JP2015018959A - 酸化物半導体及び酸化物半導体膜の製造方法 - Google Patents

酸化物半導体及び酸化物半導体膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015018959A
JP2015018959A JP2013145633A JP2013145633A JP2015018959A JP 2015018959 A JP2015018959 A JP 2015018959A JP 2013145633 A JP2013145633 A JP 2013145633A JP 2013145633 A JP2013145633 A JP 2013145633A JP 2015018959 A JP2015018959 A JP 2015018959A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide semiconductor
film
less
sputtering
oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013145633A
Other languages
English (en)
Inventor
重和 笘井
Shigekazu Tomai
重和 笘井
一晃 江端
Kazuaki Ebata
一晃 江端
絵美 川嶋
Emi Kawashima
絵美 川嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP2013145633A priority Critical patent/JP2015018959A/ja
Publication of JP2015018959A publication Critical patent/JP2015018959A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)

Abstract

【課題】トランジスタに用いたとき良好なトランジスタ特性を示すことのできる酸化物半導体及び酸化物半導体膜の製造方法を提供する。【解決手段】室温におけるキャリア密度が1?1016cm−3以上、1?1018cm−3以下であり、キャリア密度の活性化エネルギーが10meV以上、100meV以下である酸化物半導体。【選択図】なし

Description

本発明は、酸化物半導体及び酸化物半導体膜の製造方法に関する。
スパッタリング法によって得られる酸化物薄膜は、透明電極(インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)(登録商標))、酸化物半導体(インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO),インジウム錫亜鉛酸化物(ITZO))、絶縁膜薄膜(SiO,TiO)等多くの事例があり、実用化されている。この中で、透明電極と酸化物半導体は、酸素欠損の密度によって電気特性が決まる。結晶ITOでは酸化インジウム中のインジウムを錫が固溶置換することで、電子の発生源となるが、同時に酸素欠損も電子の発生源である。非晶質のITOやIZOは酸素欠損濃度のみによって電気特性がきまる。
また、最近液晶表示素子や有機EL表示素子のバックプレーンとして期待されている酸化物半導体も、薄膜のキャリア濃度は酸素欠損で決まる。酸化物半導体のキャリア濃度は、トランジスタ動作させる場合に、閾値電圧に直接影響するため、極めて重要なパラメータである。
薄膜中の酸素欠損の濃度は、スパッタリングターゲットの密度、スパッタリングの方式(DC,AC,パルスDC,RF)、基板温度、スパッタリング後のアニール処理等によって変わるが、スパッタリング時に適当な濃度の酸素を入れて調整することも重要な制御方法である。また、酸素の他、水や亜酸化窒素を導入しても同様の効果が期待できる(特許文献1〜3、非特許文献1)。
特開2007−73697号公報 特開2011−222557号公報 特開2013−30784号公報
Thin Solid Films 486 (2005) 38−41
酸化物半導体をトランジスタ駆動に適したノーマリーオフの薄膜トランジスタ(TFT)として用いるには、電子密度を1014〜1018cm−3程度の間に制御する必要があり、スパッタリング中に酸素を導入して酸素欠損量を制御する。しかしながら、同一の条件で酸素を導入しても得られた酸化物半導体のキャリア濃度がバラつく問題があった。このため、スパッタリング成膜後のアニール工程によりキャリア濃度を均質にする等の対処が施されるが、酸化物半導体は有機ELディスプレイ駆動用等、極めて高い信頼性と均一性が要求される用途が多く、キャリア濃度のバラつきに対する抜本的な対策が求められていた。
本発明の目的は、トランジスタに用いたとき良好なトランジスタ特性を示すことのできる酸化物半導体及び酸化物半導体膜の製造方法を提供することである。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、酸化物半導体等の金属酸化物の酸素欠損を支配するのは、スパッタ中の酸素濃度よりも、OH濃度であることをつきとめ、本発明に至った。スパッタチャンバーに導入されたガスはプラズマ中で分解され、ターゲットから叩き出された金属と結合しながら基板に到達し薄膜となる。導入された酸素も、プラズマ中では強い酸化力を有する酸素ラジカルとなって金属酸化物の生成に寄与する。
さらに、本発明者らは以下の事項も見出し、本発明に至った。
残留水分がプラズマ中で分解して生成したOHラジカルの方が、酸素ラジカルよりも酸化力が強いため、酸素のみを一定量供給し続けても、OHラジカルの量の変動によって、酸素欠損量が変化する。また、酸素のみを供給して得た酸化物半導体膜を使って作製したTFTは室温でのキャリア濃度は適切でも、トラップが多いため、Off電流が高い傾向がある。このことから酸化の程度はキャリア濃度だけによる評価では不十分で、活性化エネルギーも考慮する必要がある。以上より、TFT特性に悪影響を与える不要なキャリアを抑制し、On/Off比に優れたTFTを得るためには、半導体チャネルスパッタ時の中のOHラジカル量を適切な範囲で制御する必要がある。
本発明によれば、以下の酸化物半導体及び酸化物半導体膜の製造方法が提供される。
1.室温におけるキャリア密度が1×1016cm−3以上、1×1018cm−3以下であり、キャリア密度の活性化エネルギーが10meV以上、100meV以下である酸化物半導体。
2.前記酸化物半導体が、
In(インジウム)及びO(酸素)と、
Zn(亜鉛)、Sn(錫)、Ga(ガリウム)、Al(アルミニウム)、Hf(ハフニウム)、Zr(ジルコニウム)、N(窒素)から選ばれる1種以上からなる1に記載の酸化物半導体。
3.前記酸化物半導体が結晶構造を有する1又は2に記載の酸化物半導体。
4.前記酸化物半導体が平均結晶粒径0.5μm以上の結晶構造を有する3記載の酸化物半導体。
5.前記酸化物半導体がアモルファス構造を有する1又は2に記載の酸化物半導体。
6.ターゲットと電極の間でプラズマを発生させて、スパッタリング法により、1〜5のいずれか一項に記載の酸化物半導体の薄膜を得る方法であって、スパッタ雰囲気中のOHの分圧が0.0001Pa以上、0.01Pa以下である酸化物半導体膜の製造方法。
7.スパッタ雰囲気中のOHの成膜開始時の分圧[OHs]と成膜終了時の分圧[OHf]が、
0.8≦[OHs]/[OHf]≦1.2
を満たす6記載の酸化物半導体膜の製造方法。
8.反応性ガスとして、水素原子と酸素原子を含むガスを用い、OHラジカルを供給する6又は7に記載の酸化物半導体膜の製造方法。
9.反応性ガスとして、HO、O及びNOから選択される1以上の酸素原子を含むガスと、HO、H及びNHから選択される1以上の水素原子を含むガスを用いる6又は7記載の酸化物半導体膜の製造方法。
10.反応性ガスとして、
O、
O及びH
O及びO
及びO、並びに
NH及びN
のいずれかを用いる6又は7記載の酸化物半導体膜の製造方法。
11.スパッタ方式が、直流スパッタ方式、又は周波数1MHz以下の交流スパッタ方式である6〜10のいずれかに記載の酸化物半導体膜の方法。
12.1〜5のいずれか記載の酸化物半導体を備える薄膜トランジスタ。
13.12記載の薄膜トランジスタを備える電子機器。
本発明によれば、トランジスタに用いたとき良好なトランジスタ特性を示すことのできる酸化物半導体及び酸化物半導体膜の製造方法が提供できる。
実施例1と比較例1,2の伝達特性を示すグラフである。 実施例1の結晶粒界を示す図である。
本発明の酸化物半導体は、室温(通常20〜30℃)におけるキャリア密度が1×1016cm−3以上、1×1018cm−3以下であり、キャリア密度の活性化エネルギーが10meV以上、100meV以下である。
キャリア密度が1×1016cm−3以上、1×1018cm−3以下であり、キャリア密度の活性化エネルギーが10meV以上、100meV以下であると、良好なTFT動作が得られる。活性化エネルギーは、薄膜のホール効果を温度を変えて測定し、キャリア濃度の対数を逆温度に対してプロット(アレニウスプロット)したときの傾きによって求められる。
好ましくはキャリア密度は5×1016cm−3以上、5×1017cm−3以下である。好ましくは、キャリア密度の活性化エネルギーは30meV以上、70meV以下である。
ホール効果の温度依存測定により移動度とキャリア濃度それぞれの活性化エネルギーを求めることができるが、本発明ではキャリア濃度の温度依存性により、従来の材料(例えば非特許文献1)と区別できる。酸化物半導体のような電子状態的に乱れた系は、縮退状態にあっても半導体特性を示す場合がある。しかしこれは、ギャップ内の準位が非常に多いため、温度を変化させてもキャリア濃度は変化しないが、移動度は熱エネルギーの力を借りて上昇する状態であり、On/Offの切変わりが緩慢になり望ましい姿ではない。OHラジカルによって酸化物を確実に酸化させることが移動度の低下やVtシフトを招くギャップ内準位を補償し、理想的な半導体を実現できる。そしてこの状態がキャリア濃度の活性化エネルギーとして定量・評価できる。
酸化物半導体は、好ましくは、酸化In、Inと他の元素を含むインジウム複合酸化物、酸化Zn等からなる。
インジウム複合酸化物として、In及びOと、Zn、Sn、Ga、Al、Hf、Zr、Nから選ばれる1種以上からなる酸化物が挙げられる。
本発明の酸化物半導体は、実質的に上記の元素からなっており、本発明の効果を損なわない範囲で他に不可避不純物を含んでいてもよい。「実質的」とは、半導体の95原子%以上100原子%以下(好ましくは98原子%以上100原子%以下)が上記の元素であることを意味する。
酸化物半導体は、好ましくは、結晶構造を有する。結晶構造を有すると、より移動度の高い半導体を得ることができる。加熱処理することにより、酸化物半導体は結晶化する。
結晶化した酸化物半導体の平均結晶粒径は、好ましくは0.5μm以上である。0.5μm以上であると、結晶粒内の散乱が減少し、移動度を高めることができる。平均結晶粒径の範囲は、0.8μm以上、又は1.0μm以上とすることができ、20μm以下、15μm以下、又は10μm以下とすることができる。
平均結晶粒径は、電子後方散乱パターン(Electron BackScattering Pattern:EBSP)により測定する。EBSPの方位角マッピングを行い、方位差15°以上の成分で囲まれる領域を結晶粒として平均結晶粒径を解析する。具体的な測定方法は本実施例に記載の通りである。
ただし、平均結晶粒径は、走査イオン顕微鏡(SIM:Scanning Ion Microscopy)や走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により、35μm四方の枠内で観察される結晶粒それぞれの最大径を調べ、これらの粒径の平均値として求めてもよく、上記EBSPによって得られる平均結晶粒径と同様の結果が得られる。
酸化物半導体は、アモルファス構造を有してもよい。アモルファス構造を有すると、プロセスを簡略化することができる。
上記の酸化物半導体は、OHの分圧が0.0001Pa以上、0.01Pa以下の雰囲気中で、スパッタリング法により得ることができる。好ましくは0.0004Pa以上、0.005Pa以下である。
スパッタリングターゲットとして、所望の組成の酸化物に対応する組成を有するものを用いればよい。
スパッタリング中のOHラジカルの分圧は、キャリア濃度と活性化エネルギーに影響するが、その変化も小さく抑えることが好ましい。具体的には、成膜開始時のOHの分圧[OHs]と成膜終了時のOHの分圧[OHf]の比、[OHs]/[OHf]が0.8〜1.2の間に入ることが好ましい。[OHs]/[OHf]が、0.8〜1.2であると、膜厚方向に均一な酸化状態が実現でき、好ましい。より好ましくは1.0〜1.2である。
反応性ガスとして、水素原子と酸素原子を含むガスを用いれば、OHラジカルを供給できる。
一般に、OHラジカルの供給源は、水、酸素と水素、水と水素又は水と酸素である。水を導入するか、酸素と水素を同時に導入すると、OHラジカルの濃度を一定にし易い。
水を導入するときは、水は常温常圧で液体であるため、スパッタチャンバー内で均一に気化させる機構を設け、溶存酸素を十分脱気すると、スパッタチャンバー内に安定供給し易くなる。
水素と酸素をそれぞれ同時に導入する場合は、キャリア濃度の制御が容易である。この方法は、OHラジカルの発生量の制御の自由度が広がるため、酸化力の強いOHラジカルの濃度の制御が容易になり、プロセスマージンを広げることができる。また、水素は爆発限界以下のフォーミングガス、例えば、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノンや窒素等の不活性ガスで希釈しても、酸素もアルゴン、ネオン、クリプトン、キセノンや窒素等の不活性ガスで希釈してもよい。
さらに、酸素と水素の供給源は、酸素側はNO、水素側はNH等、プラズマ中で分解して発生源となりうるものであれば、構わない。
このように、スパッタリング中のOHラジカルの濃度を適切に制御することで、酸素欠損量が安定し、再現性に優れた金属酸化物膜を得ることができる。そして、OHラジカルにより酸化されることで、キャリア濃度は1016〜1018cm−3の間となるとともに、その活性化エネルギーが10meV以上、100meV以下の理想的な状態となる。キャリア濃度はトランジスタの動作点(立上り電圧)を決め、活性化エネルギーはトランジスタのオフ電流を決める要素である。キャリア濃度が1016cm−3以下の場合、トランジスタはOn動作しなくなる場合が有る。キャリア濃度が1018cm−3以上の場合、トランジスタはノーマリーオフとなる場合が有る。また、キャリア濃度が1016〜1018cm−3の範囲にあっても、活性化エネルギーが10meV以下であれば、オフ電流が増加し、オン/オフ比が低下する場合が有る。同様に活性化エネルギーが100meV以上になると、オン電流の低下を招く場合が有る。
スパッタ方式は、直流スパッタ方式、又は交流スパッタ方式のいずれでもよい。交流スパッタ方式の場合、マルチカソードによるものが好ましく、周波数1MHz以下であるとプラズマの放電制御が容易になるため好ましい。
本発明の薄膜トランジスタは、上記の酸化物半導体をチャネル層等として備える。
また、本発明の薄膜トランジスタは、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置等、様々な電子機器に用いることができる。
実施例1
ゲート膜基板として、熱酸化膜(膜厚100nm)が付いたシリコン基板を用い、スパッタリングターゲットとして、酸化インジウム:酸化亜鉛(In:ZnO)(重量%(wt%)比)=95:5の焼結体を使用した。チャネルとして使用するため、2mm角の穴が開いたメタルマスクを使用し、下記の条件でスパッタ成膜して厚さ50nmの酸化物薄膜を得た。
このとき、ホール効果及びEBSP測定用に、スライドガラス(ガラス基板)も同時にセットし、ガラス基板上に酸化物薄膜を形成した。
尚、ターゲットの製法は、例えば、特許第2695605号を参照できる。
・スパッタリング条件
スパッタリング装置:HSM−552((株)島津製作所製)
ターゲットサイズ:直径4インチ,厚さ5mm
放電形式:直流マグネトロン
放電電流:0.2A 放電電圧:400V
バックグラウンド圧力:5.0×10−4Pa
導入ガス分圧:O=3.6×10−3Pa、H=7.2×10−3Pa、Ar=1.1×10−1Pa
スパッタ圧力:0.12Pa
基板温度:室温
成膜開始時OH分圧 9×10−4Pa
成膜終了後OH分圧 9×10−4Pa
OH分圧は、Q−MASを用いた質量分析によって質量数17のOHを観測し制御した。
ゲート膜/IZO基板(IZO膜が形成されたゲート膜基板)を一旦スパッタ装置から取り出した。ソースドレイン電極形状に穴の開いたメタルマスクを使用し、再び、ゲート膜/IZO基板をスパッタ装置に導入し、室温で所定時間、金をスパッタした。スパッタ終了後、空気中、300℃、1時間の条件でアニールしてTFT素子を得た。
尚、IZO膜が形成されたガラス基板は、金をスパッタしないで、空気中300℃、1時間の条件で、アニールし、ガラス素子を得た。
このようにして得たTFT素子のトランジスタ特性を以下の方法で測定し、表1に示す。On/Off比が6ケタ以上ある、良好なTFT特性が得られた。移動度は25cm/Vsと計算された。
<On/Off比の測定>
図1に示す伝達特性(Vds=10V,Vgs=-20V〜20V)のグラフにおいて、Vgs=−20〜−10VのIdsの平均値をIOff、Vgs=10〜20VのIdsの平均値をIOnとし、IOn/IOffをOn/Off比とした。
<移動度の測定>
以下に示す飽和領域での電流Idsの式から、移動度μを導出した。
Ids=μWC(Vgs−Vth)/2L
ここでWはチャネル幅、Cは絶縁膜の静電容量、Vgsはゲート電極とソース電極間の電圧、VthはIgsが10−9Aを超えるときのVgs、Lはチャネル長を表す。
<キャリア濃度の測定及び活性化エネルギーの算出>
ガラス素子をホール効果装置Resitest8300(株式会社東陽テクニカ製)にセットし、室温でのキャリア濃度を測定した結果、キャリア濃度は1×1017cm−3であった。
また、測定温度を液体窒素温度から室温まで変化させ、キャリア濃度の温度依存性を測定した。
n=nexp(−Ea/kT)の式に従って、横軸に逆温度、縦軸にキャリア濃度の対数をとり、その傾き(活性化エネルギー=Ea)を求めたところ、55meVとなった。ここで、「T」は温度、「n」は温度Tでのキャリア濃度、「n」は定数、「Ea」は活性化エネルギー、そして「k」はボルツマン定数を示す。
<結晶粒界>
ガラス素子に形成された膜について、Hikari High Speed EBSD Detector(EDAX(TSL)社製、OIM解析ソフト ver.5.2)により、EBSP測定して、結晶粒界を調べた。加速電圧8kVの電子ビームを用いた。
EBSPのイメージクォリティ像(IQ像)を図2に示す。測定領域は、40μm×40μmであり、ステップサイズは0.2μmである。
結晶粒内の微細構造を解析するために、EBSPの方位角マッピングを行い、方位差2°以上5°未満、5°以上15°未満、15°以上180°未満の3つに分離した。
方位差15°以上の成分で囲まれる領域を結晶粒として平均結晶粒径を解析した結果、平均結晶粒径は0.5μmであり、移動度の高いモルフォロジーとして示された。平均結晶粒径は、測定領域内の35μm四方の枠内に現れた全ての結晶粒について、それぞれ最大径を測定し、その平均値を算出して求めた。
平均結晶粒径の測定結果を表1に示す。尚、アモルファスの場合は、「アモルファス」と評価する。
実施例2〜8
以下、実施例2〜8について、ターゲット材料、スパッタ条件を表1及び2のように設定し、実施例1と同様にTFT素子とガラス素子を製造して、評価を行った。結果を表1及び2に示す。
尚、実施例5において、到達圧力を、残留水分の多い低真空とすることで、実質的にOHラジカルを供給した。
表1及び2中の省略記号は、それぞれ下記を意味する。
「IGO」:インジウムガリウム酸化物
「IHZO」:インジウムハフニウム亜鉛酸化物
「IZZO」:インジウムジルコニウム亜鉛酸化物
「ITZAO」:インジウム錫亜鉛アルミニウム酸化物
比較例1〜3
比較例1〜3について、ターゲット材料、スパッタ条件を表3のように設定し、実施例1と同様にTFT素子とガラス素子を製造して、評価を行った。結果を表3に示す。
表1〜3の結果から、実施例1〜8は、比較例1〜3と比べて、優れたキャリア濃度、活性化エネルギー、移動度及びOn/Off比を示した。
本発明の酸化物半導体を用いたトランジスタは、液晶や有機EL素子等の駆動素子、制御回路、集積回路等に使用できる。

Claims (13)

  1. 室温におけるキャリア密度が1×1016cm−3以上、1×1018cm−3以下であり、キャリア密度の活性化エネルギーが10meV以上、100meV以下である酸化物半導体。
  2. 前記酸化物半導体が、
    In(インジウム)及びO(酸素)と、
    Zn(亜鉛)、Sn(錫)、Ga(ガリウム)、Al(アルミニウム)、Hf(ハフニウム)、Zr(ジルコニウム)、N(窒素)から選ばれる1種以上からなる請求項1に記載の酸化物半導体。
  3. 前記酸化物半導体が結晶構造を有する請求項1又は2に記載の酸化物半導体。
  4. 前記酸化物半導体が平均結晶粒径0.5μm以上の結晶構造を有する請求項3記載の酸化物半導体。
  5. 前記酸化物半導体がアモルファス構造を有する請求項1又は2に記載の酸化物半導体。
  6. ターゲットと電極の間でプラズマを発生させて、スパッタリング法により、請求項1〜5のいずれか一項に記載の酸化物半導体の薄膜を得る方法であって、スパッタ雰囲気中のOHの分圧が0.0001Pa以上、0.01Pa以下である酸化物半導体膜の製造方法。
  7. スパッタ雰囲気中のOHの成膜開始時の分圧[OHs]と成膜終了時の分圧[OHf]が、
    0.8≦[OHs]/[OHf]≦1.2
    を満たす請求項6記載の酸化物半導体膜の製造方法。
  8. 反応性ガスとして、水素原子と酸素原子を含むガスを用い、OHラジカルを供給する請求項6又は7に記載の酸化物半導体膜の製造方法。
  9. 反応性ガスとして、HO、O及びNOから選択される1以上の酸素原子を含むガスと、HO、H及びNHから選択される1以上の水素原子を含むガスを用いる請求項6又は7記載の酸化物半導体膜の製造方法。
  10. 反応性ガスとして、
    O、
    O及びH
    O及びO
    及びO、並びに
    NH及びN
    のいずれかを用いる請求項6又は7記載の酸化物半導体膜の製造方法。
  11. スパッタ方式が、直流スパッタ方式、又は周波数1MHz以下の交流スパッタ方式である請求項6〜10のいずれかに記載の酸化物半導体膜の方法。
  12. 請求項1〜5のいずれか記載の酸化物半導体を備える薄膜トランジスタ。
  13. 請求項12記載の薄膜トランジスタを備える電子機器。
JP2013145633A 2013-07-11 2013-07-11 酸化物半導体及び酸化物半導体膜の製造方法 Pending JP2015018959A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013145633A JP2015018959A (ja) 2013-07-11 2013-07-11 酸化物半導体及び酸化物半導体膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013145633A JP2015018959A (ja) 2013-07-11 2013-07-11 酸化物半導体及び酸化物半導体膜の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015018959A true JP2015018959A (ja) 2015-01-29

Family

ID=52439705

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013145633A Pending JP2015018959A (ja) 2013-07-11 2013-07-11 酸化物半導体及び酸化物半導体膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015018959A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016201458A (ja) * 2015-04-09 2016-12-01 出光興産株式会社 微結晶質酸化物半導体薄膜及びそれを用いた薄膜トランジスタ
WO2017017966A1 (ja) * 2015-07-30 2017-02-02 出光興産株式会社 結晶質酸化物半導体薄膜、結晶質酸化物半導体薄膜の製造方法及び薄膜トランジスタ
US11610997B2 (en) 2017-11-24 2023-03-21 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor material and semiconductor device having a metal element and nitrogen
JP7503777B1 (ja) 2023-09-11 2024-06-21 株式会社Pxp 太陽電池の製造方法及び太陽電池

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011132418A1 (ja) * 2010-04-22 2011-10-27 出光興産株式会社 成膜方法
JP2011222557A (ja) * 2010-04-02 2011-11-04 Idemitsu Kosan Co Ltd 酸化物半導体の成膜方法
JP2012104809A (ja) * 2010-10-12 2012-05-31 Idemitsu Kosan Co Ltd 半導体薄膜、薄膜トランジスタ及びその製造方法
JP2012253315A (ja) * 2010-12-28 2012-12-20 Idemitsu Kosan Co Ltd 酸化物半導体薄膜層を有する積層構造及び薄膜トランジスタ

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011222557A (ja) * 2010-04-02 2011-11-04 Idemitsu Kosan Co Ltd 酸化物半導体の成膜方法
WO2011132418A1 (ja) * 2010-04-22 2011-10-27 出光興産株式会社 成膜方法
JP2012104809A (ja) * 2010-10-12 2012-05-31 Idemitsu Kosan Co Ltd 半導体薄膜、薄膜トランジスタ及びその製造方法
JP2012253315A (ja) * 2010-12-28 2012-12-20 Idemitsu Kosan Co Ltd 酸化物半導体薄膜層を有する積層構造及び薄膜トランジスタ

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016201458A (ja) * 2015-04-09 2016-12-01 出光興産株式会社 微結晶質酸化物半導体薄膜及びそれを用いた薄膜トランジスタ
WO2017017966A1 (ja) * 2015-07-30 2017-02-02 出光興産株式会社 結晶質酸化物半導体薄膜、結晶質酸化物半導体薄膜の製造方法及び薄膜トランジスタ
JP6097458B1 (ja) * 2015-07-30 2017-03-15 出光興産株式会社 結晶質酸化物半導体薄膜、結晶質酸化物半導体薄膜の製造方法及び薄膜トランジスタ
JP2017123472A (ja) * 2015-07-30 2017-07-13 出光興産株式会社 結晶質酸化物半導体薄膜、結晶質酸化物半導体薄膜の製造方法及び薄膜トランジスタ
JP2018101793A (ja) * 2015-07-30 2018-06-28 出光興産株式会社 結晶質酸化物半導体薄膜、結晶質酸化物半導体薄膜の製造方法及び薄膜トランジスタ
US10636914B2 (en) 2015-07-30 2020-04-28 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Crystalline oxide semiconductor thin film, method for producing crystalline oxide semiconductor thin film, and thin film transistor
US11610997B2 (en) 2017-11-24 2023-03-21 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor material and semiconductor device having a metal element and nitrogen
JP7503777B1 (ja) 2023-09-11 2024-06-21 株式会社Pxp 太陽電池の製造方法及び太陽電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6989656B2 (ja) 半導体装置
TWI595668B (zh) 氧化物半導體薄膜及薄膜電晶體
JP5242083B2 (ja) 結晶酸化物半導体、及びそれを用いてなる薄膜トランジスタ
EP2273540B1 (en) Method for fabricating field-effect transistor
JP5718072B2 (ja) 薄膜トランジスタの半導体層用酸化物およびスパッタリングターゲット、並びに薄膜トランジスタ
JP4981282B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JP6376153B2 (ja) 酸化物半導体薄膜および薄膜トランジスタ
US9368639B2 (en) Oxide semiconductor thin film, production method thereof, and thin film transistor
JP5984354B2 (ja) 半導体素子
TWI640492B (zh) 氧化物半導體薄膜、氧化物半導體薄膜之製造方法及使用其之薄膜電晶體
JP5168599B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JP2015018959A (ja) 酸化物半導体及び酸化物半導体膜の製造方法
JP6143423B2 (ja) 半導体装置の製造方法
TWI601214B (zh) 氧氮化物半導體薄膜與其製造方法,及薄膜電晶體
JP2014056945A (ja) アモルファス酸化物薄膜及びその製造方法、並びにそれを用いた薄膜トランジスタ
JP5856559B2 (ja) 薄膜トランジスタの半導体層用酸化物薄膜の製造方法
US11049976B2 (en) Thin-film transistor, oxide semiconductor film, and sputtering target
WO2020116499A1 (ja) 薄膜トランジスタ及びその製造方法
JP5581416B2 (ja) 結晶酸化物半導体、及びそれを用いてなる薄膜トランジスタ
JP2014082424A (ja) 半導体装置の製造方法
JP2014222690A (ja) 半導体装置
JP2018135589A (ja) 酸化物半導体薄膜及び薄膜トランジスタの製造方法
JP2010109192A (ja) 酸化亜鉛薄膜の成膜方法、該成膜方法により得られた酸化亜鉛薄膜、該酸化亜鉛薄膜を用いた半導体素子、該酸化亜鉛薄膜を成膜するための成膜装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161122

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170120

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170530