JP2016202145A - コーヒーエキス及びその製造方法 - Google Patents

コーヒーエキス及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016202145A
JP2016202145A JP2015091994A JP2015091994A JP2016202145A JP 2016202145 A JP2016202145 A JP 2016202145A JP 2015091994 A JP2015091994 A JP 2015091994A JP 2015091994 A JP2015091994 A JP 2015091994A JP 2016202145 A JP2016202145 A JP 2016202145A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coffee
mixture
organic solvent
extract
beans
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015091994A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6617317B2 (ja
Inventor
謙太 野見山
Kenta Nomiyama
謙太 野見山
陽子 清良井
Yoko Kiyoi
陽子 清良井
祐一郎 直井
Yuichiro Naoi
祐一郎 直井
太一郎 藤村
Taichiro Fujimura
太一郎 藤村
浩孝 淺野
Hirotaka Asano
浩孝 淺野
穣 我妻
Minoru Azuma
穣 我妻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiono Koryo Kaisha Ltd
Original Assignee
Shiono Koryo Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shiono Koryo Kaisha Ltd filed Critical Shiono Koryo Kaisha Ltd
Priority to JP2015091994A priority Critical patent/JP6617317B2/ja
Publication of JP2016202145A publication Critical patent/JP2016202145A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6617317B2 publication Critical patent/JP6617317B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Tea And Coffee (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、通常の焙煎方法では外環境に揮散して失われてしまうコーヒーの香気成分を逃がさずに含む香りの良いコーヒーエキスを提供することを目的とするものである。【解決方法】コーヒー豆を、常圧下沸点180℃以上の有機溶媒と、150℃〜200℃で接触させることを特徴とする、コーヒーエキスの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、コーヒー豆から有益な香気を損なうことなく抽出されるコーヒーエキス及びその製造方法に関する。
コーヒー飲料は、その味や香りを楽しむために伝統的な嗜好品として広く世界中で飲用されており、容器詰め飲料としても多くの製品が開発されている。また、ガムやチョコレート、アイスクリームなど食品にもコーヒーの香気を付与した製品が広く親しまれている。
一般的に、コーヒーの独特の味及び香りは、コーヒーノキから採取される果実を精製して得られる生豆を加熱焙煎して得られる。焙煎の手段としては手網や、ロースターと呼ばれる専用の装置を用いて煎ったり、熱風を吹き込んだり、高温高圧の水蒸気を作用させたりすることが知られている。焙煎をすることにより、豆の植物組織中に化学変化を起こさせて得られた嗜好性の高い香気を楽しむものであり、豊かなコーヒーの香気成分を得るために様々な研究開発がなされてきた。
その中で、焙煎によって200℃程度まで加熱されることで低沸点の好ましいコーヒーの香気成分が外環境に揮散して失われてしまうことがあり、これらのコーヒーの香気成分を失わずにエキスを抽出する方法について種々の検討がされている。
そのような方法として、例えば、コーヒー生豆を特定の水分含量を維持しつつ100℃〜180℃の間の温度で蒸気に接触させて熱処理して抽出しコーヒーエキスを得る方法(特許文献1)、コーヒー豆のストリッピング処理後のスラリーを固液分離する前に、スラッジ・コーヒーエキス・コーヒーオイルに分離し、コーヒーエキスに多糖類分解酵素を作用させて可溶性固形分の抽出率を向上させる方法(特許文献2)、酵素により植物性多糖類を分解してコーヒーの香気成分を得る方法(特許文献3)、コーヒー生豆を焙煎した後、熱いうちに熱湯、水、プロピレングリコール水溶液、あるいは界面活性剤水溶液と接触せしめてフレーバー成分を抽出し、その抽出残渣豆をグラインドした後、熱湯によりコーヒー液を抽出し、該コーヒー液に前記フレーバー成分を添加する方法(特許文献4)などが知られている。
特開2013−514065 特開2012−249544 特開2004−121138 特公平7−12280
本発明は、通常の焙煎方法では外環境に揮散して失われてしまうコーヒーの香気成分を逃がさずに含む香りの良いコーヒーエキスを提供することを目的とするものである。
特許文献1の方法では、水蒸気を作用させることでコーヒーの香気成分を得るため大掛かりな水蒸気発生装置が必要である。
特許文献2の方法ではスラリーの分離、酵素処理の複数の工程が必要となる。また、特許文献3の方法では酵素処理、失活の工程が必要となる。
特許文献4の方法では、既に低温域で揮発するコーヒーの香気成分が失われているという課題を残している。
よって、より簡便に多くの香気成分を含むコーヒーエキスおよびその製造方法の開発が望まれていた。
本発明者らは、コーヒー豆を常圧下沸点180℃以上である有機溶媒中で加熱することにより、外環境に揮散するコーヒーの香気成分も溶媒中に溶解させて残存させることができ、従来のコーヒーエキスよりも嗜好性の高い香気成分を豊富に含んだコーヒーエキスを得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]コーヒー豆を、常圧下沸点180℃以上の有機溶媒と、150℃〜200℃で接触させることを特徴とする、コーヒーエキスの製造方法、
[2]コーヒー豆の焙煎度がL値70〜L値16または非焙煎である、前記[1]に記載の方法
[3]コーヒー豆と有機溶媒の比率がコーヒー豆1重量部に対し、有機溶媒0.5〜20重量部である、前記[1]又は[2]に記載の方法、
[4]有機溶媒がプロピレングリコール、グリセリン、トリアセチン、炭素数8〜10の中鎖脂肪酸トリグリセライド、クエン酸トリエチル、ジエチルセバケートから選択される1又は2以上である、前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の方法、
[5]コーヒー豆と有機溶媒を接触後、冷却し、さらに水および/または親水性溶媒を添加する工程を含む前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の方法、
[6]親水性溶媒がエタノール、液化二酸化炭素および超臨界二酸化炭素から選択される1又は2以上である前記[5]に記載の方法、
[7]さらに固液分離操作により、液体部を分取する工程を含む前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の方法、
[8]前記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の方法により製造されるコーヒーエキス、
[9]前記[8]に記載のコーヒーエキスを含有する香料、および
[10]前記[8]に記載のエキス又は前記[9]に記載の香料を含有する飲食品。
本発明で得られたコーヒーエキスは一般に行われる乾式焙煎で得られるコーヒーの香気成分よりも多くのコーヒーの香気成分を含有し、芳醇な香りを有している。また、特別な装置を必要とせず、常圧下で操作が可能な点で有利である。
本発明に使用されるコーヒー豆の品種は、アラビカ種、ロブスタ種などが例示できるが、いずれの品種のコーヒー豆でも好ましく用いることができる。また、コーヒー豆は産地によって分類されることもあり、グァテマラ、エチオピアシダモ、コロンビア、キリマンジャロ、モカ、ブルーマウンテン、ベトナムロブスタ、ブラジルサントスなどが例示できるが、いずれの産地のコーヒー豆でも好ましく用いることができる。コーヒー豆は粉砕しても未粉砕でも良いが、より、コーヒーの香気成分の抽出効率を上げるためには、コーヒーミルなどを用いて粉砕するのが好ましい。コーヒー豆の粉砕の度合は、細挽き(粒径約0.30mm〜約0.65mm)から中挽き(粒径約0.65mm〜約1.50mm)と呼ばれる程度まで行うことが好ましい。
また、コーヒー豆は果実から精製した生豆でも良く、焙煎を行っても良い。焙煎方法は自体公知の方法で良く、手煎りによる方法や焙煎機を用いる方法が挙げられる。
コーヒー豆の焙煎度合は、嗜好するコーヒーの香気成分が得られる焙煎度合であればL値約70〜L値約16程度の範囲で特に限定はされないが、より多量のコーヒーの香気成分を得るには低焙煎が好ましく、L値約70〜L値約40が好ましい。
ここでL値は、例えば色の明度と色度を、国際照明委員会(CIE)で規格化されたL*a*b*(エルスター・エースター・ビースター)表色系などで示すことができる。L*a*b*表色系では、明度をL*色相と彩度を示す色度をa*b*で表す。コーヒー豆の焙煎度を示す値としてL値が使われる場合、焙煎加減を豆の色調(明度と彩度)で表したものである。前記色調は、例えば色差計を用いて測定することができ、前記色差計で黒を0、白を100として表した数値と定義される。色差計としては、分光色差計、側色色差計、ハンディーまたは携帯色差計などいずれも好ましく使用できる。コーヒー豆の焙煎度が高く、豆の色が黒色〜焦げ茶色に近いほどL値は低くなり、焙煎度が低く豆の色が薄茶色〜白色に近いほどL値は高くなる。
本発明のL値もこの定義に従う。一般にコーヒー豆は焙煎度合の違いにより、生豆(L値約70程度)、ライトロースト(L値約30程度)、ミディアムロースト(L値約24程度)、シティロースト(L値約18.5程度)、イタリアンロースト(L値約14程度)と呼ばれ、L値が比較的高いものを浅煎り、低いものを深煎りとも言い、深煎りであるほど、焙煎により与えられる熱量が多い。L値は特に限定されないが約70〜約16程度が好ましく、更にL値約70〜約40程度がより好ましい。
ここで香気には、たとえば甘み、苦み、酸味、コク味などの香味とも呼ばれる嗅覚的および味覚的な感覚も含む。
このコーヒー豆から、本発明のコーヒーエキスを以下の工程により製造できる。
<工程1.コーヒー豆と有機溶媒を接触させる工程>
コーヒー豆と有機溶媒を接触させるには、耐熱容器を用意する。耐熱容器は、蒸気還流式でも良いし、蒸気分留式でも良い。耐熱容器中にコーヒー豆と有機溶媒を入れ、混合する。
使用される有機溶媒は、食品又は食品添加物として使用が認められている、常圧下沸点が180℃以上である有機溶媒であれば特に限定されないが、プロピレングリコール(沸点188.2℃)、グリセリン(沸点290℃)、トリアセチン(沸点259℃)、炭素数8〜10の中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT;沸点456℃;例えば、商品名O.D.O;登録商標;日清オイリオグループ株式会社製など)、クエン酸トリエチル(沸点294℃)、ジエチルセバケート(沸点312℃)などが挙げられる。このうち、プロピレングリコール、グリセリン、トリアセチン、MCTが好ましく、プロピレングリコールがさらに好ましい。これら有機溶媒は単独で用いることもでき、2種以上を混合して用いることもできる。
コーヒー豆と有機溶媒の混合比率は、コーヒー豆1重量部に対し有機溶媒を通常、0.5重量部〜20重量部、好ましくは0.5重量部〜10重量部、さらに好ましくは0.5重量部〜3重量部である。
コーヒー豆と有機溶媒の混合物は、加熱することが好ましく、加熱温度は通常、約150℃〜約200℃、好ましくは約170℃〜約180℃である。加熱時間は、コーヒー豆と有機溶媒の量、有機溶媒の種類によって異なり、所望するコーヒーの香気成分が得られる程度の焙煎度になるまで加熱を続けるのが好ましい。上記加熱の手段はマントルヒーター、油浴、ソルトバス、電熱器などを用いることができる。このとき混合物を均一に加熱できるよう撹拌しても良く、撹拌することが好ましい。加熱時間は、コーヒー豆と有機溶媒の量により異なるが、任意の温度(約150℃〜200℃、好ましくは約170℃〜約180℃)まで上昇後、通常、0.5〜3時間(例えば、30分、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間など)程度、好ましくは0.5〜1.5時間(例えば30分、1時間、1.5時間)程度である。
加熱後の混合物は、65℃〜常温になるまで冷却するのが好ましい。冷却の方法は、自然冷却、水冷、氷冷などが挙げられるが自然冷却が好ましい。
<工程2.工程1で得られた混合物を希釈する工程>
冷却した混合物に、水または親水性溶媒を単独で、もしくは水と親水性溶媒を混合した溶媒を添加し希釈することが好ましい。ここで使用される水は精製水または水道水などを用いることができるが、精製水が好ましい。また、ここで使用される親水性溶媒は食品又は食品添加物として使用が認められているものであれば特に限定はされないが、残渣の除去を容易にするために粘性の低い液体が好ましい。具体例として、エタノールなどのアルコール類、液化二酸化炭素、超臨界二酸化炭素などが挙げられる。水と親水性溶媒の混合溶媒の例としては95%エタノールを好ましく用いることができる。
混合物と水および/または親水性溶媒の割合は、混合物1重量部に対して水および/または親水性溶媒0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜1重量部、より好ましくは0.2〜0.3重量部である。
水および/または親水性溶媒の添加方法は、混合物が均一に希釈される方法であれば特に限定されない。
<工程3.固液分離の工程>
工程2で得られた希釈された混合物をコーヒー豆と液体部分に分離することが好ましい。分離の方法は、自然ろ過、加圧ろ過などを適宜に用いることができ、また、これらを組み合わせて用いることもできる。自然ろ過としてはろ紙ろ過、フィルターろ過などが挙げられる。また加圧ろ過としては圧搾空気、コンプレッサーなどを用いる方法などが挙げられる。また遠心分離機などを用いて固液分離しても良い。
工程3で得られた液体は、そのまま本発明のコーヒーエキスとして用いることができる。また、得られた液体を濃縮しても良い。濃縮の方法はコーヒーの香気成分が失われない方法が好ましく、例えば減圧濃縮、膜濃縮などが好ましい。
なお、本発明において、工程2は省略することもできる。この場合、工程1で冷却した混合物は直接工程3において固液分離できる。
本発明のコーヒーエキスは、コーヒーの香気成分量が多く、特に含窒素化合物および含硫黄化合物の香気成分を豊富に含有する。本発明のコーヒーエキスは水または湯などで希釈して飲料とすることができる。また、本発明のコーヒーエキスをコーヒー飲料に添加することもできる。コーヒー飲料に本発明のコーヒーエキスを添加すると、コーヒー飲料にコーヒーのロースト香やコクを増加させるとともに、コーヒーの好ましい苦味なども向上させて嗜好性に富んだ飲料とすることができる。
本発明のコーヒーエキスは、香料素材として特に適している。本発明は更に前記コーヒーエキスを含有する香料も提供する。香料としては、本発明のエキスを他の水溶性香料と混合してエッセンスとしてもよく、油溶性香料と混合してオイルとしてもよい。また、スプレードライ、フリーズドライ、乳化など任意の方法で加工し、チンキ、パウダー、クラウディなどの香料製剤としてもよいが、これらに限定されるものではない。
また、本発明は更に、前記の本発明のコーヒーエキス、又は上述した本発明の香料を含有する飲食品を提供する。飲食品としてはコーヒー飲料のほか、ゼリー、アイスクリーム、ガム、焼き菓子などが例示できるが、これらに限定されるものではない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を制限するものではない。
<実施例1>
エチオピアシダモのコーヒー豆100gをL値40まで焙煎機を用いて焙煎し、次いでコーヒーミルを用いて細挽きに粉砕し、グリセリン150gと混合した。この混合物を180℃になるまでマントルヒーターを用いて加熱し、1時間撹拌した。加熱した混合物を自然冷却で40℃になるまで冷却し、95%アルコール75gを添加し5分間撹拌した。撹拌した混合物を、圧搾空気を用いて加圧ろ過し、30.2gの褐色のコーヒーエキスを得た。
<実施例2>
エチオピアシダモのコーヒー豆100gをL値40まで焙煎機を用いて焙煎し、次いでコーヒーミルを用いて細挽きに粉砕し、グリセリン150gと混合した。この混合物を200℃になるまでマントルヒーターを用いて加熱し、1時間撹拌した。加熱した混合物を自然冷却で40℃になるまで冷却し、95%アルコール75gを添加し5分間撹拌した。撹拌した混合物を、圧搾空気を用いて加圧ろ過し、22.1gの褐色のコーヒーエキスを得た。
<実施例3>
エチオピアシダモのコーヒー豆100gをL値40まで焙煎機を用いて焙煎し、次いでコーヒーミルを用いて細挽きに粉砕し、グリセリン150gと混合した。この混合物を150℃になるまでマントルヒーターを用いて加熱し、1時間撹拌した。加熱した混合物を自然冷却で40℃になるまで冷却し、95%アルコール75gを添加し5分間撹拌した。混合物を、圧搾空気を用いて加圧ろ過し、30.4gの褐色のコーヒーエキスを得た。
<実施例4>
エチオピアシダモのコーヒー豆100gをL値40まで焙煎機を用いて焙煎し、次いでコーヒーミルを用いて細挽きに粉砕し、プロピレングリコール150gと混合した。この混合物を150℃になるまでマントルヒーターを用いて加熱し、1時間撹拌した。加熱した混合物を自然冷却で40℃になるまで冷却し、95%アルコール50gを添加し5分間撹拌した。撹拌した混合物を、圧搾空気を用いて加圧ろ過し、20.9gの褐色のコーヒーエキスを得た。
<実施例5>
エチオピアシダモのコーヒー豆100gをL値40まで焙煎機を用いて焙煎し、次いでコーヒーミルを用いて細挽きに粉砕し、プロピレングリコール75gとグリセリン75gの混合溶媒と混合した。この混合物を180℃になるまでマントルヒーターを用いて加熱し、1時間撹拌した。加熱した混合物を自然冷却で40℃になるまで冷却し、95%アルコール50gを添加し5分間撹拌した。撹拌した混合物を、圧搾空気を用いて加圧ろ過し、39.0gの褐色のコーヒーエキスを得た。
<実施例6>
エチオピアシダモのコーヒー豆100gをL値40まで焙煎機を用いて焙煎し、次いでコーヒーミルを用いて細挽きに粉砕し、炭素数8〜10の中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)(ODO;商品名;日清オイリオグループ株式会社製)150gと混合した。この混合物を180℃になるまでマントルヒーターを用いて加熱し、1時間撹拌した。加熱した混合物を自然冷却で40℃になるまで冷却した。混合物を、圧搾空気を用いて加圧ろ過し、77.1gの褐色のコーヒーエキスを得た。
<実施例7>
エチオピアシダモのコーヒー豆100gをL値40まで焙煎機を用いて焙煎し、次いでコーヒーミルを用いて細挽きに粉砕し、トリアセチン150gと混合した。この混合物を180℃になるまでマントルヒーターを用いて加熱し、1時間撹拌した。加熱した混合物を自然冷却で40℃になるまで冷却した。混合物を、圧搾空気を用いて加圧ろ過し、63.8gの褐色のコーヒーエキスを得た。
<実施例8>
グァテマラのコーヒー豆100gをL値40まで焙煎機を用いて焙煎し、次いでコーヒーミルを用いて細挽きに粉砕し、プロピレングリコール150gと混合した。この混合物を180℃になるまでマントルヒーターを用いて加熱し、1時間撹拌した。加熱した混合物を自然冷却で40℃になるまで冷却し、95%アルコール50gを添加し5分間撹拌した。撹拌した混合物を、圧搾空気を用いて加圧ろ過し、76.1gの褐色のコーヒーエキスを得た。
<実施例9>
グァテマラのコーヒー豆100gをL値20まで焙煎機を用いて焙煎し、次いでコーヒーミルを用いて細挽きに粉砕し、プロピレングリコール150gと混合した。この混合物を180℃になるまでマントルヒーターを用いて加熱し、1時間撹拌した。加熱した混合物を自然冷却で40℃になるまで冷却し、95%アルコール50gを添加し5分間撹拌した。撹拌した混合物を、圧搾空気を用いて加圧ろ過し、83.2gの褐色のコーヒーエキスを得た。
<実施例10>
グァテマラのコーヒー豆100gをL値16まで焙煎機を用いて焙煎し、次いでコーヒーミルを用いて細挽きに粉砕し、プロピレングリコール150gと混合した。この混合物を180℃になるまでマントルヒーターを用いて加熱し、1時間撹拌した。加熱した混合物を自然冷却で40℃になるまで冷却し、95%アルコール50gを添加し5分間撹拌した。撹拌した混合物を、圧搾空気を用いて加圧ろ過し、46.9gの褐色のコーヒーエキスを得た。
<実施例11>
ベトナムロブスタの非焙煎コーヒー豆(生豆)100gを、コーヒーミルを用いて細挽きに粉砕し、プロピレングリコール150gと混合した。この混合物を180℃になるまでマントルヒーターを用いて加熱し、1時間攪拌した。加熱した混合物を自然冷却で40℃になるまで冷却し、95%アルコール50gを添加し、5分間撹拌した。撹拌した混合物を、圧搾空気を用いて加圧ろ過し、98.6gの褐色のコーヒーエキスを得た。
<実施例12>
ベトナムロブスタのコーヒー豆100gをL値40まで焙煎機を用いて焙煎し、次いでコーヒーミルを用いて細挽きに粉砕し、プロピレングリコール150gと混合した。この混合物を180℃になるまでマントルヒーターを用いて加熱し、1時間攪拌した。加熱した混合物を自然冷却で40℃になるまで冷却し、95%アルコール50gを添加し、5分間撹拌した。撹拌した混合物を、圧搾空気を用いて加圧ろ過し、83.9gの褐色のコーヒーエキスを得た。
<比較例1>
グァテマラのコーヒー豆100gをL値20まで焙煎機を用いて焙煎し、次いでコーヒーミルを用いて細挽きに粉砕し、プロピレングリコール30gと混合した後、95%アルコール10gを添加し混合した。この混合物を、室温で1時間撹拌した。混合物を、圧搾空気を用いて加圧ろ過し、13.1gの褐色のコーヒーエキスを得た。
<比較例2>
グァテマラのコーヒー豆100gをL値16まで焙煎機を用いて焙煎し、次いでコーヒーミルを用いて細挽きに粉砕し、プロピレングリコール30gと混合した後、95%アルコール10gを添加し混合した。この混合物を、室温で1時間撹拌した。混合物を、圧搾空気を用いて加圧ろ過し、13.6gの褐色のコーヒーエキスを得た。
<各コーヒーエキスの評価>
<成分分析>
コーヒーの香気として、そのロースト香、ナッツ香などの焙焼香に含まれるピラジン化合物および、トリチオラン化合物を嗜好の指標として用いた。
実施例8、比較例1および比較例2で得られたコーヒーエキスのピラジン化合物(ピラジン、メチルピラジン、2,5-ジメチルピラジン、2,6-ジメチルピラジン、エチルピラジン、2,3-ジメチルピラジン、2-エチル-5-メチルピラジン、2-エチル-6-メチルピラジン、2-エチル-3-メチルピラジンおよび2-エチル-3,5-ジメチルピラジン)を分析したところ、いずれのピラジン化合物も比較例と比較して、約3〜約10倍の含有量であった。実施例8で得られたコーヒーエキスの分析で検出されたトリチオラン化合物(3-エチル-5-メチル-1,2,4-トリチオランおよび3,5-ジエチルトリチオラン)は比較例1および比較例2で得られたコーヒーエキスではいずれも検出されなかった。
<官能評価1>
ブラックコーヒー(シルキーブラック(登録商標);サントリー食品インターナショナル社製)に実施例1〜12ならびに、比較例1および2で得られたコーヒーエキスをそれぞれ0.05重量%となるよう添加し、熟練したパネリスト5名による官能評価を実施した。評価は、コーヒーエキス無添加のブラックコーヒーの香りと比較した点数を5段階の点数で評価した。その結果を表1に示す。いずれの実施例で得られたコーヒーエキスを添加したブラックコーヒーも比較例と対比すると、ロースト感、コク、苦味が良好に発現していた。
<官能評価2>
微糖コーヒー(世界一のバリスタ監修(登録商標)微糖コーヒー;ダイドードリンコ製)を官能評価1と同様の方法で、官能評価を実施した。評価は、実施例1〜12、比較例1および比較例2で得られたコーヒーエキスを添加し、コーヒーエキス無添加の微糖コーヒーの香りと比較した点数を5段階の点数で評価した。その結果を表2に示す。いずれの実施例で得られたコーヒーエキスを添加した微糖コーヒーも比較例で得られたコーヒーエキスを添加した微糖コーヒーと対比すると、ロースト感、コク、苦味が良好に発現していた。

Claims (10)

  1. コーヒー豆を、常圧下沸点180℃以上の有機溶媒と、150℃〜200℃で接触させることを特徴とする、コーヒーエキスの製造方法。
  2. コーヒー豆の焙煎度がL値70〜L値16または非焙煎である、請求項1記載の方法。
  3. コーヒー豆と有機溶媒の比率がコーヒー豆1重量部に対し、有機溶媒0.5〜20重量部である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 有機溶媒がプロピレングリコール、グリセリン、トリアセチン、炭素数8〜10の中鎖脂肪酸トリグリセライド、クエン酸トリエチル、ジエチルセバケートから選択される1又は2以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. コーヒー豆と有機溶媒を接触後、冷却し、さらに水および/または親水性溶媒を添加する工程を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 親水性溶媒がエタノール、液化二酸化炭素および超臨界二酸化炭素から選択される1又は2以上である請求項5に記載の方法。
  7. さらに固液分離操作により、液体部を分取する工程を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により製造されるコーヒーエキス。
  9. 請求項8に記載のコーヒーエキスを含有する香料。
  10. 請求項8に記載のエキス又は請求項9に記載の香料を含有する飲食品。
JP2015091994A 2015-04-28 2015-04-28 コーヒーエキス及びその製造方法 Active JP6617317B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015091994A JP6617317B2 (ja) 2015-04-28 2015-04-28 コーヒーエキス及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015091994A JP6617317B2 (ja) 2015-04-28 2015-04-28 コーヒーエキス及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016202145A true JP2016202145A (ja) 2016-12-08
JP6617317B2 JP6617317B2 (ja) 2019-12-11

Family

ID=57488201

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015091994A Active JP6617317B2 (ja) 2015-04-28 2015-04-28 コーヒーエキス及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6617317B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009077676A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Kao Corp クロロゲン酸類含有物の製造方法
JP2012213332A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Sanei Gen Ffi Inc コーヒーフレーバーの製造方法
US20130064956A1 (en) * 2011-09-09 2013-03-14 Bary Lyn Zeller Shelf Stable, Brewed Beverage Concentrates And Methods Of Making The Same

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009077676A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Kao Corp クロロゲン酸類含有物の製造方法
JP2012213332A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Sanei Gen Ffi Inc コーヒーフレーバーの製造方法
US20130064956A1 (en) * 2011-09-09 2013-03-14 Bary Lyn Zeller Shelf Stable, Brewed Beverage Concentrates And Methods Of Making The Same

Also Published As

Publication number Publication date
JP6617317B2 (ja) 2019-12-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100997078B1 (ko) 다엽 식용유 및 그 제조방법
WO2005039301A1 (ja) 茶生葉パウダー、茶生葉パウダーより得られる処理物、抽出物、オイルおよびアロマ
CN102711505A (zh) 制备生咖啡提取物的方法
JP6086640B1 (ja) コーヒー飲料の製造方法
JP6297354B2 (ja) 酵素処理植物エキスの製造方法
JP5814658B2 (ja) コーヒーオイルの製造方法
JP6617317B2 (ja) コーヒーエキス及びその製造方法
JP2013244007A (ja) 焙煎植物フレーバー並びに焙煎植物エキスの製造方法
KR20140080470A (ko) 차가버섯으로 발효한 고기능성 커피의 제조방법
KR20160006070A (ko) 저온 추출법을 이용한 저카페인 커피원두 추출물의 제조 방법 및 이를 이용한 캡슐 커피의 제조 방법
JP5833846B2 (ja) 植物精油の分離方法
CN110384156B (zh) 水煮咖啡及其制备方法和制备装置
Mandura Jarić et al. The assesement of bioactive potential and sensory acceptability of coffee and its byproducts-cascara and silverskin
JP6325055B2 (ja) コーヒー飲料の製造方法
KR100910257B1 (ko) 커피 원두 추출물의 제조 방법
JP2008212010A (ja) コーヒー配合飲食品用組成物
JPH09154502A (ja) 焙煎方法
JP2018113986A (ja) コーヒー飲料の製造方法
JP5992765B2 (ja) コーヒー香味料、その製造法及びその利用
CN104039160B (zh) 咖啡饮料、咖啡液的提取方法以及用于提取咖啡液的提取溶剂
JP5721363B2 (ja) 乳含有コーヒー飲料の製造方法、安定化方法及び香味向上方法
JP2012213332A (ja) コーヒーフレーバーの製造方法
KR101804728B1 (ko) 홍화 커피 제조방법
AU2015367665A1 (en) Method of producing an aromatised food or beverage product
JP2007068485A (ja) カカオエキス及びこれを添加した飲料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180420

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190516

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191015

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191018

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6617317

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250