JP2016201458A - 微結晶質酸化物半導体薄膜及びそれを用いた薄膜トランジスタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】酸化インジウムを主成分とする微結晶を含む酸化物半導体薄膜をスパッタリング法により形成する工程と、必要により熱処理して微結晶化する工程と、化学蒸着(CVD)処理する工程と、さらに熱処理する工程を含む方法によって製造された微結晶質酸化物半導体薄膜(チャネル層)40を用いた薄膜トランジスタは、微結晶状態にすることにより安定化され、CVD処理工程での還元によりキャリアー密度が向上し、その後の熱処理により低減される。
【選択図】図1
Description
上記酸化物半導体(膜)の形成に当たっては、スパッタリングターゲットをスパッタリングするスパッタリング法が好適に用いられている。これは、スパッタリング法で形成された薄膜が、イオンプレーティング法や真空蒸着法、電子ビーム蒸着法で形成された薄膜に比べ、膜面方向(膜面内)における成分組成や膜厚等の面内均一性に優れており、スパッタリングターゲットと同じ成分組成の薄膜を形成できるためである。スパッタリングターゲットは、通常、酸化物粉末を混合、焼結し、機械加工を経て形成される。
また、特許文献6では、In−Al系のスパッタリングターゲットが、特許文献7では、In−Sc系及びIn−Al系のスパッタリングターゲットが報告されている。
非晶質酸化物半導体のキャリヤーは、酸素欠損により発生する電子により構成されることになる。
上記目的を達成するため本発明者らは鋭意研究を行い、均質な微結晶質酸化物薄膜を作製すると、その後のアニールによりさらに均質な微結晶体となり、チャネル長が短くなっても均質性の高い良質な薄膜トランジスタが得られることを見出し、本発明を完成させた。
ここで、キャリヤーの散乱は、バンド構造の伝導体の底に存在する粒界により形成されるエネルギー障壁により生じると考えられる。このキャリヤーの散乱の程度は、キャリヤーの密度に依存し、キャリヤー密度が低い場合は、この障壁を越えるのに大きなエネルギーを要するため、移動度が低下すると考えられる。一方、キャリヤー密度が高いと、相対的にこの障壁は低くなり、キャリヤー散乱の効果も小さくなり、移動度は低下しないと考えられる。
そこで、化学蒸着(CVD)処理等により、微結晶質酸化物薄膜(薄膜トランジスタのチャネル部となる)のキャリヤー密度を一旦高くした後、熱処理により、酸化物薄膜のキャリヤー密度を一定のレベルまで下げることで、微結晶であっても高移動度の酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタを完成するに至った。
1.酸化インジウムを主成分とする微結晶を含む酸化物半導体薄膜。
2.走査イオン顕微鏡(SIM)により酸化物薄膜の表面を観察した場合に、前記微結晶の平均結晶粒径が、3μm以下である1に記載の酸化物半導体薄膜。
3.さらにガリウム、アルミニウム、イットリウム、及びランタノイド元素から選ばれた1種以上の元素を含有する1又は2に記載の酸化物半導体薄膜。
4.前記酸化物半導体薄膜中の全金属元素に対する前記ガリウム、アルミニウム、イットリウム、及びランタノイド元素から選ばれた1種以上の元素の合計の含有量が、1原子%超〜20原子%以下である1〜3のいずれかに記載の酸化物半導体薄膜。
5.さらにスズ元素を含有する1〜4のいずれかに記載の酸化物半導体薄膜。
6.前記酸化物半導体薄膜中の全金属元素に対する前記スズ元素の含有量が、1.0原子%以下である5に記載の酸化物半導体薄膜。
7.前記酸化物半導体薄膜の表面を走査イオン顕微鏡法(SIM)により観察したときに、5μm×5μmの測定視野中に存在する、結晶粒径が0.5μm以下の微結晶の占める割合が20%以下である1〜6のいずれかに記載の酸化物半導体薄膜。
8.ソース電極及びドレイン電極と、ゲート電極と、ゲート絶縁膜と、保護絶縁膜と、チャネル層と、を有し、
前記チャネル層は、ゲート絶縁膜と保護絶縁膜の間に位置し、1〜7のいずれかに記載の酸化物半導体薄膜からなる、薄膜トランジスタ。
9.飽和移動度が30cm2/V・sec以上である8に記載の薄膜トランジスタ。
10.8又は9に記載の薄膜トランジスタを用いた電気機器又は車両。
11.酸化インジウムを主成分とするスパッタリングターゲットを用いてスパッタリング法により薄膜を形成する工程と、
必要により前記薄膜を熱処理して微結晶を析出させる工程とを含む、微結晶質酸化物半導体薄膜の製造方法。
12.前記スパッタリング法により薄膜を形成する工程における、スパッタリングガス中のH2O及びH2のいずれか一方又は両方の含有量を0.1〜20体積%とする11に記載の微結晶質酸化物半導体薄膜の製造方法。
13.前記熱処理により微結晶を析出させる工程における、熱処理温度を150℃以上400℃以下とする11又は12に記載の微結晶質酸化物半導体薄膜の製造方法。
14.前記スパッタリング法により得られた薄膜、又は前記熱処理により微結晶を析出させた前記酸化物薄膜を、さらに化学蒸着(CVD)処理する工程と、前記化学蒸着処理後に熱処理する工程とを含む11〜13のいずれかに記載の微結晶質酸化物半導体薄膜の製造方法。
15.14に記載の微結晶質酸化物半導体薄膜の製造方法によって製造された微結晶質酸化物半導体薄膜。
16.14に記載の微結晶質酸化物半導体薄膜の製造方法によって製造された微結晶質酸化物半導体薄膜を用いた薄膜トランジスタ。
17.飽和移動度が30cm2/V・sec以上である16に記載の薄膜トランジスタ。
本発明に係る酸化物半導体薄膜(以下、本発明の薄膜ということがある)は、酸化インジウムを主成分とする微結晶を含むことを特徴とする。
ここで、「酸化インジウムを主成分とする」とは、薄膜を構成する酸化物の50重量%以上が酸化インジウムであることを意味し、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上である。
「微結晶」とは、走査イオン顕微鏡(SIM)により酸化物薄膜の表面を観察した場合に、平均結晶粒径(グレインサイズ)が通常、1〜10μm以下の結晶の集合体であることを意味する。尚、結晶粒径を測定するに当たり、粒界の判別に、結晶の方向をカラー表示可能な電子後方散乱像(EBSD)を補足的に用いることができる。
平均結晶粒径は、通常5μm×5μmの測定視野でクラムバイン径を測定し、その平均値として求める。膜のサイズにより、5μm×5μmの測定視野が確保できない場合には、分析可能な最大サイズで計測すればよい。
但し、平均結晶粒径が0.1μm以下となり、X線回折(XRD)による測定により、ピークが観察されない状態は「非晶質」となる。
平均結晶粒径が3μmを超えると結晶質酸化物半導体となりやすく、移動度が向上しなかったり、酸化物半導体薄膜の特性の安定性が確保できなくなったりする場合がある。また、非晶質の場合には、移動度が低下したり、酸化物半導体薄膜の特性の安定性が確保できなくなったりする場合がある。
ガリウム、アルミニウム、イットリウム、及びランタノイド元素から選ばれた1種以上の元素を含有させることにより微結晶化を促進することができる。これらの元素のうち、ガリウム、アルミニウム、イットリウム及びサマリウムから選ばれた1種以上を含むことが好ましい。特に好ましくは、酸素不動態膜を作るアルミニウム及び/又はイットリウムである。これらの元素の金属イオンは、インジウムイオンとイオン半径が異なり、これらの元素を含有させることで、酸化インジウムの平均結晶粒径が3μm超にならないように制御できるようになる利点を有する。
また、各元素の原子%は、誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP−AES)により含有元素を定量分析して求めることができる。
スズ元素の添加により、後述する化学蒸着(CVD)処理による微結晶質酸化物半導体薄膜のキャリヤー密度を効果的に向上させることができる。本発明において「キャリヤー密度の向上」とは、薄膜成膜後の化学蒸着(CVD)処理前後にホール測定によるキャリヤー密度の測定を行った場合にCVD処理後におけるキャリヤー密度が増大していることを意味する。
本発明に係る薄膜トランジスタ(以下、本発明のTFTということがある)は、ソース電極及びドレイン電極と、ゲート電極と、ゲート絶縁膜と、保護絶縁膜と、チャネル層と、を有し、
前記チャネル層は、ゲート絶縁膜と保護絶縁膜の間に位置し、上記本発明に係る酸化物半導体薄膜からなることを特徴とする。
チャネル層が、上記本発明に係る酸化物半導体薄膜からなることにより、キャリヤー密度の変動が抑制され、飽和移動度が高い薄膜トランジスタが得られる。
薄膜トランジスタは、ゲート電極付き基板20上に、ソース電極50及びドレイン電極60が形成されている。ゲート絶縁膜30は、ゲート電極20と接して形成されている。ゲート絶縁膜30の上には、ソース電極50とドレイン電極60が形成され、ソース電極50とドレイン電極60の間には、チャネル層40が形成されている。チャネル層40はゲート絶縁膜30に接している。ソース電極50、ドレイン電極60、チャネル層40を覆って保護絶縁膜層70,70aが形成されている。チャネル層40は、ゲート絶縁膜30と保護絶縁膜層70aの間にあって、これら層と接している。
さらに、熱酸化膜付きシリコン基板を、ゲート絶縁膜及びゲート電極付きの基板とみなすこともできる。この場合、ゲート絶縁膜が熱酸化膜であり、ゲート電極をシリコンとする。
酸素透過性絶縁膜としては、例えばSiO2,SiON,Ta2O5,TiO2,MgO,ZrO2,CeO2,K2O,Li2O,Na2O,Rb2O,Sc2O3,Y2O3,Hf2O3,CaHfO3,PbTiO3,BaTa2O6,SrTiO3等の膜が挙げられる。これらのなかでも、好ましくはSiO2,SiON,Y2O3,Hf2O3,CaHfO3であり、より好ましくはSiO2である。これら酸化物の酸素数は、必ずしも化学量論比と一致していなくともよい(例えば、SiO2でもSiOxでもよい)。酸素透過性絶縁膜は、プラズマCVD法又はスパッタリング法を用いて形成する。好ましくは、酸素を含む希ガス雰囲気下においてスパッタリング法にて成膜する。
本発明のTFTを用いることで、電気機器や車両がより安定した動作性を有するものとなる。
本発明に係る微結晶質酸化物半導体薄膜の製造方法は、
酸化インジウムを主成分とするスパッタリングターゲットを用いてスパッタリング法により薄膜を形成する工程と、
必要により前記薄膜を熱処理して微結晶を析出させる工程とを含むことを特徴とする。
この熱処理は後述するCVD処理と同時に行うこともできる。
上記元素としては、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、イットリウム(Y)及びサマリウム(Sm)が好ましく、酸素不動態膜を形成する性質を有するアルミニウム(Al)及びイットリウム(Y)が特に好ましい。アルミニウム(Al)及びイットリウム(Y)は、薄膜表面に当該酸素不動態膜を形成して薄膜内部への酸素の拡散を抑制することができる。CVD処理後の加熱処理による酸化物半導体のキャリヤー密度を下げる工程において、酸素が酸化物半導体内部に拡散し、酸素欠損と反応し、キャリヤー密度を低減(図1、44:低キャリヤー領域)して行く。更に内部に酸素が拡散し酸素欠損と反応してキャリヤー密度を低減していくが、この酸素の拡散を制御してゲート絶縁膜近傍の酸化物半導体のキャリヤー密を高い状態(図1、42:高キャリヤー領域)に保ったままにすることにより、薄膜トランジスタの移動度を高くすることができることになる。このように、酸素不動態膜を形成する能力のある金属酸化物を薄膜トランジスタに入れることにより、酸素拡散を制御できるようになる。
酸化インジウムを主成分とするスパッタリングターゲットを用いてスパッタリング法により薄膜を形成する工程と、
必要により前記薄膜を熱処理して微結晶を析出させる工程と、
前記薄膜を化学蒸着(CVD)処理する工程と、
さらに前記薄膜を熱処理する工程とを含む方法によって製造された微結晶質酸化物半導体薄膜、さらにそれを用いた薄膜トランジスタが得られる。
上記方法によって得られた微結晶質酸化物半導体薄膜は、キャリヤー密度の変動が押さえ込まれて安定化されている。当該微結晶質酸化物半導体薄膜をチャネル層として用いたTFTは高い飽和移動度を示す。
本発明の酸化物薄膜は、太陽電池や、液晶、有機エレクトロルミネッセンス、無機エレクトロルミネッセンス等の表示素子やパワー半導体素子、タッチパネル等の電子機器に好適に使用でき、これらは電気機器や車両に好適に使用できる。
1)薄膜トランジスタ(TFT)の作製
本実施例では、図1に示すボトムゲート型(逆スタガ型)のTFTを作製した。
スパッタリングターゲットとして表1に示す酸化インジウム100%組成(原子比)を有する多結晶焼結体を用いた。
熱酸化シリコンからなるゲート絶縁膜30が形成されている低抵抗n型結晶シリコン基板(基板兼ゲート電極)20上に、DCスパッタ法により、チャネル層(酸化物半導体層)40として厚さ50nmのIn2O3酸化物半導体膜を成膜した。成膜レートは8nm/分であった。基板温度その他の成膜条件は表1に記載の通りであった。尚、In2O3堆積時にシャドーマスクを利用しているので、チャネル層はパターニングされた状態の半導体膜が形成された。
得られた積層体を大気中にて表1に示す温度及び時間加熱処理した。
上記熱処理した酸化物薄膜を有する積層体をスパッタ装置にセットし、シャドーマスクを利用してAuを成膜して、ソース・ドレイン層をパターニングされた状態で形成した。
上記ソース・ドレイン電極が形成された基板をプラズマCVD装置にセットし、前記基板を350℃に保持し、SiH4を2sccm、N2Oを100sccm、N2を120sccmの割合で110Paの圧力で導入して、厚さ100nmの保護絶縁膜70,70a(SiO2膜)を積層した。
続いて、SiO2膜が形成された基板を、大気中にて表1に示す温度及び時間加熱してTFTを製造した。
下記特性について評価を行った。結果を表1に示す。
・伝達曲線は、半導体パラメーターアナライザー(ケースレーインスツルメント(株)製 ケースレー4200)を用いて測定した。
・飽和移動度は、ドレイン電圧に5V印加した場合の伝達特性から求めた。具体的に、伝達特性Id−Vgのグラフを作成し、各Vgのトランスコンダクタンス(Gm)を算出し、線形領域の式により飽和移動度を導いた。尚、Gmは∂(Id)/∂(Vg)によって表され、Vgは−15〜25Vまで印加し、その範囲での最大移動度を飽和移動度と定義した。本発明において特に断らない限り、飽和移動度はこの方法で評価した。上記Idはソース・ドレイン電極間の電流、Vgはソース・ドレイン電極間に電圧Vdを印加したときのゲート電圧である。
・閾値電圧(Vth)は、伝達特性のグラフよりId=10−9AでのVgと定義した。
・on−off比は、Vg=−10VのIdの値をOff電流値とし、Vg=20VのIdの値をOn電流値として比[On/Off]を決めた。
上記TFT製造工程と同時にガラス基板上に上記1)と同様にして厚さ50nmのIn2O3酸化物半導体膜を成膜し、加熱処理を行った後、1cm角の正方形に切り出して、4角に金(Au)を2mm×2mm以下の大きさ位になるようにメタルマスクを用いてイオンコーターで成膜し、Au金属上にインジウムはんだを乗せて接触を良くしてホール効果測定用サンプルとした。
ガラス基板には、日本電気硝子株式会社製ABC−Gを用いた。
ホール効果測定用サンプルをホール効果・比抵抗測定装置(ResiTest8300型、東洋テクニカ社製)にセットし、室温においてホール効果を評価し、キャリヤー密度を求めた。結果を表1に示す。
スパッタ後(膜堆積後)の加熱していない膜及び加熱した後の膜の結晶性をX線回折(XRD)測定によって評価したところ、いずれも微結晶質であり、定電流ダイオード(CRD)測定により酸化インジウムのビックスバイト型結晶の微小なピークを示した。
また、加熱後の膜について、走査イオン顕微鏡(SIM)により表面形態を確認しクラムバイン径を計測したところ、平均粒径が3μm未満の微結晶の集合体であることを確認した。平均結晶粒径(グレインサイズ)は、2.2μm未満であった。平均結晶粒径は、膜の中央部(対角線の交点)を中心とした、5μm×5μmの枠内の微結晶の粒径を測定し、これらの相加平均値として算出することで求めた。3μm以下の粒径の結晶の占める割合は、98%超であり、0.5μm以下の粒子の割合は、10%未満であった。これより微結晶の集合体と判断した。
表1に記載の原子比を有するスパッタリングターゲットを用い、表1に示す条件で成膜、加熱処理、CVD処理及びCVD後の熱処理を行ってTFTを得た。また、実施例1と同様にTFT特性、ホール効果測定、半導体膜の結晶特性等を評価した。結果を表1に示す。
尚、表中の「E+XX」は「1×10+XX」を意味する。
表2に記載の原子比を有するスパッタリングターゲットを用い、表2に示す条件で成膜、加熱処理、CVD処理及びCVD後の熱処理を行ってTFTを得た。また、実施例1と同様にTFT特性、ホール効果測定、半導体膜の結晶特性等を評価した。結果を表2に示す。
表3に記載の原子比を有するスパッタリングターゲットを用い、表3に示す条件で成膜、加熱処理、CVD処理及びCVD後の熱処理を行ってTFTを得た。また、実施例1と同様にTFT特性、ホール効果測定、半導体膜の結晶特性等を評価した。結果を表3に示す。
30 ゲート絶縁膜
40 チャネル層
42 高キャリヤー領域
44 低キャリヤー領域
50 ソース電極
60 ドレイン電極
70,70a 保護絶縁膜
Claims (17)
- 酸化インジウムを主成分とする微結晶を含む酸化物半導体薄膜。
- 走査イオン顕微鏡(SIM)により酸化物薄膜の表面を観察した場合に、前記微結晶の平均結晶粒径が、3μm以下である請求項1に記載の酸化物半導体薄膜。
- さらにガリウム、アルミニウム、イットリウム、及びランタノイド元素から選ばれた1種以上の元素を含有する請求項1又は2に記載の酸化物半導体薄膜。
- 前記酸化物半導体薄膜中の全金属元素に対する前記ガリウム、アルミニウム、イットリウム、及びランタノイド元素から選ばれた1種以上の元素の合計の含有量が、1原子%超〜20原子%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の酸化物半導体薄膜。
- さらにスズ元素を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の酸化物半導体薄膜。
- 前記酸化物半導体薄膜中の全金属元素に対する前記スズ元素の含有量が、1.0原子%以下である請求項5に記載の酸化物半導体薄膜。
- 前記酸化物半導体薄膜の表面を走査イオン顕微鏡法(SIM)により観察したときに、5μm×5μmの測定視野中に存在する、結晶粒径が0.5μm以下の微結晶の占める割合が20%以下である請求項1〜6のいずれかに記載の酸化物半導体薄膜。
- ソース電極及びドレイン電極と、ゲート電極と、ゲート絶縁膜と、保護絶縁膜と、チャネル層と、を有し、
前記チャネル層は、ゲート絶縁膜と保護絶縁膜の間に位置し、請求項1〜7のいずれかに記載の酸化物半導体薄膜からなる、薄膜トランジスタ。 - 飽和移動度が30cm2/V・sec以上である請求項8に記載の薄膜トランジスタ。
- 請求項8又は9に記載の薄膜トランジスタを用いた電気機器又は車両。
- 酸化インジウムを主成分とするスパッタリングターゲットを用いてスパッタリング法により薄膜を形成する工程と、
必要により前記薄膜を熱処理して微結晶を析出させる工程とを含む、微結晶質酸化物半導体薄膜の製造方法。 - 前記スパッタリング法により薄膜を形成する工程における、スパッタリングガス中のH2O及びH2のいずれか一方又は両方の含有量を0.1〜20体積%とする請求項11に記載の微結晶質酸化物半導体薄膜の製造方法。
- 前記熱処理により微結晶を析出させる工程における、熱処理温度を150℃以上400℃以下とする請求項11又は12に記載の微結晶質酸化物半導体薄膜の製造方法。
- 前記スパッタリング法により得られた薄膜、又は前記熱処理により微結晶を析出させた前記酸化物薄膜を、さらに化学蒸着(CVD)処理する工程と、前記化学蒸着処理後に熱処理する工程とを含む請求項11〜13のいずれかに記載の微結晶質酸化物半導体薄膜の製造方法。
- 請求項14に記載の微結晶質酸化物半導体薄膜の製造方法によって製造された微結晶質酸化物半導体薄膜。
- 請求項14に記載の微結晶質酸化物半導体薄膜の製造方法によって製造された微結晶質酸化物半導体薄膜を用いた薄膜トランジスタ。
- 飽和移動度が30cm2/V・sec以上である請求項16に記載の薄膜トランジスタ。
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