撮像素子625により撮影される画像中心Oのずれ量が規定量以下であり、かつ、フォーカススプリット指標613L,613Rのずれ量が規定量以下であれば、撮影準備が完了したと判断する。この場合には、ステップS225へ進む。一方、システム制御部100は、前述の2つのずれ量の少なくとも一方が規定量を超える場合には、撮影準備が完了していないと判定する。この場合には、ステップS224へ進む。
ステップS224において、システム制御部100は、XZクラッチ駆動部102を制御してZクラッチC1とXクラッチC2とへの通電を停止し、ZクラッチC1とXクラッチC2のそれぞれの接続を解除する。これにより、Z駆動部D1とX駆動部D2から摺動機構30に駆動力を伝達できない状態に切替えるとともに、動作モードをフルマニュアルモードへ移行させる。そしてステップS008へ進む。
ステップS225において、システム制御部100は、M4駆動部105を制御してスプリット進退駆動モータM4を駆動し、スプリットユニット613を照明光学系O3の光路から退避させる。
ステップS226において、システム制御部100は、撮影光源603を発光させる。これにより、被検眼Eの眼底に可視光が照射される。
ステップS227において、システム制御部100は、被検眼Eの眼底像の撮影を実行する。以上のステップを経て、動作モードがフルオートモードである場合の撮影シーケンスが完了する。
ステップS999において、システム制御部100は、フルオートモードの撮影シーケンスを完了したことから、角度維持機構998の駆動を開始し、維持状態に切替える。
ステップS1000において、角度維持機構998の駆動によって操作桿40および摺動部材1000を中立角度に復帰させる。このように、本実施形態では、フルオートモードの撮影シーケンスの完了後、角度維持機構998を駆動して、操作桿40および摺動部材1000を中立角度に復帰させる。
次に、ステップS105に進んだ場合のセミオートモードでの撮影シーケンスについて、図13を参照して説明する。図13は、セミオートモードにおける眼底カメラ1の撮影シーケンスを示すフローチャートである。
ステップS105において、システム制御部100は、XZクラッチ駆動部102を制御してZクラッチC1とXクラッチC2に通電を開始し、ZクラッチC1とXクラッチC2のそれぞれを接続状態に切替える。これにより、Z駆動部D1とX駆動部D2から摺動機構30に駆動力を伝達可能な状態とする。
ステップS106において、システム制御部100は、被検眼Eの検出のため、XZモータ駆動部103とYモータ駆動部104を制御してZモータM1とXモータM2とYモータM3とを駆動し、検眼部6を所定の初期位置に移動させる。
ステップS107においては、システム制御部100は、前眼撮像素子625により撮影される前眼観察像から被検眼Eが検出されたか否かの検出判定を行う。前眼観察像から被検眼Eが検出された場合にはステップS108へ進む。被検眼Eが検出されなかった場合にはS110へ進む。
ステップS108において、システム制御部100は、XZモータ駆動部103とYモータ駆動部104を制御してZモータM1とXモータM2とYモータM3とを駆動し、オートアライメントを行う。そして、ステップS109へ進む。
ステップS109においては、システム制御部100は、オートアライメントが完了したか否かを判定する完了判定を行う。具体的には、システム制御部100は、被検眼Eの瞳孔中心P0と前眼撮像素子625の画像中心Oのずれ量が規定量以下であれば、オートアライメントが完了したと判定する。この場合には、ステップS111へ進む。一方、システム制御部100は、前述のずれ量が規定量を超える場合には、オートアライメントが完了していないと判定する。この場合にはステップS110へ進む。
ステップS110において、システム制御部100は、XZクラッチ駆動部102を制御し、XクラッチC2とZクラッチC1への通電を停止することにより、XクラッチC2とZクラッチC1のそれぞれの接続を解除する。これにより、Z駆動部D1とX駆動部D2から摺動機構30に駆動力が伝達されない状態に切替える。さらに、システム制御部100は、眼底カメラ1の動作モードをフルマニュアルモードに切替える。そして、ステップS004に戻る(図11参照)。
ステップS111において、システム制御部100は、撮像素子620により撮像した眼底観察像を、画像処理部621を制御して表示部7に表示させる。
ステップS112において、システム制御部100は、M4駆動部105を制御してスプリット進退駆動モータM4を駆動し、スプリットユニット613を照明光学系O3の光路に進入させる。
ステップS113において、システム制御部100は、不図示の前眼観察光源の発光を停止し、眼底観察光源607の発光を開始する。
ステップS114において、システム制御部100は、M5駆動部106とM7駆動部108とを制御し、スプリットシフト駆動モータM5とフォーカスレンズ駆動モータM7とを連動して駆動することで、オートフォーカスを行う。
ステップS115においては、システム制御部100は、オートフォーカスが完了したか否かの完了判定を行う。具体的には、システム制御部100は、フォーカススプリット指標613L,613Rのずれ量が規定量以下であれば、オートフォーカスが完了したと判定する。この場合には、ステップS120へ進む。一方、システム制御部100は、前述のずれ量が規定量を超える場合には、オートフォーカスが完了していないと判定する。この場合には、システム制御部100は、さらに、フォーカスレンズ位置センサS15による検出結果に基づいて、フォーカスレンズ619が可動域の端部に位置しているか否かを判定する。フォーカスレンズ619が可動域の端部に位置していない場合には、ステップS114に戻る。フォーカスレンズ619が可動域の端部に位置している場合には、ステップS116へ進む。
ステップS116において、システム制御部100は、M6駆動部107を制御して視度補正レンズ進退駆動モータM6を駆動し、視度補正レンズ618を撮影光学系O5の光路に進入させる。
ステップS117において、視度補正レンズ618が撮影光学系O5の光路に進入している状態で、システム制御部100は、オートフォーカスを行う。システム制御部100は、M5駆動部106とM7駆動部108を制御し、スプリットシフト駆動モータM5とフォーカスレンズ駆動モータM7とを連動して駆動することにより、オートフォーカスを行う。
ステップS118において、システム制御部100は、オートフォーカスが完了したか否かを判定する完了判定を行う。具体的には、システム制御部100は、フォーカススプリット指標613L,613Rのずれ量が規定量以下であれば、オートフォーカスが完了したと判定する。この場合には、ステップS120へ進む。一方、システム制御部100は、前述のずれ量が規定を超える場合には、オートフォーカスが完了していない判定する。この場合には、ステップS119へ進む。
ステップS119において、システム制御部100は、XZクラッチ駆動部102を制御してZクラッチC1とXクラッチC2とへの通電を停止し、ZクラッチC1とXクラッチC2のそれぞれの接続を解除する。これにより、Z駆動部D1およびX駆動部D2から摺動機構30に駆動力が伝達されない状態に切替える。さらに、システム制御部100は、眼底カメラ1の動作モードをフルマニュアルモードに切替える。そして、ステップS008(図11参照)へ進む。
ステップS120において、システム制御部100は、XZクラッチ駆動部102を制御してZクラッチC1とXクラッチC2とへの通電を停止し、ZクラッチC1とXクラッチC2のそれぞれの接続を解除する。これにより、Z駆動部D1とX駆動部D2から摺動機構30に駆動力が伝達されない状態に切替える。さらに、システム制御部100は、眼底カメラ1の動作モードをマニュアルアライメントモードに切替える。
ステップS121においては、システム制御部100は、撮影準備が完了したか否かの判定を行う。具体的には、次のとおりである。検者等は、アライメント操作機構4の操作桿40を操作して眼底アライメントを行い、フォーカス操作部材5を操作して眼底観察像のフォーカスを行う。そして、検者等は、眼底アライメントおよびフォーカス完了後に、撮影スイッチ43を押下する。システム制御部100は、撮影スイッチ43の押下を検出すると、撮影準備が完了したと判定する。この場合には、ステップS122へ進む。一方、システム制御部100は、撮影スイッチ43が押下されていない場合には、撮影準備中であると判定する。この場合には、このステップで待機する。
ステップS122において、システム制御部100は、M4駆動部105を制御してスプリット進退駆動モータM4を駆動し、スプリットユニット613を照明光学系O3の光路から退避させる。
ステップS123において、システム制御部100は、撮影光源603を発光させる。これにより、可視光が被検眼Eの眼底に照射される。
ステップS124において、撮像素子620により眼底像を撮影する。以上のステップを経て、セミオートモードの撮影シーケンスが完了する。
ステップS999において、システム制御部100は、セミオートモードの撮影シーケンスを完了したことから、角度維持機構998の駆動を開始する。
ステップS1000において、システム制御部100は、角度維持機構998を駆動して操作桿40および摺動部材1000を中立角度に復帰させる。操作桿40および摺動部材1000が中立角度に復帰すると、摺動部材位置制限ピン1004が係合穴1006に嵌まり込む。このため、操作桿40および摺動部材1000は中立角度に維持される。このように、本実施形態では、セミオートモードの撮影シーケンスの完了後、操作桿40および摺動部材1000を中立角度に復帰させる。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は前記各実施形態に限定されるものではない。例えば、前記各実施形態では、眼科装置の例として眼底カメラを示したが、本発明が適用できる眼科装置は眼底カメラに限定されるものではない。例えば眼底カメラのほか、光干渉断層計(OCT)や、共焦点走査型レーザー検眼鏡(SLO)や、補償光学走査型レーザー検眼鏡(AO−SLO)などといった、被検眼を観察または撮像するために用いられる眼科撮像装置や、被検眼の眼底の表面画像および断層画像を撮像する眼底検査装置や、被検眼の眼特性を計測する眼屈折力測定装置などのような眼科装置に適用できる。要は、本発明は、被検眼Eと光学系等とのアライメントを要し、駆動機構を有する眼科装置であれば、種類を問わずに適用可能である。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。

Claims (11)

  1. 被検眼の測定を行う検眼部が設けられ、基部に対して移動可能な可動部と、
    前記可動部を前記基部に対して移動させるアライメント操作機構と、
    を有し、
    前記アライメント操作機構は、
    前記可動部に回転可能に設けられ、前記基部に設けられる摩擦板の表面を転がることによって前記可動部を前記基部に対して移動させる摺動部材と、
    前記可動部に傾倒可能に設けられ、前記可動部に対して傾倒することによって前記摺動部材を回転させる操作部材と、
    前記摺動部材の回転角度および前記操作部材の傾倒角度を所定の角度に維持する角度維持機構と、
    前記角度維持機構を、前記摺動部材の回転角度および前記操作部材の傾倒角度を所定の角度に維持する維持状態と、前記摺動部材の回転角度および前記操作部材の傾倒角度を所定の角度に維持しない解除状態とに切替える制御手段と、
    を有することを特徴とする眼科装置。
  2. 前記可動部を前記基部に対して駆動する駆動手段と、
    前記制御手段が前記駆動手段を制御して前記検眼部を位置合わせするオートアライメントモードと、
    使用者が手動で前記検眼部を位置合わせするマニュアルアライメントモードと、
    をさらに有し、
    前記制御手段は、前記オートアライメントモードが選択された場合には、前記角度維持機構を前記維持状態に切替え、前記マニュアルアライメントモードが選択された場合には、前記角度維持機構を前記解除状態に切替えることを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 電源のオンとオフを切替えるための電源スイッチをさらに有し、
    前記制御手段は、前記電源スイッチへの電源をオンに切替える操作を検出すると、前記角度維持機構を前記維持状態に切替え、前記電源スイッチへの電源をオフに切替える操作を検出すると、前記解除状態に切替えることを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  4. 前記可動部を前記基部に対して駆動する駆動手段と、
    前記制御手段が前記駆動手段を制御して前記検眼部を位置合わせするオートアライメントモードと、
    をさらに有し、
    前記制御手段は、前記オートアライメントモードが選択された場合には、前記駆動手段を制御して前記検眼部を前記被検眼に位置合わせした後に、前記角度維持機構を前記維持状態に切替えることを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  5. 前記可動部を前記基部に対して駆動する駆動手段と、
    前記駆動手段の駆動力を前記可動部に伝達する状態としない状態とを切替える駆動力伝達切替手段と、
    をさらに有し、
    前記制御手段は、前記駆動力伝達切替手段の状態に応じて、前記角度維持機構を前記維持状態に切替えることを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  6. 前記角度維持機構は、
    前記摺動部材に設けられた係合穴に挿抜可能な係合部材と、
    前記係合部材を前記係合穴に挿入する係合部材駆動手段と、
    前記係合部材を前記係合穴から抜け出るように付勢する付勢手段と、
    を有し、
    前記係合部材が前記係合穴に挿入されると、前記係合部材が前記係合穴に係合することにより前記摺動部材の回転が規制されて前記維持状態となり、前記係合部材が前記係合穴から抜け出ると前記係合部材と前記係合穴との係合が解除されて前記摺動部材が回転可能となって前記解除状態となり、
    前記制御手段は、前記係合部材駆動手段を制御して前記係合部材を前記係合穴に挿入することにより前記角度維持機構を前記維持状態に切替え、前記係合部材駆動手段の制御を停止して前記付勢手段の付勢力で前記係合部材を前記係合穴から抜け出させることにより前記角度維持機構を前記解除状態に切替えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の眼科装置。
  7. 被検眼の測定を行う検眼部が設けられ、基部に対して移動可能な可動部と、
    前記可動部を前記基部に対して移動させるアライメント操作機構と、
    を有し、
    前記アライメント操作機構は、
    前記可動部に回転可能に設けられ、前記基部に設けられる摩擦板の表面を転がることによって前記可動部を前記基部に対して移動させる摺動部材と、
    前記可動部に傾倒可能に設けられ、前記可動部に対して傾倒することによって前記摺動部材を回転させる操作部材と、
    前記摺動部材の回転角度および前記操作部材の傾倒角度を所定の角度に維持する角度維持機構と、
    前記可動部を前記基部に対して駆動する駆動手段と、
    を有し、
    前記駆動手段が前記検眼部を位置合わせするオートアライメントモードと、使用者が手動で前記検眼部を位置合わせするマニュアルアライメントモードと、
    を有する眼科装置の制御方法であって、
    前記オートアライメントモードが選択された場合には、前記角度維持機構を、前記摺動部材の回転角度および前記操作部材の傾倒角度を所定の角度に維持する維持状態に切替え、
    前記マニュアルアライメントモードが選択された場合には、前記角度維持機構を、前記摺動部材の回転角度および前記操作部材の傾倒角度を所定の角度に維持しない解除状態に切替えることを特徴とする眼科装置の制御方法。
  8. 被検眼の測定を行う検眼部が設けられ、基部に対して移動可能な可動部と、
    前記可動部を前記基部に対して移動させるアライメント操作機構と、
    を有し、
    前記アライメント操作機構は、
    前記可動部に回転可能に設けられ、前記基部に設けられる摩擦板の表面を転がることによって前記可動部を前記基部に対して移動させる摺動部材と、
    前記可動部に傾倒可能に設けられ、前記可動部に対して傾倒することによって前記摺動部材を回転させる操作部材と、
    前記摺動部材の回転角度および前記操作部材の傾倒角度を所定の角度に維持する角度維持機構と、
    電源のオンとオフを切替えるための電源スイッチと、
    を有する眼科装置の制御方法であって、
    電源スイッチへの電源をオンに切替える操作を検出した場合には、前記角度維持機構を、前記摺動部材の回転角度および前記操作部材の傾倒角度を所定の角度に維持する維持状態に切替え、
    前記電源スイッチへの電源をオフに切替える操作を検出した場合には、前記角度維持機構を、前記摺動部材の回転角度および前記操作部材の傾倒角度を所定の角度に維持しない解除状態に切替えることを特徴とする眼科装置の制御方法。
  9. 被検眼の測定を行う検眼部が設けられ、基部に対して移動可能な可動部と、
    前記可動部を前記基部に対して移動させるアライメント操作機構と、
    を有し、
    前記アライメント操作機構は、
    前記可動部に回転可能に設けられ、前記基部に設けられる摩擦板の表面を転がることによって前記可動部を前記基部に対して移動させる摺動部材と、
    前記可動部に傾倒可能に設けられ、前記可動部に対して傾倒することによって前記摺動部材を回転させる操作部材と、
    前記摺動部材の回転角度および前記操作部材の傾倒角度を所定の角度に維持する角度維持機構と、
    前記可動部を前記基部に対して駆動する駆動手段と、
    を有し、
    前記駆動手段が前記検眼部を位置合わせするオートアライメントモードを有する眼科装置の制御方法であって、
    前記オートアライメントモードが選択された場合には、前記駆動手段により前記検眼部を位置合わせした後に、前記角度維持機構を、前記摺動部材の回転角度および前記操作部材の傾倒角度を所定の角度に維持する維持状態に切替えることを特徴とする眼科装置の制御方法。
  10. 被検眼の測定を行う検眼部が設けられ、基部に対して移動可能な可動部と、
    前記可動部を前記基部に対して移動させるアライメント操作機構と、
    を有し、
    前記アライメント操作機構は、
    前記可動部に回転可能に設けられ、前記基部に設けられる摩擦板の表面を転がることによって前記可動部を前記基部に対して移動させる摺動部材と、
    前記可動部に傾倒可能に設けられ、前記可動部に対して傾倒することによって前記摺動部材を回転させる操作部材と、
    前記摺動部材の回転角度および前記操作部材の傾倒角度を所定の角度に維持する角度維持機構と、
    前記可動部を前記基部に対して駆動する駆動手段と、
    前記駆動手段の駆動力を前記可動部に伝達する状態としない状態とを切替える駆動力伝達切替手段と、
    を有する眼科装置の制御方法であって、
    前記駆動力伝達切替手段の状態に応じて、前記角度維持機構を、前記摺動部材の回転角度および前記操作部材の傾倒角度を所定の角度に維持する維持状態に切替えることを特徴とする眼科装置の制御方法。
  11. コンピュータに、請求項7から10のいずれか1項に記載の眼科装置の制御方法を実行させるためのプログラム。
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