JP2016199437A - 酸化亜鉛粉体、分散液、塗料、化粧料 - Google Patents

酸化亜鉛粉体、分散液、塗料、化粧料 Download PDF

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Abstract

【課題】固形分濃度が高い状態で分散媒に分散が可能な酸化亜鉛粉体、並びに、酸化亜鉛粉体を含む分散液、塗料及び化粧料を提供する。
【解決手段】本発明の酸化亜鉛粉体は、比表面積が1.5m/g以上かつ8.0m/g未満、導電率が150μS/cm以下、及び、嵩比容積が0.5mL/g以上かつ6mL/g以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸化亜鉛粉体、分散液、塗料及び化粧料に関する。
酸化亜鉛は、紫外線遮蔽機能やガス透過抑制機能等を有し、かつ透明性も高いため、紫外線遮蔽フィルム、紫外線遮蔽ガラス、化粧料やガスバリアフィルム等、透明性が必要な用途に使用される。
透明性を得るための方法の1つとしては、酸化亜鉛粒子の一次粒子径を小さくすることが挙げられる。酸化亜鉛微粒子の製造方法については、熱分解法や気相法等の種々の方法が検討されている(例えば、特許文献1〜7参照)。
特開昭57−205319号公報 特開昭60−255620号公報 特開昭63−288913号公報 特開昭63−288914号公報 特開平3−199121号公報 特開平7−232919号公報 特開2002−201382号公報
酸化亜鉛微粒子は、透明性が高いが、微粒子であるために表面エネルギーが高く、この粉体を化粧料等の最終製品に直接配合することは難しい。また、酸化亜鉛微粒子は、一次粒子径が小さくても、配合の仕方によっては粒子同士が凝集してしまい、高透明性を維持することができない。そこで、粒子同士が凝集することを防止するために、一般的に、分散媒に酸化亜鉛粉体を分散させて分散液とし、その分散液と、他の成分とを混合する手法が用いられている。
酸化亜鉛粉体を含む分散液(以下、「酸化亜鉛分散液」と言うこともある。)は、酸化亜鉛粉体の含有量が多いほど、すなわち、固形分濃度が高いことが好ましい。その理由は、次の通りである。例えば、酸化亜鉛が有する紫外線遮蔽能を向上させる場合には、酸化亜鉛分散液中の酸化亜鉛粉体の含有量を多くする必要がある。ここで、酸化亜鉛粉体の含有量が少なく、固形分濃度が低いと、固形分濃度が高い場合に比べて、分散媒の配合量が多くなるため、他の成分の含有量が減り、処方の自由度が低く、付与できる機能も少ない。
しかし、酸化亜鉛分散液における酸化亜鉛粉体の含有量が多くなるに伴って、酸化亜鉛分散液は、流動性が低くなり、ミキサーやミル等で撹拌することができなくなる。そのため、固形分濃度が高く、均一な酸化亜鉛分散液が得られないという課題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、固形分濃度が高い状態で分散媒に分散が可能な酸化亜鉛粉体、並びに、酸化亜鉛粉体を含む分散液、塗料及び化粧料を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の酸化亜鉛粉体は、比表面積が1.5m/g以上かつ8.0m/g未満、導電率が150μS/cm以下、及び、嵩比容積が0.5mL/g以上かつ6mL/g以下であることを特徴とする。
本発明の分散液は、本発明の酸化亜鉛粉体と、分散媒と、を含有してなり、前記酸化亜鉛粉体の含有量が、50質量%以上かつ90質量%以下であることを特徴とする。
本発明の塗料は、本発明の酸化亜鉛粉体と、樹脂と、分散媒と、を含有してなり、前記酸化亜鉛粉体の含有量が、10質量%以上かつ40質量%以下であることを特徴とする。
本発明の化粧料は、本発明の酸化亜鉛粉体及び本発明の分散液からなる群から選択される少なくとも1種を含有してなることを特徴とする。
本発明の酸化亜鉛粉体によれば、比表面積が1.5m/g以上かつ8.0m/g未満、導電率が150μS/cm以下、及び、嵩比容積が0.5mL/g以上かつ6mL/g以下であるため、固形分が高く、均一な酸化亜鉛粉体を含む分散液を提供することができる。
本発明の分散液によれば、本発明の酸化亜鉛粉体と、分散媒と、を含有してなり、前記酸化亜鉛粉体の含有量が、50質量%以上かつ90質量%以下であるため、他の成分と混合する場合、酸化亜鉛の所望の効果を得るために添加する分散媒の量を減らすことができる。
本発明の塗料によれば、本発明の酸化亜鉛粉体と、樹脂と、分散媒と、を含有してなり、前記酸化亜鉛粉体の含有量が、10質量%以上かつ40質量%以下であるため、固形分(酸化亜鉛粉体)を高濃度に含むとともに、酸化亜鉛粉体を均一に分散した塗料を得ることができる。
本発明の化粧料によれば、本発明の酸化亜鉛粉体及び本発明の分散液からなる群から選択される少なくとも1種を含有してなるため、他の成分を配合する処方の自由度を向上することができる。
本発明の酸化亜鉛粉体、分散液、塗料及び化粧料の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[酸化亜鉛粉体]
本実施形態の酸化亜鉛粉体は、比表面積が1.5m/g以上かつ8.0m/g未満、導電率が150μS/cm以下、及び、嵩比容積が0.5mL/g以上かつ6mL/g以下である。
本実施形態の酸化亜鉛粉体における比表面積とは、全自動比表面積測定装置(商品名:Macsorb HM Model−1201、マウンテック社製)を用い、BET法により測定された値を意味する。
本実施形態の酸化亜鉛粉体における導電率とは、次の方法により測定された値を意味する。
酸化亜鉛粉体10gと、純水75gとを混合し、この混合液をホットプレート上で10分間煮沸する。次いで、混合液を室温まで放冷した後、酸化亜鉛粉体と純水の合計量が85gになるように、混合液に純水を加える。次いで、遠心分離により、混合液を固液分離し、上澄み液の導電率を導電率計(商品名:ES−12、堀場製作所社製)により測定された値を意味する。
本実施形態の酸化亜鉛粉体における嵩比容積とは、JIS K5101−12−1(顔料試験方法−第12部:見掛け密度又は見掛け比容−第1節:静置法)に準じて測定された値を意味する。
本実施形態の酸化亜鉛粉体における比表面積は1.5m/g以上かつ8.0m/g未満であり、2.0m/g以上かつ7.5m/g以下であることが好ましく、3.0m/g以上かつ7.0m/g以下であることがより好ましい。
酸化亜鉛粉体の比表面積を上記の範囲内に調整することにより、分散媒に、酸化亜鉛粉体を高濃度で分散させることができ、かつ、この酸化亜鉛粉体を含有する分散液、塗料、化粧料等の透明性を維持することができる。
また、比表面積が上記の範囲内である酸化亜鉛粉体は、ナチュラルオイルと併用することができるため好ましい。
ここで、ナチュラルオイルは、自然由来のオイル成分であって、化粧料として使用できるものであれば特に限定されない。ナチュラルオイルは、植物由来であってもよく、動物由来であってもよい。このようなナチュラルオイルとしては、例えば、オレイン酸、ホホバ油、オリーブ油、ココナッツオイル、グレープシード油、ヒマシ油、米ぬか油、馬油、ミンク油、スクワラン等が挙げられる。
また、比表面積が上記の範囲内である酸化亜鉛粉体は、臨界波長が370nm以上となり、長波長紫外線(UVA)及び短波長紫外線(UVB)の広範囲の紫外線を遮蔽できるため好ましい。
比表面積が1.5m/g未満では、酸化亜鉛粉体が高濃度で含有された場合に、分散液の透明性が著しく低下するため好ましくない。一方、比表面積が8.0m/g以上であると、酸化亜鉛粉体が高濃度で含有された場合に、分散液の粘度が上昇しやすくなり、均一で流動性の高い分散液が得られ難くなるため好ましくない。
酸化亜鉛粉体の比表面積を上記の範囲内に調整する方法としては、特に限定されないが、例えば、BET比表面積から換算した平均一次粒子径を、好ましくは135nmを超えかつ715nm以下、より好ましくは140nm以上かつ535nm以下、さらに好ましくは150nm以上かつ360nm以下に調整する方法が挙げられる。一般的に、一次粒子径が大きくなれば比表面積は小さくなり、一次粒子径が小さくなれば比表面積は大きくなる。
また、粒子形状を調整したり、粒子に細孔を設けたりすることによっても、酸化亜鉛粉体の比表面積を調整することができる。
本実施形態の酸化亜鉛粉体における導電率は、150μS/cm以下であり、100μS/cm以下であることが好ましく、50μS/cm以下であることがより好ましく、30μS/cm以下であることがさらに好ましく、10μS/cm以下であることが最も好ましい。また、本実施形態の酸化亜鉛粉体における導電率の下限値は、0μS/cmである。
酸化亜鉛粉体の導電率を150μS/cm以下とすることにより、分散媒に、酸化亜鉛粉体を高濃度、かつ均一に分散させることができる。
ここで、導電率が150μS/cmを超えると、酸化亜鉛粉体が高濃度で含有されているため、酸化亜鉛粉体由来のイオン成分が分散液の電荷バランスに与える影響が大きくなり、分散安定性が低下するため好ましくない。また、分散剤を用いた場合であっても、酸化亜鉛粉体が高濃度で含有されているため、酸化亜鉛粉体由来のイオン成分が分散剤に吸着して分散効果を阻害する効果が大きくなり、分散安定性が低下するため好ましくない。
酸化亜鉛粉体の導電率を上記の範囲内に調整する方法としては、例えば、酸化亜鉛粉体における不純物の含有量を減らす方法が挙げられる。そのため、酸化亜鉛粉体を作製する場合に、純度の高い原料を用いたり、作製工程の加熱分解温度を適宜調整したり、作製工程中の不純物の混入を防止したり、作製工程の過程で適宜洗浄工程を設けたりすること等により、導電率の低い酸化亜鉛粉体を得ることができる。
本実施形態の酸化亜鉛粉体における嵩比容積は、0.5mL/g以上かつ6mL/g以下であり、1mL/g以上かつ5mL/g以下であることが好ましく、2mL/g以上かつ4mL/g以下であることがより好ましい。
酸化亜鉛粉体の嵩比容積を上記の範囲内にすることにより、分散媒に、酸化亜鉛粉体を高濃度、かつ均一に分散させることができる。
嵩比容積が0.5mL/g未満では、酸化亜鉛粉体が高濃度で含有された場合に、分散液の透明性が低下するため好ましくない。一方、嵩比容積が6mL/gを超えると、酸化亜鉛粉体が高濃度で含有された場合に、分散液の粘度が上昇しやすくなり、均一で流動性の高い分散液が得られ難くなるため好ましくない。
酸化亜鉛粉体の嵩比容積を上記の範囲内に制御する方法としては、特に限定されない。例えば、特許文献2に記載されているような熱分解法で酸化亜鉛粉体を作製する場合、原料となるシュウ酸亜鉛、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛等の嵩比容積を調整したり、熱分解温度を調整したりすること等により、酸化亜鉛粉体の嵩比容積を上記の範囲内に制御することができる。
例えば、特許文献4に記載されているような気相法で酸化亜鉛を作製する場合、作製過程における温度を適宜調整することにより、酸化亜鉛粉体の嵩比容積を上記の範囲内に制御することができる。
また、本実施形態の酸化亜鉛粉体は、水に可溶な物質(以下、「水可溶物」と言う。)の含有量が少ないことが好ましく、酸化亜鉛粉体における水可溶物の含有量が0.08質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以下であることがより好ましい。
酸化亜鉛粉体における水可溶物の含有量を上記の範囲内にすることにより、分散液中の酸化亜鉛粉体由来の水可溶物が分散液の安定性を阻害し難くなるため、酸化亜鉛が高濃度で分散されていても分散液の安定性を保つことができる。
本実施形態の酸化亜鉛粉体における水可溶物の含有量とは、次の方法により測定された値を意味する。なお、この測定方法は、医薬部外品原料規格2006(外原規)に記載されている「67.水可溶物試験法」に準ずる測定方法である。
酸化亜鉛粉体5gを秤量し、この酸化亜鉛粉体に純水70mLを加えて5分間煮沸する。次いで、酸化亜鉛粉体と純水の混合液を冷却した後、この混合液に純水を加えて100mLとし、さらに、混合し、ろ過する。次いで、初めのろ液10mLを除き、次のろ液40mLを採取し、この採取したろ液を水浴上で蒸発乾固し、次いで、105℃で1時間乾燥させて、乾燥残留物の質量を測定する。この乾燥残留物の質量を、最初に秤量した酸化亜鉛粉体の質量で割った値の百分率を、酸化亜鉛粉体における水可溶物の含有量とする。
本実施形態の酸化亜鉛粉体の一次粒子径の最大値は、900nm以下であることが好ましく、800nm以下であることがより好ましく、600nm以下であることがさらに好ましく、400nm以下であることが最も好ましい。
一次粒子径が900nmを超える酸化亜鉛が含まれている場合、この酸化亜鉛粉体を用いて作製した化粧料を肌に塗布した際に、外観が白っぽくなってしまうため好ましくない。
本明細書における一次粒子径とは、走査型電子顕微鏡(SEM)で酸化亜鉛の一次粒子を150個選び、これらの一次粒子の中心点を通る複数の径のうち最大の径である長径を意味する。
本明細書中における一次粒子径の最大値とは、上記の方法で測定した150個の一次粒子径の中で最も大きい値を意味する。
本実施形態の酸化亜鉛粉体の製造方法は、特に限定されないが、上述の酸化亜鉛粉体の比表面積の調整方法、酸化亜鉛粉体の導電率の調整方法、酸化亜鉛粉体の嵩比容積の調整方法等を含み、酸化亜鉛粉体の用途に応じて、これらの調整方法を適宜実施する方法が挙げられる。本実施形態の酸化亜鉛粉体の製造方法としては、例えば、嵩比容積が0.5mL/g〜6mL/gである炭酸亜鉛を、300℃〜1000℃、好ましくは400℃〜800℃で熱分解及び焼結(粒成長)する方法が挙げられる。
[表面処理酸化亜鉛粉体]
本実施形態の酸化亜鉛粉体は、その表面の少なくとも一部が、無機成分及び有機成分の少なくとも一方で表面処理されていてもよい。このように無機成分及び有機成分の少なくとも一方で表面処理されている酸化亜鉛粉体を、表面処理酸化亜鉛粉体と言う。
無機成分と有機成分は、酸化亜鉛粉体の用途に応じて、適宜選択される。
本実施形態の表面処理酸化亜鉛粉体が化粧料に用いられる場合、無機成分及び有機成分としては、一般的に化粧料に用いられ表面処理剤であれば特に限定されない。
無機成分としては、例えば、シリカ、アルミナ等が挙げられる。
有機成分としては、例えば、シリコーン化合物、オルガノポリシロキサン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、脂肪酸エステル及び有機チタネート化合物からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
また、無機成分または有機成分としては、界面活性剤を用いてもよい。
このような無機成分及び有機成分の少なくとも一方で、酸化亜鉛粉体を表面処理した場合、酸化亜鉛の表面活性を抑制したり、酸化亜鉛の分散媒への分散性を向上したりすることができる。
表面処理に用いられるシリコーン化合物としては、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーンオイル; メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のアルキルシラン; トリフルオロメチルエチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン等のフルオロアルキルシラン、メチコン、ハイドロゲンジメチコン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、(アクリレーツ/アクリル酸トリデシル/メタクリル酸トリエトキシシリルプロピル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、トリエトキシカプリリルシラン等が挙げられる。これらのシリコーン化合物は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、シリコーン化合物としては、これらのシリコーン化合物の共重合体を用いてもよい。
脂肪酸としては、例えば、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ロジン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
脂肪酸石鹸としては、例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。
脂肪酸エステルとしては、例えば、デキストリン脂肪酸エステル、コレステロール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル等が挙げられる。
有機チタネート化合物としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(ドデシル)ベンゼンスルホニルチタネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシートリ(ジオクチル)ホスフェイトチタネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシートリネオドデカノイルチタネート等が挙げられる。
本実施形態の表面処理酸化亜鉛粉体が、紫外線遮蔽フィルムやガスバリア性フィルム等の工業用途で用いられる場合、化粧料に用いられる無機成分や有機成分の他に、アニオン系分散剤、カチオン系分散剤、ノニオン系分散剤、シランカップリング剤、湿潤分散剤等の分散剤等、粒子を分散させる際に使用される一般的な分散剤も適宜選択して用いることができる。
このような表面処理をした場合、酸化亜鉛の表面活性を抑制したり、酸化亜鉛の分散媒への分散性を向上したりすることができる。
本実施形態の表面処理酸化亜鉛粉体の製造方法は、特に限定されず、表面処理に用いる成分に応じて、公知の方法で適宜実施すればよい。
[分散液]
本実施形態の分散液は、本実施形態の酸化亜鉛粉体と、分散媒と、を含有してなり、酸化亜鉛粉体の含有量が、50質量%以上かつ90質量%以下である。
なお、本実施形態の分散液は、粘度が高いペースト状の分散体も含む。また、本実施形態の分散液は、酸化亜鉛粉体として、表面処理されていないもの、並びに、その表面の少なくとも一部が、無機成分及び有機成分の少なくとも一方で表面処理されているもの(表面処理酸化亜鉛粉体)の少なくともいずれか一方を含む。
本実施形態の分散液における酸化亜鉛粉体の含有量は、50質量%以上かつ90質量%以下であり、60質量%以上かつ80質量%以下であることが好ましく、64質量%以上かつ75質量%以下であることがより好ましい。
分散液における酸化亜鉛粉体の含有量が上記の範囲内であることにより、固形分(酸化亜鉛粉体)を高濃度に含むとともに、酸化亜鉛粉体を均一に分散した分散液を得ることができる。
なお、「均一」とは、分散液を目視で観察したとき、酸化亜鉛粉体の分離等がなく、一様に酸化亜鉛粉体が混合されている状態を意味する。
本実施形態の分散液の粘度は、5Pa・s以上かつ300Pa・s以下であることが好ましく、8Pa・s以上かつ100Pa・s以下であることがより好ましく、10Pa・s以上かつ80Pa・s以下であることがさらに好ましく、15Pa・s以上かつ60Pa・s以下であることが最も好ましい。
分散液の粘度が上記の範囲内であることにより、固形分(酸化亜鉛粉体)を高濃度に含んでいても、取り扱いが容易な分散液を得ることができる。
なお、本実施形態の分散液の粘度の好ましい範囲は、酸化亜鉛粉体として、表面処理されていないものを含む場合も、表面処理酸化亜鉛粉体を含む場合も同様である。
分散媒は、分散液の用途に応じて、適宜選択される。好適な分散媒を以下に例示するが、本実施形態における分散媒は、これらに限定されない。
分散媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、オクタノール、グリセリン等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類;が好適に用いられる。
これらの分散媒は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、他の分散媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサン等の環状炭化水素;ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン類;も好適に用いられる。
これらの分散媒は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、さらに他の分散媒としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン類;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン類;も好適に用いられる。
これらの分散媒は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、上記とはさらに異なる他の分散媒としては、流動パラフィン、スクワラン、イソパラフィン、分岐鎖状軽パラフィン、ワセリン、セレシン等の炭化水素油、イソプロピルミリステート、セチルイソオクタノエート、グリセリルトリオクタノエート等のエステル油、デカメチルシクロペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油、ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコールなどの高級アルコール等の疎水性の分散媒を用いてもよい。
これらの分散媒は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
以上述べた様々な種類の分散媒の例は、必要に応じて1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態の分散液は、その特性を損なわない範囲において、一般的に用いられる添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、分散剤、安定剤、水溶性バインダー、増粘剤、油溶性防腐剤、紫外線吸収剤、油溶性薬剤、油溶性色素類、油溶性蛋白質類、植物油、動物油等が挙げられる。
本実施形態の分散液の臨界波長(Critical Wavelength)は、370nm以上であることが好ましい。分散液の臨界波長が370nm以上であることにより、この分散液を含有する化粧料は、臨界波長が370nm以上となり、長波長紫外線(UVA)及び短波長紫外線(UVB)の広範囲の紫外線を遮蔽することができる。
なお、本実施形態の分散液の臨界波長の好ましい範囲は、酸化亜鉛粉体として、表面処理されていないものを含む場合も、表面処理酸化亜鉛粉体を含む場合も同様である。
本実施形態の分散液の製造方法は、特に限定されない。例えば、本実施形態の酸化亜鉛粉体と、分散媒とを、公知の分散装置で、機械的に分散する方法が挙げられる。
分散装置は必要に応じて選択でき、例えば、撹拌機、自公転式ミキサー、ホモミキサー、超音波ホモジナイザー、サンドミル、ボールミル、ロールミル等が挙げられる。
本実施形態の分散液は、化粧料の他、紫外線遮蔽機能やガス透過抑制機能等を有する塗料等に用いることができる。
[塗料]
本実施形態の塗料は、本実施形態の酸化亜鉛粉体と、樹脂と、分散媒と、を含有してなり、酸化亜鉛粉体の含有量が10質量%以上かつ40質量%以下である。
本実施形態の塗料における酸化亜鉛粉体の含有量は、10質量%以上かつ40質量%以下であり、15質量%以上かつ35質量%以下であることが好ましく、20質量%以上かつ30質量%以下であることがより好ましい。
塗料における酸化亜鉛粉体の含有量が上記の範囲内であることにより、固形分(酸化亜鉛粉体)を高濃度に含むとともに、酸化亜鉛粉体を均一に分散した塗料を得ることができる。
分散媒としては、工業用途で一般的に用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の有機溶媒が挙げられる。
これらの分散媒は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態の塗料における分散媒の含有量は、特に限定されず、目的とする塗料の特性に応じて適宜調整される。
樹脂としては、工業用途で一般的に用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態の塗料における樹脂の含有量は、特に限定されず、目的とする塗料の特性に応じて適宜調整される。
本実施形態の塗料は、その特性を損なわない範囲において、一般的に用いられる添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、重合開始剤、分散剤、防腐剤等が挙げられる。
本実施形態の塗料の製造方法は、特に限定されないが、例えば、本実施形態の酸化亜鉛粉体と、樹脂と、分散媒とを、公知の混合装置で、機械的に混合する方法が挙げられる。
また、上述した分散液と、樹脂とを、公知の混合装置で、機械的に混合する方法が挙げられる。
混合装置としては、例えば、撹拌機、自公転式ミキサー、ホモミキサー、超音波ホモジナイザー等が挙げられる。
本実施形態の塗料を、ロールコート法、フローコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、はけ塗り法、浸漬法等の通常の塗布方法により、例えば、ポリエステルフィルム等のプラスチック基材に塗布することにより、塗膜を形成することができる。これらの塗膜は、紫外線遮蔽膜やガスバリア膜として活用することができる。
[化粧料]
本実施形態の一実施形態の化粧料は、本実施形態の酸化亜鉛粉体及び本実施形態の分散液からなる群から選択される少なくとも1種を含有してなる。
別の一実施形態としては、基剤と、基剤に分散される、本実施形態の酸化亜鉛粉体及び本実施形態の分散液からなる群から選択される少なくとも1種と、を含有してなる。
本実施形態の化粧料は、例えば、本実施形態の分散液を、乳液、クリーム、ファンデーション、口紅、頬紅、アイシャドー等の基剤に、従来通りに配合することにより得られる。
また、本実施形態の酸化亜鉛粉体を油相または水相に配合して、O/W型またはW/O型のエマルションとしてから、基剤と配合してもよい。
以下、日焼け止め化粧料について具体的に説明する。
日焼け止め化粧料における酸化亜鉛粉体の含有率は、紫外線、特に長波長紫外線(UVA)を効果的に遮蔽するためには、1質量%以上かつ30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上かつ20質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上かつ15質量%以下であることがさらに好ましい。
日焼け止め化粧料は、必要に応じて、疎水性分散媒、酸化亜鉛粉体以外の無機微粒子や無機顔料、親水性分散媒、油脂、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、pH調整剤、栄養剤、酸化防止剤、香料等を含んでいてもよい。
疎水性分散媒としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、イソパラフィン、分岐鎖状軽パラフィン、ワセリン、セレシン等の炭化水素油、イソプロピルミリステート、セチルイソオクタノエート、グリセリルトリオクタノエート等のエステル油、デカメチルシクロペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油、ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。
酸化亜鉛粉体以外の無機微粒子や無機顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(アパタイト)、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、カオリン、タルク、酸化チタン、酸化アルミニウム、黄酸化鉄、γ−酸化鉄、チタン酸コバルト、コバルトバイオレット、酸化ケイ素等が挙げられる。
日焼け止め化粧料は、さらに有機系紫外線吸収剤を少なくとも1種含有していてもよい。
有機系紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、シリコーン系ケイ皮酸紫外線吸収剤、これら以外の有機系紫外線吸収剤等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール等が挙げられる。
ベンゾイルメタン系紫外線吸収剤としては、例えば、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、1−(4’−イソプロピルフェニル)−3−フェニルプロパン−1,3−ジオン、5−(3,3’−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等が挙げられる。
安息香酸系紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸 (PABA)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAメチルエステル等が挙げられる。
アントラニル酸系紫外線吸収剤としては、例えば、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等が挙げられる。
サリチル酸系紫外線吸収剤としては、例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−2−プロパノールフェニルサリシレート等が挙げられる。
ケイ皮酸系紫外線吸収剤としては、例えば、オクチルメトキシシンナメート、ジ−パラメトキシケイ皮酸−モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等が挙げられる。
シリコーン系ケイ皮酸紫外線吸収剤としては、例えば、[3−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル−1−メチルプロピル]−3,4,5−トリメトキシシンナメート、[3−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル−3−メチルプロピル]−3,4,5−トリメトキシシンナメート、[3−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルプロピル]−3,4,5−トリメトキシシンナメート、[3−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルブチル]−3,4,5−トリメトキシシンナメート、[3−トリス(トリメチルシロキシ)シリルブチル]−3,4,5−トリメトキシシンナメート、[3−トリス(トリメチルシロキシ)シリル−1−メチルプロピル]−3,4−ジメトキシシンナメート等が挙げられる。
上記以外の有機系紫外線吸収剤としては、例えば、3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、5−(3,3’−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、シリコーン変性紫外線吸収剤、フッ素変性紫外線吸収剤等が挙げられる。
本実施形態の化粧料の臨界波長(Critical Wavelength)は、370nm以上であることが好ましい。化粧料の臨界波長が370nm以上であることにより、長波長紫外線(UVA)及び短波長紫外線(UVB)の広範囲の紫外線を遮蔽することができる。
以上説明したように、本実施形態の酸化亜鉛粉体によれば、比表面積と、導電率と、嵩比容積とを所定の範囲に調整したため、この酸化亜鉛粉体を50質量%以上分散媒に分散させても、均一に分散させることができる。そして、分散媒に酸化亜鉛粉体が高濃度に含有されていても、均一に分散されているため、他の成分と混合した場合には、従来通りの高透明性の効果を得ることができる。
また、酸化亜鉛粉体が高濃度に分散された状態で、他の成分と混合することが可能になるため、他の成分を含有させる配合の自由度を向上することができる。
また、酸化亜鉛粉体における水可溶物の含有量が0.08質量%以下である場合には、より固形分濃度が高く、かつ均一な分散液を得ることができる。
本実施形態の表面処理酸化亜鉛粉体によれば、本実施形態の酸化亜鉛粉体の表面の少なくとも一部が、無機成分及び有機成分の少なくとも一方で表面処理されているため、酸化亜鉛の表面活性を抑制することができ、また、分散媒への分散性を向上することができる。そして、酸化亜鉛粉体が高濃度に含有されていても、均一に分散されているため、他の成分と混合した場合には、従来通りの高透明性の効果を得ることができる。
また、表面処理酸化亜鉛粉体が高濃度に分散された状態で、他の成分と混合することが可能になるため、他の成分を含有させる配合の自由度を向上することができる。
また、表面処理酸化亜鉛粉体における水可溶物の含有量が0.08質量%以下である場合には、より固形分濃度が高く、かつ均一な分散液を得ることができる。
本実施形態の分散液によれば、固形分濃度が高く、かつ均一な分散液であるため、他の成分と混合する場合、酸化亜鉛の所望の効果を得るために添加する分散媒の量を減らすことができる。
また、分散液の粘度が5Pa・s以上かつ300Pa・s以下である場合には、分散液の取り扱いが容易となる。
本実施形態の塗料によれば、固形分濃度が高く、かつ均一な分散液であるため、他の成分と混合する場合、酸化亜鉛の所望の効果を得るために添加する分散媒の量を減らすことができる。
本実施形態の化粧料によれば、酸化亜鉛粉体を高濃度に配合することができるため、他の成分を配合する処方の自由度が高まる。また、他の多くの成分を配合し易くなるため、多機能の化粧料を得ることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
「酸化亜鉛粉体の評価」
酸化亜鉛粉体(A1)(比表面積5.0m/g、導電率5μS/cm、嵩比容積2.0mL/g、水可溶物0.05質量%未満)を用いて次の評価を行った。
(オレイン酸混合試験)
オレイン酸20質量部と、イソプロピルアルコール80質量部とを混合し、20質量%オレイン酸イソプロピルアルコール溶液を調製した。この20質量%オレイン酸イソプロピルアルコール溶液50質量部に、酸化亜鉛粉体(A1)10質量部を加え、これらを撹拌した後、48時間静置して、酸化亜鉛とオレイン酸を含有するイソプロピルアルコール懸濁液を調製した。
調製完了から48時間後の懸濁液の流動性を目視にて観察し、観察結果を次の3段階で評価した。
○:低粘度の液状
△:ゲル状
×:固化
結果を表1に示す。
(酸化亜鉛粉体の一次粒子径)
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、酸化亜鉛粉体を撮影した。
次いで、酸化亜鉛の一次粒子を150個選び、これらの微粒子の中心点を通る複数の直径のうち最大直径を一次粒子径とした。
結果を表1に示す。
「酸化亜鉛含有分散液の作製」
シクロペンタシロキサンを28.5質量部と、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを6.5質量部と、酸化亜鉛粉体(A1)75質量部とを、ホモミキサーにより、5000rpmの撹拌回転数で10分間攪拌して分散させ、実施例1の分散液(B1)を調製した。
得られた分散液(B1)は、沈降物がなく、分散性が良好なペースト状の分散液であった。
「表面処理酸化亜鉛含有分散液の作製」
酸化亜鉛粉体(A1)98質量部と、メチルハイドロジェンポリシロキサン2質量部とを、室温(25℃)で、ヘンシェルミキサーにより、1000rpmの撹拌回転数で30分混合した。
次いで、温度を150℃に上昇させるとともに、撹拌回転数を2000rpmに上げて3時間撹拌し、実施例1の表面処理酸化亜鉛粉体(C1)を得た。
表面処理酸化亜鉛粉体(C1)78質量部と、シクロペンタシロキサン14.2質量部と、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン7.8質量部とを、ホモミキサーにより、5000rpmの撹拌回転数で10分間攪拌して分散させ、表面処理酸化亜鉛粉体(C1)を分散させた分散液(D1)を調製した。
得られた分散液(D1)は、沈降物がなく、分散性が良好なペースト状の分散液であった。
「水中油型日焼け止めクリーム」
分散液(D1)21.3質量部と、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル20.4質量部と、4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン4.1質量部と、スクワラン20.4質量部と、ワセリン10.2質量部と、ステアリルアルコール6.1質量部と、ステアリン酸6.1質量部と、グリセリルモノステアレート6.1質量部と、ポリアクリル酸エチル2.1質量部とを、70℃で混合し、油相成分とした。
精製水87.2質量部と、ジプロピレングリコール13.7質量部と、エデト酸二ナトリウム0.1質量部と、トリエタノールアミン2.0質量部とを混合し、水相成分とした。
この水相成分51質量部に、上記の油相成分49質量部を加え、ホモミキサーにより混合した後、冷却して、実施例1の水中油型日焼け止めクリーム(E1)を得た。
[評価]
「分散液(B1)と分散液(D1)の粘度の評価」
酸化亜鉛粉体(A1)を含有する分散液(B1)及び表面処理酸化亜鉛粉体(C1)を含有する分散液(D1)の粘度を、デジタル粘度計(商品名:DV−I+Viscometer、Brookfield社製)を用いて、25℃、20rpmの条件で測定した。結果を表2に示す。
「分散液(B1)のCritical Wavelength(臨界波長)の評価」
分散液(B1)を酸化亜鉛濃度が5質量%になるようにシクロペンタシロキサンで希釈した。
次いで、石英ガラス板上に、希釈した分散液(B1)を厚さが12μmとなるように塗布し、15分間自然乾燥させて、石英ガラス板上に塗膜を形成した。
この塗膜の紫外線領域における分光透過率を、SPFアナライザーUV−1000S(Labsphere社製)を用いて、6箇所測定し、分散液(B1)のCritical Wavelengthを算出した。これら6箇所のCritical Wavelength値の平均値を表2に示す。
「水中油型日焼け止めクリーム(E1)の紫外線遮蔽性の評価」
水中油型日焼け止めクリーム(E1)を石英ガラス板上に、塗布量が2mg/cmとなるように塗布し、15分間自然乾燥させて、石英ガラス板上に塗膜を形成した。この塗膜の紫外線領域における分光透過率を、SPFアナライザーUV−1000S(Labsphere社製)を用いて、6箇所測定し、SPF値及びCritical Wavelengthを算出した。これら6箇所のSPF値及びCritical Wavelengthの平均値を表2に示す。
「水中油型日焼け止めクリーム(E1)の透明感の評価」
水中油型日焼け止めクリーム(E1)を石英ガラス板上に、塗布量が2mg/cmとなるように塗布し、15分間自然乾燥させて、石英ガラス板上に塗膜を形成した。この塗膜の透明感を目視にて評価した。評価基準は、次の通りである。結果を表2に示す。
◎:透明感が非常に高い
○:透明感が高い
△:透明感が普通
×:透明感が低い
[実施例2]
酸化亜鉛粉体(A1)の代わりに、酸化亜鉛粉体(A2)(比表面積5.0m/g、導電率25μS/cm、嵩比容積1.9mL/g、水可溶物0.05質量%未満)を用いた以外は実施例1と全く同様にして、実施例2の酸化亜鉛粉体(A2)を含有する分散液(B2)、表面処理酸化亜鉛粉体(C2)、表面処理酸化亜鉛粉体(C2)を含有する分散液(D2)、水中油型日焼け止めクリーム(E2)を得た。
得られた分散液(B2)及び分散液(D2)は、沈降物がなく、分散性が良好なペースト状の分散液であった。
実施例1と同様にして、酸化亜鉛粉体(A2)、分散液(B2)、分散液(D2)及び水中油型日焼け止めクリーム(E2)を評価した。
実施例2の評価結果を表1および表2に示す。
[実施例3]
酸化亜鉛粉体(A1)の代わりに、酸化亜鉛粉体(A3)(比表面積5.0m/g、導電率80μS/cm、嵩比容積2.0mL/g、水可溶物0.05質量%未満)を用いた以外は実施例1と全く同様にして、実施例3の酸化亜鉛粉体(A3)を含有する分散液(B3)、表面処理酸化亜鉛粉体(C3)、表面処理酸化亜鉛粉体(C3)を含有する分散液(D3)、水中油型日焼け止めクリーム(E3)を得た。
得られた分散液(B3)及び分散液(D3)は、沈降物がなく、分散性が良好なペースト状の分散液であった。
実施例1と同様にして、酸化亜鉛粉体(A3)、分散液(B3)、分散液(D3)及び水中油型日焼け止めクリーム(E3)を評価した。
実施例3の評価結果を表1および表2に示す。
[実施例4]
酸化亜鉛粉体(A1)の代わりに、酸化亜鉛粉体(A4)(比表面積5.0m/g、導電率140μS/cm、嵩比容積2.1mL/g、水可溶物0.08質量%未満)を用いた以外は実施例1と全く同様にして、実施例4の酸化亜鉛粉体(A4)を含有する分散液(B4)、表面処理酸化亜鉛粉体(C4)、表面処理酸化亜鉛粉体(C4)を含有する分散液(D4)、水中油型日焼け止めクリーム(E4)を得た。
得られた分散液(B4)及び分散液(D4)は、沈降物がなく、分散性が良好なペースト状の分散液であった。
実施例1と同様にして、酸化亜鉛粉体(A4)、分散液(B4)、分散液(D4)及び水中油型日焼け止めクリーム(E4)を評価した。
実施例4の評価結果を表1および表2に示す。
[実施例5]
酸化亜鉛粉体(A1)の代わりに、酸化亜鉛粉体(A5)(比表面積2.0m/g、導電率5μS/cm、嵩比容積1.1mL/g、水可溶物0.05質量%未満)を用いた以外は実施例1と全く同様にして、実施例5の酸化亜鉛粉体(A5)を含有する分散液(B5)、表面処理酸化亜鉛粉体(C5)、表面処理酸化亜鉛粉体(C5)を含有する分散液(D5)、水中油型日焼け止めクリーム(E5)を得た。
得られた分散液(B5)及び分散液(D5)は、沈降物がなく、分散性が良好なペースト状の分散液であった。
実施例1と同様にして、酸化亜鉛粉体(A5)、分散液(B5)、分散液(D5)及び水中油型日焼け止めクリーム(E5)を評価した。
実施例5の評価結果を表1および表2に示す。
[実施例6]
酸化亜鉛粉体(A1)の代わりに、酸化亜鉛粉体(A6)(比表面積7.9m/g、導電率5μS/cm、嵩比容積4.2mL/g、水可溶物0.05質量%未満)を用いた以外は実施例1と全く同様にして、実施例6の酸化亜鉛粉体(A6)を含有する分散液(B6)、表面処理酸化亜鉛粉体(C6)、表面処理酸化亜鉛粉体(C6)を含有する分散液(D6)、水中油型日焼け止めクリーム(E6)を得た。
得られた分散液(B6)及び分散液(D6)は、沈降物がなく、分散性が良好なペースト状の分散液であった。
実施例1と同様にして、酸化亜鉛粉体(A6)、分散液(B6)、分散液(D6)及び水中油型日焼け止めクリーム(E6)を評価した。
実施例6の評価結果を表1および表2に示す。
[実施例7]
酸化亜鉛粉体(A1)の代わりに、酸化亜鉛粉体(A7)(比表面積2.0m/g、導電率5μS/cm、嵩比容積0.5mL/g、水可溶物0.05質量%未満)を用いた以外は実施例1と全く同様にして、実施例7の酸化亜鉛粉体(A7)を含有する分散液(B7)、表面処理酸化亜鉛粉体(C7)、表面処理酸化亜鉛粉体(C7)を含有する分散液(D7)、水中油型日焼け止めクリーム(E7)を得た。
得られた分散液(B7)及び分散液(D7)は、沈降物がなく、分散性が良好なペースト状の分散液であった。
実施例1と同様にして、酸化亜鉛粉体(A7)、分散液(B7)、分散液(D7)及び水中油型日焼け止めクリーム(E7)を評価した。
実施例7の評価結果を表1および表2に示す。
[実施例8]
酸化亜鉛粉体(A1)の代わりに、酸化亜鉛粉体(A8)(比表面積7.9m/g、導電率5μS/cm、嵩比容積6.0mL/g、水可溶物0.05質量%未満)を用いた以外は実施例1と全く同様にして、実施例8の酸化亜鉛粉体(A8)を含有する分散液(B8)、表面処理酸化亜鉛粉体(C8)、表面処理酸化亜鉛粉体(C8)を含有する分散液(D8)、水中油型日焼け止めクリーム(E8)を得た。
得られた分散液(B8)及び分散液(D8)は、沈降物がなく、分散性が良好なペースト状の分散液であった。
実施例1と同様にして、酸化亜鉛粉体(A8)、分散液(B8)、分散液(D8)及び水中油型日焼け止めクリーム(E8)を評価した。
実施例8の評価結果を表1および表2に示す。
[比較例1]
酸化亜鉛粉体(A1)の代わりに、酸化亜鉛粉体(A9)(比表面積5.0m/g、導電率200μS/cm、嵩比容積2.0mL/g、水可溶物0.10質量%未満、実施例の酸化亜鉛粉体よりも洗浄回数を減らして作製したもの)を用いた以外は実施例1と全く同様にして、比較例1の酸化亜鉛粉体(A9)を含有する分散液(B9)の作製を試みたが、酸化亜鉛粉体(A9)が分離してしまい、均一な分散液が得られなかった。
酸化亜鉛粉体(A1)の代わりに、酸化亜鉛粉体(A9)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の表面処理酸化亜鉛粉体(C9)を得た。表面処理酸化亜鉛粉体(C1)の代わりに表面処理酸化亜鉛粉体(C9)を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、表面処理酸化亜鉛粉体(C9)を含有する分散液(D9)の作製を試みたが、表面処理酸化亜鉛粉体(C9)が分離してしまい、均一な分散液(D9)が得られなかった。
そのため、日焼け止めクリーム(E9)を作製することができなかった。
実施例1と同様にして、酸化亜鉛粉体(A9)を評価した。
比較例1の評価結果を表3および表4に示す。
[参考例1]
なお、シクロペンタシロキサン55.5質量部と、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン4.0質量部と、酸化亜鉛粉体(A9)40質量部とを、ホモミキサーにより、5000rpmの撹拌回転数で10分間攪拌して分散させ、固形分濃度が低い分散液(B9−2)を調製した。
得られた固形分濃度が低い分散液(B9−2)は、沈降物がなく、分散性が良好な分散液であった。
分散液(B9−2)を用いて、実施例1と同様にして、Critical Wavelengthを測定した。
参考例1の評価結果を表3および表4に示す。
[比較例2]
酸化亜鉛粉体(A1)の代わりに、酸化亜鉛粉体(A10)(比表面積1.0m/g、導電率5μS/cm、嵩比容積0.7mL/g、水可溶物0.05質量%未満、実施例の酸化亜鉛粉体よりも平均一次粒子径が大きい酸化亜鉛粉体)を用いた以外は実施例1と全く同様にして、比較例2の酸化亜鉛粉体(A10)を含有する分散液(B10)、表面処理酸化亜鉛粉体(C10)、表面処理酸化亜鉛粉体(C10)を含有する分散液(D10)、水中油型日焼け止めクリーム(E10)を得た。
得られた分散液(B10)及び分散液(D10)は、沈降物がなく、分散性が良好なペースト状の分散液であった。
実施例1と同様にして、酸化亜鉛粉体(A10)、分散液(B10)、分散液(D10)及び水中油型日焼け止めクリーム(E10)を評価した。
水中油型日焼け止めクリーム(E10)は、実施例の日焼け止めクリームに比べてSPFが低く、皮膚に塗った際の透明感も劣り、白っぽい外観であった。
比較例2の評価結果を表3および表4に示す。
[比較例3]
酸化亜鉛粉体(A1)の代わりに、酸化亜鉛粉体(A11)(比表面積15.0m/g、導電率5μS/cm、嵩比容積4.5mL/g、水可溶物0.05質量%未満、実施例の酸化亜鉛粉体よりも平均一次粒子径が小さい酸化亜鉛粉体)を用いた以外は実施例1と全く同様にして、比較例3の酸化亜鉛粉体(A11)を含有する分散液(B11)の作製を試みたが、実施例1に比べて分散液の粘度が高くなって攪拌が不十分となり、酸化亜鉛粉体(A11)が分離してしまい、均一な分散液が得られなかった。
酸化亜鉛粉体(A1)の代わりに、酸化亜鉛粉体(A11)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3の表面処理酸化亜鉛粉体(C11)を得た。表面処理酸化亜鉛粉体(C1)の代わりに表面処理酸化亜鉛粉体(C11)を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、表面処理酸化亜鉛粉体(C11)を含有する分散液(D11)の作製を試みたが、実施例1に比べて分散液の粘度が高くなって攪拌が不十分となり、表面処理酸化亜鉛粉体(C11)が分離してしまい、均一な分散液が得られなかった。
そのため、日焼け止めクリーム(E11)を作製することができなかった。
実施例1と同様にして、酸化亜鉛粉体(A11)を評価した。
比較例3の評価結果を表3および表4に示す。
[参考例2]
なお、シクロペンタシロキサン55.5質量部と、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン4.0質量部と、酸化亜鉛粉体(A11)40質量部とを、ホモミキサーにより、5000rpmの撹拌回転数で10分間攪拌して分散させ、固形分濃度が低い分散液(B11−2)を調製した。
得られた固形分濃度が低い分散液(B11−2)は、沈降物がなく、分散性が良好な分散液であった。
分散液(B11−2)を用いて、実施例1と同様にしてCritical Wavelengthを測定した。
参考例2の評価結果を表3および表4に示す。
[比較例4]
酸化亜鉛粉体(A1)の代わりに、酸化亜鉛粉体(A12)(比表面積7.9m/g、導電率5μS/cm、嵩比容積8.0mL/g、水可溶物0.05質量%未満、実施例の酸化亜鉛粉体よりも嵩比容積が大きい酸化亜鉛粉体)を用いた以外は実施例1と全く同様にして、比較例4の酸化亜鉛粉体(A12)を含有する分散液(B12)の作製を試みたが、実施例1に比べて分散液の粘度が高くなって攪拌が不十分となり、酸化亜鉛粉体(A12)が分離してしまい、均一な分散液が得られなかった。
酸化亜鉛粉体(A1)の代わりに、酸化亜鉛粉体(A12)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例4の表面処理酸化亜鉛粉体(C12)を得た。表面処理酸化亜鉛粉体(C1)の代わりに表面処理酸化亜鉛粉体(C12)を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、表面処理酸化亜鉛粉体(C12)を含有する分散液(D12)の作製を試みたが、実施例1に比べて分散液の粘度が高くなって攪拌が不十分となり、表面処理酸化亜鉛粉体(C12)が分離してしまい、均一な分散液が得られなかった。
そのため、日焼け止めクリーム(E12)を作製することができなかった。
実施例1と同様にして、酸化亜鉛粉体(A12)を評価した。
比較例4の評価結果を表3および表4に示す。
[参考例3]
なお、シクロペンタシロキサン55.5質量部と、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン4.0質量部と、酸化亜鉛粉体(A12)40質量部とを、ホモミキサーにより、5000rpmの撹拌回転数で10分間攪拌して分散させ、固形分濃度が低い分散液(B12−2)を調製した。
得られた固形分濃度が低い分散液(B12−2)は、沈降物がなく、分散性が良好な分散液であった。
分散液(B12−2)を用いて、実施例1と同様にしてCritical Wavelengthを測定した。
参考例3の評価結果を表3および表4に示す。
Figure 2016199437
Figure 2016199437
Figure 2016199437
Figure 2016199437
表1および表2の結果から、実施例1〜実施例8のように、比表面積と、導電率と、嵩比容積とが所定の範囲内の酸化亜鉛粉体を用いることにより、透明性が高く、固形分濃度が高く、かつ均一な分散液が得られ、さらに、その分散液を含む日焼け止めクリームは紫外線遮蔽性に優れることが確認された。
一方、表3および表4の結果から、比較例1〜比較例4のように、比表面積と、導電率と、嵩比容積とが所定の範囲内でない酸化亜鉛粉体を用いると、均一な分散液が得られないことが確認された。
本発明の酸化亜鉛粉体は、分散媒に分散して分散液とした場合において、透明性が高く、固形分濃度が高く、かつ均一である。したがって、本発明の酸化亜鉛粉体は、分散液、塗料及び水系化粧料へ適用した場合の配合設計の自由度を向上させることができ、その工業的価値は大きい。

Claims (8)

  1. 比表面積が1.5m/g以上かつ8.0m/g未満、導電率が150μS/cm以下、及び、嵩比容積が0.5mL/g以上かつ6mL/g以下であることを特徴とする酸化亜鉛粉体。
  2. 水可溶物の含有量が0.08質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の酸化亜鉛粉体。
  3. 一次粒子径の最大値が900nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の酸化亜鉛粉体。
  4. 無機成分及び有機成分の少なくとも一方で表面処理されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化亜鉛粉体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸化亜鉛粉体と、分散媒と、を含有してなり、
    前記酸化亜鉛粉体の含有量が、50質量%以上かつ90質量%以下であることを特徴とする分散液。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸化亜鉛粉体と、樹脂と、分散媒と、を含有してなり、
    前記酸化亜鉛粉体の含有量が、10質量%以上かつ40質量%以下であることを特徴とする塗料。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸化亜鉛粉体及び請求項5に記載の分散液からなる群から選択される少なくとも1種を含有してなることを特徴とする化粧料。
  8. 臨界波長が370nm以上であることを特徴とする請求項7に記載の化粧料。
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