JP2016197317A - 紙幣計数装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】計数対象の紙幣Bを、計数動作中に常時、見ることができるようにする。
【解決手段】紙幣計数装置1は、紙幣Bがセットされるよう構成されたセット部2と、保持部4と、搬送部5と、識別部3と、を備える。セット部2及び保持部4は、セットされた紙幣B及び保持された紙幣Bの少なくとも一部を見ることができるよう構成される。搬送路51、52、53は、搬送路に沿って紙幣が搬送されている最中に、紙幣の少なくとも一部分を、常時、見ることができるように構成されている。
【選択図】図1

Description

ここに開示する技術は、紙幣計数装置に関する。
特許文献1には、紙幣の識別及び計数を行う紙幣計数装置が記載されている。この装置は、卓上型である。この紙幣計数装置は、筐体の上部に設けられかつ、計数対象の紙幣が置かれる取込部と、筐体内に配設されかつ、紙幣の識別を行う識別部と、識別後の紙幣が集積される集積部と、を備えている。
特開2013−250909号公報
ところで、前記特許文献1に記載されている紙幣計数装置では、取込部(紙幣をセットするセット部に相当)に置かれた紙幣は、一旦、筐体の内部に送り込まれ、その後に、筐体の外に開口する集積部(紙幣を保持する保持部に相当)に集積される。人は、取込部に置かれた紙幣を見ることができると共に、集積部に集積された紙幣も、見ることができる。ところが、取込部から集積部までの間は、人は、紙幣を見ることができない。
こうした紙幣計数装置は、例えば遊技場等の施設において、遊技場の担当者が客から手渡された紙幣の識別及び計数を行う際に利用することがある。紙幣計数装置を利用することによって、紙幣の計数を正確に行うことが可能になる。しかしながら、計数の際に、紙幣計数装置の内部に紙幣が一旦取り込まれて見えなくなると、客から手渡されて取込部に置いた紙幣と、筐体の内部を通過して集積部に集積された紙幣とが同じであることを、客に対し示すことが難しくなる。その結果、計数結果の信頼性が損なわれる。
ここに開示する技術はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、計数対象の紙幣を、計数動作中に常時、見ることができるようにすることにある。
ここに開示する技術は、紙幣の識別及び計数を行うように構成された紙幣計数装置に関する。この紙幣計数装置は、計数対象の前記紙幣がセットされるよう構成されたセット部と、前記セット部から繰り出された前記紙幣の識別及び計数を行うよう構成された識別部と、前記識別部が識別を行った後の前記紙幣を保持するよう構成された保持部と、前記セット部と前記保持部との間をつなぐ搬送路を有しかつ、前記セット部から繰り出された前記紙幣を一枚ずつ、前記識別部を通過させた後、前記保持部にまで搬送するよう構成された搬送部と、を備える。
そして、前記セット部は、当該セット部にセットされた前記紙幣の少なくとも一部分を見ることができるように構成され、前記保持部は、当該保持部に保持した前記紙幣の少なくとも一部分を見ることができるように構成され、前記搬送部は、前記搬送路に沿って前記紙幣が搬送されている最中に、前記紙幣の少なくとも一部分を、常時、見ることができるように構成されている。
この構成によると、紙幣は、セット部から搬送路に沿って搬送されて保持部に至る。紙幣がセット部から保持部に至るまでの間に、識別部は紙幣の識別及び計数を行う。
セット部は、セットされた紙幣の少なくとも一部分を見ることができるように構成されている。保持部も、保持している紙幣の少なくとも一部分を見ることができるように構成されている。
搬送部は、搬送中の紙幣の一部分を、常時、見ることができる構成されている。搬送中の紙幣も見ることができる。
従って、この紙幣計数装置は、紙幣がセット部から、識別部を経て、保持部に至るまでの間、常に、紙幣を見ることができるように構成されている。この紙幣計数装置は、人が紙幣を見ながら計数を行うため、計数結果の高い信頼性を確保することができる。
前記搬送路は、搬送される前記紙幣の表面及び裏面に相対するように配置されたガイドによって構成され、前記ガイド同士の間には、前記搬送路に沿って開口する開口部が設けられており、前記搬送部は、前記紙幣の一部分が前記開口部から外に飛び出した状態で、前記紙幣を前記搬送路に沿って搬送する、としてもよい。
こうすることで、搬送部は、ガイド同士の間に設けられた開口部から、紙幣の一部分が外に飛び出した状態で、紙幣を搬送路に沿って搬送するよう構成されている。人は、搬送中の紙幣を、常に見ることができる。
前記識別部は、前記紙幣が進入する入口部と、前記紙幣が退出する出口部とを有するトンネル状に構成され、前記識別部は、前記紙幣が通過をするときに、前記紙幣の搬送方向先側の一部分が前記出口部から出た状態で、前記紙幣の搬送方向後側の一部分が前記入口部に入る前の状態になる形状である、としてもよい。
この構成によると、識別部は、入口部から進入した紙幣が、出口部から退出するトンネル状に構成されている。識別部はまた、紙幣の搬送方向先側の一部分が出口部から出た状態で、紙幣の搬送方向後側の一部分が入口部に入る前の状態になる形状である。従って、紙幣が識別部を通過するときにも、紙幣の全体が識別部の内部に入って外から見えなくなることが回避される。人は、紙幣がセット部から識別部を経て保持部に至るまでの間、常に、その紙幣を見ることができる。
前記セット部は、少なくとも上向きに開放されていると共に、前記紙幣の長手の縁を下にして立てた状態に、前記紙幣をセットするように構成され、前記搬送路の開口部は上向きに開口していて、前記搬送部は、前記紙幣の上部が前記開口部から外に飛び出すように、前記紙幣を立てた状態で、長手搬送するように構成され、前記保持部は、少なくとも上向きに開放されていると共に、前記紙幣の長手の縁を下にして立てた状態に、前記紙幣を保持するように構成されている、としてもよい。
セット部は上向きに開放されているため、セット部に立てた状態でセットされた紙幣は、装置の上方から見ることができる。保持部も上向きに開放されているため、保持部に立てた状態で保持された紙幣も、装置の上方から見ることができる。また、搬送路に沿って搬送されている紙幣も、上向きに開口する開口部から、外に飛び出すように立てた状態であるため、装置の上方から見ることができる。こうして、紙幣計数装置が紙幣の計数を行う際に、人は、常に、紙幣を、装置の上方から見ることができる。
前記識別部は、前記紙幣の表面及び裏面の画像を取得する光学センサと、前記紙幣の厚みを検知する厚みセンサと、前記紙幣の磁気特性を検知する磁気センサと、を有し、前記光学センサは、立てた状態で長手搬送される前記紙幣の短手長さの全域に亘って延びて配設され、前記厚みセンサ及び前記磁気センサはそれぞれ、前記開口部よりも下側であって、前記紙幣において前記ガイドによって覆われる部分に対応する高さに配設されている、としてもよい。
こうすることで、光学センサは、紙幣の短手長さの全域に亘って延びて配設されるため、紙幣の表面全体の画像及び裏面全体の画像を取得することが可能になる。識別(例えば、真偽、正損、及び、金種の識別)に利用する情報を多くすることができ、識別の精度が向上する。また、識別を、多くの情報に基づいて速やかに行うことができ、識別に要する時間も短縮する。
一方、厚みセンサ及び磁気センサは、搬送路の開口部よりも下側であって、立てた状態の紙幣において、ガイドによって覆われる部分に対応する高さに配設されている。このため、厚みセンサ及び磁気センサは、紙幣において開口部から飛び出した部分の情報は取得することができない。しかしながら、紙幣の厚みを検出することによって、紙幣が二枚以上重なっていないか否かを判定するだけであれば、紙幣の一部分において厚みを検出すれば、正確な判定を行うことが可能である。また、磁気センサについても取得することができる情報量は少なくなるものの、前述の通り、この紙幣計数装置は、計数対象の紙幣を人が見ながら、計数を行うことが可能である。磁気センサによって取得することができる情報量が少なくなったとしても、磁気センサの取得する情報と人が視認する情報とで紙幣が識別できるので、この紙幣計数装置は、識別の精度が低くならず、高い信頼性を確保することが可能である。
前記光学センサ、前記厚みセンサ及び前記磁気センサは、前記紙幣の搬送方向に順に並んでいる、としてもよい。
こうすることで、識別部を、立てた状態で通過する紙幣について、表面及び裏面の画像、厚みの情報、及び磁気特性を、光学センサ、厚みセンサ及び磁気センサによって、順に取得することが可能になる。
前記セット部は、少なくとも上向きに開放されていると共に、前記紙幣の長手の縁を下にして立てた状態に、前記紙幣をセットするように構成され、前記搬送路の開口部は上向きに開口していて、前記搬送部は、前記紙幣の上部が前記開口部から外に飛び出すように、前記紙幣を立てた状態で、長手搬送するように構成され、前記保持部は、少なくとも上向きに開放されていると共に、前記紙幣の長手の縁を下にして立てた状態に、前記紙幣を保持するように構成され、前記識別部の前記入口部は、前記紙幣の搬送方向に対して上り勾配となるよう傾斜している、としてもよい。
こうすることで、紙幣の搬送方向先側の縁部が曲がっていたり、折れ気味であったりしたときでも、入口部が上り勾配となるように傾斜しているため、紙幣の搬送方向先側の縁部と、入口部とが徐々に交差しながら、紙幣が入口部に進入する。このことによって、紙幣の搬送方向先側の縁部の曲がりや折れを矯正することができる。識別部の入口部において、紙幣の詰まりが生じることが抑制される。
前記識別部内に前記紙幣を送り出すガイドローラーは、前記入口部の傾斜箇所に対応する搬送方向の位置に配設されている、としてもよい。
紙幣を送り出すガイドローラーの配設箇所には力が加わる。ガイドローラーを、入口部の傾斜箇所に対応する搬送方向の位置に配設することによって、ガイドローラーの配設箇所の強度を確保することができる。
前記紙幣計数装置は、前記開口部から外に飛び出した前記紙幣を覆うように設けられかつ、光透過性の材料によって構成されたカバー部材をさらに備え、前記搬送路に沿って搬送されている前記紙幣の少なくとも一部は、前記カバー部材を通じて、常時、見ることができるように構成されている、としてもよい。
カバー部材によって、搬送中の紙幣を保護することが可能になる。紙幣の搬送をスムースに行うことが可能になる。
前記搬送路の少なくとも一部は、光透過性の材料によって構成されており、前記搬送路に沿って搬送されている前記紙幣の少なくとも一部は、前記搬送路において、前記光透過性の材料によって構成された部分を通じて、常時、見ることができるように構成されている、としてもよい。
この構成でも、搬送中の紙幣を、常時見ることができるようになる。つまり、紙幣の一部分が搬送路に設けた開口部から外に飛び出した状態で、紙幣を搬送する必要がない。これにより、搬送中の紙幣を保護するように搬送路を構成することが可能になり、紙幣の搬送をスムースに行うことが可能になる。尚、紙幣の一部分が搬送路に設けた開口部から外に飛び出すように搬送路を構成しつつも、その搬送路の一部を光透過性の材料によって構成してもよい。
前記の紙幣計数装置によると、紙幣の計数を行う際に、紙幣を常に見ることができる。
紙幣計数装置を前側から見た外観を示す斜視図である。 紙幣計数装置を後側から見た外観を示す斜視図である。 紙幣計数装置の平面図である。 紙幣計数装置の構成を示すブロック図である。 紙幣計数装置の識別部の構成を示す断面図である。 紙幣計数装置の搬送部に関する変形例を示す斜視図である。 紙幣計数装置の識別部に関する変形例を示す斜視図である。 紙幣計数装置のガイドを使用状態にした図、及び、開放状態にした図である。 ガイドを開放状態にした、紙幣計数装置の正面図である。 第1ガイドの内側部分を示す斜視図である。 切替部が第1位置にあるときのリジェクト部の構成を示す概略図である。 切替部の平面図である。 切替部が第2位置にあるときのリジェクト部の構成を示す概略図である。 セット部の内部構造の斜視図である。 セット状態におけるセット部の一部を上方から見た図である。 セット状態におけるセット部の一部を前方から見た図である。 繰り出し状態におけるセット部の一部を上方から見た図である。 紙幣計数装置のセット部に関する変形例を示す図である。 変形例に係る繰り出しベルトのフレームを下方から見た図である。 保持部の構造を示す平面図である。 保持部に設けられたライトアップ構造を示す斜視図である。 ライトアップ構造を示す断面図である。 紙幣計数装置のコネクタまわりの構成を示す斜視図である。 第2ディスプレイが取り付けられた箇所周辺の拡大図である。 紙幣計数装置のディスプレイに関する変形例を示す平面図である。 第1ディスプレイを装置本体から外した状態を示す図である。 紙幣計数装置においてチップ交換パターンの表示に関連する機能構成を示すブロック図である。 画面表示の例であり、(a)は紙幣計数時の画面例、(b)はチップ交換パターンの表示画面例、(c)は選択されたチップ交換パターンの表示画面例である。 紙幣計数からチップ交換までの、紙幣処理装置およびこれを操作する担当者の動作の例を示すフローチャートである。 候補表示モードにおいて選択されたチップ交換パターンを強調表示した画面の例である。 (a),(b)は通貨識別情報及び紙幣の計数値の両方を示す表示画面の一例である。 (a)〜(d)は紙幣計数装置の動作状態に伴う画面表示の変化の一例である。 (a),(b)は通貨識別情報及び紙幣の計数値の両方を示す表示画面の他の例である。 (a),(b)は通貨識別情報及び紙幣の計数値の両方を示す表示画面の他の例である。
以下、紙幣計数装置の実施形態を、図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明は、紙幣計数装置の一例を示すものである。
(装置の全体構成)
図1及び図2は、紙幣計数装置1(以下、単に装置1とも呼ぶ)の外観を示している。装置1は、紙幣の識別と計数とを行う。装置1は、少なくとも紙幣の真偽及び金種を識別する。装置1は、複数の通貨の識別及び計数が可能である。計数対象の通貨は、予め設定される。計数対象の通貨は、変更が可能である。装置1は、例えば遊技場等の施設において、客から手渡された紙幣の識別及び計数を行うために用いられる。客は、例えば、紙幣を、遊技に使用するチップに両替する際に、遊技場の担当者に紙幣を手渡す。
装置1は、テーブル、カウンター、机、及び、台等の上に置かれて使用される卓上型である。装置1は小型であり、テーブル等の上に置いても場所をとらない。尚、以下においては、説明の便宜上、図1における紙面右手前を装置1の前、紙面左奥を装置1の後ろ、紙面右奥を装置1の右、紙面左手前を装置1の左と呼ぶ。担当者は、通常は、装置1の前面を自分の方に向けて装置1を使用する。
装置1は、上部11と下部12との、上下方向に重なる2つの部位から構成される。装置1の上部11と下部12とは、仕切板13によって隔てられる。
装置1の上部11は、計数対象の紙幣を搬送しながら、識別と計数とを行うよう構成されている。装置1は、計数対象の紙幣がセットされるよう構成されたセット部2と、紙幣の識別及び計数を行うよう構成された識別部3と、識別を行った紙幣を保持するよう構成された保持部4と、セット部2から繰り出された紙幣を、一枚ずつ識別部3を通過させて保持部4にまで搬送するよう構成された搬送部5と、を備えている。
装置1の下部は、装置1を動作させるために必要な各種の機器を収容するよう構成されている。具体的に、図1、2では図示を省略するが、装置1の下部は、各部2、3、4及び5の動作を制御する制御部6(図4参照)を収容する。装置1の下部はまた、各部2、3、4及び5において行う各種動作の駆動源であるモータや、駆動力を伝達する歯車等を収容する。さらに、装置1の下部には、コネクタ7(図4、図23参照)が設けられている。コネクタ7には、装置1に電力を供給する電源コードや、装置1を外部装置に対して接続する、又は、外部装置を装置1に接続するためのケーブルが接続される。
装置1はまた、ここに開示する例では、第1ディスプレイ81と、第2ディスプレイ82との2つのディスプレイを備えている。第1ディスプレイ81は、主に担当者が見るためのディスプレイである。第2ディスプレイ82は、主に客が見るためのディスプレイである。第1ディスプレイ81及び第2ディスプレイ82の表示内容は、例えば遊技場等の施設の天井部等に取り付けた監視カメラからも確認することが可能である。
セット部2は、図1及び図3に示すように、装置1の前部右側に配置される。仕切板13の上面は、セット部2において紙幣Bをセットするセット面として機能する。セット部2は、図1に2点鎖線で示すように、紙幣Bの長手の縁を下にして、仕切板13の上面に立てた状態に、紙幣Bをセットするように構成されている。セット部2は、装置1の上方及び前方に開放されている。セット部2に紙幣Bをセットしたときに、紙幣Bの上部及び搬送方向後部(後述するように、紙幣Bの搬送方向の進み側を紙幣Bの先、その逆側を紙幣Bの後としたときの後部)はそれぞれ、装置1の上方及び前方に飛び出す。担当者及び客は、セット部2にセットした紙幣Bの、少なくとも一部を見ることができる。
セット部2は、複数枚の紙幣Bを、水平方向に並べた状態で一度にセットすることが可能に構成されている。大きさの異なる紙幣Bが混ざり合っていてもよい。セット部2は、紙幣Bの繰り出し機構を有している。繰り出し機構は、セット部2にセットされた紙幣Bを一枚ずつ繰り出す。
識別部3は、装置1の前後方向中央部の右側に配置される。識別部3とセット部2とは、装置1の前後方向に隣り合っている。識別部3は、紙幣Bが進入する入口部341及び紙幣Bが退出する出口部342を有している。セット部2から繰り出された紙幣は、識別部3を通過する。識別部3は、紙幣Bに関する情報を取得するセンサを有している。識別部3は、紙幣Bが通過をする際にセンサが取得した情報に基づいて、当該紙幣Bが受け入れ可能な正常紙幣であるか、受け入れ不可能なリジェクト紙幣であるかを判定する。識別部3はまた、正常紙幣の計数を行う。
保持部4は、装置1の前部左側に配置される。保持部4とセット部2とは、装置1の左右方向に隣り合っている。仕切板13の上面は、保持部4において紙幣Bを保持する保持面として機能する。保持部4は、紙幣Bの長手の縁を下にして、仕切板13の上面に立てた状態で紙幣Bを保持する。保持部4は、複数枚の紙幣Bを、水平方向に並べた状態で、一度に保持することができるよう構成されている。保持部4は、装置1の上方、前方及び左側方に開放されている。図1に2点鎖線で示すように、保持部4に保持されている紙幣Bの上部は、保持部4から上方に飛び出す。担当者及び客は、保持部4に保持されている紙幣Bを見ることができる。
搬送部5は、セット部2から保持部4に至るように設けられる搬送路を有している。図3に示すように、搬送路は、第1搬送路51、第2搬送路52、及び第3搬送路53から構成されている。搬送路は全体として、平面視でU字状をなすように配設されている。
搬送部5は、仕切板13の上面に紙幣Bを立てた状態で、一枚ずつ長手搬送する。各搬送路51、52、53は、水平方向に所定の間隔を空けて配設されるガイド55、56、57によって構成されている。ガイド55、56、57は、立てた状態で搬送される紙幣Bの表面及び裏面に相対する。ガイド55、56、57の高さは、紙幣Bの高さ(つまり、短手長さ)よりも低い。ガイドとガイドとの間には、上向きに開口する開口部50が設けられる。図1に2点鎖線で示すように、搬送中の紙幣Bの上部は、この開口部50から上方に飛び出す。担当者及び客は、搬送中の紙幣Bを見ることができる。
第1搬送路51と第2搬送路52との接続部分には、図2に示すように、分岐路58が接続されている。第2搬送路52の一部と分岐路58とでリジェクト部54を構成する。リジェクト部54は、識別部3によって、リジェクト紙幣と判定された紙幣Bを排出する部分である。リジェクト部54は、上方に開放していると共に、装置1の後部の右側面に開口し、リジェクト口54aを形成している。図2に2点鎖線で示すように、リジェクト部54に払い出されたリジェクト紙幣Bの一部は、リジェクト口54aから装置1の右側方に飛び出すと共に、リジェクト紙幣Bの上部は、リジェクト部54から上方に飛び出す。担当者及び客は、リジェクト紙幣Bを見ることができる。
図4は、装置1の動作に関係するブロック図を示している。セット部2、識別部3、保持部4及び搬送部5は、信号の送受が可能となるよう制御部6に電気的に接続されている。
また、第1ディスプレイ81及び第2ディスプレイ82も、制御部6に、電気的に接続されている。第1ディスプレイ81は、タッチパネル式のディスプレイによって構成されている。担当者は、第1ディスプレイ81において、各種の操作を行うことが可能である。第2ディスプレイ82は、タッチパネル式のディスプレイではなく、表示のみを行う。第1ディスプレイ81及び第2ディスプレイ82には、少なくとも計数結果が表示される。
制御部6には、第1センサ61、第2センサ62、第3センサ63、第4センサ64及び第5センサ65が接続される。第1〜第5センサ61〜65はそれぞれ、紙幣Bを検知すると共に、検知信号を制御部6に出力する。図3に示すように、第1センサ61は、セット部2の近傍に配設されている。第1センサ61は、セット部2に紙幣Bがセットされたことを検知する。第2センサ62は、第2搬送路52に配設されている。第2センサ62が紙幣Bの通過を検知したときに、後述するように、正常紙幣とリジェクト紙幣との搬送の切り替えを行う。第3センサ63は第3搬送路53に配設されている。第3センサ63は、紙幣Bが保持部4に払い出されたことを検知する。第4センサ64は、リジェクト口54aの近傍に配設されている。第4センサ64は、リジェクト口54aに払い出された紙幣Bが、リジェクト口54aから抜き取られたことを検知する。第5センサ65は、保持部4に配設されている。第5センサ65は、保持部4に保持されていた紙幣Bが取り除かれたことを検知する。
次に、装置1の計数動作について説明する。担当者が、客から手渡された紙幣Bをセット部2にセットすると、第1センサ61が紙幣Bを検知する。制御部6は、第1センサ61の検知結果を受けて、セット部2から紙幣Bを一枚ずつ繰り出す。
セット部2から繰り出された紙幣Bは識別部3を通過する。識別部3は、センサによって紙幣Bに関する情報を取得すると共に、その情報に基づいて、各紙幣が受け入れ可能な正常紙幣であるか、受け入れ不可能なリジェクト紙幣であるかを判定する。例えば、紙幣Bが計数対象の通貨以外の通貨であるときには、リジェクト紙幣であると判定される。また、2枚以上の紙幣が重なって搬送されているときにも、リジェクト紙幣であると判定される。さらに、真偽不確定の紙幣も、リジェクト紙幣であると判定される。識別部3はまた、正常紙幣については、その金種を識別する。識別部3は、正常紙幣の計数も行う。
識別部3を通過した紙幣Bは、搬送部5によって搬送されることで、第1搬送路51から第2搬送路52へと至る。第2センサ62が紙幣Bの通過を検知したときに、当該紙幣Bが正常紙幣であれば、その紙幣Bは、そのまま第3搬送路53に搬送される。
第3搬送路53に至った紙幣Bは、第3センサ63を通過し、その後、保持部4に払い出される。保持部4は、払い出された紙幣Bを順次保持する。紙幣Bは、水平方向に並んで保持される。第3センサ63の検知結果を受けて、制御部6は、セット部2から次の紙幣Bを繰り出す。制御部6は、計数動作の最中に、計数値をリアルタイムで、第1ディスプレイ81及び第2ディスプレイ82に表示させる。
第2センサ62が紙幣Bの通過を検知したときに、当該紙幣Bがリジェクト紙幣であれば、制御部6は、搬送部5を一時停止させる。その後、制御部6は、第2搬送路52に位置している紙幣Bが逆向きに搬送されるように、搬送部5を動作させる。紙幣Bは、第2搬送路52から分岐路58の方に搬送されて、リジェクト部54に払い出される。この状態で、装置1の動作は停止する。リジェクト部54に払い出されたリジェクト紙幣Bは、担当者が手で取り除く。第4センサ64が、リジェクト紙幣Bが取り除かれたことを検知すると、制御部6は、装置1の計数動作を再開する。
セット部2にセットされた紙幣Bが全て繰り出されることによって、計数対象の紙幣Bの計数が全て終了すれば、制御部6は、計数結果、つまり、総額を第1ディスプレイ81及び第2ディスプレイ82に表示させる。こうして、装置1の計数動作が完了する。計数の完了後に、保持部4に保持されている紙幣Bは、担当者が手で取り除く。第5センサ65は、紙幣Bが取り除かれたことを検知する。
(搬送路の構成)
次に、搬送路の構成についてさらに詳細に説明をする。第1搬送路51は、第1ガイド55及び第2ガイド56によって構成される。第2搬送路52は、第2ガイド56及び第3ガイド57によって構成される。第3搬送路53は、第2ガイド56及び第3ガイド57によって構成される。尚、分岐路58は、第1ガイド55と第3ガイド57とによって構成される。
第1ガイド55は、装置1の右側において、装置1の後部から前後方向の中央部にまで前後方向に延びている。第1ガイド55は、装置1の右側面の一部を構成する。第1ガイド55はまた、紙幣Bの搬送路を挟んだ片側において、識別部3の一部を構成する。
第2ガイド56は、装置1の左右方向の中央部に配置される。第2ガイド56は、装置1の後部から前端部にまで前後方向に延びている。第2ガイド56は、セット部2の一部を構成すると共に、保持部4の一部を構成する。第2ガイド56はまた、紙幣Bの搬送路を挟んだ片側において、識別部3の一部を構成する。
第3ガイド57は、装置1の後面の一部と左側面の一部とを構成する。第3ガイド57は、平面視で略L字状である。
図3に示すように、第1ガイド55及び第3ガイド57は、装置1の中央部に配置した第2ガイド56の周囲を囲むように配置されている。第1ガイド55、第2ガイド56及び第3ガイド57によって構成される第1搬送路51、第2搬送路52及び第3搬送路53は、平面視でU字状をなしている。U字状の搬送路に沿って、上向きに開口する開口部50が設けられる。
第1ガイド55、第2ガイド56及び第3ガイド57はそれぞれ、装置1において計数可能な紙幣Bの内、最もサイズが小さい紙幣Bの短手長さよりも、その高さが低い。図1に示すように、セット部2から保持部4までの間において、紙幣Bは、上向きに開口する開口部50から上方に飛び出す。このため、人は、搬送中の紙幣Bを、装置1の上方から見ることができる。また、この装置1は、セット部2が上方及び前方に開放されている。人は、セット部2にセットした紙幣Bを、装置1の上方から見ることができる。また、セット部2にセットされた複数枚の紙幣Bは、それぞれ立った状態で水平方向に並ぶ。セット部2にセットされた複数枚の紙幣Bの全てを、装置1の上方から見ることができる。保持部4も、上方、前方及び左側方に開放されている。人は、保持部4に保持している紙幣Bを、装置1の上方から見ることができる。また、保持部4に保持された複数枚の紙幣Bは、それぞれ立った状態で水平方向に並ぶ。保持部4に保持された複数枚の紙幣Bの全てを、装置1の上方から見ることができる。
担当者及び客は、装置1が計数を行っている間、常に、装置1の上方から紙幣Bを見ることができる。これにより、装置1は、計数結果の高い信頼性を確保することができる。
−搬送部に関する他の形態−
前記の構成では、紙幣Bを立てた状態で長手搬送するようにしている。これとは異なり、紙幣Bを横にした状態で長手搬送、又は、短手搬送するように、紙幣計数装置を構成してもよい。この構成では、例えば、搬送中の紙幣Bの一部分を、開口部から、紙幣計数装置の側方に飛び出させるようにしてもよい。
また、例えば図6に示すように、搬送部5において、光透過性の材料によって構成されたカバー部材510を取り付けるようにしてもよい。これにより、各搬送路51,52、53に沿って搬送されている紙幣Bを、カバー部材510を通じて、常時、見ることが可能になる。カバー部材510によって、搬送中の紙幣Bを保護することが可能になる。その結果、紙幣Bの搬送をスムースに行うことが可能になる。
また、図示は省略するが、各搬送路を構成するガイドの一部を、光透過性の材料によって構成することにより、各搬送路に沿って搬送されている紙幣Bの一部分を、見ることができるように構成してもよい。この構成例において、ガイドは、前述したように、紙幣Bの高さよりも低くしなくてもよい。つまり、搬送中の紙幣Bの一部分が、ガイドとガイドとの間に設けられる開口部から飛び出さなくても、透明性材料によって構成されたガイドの部分を通じて、各搬送路に沿って搬送されている紙幣Bの、少なくとも一部分を、見ることができるようになる。
(識別部の構成)
次に、識別部3の構成について詳細に説明する。図5は、識別部3のうち第2ガイド56に形成された部分を示している。図10は、識別部3のうち第1ガイド55に形成された部分を示している。識別部3は、紙幣Bの表面及び裏面の画像を取得する光学センサ31、紙幣Bの厚みを検知する厚みセンサ32、及び、紙幣Bの磁気特性を検知する磁気センサ33を有している。光学センサ31によって取得した紙幣Bの画像、及び、磁気センサ33が取得した紙幣Bの磁気特性に基づいて、紙幣Bが計数対象の通貨であるか否かの判定、真券であるか偽券であるかの判定、正券であるか損券であるかの判定、及び、紙幣Bの金種の判定を行う。また、厚みセンサ32が検知した紙幣Bの厚みの情報に基づいて、紙幣Bが一枚であるか、二枚以上重なって搬送されているかを判定する。
光学センサ31は、図5,10に示すように、長手の縁を下にして立てた状態で、長手搬送される紙幣Bの表面側と裏面側とのそれぞれに配設されている。光学センサ31は、紙幣Bの短手長さの全域に亘って延びて配設されている。光学センサ31の上端は、図5に二点鎖線で示す、この装置1において計数可能な紙幣Bの内、最もサイズが大きい紙幣Bの上端よりも高い位置となる。
厚みセンサ32は、光学センサ31に対し、搬送方向(つまり、図5に示す紙面左から右に向かう方向)の進み側に配置されている。厚みセンサ32は、立てた状態で長手搬送される紙幣Bの表面側と裏面側とに配設されかつ、紙幣Bを厚み方向に挟み込むローラーによって構成されている。厚みセンサ32と、光学センサ31とは、互いに動作に影響しない距離を保って配置されている。厚みセンサ32はまた、仕切板13から所定の高さ位置に配設されている。厚みセンサ32は、ガイド55によって覆われる紙幣Bの部分に対応する高さに配設されている。厚みセンサ32の高さは、この装置1において計数可能な紙幣Bの内で、最もサイズの大きい紙幣B(図5の二点鎖線参照)の、短手方向のほぼ中央に相当する。紙幣Bは、その長手の縁が、仕切板13の上面に当たった状態で搬送される。このため、前記の高さ位置に配置した厚みセンサ32は、識別部3を通過する紙幣Bを必ず挟むようになる。
磁気センサ33は、厚みセンサ32に対して、搬送方向の進み側に配置されている。従って、光学センサ31、厚みセンサ32及び磁気センサ33は、装置1の前から後に向かって、この順番で配設されている。磁気センサ33と、厚みセンサ32とは、互いに動作に影響しない距離を保って配置されている。磁気センサ33はまた、仕切板13から所定の高さ位置に配設されている。磁気センサ33は、ガイド55によって覆われる紙幣Bの部分に対応する高さに配設されている。磁気センサ33の高さは、この装置1において計数可能な紙幣Bの内、最もサイズの小さい紙幣Bの短手方向のほぼ中央に相当する。磁気センサ33を、前記の高さ位置に配置することによって、識別部3を通過する紙幣Bの磁気特性を、必ず検知することができる。
光学センサ31は、紙幣Bの短手長さの全域に亘って延びて配設されるため、紙幣Bの表面全体及び裏面全体の画像を取得することができる。識別に利用する情報量が多くなるため、識別の精度が向上する。また、多くの情報に基づいて速やかに識別を行うことができ、識別に要する時間も短縮する。
一方、厚みセンサ32及び磁気センサ33は、搬送路の開口部50よりも下側に配設されている。厚みセンサ32及び磁気センサ33は、紙幣Bにおいて、開口部50から飛び出した部分の情報を取得することができない。しかしながら、紙幣Bの厚みを検出することによって、紙幣Bが二枚以上重なっていないか否かを判定するだけであれば、紙幣Bの一部分において厚みを検出すれば、正確な判定を行うことが可能である。また、磁気センサ33によって取得することができる情報量は、比較的少ないが、この装置1は、前述の通り、計数対象の紙幣Bを人が見ながら、計数を行うことが可能である。磁気センサ33によって取得することができる情報量が少なくなったとしても、この装置1は、識別の精度及び信頼性が低下することはない。
光学センサ31の配設位置に、外からの光が入ると光学センサ31が取得する画像の精度が低下してしまう。また、光学センサ31は、前述したように、立てて搬送される紙幣Bの上端よりも高い位置まで延びている。そこで、識別部3は、光学センサ31を覆うカバー部34を有している。カバー部34は、第1ガイド55及び第2ガイド56よりも上方に突出している。カバー部34は、装置1の前後方向(図5における紙面左右方向)に広がっている。これにより、光学センサ31の配設箇所に光が入ることを防止している。
カバー部34の前側には、図1に示すように、紙幣Bが進入する入口部341が形成されている。また、図2に示すように、カバー部34の後側には、紙幣Bが退出する出口部342が形成されている。入口部341及び出口部342を有するカバー部34によって、識別部3はトンネル状となる。入口部341はセット部2に連続する。出口部342は搬送部5の開口部50に連続する。仕切板13の上面から入口部341及び出口部342の上端までの距離は、この装置1において計数可能な紙幣Bの内で、最もサイズの大きい紙幣Bの短手長さよりも長い。光学センサ31、厚みセンサ32及び磁気センサ33は全て、仕切板13の上面から入口部341及び出口部342の上端までの範囲内に位置している。光学センサ31、厚みセンサ32及び磁気センサ33は全て、立てた状態で搬送される紙幣Bの側方に位置する。
入口部341は、図5に示すように、紙幣Bの搬送方向に対して上り勾配となるように傾斜している。入口部341の傾斜箇所の根元は、セット部2の上端部に位置する。入口部341の傾斜角度θは、図5に示す装置1では、45°以下である。入口部341を傾斜させることで、入口部341から進入する紙幣Bの搬送方向先側の縁部が曲がっていたり、折れ気味であったりしたときでも、紙幣Bの搬送方向先側の縁部と入口部341とが徐々に交差しながら、紙幣Bが入口部341に進入するようになる。このため、紙幣Bの曲がりや折れを矯正することができる。識別部3の入口部341において、紙幣の詰まりが生じることが抑制される。紙幣Bは、スムースに、入口部341に識別部3内に進入する。尚、出口部342は、紙幣Bの搬送方向に対してほとんど傾斜していない。
光学センサ31に対して、装置1の前側には、グリップローラー35が配設されている。グリップローラー35は、光学センサ31の動作に影響しない距離を保って配置されている。グリップローラー35に対して、装置1の前側には、ガイドローラー36が配設されている。ガイドローラー36は、入口部341の傾斜箇所に対応する搬送方向の位置に配設されている。ガイドローラー36は、識別部3内に紙幣Bを送り込むローラーである。ガイドローラー36の配設箇所には力が加わるが、ガイドローラー36を入口部341の傾斜箇所に対応する位置に配設することで、配設箇所の強度を確保することができる。
ガイドローラー36とグリップローラー35とは、互いに動作に影響しない距離を保って配置されている。ガイドローラー36によって識別部3に送り込まれた紙幣Bは、グリップローラー35によって、確実に、識別部3を通過する。尚、グリップローラー35と、後述の分離ローラー37とによって、紙幣Bを、識別部3にスムースに送り込むことができるのであれば、ガイドローラー36は省略してもよい。
図5における符号37は、セット部2に設けられた分離ローラーである。分離ローラー37は、セット部2から紙幣Bを一枚ずつ繰り出すために、紙幣Bの繰り出し方向とは逆方向に回転をする。分離ローラー37とガイドローラー36とは、互いに動作に影響しない距離を保って配置されている。
識別部3は、入口部341と出口部342とを有しかつ、紙幣Bが通過をするトンネル状に構成されている。図5に示すように、紙幣Bが識別部3を通過するときに、紙幣Bの搬送方向先側の一部分が出口部342から出た状態で、紙幣Bの搬送方向後側の一部分が入口部341に入る前の状態となる(図5の網掛け部分を参照)。識別部3のカバー部34は、その前後方向の長さが長くなりすぎないように構成されている。入口部341の根元から出口部342の根元までの距離Lは、装置1において計数可能な紙幣Bの内、最もサイズが小さい紙幣Bの長手長さよりも短い。これにより、紙幣Bが識別部3を通過するときでも、紙幣Bの少なくとも一部分は見ることができる。つまり、紙幣Bの全体が識別部3の内部に入って外から見えなくなる状態になることが回避される。こうして、この装置1は、人が常に紙幣Bを見ながら、計数を行うことができる。この装置1は、計数結果の高い信頼性を確保することができる。
−識別部に関する他の形態−
尚、前記の構成では、識別部3の光学センサ31を、紙幣Bの短手長さよりも長くすると共に、識別部3をトンネル状にしている。しかしながら、光学センサ31の長さを、第1ガイド55及び第2ガイドの高さ以下となるまで短くしてもよい。この構成では、図7に示すように、識別部3のカバー部34を省略することが可能である。識別部3は、トンネル状でなくてもよい。この構成では、光学センサ31は、紙幣Bの一部分の画像を取得することになるが、その場合でも、紙幣Bの識別は可能である。
(ガイドの構成)
第1ガイド55は、前述したように、装置1の右側において、装置1の後部から前後方向の中央部にまで前後方向に延びている。第1ガイド55は、図3に示すように、平面視でI字状である。第1ガイド55は、図2及び図8の左図に示すように、装置1の右側面の一部を構成する。第1ガイド55は、装置1の上部11から下部12にまで広がっている。第1ガイド55の下端部は、図8及び図9に示す回転軸X周りに回動可能となるように、装置1に取り付けられている。第1ガイド55は、図8の左図に示すように、装置1の右側部において起立した状態と、図8の右図に示すように、装置1の右側方に傾いた状態とに切り替わる。図9に示すように、第1ガイド55が回動する角度範囲θは、45°である。尚、第1ガイド55は、90°以下の角度範囲θで回動可能にしてもよい。
第3ガイド57は、図3に示すように、平面視で略L字状である。第3ガイド57は、図1及び図2に示すように、装置1の後面の一部と左側面の一部とを構成する。第3ガイド57は、仕切板13よりも上側に設けられる。第3ガイド57は、装置1の上部11にのみ設けられる。第3ガイド57は、第3搬送路53を構成する箇所の下端部が、図8及び図9に示す回転軸X周りに回動可能となるように、装置1に取り付けられている。第3ガイド57は、図8の左図に示すように、仕切板13の上に置かれた状態と、図8の右図に示すように、仕切板13の上から離れて倒れた状態とに切り替わる。図9に示すように、第3ガイド57の回動する角度範囲θは、90°である。尚、第3ガイド57は、90°以上の角度範囲θで回動可能にしてもよい。
第2ガイド56は、第1ガイド55及び第3ガイド57に対し、装置1の内方に配置されている。第2ガイド56は、第1ガイド55及び第3ガイド57とは異なり、装置1に対して固定されている。
第1搬送路51は、図8の左図に示すように、第1ガイド55と第2ガイド56との距離が近くなった使用状態と、図8の右図に示すように、第1ガイド55が装置1の右側方に向かって回動することによって、第1ガイド55が第2ガイド56から離れた開放状態とに切り替わる。第1搬送路51は、装置1の右側方に開放される。第1搬送路51が開放状態になったときには、識別部3もまた開放状態となる。
第2搬送路52及び第3搬送路53は、図8の左図に示すように、第3ガイド57と第2ガイド56との距離が近くなった使用状態と、図8の右図に示すように、第3ガイド57が装置1の左側方に向かって回動することによって、第3ガイド57が第2ガイド56から離れた開放状態とに切り替わる。第2搬送路52は、装置1の後方に開放される。第3搬送路53は、装置1の左側方に開放される。L字状の第3ガイド57を90°回動させることによって、第2搬送路52及び第3搬送路53の両方を、全て開放することができる。第1搬送路51、第2搬送路52及び第3搬送路53は、互いに異なる方向に開放される。
装置1が計数を行っている最中に、紙幣Bがいずれかの搬送路51、52、53において詰まったときには、装置1が停止する。紙幣Bが第1搬送路51において詰まったとき、担当者は、第1ガイド55を、装置1の右外方に回動させることにより、第1搬送路51を開放状態にする。第1搬送路51は、装置1の右側部において外方に開放される。担当者は、第1搬送路51に詰まっている紙幣Bを見ることができ、当該紙幣Bを容易に取り除くことができる。
また、第2搬送路52又は第3搬送路53において紙幣Bが詰まったときには、担当者は、第3ガイド57を、装置1の左外方に回動させる。これにより、第2搬送路52及び第3搬送路53を開放状態にする。第2搬送路52は、装置1の後部において外方に開放される。第3搬送路53は、装置1の左側部において外方に開放される。担当者は、第2搬送路52又は第3搬送路53に詰まっている紙幣を見ることができ、当該紙幣Bを容易に取り除くことができる。
また、第1搬送路51、第2搬送路52及び第3搬送路53はそれぞれ、上方にも開放される。これにより、例えば遊技場等の施設の天井部に取り付けた監視カメラからも、開放した第1搬送路51、第2搬送路52及び第3搬送路53を撮影することが可能になる。搬送路に詰まった紙幣Bを取り除くときに、担当者が不正を行うことを防止する効果が期待できる。
第1搬送路51、第2搬送路52及び第3搬送路53はそれぞれ、装置1の、互いに異なる三方向の外方に向かって大きく開放される。このため、搬送路内に溜まったゴミや塵などの清掃を容易に行うことができる。
また、第1ガイド55を回動させて第1搬送路51を開放させると、識別部3を開放させることができる。識別部3には、図8の右図に示すように、光学センサ31、厚みセンサ32、及び磁気センサ33が配設されている。識別部3を開放したときに、これらのセンサ31、32、33が全て露出する。従って、これらのセンサ31、32、33のメンテナンスを行うことが可能になる。
第1ガイド55は、装置1の上部11から下部12にまで広がる。第1ガイド55は、上下方向に長い。第1ガイド55の回動角度θを、比較的小さくすることによって、図9に示すように、第1ガイド55を装置1の外方に回動させたときの装置1の占有スペースが、大きくなってしまうことを回避することができる。尚、ここでいう占有スペースは、装置1を、それが置かれている面に投影した投影面積である。
第3ガイド57は、装置1の上部11にのみ設けられるため、その高さは比較的低い。そのため、第3ガイド57の回動角度θを大きくしても、図9に示すように、第3ガイド57を装置1の外方に回動させたときの装置1の占有スペースは、大きくならない。
−ガイドに関する他の形態−
尚、前記の構成では、第1ガイド55及び第3ガイド57をそれぞれ、水平方向に延びる回転軸X、X周りに回動するよう、装置1に取り付けているが、第1ガイド55、及び/又は第3ガイド57を、例えば上下方向に延びる回転軸周りに回動するよう、装置1に取り付けてもよい。
また、第1ガイド55及び第3ガイド57を回動させるよう取り付けるのではなく、第1ガイド55及び/又は第3ガイド57を、例えば前後方向、左右方向、又は、それ以外の任意の方向に水平移動するよう装置1に取り付けるようにしてもよい。また、第1ガイド55及び/又は第3ガイド57を、上下方向に移動するよう装置1に取り付けるようにしてもよい。
平面視でL字状の第3ガイド57は、第2ガイド56と共に第2搬送路52を構成するガイドと、第2ガイド56と共に第3搬送路53を構成するガイドとに分けてもよい。
また、第1ガイド55及び第3ガイド57を可動に取り付けるのではなく、第2ガイド56を、装置1に対し可動に取り付けることによって、第1〜第3搬送路51、52、53を開放可能にしてもよい。第2ガイド56は、例えば前後方向に移動するように装置1に取り付けてもよい。また、第2ガイド56は、上下方向に移動するように装置1に取り付けてもよい。
前記で示す搬送路のレイアウトは一例である。搬送路は、例えば直線状に配設してもよい。ガイドの形状は、搬送路のレイアウトに応じて適宜変更される。
前記の構成では、搬送中の紙幣Bの一部分が、開口部から外に飛び出すようにしている。しかしながら、搬送中の紙幣Bが外に飛び出さないように、第1ガイド55、第2ガイド56及び第3ガイド57を構成してもよい。
前記の構成では、紙幣Bを立てた状態で長手搬送するようにしている。これとは異なり、紙幣Bを横にした状態で長手搬送、又は、短手搬送するように、紙幣計数装置を構成してもよい。
(リジェクト部の構成)
前述のように、装置1には、排出されたリジェクト紙幣を保持しておくリジェクト部54が設けられている。リジェクト部54は、分岐路58と分岐路58に連通する搬送路の一部とで構成されている。リジェクト部54は、リジェクト紙幣の一部がリジェクト口54aから外にはみ出した状態でリジェクト紙幣を保持している。以下、リジェクト部54の構成について詳しく説明する。
前述の如く、搬送路は、図3に示すように、平面視でU字状に形成されている。詳しくは、第2搬送路52は、第1屈曲部511において第1搬送路51から屈曲し、第3搬送路53は、第2屈曲部521において第2搬送路52から屈曲している。
第1屈曲部511には、図11に示すように、第1搬送ローラー512が設けられている。紙幣は、第1搬送ローラー512によって、第1搬送路51から第2搬送路52へ屈曲するように搬送される。第1搬送ローラー512は、上下方向に配列された複数の駆動ローラー513と、駆動ローラー513と共に紙幣を挟み込む従動ローラー514とを有している。従動ローラー514は、全ての駆動ローラー513に設けられているわけではなく、一部の駆動ローラー513に設けられている。この一部の駆動ローラー513には、2つの従動ローラー514が設けられている。従動ローラー514は、紙幣を駆動ローラー513の外周に沿って略90度屈曲させるように、駆動ローラー513の回転中心回りに90度離れた位置に設けられている。図10には、搬送路における上流側の従動ローラー514を示している。
第2屈曲部521には、図11に示すように、第2搬送ローラー522が設けられている。紙幣は、第2搬送ローラー522によって、第2搬送路52から第3搬送路53へ屈曲するように搬送される。第2搬送ローラー522は、上下方向に配列された複数の駆動ローラー523と、駆動ローラー523と共に紙幣を挟み込む従動ローラー524とを有している。従動ローラー524は、全ての駆動ローラー523に設けられているわけではなく、一部の駆動ローラー523に設けられている。この一部の駆動ローラー523には、2つの従動ローラー524が設けられている。従動ローラー524は、紙幣を駆動ローラー523の外周に沿って略90度屈曲させるように、駆動ローラー523の回転中心回りに90度離れた位置に設けられている。
これら第1搬送ローラー512及び第2搬送ローラー522は、回転方向を切替可能に構成されている。つまり、第1搬送ローラー512及び第2搬送ローラー522は、紙幣がセット部2から保持部4へ向かう順方向と、順方向とは逆向きの逆方向とで紙幣の搬送方向を切り替えることができる。
分岐路58は、図3,11に示すように、搬送路から分岐している。分岐路58は、第1屈曲部511に接続され、第2搬送路52の延長線上に、即ち、第2搬送路52と一直線状に延びている。分岐路58は、第1ガイド55の後端部と第3ガイド57とで形成されている。分岐路58のうち、搬送路からの分岐部と反対側の端部は、装置1の後部の右側面に開口し、リジェクト口54aを形成している。また、分岐路58は、第2搬送路52と同様に上方へ開口している。分岐路58は、搬送路の一部(詳しくは、第2搬送路52の一部)と共に、リジェクト部54を構成している。
また、第1屈曲部511には、図11に示すように、紙幣の進路を搬送路から分岐路58へ切り替える切替部59が設けられている。図12は、切替部59の平面図である。
切替部59は、上下方向に互いに間隔を空けて配列された複数(具体的には4つ)の爪591を有し、全体として櫛歯状に形成されている。爪591は、押圧部592と案内部593とを有し、楔形状をしている。押圧部592と案内部593とは、爪591の先端において連結されている。押圧部592は、凹状に湾曲した形状をしている。案内部593は、基端部593bに対して先端部593aが折れ曲がった形状をしている。切替部59は、第1ガイド55の後端部において、上下方向に延びる回転軸A回りに回転可能に支持されている。切替部59は、図11に示すように、爪591の先端部が搬送路上に位置するように、付勢バネ594により付勢されている。切替部59は、通常時はストッパ(図示省略)に当接することによって、爪591の先端部が搬送路上に位置する。この位置を第1位置と称する。付勢バネ594は、付勢部材の一例である。
より具体的には、爪591は、第1位置においては、搬送路のうち第1屈曲部511上に位置している。第1屈曲部511には、第1搬送ローラー512が設けられている。図10に示すように、上流側の従動ローラー514は、爪591の間に配置されている。下流側の従動ローラー514の上下方向位置も、図示は省略するが、爪591の上下方向位置とは異なっている。そのため、爪591が回転しても、従動ローラー514とは干渉しない。また、爪591の上下方向位置は、駆動ローラー513の上下方向位置とも異なっている。そのため、第1位置においては、爪591は、駆動ローラー513に干渉することなく、駆動ローラー513の間に入り込んでいる。これにより、平面視で、爪591は、駆動ローラー513の外周を横切っている。つまり、爪591は、搬送路を横切った状態となっている。
このように構成された切替部59は、紙幣が順方向へ搬送される場合には、その紙幣を第1搬送路51から第1屈曲部511を介して第2搬送路52へ案内する一方、紙幣が逆方向へ搬送される場合には、その紙幣を第2搬送路52から分岐路58へ案内する。
詳しくは、通常、切替部59は、付勢バネ594の付勢力により第1位置に位置する。このとき、爪591の押圧部592は、第1搬送路51から第1屈曲部511へ搬送される紙幣が当接する位置に位置している。そのため、第1搬送路51から順方向に搬送されてきた紙幣は、押圧部592に当接し、切替部59を付勢バネ594の付勢力に抗して押圧する。紙幣に押圧された切替部59は、図13に示すように、搬送路から退避した第2位置(具体的には、平面視で爪591と駆動ローラー513とが重ならない位置)まで移動する。
第2位置においては、爪591は、駆動ローラー513の間から抜け出ている。押圧部592は、凹状に湾曲した形状をしており、切替部59が第2位置に位置するときには、駆動ローラー513の外周と実質的に平行な状態となっている。この状態において、押圧部592は、紙幣を駆動ローラー513の外周に沿った方向に案内する。つまり、押圧部592は、紙幣を第1搬送路51から第2搬送路52の方へ屈曲するように案内する。このように、切替部59は、紙幣の順方向への通過を許容しつつ、紙幣を第2搬送路52へ案内する。
一方、装置1は、前述の如く、識別部3によりリジェクトすべきと判定された紙幣は、第2搬送路52の第2センサ62を順方向に通過した後に一旦停止され、逆方向に搬送される。紙幣が第2センサ62を通過したときには、紙幣は必ず切替部59を通過しているので、切替部59は、付勢バネ594の付勢力により第1位置へ戻っている。つまり、リジェクト紙幣が逆方向に搬送されるときには、切替部59は第1位置に位置している。このとき、爪591の案内部593は、逆方向へ搬送される紙幣を第2搬送路52から分岐路58へ案内する位置に位置している。詳しくは、爪591が第1位置に位置している状態において、先端部593aは、平面視で駆動ローラー513と重なり合った状態となっている一方、基端部593bは、第2搬送路52の延長線に沿って延びている。つまり、先端部593aは、搬送路を横切った状態となっている。この案内部593により、第2搬送路52から分岐路58に亘る一直線状の搬送路が形成される。そのため、第2搬送路52を逆方向に搬送され、駆動ローラー513と下流側の従動ローラー514とに挟み込まれた紙幣は、第1搬送路51の方へ屈曲することなく、案内部593に案内されて、分岐路58の方へ導かれる。仮に、紙幣が駆動ローラー513の外周に沿って進もうとしても、案内部593の先端部593aが駆動ローラー513の外周を横切る位置に位置しているので、紙幣は先端部593aに当接し、先端部593aに沿って基端部593bへ案内され、さらに基端部593bに案内されて分岐路58の方へ導かれる。その後、リジェクト紙幣の一部がリジェクト口54aから外にはみ出す状態となると、搬送が停止される。このとき、リジェクト紙幣の一部は、第2搬送路52に残留している。つまり、排出されたリジェクト紙幣は、分岐路58と第2搬送路52の一部によって保持されている。尚、担当者がリジェクト部54の紙幣を抜き取ると、セット部2に紙幣が残留している場合には、残留紙幣の計数を再開する。
このような構成とすることによって、搬送路の一部を利用してリジェクト部54を構成することができ、リジェクト部54を搬送路とは完全に別に設ける必要がないので、装置1を小型に形成することができる。
また、リジェクト部54は、リジェクト紙幣の一部がリジェクト口54aから外にはみ出した状態でリジェクト紙幣を保持し、リジェクト紙幣の全体を収容する必要がないので、リジェクト部を小型にすることができ、ひいては、装置1を小型に形成することができる。
さらに、排出されたリジェクト紙幣の一部は搬送路に残留し且つ、搬送路は紙幣の一部を露出させる開口部50を有しているので、担当者及び客は、処理中及び処理後のリジェクト紙幣の一部を常に視認することができる。
また、分岐路58は、搬送路の第1屈曲部511に接続されている。第1屈曲部511は、紙幣の進路が第1搬送路51から第2搬送路52の方へ変更される場所なので、この場所に分岐路58を接続することによって、紙幣の進路を本来の搬送路か分岐路58かに切り替えやすい。
さらに、分岐路58は、第2搬送路52の延長線上に延びているので、紙幣を第2搬送路52から分岐路58へ進入させる場合には、紙幣を第2搬送路52における搬送方向のまま搬送すれば、紙幣は自然と分岐路58へ導かれる。つまり、紙幣を分岐路58へスムースに案内することができる。
また、紙幣が搬送路を順方向に搬送される場合には、第2位置へ退避して紙幣の搬送を許容し、紙幣が搬送路を逆方向に搬送される場合には、第1位置に位置して紙幣を分岐路58へ案内する切替部59を設けているので、リジェクト紙幣の搬送方向を順方向から逆方向に切り替えることによって、リジェクト紙幣の進路を搬送路から分岐路58へ切り替えることができる。この構成によれば、切替部59を駆動する駆動源を要しないので、装置1の構成を簡易にすることができると共に、消費電力を低減することができる。
さらに、切替部59が第1位置に位置する状態においては、案内部593は、分岐路58に沿って延びている。このため、逆方向に搬送され案内部593に当接したリジェクト紙幣は、スムースに分岐路58へ案内される。
また、切替部59は、互いに離間して配列された複数の爪591を有し、櫛歯状に形成されているので、紙幣と切替部59との接触面積を低減することができ、ひいては、紙幣が搬送される際の抵抗を低減することができる。
−リジェクト部に関する他の形態−
前記の構成では、分岐路58が第1屈曲部511に接続されているが、分岐路58が搬送路に接続される場所は、これに限られるものではない。例えば、分岐路58は、第2屈曲部521に接続されていてもよい。さらには、分岐路58は、第1搬送路51、第2搬送路52又は第3搬送路53のように直線状に延びる部分に接続されていてもよい。また、分岐路58は、第1搬送路51の延長線上に延びていてもよい。
さらに、装置1は、リジェクト紙幣の搬送方向を順方向から逆方向に切り替えることによって、リジェクト紙幣を分岐路58へ導くように構成されているが、これに限られるものではない。リジェクト紙幣を順方向に搬送しながら、リジェクト紙幣の進路を搬送路から分岐路58へ切り替えるような構成であってもよい。例えば、ソレノイドアクチュエータ等によって切替部59のような進路を切り替える部材を駆動することによって、リジェクト紙幣の進路を搬送路と分岐路58とで切り替えることができる。
(セット部の構成)
以下に、セット部2の詳細な構成について、図14〜17を参照しながら説明する。図14は、セット部2の内部構造の斜視図である。図15は、セット状態におけるセット部2の一部を上方から見た図である。図16は、セット状態におけるセット部2の一部を前方から見た図である。図17は、繰り出し状態におけるセット部2の一部を上方から見た図である。
セット部2は、紙幣が挿入される開口部21(図1〜3参照)と、セットされた紙幣が載置される仕切板13と、セットされた紙幣を繰り出す繰り出しベルト22と、紙幣のセット時における紙幣と繰り出しベルト22との接触を防止するガード部23と、紙幣の繰り出し時に紙幣を繰り出しベルト22に押し付ける押え部24と、各種ローラーと、繰り出しベルト22を駆動するためのモータ26とを有している。セット部2は、セット部2に紙幣をセットする際にはセット状態となり、セットされた紙幣を繰り出すときには繰り出し状態となる。セット状態及び繰り出し状態については後述する。
開口部21は、第1ガイド55と第2ガイド56とで形成され、装置1の前部右側に配置されている。ここで、開口部21は、第1ガイド55の縁部と第2ガイド56の縁部とで形成された部分であり、言い換えると、開口縁部である。開口部21は、前述の如く、装置1の上方及び前方に開口している。装置1の上方は、詳しくは後述する繰り出しベルト22の幅方向の一方側に相当する。つまり、開口部21は、繰り出しベルト22の幅方向の一方側に開口している。また、装置1の前方は、繰り出しベルト22による紙幣の繰り出し方向のうち、紙幣が繰り出される向きとは反対側に相当する。つまり、開口部21は、繰り出しベルト22による紙幣の繰り出し方向のうち、紙幣が繰り出される向きとは反対側にも開口している。そのため、紙幣は、開口部21を介して、上方から下方へ又は前方から後方へ向かってセット部2に挿入される。仕切板13、繰り出しベルト22、ガード部23、押え部24、各種ローラー及びモータ26は、開口部21よりも内側に配置されている。
繰り出しベルト22は、環状の無端ベルトである。以下、説明の便宜上、繰り出しベルト22の外周面を「表面221」と称し、内周面を「裏面222」と称する。また、繰り出しベルト22の厚み方向と長手方向(周方向)との両方に直交する方向を「幅方向」と称する。繰り出しベルト22の表面221と裏面222とには、幅方向に延びる複数の歯(図示省略)が、長手方向に等間隔で配列されている。表面の歯と裏面の歯とは、同じ形状をしており、且つ同じ位置に配置されている。つまり、繰り出しベルト22のうち表面221に歯が設けられた部分の裏面222には、表面221の歯と同一の歯が設けられている。繰り出しベルト22は、その幅方向と仕切板13の法線方向とが一致する状態で仕切板13上に配置されている。
各種ローラーは、少なくとも駆動ローラー251と、従動ローラー252と、ゲートローラー253と、ガイドローラー36と、分離ローラー37とを含んでいる。これらのローラーは、仕切板13に対して、繰り出しベルト22と同じ側に配置されている。
駆動ローラー251は、モータ26によって回転駆動される。モータ26は、仕切板13を挟んで繰り出しベルト22と反対側に配置されている。駆動ローラー251及び従動ローラー252に、繰り出しベルト22が巻回されている。駆動ローラー251の外周面には、繰り出しベルト22の歯と噛合する複数の歯が設けられている。同様に、従動ローラー252の外周面にも、繰り出しベルト22の歯と噛合する複数の歯が設けられている。駆動ローラー251がモータ26に駆動されることによって、繰り出しベルト22を駆動される。駆動ローラー251は、図17において反時計回りに回転し、繰り出しベルト22も反時計回りに回転する。
ガイドローラー36及び分離ローラー37は、繰り出しベルト22の外側に配置されている。一方、ゲートローラー253は、繰り出しベルト22の内側に配置されている。紙幣が存在しない状態においては、駆動ローラー251とガイドローラー36とで繰り出しベルト22を挟み込むと共に、ゲートローラー253と分離ローラー37とで繰り出しベルト22を挟み込んでいる。
ガイドローラー36は、紙幣を繰り出す方向に回転駆動される。つまり、ガイドローラー36は、図17において時計回りに回転する。ガイドローラー36と繰り出しベルト22は、紙幣を挟み込んで繰り出す。
分離ローラー37は、繰り出し方向においてガイドローラー36よりも上流側に位置する。分離ローラー37は、紙幣の繰り出し方向とは反対向きに回転駆動される。つまり、分離ローラー37は、図17において反時計回りに回転する。繰り出しベルト22によって複数枚の紙幣が繰り出されそうになっても、分離ローラー37の反対向きの回転によって、繰り出しベルト22と接触する紙幣以外の紙幣の繰り出しが阻止される。
ガード部23は、第1ガード部231と、第2ガード部232と、第1ガード部231及び第2ガード部232が連結された駆動シャフト233とを有している。ガード部23は、紙幣と繰り出しベルト22との接触を防止するガード状態と、紙幣と繰り出しベルト22との接触を可能とする退避状態との間で切り替え可能に構成されている。セット部2がセット状態のときに、ガード部23はガード状態となる一方、セット部2が繰り出し状態のときに、ガード部23は退避状態となる。
第1ガード部231は、ガード状態において、図16に示すように、繰り出しベルト22の側面のうち、開口部21に近い方(即ち、仕切板13から遠い方)の第1側面223と対向するように配置されている。第1ガード部231は、繰り出しベルト22の厚み方向において繰り出しベルト22の表面221よりも突出している。
第2ガード部232は、ガード状態において、図16に示すように、繰り出しベルト22の側面のうち、開口部21から遠い方(即ち、仕切板13に近い方)の第2側面224と対向するように配置されている。第2ガード部232は、繰り出しベルト22の厚み方向において繰り出しベルト22の表面221よりも突出している。
第1ガード部231は、繰り出しベルト22の幅方向において第1側面223に近づくほど、繰り出しベルト22の厚み方向において表面221から離れるように傾斜した第1傾斜面234を有している。同様に、第2ガード部232は、繰り出しベルト22の幅方向において第2側面224から離れるほど、繰り出しベルト22の厚み方向において表面221から離れるように傾斜した第2傾斜面235を有している。つまり、第1傾斜面234及び第2傾斜面235は、繰り出しベルト22の幅方向においてセット部2の奥に行くほど、繰り出しベルト22の厚み方向において表面221から離れるように傾斜している。
第1ガード部231及び第2ガード部232は、駆動シャフト233に連結されている。駆動シャフト233は、仕切板13の法線方向に延び、仕切板13に回転自在に支持されている。駆動シャフト233は、仕切板13の裏面側に配置されたモータ(図示省略)により回転駆動される。
ガード部23は、駆動シャフト233が回転駆動されることによって、ガード状態と退避状態との間で状態が切り替わる。ガード状態においては、前述の如く、第1ガード部231及び第2ガード部232が、繰り出しベルト22の厚み方向において繰り出しベルト22の表面221よりも突出した状態となっている。一方、退避状態においては、第1ガード部231及び第2ガード部232が、繰り出しベルト22の厚み方向において表面221よりも引っ込んだ位置に退避している。つまり、上下方向に見たときに、ガード状態においては、繰り出しベルト22の第1側面223が第1ガード部231によって隠れているのに対し、退避状態においては、繰り出しベルト22の第2側面224が露出する。
押え部24は、本体部240と、第1当接部241と、第2当接部242と、駆動シャフト243とを有している。
本体部240は、概ね板状の形状をしている。本体部240は、繰り出しベルト22と対向する位置に配置されている。
第1当接部241及び第2当接部242は、本体部240のうち、繰り出しベルト22と対向する面において、本体部240から突出するように設けられている。第1当接部241及び第2当接部242は、上下方向に配列されている。繰り出しベルト22の厚み方向において、第1当接部241と第1ガード部231とが対向し、第2当接部242と第2ガード部232とが対向している。
第1当接部241は、繰り出しベルト22の幅方向においてセット部2の奥に行くほど繰り出しベルト22の厚み方向において本体部240から離れるように傾斜した第3傾斜面244を有している。同様に、第2当接部242は、繰り出しベルト22の幅方向においてセット部2の奥に行くほど繰り出しベルト22の厚み方向において本体部240から離れるように傾斜した第4傾斜面245を有している。
本体部240は、駆動シャフト243に連結されている。駆動シャフト243は、仕切板13の法線方向に延び、仕切板13に回転自在に支持されている。駆動シャフト243は、仕切板13の裏面側に配置されたモータ(図示省略)により回転駆動される。押え部24は、駆動シャフト243が回転駆動されることによって、退避状態と押え状態との間で状態が切り替わる。押え部24は、ガード部23と連動しており、ガード部23がガード状態のときに、押え部24が退避状態となり、ガード部23が退避状態のときに、押え部24が押え状態となる。セット部2がセット状態のときに、押え部24は退避状態となる一方、セット部2が繰り出し状態のときに、押え部24は押え状態となる。
退避状態においては、第1当接部241及び第2当接部242が、繰り出しベルト22から十分に離れた位置に位置している。繰り出しベルト22の厚み方向において、第1当接部241及び第2当接部242と第1ガード部231及び第2ガード部232との間には、十分な間隔が確保されている。一方、押え状態においては、第1当接部241及び第2当接部242が、紙幣に当接し、紙幣を繰り出しベルト22の表面221に押し付ける。前述の如く、押え部24が押え状態となるときには、それに連動してガード部23が退避状態となるので、第1当接部241及び第2当接部242は、ガード部23に干渉することなく、紙幣に当接することができる。
続いて、セット部2の動作について説明する。セット部2がセット状態のときには、ガード部23はガード状態となり、押え部24は退避状態となっている。そのため、開口部21を介して上方からセット部2を見た場合に、繰り出しベルト22の第1側面223は、第1ガード部231で覆われて露出していない。そのため、紙幣を、開口部21を介して上方から、即ち、繰り出しベルト22の幅方向に挿入する場合であっても、紙幣が繰り出しベルト22の第1側面223に引っ掛かることなく、紙幣をセット部2にスムースに挿入することができる。
また、このとき、押え部24は、ガード部23との間に十分な間隔を有する位置に配置されている。そのため、紙幣をガード部23又は押え部24に接触させることなく、セット部2にスムースに挿入することができる。
仮に、紙幣が第1ガード部231に接触したとしても、第1ガード部231は、第1傾斜面234を有している。第1傾斜面234は、繰り出しベルト22の幅方向においてセット部2の奥に行くほど、繰り出しベルト22の厚み方向において表面221から離れるように傾斜している。そのため、紙幣が第1ガード部231に接触しても、紙幣は、セット部2の奥に進むにつれて繰り出しベルト22の表面221から離れるように第1傾斜面234によって案内される。こうして、紙幣はセット部2の奥へスムースに案内される。
さらに、繰り出しベルト22の第2側面224に対向する位置に第2ガード部232が設けられ、第2ガード部232は、繰り出しベルト22の厚み方向において表面221よりも突出している。そのため、セット部2の奥の方でも、紙幣の繰り出しベルト22への接触が第2ガード部232によって防止される。
また、第2ガード部232は、繰り出しベルト22の幅方向においてセット部2の奥に行くほど、繰り出しベルト22の厚み方向において表面221から離れるように傾斜した第2傾斜面235を有している。そのため、紙幣が第2ガード部232に接触しても、紙幣は、セット部2の奥に進むにつれて繰り出しベルト22の表面221から離れるように第2傾斜面235によって案内される。こうして、紙幣はセット部2の奥へスムースに案内される。
さらに、紙幣が抑え部24に接触する場合もあり得る。特に、押え部24においては、第1当接部241及び第2当接部242が本体部240から突出しているので、紙幣が第1当接部241又は第2当接部242に接触する場合があり得る。しかし、第1当接部241は、繰り出しベルト22の幅方向においてセット部2の奥に行くほど、繰り出しベルト22の厚み方向において本体部240から離れるように傾斜した第3傾斜面244を有している。そのため、紙幣が第1当接部241に接触しても、紙幣は、セット部2の奥に進むにつれて本体部240から離れるように第3傾斜面244によって案内される。こうして、紙幣はセット部2の奥へスムースに案内される。また、第2当接部242は、繰り出しベルト22の幅方向においてセット部2の奥に行くほど、繰り出しベルト22の厚み方向において本体部240から離れるように傾斜した第4傾斜面245を有している。そのため、紙幣が第2当接部242に接触しても、紙幣は、セット部2の奥に進むにつれて本体部240から離れるように第4傾斜面245によって案内される。こうして、紙幣はセット部2の奥へスムースに案内される。
続いて、セット部2が繰り出し状態になると、ガード部23は退避状態となり、押え部24は押え状態となる。ガード部23が退避状態となることにより、繰り出しベルト22の表面221が紙幣と接触可能な状態となると共に、押え部24が押え状態となることにより、紙幣が繰り出しベルト22の表面221に押し付けられる。こうして、紙幣が繰り出しベルト22の表面221に接触することにより、紙幣が繰り出しベルト22により適切に繰り出されていく。
尚、繰り出しベルト22によって繰り出された紙幣は分離ローラー37を通過することによって、1枚の紙幣だけがガイドローラー36まで搬送され、ガイドローラー36によって識別部3の内部へ取り込まれていく。
以上のように、繰り出しベルト22の幅方向の一方側に開口する開口部21を有するセット部2に紙幣を該幅方向から挿入する場合であっても、第1ガード部231を設けることによって、紙幣が繰り出しベルト22の側面に引っ掛かることを防止することができる。これにより、紙幣をセット部2へスムースに挿入することができる。
それに加えて、第1ガード部231に第1傾斜面234を設けることによって、紙幣が第1ガード部231に接触したとしても、紙幣をセット部2の奥の方へスムースに案内することができる。
また、第2ガード部232を設けることによって、セット部2の奥の方でも、紙幣が繰り出しベルト22に接触することを防止することができる。さらに、第2ガード部232に第2傾斜面235を設けることによって、紙幣が第2ガード部232に接触したとしても、紙幣をセット部2のさらに奥の方へスムースに案内することができる。
また、セット部2が繰り出し時に紙幣に当接する第1当接部241および第2当接部242を有する押え部24を備える構成であっても、第1当接部241に第3傾斜面244を設け、第2当接部242に第4傾斜面245を設けることによって、紙幣が第1当接部241又は第2当接部242に接触したとしても、紙幣をセット部2の奥の方へスムースに案内することができる。
このように、装置1においては、紙幣をセット部2へ開口部21を介して繰り出しベルト22の幅方向に挿入する場合であっても、紙幣をスムースに挿入することができる。これにより、紙幣を繰り出し方向とは異なる方向からセット部2に挿入することができる。
尚、開口部21は、繰り出し方向において紙幣が繰り出される向きとは反対側(即ち、装置1の前方)にも開口しているので、紙幣を繰り出し方向からセット部2に挿入することもできる。この場合においても、ガード状態における第1ガード部231及び第2ガード部232が繰り出しベルト22の表面221よりも突出した状態となっているので、紙幣を表面221に接触させることなく、セット部2に挿入することができる。
−セット部に関する他の形態−
尚、セット部2は、ガード部23を有しているが、ガード部23を省略してもよい。また、ガード部23は、第1ガード部231及び第2ガード部232を有しているが、第1ガード部231又は第2ガード部232を省略してもよい。また、第1ガード部231及び第2ガード部232には、それぞれ第1傾斜面234及び第2傾斜面235が設けられているが、第1傾斜面234及び第2傾斜面235の少なくとも一方を省略してもよい。
また、セット部2は、押え部24を有しているが、押え部24を省略してもよい。押え部24の第1当接部241及び第2当接部242を省略し、本体部240で紙幣を繰り出しベルト22に押し付けるようにしてもよい。また、第1当接部241及び第2当接部242の何れか一方を省略してもよい。さらに、第1当接部241及び第2当接部242には、それぞれ第3傾斜面244及び第4傾斜面245が設けられているが、第3傾斜面244及び第4傾斜面245の少なくとも一方を省略してもよい。
また、前記の構成では、開口部21は、上方及び前方に開口しているが、上方だけに開口する構成であってもよい。その場合、開口部21は、挿入される紙幣よりも大きく形成される。
ガード状態と退避状態とに切り替わるガード部23に代えて、駆動ローラー251と従動ローラー252との間に巻き掛けられた繰り出しベルト22を、待機状態と動作状態とに切り替わるように構成してもよい。図18及び図19は、繰り出しベルト22が、待機状態と動作状態とに切り替わるよう構成されたセット部2を示している。この構成では、駆動ローラー251、従動ローラー252及びゲートローラー253がそれぞれ、フレーム27に対して取り付けられている。従動ローラー252及びゲートローラー253は、フレーム27に対して、回転可能に支持されている。駆動ローラー251は、図19に示すように、モータ26の出力軸261に固定されている。モータ26が作動すると、出力軸261を介して駆動ローラー251が、図18における反時計回り方向に回転する。これに伴い、フレーム27に支持された繰り出しベルト22も、反時計回り方向に回転する。
出力軸261には、この出力軸261と一体となって回転する歯車262が取り付けられている。出力軸261と歯車262との間には、詳細な図示は省略するが、トルクリミッタが介設している。トルクリミッタは、出力軸261と歯車262との間のトルクの伝達が、所定の最大トルク以下となるように制限する。
フレーム27は、出力軸261を中心として回動するように支持されている。フレーム27の下部には係合部271が固定されている。係合部271は、歯車262と噛み合う。係合部271は、歯車262に平行でかつ、この歯車262に噛み合うような歯車の一部分(つまり、扇型に切り出された歯車)によって構成されている。出力軸261の回転と共に歯車262が回転したときに、係合部271がそのトルクをフレーム27に伝達することにより、フレーム27は、出力軸261を中心として回動するようになる。
図18に破線で示すように、フレーム27は、セット部2がセット状態にあるときには、図示を省略する付勢部材(例えばばね)によって、出力軸261を中心として時計回りに方向に付勢をされている。このときにフレーム27に支持されている繰り出しベルト22は、セット部2を上方から見たときに、開口部21の縁よりも装置1の左側に位置している。繰り出しベルト22は待機状態となる。紙幣を、開口部21を介して上方から、即ち、繰り出しベルト22の幅方向に挿入する場合であっても、紙幣が繰り出しベルト22の第1側面223に引っ掛かることなく、紙幣をセット部2にスムースに挿入することができる。
紙幣Bがセット部2にセットされた後、紙幣Bの繰り出しを行うときには、モータ26が作動をする。このことにより、出力軸261が反時計回り方向に回転する。これに伴い、歯車262及び係合部271を介して、フレーム27にトルクが伝達される。付勢部材によって、時計回り方向に付勢されているフレーム27は、出力軸261を中心として反時計回り方向に回転をする。図18に一点鎖線で示すように、繰り出しベルト22が、開口部21の縁よりも装置1の右側に移動するようになる。繰り出しベルト22は、押さえ状態となった押え部24と共に、紙幣Bを挟み込むようになる。こうして繰り出しベルト22が、動作状態となる。モータ26の作動が継続することにより、繰り出しベルト22によって紙幣Bが繰り出されていく。繰り出しベルト22が動作状態となれば、トルクリミッタによって出力軸261と歯車262との間で伝達されるトルクが所定の最大トルクに制限される。これにより、フレーム27が反時計回り方向にさらに回転することが防止される。その結果、繰り出しベルト22を動作状態に維持しながら、紙幣Bの繰り出しが可能になる。
セット部2にセットされた紙幣Bが全て繰り出されれば、モータ26の作動が停止される。これに伴い、フレーム27は、付勢部材によって時計回り方向に付勢され、待機状態へと切り替わる。
このような構成を採用しても、前記構成のセット部2と同様に、紙幣Bを、開口部21を介してスムースにセット部2へ挿入することができる。
(保持部の構成)
図20は、保持部4の構成を示している。保持部4は、ストッパ41と、札押さえ43とを備えている。ストッパ41は、第3搬送路53から保持部4へと、装置1の前方に搬送される紙幣Bの搬送方向の先端縁に当たって、紙幣Bの先端縁を揃える機能を果たす。ストッパ41は、図1及び図20に示すように、第2ガイド56の左側面から、装置1の左外方に突出するように取り付けられる。ストッパ41は、前後方向に広がる保持部4において、左右方向に横切るように配設される。
ストッパ41は、前後方向の配設位置が変更可能となるように、第2ガイド56に取り付けられている(図20の矢印参照)。計数対象の紙幣Bのサイズ(特に長手方向の長さ)に合わせて、ストッパ41の配設位置を変更することが可能である。
ストッパ41はまた、その基端部が垂直方向に延びる軸周りに回転可能となるように、第2ガイド56に取り付けられている。ストッパ41は、第2ガイド56の左側面に対して、ほぼ直交するように、その側面から突出する状態から、装置1の前方に向かって回転をして第2ガイド56の左側面に沿うように倒れる状態へと変更することが可能である。ストッパ41の基端部には、ねじりばね42が取り付けられており、ねじりばね42は、ストッパ41を、図20における時計回り方向に付勢している。従って、紙幣Bの計数処理の最中等においては、ストッパ41は第2ガイド56の側面から突出するような状態となって、保持部4に搬送された紙幣Bの先端縁を揃える機能を果たす。一方、保持部4から紙幣Bを取り除くときには、ストッパ41は紙幣Bに押されて回転可能である。ストッパ41が退避をすることにより、保持部4から紙幣Bが取り出しやすくなる。
ストッパ41において、紙幣Bの先端縁が当たる面には、上下方向に延びる溝が水平方向に多数並んで形成されている。これにより、紙幣Bの先端縁が当たる面は、のこぎり状となっている。保持部4は、紙幣Bを立てた状態で保持するが、紙幣Bの先端縁がストッパ41に設けた溝に入ることで、紙幣Bが水平方向(特に、装置1の左側方)に移動することが防止される。保持部4は、複数枚の紙幣を、水平方向に並べた状態で、一度に保持することが可能であるが、各紙幣Bの移動を防止することによって、後述する札押さえ43と共に、複数枚の紙幣Bがバラバラになってしまうことが防止される。
札押さえ43は、保持部4に保持された紙幣Bの表面又は裏面を押さえて、紙幣Bを立てた状態にする機能を果たす。札押さえ43はまた、保持部4に保持された複数枚の紙幣Bを厚み方向に押さえて重ねる機能も果たす。札押さえ43は、第3ガイド57に取り付けられている。札押さえ43は、平面視でL字状に構成された第3ガイド57の前端部に取り付けられ、そこから、装置1の前方へと延びている。札押さえ43は、その基端部が垂直方向に延びる軸周りに回転可能となるように、第3ガイド57に取り付けられている。札押さえ43は、装置1の前方でかつ、第2ガイド56の側面に近づく方向に延びる状態から、第2ガイド56の側面から離れる方向へと、図20における時計回り方向に回転をすることが可能である。札押さえ43の基端部には、ねじりばね44が取り付けられており、ねじりばね44は、札押さえ43を、図20における反時計回り方向に付勢している。
図20から明らかなように、保持部4において第2ガイド56の左側面は、第3搬送路53よりも装置1の右側に位置している。第3搬送路53から保持部4へと搬送された紙幣Bは、図20に一点鎖線で示すように、装置1の右方へと移動しながら、前方へと移動する。札押さえ43は、第3搬送路53から保持部4へと搬送された紙幣Bを、第2ガイド56の側面の方に寄せるように紙幣Bを案内する。札押さえ43は、ストッパ41と共に、保持部4において、紙幣Bが所定の位置に保持されるようにする。また、保持部4において保持をする紙幣Bの枚数が増えたときには、反時計回り方向に付勢されている札押さえ43は、時計回り方向に回転をすることにより、保持部4において水平方向に並んで保持されている複数枚の紙幣Bの内、最も外側の紙幣Bの表面又は裏面に当たって、複数枚の紙幣Bを、第2ガイド56の側面の方に寄せて保持する。こうして、複数枚の紙幣Bを、立てた状態で安定的に保持することが可能になる。
保持部4から紙幣Bを取り除くときには、札押さえ43は、紙幣Bに押されて反時計回り方向に回転することが可能である。こうして、札押さえ43が退避をすることにより、保持部4から紙幣Bが取り出しやすくなる。
(保持部のライトアップ構造)
この装置1は、第1及び第2ディスプレイ81、82を備えており、計数処理に関する情報は、これらの第1及び第2ディスプレイ81、82に表示される。従って、担当者(又は客)は、第1及び第2ディスプレイ81、82の表示内容を見ることによって、計数結果を始め、計数処理時にエラーが発生したことや、リジェクト紙幣が発生したこと等を認識することができる。しかしながら、計数処理が正常に終了したことや、計数処理時にエラーが発生したことや、リジェクト紙幣が発生したこと等は、第1及び第2ディスプレイ81、82の表示内容を見なくても認識できるようにすれば、装置1の利便性が向上する。
そこで、この装置1では、保持部4にライトアップ構造を設けており、計数処理が正常に終了したこと、計数処理時にエラーが発生したこと、及び、リジェクト紙幣が発生したことを、保持部4に照射するライトの色によって示すように構成されている。
具体的にライトアップ構造は、図21及び図22に示すように、LEDを有するLED基板45と、LED基板45から照射された光を反射するミラー46とを備えて構成されている。LED基板45は、第3ガイド57の内部に配設されており、装置1の前方に向かって光を照射するように構成されている。LED基板45は、青色、赤色及び黄色の、少なくとも3色の光を照射可能に構成されている。ミラー46は、第3ガイド57の内部において、LED基板45の前方位置に配設されている。ミラー46は、第3ガイド57に取り付けられた札押さえ43の基端部近傍に配設されている。ミラー46は、LED基板45から照射された光を、斜め前方に反射させるように、LED基板45に対して、所定の角度で配設されている。札押さえ54は、透光性の材料によって構成されており、ミラー46によって反射された光は、札押さえ54の内部を通過して、保持部4における第2ガイド56の左側面に照射される。札押さえ54の内部を光が通過する際に、光が散乱をすることで、保持部4の全体がライトアップされる。
制御部6は、紙幣の計数処理の状態に応じて、保持部4をライトアップする色を変更する。具体的に、紙幣の計数処理が正常に終了したときには、LED基板45から青色の光を照射させるようにして、保持部4を青色の光でライトアップする。担当者は、保持部4が青色でライトアップされたことを見て、瞬時に、計数処理が正常に終了したことを認識することが可能になる。従って、第1又は第2ディスプレイ81、82を見て、計数結果を確認すると共に、速やかに保持部4から紙幣Bを取り出すことが可能になる。こうして、計数処理の効率化を図ることができる。
制御部6はまた、紙幣の計数処理の最中にリジェクト紙幣が発生したときには、LED基板45から黄色の光を照射させるようにして、保持部4を黄色の光でライトアップする。前述したように、リジェクト紙幣が発生したときには、そのリジェクト紙幣が、リジェクト口54aから飛び出した状態で、装置1が停止をするが、担当者は、保持部4が黄色でライトアップされたことを見て、瞬時に、リジェクト紙幣が発生をして、計数処理が停止していることを認識することが可能になる。従って、担当者は、速やかにリジェクト部54から紙幣Bを取り出して、計数処理を、速やかに再開することができる。
制御部6はさらに、例えば計数処理の最中に紙幣Bの詰まりが生じたといった、エラーが発生して、装置1が停止したときには、LED基板45から赤色の光を照射させるようにして、保持部4を赤色の光でライトアップする。担当者は、保持部4が赤色でライトアップされたことを見て、瞬時に、エラーが発生をして、装置1が停止していることを認識することが可能になる。従って、担当者は、速やかにエラーの解除を開始することができる。
こうして保持部4のライトアップを行うことにより、計数処理の効率化を図ることが可能になる。保持部4は、計数処理の終了時に紙幣Bが保持される箇所であるため、担当者(及び客)は、保持部4に目が行きやすい。保持部4をライトアップすることは、担当者に対し、装置1の状態を速やかに知らせる上で、有効である。但し、装置1においてライトアップを行う箇所は、保持部4に限定されるものではない。例えばセット部2をライトアップするようにしてもよい。
また、リジェクト部54にもライトアップ構造を設け、リジェクト紙幣が発生したときには、そのリジェクト部54のライトアップ構造によって、リジェクト部54をライトアップするようにしてもよい。こうすることで、担当者に対して、リジェクト紙幣の取り出しが必要であることを、直接的に認識させることが可能になる。
さらに、搬送部5の搬送路に沿って、複数のLEDを埋め込んでおいてもよい。この構成では、紙幣Bの搬送にあわせてLEDを順次点灯させるようにしてもよい。また、紙幣Bが搬送路において詰まったときには、その詰まりが生じた箇所のLEDを点灯させるようにしてもよい。
また、計数処理の終了時等にライトアップをするだけでなく、装置1の待機状態においても、ライトアップをするようにしてもよい。例えば計数処理の実行が可能であるといった、装置1のスタンバイ状態を、ライトアップの色によって知らせるようにしてもよい。
さらに、装置1の計数処理の最中に、処理中であることを、例えば点滅等によってライトアップするようにしてもよい。
さらに、保持部4をライトアップするためのLED基板45を、第3ガイド57の内部に配設するのではなく、第2ガイド56の側面に埋め込むようにしてもよい。
(コネクタの構成)
以下に、電源コードや、ケーブルが接続されるコネクタ7の構成について説明する。
前述したように、装置1(つまり、本体)の前部右側には、セット部2が配置されている。装置1の前部左側には、保持部4が配置されている。セット部2及び保持部4は、双方とも、装置1の上部11に設けられている。セット部2及び保持部4は、装置1の前部において、水平方向に並んで位置している。
装置1の下部12は、図1等に示すように左右方向の長さよりも前後の長さが長い略直方状の外形を有している。図23に示すように、コネクタ7は、この下部12を前側と後側とに2等分したときの前側に設けられている。したがって、コネクタ7は、セット部2及び保持部4と同様に、装置1の前部に配置されることになる。
コネクタ7は、下部12の前面に設けられている。コネクタ7は、電源コード、USBケーブル、LANケーブル及びRS232Cケーブルを接続することができるように構成されている。コネクタ7に接続された電線71は、装置1の前面から前方に延びて配設される。
第1ディスプレイ81は、図1、及び図23においては仮想的に示すように、装置1の前部において、コネクタ7の上方位置に取り付けられている。第1ディスプレイ81は、例えば液晶パネルを有している。第1ディスプレイ81の上端部は、装置1の前面において、セット部2及び保持部4と、コネクタ7との間に取り付けられている。
第1ディスプレイ81は、上端から下端に向かうに連れて前方の斜め下方に傾斜している。コネクタ7は、第1ディスプレイ81によって、上方から覆われる。装置1を卓70の上に置いたときに、コネクタ7は、第1ディスプレイ81によって隠れる。
装置1は、図23に示すように、例えば卓70の上の縁の近くで、装置1の前部を担当者の方に向けて置かれる。
コネクタ7に接続された電線71は、装置1の前面から前方に向かって延ばすことが可能になる。電線71はそのまま、卓70の縁から下方に向かって延ばすことが可能になる。
以上説明したように、前記の装置1は、電線71が接続されるコネクタ7を、装置1の前側に設けたから、電線71を、担当者に向かって延ばして、卓上に置くことが可能になる。そのことで、電線71が卓上で邪魔にならない。
また、コネクタ7を、担当者の方に向けることで、このコネクタ7に対する電線71の着脱も、容易になる。
また、セット部2と保持部4とが、上部11の前部において、水平方向に並んでいるから、セット部2に紙幣を置いた担当者が、そのままの体勢で、保持部4から紙幣を取り出すことができるようになる。
また、コネクタ7の上方に第1ディスプレイ81を配置したから、コネクタ7を、第1ディスプレイ81によって隠すことができる、
また、第1ディスプレイ81は、セット部2及び保持部4と、コネクタ7との間に取り付けられているから、コネクタ7を隠しつつも、担当者がセット部2に紙幣を置いたり、保持部4から紙幣を取り出したり、するときに、第1ディスプレイ81が邪魔にならない。
−コネクタに関する他の形態−
尚、前記の構成では、コネクタ7は、装置1における下部12の前面に設けられていたが、コネクタ7は、下部12の左側面の前側に設けるようにしてもよいし、右側面の前側に設けるようにしてもよい。コネクタ7を、装置1における担当者に近い側に設けることによって、コネクタ7に接続された電線71が、卓上において邪魔にならない。
また、前記の構成では、セット部2と保持部4とが、双方とも、装置1の前部に設けられていた。これとは異なり、セット部2を装置1の前部に設け、保持部4を装置1の後部に設けてもよい。この構成では、セット部2が設けられた装置1の前部に、コネクタ7を設けることが望ましい。また、保持部4を装置1の前部に設け、セット部2を装置1の後部に設けてもよい。この構成では、保持部4が設けられた装置1の前部に、コネクタ7を設けることが望ましい。
(ディスプレイの構成)
上述したとおり、装置1は、少なくとも紙幣の計数結果が表示される複数のディスプレイ81,82を備えている。これにより例えば、第1ディスプレイ81は主に担当者が見るためのディスプレイとし、第2ディスプレイ82は主に客が見るためのディスプレイとすることによって、担当者と客の両方が紙幣の計数結果を容易に確認することができる。なお、複数のディスプレイはそれぞれ、例えば4インチ以上であることが好ましい。
図24は第2ディスプレイ82が取り付けられた箇所周辺の拡大図である。図24に示すように、複数のディスプレイの1つである第2ディスプレイ82は、装置1に、ディスプレイ支持部83を介して取り付けられている。ディスプレイ支持部83は、上下方向に延びる支軸84と、支軸84に第2ディスプレイ82を固定するマウント部85とを備えている。ディスプレイ支持部83は装置1に設けられた機構86に設置されている。ここでは機構86は、支軸84が挿入される構成になっている。
そして、支軸84は、軸方向すなわち上下方向に所定範囲内で伸縮自在であり、かつ、軸周りに回転自在に構成されている。これにより、第2ディスプレイ82の高さを自由に調整することができ、また、左右方向(水平方向)における第2ディスプレイ82の向きを自由に調整することができる。また、マウント部85は、支軸84に対する第2ディスプレイ82の取り付け角度を調整自在に構成されている。これにより、上下方向における第2ディスプレイ82の向きを自由に調整することができる。すなわち、ディスプレイ支持部83は、第2ディスプレイ82について、高さ、並びに、上下方向および左右方向における向きを調整可能なように構成されている。なお、ディスプレイ支持部83の構成はここに示したものに限られるものではなく、ディスプレイについて、高さ、並びに、上下方向および左右方向における向きを調整できる構成であれば、どのようなものであってもかまわない。
また、上述した構成では、ディスプレイ支持部83を設置可能な機構86が、装置1の後部右隅に1個だけ設けられているものとしたが、ディスプレイ支持部83を設置可能な機構を複数、設けてもよい。そして、この複数の機構の中から、ディスプレイ支持部83を設置する機構を選択することによって、第2ディスプレイ82の取り付け位置を容易に変更可能になる。
図25は紙幣計数装置の他の構成を示す平面図である。図25の構成では、機構86の他に、ディスプレイ支持部83を設置可能な機構86a,86b,86cが設けられている。機構86aは装置1の後部左隅に、機構86bは左側面前方に、機構86cは右側面前方に、それぞれ設けられている。機構86,86a,86b,86cの中からディスプレイ支持部83を設置する機構を選択することによって、第2ディスプレイ82の取り付け位置を容易に変更することができる。
また図26に示すように、装置1は、複数のディスプレイの1つである第1ディスプレイ81が本体に着脱可能なように構成されていてもよい。例えば、装置1の後部にトルクヒンジによって固定された支持片87a,87bが設けられており、第1ディスプレイ81の背面に設けられた爪部88a,88bを支持片87a,87bに引っかけて固定する構成とする。第1ディスプレイ81を装置1から外したとき、支持片87a,87bは装置1から取り外すことができるのが好ましい。また、爪部88a,88bは、第1ディスプレイ81に着脱可能に構成されているのが好ましい。なお図26の構成の場合、第1ディスプレイ81は、装置1本体から取り外した状態でも動作可能である必要がある。このため例えば、第1ディスプレイ81に電源として充電池を内蔵させたり、あるいは、第1ディスプレイ81を電源線で装置1本体と接続したりすればよい。また、信号の送受信のために、第1ディスプレイ81を無線または有線で装置1本体と通信可能な構成にすればよい。
図26のような構成により、第1ディスプレイ81を装置1本体に対して容易に着脱することが可能になる。したがって、担当者は第1ディスプレイ81を装置1本体から取り外した状態で例えばタッチパネル操作等ができるので、担当者の操作性が向上する。また、支持片87a,87bがトルクヒンジによって装置1に固定されているので、第1ディスプレイ81を取り付けたとき、上下方向における角度を自由に調整することができる。なお、ディスプレイを取り付ける構成はここに示したものに限られるものではなく、ディスプレイが本体に着脱可能であれば、どのようなものであってもかまわない。また、第1ディスプレイ81は装置1にネジ止めで固定するようにしてもよい。
なお、上述した紙幣計数装置1の構成はあくまでも一例であり、複数のディスプレイを備えた紙幣計数装置の構成はここで説明したものに限られるものではない。例えば、ディスプレイの設置位置、構造例えばタッチパネルか否かなど、または、担当者向けか客向けか、などについては、ここで開示されたものに限られるものではない。またここでは、2つのディスプレイを備えた装置構成について説明したが、3つ以上のディスプレイを備えた装置構成としてもかまわない。
(交換チップパターンの表示)
本実施形態に係る装置1は、例えば、チップを用いた遊技を行う遊技場に設置されるものとする。そして、装置1は、紙幣の計数値が表す金額と交換可能であるチップの組合せ(以下、チップ交換パターンという)を、画面表示部に表示可能に構成されている。これにより、遊技の担当者は、紙幣とチップとの交換作業を、素早くかつ正確に実行することができる。
図27は装置1においてチップ交換パターンの表示に関連する機能構成を示すブロック図である。チップ交換パターンの表示に直接関連しない構成については、図示を省略している。図27に示すように、装置1は、担当者などのユーザによる操作入力が行われる操作入力部66、外部との通信を制御する通信制御部67、および、画面表示部(本実施形態では第1ディスプレイ81および第2ディスプレイ82)の表示内容を制御する画面制御部68を備えている。操作入力部66は、本実施形態では、担当者用の画面表示部である第1ディスプレイ81に設けられたタッチパネルによって実現されている。ただしこれに限られるものではなく、例えば、装置1本体に設けられたスイッチ類や操作パネルによって実現されてもよい。通信制御部67および画面制御部68は、本実施形態では、上述した制御部6の1つの機能として実現されており、例えば、マイクロコンピュータとプログラムの組合せによって実現される。ただしこれに限られるものではなく、制御部6とは独立したシステムLSI等によって実現されてもよい。
そして装置1は、例えば、遊技場を集中管理している上位サーバー100と、コネクタ7を介して通信可能なように接続されている。通信制御部67は、上位サーバー100から、チップ交換パターン生成の条件となる情報を受信し、画面制御部68に送る。チップ交換パターン生成の条件とは例えば、チップを用いた遊技における利用単位金額の最小値および最大値や、チップの金額の種類を示す金種情報等である。上位サーバー100は、例えば遊技場の営業開始前に、装置1に、当該装置1が置かれたテーブルにおけるチップ交換パターン生成の条件となる情報を送信する。例えばここでは、利用単位金額の最小値$25、最大値$1000、チップの金種$25,$50,$100といった情報を、装置1に送信する。
装置1が紙幣を計数すると、画面制御部68は、当該計数値に対応するチップ交換パターンを生成し、第1ディスプレイ81および第2ディスプレイ82に表示する。チップ交換パターンの生成は、上位サーバー100から事前に送信された情報を基にして、自動的に行われる。このときの演算処理は例えば、公知の両替アルゴリズムによって実行可能である。なお、後述するように、画面に表示するチップ交換パターンは、複数種類であってもよいし、単独であってもよい。本実施形態では、画面制御部68は、複数種類のチップ交換パターンを、併せて画面に表示する候補表示モードを有している。また、チップ交換パターンの表示は、例えば操作入力部66の操作を受けたタイミングで、実行される。
紙幣とチップの交換が行われると、通信制御部67は、交換した紙幣の金種とその枚数の情報を上位サーバー100に送信する。これにより、遊技場は、入金情報を容易に一元管理することができる。
図28(a)〜(c)は画面表示の例である。図28の画面は第1ディスプレイ81に表示されることを想定している。なお、客用の表示画面である第2ディスプレイ82にも同様の表示がなされるが、第2ディスプレイ82にはタッチパネルが設けられていないので、タッチ用ボタンは表示されない。
図28(a)は紙幣を計数したときの画面表示の例であり、計数値D1として「$800」が表示されている。D2は通貨表示であり、図では香港ドルの通貨コード「HKD」が表示されている。D3は承認ボタンであり、計数結果が客に承認されたとき、担当者が承認ボタンD3を押す(タッチする)ことによって、チップ交換パターンの表示画面に切り替わる。
図28(b)はチップ交換パターンの表示画面の例であり、複数種類(図では4種類)のチップ交換パターンC1〜C4が表示されている。すなわち、図28(b)は上述した候補表示モードの一例である。なお、チップ交換パターンには様々なものが存在するため、生成アルゴズムに所定の制約条件を与えることによって、特徴のあるチップ交換パターンを生成することができる。
例えば、チップ交換パターンC1は、「最少額のチップのみを用いる」という制約条件を与えたものである。これにより、ここでの最少額である$25チップのみからなるチップ交換パターンC1が生成されている。チップ交換パターンC2は、「少額のチップ2種類のみを用いる」&「チップ毎の合計金額のばらつきが最小」という制約条件を与えたものである。これにより、$25と$50のチップからなり、チップ毎の合計金額がともに$400であるチップ交換パターンC2が生成されている。チップ交換パターンC3は、「交換可能な全てのチップを用いる」&「少額チップを優先する」という制約条件を与えたものである。これにより、$100チップ1枚、$50チップ2枚、$25チップ24枚というチップ交換パターンC3が生成されている。チップ交換パターンC4は、「交換可能な全てのチップを用いる」&「チップ毎の合計金額のばらつきが所定値以下」という制約条件を与えたものである。これにより、$100チップ3枚、$50チップ5枚、$25チップ10枚という、比較的バランスがとれたチップ交換パターンC4が生成されている。
図28(c)は選択されたチップ交換パターンの表示画面の例であり、図28(b)の画面からチップ交換パターンC4が選択された場合を示している。図28(c)では、チップ交換パターンC4が画面に単独で表示されている。また、直観で分かりやすいように、現実のチップを模したイラストが用いられている。チップ交換パターンを分かりやすく表示するためには例えば、各チップの表示を、当該チップの現実の色に合わせて行えばよい。
図29は紙幣計数からチップ交換までにおける、装置1およびこれを操作する担当者の動作の例を示すフローチャートである。まず、担当者は、チップ交換を求める客から紙幣を受け取ると(S11)、この紙幣を装置1のセット部2にセットし、計数を実行する(S12)。計数が終了すると、装置1は第1ディスプレイ81および第2ディスプレイ82に計数結果を表示する(S13)。このときの画面は、例えば図28(a)のようになる。
担当者は、計数が終了した紙幣を、例えば遊技場に設置された回収ボックスに入れ、計数結果を承認する(S14)。ここでの承認は例えば、図28(a)の画面における承認ボタンD3をタッチすることによって行われる。すると、装置1は、第1ディスプレイ81および第2ディスプレイ82にチップ交換パターンを表示する(S15)。このときの画面は、例えば図28(b)のようになる。客は、客用の表示画面である第2ディスプレイ82を見て、希望するチップ交換パターンを担当者に告げる。担当者は、客の指示に従ってチップ交換パターンを選択する(S16)。ここでは担当者は、担当者用の表示画面である第1ディスプレイ81に対して、客が告げたチップ交換パターンの位置をタッチする。
装置1は、選択されたチップ交換パターンを、第1ディスプレイ81および第2ディスプレイ82に表示する(S17)。このときの画面は、例えば図28(c)のようになる。担当者は、表示されたチップ交換パターンに従って、客にチップを渡す(S18)。なお、計数値に対してチップ交換時に端数が出る場合は、その端数の金額もチップ交換パターンと併せて画面に表示し、客にチップを渡す際にその金額を返すようにすればよい。
このように本実施形態によると、紙幣の計数値を表示するための第1および第2ディスプレイ81,82に、画面制御部68の制御によって、紙幣の計数値D1が表す金額と交換可能であるチップの組合せを示すチップ交換パターンC1〜C4を表示することができる。このため、当該装置1が、例えばチップを用いた遊技を行う遊技場に設置された場合に、遊技の担当者が、紙幣とチップとの交換作業を、素早くかつ正確に実行することができる。また、チップ交換パターンC1〜C4が、遊技における利用単位金額の最小値および最大値とチップの金額の種類を示す金種情報とを用いて生成されるので、当該装置1は、状況に応じた的確なチップ交換パターンC1〜C4を表示することができる。
なお、上の実施形態では、複数種類のチップ交換パターンを画面に表示(候補表示モード)して、客にいずれかのチップ交換パターンを選択してもらうものとしたが、本開示はこれに限られるものではない。例えば、最初に1種類のチップ交換パターンを画面に表示し、客がそのチップ交換パターンを気に入らないときは、次のチップ交換パターンを画面に表示する、というような制御を行ってもかまわない。
また、上の実施形態では、候補表示モードで選択されたチップ交換パターンを、図28(c)に示すように、改めて単独で表示するものとしたが、本開示はこれに限られるものではない。例えば、図30に示すように、候補表示モードの画面において、選択されたチップ交換パターンC4を強調して表示してもよい。強調する態様としては、図30に示すように、拡大したり、縁取りしたり、ハイライト化したり、その他様々なものが考えられる。
また、チップ交換パターンの生成のための制約条件は、上述したものに限られるものではなく、その他様々なものが考えられる。例えば、各チップの上限枚数を制限する、高額チップを優先する、特定のチップを避ける、などといった制約条件が考えられる。また、これらの制約条件は、上位サーバー100から送信するようにしてもよい。例えば、営業開始前に制約条件を送信してもいいし、あるいは、客に応じて、制約条件の優先順位を変更するようにしてもよい。
また、上の実施形態では、装置1は第1および第2ディスプレイ81,82という2つの画面表示部を有しており、各画面表示部において、チップ交換パターンを表示するものとしたが、これに限られるものではない。画面表示部の個数は1個でもいいし、3個以上であってもよい。また、画面表示部が複数個ある場合、一部の画面表示部にのみ、チップ交換パターンを表示するようにしてもよい。
(通貨識別情報及び計数値の表示モード)
図31(a),(b)は通貨識別情報及び紙幣の計数値の両方を示す表示画面の一例である。図31(a),(b)の例では、通貨識別情報の一例として、通貨コードを画面に表示している。「HKD」は香港ドルの通貨コードである。図31(a)では、画面中央に紙幣の計数値VLが表示されており、画面の左上方に通貨識別情報CI1が小さく表示されている。一方、図31(b)では、画面の左手に通貨識別情報CI2が大きく表示されている。本実施形態では、画面制御部68は、通貨識別情報及び紙幣の計数値の表示モードとして、図31(a)のような画面を示す表示モード(第1モード)と、通貨識別情報の表示態様が第1モードと異なっており、図31(b)のような画面を示す(第2モード)とを有している。すなわち、第2モードでは、通貨識別情報CI2が、第1モードと比較してより強調されて表示されている。
そして、画面制御部68は、装置1の動作状態に応じて、通貨識別情報及び紙幣の計数値の表示モードを切り替えることができる。例えば、装置1が計数動作を行っている計数状態において、紙幣の計数値がより見やすくなるように、第1モード(図31(a))を用いる一方、装置1が計数動作を行っていない待機状態において、計数対象の通貨種別がより分かりやすいように、第2モード(図31(b))を用いる。
図32は装置1の動作状態に伴う画面表示の変化の一例を示す図である。図32の画面は第1ディスプレイ81に表示されることを想定している。なお、客用の表示画面である第2ディスプレイ82にも同様の表示がなされるが、第2ディスプレイ82にはタッチパネルが設けられていないので、タッチ用ボタンは表示されない。
まず、図32(a)は装置1が待機中のときの画面例である。画面制御部68は第2モードを用いており、通貨識別情報が大きく表示されている。このとき、担当者が操作入力部66(ここでは第1ディスプレイ81のタッチパネル)を介して通貨種別を変更すると、通貨識別情報の内容が変化する。「MOP」はマカオパタカの通貨コードである。担当者が客から紙幣を受け取り、この紙幣を装置1のセット部2にセットし、計数を開始する操作を行う。すると、画面制御部68は表示モードを第1モードに切り替える。これにより、図32(b)のような画面に変化し、通貨識別情報の表示が小さくなり、紙幣の計数値がより目立つようになる。計数が完了すると図32(c)のような画面になる。担当者がタッチパネルの「ACCEPT」ボタンを押下すると、計数値の確定処理が行われ、確定処理が終了した後、画面制御部68は表示モードを第2モードに切り替える。これにより、図32(d)のような画面にもどる。
このように本実施形態によると、画面制御部68の制御によって、計数対象として設定された通貨種別を示す通貨識別情報と、紙幣の計数値とが、第1および第2ディスプレイ81,82に併せて表示される。これにより、装置1を操作する担当者や装置1を利用する客は、紙幣の計数結果とともに、どの種類の通貨が計数されたかを容易に認識することができる。また、通貨識別情報および計数値の表示モードとして、通貨識別情報の表示態様が異なる2種類の表示モードがあるので、例えば紙幣計数装置1の動作状態に応じて、通貨識別情報の表示態様を適切に選択することができる。
なお、上の実施形態では、画面制御部68は、通貨識別情報及び紙幣の計数値の両方を示す表示モードとして、2種類のモードを有するものとしたが、これに限られるものではなく、3種類以上の表示モードを有してもいい。あるいは、1種類のみの固定された表示モードを有していてもよい。
また、上の実施形態では、表示する通貨識別情報の例として通貨コードを用いて説明を行ったが、通貨識別情報は通貨コードに限られるものではなく、例えば、通貨の名称、通貨を表すイラストや画像などを用いてもかまわない。
また、上の実施形態では、装置1は第1および第2ディスプレイ81,82という2つの画面表示部を有しており、各画面表示部において、通貨識別情報及び紙幣の計数値の両方を表示するものとしたが、これに限られるものではない。画面表示部の個数は1個でもいいし、3個以上であってもよい。また、画面表示部が複数個ある場合、一部の画面表示部にのみ、通貨識別情報及び紙幣の計数値の両方を表示するようにしてもよい。
また、表示モードの切り替えを行うタイミングは、上で説明したものに限られるものではない。例えば、通貨識別情報を大きく表示する第2モードから第1モードに切り替えるタイミングとして、紙幣がセット部2に置かれたことをセンサで検知したタイミング、最初の紙幣が識別部3を通過したタイミング、最初の紙幣が保持部4に出たタイミングなどを用いてもよい。また、通貨識別情報を強調して表示するモードを、装置1が担当者を例えばIDカードの読み取り等によって認証したときや、設定変更を行うときなどに用いてもよい。
また、上の実施形態では、複数の表示モード間で、通貨識別情報の表示サイズを変えるものとしたが、通貨識別情報の表示態様を変える手法は、これに限られるものではない。例えば、通貨識別情報に付す色や模様等を変えてもよいし、表示する輝度等を変えてもかまわない。あるいは、通貨識別情報を、第1モードでは点滅表示し、第2モードでは点滅なしで表示するようにしてもよい。
−他の表示モードの例−
図33(a),(b)は通貨識別情報及び紙幣の計数値の両方を示す表示画面の他の例である。図33(a)では、通貨識別情報CI3として、通貨のイメージカラーすなわち通貨の種別を表す色(例えば赤色)を表示している。一方、図33(b)では、通貨識別情報CI4として、通貨コードとイメージカラーとを併せて表示している。すなわち、画面制御部68は、通貨識別情報及び紙幣の計数値の表示モードとして、図33(a)のように通貨種別を色のみで表示する表示モード(第1モード)と、図33(b)のように通貨種別を文字および色で表示する表示モード(第2モード)とを有していてもよい。すなわち、第2モードでは、通貨識別情報CI4が、第1モードと比較してより強調されて表示されている。そして、画面制御部68は、例えば、紙幣計数装置1が計数動作を行っている計数状態において、紙幣の計数値がより見やすくなるように、第1モード(図33(a))を用いる一方、紙幣計数装置1が計数動作を行っていない待機状態において、計数対象の通貨種別がより分かりやすいように、第2モード(図33(b))を用いるようにすればよい。
図34(a),(b)は通貨識別情報及び紙幣の計数値の両方を示す表示画面の他の例である。図34(a)では、通貨識別情報CI5として、紙幣計数装置1が計数の対象としている複数の通貨種別(図では「HKD」香港ドルと「MOP」マカオパタカ)が表示されている。一方、図34(b)では、通貨識別情報CI6として、計数対象候補となる複数の通貨種別が表示され、かつ、計数対象として設定された通貨種別(ここでは「HKD」香港ドル)が他の通貨種別と比べて強調して表示されている。図34(b)の例では、「HKD」がハイライト表示されている一方で、「MOP」の表示輝度が低下している。すなわち、画面制御部68は、通貨識別情報及び紙幣の計数値の表示モードとして、図34(b)のように、計数対象として設定された通貨種別を他の通貨種別と比べて強調表示する表示モードを有していてもよい。例えば、装置1が通貨種別の認識機能を備えている場合には、セットされた紙幣を計数する際に、画面制御部68は、図34(b)に示すように、装置1が認識した通貨種別を強調表示するようにしてもよい。
また、本実施形態に係る装置1は、例えばチップを用いた遊技を行う遊技場に設置された場合、紙幣の計数値のデータを遊技場に設けられたモニターに表示させるように構成することも可能である。例えば、装置1を遊技場に構築された情報システムと有線または無線で接続し、装置1によって計数された計数値のデータを当該情報システムに送信可能にする。送信された計数値は、当該情報システムにネットワークを介して接続されたモニターに表示される。これにより、遊技場の客は、紙幣の計数値を遊技場のモニターを介して見ることができる。この場合、装置1に設けられた客用の画面表示部である第2ディスプレイ82を省いてもかまわない。
なお、以上の説明は紙幣計数装置を例にとって行ったが、上述したような通貨識別情報及び計数値の表示については、例えば、硬貨を計数する硬貨計数装置にも適用してもよい。あるいは、紙幣および硬貨の両方を計数する装置にも適用してもよい。すなわち、本開示の内容は、複数種類の通貨について、貨幣を計数可能な貨幣計数装置に適用することが可能である。
1 紙幣計数装置
2 セット部
3 識別部
31 光学センサ
32 厚みセンサ
33 磁気センサ
36 ガイドローラー
4 保持部
5 搬送部
50 開口部
51〜53 第1〜第3搬送路
55〜57 第1〜第3ガイド
510 カバー部材
B 紙幣

Claims (10)

  1. 紙幣の識別及び計数を行うように構成された紙幣計数装置であって、
    計数対象の前記紙幣がセットされるよう構成されたセット部と、
    前記セット部から繰り出された前記紙幣の識別及び計数を行うよう構成された識別部と、
    前記識別部が識別を行った後の前記紙幣を保持するよう構成された保持部と、
    前記セット部と前記保持部との間をつなぐ搬送路を有しかつ、前記セット部から繰り出された前記紙幣を一枚ずつ、前記識別部を通過させた後、前記保持部にまで搬送するよう構成された搬送部と、を備え、
    前記セット部は、当該セット部にセットされた前記紙幣の少なくとも一部分を見ることができるように構成され、
    前記保持部は、当該保持部に保持した前記紙幣の少なくとも一部分を見ることができるように構成され、
    前記搬送部は、前記搬送路に沿って前記紙幣が搬送されている最中に、前記紙幣の少なくとも一部分を、常時、見ることができるように構成されていることを特徴とする紙幣計数装置。
  2. 前記搬送路は、搬送される前記紙幣の表面及び裏面に相対するように配置されたガイドによって構成され、前記ガイド同士の間には、前記搬送路に沿って開口する開口部が設けられており、
    前記搬送部は、前記紙幣の一部分が前記開口部から外に飛び出した状態で、前記紙幣を前記搬送路に沿って搬送することを特徴とする請求項1に記載の紙幣計数装置。
  3. 前記識別部は、前記紙幣が進入する入口部と、前記紙幣が退出する出口部とを有するトンネル状に構成され、
    前記識別部は、前記紙幣が通過をするときに、前記紙幣の搬送方向先側の一部分が前記出口部から出た状態で、前記紙幣の搬送方向後側の一部分が前記入口部に入る前の状態になる形状であることを特徴とする請求項2に記載の紙幣計数装置。
  4. 前記セット部は、少なくとも上向きに開放されていると共に、前記紙幣の長手の縁を下にして立てた状態に、前記紙幣をセットするように構成され、
    前記搬送路の開口部は上向きに開口していて、前記搬送部は、前記紙幣の上部が前記開口部から外に飛び出すように、前記紙幣を立てた状態で、長手搬送するように構成され、
    前記保持部は、少なくとも上向きに開放されていると共に、前記紙幣の長手の縁を下にして立てた状態に、前記紙幣を保持するように構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の紙幣計数装置。
  5. 前記識別部は、前記紙幣の表面及び裏面の画像を取得する光学センサと、前記紙幣の厚みを検知する厚みセンサと、前記紙幣の磁気特性を検知する磁気センサと、を有し、
    前記光学センサは、立てた状態で長手搬送される前記紙幣の短手長さの全域に亘って延びて配設され、
    前記厚みセンサ及び前記磁気センサはそれぞれ、前記開口部よりも下側であって、前記紙幣において前記ガイドによって覆われる部分に対応する高さに配設されていることを特徴とする請求項4に記載の紙幣計数装置。
  6. 前記光学センサ、前記厚みセンサ及び前記磁気センサは、前記紙幣の搬送方向に順に並んでいることを特徴とする請求項5に記載の紙幣計数装置。
  7. 前記セット部は、少なくとも上向きに開放されていると共に、前記紙幣の長手の縁を下にして立てた状態に、前記紙幣をセットするように構成され、
    前記搬送路の開口部は上向きに開口していて、前記搬送部は、前記紙幣の上部が前記開口部から外に飛び出すように、前記紙幣を立てた状態で、長手搬送するように構成され、
    前記保持部は、少なくとも上向きに開放されていると共に、前記紙幣の長手の縁を下にして立てた状態に、前記紙幣を保持するように構成され、
    前記識別部の前記入口部は、前記紙幣の搬送方向に対して上り勾配となるよう傾斜していることを特徴とする請求項3に記載の紙幣計数装置。
  8. 前記識別部内に前記紙幣を送り出すガイドローラーは、前記入口部の傾斜箇所に対応する搬送方向の位置に配設されている請求項7に記載の紙幣計数装置。
  9. 前記開口部から外に飛び出した前記紙幣を覆うように設けられかつ、光透過性の材料によって構成されたカバー部材をさらに備え、
    前記搬送路に沿って搬送されている前記紙幣の少なくとも一部は、前記カバー部材を通じて、常時、見ることができるように構成されていることを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の紙幣計数装置。
  10. 前記搬送路の少なくとも一部は、光透過性の材料によって構成されており、
    前記搬送路に沿って搬送されている前記紙幣の少なくとも一部は、前記搬送路において、前記光透過性の材料によって構成された部分を通じて、常時、見ることができるように構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の紙幣計数装置。
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