JP2016199093A - ピン付きゴムブッシュ及びその組立て分解方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軸部1と、軸部の外周側に配置され取付対象物4の貫通孔41に装着される外筒部2と、軸部と外筒部との間に嵌合され予圧縮された略筒状のゴム部3とを備えたピン付きゴムブッシュ10である。外筒部は、周方向で分割した複数個の外筒分割片21、22、23からなり、それぞれの外筒分割片の軸方向端部には、ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を受け止める棚部211、221、231が、当該外筒分割片の外周面212、222、232より内径側に形成されている。
【選択図】 図1
Description
図11に示すように、上記ピン付きゴムブッシュ100において、軸部101は、例えば、鉄道車両における台車等の取付部104にボルト等で締結され、外筒部102は、例えば、車軸を支持するオイルダンパ105の取付部106に装着されている。上記ピン付きゴムブッシュ100は、軸部101とゴム部103と外筒部102とが加硫接着により一体化されているので、鉄道車両の走行振動等に対して、安定した防振性能を発揮することができる。
(1)軸部と、前記軸部の外周側に配置され取付対象物の貫通孔に装着される外筒部と、前記軸部と前記外筒部との間に嵌合され予圧縮された略筒状のゴム部とを備えたピン付きゴムブッシュであって、
前記外筒部は、周方向で分割した複数個の外筒分割片からなり、それぞれの外筒分割片の軸方向端部には、前記ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を受け止める棚部が、当該外筒分割片の外周面より内径側に形成されていることを特徴とする。
また、ゴム部が寿命に達したときには、各外筒分割片の棚部に治具等を係止して、ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を作用させた状態で、外筒部を僅かに縮径させて軸部とゴム部と外筒部とを取付対象物の貫通孔から脱出させることができる。その後、各外筒分割片の棚部に係止した治具等を取り外して、ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を解除すれば、軸部とゴム部と外筒部とを分離して、ゴム部のみを簡単に交換することができる。この場合、軸部と外筒部とを再利用することができる。
よって、本発明によれば、軸部とゴム部と外筒部とを加硫接着することなく一体化し、ゴム部が寿命に達したときには、ゴム部のみを簡単に交換して軸部と外筒部とを再利用できるピン付きゴムブッシュを提供することができる。
前記外筒分割片の周方向端部には、隣接する外筒分割片同士を弾発可能に係合させる係合凸部と係合凹部とが形成されていることを特徴とする。
その結果、ゴム部が寿命に達したときには、ゴム部のみをより簡単に交換して、メンテナンスコストのより一層の低減を図ることができる。
前記ゴム部は、板状ゴムを径方向へ複数個積層して形成されていることを特徴とする。
その結果、ゴム部が寿命に達したときには、よりローコストでゴム部のみを交換して、メンテナンスコストのより一層の低減を図ることができる。
前記軸部には、外周側へ膨出する膨出部が形成され、前記外筒部と前記ゴム部との間には、前記ゴム部を前記膨出部に沿わせるように押圧する押圧部材を挿入したことを特徴とする。
その結果、ゴム部の性能向上及び外筒部の簡素化を図りつつ、ゴム部が寿命に達したときには、よりローコストでゴム部のみを交換して、メンテナンスコストのより一層の低減を図ることができる。
前記押圧部材は、板状ゴムを複数個積層して形成されていることを特徴とする。
その結果、押圧部材が寿命に達したときには、よりローコストで押圧部材のみを交換して、メンテナンスコストのより一層の低減を図ることができる。
前記外筒部の内周面には、前記押圧部材における板状ゴムの軸方向端縁を外方から規制する鍔付き筒状体を備えたことを特徴とする。
その結果、押圧部材の形状安定性を高めつつ、押圧部材が寿命に達したときには、よりローコストで押圧部材のみを交換して、メンテナンスコストのより一層の低減を図ることができる。
前記棚部に係止して前記ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を保持する保持治具を備え、当該保持治具によって前記外筒部を縮径させた状態に保持して、前記外筒部を前記取付対象物の貫通孔に着脱させることを特徴とする。
また、ゴム部が寿命に達したときには、各外筒分割片の棚部に保持治具を係止して、ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を作用させた状態で、外筒部を僅かに縮径させて軸部とゴム部と外筒部とを取付対象物の貫通孔から脱出させることができる。その後、各外筒分割片の棚部に係止した保持治具を取り外して、ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を解除することによって、軸部とゴム部と外筒部とを分離して、ゴム部のみを簡単に交換することができる。この場合、軸部と外筒部とを再利用することができる。
よって、本発明によれば、軸部とゴム部と外筒部とを加硫接着することなく一体化し、ゴム部が寿命に達したときには、ゴム部のみを簡単に交換して軸部と外筒部とを再利用できるピン付きゴムブッシュの組立て分解方法を提供することができる。
前記保持治具には、前記棚部に係止可能な爪部と、当該爪部と一体状に形成され前記軸部に締結可能に形成された基端部とを有する係止部材を備え、前記係止部材を前記軸部に締結した状態で、前記外筒部を前記取付対象物の貫通孔に挿脱させることを特徴とする。
その結果、軸部とゴム部と外筒部とを加硫接着することなく簡単に一体化し、ゴム部が寿命に達したときには、ゴム部のみをより一層簡単に交換して軸部と外筒部とを再利用できる。
まず、本実施形態に係るピン付きゴムブッシュの全体構成について、図1〜図3を用いて説明する。図1に、本発明の実施形態に係るピン付きゴムブッシュの断面図を示す。図2に、図1に示すA視正面図を示す。図3に、図2に示すB−B断面図を示す。図3(a)は、外筒部を縮径させた状態を示し、図3(b)は、外筒部を拡径させた状態を示す。
次に、本ピン付きゴムブッシュの変形例を、図4〜図7を用いて説明する。図4に、図1に示すピン付きゴムブッシュの第1変形例における断面図を示す。図5に、図4に示すC視正面図を示す。図6に、図1に示すピン付きゴムブッシュの第2変形例における断面図を示す。図7に、図6に示すD視正面図を示す。
図4、図5に示すように、第1変形例のピン付きゴムブッシュ10Bは、軸部1と、軸部1の外周側に配置され取付対象物4の貫通孔41に装着される外筒部2Bと、軸部1と外筒部2Bとの間に嵌合され予圧縮された略筒状のゴム部3Bとを備え、例えば、鉄道車両用オイルダンパ等に装着されている。第1変形例のピン付きゴムブッシュ10Bは、前述したピン付きゴムブッシュ10に対して、軸部1のみが共通し、外筒部2B及びゴム部3Bが相違する。ここでは、相違する外筒部2B及びゴム部3Bについて詳細に説明し、共通する軸部1については、同一の符号を付してその説明を割愛する。
図6、図7に示すように、第2変形例のピン付きゴムブッシュ10Cは、軸部1と、軸部1の外周側に配置され取付対象物4の貫通孔41に装着される外筒部2Cと、軸部1と外筒部2Cとの間に嵌合され予圧縮された略筒状のゴム部3Cとを備え、例えば、鉄道車両用オイルダンパ等に装着されている。第2変形例のピン付きゴムブッシュ10Cは、前述したピン付きゴムブッシュ10に対して、軸部1のみが共通し、外筒部2C及びゴム部3Cが相違する。ここでは、相違する外筒部2C及びゴム部3Cについて詳細に説明し、共通する軸部1については、同一の符号を付してその説明を割愛する。
次に、本ピン付きゴムブッシュの組立て分解方法を、図8〜図10を用いて説明する。図8に、図1に示すピン付きゴムブッシュにおいて、ゴム部を予圧縮させる加圧治具の正面図を示す。図9に、図1に示すピン付きゴムブッシュにおいて、ゴム部を予圧縮させた状態を保持する保持治具の断面図を示す。図10に、図9に示すE視正面図を示す。
図8に示すように、本ピン付きゴムブッシュを組み立てるときには、外筒部2(21、22、23)の外周面に、ゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重を作用させる加圧治具7を装着する。加圧治具7には、外筒部2(21、22、23)の外周面に沿って円弧状に形成された外筒当接部711と、外筒当接部711の両端部から水平状に延設された加圧部712とからなる一対の枠部材71を備えている。また、加圧治具7には、対向する加圧部712同士を近接させる方向へ押圧する押圧部材72を備えている。押圧部材72は、例えば、対向する加圧部712を貫通する締結ボルト721とナット722とから構成されている。加圧治具7の締結ボルト721とナット722とを締付けることによって、外筒部2(21、22、23)の外径を、取付対象物4の貫通孔41(図1を参照)より僅かに小さく縮径させる。
次に、図9、図10に示すように、ゴム部3が寿命に達したときには、軸部1の連結部12と取付対象物(例えば、台車など)8との連結を解除した上で、各外筒分割片21、22、23の棚部211、221、231に保持治具6の爪部611、621を係止して、締結ボルト63とナット64とを締付け、ゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重を作用させた状態で、外筒部2を僅かに縮径させて軸部1とゴム部3と外筒部2とを取付対象物4の貫通孔41から脱出させる。
以上、詳細に説明した本実施形態に係るピン付きゴムブッシュ10によれば、外筒部2は、周方向で分割した複数個の外筒分割片21、22、23からなり、それぞれの外筒分割片21、22、23の軸方向端部には、ゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重を受け止める棚部211、221、231が、当該外筒分割片の外周面212、222、232より内径側に形成されているので、各外筒分割片21、22、23の棚部211、221、231に保持治具6の爪部611、621を係止して、ゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重を作用させた状態で、外筒部2を取付対象物4の貫通孔41より僅かに小さく縮径させ、当該貫通孔41に外筒部2を挿入させることができる。また、外筒部2を取付対象物4の貫通孔41に挿入させた後、棚部211、221、231に係止した保持治具6の爪部611、621を取り外しても、取付対象物4の貫通孔41に挿入された外筒部2は、僅かに拡径するだけで、取付対象物4の貫通孔41に圧着され、ゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重は、略そのまま維持される。そのため、軸部1とゴム部3と外筒部2とを、加硫接着することなくゴム部を予圧縮した状態で一体化して、外筒部2を取付対象物4の貫通孔41に簡単に装着することができる。また、軸部1とゴム部3と外筒部2とを加硫接着する費用を、不要とすることができる。
その結果、押圧ゴム部34C(35C)が寿命に達したときには、よりローコストで押圧ゴム部のみを交換して、メンテナンスコストのより一層の低減を図ることができる。
また、例えば、本実施形態では、ピン付きゴムブッシュ10を鉄道車両用オイルダンパに装着したが、必ずしもこれに限る必要はなく、例えば、鉄道車両の各種リンクや軸はり等にも装着することができる。
2、2B、2C 外筒部
3、3B、3C ゴム部
4、8 取付対象物
5 係合凸部
6 保持治具
7 加圧治具
10、10B、10C ピン付きゴムブッシュ
11 膨出部
12 連結部
21、22、23 外筒分割片
24 鍔付き筒状体
41 貫通孔
53 係合凹部
61、62 係止部材
21B、22B、23B 外筒分割片
21C、22C、23C 外筒分割片
31B、32B、33B 板状ゴム
31C、32C、33C 板状ゴム
34B、35B 押圧ゴム部(押圧部材)
34C、35C 押圧ゴム部(押圧部材)
211、221、231 棚部
212、222、232 外周面
213、223、233 周方向端部
341C、342C、343C 板状ゴム
351C、352C、353C 板状ゴム
611、621 爪部
612、622 基端部
Claims (8)
- 軸部と、前記軸部の外周側に配置され取付対象物の貫通孔に装着される外筒部と、前記軸部と前記外筒部との間に嵌合され予圧縮された略筒状のゴム部とを備えたピン付きゴムブッシュであって、
前記外筒部は、周方向で分割した複数個の外筒分割片からなり、それぞれの外筒分割片の軸方向端部には、前記ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を受け止める棚部が、当該外筒分割片の外周面より内径側に形成されていることを特徴とするピン付きゴムブッシュ。 - 請求項1に記載されたピン付きゴムブッシュにおいて、
前記外筒分割片の周方向端部には、隣接する外筒分割片同士を弾発可能に係合させる係合凸部と係合凹部とが形成されていることを特徴とするピン付きゴムブッシュ。 - 請求項1又は請求項2に記載されたピン付きゴムブッシュにおいて、
前記ゴム部は、板状ゴムを径方向へ複数個積層して形成されていることを特徴とするピン付きゴムブッシュ。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載されたピン付きゴムブッシュにおいて、
前記軸部には、外周側へ膨出する膨出部が形成され、前記外筒部と前記ゴム部との間には、前記ゴム部を前記膨出部に沿わせるように押圧する押圧部材を挿入したことを特徴とするピン付きゴムブッシュ。 - 請求項4に記載されたピン付きゴムブッシュにおいて、
前記押圧部材は、板状ゴムを複数個積層して形成されていることを特徴とするピン付きゴムブッシュ。 - 請求項5に記載されたピン付きゴムブッシュにおいて、
前記外筒部の内周面には、前記押圧部材における板状ゴムの軸方向端縁を外方から規制する鍔付き筒状体を備えたことを特徴とするピン付きゴムブッシュ。 - 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載されたピン付きゴムブッシュの組立て分解方法であって、
前記棚部に係止して前記ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を保持する保持治具を備え、当該保持治具によって前記外筒部を縮径させた状態に保持して、前記外筒部を前記取付対象物の貫通孔に着脱させることを特徴とするピン付きゴムブッシュの組立て分解方法。 - 請求項7に記載されたピン付きゴムブッシュの組立て分解方法であって、
前記保持治具には、前記棚部に係止可能な爪部と、当該爪部と一体状に形成され前記軸部に締結可能に形成された基端部とを有する係止部材を備え、前記係止部材を前記軸部に締結した状態で、前記外筒部を前記取付対象物の貫通孔に挿脱させることを特徴とするピン付きゴムブッシュの組立て分解方法。
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