JP2016196680A - 成膜方法および成膜装置 - Google Patents

成膜方法および成膜装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016196680A
JP2016196680A JP2015076518A JP2015076518A JP2016196680A JP 2016196680 A JP2016196680 A JP 2016196680A JP 2015076518 A JP2015076518 A JP 2015076518A JP 2015076518 A JP2015076518 A JP 2015076518A JP 2016196680 A JP2016196680 A JP 2016196680A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
side wall
film forming
wall member
vacuum chamber
chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015076518A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6319158B2 (ja
Inventor
久野 裕彦
Hirohiko Kuno
裕彦 久野
徳田 健一
Kenichi Tokuda
健一 徳田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2015076518A priority Critical patent/JP6319158B2/ja
Publication of JP2016196680A publication Critical patent/JP2016196680A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6319158B2 publication Critical patent/JP6319158B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】成膜プロセスを実行するプロセス室における吸気や排気の工程に要する時間を短縮し、成膜の動作を効率化する成膜方法の提供。
【解決手段】真空室20と、真空室20内に配置されるテーブル21と、テーブル21に設けられて載置面を有する載置部、載置面を囲むようにテーブル21に固定された側壁部材32と、プロセスガスを供給するガス供給部24と、側壁部材32の端部の第1の開口部を塞ぐための蓋部と、テーブルを動かす駆動部と、を備える成膜装置10において、基板を載置面上に載置する第1の工程と、その後、側壁部材32を蓋部の近傍に移動させて蓋部によって載置面上の空間を気密に隔ててプロセス室30を形成する第2の工程と、その後、プロセス室30にプロセスガスを供給する第3の工程と、その後、蓋部によるプロセス室30の密封状態を解除する第4の工程と、を備える成膜方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、成膜方法および成膜装置に関するものである。
基板上に薄膜を形成する成膜プロセスにおいては、多くの煩雑な工程が行なわれる。具体的には、例えば、CVD法により基板表面に成膜する際には、以下の工程が必要である。すなわち、成膜を行なうプロセス室内に成膜対象である基板を搬入する工程、基板の搬入後にプロセス室を真空引きして(減圧させて)プロセス室内から空気を排出させる工程、真空引き後のプロセス室内に成膜のための原料ガスを供給すると共に基板に対してエネルギを供給して、基板表面に成膜する工程、および、成膜後にプロセス室内の原料ガスを排出してプロセス室から基板を取り出す工程、が必要である(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−78468号公報 特開2006−9144号公報
上記のように、多くの煩雑な工程が必要であるため、多数の基板に対して成膜処理する動作を効率良く行なうことが困難であった。特に、プロセス室に基板を配置した後に、原料ガスの供給に先立ってプロセス室を真空引きする工程(吸気工程)や、成膜後に、プロセス室からの基板の取り出しに先立ってプロセス室から原料ガスを排気する工程(排気工程)については、吸排気の能力(真空ポンプの能力)に限界があるため、大幅な時間短縮は困難であった。そのため、プロセス室における上記した吸気および排気の工程に要する時間を短縮し、成膜の動作を効率化することが望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、成膜装置を用いて基板上に薄膜を形成する成膜方法が提供される。この成膜方法において、前記成膜装置は、減圧状態が維持される真空室と;前記真空室内に配置されるテーブルと;前記テーブルに設けられ、前記基板を載置するための載置面を有する載置部と;前記基板上に薄膜を形成する成膜工程が行なわれるプロセス室の側壁となる側壁部材であって、前記真空室内において前記テーブルに固定されて前記載置部の前記載置面を囲むように設けられた側壁部材と;前記プロセス室に対して、成膜のためのプロセスガスを供給するガス供給部と;前記側壁部材の端部に形成される第1の開口部を気密に塞ぐために、前記真空室内の特定の位置に配置された蓋部と;前記蓋部に対する前記側壁部材の相対的な位置が変化するように前記テーブルを動かす駆動部と;を備える。前記成膜方法は、前記薄膜を形成すべき前記基板を前記載置面上に載置する第1の工程と;前記第1の工程の後に、前記駆動部を用いて前記テーブルを動かして、前記側壁部材を前記蓋部の近傍に移動させると共に、前記蓋部によって前記第1の開口部を塞ぎ、前記側壁部材によって囲まれた前記載置面上の空間を、前記真空室内で減圧される他の領域から気密に隔てることにより、前記プロセス室を形成する第2の工程と;前記第2の工程の後に、前記ガス供給部によって前記プロセス室に対して前記プロセスガスを供給して前記成膜工程を行なう第3の工程と;前記第3の工程の後に、前記駆動部を用いて前記テーブルを動かすと共に、前記蓋部による前記プロセス室の密封状態を解除する第4の工程と;を備える。
この形態の成膜方法によれば、第1の工程で載置面上に基板を載置した後に、第2の工程において、側壁部材の第1の開口部を蓋部で気密に塞いでプロセス室を形成し、第3の工程において、プロセス室に対してプロセスガスを供給する。そして、成膜後には、第4の工程において、側壁部材が固定されたテーブルを動かすと共に、蓋部によるプロセス室の密封状態を解除する。そのため、第4の工程では、蓋部によるプロセス室の密封状態が解除されたときに、プロセス室内のプロセスガスが、テーブルと共に移動する側壁部材によって、プロセス室であった空間から押し出される。その結果、成膜後にプロセス室からプロセスガスを排気する動作を速やかに行なうことができ、成膜工程を効率化することができる。
(2)上記形態の成膜方法において、前記成膜装置は、さらに、前記真空室の外壁の一部に設けられ、前記真空室の内部と外部とを連通させる第2の開口部と;前記第2の開口部に取り付けられて、前記真空室の内部を気密に封じるドア部と;前記載置部が前記第2の開口部の近傍に移動したときに、前記第2の開口部と前記載置部との間に形成される空間を、前記真空室内で減圧される他の領域から気密に隔てるシール部と;を備える。このような成膜方法において、前記第1の工程は、少なくとも前記駆動部を利用して、前記載置部を前記第2の開口部の近傍に動かす移動工程と;前記シール部によって、前記第2の開口部と前記載置部との間に形成される空間である載置室を、前記真空室内で減圧される他の領域から気密に隔てる隔離工程と;前記第2の開口部から前記ドア部を取り外して、前記載置室を前記真空室の外部に露出させて、前記薄膜を形成すべき前記基板を前記載置室内の前記載置面上に載置する載置工程と;前記基板を載置した前記載置室と、前記真空室内で減圧される他の領域とを連通させる減圧工程と;を備える。
この形態の成膜方法によれば、前記第2の開口部の近傍に移動した載置部と、真空室の外壁に設けた第2の開口部と、の間に形成される載置室を、気密に隔てて、載置室を真空室の外部に露出させて載置面上に基板を載置する。そして、基板を載置した後には、載置室を真空室内の他の領域と連通させて減圧させる。そのため、減圧された真空室内に基板を配置する際に、載置面上の限られた空間のみを真空室の外部に露出させればよく、基板の載置のために真空室全体を復圧させる必要がない。また、載置部上に基板を配置した後には、載置面上の限られた空間のみを減圧させればよく、真空室全体を減圧する必要がない。したがって、基板を配置するための空間を復圧させる工程や、基板を配置した空間を減圧させる工程に要する時間を短縮することができる。
(3)上記形態の成膜方法において、前記成膜装置は、さらに、前記第2の開口部の近傍で前記載置部を昇降させる昇降機構を有し、前記移動工程は、前記駆動部によって前記テーブルを動かして、前記テーブル上の前記載置部を前記第2の開口部の近傍に動かすと共に、前記昇降機構が前記真空室の外壁に向かって前記載置部を上昇させる工程であることとしてもよい。
この形態の成膜方法によれば、昇降機構によって載置部を上昇させて、載置面と真空室の外壁との間に載置室を形成している。そのため、載置面上に形成されて外部に露出される載置室を、より小さく形成することができる。したがって、基板を配置するための空間を復圧させる工程や、基板を配置した空間を減圧させる工程に要する時間を短縮する効果を、さらに高めることができる。
(4)上記形態の成膜方法は、さらに、前記第4の工程の後に、前記載置面上の空間を、前記真空室内で減圧される他の領域から気密に隔てつつ、前記載置面を前記真空室の外部に露出させて、前記第3の工程で成膜された前記基板を取り出す第5の工程を備え、前記第5の工程に引き続き、前記第5の工程において前記基板を取り出した前記載置面上に、前記薄膜を形成すべき新たな前記基板を載置する工程を、前記第1の工程として行ない、さらに前記第2の工程以降の工程を行なって、成膜の動作を繰り返すこととしてもよい。
この形態の成膜方法によれば、基板上に成膜する動作を、効率良く繰り返し行なうことができる。
(5)上記形態の成膜方法において、前記駆動部は、前記テーブルに接続された駆動軸を中心に前記テーブルを回転させ;前記成膜装置は、前記載置部および前記側壁部材として、複数の前記載置部と、各々の前記載置部を囲むように設けられた複数の前記側壁部材とを備え;前記テーブルが回転する際に各々の前記載置部および前記側壁部材が経由する位置であって、前記第1の工程が実行される位置と前記第3の工程が実行される位置とが予め設定されており;前記成膜方法は、各々の前記載置部および前記側壁部材が、前記第1の工程が実行される位置と前記第3の工程が実行される位置とを順次経由するように、前記駆動部によって前記テーブルを回転させつつ、各々の前記載置部および前記側壁部材を利用して、前記第1から第5の工程を繰り返し実行することとしてもよい。
この形態の成膜方法によれば、基板上に成膜する動作を、効率良く繰り返し行なうことができる。
(6)上記形態の成膜方法において、前記側壁部材と前記蓋部との双方において、前記側壁部材と前記蓋部とが接する箇所には、互いに噛み合う形状の凹凸部が設けられており、前記第2の工程は、前記側壁部材と前記蓋部とに形成された前記凹凸部同士を噛み合わせることにより、前記真空室内で減圧される他の領域から気密に隔てられた前記プロセス室を形成することとしてもよい。
この形態の成膜方法によれば、シール部材を別途用意することなく、プロセス室の気密性を高めることができる。また、シール部材を別途用意する必要がないため、シール部材の材料に起因して成膜時の温度の制限を受けることがない。さらに、プロセス室の気密性を向上させるために成膜装置の部品点数が増加することを、抑えることができる。
(7)本発明の他の形態によれば、基板上に薄膜を形成するための成膜装置が提供される、成膜装置は、減圧状態が維持される真空室と;前記真空室内に配置されるテーブルと;前記テーブルに設けられ、前記基板を載置するための載置面を有する載置部と;前記基板上に薄膜を形成する成膜工程が行なわれるプロセス室の側壁となる側壁部材であって、前記真空室内において前記テーブルに固定されて前記載置部の前記載置面を囲むように設けられた側壁部材と;前記プロセス室に対して、成膜のためのプロセスガスを供給するガス供給部と;前記側壁部材の端部に形成される第1の開口部を気密に塞いで前記側壁部材と共に前記プロセス室を形成するために、前記真空室内の特定の位置に配置された蓋部と;前記蓋部によって前記第1の開口部が気密に塞がれる位置と、前記側壁部材が前記蓋部から離間する位置との間で、前記側壁部材が移動するように前記テーブルを動かす駆動部と;を備える。
この形態の成膜装置によれば、側壁部材の端部に形成される第1の開口部を蓋部によって気密に塞いでプロセス室を形成し、このプロセス室に対してガス供給部を用いてプロセスガスを供給することにより、基板上に薄膜を形成することができる。そして、駆動部によってテーブルを動かして側壁部材を移動させることにより、プロセス室が蓋部によって気密に塞がれる状態を解除することができる。そのため、プロセス室内で成膜を行なった後に、蓋部によるプロセス室の密封状態を解除したときに、プロセス室内のプロセスガスを、テーブルと共に移動する側壁部材によって、プロセス室であった空間から押し出すことができる。その結果、成膜後にプロセス室からプロセスガスを排気する動作を速やかに行なうことができ、成膜工程を効率化することができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、薄膜形成の対象である基板を配置したプロセス室を真空引きするための吸気方法、基板上に薄膜を形成するプロセスの終了後にプロセス室からプロセスガスを排気する排気方法、あるいは、プロセス室において、薄膜形成の対象である基板を出し入れする方法、などの形態で実現することが可能である。
成膜装置の全体構成の概略を示す説明図である。 成膜装置の全体構成の概略を示す説明図である。 成膜装置の全体構成の概略を示す説明図である。 成膜装置を用いた成膜方法を表わす工程図である。 載置部を上方に移動させる前の状態を拡大して示す断面模式図である。 載置室を形成したときの様子を拡大して示す断面模式図である。 第2の実施形態の成膜装置における成膜位置の様子を拡大して示す断面模式図である。 上蓋部と側壁部材との間の接触部の様子を拡大して示す説明図である。 上蓋部および下蓋部と側壁部材との接触部の凹凸形状が異なるプロセス室の気密性を比較した結果を示す説明図である。
A.第1の実施形態の成膜装置の全体構成:
図1、図2、および図3は、本発明の第1の実施形態としての成膜装置10の全体構成の概略を示す説明図である。成膜装置10は、基板上に薄膜を形成する動作を連続的に行なうための装置である。図1は斜視図であり、成膜装置10の内部構造は点線により表わしている。図2は、成膜装置10の一部の部材(後述する上壁部20a)を除去した様子を表わす平面図であり、図3は、図2に示したA−A断面における断面図である。なお、図1および図3に示すX方向は水平方向であり、Y方向は鉛直上向き方向である。また、図2および図3では、成膜装置10内に配置される基板については記載を省略している。
成膜装置10は、プラズマCVD法により基板(ワーク)の表面に薄膜を形成するための装置である。成膜装置10は、真空室20と、真空室20内に配置されるテーブル21と、テーブル21に取り付けられた側壁部材32とを備えている。本実施形態では、真空室20の外壁面、テーブル21、および側壁部材32、並びに、後述する載置部39、上蓋部27、および下蓋部28は、いずれも、金属材料(例えば、SUS304およびSUS360等のステンレス鋼、並びにチタンおよびチタン合金から選択される金属材料)により形成されている。
真空室20は、内部が、ほぼ真空に近い減圧状態に維持される。成膜装置には、真空室20内を減圧状態に維持するために、図示しない真空ポンプを備える排ガス処理部23が設けられている(図1参照)。排ガス処理部23と真空室20内とは、配管25により接続されている。そのため、真空室20内に存在するガスは、排ガス処理部23によって直ちに排気することができる。なお、真空室20は、図3に示すように、上壁部20a、下壁部20b、および側壁部20cを備えており、真空室20内の気密性が保たれている。なお、既述したように、図2では、上壁部20aを除去して上面視した様子を表わしており、直接見えない箇所については点線で表わしている。また、図2では、真空室20の側壁部20cと、側壁部材32には、ハッチを付して示している。
図1〜3に示すように、真空室20の内部には、円盤状のテーブル21が配置されている。テーブル21の中心部には駆動軸22が取り付けられており、図示しない駆動装置(モータ)によって駆動軸22が一定方向に回転駆動される。これにより、テーブル21は、駆動軸22を中心として回転する。上記した駆動軸22を回転駆動する駆動装置が、課題を解決するための手段における「駆動部」に相当する。
側壁部材32は、基板上に成膜するプロセスを実行するプロセス室30を形成するための部材であり、真空室20内においてテーブル21に固定されている。側壁部材32は、直方体の側面に相当する4面から成る部材を、テーブル21の上面側と下面側の両方において、鉛直方向に重なる位置に固定することにより形成されている。本実施形態では、図1〜3に示すように、上記テーブル21の上面側と下面側の両方に固定された側壁部材32を1組として、駆動軸22を間に挟んで対向する位置に配置された2組の側壁部材32を設けている。
テーブル21は、各々の側壁部材32内で露出する箇所において、略矩形の穴31を有している(図3参照)。そして、テーブル21上において、上記穴31と重なる位置に、基板を配置するための載置部39が配置されている(図3参照)。載置部39は、中央部に略矩形の穴39aが形成された枠形状を有する板状部材である(図2および図3参照)。載置部39は、テーブル21における上記穴31の外側部分によって下から支えられており、後述する昇降部材33によって下方から押されることにより、鉛直上向き方向へと移動可能である。載置部39の上方の面側には、基板の配置位置を定めるために、穴39aの周囲の領域として、載置部39の外周近傍の領域に対して凹状に形成された段差部39bが形成されている(図2および図3参照)。段差部39bが形成された載置部39の上方の面を、以下では載置面と呼ぶ。なお、図1では、載置部39の昇降に係る昇降部材33については記載を省略している。
図1〜3に示すように、本実施形態では、テーブル21の回転に伴い側壁部材32が移動する範囲内の特定の位置として、ワーク出し入れ位置と成膜位置とが設定されている。そして、テーブル21を回転させることにより、ワーク出し入れ位置と成膜位置とを順次経由するように、側壁部材32の位置を変更することができる。ワーク出し入れ位置では、側壁部材32によって囲まれる空間内に対して、基板の出し入れが行なわれる。成膜位置では、側壁部材32によってプロセス室30が形成されて、基板上に薄膜を形成する成膜プロセスが実行される。上記ワーク出し入れ位置および成膜位置以外の位置に側壁部材32が存在するときには、側壁部材32内の空間は、真空室20内における他の領域と連通して、減圧された状態となる。
成膜装置10は、図1に示すように、CVD法により薄膜を形成するためのプロセスガス(原料ガス)を供給するガス供給部24をさらに備えている。また、成膜装置10は、図1に示すように、成膜位置を含む範囲において、真空室20の上壁部20aに固定された上蓋部27と、下壁部20bに固定された下蓋部28とを備えている。本実施形態では、上蓋部27と下蓋部28とは、円環形状を、当該円環形状の中心を通る直線によって半分にした同一の形状を有しており、鉛直方向に投影したときに外周全体が互いに重なる位置に配置されている。さらに、上蓋部27と下蓋部28とは、鉛直方向に投影したときに、ワーク出し入れ位置に配置されるときの側壁部材32とは重ならない位置に配置されている。また、上蓋部27および下蓋部28は、成膜位置に配置されるときの側壁部材32全体を覆う大きさに形成されており、成膜位置では、側壁部材32の上下の開口部である開口部32aが、上蓋部27および下蓋部28によって塞がれることにより、プロセス室30が形成される(図3参照)。なお、側壁部材32の上下の開口部32aが、課題を解決するための手段における「第1の開口部」に相当する。
上蓋部27および下蓋部28には、ガス供給部24に接続されてプロセス室に対して原料ガスを供給するためのガス供給ポート29が設けられている(図1〜3参照)。ガス供給部24とガス供給ポート29とは、配管26によって接続されている(図1参照)。なお、図1では、模式的に、ガス供給部24が上蓋部27側のガス供給ポート29に接続される様子のみを示しているが、下蓋部28側のガス供給ポート29にも同様にガス供給部24が接続されている。プロセス室を形成して成膜する工程については、後に詳しく説明する。
B.成膜方法:
図4は、成膜装置10を用いた成膜方法を表わす工程図である。本実施形態では、成膜装置10を用いて、複数の基板上に成膜する動作を繰り返し行なう。成膜の際には、まず、テーブル21の回転に伴って側壁部材32がワーク出し入れ位置まで移動して停止したときに、側壁部材32内に配置される載置部39を鉛直上向き方向に移動させて、基板を出し入れするための載置室40を形成して、形成した載置室40を真空室20の外部に露出させる(ステップS100)。なお、ステップS100において、テーブル21の回転により側壁部材32をワーク出し入れ位置に移動させると共に、載置部39を鉛直上向き方向に移動させる工程が、課題を解決するための手段における「移動工程」に相当する。以下、ステップS100についてさらに詳しく説明する。
図5は、ワーク出し入れ位置において、載置部39を上方に移動させる前の状態を拡大して示す断面模式図であり、図6は、載置部39を上方に移動させて載置室40を形成したときの様子を拡大して示す断面模式図である。ステップS100では、載置部39が昇降部材33によって上方に押し上げられる。昇降部材33は、載置部39を押し上げるために載置部39の下側の面に当接する水平面が形成された当接部33bと、当接部33bの下方に接続されて鉛直方向に延びる昇降軸33aとを備えている。昇降軸33aは、図示しない昇降機構に接続されて、上下動可能となっている。当接部33bの水平面は、テーブル21に設けられた穴31よりも小さく形成されており、当接部33bは、鉛直方向に投影したときに、テーブル21に設けられた穴31と当接部33bの外周全体とが重なる位置に配置されている。そのため当接部33bは、載置部39を下方から支えつつ、昇降部材33の上昇に伴ってテーブル21よりも鉛直方向上方へと上昇する。このように昇降部材33が上昇すると、やがて載置部39は、真空室20の上壁部20aの内壁面に当接する。
図6は、昇降部材33によって押し上げられた載置部39が、上壁部20aの内壁面に当接する様子を示す。図6に示すように、真空室20の上壁部20aにおいてワーク出し入れ位置に対応する位置には、開口部36が設けられている。開口部36は、図5に示すように、通常は上壁部20aの一部を構成するように設けられたドア部34によって閉じられており、真空室20内の気密性が確保されている。ここで、上壁部20aの内壁面には、開口部36を囲むOリング37が設けられており、当接部33bの水平面の外周近傍には、Oリング38が設けられている。そのため、載置部39が上壁部20aの内壁面に当接して、昇降部材33によって下方からの押圧力を加えられると、Oリング37によって上壁部20aと載置部39との間が気密にシールされ、Oリング38によって載置部39と当接部33bとの間が気密にシールされる。その結果、載置部39の載置面上の空間は、真空室20内における減圧された他の領域から気密に隔てられる。このように、載置面上の空間と、真空室20内における減圧された他の領域とが気密に隔てられたときに、載置面と、上壁部20aの外壁が形成する面との間に、載置室40が形成される。
このように載置室40を形成する工程が、課題を解決するための手段における「隔離工程」に相当する。また、Oリング37およびOリング38が、課題を解決するための手段における「シール部」に相当する。また、開口部36が、課題を解決するための手段における「第2の開口部」に相当する。
載置室40が形成された後に、ドア部34を上壁部20aから取り外すことにより、載置室40が真空室20の外部に露出される。図6では、ドア部34を取り外した様子を示している。減圧された真空室20内から載置室40を隔離した段階では、載置室40内も減圧されている。そのため、ドア部34を取り外す際には、予め載置室40内に外気を流入させて復圧させればよい。載置室40への外気の流入は、例えば、ドア部34に、開閉自在なバルブを備える図示しない開閉ポートを設け、開閉ポートのバルブを開状態にすることにより実行すればよい。
ステップS100の後、載置室40における露出された載置面上に、成膜対象となる基板を載置する(ステップS110)。本実施形態では、既述したように、載置室40の段差部39a上に基板を配置する。このように基板を載置する工程が、課題を解決するための手段における「載置工程」に相当する。
ステップS110の後、上壁部20aにドア部34を取り付けて開口部36を塞ぎ、載置室40を密閉する。なお、ドア部34の内壁面の外周近傍にはOリング35が設けられており、ドア部34を上壁部20aの外壁面に固定することにより、載置室40内の気密性が確保される(図5および図6参照)。そして、載置室40内の空間を、真空室20内の他の領域と同程度まで減圧させる。載置室40内の減圧は、例えば、ドア部34に図示しない接続ポートを設け、この接続ポートを介して図示しない真空ポンプと載置室40内とを接続することにより行なえばよい。載置室40内を減圧させた後には、昇降部材33を下降させて、当接部33bを、テーブル21の回転を妨げない位置(例えば、下壁部20bの近傍)に移動させる(ステップS120)。
このように昇降部材33を下降させると、載置部39は、下降途中でテーブル21に支持される状態になって昇降部材33から離間し、図5の状態に戻る。これにより、側壁部材32によって囲まれた載置部39の載置面上に、基板が載置される状態になる。なお、本実施形態では、ステップS100〜S120が、課題を解決するための手段における「第1の工程」に相当する。また、ステップS120において、載置室40内の空間を、真空室20内の他の領域と同程度まで減圧させる工程が、課題を解決するための手段における「減圧工程」に相当する。
ステップS120の後、駆動軸22を回転駆動して、側壁部材32および載置部39と一体でテーブル21を回転させて、側壁部材32を成膜位置へと移動させる。このように側壁部材32を成膜位置に移動させることにより、側壁部材32を壁面の一部として有するプロセス室30を形成する(ステップS130)。このステップS130が、課題を解決するための手段における「第2の工程」に相当する。以下、ステップS130についてさらに詳しく説明する。
図2および図3に基づいて説明したように、真空室20内には、成膜位置を含む領域において、上壁部20aの内壁面に固定して上蓋部27が設けられ、下壁部20bの内壁面に固定して下蓋部28が設けられている。上蓋部27および下蓋部28は、側壁部材32の上端部および下端部と接触可能な厚さであって、側壁部材32と接することにより、側壁部材32内の空間を気密に封じることができる厚さに形成されている。すなわち、ステップS130では、側壁部材32が移動して上蓋部27および下蓋部28と接することにより、側壁部材32と上蓋部27と下蓋部28とを壁面として備え、真空室20内で減圧される他の領域から気密に隔てられたプロセス室30が形成される。なお、上記のように側壁部材32が成膜位置に移動してプロセス室30が形成されたときには、プロセス室30内は、真空室20内で減圧される他の領域と同様に減圧された状態となっている。
ここで、上記説明では、上蓋部27および下蓋部28と側壁部材32とが接触するとしたが、実際には、上蓋部27および下蓋部28と側壁部材32との間には、側壁部材32と一体化されたテーブル21が支障無く回転可能となる微小な空隙(クリアランス)が設定されている。上記空隙は、プロセス室30内をプロセスガスで満たしたときに、真空室20内で減圧される他の領域へとプロセス室30から漏れ出すプロセスガスの量が許容範囲となるように設定されている。すなわち、成膜位置で形成されるプロセス室30における気密性とは、プロセス室30内に供給されたプロセスガスを、プロセス室30内で支障無く成膜反応を進行できるように封入可能であって、真空室20内で減圧される他の領域へとプロセス室30からプロセスガスが漏れ出す量が、上記他の領域における所望の減圧状態を維持可能な程度に抑えられる状態を指す。なお、本実施形態では、上蓋部27および下蓋部28と側壁部材32との間の接触部は、凹凸を有しない平坦面であり、上記接触部間には、気密性を向上させるためのOリングなどの特別な部材は配置していない。
ステップS130の後、ステップS130で形成したプロセス室30に対して、薄膜形成のためのプロセスガスを供給して、基板上に薄膜を形成する(ステップS140)。このステップS140が、課題を解決するための手段における「第3の工程」に相当する。
ステップS140におけるプロセスガスの供給は、既述したように、上蓋部27および下蓋部28に設けたガス供給ポート29を介して、ガス供給部24によって行なわれる。すなわち、ステップS140では、ガス供給部24からプロセスガスが供給されることにより、プロセス室30がプロセスガスで満たされて、基板上で成膜プロセスが進行する。なお、プロセス室30内には、プラズマCVD法による成膜プロセスを進行させるエネルギの発生装置として、図示しないプラズマ発生部(放電によりプラズマを発生する電極)および加熱部が設けられている。これらの成膜のためのエネルギ発生装置は、側壁部材32が固定されたテーブルの回転に支障の無い位置に配置されていればよい。あるいは、上記エネルギ発生装置は、側壁部材32が固定されたテーブルの回転に支障の無い位置に移動可能に設けられていればよい。
上記したガス供給部24によるガス供給は、側壁部材32の移動中に開始してもよい。例えば、側壁部材32の上下の開口部32a全体が上蓋部27および下蓋部28によって塞がれ、鉛直方向に投影したときにガス供給ポート29が側壁部材32内の空間と重なる位置に、側壁部材32が移動したときには、側壁部材32が成膜位置で停止する前の移動中であっても、プロセスガスの供給を開始することとしてもよい。このような構成とすれば、薄膜形成のために側壁部材32を成膜位置に停止させる時間を短縮して、製造工程を効率化することができる。
また、側壁部材32が成膜位置に停止したときのみ、あるいは、側壁部材32が成膜位置のごく近傍に存在するときのみ、プロセス室30へのプロセスガスの供給を行なうこととしてもよい。このような場合に、上蓋部27と下蓋部28の厚みを場所によって異ならせることとしてもよい。具体的には、上蓋部27および下蓋部28において、成膜位置およびその近傍の領域の厚みを最も厚く形成し、成膜位置から離間するに従って次第に薄くなるようにしてもよい。このようにすれば、成膜位置において、側壁部材32が固定されたテーブル21の回転が、上蓋部27および下蓋部28によって抑制されることを抑えつつ、プロセス室30の気密性を確保することがより容易になる。
ステップS140における成膜プロセスが終了した後には、テーブル21を回転させて側壁部材32を成膜位置から離間させ、プロセス室30内を排気する(ステップS150)。側壁部材32が成膜位置に存在する状態からテーブル21を回転させると、やがて、側壁部材32は、上蓋部27および下蓋部28によって開口部が覆われる領域から移動して、側壁部材32内の空間が、真空室20内における減圧された他の領域と連通するようになる。側壁部材32内の空間が上記他の領域と連通すると、プロセス室30内に封じられていたプロセスガスが上記他の領域に排気されて、側壁部材32内の空間は、真空室20内の上記他の領域と同程度の減圧状態となる。このとき、プロセス室30内に封じられていたプロセスガスは、プロセス室30であった空間から、テーブル21と共に移動する側壁部材32に押し出されることによって、速やかに排気される。上記他の領域に排気されたプロセスガスは、排ガス処理部23(図1参照)によって速やかに真空室20内から排出され、真空室20内は所望の減圧状態に維持される。なお、ステップS150は、課題を解決するための手段における「第4の工程」に相当する。
ステップS150の後、さらにテーブル21を回転させて、側壁部材32がワーク出し入れ位置に到達すると、側壁部材32内の載置部39上から成膜された基板を取り出し(ステップS160)、成膜工程を終了する。ステップS160における基板の取り出しは、既述したステップS100と同様の動作により、昇降部材33によって載置部39を鉛直上向き方向に移動させて載置室40を形成し、真空室20の上壁部20aからドア部34を外して、載置室40を真空室20の外部に露出させることにより行なう。なお、本実施形態では、ステップS160が、課題を解決するための手段における「第5の工程」に相当する。
本実施形態では、上記のようにステップS150において成膜後の基板を載置室40から取り出した後に、さらに、ステップS150で真空室20の外部に露出させた載置室40内に新たな基板を配置する動作を、ステップS100として行なう。そして、ステップS110以降の動作をさらに実行することにより、基板上に成膜する動作を繰り返す。
以上のように構成された本実施形態の成膜方法および成膜装置10によれば、プロセス室30内で成膜した後には、側壁部材32が固定されたテーブル21を動かして、上蓋部27および下蓋部28によるプロセス室30の密封状態を解除する。そのため、上蓋部27および下蓋部28によるプロセス室30の密封状態が解除されたときに、プロセス室30内のプロセスガスが、テーブル21と共に移動する側壁部材32によって、プロセス室30であった空間から押し出される。その結果、成膜後にプロセス室30からプロセスガスを排気する動作を速やかに行なうことができ、成膜工程を効率化することができる。
また、本実施形態によれば、真空室20の内部に、プロセス室30を形成するための側壁部材32および基板を載置するための載置部39を設けている。そして、基板の出し入れをするための載置室40、および、成膜プロセスを実行するためのプロセス室30を、真空室20内における減圧された他の領域から気密に隔てられた空間として形成している。そのため、成膜に先立って真空室20内に基板を配置する動作の度に、基板の配置に先立って真空室20全体を復圧させる必要がなく、真空室20よりも小さな限られた空間である載置室40内を復圧させるだけでよい。さらに、基板の配置後には、真空室20全体を減圧させる必要がなく、真空室20よりも小さな限られた空間である載置室40内を減圧させるだけでよい。したがって、基板を配置するための空間を復圧させる工程や、基板を配置した空間を真空引きする工程(吸気工程)に要する時間を短縮することができる。
また、本実施形態によれば、成膜プロセスの度に、減圧された空間である真空室20全体にプロセスガスを供給する必要がなく、真空室20よりも小さな限られた空間であるプロセス室30に対してプロセスガスを供給するだけでよい。さらに、成膜プロセスの終了の度に、真空室20全体からプロセスガスを排出させる必要がなく、真空室20よりも小さな限られた空間であるプロセス室30からの排気を行なうだけでよい。したがって、基板上の空間にプロセスガスを供給する工程や、成膜プロセス後にプロセスガスを排出する工程(排気工程)に要する時間を短縮することができる。上記のように、基板上に形成される空間において、吸気工程や排気工程を含むガスの供給および排出に係る工程に要する時間を短縮できることにより、成膜工程を効率化することができる。
さらに、本実施形態によれば、テーブル21に、載置部39を内部の空間に配置した複数の側壁部材32を設け、これら複数の側壁部材32を、ワーク出し入れ位置と成膜位置とを順次経由するように、テーブル21を回転させつつ、成膜の動作を繰り返している。そのため、ワーク出し入れ位置に到達した側壁部材32を対象とする基板の出し入れの動作と、成膜位置に到達した側壁部材を対象とする成膜プロセスの動作とを繰り返すことにより、多数の基板上に薄膜を形成する動作を、効率良く繰り返すことができる。なお、ワーク出し入れ位置と成膜位置との間で側壁部材32を移動させる搬送機構は、回転駆動されるテーブル21以外、例えば、直線移動する搬送機構を用いることも可能である。このような構成であっても、移動する側壁部材32によってプロセスガスの排出効率を向上させる既述した効果を得ることができる。しかしながら、回転駆動されるテーブル21を用いることで、ワーク出し入れ位置と成膜位置という特定の位置の間で、側壁部材32を繰り返し移動させる動作を、より効率良く行なうことができる。
また、本実施形態によれば、テーブル21を回転させて、テーブル21に固定した側壁部材32と、上蓋部27および下蓋部28とを接触させることによりプロセス室30を形成し、テーブル21をさらに回転させることにより、プロセス室30からプロセスガスを排出している。そのため、テーブル21の回転を続行させるという極めて簡素な動作により、真空室20内におけるプロセス室の形成と、プロセス室30からプロセスガスを排出させる排気工程とを行なうことができ、成膜方法全体を効率化することができる。
また、本実施形態によれば、昇降部材33によって、側壁部材32から離間して載置部39を上昇させ、真空室20の上壁部20aの近傍において載置室40を形成している。そのため、真空室20内に基板を配置するための載置室40を、真空室20だけでなく、側壁部材32によって形成されるプロセス室30よりもさらに小さい空間とすることができる。そのため、基板を配置するための空間を復圧させる工程や、基板を配置した空間を真空引きする工程(吸気工程)に要する時間を、さらに短縮することができる。
なお、本実施形態の成膜方法において、ステップS100でドア部34を上壁部20aから外して載置室40を露出させる動作、ステップS110において載置室40内で露出する載置面に基板を配置する動作、および、基板の配置後にドア部34により上壁部20aの開口部36を密閉する動作は、操作者によって手動で行なってもよく、機械的に自動で行なってもよい。上記以外の動作は、駆動軸22を回転駆動する駆動装置、昇降部材33を上下動させる昇降機構、真空室20内を減圧する排ガス処理部23、およびプロセス室30にプロセスガスを供給するためのガス供給部24等を、予め設定したプログラムに従って駆動制御することにより、機械的に自動で行なうことができる。
本実施形態では、成膜装置10は、2つ(テーブル21の上下に設けた側壁部材32を合わせて1組として2組)の側壁部材32を備えることとしたが、1つ、あるいは、テーブル21の面上の異なる位置に固定された3つ以上の複数の側壁部材32を備えることとしてもよい。側壁部材32の数を増やすことにより、同時に成膜のための動作の対象となる基板の数を増加させることができる。複数の側壁部材32を設ける場合には、複数の側壁部材32のうちの1つがワーク出し入れ位置にある時には、他のいずれかの側壁部材32が成膜位置に存在するように、側壁部材32を配置することが望ましい。このようにすれば、1つの側壁部材32内の載置部39上で基板を出し入れするためにこの側壁部材32をワーク出し入れ位置に停止させるときに、成膜位置で停止する側壁部材32においては、成膜プロセスを実行することができる。そのため、複数の基板上に薄膜を形成する動作を連続的に行なう際に、成膜装置10全体として、ワーク出し入れ位置および成膜位置で側壁部材32を停止させる時間の合計を削減し、成膜工程を簡素化することができる。
C.第2の実施形態:
第1の実施形態では、上蓋部27および下蓋部28と側壁部材32との間の接触部は、凹凸を有しない平坦面としたが、異なる構成としてもよい。以下に、第2の実施形態として、上記接触部に、互いに噛み合う形状の凹凸部を設ける構成について説明する。
図7は、第2の実施形態の成膜装置110における成膜位置の様子を、図3と同様の断面において拡大して示す断面模式図であり、図8は、上蓋部27と側壁部材32との間の接触部(図7において点線で囲んだα領域)の様子を拡大して示す説明図である。下蓋部28と側壁部材32との間の接触部(図7において点線で囲んだβ領域)は、上蓋部27と下蓋部28とを置き換えて、図8を上下逆転させた同様の形状となっている。なお、成膜装置110は、成膜位置に係る構成以外は第1の実施形態の成膜装置10と同様の構成を有し、図4に基づいて説明した成膜方法と同様の成膜方法を実行するために用いられるため、共通する部分については詳しい説明を省略する。
図7では、上蓋部27および下蓋部28と側壁部材32との間の接触部を平坦面として記載しているが、実際には、図8に示すように上記接触部には凹凸部が形成されている。図8(A)は、側壁部材32と上蓋部27とが離間した状態を表わし、図8(B)は、図7に示すように側壁部材32と上蓋部27との間で気密性が確保された状態を表わす。第2の実施形態の側壁部材32には、上記接触部において、複数の凸部45が設けられている。また、上蓋部27には、上記接触部において、複数の凸部44が設けられている。各々の凸部45および各々の凸部44は、いずれも、上面視において、プロセス室30の外周に沿った略矩形形状に形成されている。
側壁部材32に設けられた複数の凸部45は、鉛直方向に平行な断面であって、各凸部45が延びる方向に垂直な断面(以下、垂直断面とも呼ぶ)における幅(図8に示す幅A〜C)が、プロセス室30に近い凸部45ほど大きくなるように形成されている。また、上記垂直断面における隣り合う凸部45間の距離は、略同一に形成されている。なお、本実施形態では、各凸部45の幅、および、各凸部44の幅は、鉛直方向にわたって一定となるように形成されている。
上蓋部27に設けられた凸部44は、鉛直方向に平行な断面であって、各凸部44が延びる方向に垂直な断面(既述した垂直断面)における幅が、互いに略同一に形成されている。そして、各凸部44における上記垂直断面における幅は、既述した隣り合う凸部45間の幅と同じ、あるいは若干小さく形成されている。また、上記垂直断面における隣り合う凸部44間の距離(図8に示す距離a〜c)は、プロセス室30に近い凸部44間の距離ほど大きくなるように形成されている。そして、距離a〜cの各々は、既述した隣り合う凸部45の幅A〜Cの各々と比べて、同じ、あるいは若干大きく形成されている。そのため、側壁部材32に設けられた凸部45を備える凹凸部と、上蓋部27に設けられた凸部44を備える凹凸部とは、互いに噛み合う形状となっており、プロセス室30が形成されるステップS130では、上記2つの凹凸部が互いに噛み合う位置になるように、テーブル21が回転駆動される。
図7に示すように、成膜装置110では、上蓋部27は上壁部20aに固定されておらず、下蓋部28は下壁部20bに固定されていない。本実施形態では、上蓋部27には、図示しない昇降機構に接続されて上下動可能な昇降軸42が接続されており、下蓋部28には、図示しない昇降機構に接続されて上下動可能な昇降軸43が接続されている。テーブル21が回転する際には、上蓋部27および下蓋部28は側壁部材32から離間している。そして、ステップS130において成膜位置にてプロセス室30を形成する際には、上蓋部27を下降させると共に下蓋部28を上昇させ、上蓋部27および下蓋部28と側壁部材32とを接触させる。このとき、側壁部材32に設けられた凹凸部と、上蓋部27および下蓋部28に設けられた凹凸部とが互いに噛み合って、接触部において、いわゆるラビリンス状のシール部を形成する。また、ステップS140においてプロセス室30からの排気のためにテーブル21を回転させる際には、上蓋部27を上昇させると共に下蓋部28を下降させ、上蓋部27および下蓋部28と側壁部材32とを離間させる。
なお、各凹凸部における凸部44,45の幅、および、各凹凸部における隣り合う突部間の距離は、凹凸部の加工精度や、側壁部材32を成膜位置で停止させる際の位置合わせの精度等を考慮して、凹凸部同士が十分に近接した状態で噛み合って所望のシール性が得られるように、適宜設定すればよい。そのため、凸部45を備える凹凸部と、凸部44を備える凹凸部との間は、厳密には接触しなくてもよく、加工精度等に応じた間隙が形成されていてもよい。
以上のように構成された第2の実施形態によれば、上蓋部27および下蓋部28と側壁部材32との接触部において、凹凸形状を噛み合わせたラビリンス状のシール部を設けているため、平坦面で接触させる第1の実施形態に比べて、プロセス室30内の気密性をより高めることができる。プロセス室30内の気密性を高める方策としては、例えば、上記接触部にOリング等のシール部材を配置する方策も考えられる。しかしながら、プロセス室30は、CVD法による成膜工程において、一般に加熱状態となるため、ゴム材料等から成るOリングは採用し難い場合がある。本実施形態では、シール部材を別途用意する必要がないため、シール部材の材料に起因して成膜時の温度の制限を受けることなく、プロセス室30の気密性を向上させることができる。また、本実施形態では、シール部材を別途用意する必要がないため、プロセス室30の気密性を向上させるために成膜装置110の部品点数が増加することがない。
なお、図8では、3つの凸部45と4つの凸部44とを設けたが、各凸部の数は、異なる数でもよい。プロセス室30において望まれる気密性の程度等に応じて適宜設定すればよい。
また、各凸部45の幅A〜C、および、これらに対応する隣り合う凸部44間の距離a〜cは、いずれも同一とすることも可能である。このような構成としても、第1の実施形態に比べてプロセス室30の気密性を高める効果が得られる。ただし、図8に示すように、幅A〜Cのうち、プロセス室30に近い幅ほど大きく(距離a〜cのうち、プロセス室30に近い距離ほど大きく)することで、プロセス室30の気密性をより高めることができる。
図9は、上蓋部27および下蓋部28と側壁部材32との接触部の凹凸形状が異なるプロセス室の気密性を比較した結果を示す説明図である。サンプル1およびサンプル2として、図7に示すプロセス室30と同様に側壁部材32、上蓋部27、および下蓋部28を有する模擬的なプロセス室を形成した。各サンプルのプロセス室は、直径800mm、容積を約200Lとした。また、上蓋部27および下蓋部28と側壁部材32との間の接触部には、凹凸部を設けた。サンプル1およびサンプル2は、いずれも、図8に示すように側壁部材32の接触部には3つの凸部45を設け、上蓋部27および下蓋部28の接触部には、対応する4つの凸部44を設けた。
ここで、サンプル1は、凸部45の幅がプロセス室側ほど大きく、隣り合う凸部44間の距離がプロセス室側ほど大きい形状に形成した。具体的には、サンプル1では、幅Aは1.0mm、幅Bは0.8mm、幅Cは0.6mmであり、距離aは1.0mm、距離bは0.9mm、距離cは0.7mmとした。また、サンプル2は、凸部45の幅が均一であって、隣り合う凸部44間の距離も均一に形成した。具体的には、サンプル2では、凸部45の幅(幅A〜C)は、いずれも1.0mmであり、隣り合う凸部44間の距離(距離a〜c)は、いずれも1.1mmとした。なお、各凸部44および凸部45の高さは全て同一とした。そして、上記した各サンプルのプロセス室に、ヘリウムを供給すると共に、プロセス室の外部を真空引きした。プロセス室内のヘリウム濃度が1%になったときにヘリウムの供給を停止し、その後、1秒ごとにプロセス室内のヘリウム濃度を測定して、各プロセス室の気密性(凹凸部のシール性)を評価した。
その結果、図9に示すように、6秒後のプロセス室内のヘリウム濃度は、サンプル1では0.9%であったのに対し、サンプル2では0.7%であった。すなわち、凸部45の幅がプロセス室側ほど大きく、隣り合う凸部44間の距離がプロセス室側ほど大きいサンプル1の方が、凸部45の幅が均一であって、隣り合う凸部44間の距離も均一であるサンプル2よりも、凹凸部のシール性が優れていることが確認された。
また、第2の実施形態では、側壁部材32に設けた凸部45のみ、垂直断面における幅が、プロセス室30に近いほど大きくなるように形成したが、異なる構成としてもよい。側壁部材32側の凸部45に代えて、上蓋部27(および下蓋部28)側の凸部44の形状を、垂直断面における幅が、プロセス室30に近いほど大きくなるように形成してもよい。あるいは、側壁部材32側の凸部45と、上蓋部27(および下蓋部28)側の凸部44の双方において、垂直断面における幅が、プロセス室30に近いほど大きくなるように形成してもよい。
また、第2の実施形態では、ステップS130において成膜位置にてプロセス室30を形成する際に、上蓋部27を下降させると共に下蓋部28を上昇させ、上蓋部27および下蓋部28と側壁部材32とを接触させているが、異なる構成としてもよい。具体的には、上蓋部27と下蓋部28のいずれか一方は、上下動せずに固定されていてもよい。例えば、上蓋部27を上壁部20aに固定すると共に、側壁部材32が固定されたテーブル21および下蓋部28を上方に移動させて、凹凸形状を噛み合わせたラビリンス状のシール部によってプロセス室30を密封してもよい。
D.変形例:
・変形例1:
上記各実施形態では、ワーク出し入れ位置において、側壁部材32から離間するように載置部39を上昇させて載置室40を形成したが、異なる構成としてもよい。例えば、側壁部材32も載置部39と一体で上昇させて、上壁部20aとの間で、真空室20内で減圧される他の領域から気密に離間された載置室40を形成してもよい。ただし、各実施形態のように載置部39のみを上昇させる方が、載置部39と共に側壁部材32を上昇させて載置室40を形成する場合よりも、載置室40の気密性を確保するための構成を簡素化することができる。さらに、載置部39のみを上昇させる方が、載置部39と共に側壁部材32を上昇させて載置室40を形成する場合よりも、載置室40の容積を小さくすることができる。そのため、載置室40を真空室20の外部に露出するのに先立って載置室40を復圧させる際の時間や、基板の載置後に載置室40を減圧する際の時間を短縮することができる。
・変形例2:
上記各実施形態では、テーブル21の上面と下面の双方であって、鉛直方向に投影したときに互いに重なる位置に一対の側壁部材32を設け、上下の側壁部材32によって形成される空間全体に対してプロセスガスを供給したが、異なる構成としてもよい。例えば、テーブル21の上方で側壁部材32に囲まれた載置面上の空間と、テーブル21の下方の空間との間で許容できる程度の気密性を確保可能であれば、テーブル21の下方の空間にはプロセスガスを供給せず、テーブル21の上方のみにプロセス室30を形成してもよい。
・変形例3:
第2の実施形態では、上蓋部27および下蓋部28と側壁部材32との接触部に、ラビリンス状のシール部を設け、プロセス室30を形成したが、異なる構成としてもよい。例えば、上記構成に代えて、あるいは上記構成に加えて、ワーク出し入れ位置で載置室40を形成する際に、真空室20の上壁部20aの内壁面と載置部39との接触部において、同様のラビリンス状のシール部を設けてもよい。
・変形例4:
上記した各実施形態の成膜装置は、プラズマCVD法による薄膜形成のための装置としたが、異なる構成としてもよい。成膜対象の基板を載置するための載置面を露出させて基板を載置する工程、基板を載置した空間を減圧させる工程、基板を載置した空間にプロセスガスを供給する工程、および、成膜後にプロセスガスを排気する工程を有する方法であれば、本願を適用することにより、実施形態と同様の効果が得られる。例えば、プラズマCVD以外のCVD法や、ALD法等、他種の成膜方法にも適用できる。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10,110…成膜装置
20…真空室
20a…上壁部
20b…下壁部
20c…側壁部
21…テーブル
22…駆動軸
23…排ガス処理部
24…ガス供給部
25,26…配管
27…上蓋部
28…下蓋部
29…ガス供給ポート
30…プロセス室
31…穴
32…側壁部材
32a…開口部
33…昇降部材
33a…昇降軸
33b…当接部
34…ドア部
35,37,38…Oリング
36…開口部
39…載置部
39a…穴
39b…段差部
40…載置室
42,43…昇降軸
44,45…凸部

Claims (12)

  1. 成膜装置を用いて基板上に薄膜を形成する成膜方法であって、
    前記成膜装置は、
    減圧状態が維持される真空室と、
    前記真空室内に配置されるテーブルと、
    前記テーブルに設けられ、前記基板を載置するための載置面を有する載置部と、
    前記基板上に薄膜を形成する成膜工程が行なわれるプロセス室の側壁となる側壁部材であって、前記真空室内において前記テーブルに固定されて前記載置部の前記載置面を囲むように設けられた側壁部材と、
    前記プロセス室に対して、成膜のためのプロセスガスを供給するガス供給部と、
    前記側壁部材の端部に形成される第1の開口部を気密に塞ぐために、前記真空室内の特定の位置に配置された蓋部と、
    前記蓋部に対する前記側壁部材の相対的な位置が変化するように前記テーブルを動かす駆動部と、
    を備え、
    前記成膜方法は、
    前記薄膜を形成すべき前記基板を前記載置面上に載置する第1の工程と、
    前記第1の工程の後に、前記駆動部を用いて前記テーブルを動かして、前記側壁部材を前記蓋部の近傍に移動させると共に、前記蓋部によって前記第1の開口部を塞ぎ、前記側壁部材によって囲まれた前記載置面上の空間を、前記真空室内で減圧される他の領域から気密に隔てることにより、前記プロセス室を形成する第2の工程と、
    前記第2の工程の後に、前記ガス供給部によって前記プロセス室に対して前記プロセスガスを供給して前記成膜工程を行なう第3の工程と、
    前記第3の工程の後に、前記駆動部を用いて前記テーブルを動かすと共に、前記蓋部による前記プロセス室の密封状態を解除する第4の工程と、
    を備える成膜方法。
  2. 請求項1に記載の成膜方法であって、
    前記成膜装置は、さらに、
    前記真空室の外壁の一部に設けられ、前記真空室の内部と外部とを連通させる第2の開口部と、
    前記第2の開口部に取り付けられて、前記真空室の内部を気密に封じるドア部と、
    前記載置部が前記第2の開口部の近傍に移動したときに、前記第2の開口部と前記載置部との間に形成される空間を、前記真空室内で減圧される他の領域から気密に隔てるシール部と、
    を備え、
    前記第1の工程は、
    少なくとも前記駆動部を利用して、前記載置部を前記第2の開口部の近傍に動かす移動工程と、
    前記シール部によって、前記第2の開口部と前記載置部との間に形成される空間である載置室を、前記真空室内で減圧される他の領域から気密に隔てる隔離工程と、
    前記第2の開口部から前記ドア部を取り外して、前記載置室を前記真空室の外部に露出させて、前記薄膜を形成すべき前記基板を前記載置室内の前記載置面上に載置する載置工程と、
    前記基板を載置した前記載置室と、前記真空室内で減圧される他の領域とを連通させる減圧工程と、
    を備える成膜方法。
  3. 請求項2に記載の成膜方法であって、
    前記成膜装置は、さらに、前記第2の開口部の近傍で前記載置部を昇降させる昇降機構を有し、
    前記移動工程は、前記駆動部によって前記テーブルを動かして、前記テーブル上の前記載置部を前記第2の開口部の近傍に動かすと共に、前記昇降機構が前記真空室の外壁に向かって前記載置部を上昇させる工程である
    成膜方法。
  4. 請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の成膜方法であって、さらに、
    前記第4の工程の後に、前記載置面上の空間を、前記真空室内で減圧される他の領域から気密に隔てつつ、前記載置面を前記真空室の外部に露出させて、前記第3の工程で成膜された前記基板を取り出す第5の工程を備え、
    前記第5の工程に引き続き、前記第5の工程において前記基板を取り出した前記載置面上に、前記薄膜を形成すべき新たな前記基板を載置する工程を、前記第1の工程として行ない、さらに前記第2の工程以降の工程を行なって、成膜の動作を繰り返す
    成膜方法。
  5. 請求項4に記載の成膜方法であって、
    前記駆動部は、前記テーブルに接続された駆動軸を中心に前記テーブルを回転させ、
    前記成膜装置は、前記載置部および前記側壁部材として、複数の前記載置部と、各々の前記載置部を囲むように設けられた複数の前記側壁部材とを備え、
    前記テーブルが回転する際に各々の前記載置部および前記側壁部材が経由する位置であって、前記第1の工程が実行される位置と前記第3の工程が実行される位置とが予め設定されており、
    前記成膜方法は、各々の前記載置部および前記側壁部材が、前記第1の工程が実行される位置と前記第3の工程が実行される位置とを順次経由するように、前記駆動部によって前記テーブルを回転させつつ、各々の前記載置部および前記側壁部材を利用して、前記第1から第5の工程を繰り返し実行する
    成膜方法。
  6. 請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の成膜方法であって、
    前記側壁部材と前記蓋部との双方において、前記側壁部材と前記蓋部とが接する箇所には、互いに噛み合う形状の凹凸部が設けられており、
    前記第2の工程は、前記側壁部材と前記蓋部とに形成された前記凹凸部同士を噛み合わせることにより、前記真空室内で減圧される他の領域から気密に隔てられた前記プロセス室を形成する
    成膜方法。
  7. 基板上に薄膜を形成するための成膜装置であって、
    減圧状態が維持される真空室と、
    前記真空室内に配置されるテーブルと、
    前記テーブルに設けられ、前記基板を載置するための載置面を有する載置部と、
    前記基板上に薄膜を形成する成膜工程が行なわれるプロセス室の側壁となる側壁部材であって、前記真空室内において前記テーブルに固定されて前記載置部の前記載置面を囲むように設けられた側壁部材と、
    前記プロセス室に対して、成膜のためのプロセスガスを供給するガス供給部と、
    前記側壁部材の端部に形成される第1の開口部を気密に塞いで前記側壁部材と共に前記プロセス室を形成するために、前記真空室内の特定の位置に配置された蓋部と、
    前記蓋部によって前記第1の開口部が気密に塞がれる位置と、前記側壁部材が前記蓋部から離間する位置との間で、前記側壁部材が移動するように前記テーブルを動かす駆動部と、
    を備える成膜装置。
  8. 請求項7に記載の成膜装置であって、さらに、
    前記真空室の外壁の一部に設けられ、前記真空室の内部と外部とを連通させる第2の開口部と、
    前記第2の開口部に取り付けられて、前記真空室の内部を気密に封じるドア部と、
    前記載置部が前記第2の開口部の近傍に移動したときに、前記第2の開口部と前記載置部との間に形成される空間である載置室を、前記真空室内で減圧される他の領域から気密に隔てるシール部と、
    を備え、
    前記駆動部は、前記蓋部によって前記第1の開口部が気密に塞がれる位置と、前記載置部が前記第2の開口部の近傍に移動可能な位置との間で、前記側壁部材が移動するように前記テーブルを動かす
    成膜装置。
  9. 請求項8に記載の成膜装置であって、さらに、
    前記第2の開口部の近傍で前記載置部を昇降させる昇降機構であって、前記シール部によって、前記真空室内で減圧される他の領域から前記載置室が気密に隔てられる位置まで、前記載置部を移動可能な昇降機構を有する
    成膜装置。
  10. 請求項8または9に記載の成膜装置であって、
    前記載置部および前記側壁部材として、複数の前記載置部と、各々の前記載置部に対応して設けられた複数の前記側壁部材とを備え、
    前記テーブルは、該テーブルに接続された駆動軸を中心に回転可能であり、
    前記駆動部は、前記蓋部によって前記第1の開口部が気密に塞がれる位置と、前記載置部が前記第2の開口部の近傍に移動可能な位置とを順次経由して、各々の前記側壁部材が移動するように、前記テーブルを回転させる
    成膜装置。
  11. 請求項7から10のうちのいずれか1項に記載の成膜装置であって、さらに、
    前記側壁部材と前記蓋部との双方において、前記側壁部材と前記蓋部とが接する箇所に設けられる凹凸部であって、該凹凸部同士が互いに噛み合うことで、前記第1の開口部を前記蓋部によって気密に塞ぐ凹凸部を備える
    成膜装置。
  12. 請求項11に記載の成膜装置であって、
    前記側壁部材および前記蓋部に設けられた前記凹凸部は、各々、前記側壁部材の端部の前記第1の開口部を囲むように形成される複数の凸部を有しており、
    前記側壁部材と前記蓋部のうちの少なくとも一方に設けられた前記複数の凸部は、前記凸部が延びる方向に垂直な面における幅が、前記側壁部材に囲まれる空間に近い側ほど大きく形成されている
    成膜装置。
JP2015076518A 2015-04-03 2015-04-03 成膜方法および成膜装置 Active JP6319158B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015076518A JP6319158B2 (ja) 2015-04-03 2015-04-03 成膜方法および成膜装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015076518A JP6319158B2 (ja) 2015-04-03 2015-04-03 成膜方法および成膜装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016196680A true JP2016196680A (ja) 2016-11-24
JP6319158B2 JP6319158B2 (ja) 2018-05-09

Family

ID=57357600

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015076518A Active JP6319158B2 (ja) 2015-04-03 2015-04-03 成膜方法および成膜装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6319158B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002285332A (ja) * 2001-03-27 2002-10-03 Shibaura Mechatronics Corp 真空処理装置
JP2006009144A (ja) * 2004-05-21 2006-01-12 Ulvac Japan Ltd 真空成膜装置
WO2010013333A1 (ja) * 2008-07-31 2010-02-04 株式会社島津製作所 真空装置及び真空処理方法
JP2010242152A (ja) * 2009-04-03 2010-10-28 Shimadzu Corp 真空装置及びサセプタのセット
JP2010251503A (ja) * 2009-04-15 2010-11-04 Shimadzu Corp 真空装置及びトレイのセット
JP2013069909A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 Tokyo Electron Ltd 成膜装置及び基板処理装置
US20160276204A1 (en) * 2015-03-16 2016-09-22 Kabushiki Kaisha Toshiba Method of manufacturing semiconductor device and semiconductor manufacturing apparatus

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002285332A (ja) * 2001-03-27 2002-10-03 Shibaura Mechatronics Corp 真空処理装置
JP2006009144A (ja) * 2004-05-21 2006-01-12 Ulvac Japan Ltd 真空成膜装置
WO2010013333A1 (ja) * 2008-07-31 2010-02-04 株式会社島津製作所 真空装置及び真空処理方法
JP2010242152A (ja) * 2009-04-03 2010-10-28 Shimadzu Corp 真空装置及びサセプタのセット
JP2010251503A (ja) * 2009-04-15 2010-11-04 Shimadzu Corp 真空装置及びトレイのセット
JP2013069909A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 Tokyo Electron Ltd 成膜装置及び基板処理装置
US20160276204A1 (en) * 2015-03-16 2016-09-22 Kabushiki Kaisha Toshiba Method of manufacturing semiconductor device and semiconductor manufacturing apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP6319158B2 (ja) 2018-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101847575B1 (ko) 기판 처리 장치, 반도체 장치의 제조 방법 및 기록 매체
JP6650841B2 (ja) 基板昇降機構、基板載置台および基板処理装置
JPH0613361A (ja) 処理装置
US8945340B2 (en) Plasma processing apparatus, and maintenance method and assembling method of the same
TWI579954B (zh) 基板處理裝置及基板處理方法
JP2016143836A (ja) 基板処理装置
TWI484555B (zh) 基板處理裝置及半導體裝置之製造方法
JP6336231B1 (ja) 真空処理装置
JP5351317B2 (ja) 基板処理装置
JP2015088500A (ja) ロードポート装置
JP6202098B2 (ja) 成膜装置および成膜方法
JP6319158B2 (ja) 成膜方法および成膜装置
JP6524536B2 (ja) プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
JP4239990B2 (ja) プラズマ処理装置
TW200929352A (en) Vacuum processing apparatus
CN112176322A (zh) 基板处理装置、半导体装置的制造方法、以及程序
JP2010010259A (ja) 真空処理装置
WO2013035599A1 (ja) 接合方法、コンピュータ記憶媒体及び接合システム
CN108878245B (zh) 闸阀装置和基板处理系统
JP4673308B2 (ja) 真空処理装置
JP6308030B2 (ja) 成膜装置、成膜方法及び記憶媒体
JP7018370B2 (ja) 基板処理装置及び半導体装置の製造方法及びプログラム
JP6671034B2 (ja) プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
JP2009212178A (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JP7089987B2 (ja) 原子層堆積装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180306

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180319

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6319158

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151