JP2016199705A - 導電性高分子分散液及び導電性フィルム - Google Patents

導電性高分子分散液及び導電性フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】空気中において導電性が低下しにくい導電性塗膜を容易に形成できる導電性高分子分散液を提供する。【解決手段】本発明の導電性高分子分散液は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、置換基含有芳香族化合物と、前記導電性複合体を分散させる分散媒とを含み、前記置換基含有芳香族化合物は、芳香環の水素原子の少なくとも1つが、アミド結合を有する置換基に置換されていると共に、前記芳香環の残りの水素原子の少なくとも1つが、ヒドロキシ基に置換されている。【選択図】なし

Description

本発明は、π共役系導電性高分子を含有する導電性高分子分散液及び導電性フィルムに関する。
液晶ディスプレイ等の画像表示装置やタッチパネル等の入力装置は透明電極を備えており、その透明電極としては、インジウムドープ酸化スズ(ITO)からなる透明導電層が広く使用されている。しかし、インジウムは高価な金属である上、資源の枯渇が懸念されている。
ITOを使用しない透明導電層として、導電性高分子を用いたものが知られ、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)等のπ共役系導電性高分子と、ポリスチレンスルホン酸等のポリアニオンとを含有するものが知られている(特許文献1)。
特開2008−297484号公報
しかし、特許文献1に記載の導電性高分子分散液から形成した導電性塗膜は、空気中において、時間の経過と共に導電性が低下する傾向にあった。したがって、導電性塗膜は長期間の使用が困難であった。
本発明は、空気中において導電性が低下しにくい導電性塗膜を容易に形成できる導電性高分子分散液を提供することを目的とする。本発明は、空気中において導電性が低下しにくい導電性塗膜を備える導電性フィルムを提供することを目的とする。
本発明の導電性高分子分散液は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、置換基含有芳香族化合物と、前記導電性複合体を分散させる分散媒とを含み、前記置換基含有芳香族化合物は、芳香環の水素原子の少なくとも1つが、アミド結合を有する置換基に置換されていると共に、前記芳香環の残りの水素原子の少なくとも1つが、ヒドロキシ基に置換されている。
本発明の導電性高分子分散液においては、前記置換基含有芳香族化合物が、下記式(1)で表される化合物、下記式(2)で表される化合物、下記式(3)で表される化合物、及び下記式(4)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 2016199705
(式(1)におけるkは1〜5の整数であり、Rはアルキレン基、Rは水素原子又はアルキル基である。式(2)におけるlは1〜5の整数であり、Rは水素原子又はアルキル基である。式(3)におけるmは1〜5の整数であり、Rはアルキレン基、Rは水素原子又はアルキル基である。式(4)におけるnは1〜5の整数であり、Rは水素原子又はアルキル基である。)
本発明の導電性高分子分散液においては、前記置換基含有芳香族化合物が、25℃の水100gに対して0.5g以上溶解する溶解度を有することが好ましい。
本発明の導電性高分子分散液においては、前記置換基含有芳香族化合物が、4−ヒドロキシフェニルアセトアミド、4−ヒドロキシベンズアミド、ジヒドロキシベンズアミド、4’−ヒドロキシアセトアニリド、3’−ヒドロキシアセトアニリドよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の導電性高分子分散液においては、前記π共役系導電性高分子が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)であり、前記ポリアニオンが、ポリスチレンスルホン酸であることが好ましい。
本発明の導電性フィルムは、フィルム基材と、該フィルム基材の少なくとも一方の面に、上記導電性高分子分散液が塗工されて形成された導電性塗膜とを備える。
本発明の導電性高分子分散液は、空気中において導電性が低下しにくい導電性塗膜を容易に形成できる。
本発明の導電性フィルムは、空気中において導電性が低下しにくい導電性塗膜を備える。
「導電性高分子分散液」
本発明の導電性高分子分散液は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、置換基含有芳香族化合物と、分散媒とを含有する分散液である。
(π共役系導電性高分子)
導電性複合体を構成するπ共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば特に制限されず、例えば、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリフェニレン系導電性高分子、ポリフェニレンビニレン系導電性高分子、ポリアニリン系導電性高分子、ポリアセン系導電性高分子、ポリチオフェンビニレン系導電性高分子、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン類及びポリアニリン系導電性高分子が好ましく、導電性、透明性の面から、ポリチオフェン系導電性高分子がより好ましい。
ポリチオフェン系導電性高分子としては、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)が挙げられる。
ポリピロール系導電性高分子としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)が挙げられる。
ポリアニリン系導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)が挙げられる。
上記π共役系導電性高分子の中でも、導電性、透明性、耐熱性の点から、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
前記π共役系導電性高分子は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(ポリアニオン)
導電性複合体を構成するポリアニオンとは、アニオン基を有するモノマー単位を、分子内に2つ以上有する重合体である。このポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性を向上させる。
ポリアニオンのアニオン基としては、スルホ基、またはカルボキシ基であることが好ましい。
このようなポリアニオンの具体例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリ(4−スルホブチルメタクリレート)、ポリメタクリルオキシベンゼンスルホン酸等のスルホン酸基を有する高分子や、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等のカルボン酸基を有する高分子が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
これらポリアニオンのなかでも、導電性をより高くできることから、スルホン酸基を有する高分子が好ましく、ポリスチレンスルホン酸がより好ましい。
前記ポリアニオンは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアニオンの質量平均分子量は2万〜100万であることが好ましく、10万〜50万であることがより好ましい。
ポリアニオンが、π共役系導電性高分子に配位することによって導電性複合体を形成する。
ただし、ポリアニオンにおいては、全てのアニオン基がπ共役系導電性高分子にドープせず、余剰のアニオン基を有している。この余剰のアニオン基は親水基であるため、導電性複合体は水分散性を有する。
導電性複合体中の、ポリアニオンの含有割合は、π共役系導電性高分子100質量部に対して1〜1000質量部の範囲であることが好ましく、10〜700質量部であることがより好ましく、100〜500質量部の範囲であることがさらに好ましい。ポリアニオンの含有割合が前記下限値未満であると、π共役系導電性高分子へのドーピング効果が弱くなる傾向にあり、導電性が不足することがあり、また、導電性塗膜の強度が低下する傾向にある。一方、ポリアニオンの含有量が前記上限値を超えると、π共役系導電性高分子の含有量が少なくなり、やはり充分な導電性が得られにくい。
(置換基含有芳香族化合物)
本発明における置換基含有芳香族化合物は、芳香環の水素原子の少なくとも1つが、アミド結合を有する置換基に置換されていると共に、前記芳香環の残りの水素原子の少なくとも1つが、ヒドロキシ基に置換されている化合物である。ここで、芳香環とは、ベンゼン環だけでなく、ナフタレン環、アントラセン環も含む。
この置換基含有芳香族化合物は、酸化防止効果を有すると共に、導電性を向上させる効果も有し、さらに、水溶性が高く、水中で析出しにくいという効果も有する。
置換基含有芳香族化合物は、容易に合成でき、また、上記の効果を充分に発揮できることから、上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物、上記式(3)で表される化合物、及び上記式(4)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
式(1)におけるkは1〜5の整数であり、1又は2が好ましい。Rはアルキレン基、Rは水素原子又はアルキル基である。
式(2)におけるlは1〜5の整数であり、1又は2が好ましい。Rは水素原子又はアルキル基である。
式(3)におけるmは1〜5の整数であり、1又は2が好ましい。Rはアルキレン基、Rは水素原子又はアルキル基である。
式(4)におけるnは1〜5の整数であり、1又は2が好ましい。Rは水素原子又はアルキル基である。
上記アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。
上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
置換基含有芳香族化合物は、25℃の水100gに対して0.5g以上溶解する溶解度を有するものでもよい。置換基含有芳香族化合物が前記溶解度であれば、環境負荷の小さい水系にでき、しかも、導電性高分子分散液中に均一に存在でき、置換基含有芳香族化合物の効果を充分に発揮させることができる。
前記溶解度であって、式(1)で表される化合物としては、例えば、4−ヒドロキシフェニルアセトアミド等が挙げられる。
前記溶解度であって、式(2)で表される化合物としては、例えば、4’−ヒドロキシアセトアニリド、3’−ヒドロキシアセトアニリド等が挙げられる。
前記溶解度であって、式(4)で表される化合物としては、4−ヒドロキシベンズアミド、2,4−ジヒドロキシベンズアミド、2,3−ジヒドロキシベンズアミド、3,4−ジヒドロキシベンズアミド、2,6−ジヒドロキシベンズアミド等が挙げられる。
上記の置換基含有芳香族化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記置換基含有芳香族化合物の含有割合は、導電性複合体100質量部に対して10質量部以上であることが好ましく、10〜250質量部であることがより好ましく、25〜150質量部であることがより好ましい。置換基含有芳香族化合物の含有割合が前記下限値以上であれば、該導電性高分子分散液から形成される導電性塗膜の経時的な導電性低下を充分に防ぐことができる。一方、置換基含有芳香族化合物の含有割合が前記上限値以下であれば、導電性複合体を充分に含有できるから、充分に高い導電性が得られる。
(分散媒)
分散媒は、前記導電性複合体を分散させる液であり、水、極性を有する有機溶剤、又は、水と極性を有する有機溶剤との混合液である。これらは導電性複合体と親和性を有する該分散媒においては、100gの分散媒に対し、導電性複合体の溶解量が0.5未満である。
分散媒中の水の含有割合は、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。分散媒中の水の含有割合が100質量%であってもよい。
有機溶剤としては、溶解度パラメータが10以上の溶剤が挙げられ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のヘテロ原子含有極性溶媒、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価脂肪族アルコール、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物、ジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、アセトニトリル、グルタロニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物としてもよい。このうち、安定性の観点から、前記分散媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、及びジメチルスルホキシドからなる群より選択される少なくとも1つの化合物と、水との混合物であることが好ましく、ジメチルスルホキシドと水との混合物であることが特に好ましい。
(アルカリ性化合物)
導電性高分子分散液にはアルカリ性化合物を含有させてもよい。
アルカリ性化合物としては、無機アルカリ、アミン化合物、窒素含有芳香族性環式化合物が挙げられる。また、アルカリ性化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウムなどが挙げられる。
無機アルカリは、水溶液の状態で導電性高分子分散液に添加することが好ましい。水溶液中の無機アルカリの濃度としては、無機アルカリ水溶液の総質量に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。ただし、無機アルカリとしてアンモニアを用いる場合、アンモニア水溶液中のアンモニア濃度としては、2〜30質量%であることが好ましく、4〜28質量%であることがより好ましい。
アミン化合物としては、1級アミン、2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩のいずれであってもよい。
アミン化合物は、炭素数2〜12の直鎖、もしくは分岐鎖のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数2〜12のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、炭素数7〜12のアラルキレン基、及び炭素数2〜12のオキシアルキレン基から選択される置換基を有していてもよい。
具体的な1級アミンとしては、例えば、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、エタノールアミン等が挙げられる。
具体的な2級アミンとしては、例えば、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン、ジナフチルアミン等が挙げられる。
具体的な3級アミンとしては、例えば、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、トリナフチルアミン等が挙げられる。
具体的な4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラフェニルアンモニウム塩、テトラベンジルアンモニウム塩、テトラナフチルアンモニウム塩等が挙げられる。アンモニウムの対となる陰イオンとしてはヒドロキシドイオンが挙げられる。
窒素含有芳香族性環式化合物とは、少なくとも1個以上の窒素原子を含む芳香族性環を有するものであり、前記窒素原子は2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩のいずれの形で芳香族性環に含まれていてもよい。
窒素含有芳香族性環式化合物の具体例としては、ピロール、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−アセチルイミダゾール、4,5−イミダゾールジカルボン酸、4,5−イミダゾールジカルボン酸ジメチル、ベンズイミダゾール、2−アミノべンズイミダゾール、2−アミノべンズイミダゾール−2−スルホン酸、2−アミノ−1−メチルべンズイミダゾール、2−ヒドロキシべンズイミダゾール、2−(2−ピリジル)べンズイミダゾール、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド、ピリジン等が挙げられる。このうち、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、又はピリジンがより好ましい。
窒素含有芳香族性環式化合物は、水溶液の状態で添加することが好ましい。窒素含有芳香族性環式化合物水溶液中の窒素含有芳香族性環式化合物の濃度は、水溶液の総質量に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。
前記アルカリ性化合物は、水への溶解度が0.1g/100ml(10℃)以上であることが好ましい。水への溶解度が0.1g/100ml(10℃)以上のアルカリ性化合物は分散媒に溶解しやすく、導電性高分子分散液の保存安定性をより向上させることができる。
また、前記溶解度は、5g/100ml(10℃)以下であることが好ましい。
水への溶解度が0.1g/100ml(10℃)以上のアルカリ性化合物としては、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア、イミダゾール、又はトリエチルアミンであることが好ましく、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア、イミダゾール、又はトリエチルアミンであることがより好ましい。
導電性高分子分散液のpH(25℃)は、10以下であることが好ましく、9以下であることがより好ましい。導電性高分子分散液のpHが10を超えると、導電性高分子分散液の保存安定性が極端に低下する。一方、導電性高分子分散液のpH(25℃)は、3以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。すなわち、導電性高分子分散液のpH(25℃)は、3〜10であることが好ましく、5〜9であることがより好ましい。
(バインダ樹脂、添加剤)
導電性高分子分散液は、公知のバインダ樹脂や添加剤等を含有してもよい。なお、バインダ樹脂及び添加剤は、前記π共役系導電性高分子、前記ポリアニオン、前記置換基含有芳香族化合物、前記分散媒、前記アルカリ性化合物以外の化合物である。
バインダ樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、酢酸ビニル樹脂などが用いられる。導電性高分子分散液がバインダ樹脂を含有すれば、導電性塗膜の膜強度を向上させることができる。
また、バインダ樹脂の代わりに、導電性塗膜形成時に重合し、硬化する硬化性化合物(例えば、ビニル系化合物、エポキシ系化合物、オキセタン系化合物)を用いてもよい。硬化性化合物は熱重合性でもよいし、光重合性でもよい。光重合性とする場合には、光重合開始剤を含有させてもよい。
添加剤としては本発明の効果を有する限り特に制限されず、例えば、界面活性剤、無機導電剤、消泡剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを使用できる。
界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤が挙げられるが、保存安定性の面からノニオン系が好ましい。
無機導電剤としては、金属イオン類、導電性カーボン等が挙げられる。なお、金属イオンは、金属塩を水に溶解させることにより生成させることができる。
消泡剤としては、シリコーン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、糖類、ビタミン類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキサニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
(導電性向上剤)
また、導電性高分子分散液は、得られる導電性塗膜の導電性をより向上させるために、導電性向上剤を含んでもよい。
具体的に、導電性向上剤は、窒素含有芳香族性環式化合物、2個以上のヒドロキシ基を有する化合物、2個以上のカルボキシ基を有する化合物、1個以上のヒドロキシ基および1個以上のカルボキシ基を有する化合物、アミド基を有する化合物、イミド基を有する化合物、ラクタム化合物、グリシジル基を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である。
これら化合物の具体例は、例えば、特開2010−87401号公報に記載されている。ただし、導電性向上剤は、前記π共役系導電性高分子、前記ポリアニオン、前記置換基含有芳香族化合物、前記分散媒、前記アルカリ性化合物、前記バインダ樹脂及び前記添加剤以外の化合物である。
好ましい導電性向上剤としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール等の極性溶剤、糖、糖誘導体などが挙げられる。前記導電性向上剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電性向上剤の中でも、導電性フィルムの外観悪化を招くことなく、導電性を向上できる点では、ジメチルスルホキシドが好ましい。
導電性向上剤の添加量は導電性複合体質量に対して1〜1000倍量であることが好ましく、2〜100倍量であることがより好ましい。導電性向上剤の添加量が前記下限値以上であれば、導電性向上剤添加による導電性向上効果が充分に発揮され、前記上限値以下であれば、π共役系導電性高分子濃度の低下に起因する導電性の低下を防止できる。
<導電性フィルム>
本発明の導電性フィルムは、フィルム基材と、該フィルム基材の少なくとも一方の面に上記導電性高分子分散液が塗工されて形成された導電性塗膜とを備える。
導電性塗膜は、少なくとも、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、置換基含有芳香族化合物とを含有する。導電性高分子分散液にバインダ樹脂又は硬化性化合物を添加した場合には、導電性塗膜はバインダ樹脂をさらに含有し、導電性高分子分散液に添加剤を添加した場合には、導電性塗膜は添加剤をさらに含有する。
導電性塗膜の厚み(平均値)は、0.001〜10μmであることが好ましく、0.001〜5μmであることがより好ましく、0.001〜3μmがさらに好ましく、用途に応じて適宜選択される。
導電性塗膜の、形成直後(1時間後)の表面抵抗値は1×10Ω/□以下であることが好ましい。導電性塗膜の、形成から1週間経過後の表面抵抗値は5×10Ω/□以下であることが好ましい。表面抵抗値は、JIS K6911に従って測定した値である。
フィルム基材としては、プラスチックフィルムを用いることができる。
プラスチックフィルムを構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアリレート、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。これらの樹脂材料の中でも、透明性、可撓性、汚染防止性及び強度等の点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
プラスチックフィルムは未延伸のフィルムでもよいし、一軸延伸のフィルムでもよいし、二軸延伸のフィルムでもよい。機械的物性に優れる点では、プラスチックフィルムは二軸延伸のフィルムが好ましい。
フィルム基材の平均厚みとしては、10〜500μmであることが好ましく、20〜200μmであることがより好ましい。フィルム基材の平均厚みが前記下限値以上であれば、破断しにくくなり、前記上限値以下であれば、フィルムとして充分な可撓性を確保できる。
導電性高分子分散液をフィルム基材に塗工する方法としては、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等のコーターを用いた塗工方法、エアスプレー、エアレススプレー、ローターダンプニング等の噴霧器を用いた噴霧方式、ディップ等の浸漬方法等を適用することができる。
導電性高分子分散液の塗工後には、乾燥させることが好ましい。
乾燥法としては、例えば、熱風加熱による乾燥法や、赤外線加熱による乾燥法などの通常の方法を採用できる。
(作用効果)
本発明の導電性高分子分散液から形成される導電性塗膜は、酸化防止効果を有する置換基含有芳香族化合物を含むため、酸化防止性が高く、空気中に長期間晒されても劣化しにくく、長期にわたって導電性を維持できる。
(製造例1)
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を12時間攪拌した。
得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、限外ろ過法によりポリスチレンスルホン酸含有溶液の約1000ml溶液を除去し、残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。上記の限外ろ過操作を3回繰り返した。さらに、得られたろ液に約2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸を得た。
得られたポリスチレンスルホン酸について、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システムを用い、昭和電工製プルランを標準物質として質量平均分子量を測定したところ、30万であった。
(製造例2)
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、36.7gのポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合させた。
これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、得られた溶液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水とを加え、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去し、これに2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた溶液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去した。この操作を5回繰り返し、1.2質量%のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)水分散液(PEDOT−PSS水分散液)を得た。
(実施例1)
製造例2で得たPEDOT−PSS水分散液10gに対し、置換基含有芳香族化合物である3’−ヒドロキシアセトアニリドを0.06g添加し、攪拌した後、エタノール90gを添加し、混合して導電性高分子分散液を調製した。
次いで、得られた導電性高分子分散液を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の一方の面に、No.4のバーコーターを用いて塗工し、120℃で1分間加熱して乾燥させた。これにより、PETフィルムの一方の面に導電性塗膜が形成された導電性フィルムを得た。
(実施例2)
3’−ヒドロキシアセトアニリドの代わりに4’−ヒドロキシアセトアニリドをPEDOT−PSS水分散液に添加した以外は実施例1と同様にして導電性高分子分散液を調製し、その導電性高分子分散液を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(実施例3)
3’−ヒドロキシアセトアニリドの代わりに4−ヒドロキシベンズアミドをPEDOT−PSS水分散液に添加した以外は実施例1と同様にして導電性高分子分散液を調製し、その導電性高分子分散液を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(実施例4)
3’−ヒドロキシアセトアニリドの代わりに2,4−ジヒドロキシベンズアミドをPEDOT−PSS水分散液に添加した以外は実施例1と同様にして導電性高分子分散液を調製し、その導電性高分子分散液を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(実施例5)
3’−ヒドロキシアセトアニリドの代わりに4−ヒドロキシフェニルアセトアミドをPEDOT−PSS水分散液に添加した以外は実施例1と同様にして導電性高分子分散液を調製し、その導電性高分子分散液を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(実施例6)
PEDOT−PSS水分散液10gに対し、3’−ヒドロキシアセトアニリド0.06gの代わりに4’−ヒドロキシアセトアミド0.03gを添加した以外は実施例1と同様にして導電性高分子分散液を調製し、その導電性高分子分散液を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(実施例7)
4’−ヒドロキシアセトアニリドの添加量を0.1gに変更した以外は実施例6と同様にして導電性高分子分散液を調製し、その導電性高分子分散液を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(実施例8)
4’−ヒドロキシアセトアニリドの添加量を0.15gに変更した以外は実施例6と同様にして導電性高分子分散液を調製し、その導電性高分子分散液を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(実施例9)
4’−ヒドロキシアセトアニリドの添加量を0.30gに変更した以外は実施例6と同様にして導電性高分子分散液を調製し、その導電性高分子分散液を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(実施例10)
4’−ヒドロキシアセトアニリドの添加量を0.05gに変更した以外は実施例6と同様にして導電性高分子分散液を調製し、その導電性高分子分散液を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(実施例11)
4’−ヒドロキシアセトアニリドの添加量を0.01gに変更した以外は実施例6と同様にして導電性高分子分散液を調製し、その導電性高分子分散液を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(比較例1)
3’−ヒドロキシアセトアニリド0.06gをPEDOT−PSS水分散液に添加しなかった以外は実施例1と同様にして導電性高分子分散液を調製し、その導電性高分子分散液を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(比較例2)
3’−ヒドロキシアセトアニリドの代わりにベンズアミドをPEDOT−PSS水分散液に添加した以外は実施例1と同様にして導電性高分子分散液を調製し、その導電性高分子分散液を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(比較例3)
3’−ヒドロキシアセトアニリドの代わりに4−ヒドロキシアセトフェノンをPEDOT−PSS水分散液に添加した以外は実施例1と同様にして導電性高分子分散液を調製し、その導電性高分子分散液を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
(比較例4)
3’−ヒドロキシアセトアニリドの代わりにヒドロキシエチルアクリルアミドをPEDOT−PSS水分散液に添加した以外は実施例1と同様にして導電性高分子分散液を調製し、その導電性高分子分散液を用いた以外は実施例1と同様にして導電性フィルムを得た。
<評価>
各例の導電性フィルムの導電性塗膜の、形成から1時間経過後の初期表面抵抗値を、抵抗率計(三菱化学社製ロレスタ)を用い、印加電圧10Vで測定した。測定結果を表1に示す。
その後、導電性フィルムを、温度25℃、相対湿度50%に保った恒温恒湿室中に1週間放置した。恒温恒湿室内での放置が1日経過した後の表面抵抗値と、1週間経過した後の表面抵抗値を測定した。測定結果を表1に示す。
また、表1には、形成から1日経過後の表面抵抗値B/初期表面抵抗値Aの値(B/A)、形成から1週間経過後の表面抵抗値C/初期表面抵抗値Aの値(C/A)も示す。(B/A)及び(C/A)が小さい程、空気中での経時的な導電性の低下が抑制されている。
Figure 2016199705
式(1)〜(4)のいずれかで表される置換基含有芳香族化合物を含む実施例1〜11(特に実施例1〜9)の導電性高分子分散液より形成した導電性塗膜は、(B/A)及び(C/A)が小さく、空気中での経時的な導電性の低下が抑制されていた。
式(1)〜(4)のいずれかで表される置換基含有芳香族化合物を含まない比較例1〜4の導電性高分子分散液より形成した導電性塗膜は、(B/A)及び(C/A)が大きく、空気中で、時間の経過と共に導電性が大きく低下した。
本発明の導電性フィルムは、例えば、帯電防止フィルム、タッチスクリーンの透明電極、有機エレクトロルミネッセンスの透明電極等に使用できる。

Claims (6)

  1. π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、置換基含有芳香族化合物と、前記導電性複合体を分散させる分散媒とを含み、
    前記置換基含有芳香族化合物は、芳香環の水素原子の少なくとも1つが、アミド結合を有する置換基に置換されていると共に、前記芳香環の残りの水素原子の少なくとも1つが、ヒドロキシ基に置換されている、導電性高分子分散液。
  2. 前記置換基含有芳香族化合物が、下記式(1)で表される化合物、下記式(2)で表される化合物、下記式(3)で表される化合物、及び下記式(4)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の導電性高分子分散液。
    Figure 2016199705
    (式(1)におけるkは1〜5の整数であり、Rはアルキレン基、Rは水素原子又はアルキル基である。式(2)におけるlは1〜5の整数であり、Rは水素原子又はアルキル基である。式(3)におけるmは1〜5の整数であり、Rはアルキレン基、Rは水素原子又はアルキル基である。式(4)におけるnは1〜5の整数であり、Rは水素原子又はアルキル基である。)
  3. 前記置換基含有芳香族化合物が、25℃の水100gに対して0.5g以上溶解する溶解度を有する、請求項1又は2に記載の導電性高分子分散液。
  4. 前記置換基含有芳香族化合物が、4−ヒドロキシフェニルアセトアミド、4−ヒドロキシベンズアミド、ジヒドロキシベンズアミド、4’−ヒドロキシアセトアニリド、3’−ヒドロキシアセトアニリドよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液。
  5. 前記π共役系導電性高分子が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)であり、前記ポリアニオンが、ポリスチレンスルホン酸である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液。
  6. フィルム基材と、該フィルム基材の少なくとも一方の面に、請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電性高分子分散液が塗工されて形成された導電性塗膜とを備える、導電性フィルム。
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