JP2016195000A - 有機発光装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期に亘って、ダークスポットの発生に起因する発光特性の低下が抑制または防止された有機発光素子を備える有機発光装置、この有機発光装置を備えた信頼性の高い電子機器を提供すること。【解決手段】有機EL装置100は、基板と、基板上に配置された有機EL素子30と、有機EL素子30を覆うことで封止する封止層34とを備え、封止層34は、互いに機能が異なる第1封止層34aと緩衝層34bと第2封止層34cとが有機EL素子30側から順に積層された積層体である。第2封止層34cは、主としてシリコン酸窒化物で構成されており、有機EL素子30側から順に配置された内層341と中間層342と外層343とを有する。そして、中間層342の応力は、内層341の応力以下であり、外層343の応力は、内層341の応力よりも大きい。【選択図】図5

Description

本発明は、有機発光装置および電子機器に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)は、陽極と、陰極と、これらの電極間に挟まれた有機発光層を含む機能層とを有する構成となっている。機能層は、陽極側から注入された正孔と、陰極側から注入された電子とが有機発光層において再結合することにより生ずるエネルギーが蛍光や燐光に変換されて発光する。
ところが、外部から陽極や陰極を介して機能層に水分や酸素等が浸入すると、有機発光層に対するキャリア(正孔や電子)の注入が阻害されて発光の輝度が低下したり、機能層が変質して発光の機能そのものが失われたりして、所謂ダークスポットと呼ばれる暗点が生ずる。
このような有機EL素子(有機発光素子)を備えた有機EL装置(有機発光装置)では、水分や酸素等の浸入を防止するために、複数の有機EL素子を覆う封止層が形成される。
この封止層として、例えば、特許文献1では、シリコン酸窒化物のような無機材料で構成される陰極保護層と、エポキシ樹脂のような樹脂材料で構成される緩衝層(平坦化層)と、シリコン酸窒化物のような無機材料で構成されるガスバリア層とを、陰極側からこの順で積層された3層構成を備える積層体とすることが提案されている。
かかる構成の封止層を備える有機EL装置では、陰極保護層とガスバリア層とが、ともに、シリコン酸窒化物のような無機材料で構成されるため、ガスバリア層ばかりでなく、陰極保護層も、ガスバリア層と同様に、水分や酸素等の浸入を防止するガスバリア性を発揮することがある。
したがって、陰極保護層もガスバリア性を発揮すると、この封止層は、陰極保護層とガスバリア層との2層がガスバリア性を有することとなるため、例えば、1層のガスバリア層が封止層を構成する場合と比較して、優れたガスバリア性を発揮する。
このように、陰極保護層とガスバリア層との双方にガスバリア性を発揮させると、一見、有機EL素子における、ダークスポット(暗点)の発生が防止され、有機EL装置の寿命特性が向上すると思われる。
ところで、封止層を形成する際には、形成用チャンバー内で陰極保護層、緩衝層、ガスバリア層を順に重ねて形成していくが、その形成過程で、例えば形成用チャンバーの壁部に付着した、陰極保護層の構成材料が塊となって、異物として緩衝層上に落下することがある。そして、この状態でガスバリア層を形成すると、当該異物による凸状態が起因となったダークスポットが発生することがある。そこで、異物による凸状態をできる限り解消するために、ガスバリア層を比較的厚く形成することが考えられる。しかしながら、この場合、ガスバリア層での応力が比較的高くなり、その結果、緩衝層にしわ等が生じて、緩衝層とガスバリア層とが剥離してしまう。また、ガスバリア層の構成材料を変更して、当該ガスバリア層での応力を低めに設定することができたとしても、応力低下に伴い、ガスバリア性も低下してしまう。
また、特許文献2では、層同士の剥離を防止するために、応力方向(引張応力と圧縮応力)が異なる層同士を交互に積層する構成が開示されているが、この構成でも、層同士の界面に応力が集中して剥離が生じるおそれがある。なお、引張応力に優れた層は、一般的にガスバリア性が乏しいことが知られているため、厚さをさらに増大させて、所望のガスバリア性を確保しなければならない。
特開2006−147528号公報 特開2008−270172号公報
本発明の目的は、長期に亘って、ダークスポットの発生に起因する発光特性の低下が抑制または防止された有機発光素子を備える有機発光装置、この有機発光装置を備えた信頼性の高い電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
[適用例1]
本発明の有機発光装置は、基板と、前記基板上に配置された有機発光素子と、前記有機発光素子を覆うことで封止する封止層とを備え、
前記封止層は、互いに機能が異なる第1封止層と緩衝層と第2封止層とが前記有機発光素子側から順に積層された積層体であり、
前記第2封止層は、主としてシリコン酸窒化物で構成されており、前記有機発光素子側から順に配置された内層と中間層と外層とを有し、
前記中間層の応力は、前記内層の応力以下であり、前記外層の応力は、前記内層の応力よりも大きいことを特徴とする。
このような有機発光装置によれば、有機発光装置が備える有機発光素子において、例えば第2封止層の形成時に異物が混入したとしても、当該異物によるダークスポットの発生を、中間層で的確に抑制または防止することができる。これにより、ダークスポットの発生に起因して発光特性が低下するのを抑制または防止することができる。
[適用例2]
本発明の有機発光装置では、前記内層の応力、前記中間層の応力および前記外層の応力は、それぞれ、0MPa以上1000MPa以下であるのが好ましい。
これにより、第2封止層の形成時に異物が混入したとしても、中間層が当該異物による凸状態を吸収するクッション層(易変形層)としての機能が顕著に発揮される。これにより、異物による変形を中間層で相殺することができる。
[適用例3]
本発明の有機発光装置では、前記内層の応力は、100MPa以上300MPa以下であり、
前記中間層の応力は、0MPa以上200MPa以下であり、
前記外層の応力は、400MPa以上1000MPa以下であるのが好ましい。
これにより、第2封止層の形成時に異物が混入したとしても、中間層が当該異物による凸状態を吸収するクッション層(易変形層)としての機能が顕著に発揮される。これにより、異物による変形を中間層で相殺することができる。
[適用例4]
前記内層、前記中間層および前記外層のうち、前記中間層が最も厚いものであるのが好ましい。
これにより、第2封止層での応力の増加を抑制して、当該応力の増加によって緩衝層にしわが生じるのを防止することができる。
[適用例5]
本発明の有機発光装置では、前記内層の厚さと前記外層の厚さとは、同じであるのが好ましい。
これにより、第2封止層での応力の増加を抑制して、当該応力の増加によって緩衝層にしわが生じるのを防止することができる。
[適用例6]
本発明の有機発光装置では、前記内層の厚さ、前記中間層の厚さおよび前記外層の厚さは、それぞれ、100nm以上300nm以下であるのが好ましい。
これにより、第2封止層での応力の増加を抑制して、当該応力の増加によって緩衝層にしわが生じるのを防止することができる。
[適用例7]
本発明の有機発光装置では、前記内層、前記中間層および前記外層の総厚は、400nm以上1200nm以下であるのが好ましい。
これにより、第2封止層での応力の増加を抑制して、当該応力の増加によって緩衝層にしわが生じるのを防止することができる。
[適用例8]
本発明の有機発光装置では、前記内層は、フーリエ変換型赤外分光光度計で測定した際の1000cm−1付近に生じるピークの透過率をA[%]とし、3200cm−1付近に生じるピークの透過率をB[%]としたとき、B/Aが0.1以上0.25以下であり、
前記中間層は、フーリエ変換型赤外分光光度計で測定した際の1000cm−1付近に生じるピークの透過率をA[%]とし、3200cm−1付近に生じるピークの透過率をB[%]としたとき、B/Aが0.18以上0.30以下であり、
前記外層は、フーリエ変換型赤外分光光度計で測定した際の1000cm−1付近に生じるピークの透過率をA[%]とし、3200cm−1付近に生じるピークの透過率をB[%]としたとき、B/Aが0.01以上0.07以下であるのが好ましい。
これにより、ダークスポットの発生に起因して発光特性が低下するのを抑制または防止することができる。
[適用例9]
本発明の有機発光装置では、前記中間層は、該中間層を形成する際に、複数回に分けて形成が行なわれるものであるのが好ましい。
これにより、中間層を安定して形成することができる。
[適用例10]
本発明の有機発光装置では、前記第1封止層は、主としてシリコン酸窒化物で構成され、
前記緩衝層は、主として樹脂材料で構成されるのが好ましい。
これにより、第1封止層は、水分や酸素等の浸入を防止するガスバリア性を発揮するガスバリア層として機能し、緩衝層は、第1封止層の表面の凹凸を緩和して、第2封止層を平坦なものとして形成する平坦化層として機能する。
[適用例11]
本発明の電子機器は、本発明の有機発光装置を備えることを特徴とする。
かかる構成の有機発光装置を有することで、電子機器は、信頼性の高いものとなる。
図1は、本発明の有機発光装置を、有機EL装置に適用した実施形態の電気的な構成を示す等価回路図である。 図2は、本発明の有機発光装置を、有機EL装置に適用した実施形態の構成を示す概略平面図である。 図3は、図1、図2に示す有機EL装置における画素の配置を示す概略平面図である。 図4は、図2におけるA−A線に沿った有機EL装置の構造を示す概略縦断面図である。 図5は、図4に示す有機EL装置のコンタクト電極から第2封止層までを部分的に拡大した部分拡大縦断面図である。 図6は、異物が混入した場合の第2封止層の状態の一例を示す縦断面図である。 図7は、異物が混入した場合の第2封止層の状態の一例を示す縦断面図である。 図8は、異物が混入した場合の第2封止層の状態の一例を示す縦断面図である。 図9は、本発明の電子機器をヘッドマウントディスプレイに適用した概略図である。
<有機EL装置>
図1は、本発明の有機発光装置を、有機EL装置に適用した実施形態の電気的な構成を示す等価回路図、図2は、本発明の有機発光装置を、有機EL装置に適用した実施形態の構成を示す概略平面図、図3は、図1、図2に示す有機EL装置における画素の配置を示す概略平面図、図4は、図2におけるA−A線に沿った有機EL装置の構造を示す概略縦断面図、図5は、図4に示す有機EL装置のコンタクト電極から第2封止層までを部分的に拡大した部分拡大縦断面図、図6〜図8は、それぞれ、異物が混入した場合の第2封止層の状態の一例を示す縦断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1〜図3の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」と言い、図4〜図8の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図1〜図8においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率等は適宜異ならせて記載してある。また、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、または基板の上に他の構成物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
有機EL装置100は、図1に示すように、互いに交差する複数の走査線12および複数のデーター線13と、複数のデーター線13のそれぞれに対して並列する複数の電源線14とを有している。また、有機EL装置100は、複数の走査線12が接続される走査線駆動回路16と、複数のデーター線13が接続されるデーター線駆動回路15とを有している。また、有機EL装置100は、複数の走査線12と複数のデーター線13との各交差部に対応してマトリックス状に配置された複数のサブ画素18を有している。
また、サブ画素18は、発光素子である有機EL素子30と、有機EL素子30の駆動を制御する画素回路20とを有している。
有機EL素子30は、陽極として機能する画素電極31と、陰極として機能する対向電極33と、画素電極31と対向電極33との間に設けられた有機発光層を含む機能層32とを有している。このような有機EL素子30は電気的にダイオードとして表記することができる。
画素回路20は、スイッチング用トランジスター21と、蓄積容量22と、駆動用トランジスター23とを含んでいる。駆動用トランジスター23と駆動用トランジスター23は、例えばnチャネル型もしくはpチャネル型のMOSトランジスターや薄膜トランジスター(TFT;Thin Film transistor)を用いて構成することができる。
スイッチング用トランジスター21のゲートは走査線12に接続され、ソースまたはドレインのうち一方がデーター線13に接続され、ソースまたはドレインのうち他方が駆動用トランジスター23のゲートに接続されている。
また、駆動用トランジスター23のソースまたはドレインのうち一方が有機EL素子30の画素電極31に接続され、ソースまたはドレインのうち他方が電源線14に接続されている。
さらに、駆動用トランジスター23のゲートと電源線14との間に蓄積容量22が接続されている。
かかる構成の有機EL装置100において、走査線12が駆動されてスイッチング用トランジスター21がオン状態になると、そのときにデーター線13から供給される画像信号に基づく電位がスイッチング用トランジスター21を介して蓄積容量22に保持される。この蓄積容量22の電位すなわち駆動用トランジスター23のゲート電位に応じて、駆動用トランジスター23のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用トランジスター23がオン状態になると、電源線14から駆動用トランジスター23を介して画素電極31と対向電極33とに挟まれた機能層32にゲート電位に応じた量の電流が流れる。その結果、有機EL素子30は、機能層32を流れる電流量に応じて発光する。
なお、画素回路20の構成は、これに限定されず、例えば、画素電極31と駆動用トランジスター23との間に設けられ、画素電極31と駆動用トランジスター23との間の導通を制御する発光制御用トランジスターを備えていてもよい。
また、この有機EL装置100は、図2に示すように、素子基板10と、素子基板10に対向配置された対向基板41とを有している。
素子基板10には、表示領域E1(図中、破線で表示)と、表示領域E1の外側にダミー領域E2(図中、二点鎖線で表示)とが設けられている。ダミー領域E2の外側は非表示領域である。
表示領域E1には、サブ画素18がマトリックス状に配置されている。サブ画素18は、前述したように発光素子である有機EL素子30を備えており、スイッチング用トランジスター21および駆動用トランジスター23の動作に伴って、赤(R)、緑(G)、青(B)のうちいずれかの色の発光が得られる構成となっている。
本実施形態では、同色の発光が得られるサブ画素18が第1の方向に配列し、異なる色の発光が得られるサブ画素18が第1の方向に対して交差(直交)する第2の方向に配列した、所謂ストライプ方式のサブ画素18の配置となっている。なお、以下では、上記第1の方向をY方向とし、上記第2の方向をX方向として説明する。
なお、素子基板10におけるサブ画素18の配置はストライプ方式に限定されず、モザイク方式、デルタ方式であってもよい。
また、ダミー領域E2には、主としてサブ画素18の有機EL素子30を発光させるための周辺回路が設けられている。例えば、図2に示すように、X方向において表示領域E1を挟んだ位置にY方向に延在して一対の走査線駆動回路16が設けられている。一対の走査線駆動回路16の間で表示領域E1に沿った位置に検査回路17が設けられている。
素子基板10には、一対の走査線駆動回路16に沿ったY方向と検査回路17に沿ったX方向とに延在して、ダミー領域E2を囲むように配置された配線層29を有している。有機EL素子30が備える対向電極33は、複数の有機EL素子30すなわち複数のサブ画素18に亘って共通陰極として形成されている。また、対向電極33は、表示領域E1から非表示領域に至るように形成され、非表示領域において上記配線層29と電気的に接続されている。
素子基板10は、対向基板41よりも大きく、対向基板41からY方向にはみ出た一辺部(図2中の下方の素子基板10の端部とダミー領域E2との間の辺部であり、以降、「端子部11t」と言うこともある。)に、外部駆動回路との電気的な接続を図るための複数の接続用端子101がX方向に配列している。複数の接続用端子101には、フレキシブル回路基板(FPC)105が接続されている。FPC105には、駆動用IC110が実装されている。なお、駆動用IC110は前述したデーター線駆動回路15を含むものである。FPC105は、駆動用IC110の入力側に配線を介して接続される入力端子102と、駆動用IC110の出力側に配線を介して接続される出力端子(図示せず)とを有している。素子基板10側のデーター線13や電源線14は、接続用端子101およびFPC105を介して駆動用IC110に電気的に接続されている。走査線駆動回路16や検査回路17に接続された配線は、接続用端子101とFPC105を介して駆動用IC110に電気的に接続されている。共通陰極としての対向電極33もまた配線層29および接続用端子101、ならびにFPC105を介して駆動用IC110に電気的に接続されている。したがって、端子部11tに配列した複数の接続用端子101のいずれかに、駆動用IC110からの制御信号や駆動用電位(VDD)等が供給される。素子基板10側の複数の接続用端子101とFPC105側の出力端子とを電気的に接続する方法は、公知の方法を用いることができ、例えば熱可塑性の異方性導電フィルムを用いる方法や熱硬化型の異方性接着剤を用いる方法が挙げられる。
次に、サブ画素18の構成とその平面的な配置について、図3を参照して説明する。
有機EL装置100は、白色発光が得られる有機EL素子30と、赤(R)、緑(G)、青(B)の着色層を含むカラーフィルター36とを組み合わせて構成されている。
図3に示すように、赤(R)の発光が得られるサブ画素18R、緑(G)の発光が得られるサブ画素18G、青(B)の発光が得られるサブ画素18BがX方向に順に配列している。また、同色の発光が得られるサブ画素18はY方向に配列している。X方向に配列した3つのサブ画素18R、サブ画素18G、サブ画素18Bを1つの画素19として表示がなされる構成になっている。
なお、本実施形態において、X方向におけるサブ画素18R、サブ画素18G、サブ画素18Bの配置ピッチは5μm未満である。X方向に0.5μm〜1.0μmの間隔を置いてサブ画素18R、サブ画素18G、サブ画素18Bが配置されている。Y方向におけるサブ画素18R、サブ画素18G、サブ画素18Bの配置ピッチはおよそ10μm未満である。
サブ画素18における画素電極31は、本実施形態では、略矩形状であって、長手方向がY方向に沿って配置されている。なお、画素電極31を発光色に対応させて画素電極31R、画素電極31G、画素電極31Bと呼ぶこともある。画素電極31R、画素電極31G、画素電極31Bの外縁を区画して、画素電極31R、画素電極31G、画素電極31B同士を絶縁するための隔壁として機能する絶縁層28が形成されている。これによって、画素電極31R、画素電極31G、画素電極31B上に開口部28aが形成され、この開口部28a内において画素電極31R、画素電極31G、画素電極31Bのそれぞれが機能層32と接することとなる。開口部28aの平面形状もまた略矩形状となっている。なお、略矩形状とは、長方形、長方形の角部が丸くなった形状、長方形の短辺側が円弧になった形状等を含むものである。
また、カラーフィルター36の赤(R)の着色層36Rは、Y方向に配列する複数の画素電極31Rと重なるように形成されている。緑(G)の着色層36Gは、Y方向に配列する複数の画素電極31Gと重なるように形成されている。青(B)の着色層36Bは、Y方向に配列する複数の画素電極31Bと重なるように形成されている。すなわち、異なる色の着色層36R、着色層36G、着色層36Bは、Y方向に延在してストライプ状に形成され、かつX方向に互いに接して形成されている。
次に、有機EL装置100の構造について、図4を参照して説明する。
なお、図4は、表示領域E1におけるサブ画素18の構造、および、ダミー領域E2の外側における端子部11tの構造を示すものである。
図4に示すように、有機EL装置100は、表示領域E1において、基材(基板)11と、基材11上に順に形成された、画素回路20と、有機EL素子30と、複数の有機EL素子30を封止する封止層34と、カラーフィルター36とを含む素子基板10を備えている。また、素子基板10に対して対向配置された対向基板41を備えている。
対向基板41は、例えばガラス等の透明基板からなり、素子基板10において封止層34上に形成されたカラーフィルター36を保護すべく、透明樹脂層42を介して素子基板10に対向配置されている。
素子基板10と対向基板41とは、間隔を置いて対向配置され、当該間隔に透明樹脂材料が充填されて透明樹脂層42が構成される。透明樹脂材料としては、例えば、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系、ポリオレフィン系等の樹脂材料を挙げることができる。透明樹脂層42の厚みは10μm〜100μmである。
サブ画素18R、サブ画素18G、サブ画素18B(図4中ではサブ画素18Gを示す。)の機能層32からの発光は、後述する反射層25で反射されると共に、カラーフィルター36を透過して対向基板41側から取り出される。すなわち、有機EL装置100はトップエミッション型の発光装置である。
基材11は、有機EL装置100がトップエミッション型のため、ガラス等の透明基板や、シリコンやセラミックス等の不透明な基板を用いることができる。以降、画素回路20にMOSトランジスターを用いた場合を例に説明する。
基材11の表面を覆って第1絶縁膜11aが形成されている。第1絶縁膜11aを覆って駆動用トランジスター23の半導体層23aが形成されている。半導体層23aを覆ってゲート絶縁膜として機能する第2絶縁膜11bが形成されている。第2絶縁膜11bを介して半導体層23aのチャネル領域23cと対向する位置にゲート電極23gが形成されている。ゲート電極23gを覆って第1層間絶縁膜24が例えば300nm〜2μmの膜厚で形成されている。第1層間絶縁膜24は、画素回路20の駆動用トランジスター23等を覆うことによって生じた表面の凹凸を無くすように平坦化処理が施される。半導体層23aのソース領域23sとドレイン領域23dとにそれぞれ対応して、第2絶縁膜11bと第1層間絶縁膜24とを貫通するコンタクトホールが形成されている。これらのコンタクトホールを埋めるようにして導電膜が形成され、パターニングされて駆動用トランジスター23に接続される電極や配線が形成されている。また、上記導電膜は、光反射性の例えばアルミニウム、あるいはアルミニムとAg(銀)やCu(銅)との合金等を用いて形成され、これをパターニングすることによって、サブ画素18ごとに独立した反射層25が形成されている。図4では図示を省略したが、画素回路20におけるスイッチング用トランジスター21や蓄積容量22も基材11上に形成されている。
さらに、反射層25と第1層間絶縁膜24とを覆って例えば10nm〜2μmの膜厚で第2層間絶縁膜26が形成されている。また、後に画素電極31と駆動用トランジスター23とを電気的に接続させるためのコンタクトホールが第2層間絶縁膜26を貫通して形成されている。第1絶縁膜11a、第2絶縁膜11b、第1層間絶縁膜24、第2層間絶縁膜26を構成する材料としては、例えば、シリコンの酸化物や窒化物、あるいはシリコンの酸窒化物を用いることができる。
第2層間絶縁膜26に形成されたコンタクトホールを埋めるように、第2層間絶縁膜26を覆って導電膜(第1導電膜)が成膜され、この導電膜をパターニングすることによってコンタクト電極27が形成されている。さらに、このコンタクト電極27を覆って導電膜(第2導電膜)が形成され、この導電膜をパターニングすることによって画素電極31(画素電極31R、画素電極31G、画素電極31B)(図4中ではサブ画素18Gを示す。)が形成されている。なお、コンタクト電極(接続電極)27は、アルミニムやその合金を用いて形成され、また、画素電極31(画素電極31R、画素電極31G、画素電極31B)は、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜を用いて形成されている。
画素電極31R、画素電極31G、画素電極31Bの外縁部を区画して絶縁層(隔壁)28が形成されている。これにより、画素電極31R、画素電極31G、画素電極31Bの絶縁性が確保されるとともに、画素電極31R、画素電極31G、画素電極31B上に開口部28aが形成されている。絶縁層28は例えばアクリル系の感光性樹脂を用いて、1μm程度の高さで画素電極31R、画素電極31G、画素電極31Bをそれぞれ区画するように形成されている。
なお、本実施形態では、画素電極31R、画素電極31G、画素電極31Bを互いに絶縁状態とするために感光性樹脂からなる絶縁層28を形成したが、酸化シリコン等の無機絶縁材料を用いて画素電極31R、画素電極31G、画素電極31Bを区画してもよい。
機能層32は、画素電極31R、画素電極31G、画素電極31B(図4中ではサブ画素18Gを示す。)に接するように、例えば、真空蒸着法やイオンプレーティング法等の気相プロセスを用いて形成され、絶縁層28の表面も機能層32で覆われる。なお、機能層32は絶縁層28のすべての表面を覆う必要はなく、絶縁層28で区画された領域に機能層32が形成されればよいので、必ずしも、図4に示すように、絶縁層28の頭頂部は機能層32で覆われる必要はない。
機能層32は、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を有する。本実施形態では、画素電極31に対して、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を、それぞれ気相プロセスを用いて成膜し、順に積層することによって機能層32が形成されている。なお、機能層32の層構成は、これに限定されず、キャリアである正孔や電子の移動を制御する中間層を含んでいてもよい。
有機発光層は、白色発光が得られる構成であればよく、例えば、赤色の発光が得られる有機発光層と、緑色の発光が得られる有機発光層と、青色の発光が得られる有機発光層とを組み合わせた構成を採用することができる。
次いで、機能層32を覆って共通陰極としての対向電極33が形成されている。対向電極33は、例えばMgとAgとの合金を光透過性と光反射性とが得られる程度の膜厚(例えば10nm〜30nm)で成膜することによって形成されている。これにより、基材11の上側に複数の有機EL素子30が形成されている。
なお、対向電極33を光透過性と光反射性とを有する状態に形成することによって、サブ画素18R、サブ画素18G、サブ画素18Bごとの反射層25と対向電極33との間で光共振器を構成してもよい。光共振器は、サブ画素18R、サブ画素18G、サブ画素18Bごとに、反射層25と対向電極33との間の光学的距離を異ならせることにより、特定の共振波長の光が取り出されるものである。これによって、サブ画素18、サブ画素18G、サブ画素18Bからの発光の色純度を高めることができる。上記光学的距離は、光共振器を構成する反射層25と対向電極33との間に挟まれた各種の機能膜の屈折率と膜厚との積の合計として求められる。したがって、上記光学的距離をサブ画素18R、サブ画素18G、サブ画素18Bごとに異ならせる方法としては、画素電極31R、サブ画素18G、サブ画素18Bの膜厚を異ならせる方法や、反射層25と画素電極31R、画素電極31G、画素電極31Bとの間の第2層間絶縁膜26の膜厚を異ならせる方法が適用可能である。
また、有機EL装置100は、表示領域E1において、基材11と、基材11上に順に形成された、画素回路20と、有機EL素子30と、複数の有機EL素子30を封止する封止層34と、カラーフィルター36とを含む素子基板10を備えている。また、素子基板10に対して対向配置された対向基板41を備えている。
なお、素子基板10において、第1絶縁膜11a、半導体層23a、第2絶縁膜11b、第1層間絶縁膜24および第2層間絶縁膜26により画素回路20が構成され、画素電極31、機能層32および対向電極33により有機EL素子30が構成され、画素回路20および有機EL素子30により搭載基板35が構成されている。
図4に示すように、水や酸素等の浸入を防止するために、複数の有機EL素子30を覆う封止層34が形成されている。
封止層34は、本発明では、対向電極33(有機EL素子30)側から順に、互いに機能が異なる第1封止層(陰極保護層)34aと、緩衝層(平坦化層)34bと、第2封止層(ガスバリア層)34cとが積層された積層体である。
第1封止層34aおよび第2封止層34cは、主としてシリコン酸窒化物(SiON)で構成され、緩衝層34bは、主として樹脂材料で構成される。
前述した背景技術で説明したように、第1封止層34aは、主としてシリコン酸窒化物で構成されるため、水分や酸素等の浸入を防止するガスバリア性を発揮することがある。
第2封止層(ガスバリア層)34cも、第1封止層(陰極保護層)34aと同様に、主としてシリコン酸窒化物(SiON)で構成され、水分や酸素等の浸入を防止するガスバリア性を有する層である。この第2封止層34cの機能により、封止層34は、機能層32への水分や酸素等の浸入を防止する。
緩衝層34bは、樹脂材料を主材料として構成される。
第1封止層34aと第2封止層34cとの間に、緩衝層34bが介在することで、第1封止層34aおよび第2封止層34cの双方の機能を確実に発揮させることができる。
また、緩衝層34bを、後述する有機EL装置の製造方法において、スクリーン印刷法等の印刷法や、定量吐出法等により塗布形成することで、緩衝層34bの表面(上面)を平坦化して平坦面で構成することができる。その結果、緩衝層34bは、第1封止層34aの表面の凹凸を緩和して、第2封止層34cを平坦なものとして形成する平坦化層としても機能する。
この緩衝層34bの構成材料としては、透明性を備える各種樹脂材料を用いることができ、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を用いることができるが、中でも、エポキシ系樹脂であることが好ましい。エポキシ系樹脂を用いることにより、緩衝層34bに、平坦化層としての機能をより確実に発揮させることができる。
封止層34上には、各色のサブ画素18R、サブ画素18G、サブ画素18Bに対応した着色層36R、着色層36G、着色層36B(図4中ではサブ画素18Gを示す。)が形成されている。着色層36R、着色層36G、着色層36Bを含むカラーフィルター36の形成方法としては、色材を含む感光性樹脂材料を塗布して感光性樹脂層を形成し、これをフォトリソグラフィー法で露光・現像して形成する方法が挙げられる。着色層36R、着色層36G、着色層36Bの膜厚は、どの色も同じでもよいし、少なくとも1色を他の色と異ならせてもよい。
次に、素子基板10の端子部11tとその周辺の構造について説明する。
図4に示すように、接続用端子101は、素子基板10の端子部11tにおいて、画素電極31と同様に、第2層間絶縁膜26上に形成されている。また、第2層間絶縁膜26に形成されたコンタクトホール26a内の導電膜を介して、第1層間絶縁膜24上に形成された配線層103と接続されている。図4には、基材11上における画素回路20や画素回路20に接続される信号配線、走査線駆動回路16等の周辺回路の構成について図示を省略しているが、複数の接続用端子101のそれぞれは、これらの回路や信号配線に対して配線層103を通じて電気的に接続されている。
配線層103は、第1層間絶縁膜24上に形成された導電膜を利用して、反射層25と一緒にパターニングされていることが好ましいが、反射層25と異なる構成材料で形成されていてもよい。
また、接続用端子101は、第2層間絶縁膜26上に形成された導電膜を利用して、画素電極31と一緒にパターニングされていることが好ましいが、画素電極31と異なる構成材料で形成されていてもよい。
素子基板10の端子部11tには、第1封止層34a、第2封止層34c、着色層36B、着色層36G、着色層36Rが順に積層形成され、接続用端子101上において、これらの層を貫通する開口部45が形成されている。接続用端子101上の少なくとも一部にはこれらの層が形成されておらず、開口部45内において接続用端子101が露出している。
換言すれば、封止層34のうち、無機材料からなる第1封止層34aおよび第2封止層34cは、表示領域E1(図2参照)において複数の有機EL素子30を覆うように形成されているだけでなく、端子部11tを覆うように形成されている。カラーフィルター36は、サブ画素18R、サブ画素18G、サブ画素18Bに対応して、緑(G)、青(B)、赤(R)の順に、着色層36R、着色層36G、着色層36Bが形成され、いずれの着色層36R、着色層36G、着色層36Bも表示領域E1だけでなく端子部11tを覆うように形成されている。そして、第1封止層34a、第2封止層34c、着色層36B、着色層36G、着色層36Rを貫通するように開口部45が形成されている。
3つの着色層36R、着色層36G、着色層36Bは、端子部11tの素子基板10の周縁側の外縁からダミー領域E2(図2参照)と表示領域E1の境界部分の絶縁層28に至るように形成されており、当該絶縁層28と重なった着色層36R、着色層36G、着色層36Bは、透明樹脂層42を介して対向基板41によって保護されている。
前述したように、第2封止層34cは、機能層32への水分や酸素等の浸入を防止するガスバリア性を有する層である。この場合、第2封止層34cに、局所的にガスバリア性が低下する欠損部が生じたとすると、当該欠損部から水分や酸素等が浸入するおそれがある。そして、これらが機能層32に到達すると、有機発光層に対するキャリア(正孔や電子)の注入が阻害されて発光の輝度が低下したり、機能層32が変質して発光の機能そのものが失われたりして、所謂ダークスポットと呼ばれる暗点が生ずる。ダークスポットが発生すると、有機EL装置100の信頼性が低下してしまう。
このようなガスバリア性を低下させる欠損部が生じる原因としては、主に、次のものが考えられる。
封止層34を形成する際には、形成用チャンバー(図示せず)内で第1封止層34a、緩衝層34b、第2封止層34cを順に重ねて形成していくが、その形成過程で、例えば前記形成用チャンバーの壁部に付着した、第1封止層34aの構成材料が塊となって、異物200(例えば図6参照)として緩衝層34b上に落下することがある。そして、この状態の緩衝層34bに第2封止層34cを形成すると、当該異物200による凸状態を起因とする欠損部がクラックとなって生じることとなる。
これに対して、有機EL装置100では、異物200による欠損部の発生を防止し、ひいては、ダークスポットの発生に起因する有機EL装置100の発光特性の低下を抑制または防止可能な構成となっている。以下、この構成について説明する。
図5に示すように、第2封止層34cは、有機EL素子30側から順に配置された内層(第1層)341と中間層(第2層)342と外層(第3層)343とを有している。
内層341の応力(膜応力)をσとし、中間層342の応力(膜応力)をσとし、外層343の応力(膜応力)をσとしたとき、応力σは、応力σ以下であり、応力σは、応力σよりも大きい、すなわち、σ≦σ<σなる関係を満足する。なお、応力σ、応力σ、応力σは、いずれも、第2封止層34cの厚さ方向の圧縮応力である。
主としてシリコン酸窒化物で構成される第2封止層34cは、後述するように、イオンプレーティング法のような気相成膜法を用いて形成(成膜)される。このため、内層341と中間層342と外層343とは、それぞれ、シリコン酸窒化物で構成される粒状体が積層することで形成された多孔質体で構成される。そして、このような多孔質体で構成される各層において、粒状体の密度の大小、すなわち、粒状体の疎密を設定することにより、応力の大小関係(σ≦σ<σ)を生じさせることができる。なお、「疎密」の設定は、例えば、各層の形成時の前記形成用チャンバー内の圧力や放電電流等を調整することにより可能である。
そして、σ≦σ<σなる関係を満足することにより、内層341、中間層342および外層343の中で、中間層342が最も柔軟な層となる。これにより、図6〜図8に示すように、第2封止層34cの形成時に異物200が混入したとしても、中間層342が当該異物200による凸状態を吸収するクッション層(易変形層)としての機能することができる。
例えば、図6に示す状態では、異物200は、緩衝層34bの形成と内層341の形成との間に混入している。この場合、異物200上に形成された内層341は、変形するが、その影響は、中間層342で相殺され、外層343にまで至るのができる限り防止される。これにより、前述した異物200による凸状態を起因とする欠損部が簾となって生じることが防止され、よって、有機EL装置100では、長期に亘って、ガスバリア性が維持され、ダークスポットの発生に起因する発光特性の低下が抑制または防止されることとなる。
また、図7に示す状態では、異物200は、内層341の形成と中間層342の形成との間に混入している。この場合、異物200上に形成された中間層342は、変形して、その影響を相殺することができ、よって、外層343にまで至るのができる限り防止される。これにより、図6に示す状態と同様に、有機EL装置100では、長期に亘って、ダークスポットの発生に起因する発光特性の低下が抑制または防止される。
また、図8に示す状態では、異物200は、中間層342の形成と外層343の形成の間に混入している。この場合、異物200の直下では、中間層342が変形して、その影響を相殺することができ、よって、外層343にまで至るのができる限り防止される。これにより、図6、図7に示す状態と同様に、有機EL装置100では、長期に亘って、ダークスポットの発生に起因する発光特性の低下が抑制または防止される。
このように、第2封止層34cでは、異物200がどの層の形成段階に混入しても、発光特性の低下を長期に亘って抑制または防止することができ、フェールセーフな構造となっている。これにより、有機EL装置100の使用中における信頼性の向上を図ることができる。
なお、異物200の大きさとしては、内層341、中間層342および外層343の各形成条件にもよるが、例えば、平均粒径が0.5μm以下が好ましい。
また、σ≦σ<σなる関係を満足した上で、応力σ、応力σおよび応力σは、いずれも、好ましくは0MPa以上1000MPa以下の範囲内にある
さらに、この数値範囲内で、応力σは、100MPa以上300MPa以下であるのが好ましい。応力σは、0MPa以上200MPa以下であるのが好ましい。応力σは、400MPa以上1000以下であるのがより好ましい。
そして、このような数値範囲に各層を設定することにより、中間層342でのクッション性が顕著に発揮される。これにより、異物200を起因とする欠損部を確実に防止することができ、よって、ダークスポットの発生に起因する発光特性の低下を、長期に亘り確実に抑制または防止することができる。なお、この数値範囲の設定は、前述した各層の形成時の前記形成用チャンバー内の圧力や放電電流等を調整することにより可能である。
ところで、異物200による凸状態をできる限り解消するために、第2封止層34cを積層体とせずに単層で比較的厚く形成することが考えられる。しかしながら、この場合、厚さが増加した分、第2封止層34cでの応力も高まり、その結果、緩衝層34bにしわ等が生じて、緩衝層34bと第2封止層34cとが剥離してしまう。なお、第2封止層34cでの応力が低下すると、当該第2封止層34cでガスバリア性も低下する傾向にある。
これに対し、第2封止層34cでは、内層341、中間層342および外層343を前記数値範囲にそれぞれ設定することにより、第2封止層34cでの全体としての応力が過剰に増加するのを防止する一方、第2封止層34cでガスバリア性を過不足なく維持することができる。
図5に示すように、内層341の厚さをtとし、中間層342の厚さをtとし、外層343の厚さをtとしたとき、厚さt、厚さtおよび厚さtは、いずれも、第2封止層34cの面方向には、一定であり、厚さt、厚さtおよび厚さtのうち、厚さtが最大となっており、厚さtと厚さtとは、同じである。また、厚さt、厚さtおよび厚さtは、それぞれ、100nm以上300nm以下であるのが好ましい。さらに、内層341、中間層342および外層343の総厚ttotal、すなわち、第2封止層34c自体の全体の厚さは、400nm以上1200nm以下であるのが好ましい。
このような厚さの大小関係により、第2封止層34cでの応力の増加を抑制して、緩衝層34bにしわが生じるのを防止することができる。
なお、中間層342は、中間層342を形成する際に、複数回(図5に示す構成では2回)に分けて形成が行なわれるものである。そして、1回目の厚さt2−1と、1回目の厚さt2−2とは、同じである。
後述するようにイオンプレーティング法を用いて中間層342を形成する場合、厚さtの大きさ程度によっては、中間層342の温度が有機EL素子30のガラス転移温度越えてしまうことがあり、複数回(2回)に分けて、その都度冷却しつつ、その形成を行なうのが好ましい。これにより、中間層342を安定して形成することができる。
さらに、内層341は、フーリエ変換型赤外分光光度計で測定した際の1000cm−1付近に生じるピークの透過率をA[%]とし、3200cm−1付近に生じるピークの透過率をB[%]としたとき、B/Aが0.1以上であるのが好ましく、0.1以上0.25以下であるのがより好ましい。
中間層342は、フーリエ変換型赤外分光光度計で測定した際の1000cm−1付近に生じるピークの透過率をA[%]とし、3200cm−1付近に生じるピークの透過率をB[%]としたとき、B/Aが0.18以上であるのが好ましく、0.18以上0.3以下であるのがより好ましい。
外層343は、フーリエ変換型赤外分光光度計で測定した際の1000cm−1付近に生じるピークの透過率をA[%]とし、3200cm−1付近に生じるピークの透過率をB[%]としたとき、B/Aが0.07以下であるのが好ましく、0.01以上0.07以下であるのがより好ましい。
なお、この測定条件としては、
・装置名:サーモニコレー380
・光源:高輝度セラミック光源(黒体放射で赤外光を出すものである)
・検出器:MCT
・ビームスプリッタ:KBr
・分解能:4.0cm−1
・プリズム:ダイヤモンド(屈折率=2.40)
・入射角:45°
・偏光:無偏光
である。
そして、測定結果は、ATRで測定したものを、“アドバンストATR補正”という装置付属のソフトで補正している。(これにより透過光測定と比較可能となる。)
また、ATR補正の条件は、
・クリスタル (Diamond)の屈折率=2.40
・サンプルの屈折率=1.50
・入射角=45.0°
・反射回数=1.0
である。
そして、各層における透過率の比をこのような数値範囲に設定することにより、ダークスポットの発生に起因する発光特性の低下の抑制または防止に寄与することができることの他、後述するようにスピンコート法を用いて第2封止層34c上にカラーフィルター36(例えば着色層36B)を形成する際に、青の色材を含む液状の感光性樹脂が第2封止層34cに透過(浸入)するのを確実に防止することができる。なお、各比の数値範囲の設定は、前記と同様、各層の形成時の前記形成用チャンバー内の圧力や放電電流等を調整することにより可能である。
(有機EL装置の製造方法)
次に、第1実施形態の有機EL装置の製造方法について説明する。
有機EL装置100の製造方法は、画素回路形成工程と、有機EL素子形成工程と、封止層形成工程と、カラーフィルター形成工程と、封止層エッチング工程と、基板貼り合わせ工程とを有している。
[1]まず、基材11を用意し、この基材11上に、画素回路20を形成する(画素回路形成工程)。
なお、この画素回路20の形成の際に、周辺回路、信号配線、反射層25、コンタクト電極27等も併せて形成する。
また、基材11上に画素回路20等を形成する方法としては、公知の方法を用いることができる。
[2]次に、画素回路20上に、有機EL素子30を形成する(有機EL素子形成工程)。
なお、この有機EL素子30の形成の際に、絶縁層28等も併せて形成する。
また、画素回路20上に有機EL素子30等を形成する方法としては、公知の方法を用いることができる。
[3]次に、有機EL素子30が備える対向電極33と端子部11tとを覆う第1封止層34aを形成する。
第1封止層34aを形成する形成方法としては、特に限定されないが、例えば、イオンプレーティング法、真空蒸着法、スパッタ法、レーザアブレーション法のような気相成膜法が挙げられるが、中でも、イオンプレーティング法であることが好ましい。
イオンプレーティング法を用いて第1封止層34aを形成することで、シリコン酸窒化物で構成される粒状体が対向電極33に積層する際に、対向電極33に飛来する膜成分を、対向電極33(基材11)の厚さ方向に沿って(平行)に飛来させることができる。すなわち、対向電極33の厚さ方向に沿って、優れた指向性をもって飛来させることができる。
[4]次に、第1封止層34aを覆う緩衝層34bを形成する。
緩衝層34bは、透明性を有する樹脂材料で構成され、その形成方法としては、例えば、樹脂材料と、樹脂材料が可溶な溶媒とを含む液状材料(溶液)を用い、スクリーン印刷法等の印刷法や、定量吐出法のような液相成膜法で液状材料を塗布して乾燥する方法が好ましく用いられる。かかる方法を用いることにより、その上面が平坦化された、樹脂材料からなる緩衝層34bを優れた精度で形成することができる。
なお、本工程[4]では、第1封止層34a上に液状材料を供給することで、緩衝層34bが形成されるが、この際、前述の通り、第1封止層34aが液状材料の透過(浸入)を許容しない膜で構成されている。そのため、本工程[4]において、液状材料に機能層32が接触することによる機能層32の変質・劣化が生じるのを的確に抑制また防止することができる。
[5]次に、緩衝層34bを覆う第2封止層34cを、内層341、中間層342、外層343の順に形成する。各層を形成する形成方法としては、第1封止層34aの形成方法として説明したのと同様の方法が用いられる。
この際、緩衝層34bの上面が平坦面で構成されるため、この緩衝層34b上に形成される第2封止層34cは、段差部が形成されることなく、ほぼ均一な膜厚を有する平坦層として形成される。
なお、以上のような工程[3]〜[5]により、封止層形成工程が構成される。
[6]次に、青(B)の着色層36Bを形成する。
この着色層36Bは、例えば、青の色材を含む感光性樹脂をスピンコート法で塗布して乾燥することにより感光性樹脂層を形成して、この感光性樹脂層を露光・現像することにより形成することができる。
この着色層36Bは、サブ画素18Bに対応する位置に形成されるようにパターニングするとともに、端子部11tにおける接続用端子101と重なる部分に開口部45が形成されるようにパターニング(露光・現像)することが好ましい。
[7]次に、緑(G)の着色層36Gを形成する。
着色層36Gは、着色層36Bと同様に形成され、サブ画素18Gに対応する位置に形成されるようにパターニングするとともに、端子部11tにおける接続用端子101と重なる部分に開口部45が形成されるようにパターニング(露光・現像)することが好ましい。
[8]次に、赤(R)の着色層36Rを形成する。
着色層36Rは、着色層36Bと同様に形成され、サブ画素18Rに対応する位置に形成されるようにパターニングするとともに、端子部11tにおける接続用端子101と重なる部分に開口部45が形成されるようにパターニング(露光・現像)することが好ましい。
なお、以上のような工程[6]〜[8]により、カラーフィルター形成工程が構成される。
[9]次に、開口部45において、残存する第1封止層34aおよび第2封止層34cを除去することにより、接続用端子101を露出させる(封止層エッチング工程)。
この第1封止層34aおよび第2封止層34cを除去する方法としては、例えば、着色層36R、着色層36G、着色層36Bをマスクとして用いた、ドライエッチング法が好ましく用いられる。
[10]次に、透明樹脂材料からなる透明樹脂層42を介して素子基板10と対向基板41とを貼り合わせる(基板貼り合わせ工程)。
この貼り合わせは、例えば、カラーフィルター36を覆うように接着性を有する透明樹脂材料を塗布し、その後、透明樹脂材料が塗布された基材11に対して対向基板41を所定の位置に対向配置した状態で、例えば対向基板41を基材11側に押圧することにより、行うことができる。
透明樹脂材料としては、例えば、熱硬化型のエポキシ樹脂が挙げられる。
また、透明樹脂層42の厚さは、特に限定されないが、10μm以上100μm以下程度に設定される。
以上のような工程[1]〜工程[10]の後に、図2に示すように、素子基板10の端子部11tにFPC105を実装することで、有機EL装置100を得ることができる。
<電子機器>
次に、本発明の電子機器を適用したヘッドマウントディスプレイについて説明する。
図9は、本発明の電子機器をヘッドマウントディスプレイに適用した概略図である。
図9に示すように、本発明の電子機器としてのヘッドマウントディスプレイ(HMD)1000は、左右の目に対応して設けられた2つの表示部1001を有している。観察者Mはヘッドマウントディスプレイ1000を眼鏡のように頭部に装着することにより、表示部1001に表示された文字や画像等を見ることができる。例えば、左右の表示部1001に視差を考慮した画像を表示すれば、立体的な映像を見て楽しむこともできる。
表示部1001には、上述した有機EL装置100が搭載されている。
したがって、ヘッドマウントディスプレイ1000は、長期に亘って、ダークスポットの発生に起因する発光特性の低下が抑制または防止された有機EL素子30を備える有機EL装置100を搭載している。そのため、信頼性の高いヘッドマウントディスプレイ1000を提供することができる。
なお、ヘッドマウントディスプレイ1000は、2つの表示部1001を有することに限定されず、左右のいずれかに対応させた1つの表示部1001を備える構成としてもよい。
また、本発明の電子機器は、図9のヘッドマウントディスプレイの他にも、例えば、パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話機、時計、ディジタルスチルカメラ、テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダー型、モニタ直視型のビデオテープレコーダー、ラップトップ型パーソナルコンピューター、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ、その他各種モニター類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用することができる。
以上、本発明の有機発光装置および電子機器を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、有機発光装置および電子機器を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.第2封止層の成膜
(サンプル1)
まず、緩衝層34bに相当する層が予め形成されたサンプル用基板を用意する。
そして、このサンプル用基板上に、異物として、シリコン酸窒化物(SiON)で構成され、粒径が0.5μm以下である塊を各サンプルに10個以上20個以下載置する。
次に、以下に示す条件でイオンプレーティング法により、シリコン酸窒化物(SiON)で構成される第2封止層の内層を形成した。
<内層形成条件>
・チャンバー内の圧力 :0.8Pa
・プロセスガス :N
・原材料 :SiO
・放電電流値 :130A
・ガンAr流量 :80mL/m
なお、得られた内層の平均厚さは200nmであり、膜応力は200MPaであった。
次に、以下に示す条件でイオンプレーティング法により、シリコン酸窒化物(SiON)で構成される第2封止層の中間層を形成した。
<中間層形成条件>
・チャンバー内の圧力 :1.2Pa
・プロセスガス :N
・原材料 :SiO
・放電電流値 :130A
・ガンAr流量 :80mL/m
なお、得られた中間層の平均厚さは400nmであり、膜応力は100MPaであった。
次に、以下に示す条件でイオンプレーティング法により、シリコン酸窒化物(SiON)で構成される第2封止層の外層を形成した。
<外形成条件>
・チャンバー内の圧力 :0.5Pa
・プロセスガス :N
・原材料 :SiO
・放電電流値 :130A
・ガンAr流量 :80mL/m
なお、得られた外層の平均厚さは200nmであり、膜応力は700MPaであった。
(サンプル2)
異物の大きさを、粒径が0.5μmを超え2μm未満の範囲内にあるものとしたこと以外は、サンプル1と同様にして、第2封止層を得た。
(サンプル3)
異物の大きさを、粒径が2μm以上5μm未満の範囲内にあるものとしたこと以外は、サンプル1と同様にして、第2封止層を得た。
(サンプル4)
以下に示す条件でイオンプレーティング法により、シリコン酸窒化物(SiON)で構成される、単層の第2封止層を形成したこと以外は、サンプル1と同様にして、第2封止層を得た。
・チャンバー内の圧力 :0.8Pa
・プロセスガス :N
・原材料 :SiO
・放電電流値 :130A
・ガンAr流量 :80mL/m
なお、得られた第2封止層の平均厚さは800nmであり、膜応力は200MPaであった。
(サンプル5)
異物の大きさを、粒径が0.5μmを超え2μm未満の範囲内にあるものとしたこと以外は、サンプル6と同様にして、第2封止層を得た。
(サンプル6)
異物の大きさを、粒径が2μm以上5μm未満の範囲内にあるものとしたこと以外は、サンプル6と同様にして、第2封止層を得た。
2.ガスバリア性評価
各サンプルについて、65℃、90%水蒸気雰囲気下に48時間放置した。その後、各サンプル100枚について、第2封止層における欠陥により発生したダークスポットの有無を確認した。ダークスポットの無いサンプルを異物部分での水分や酸素等の浸入を防止するガスバリア性を有するものとして枚数を数え、その枚数が90枚以上ならば評価結果「良」として表1中「○」で示し、90枚未満ならば評価結果「否」として「×」で示した。
Figure 2016195000
表1に示すように、内層と中間層と外層とを有する積層体で構成され、中間層の応力が内層の応力以下であり、外層の応力が内層の応力よりも大きい第2封止層を備えるサンプル1〜サンプル4については、評価結果が「良」であった。
これに対し、単層で構成された第2封止層を備えるサンプル5〜サンプル8については、評価結果が「否」であった。
また、内層と中間層と外層とを有する第2封止層を備えるサンプルに関して、内層と中間層との間に異物を載置した場合と、中間層と外層との間に異物を載置した場合とについても、同様の評価したところ、評価結果「良」が得られた。
10……素子基板
11……基材(基板)
11a……第1絶縁膜
11b……第2絶縁膜
11t……端子部
12……走査線
13……データー線
14……電源線
15……データー線駆動回路
16……走査線駆動回路
17……検査回路
18、18R、18G、18B……サブ画素
19……画素
20……画素回路
21……スイッチング用トランジスター
22……蓄積容量
23……駆動用トランジスター
23a……半導体層
23c……チャネル領域
23d……ドレイン領域
23g……ゲート電極
23s……ソース領域
24……第1層間絶縁膜
25……反射層
26……第2層間絶縁膜
26a……コンタクトホール
27……コンタクト電極(接続電極)
28……絶縁層(隔壁)
28a……開口部
29……配線層
30……有機EL素子
31、31R、31G、31B……画素電極
32……機能層
33……対向電極
34……封止層
34a……第1封止層(陰極保護層)
34b……緩衝層(平坦化層)
34c……第2封止層(ガスバリア層)
341……内層(第1層)
342……中間層(第2層)
343……外層(第3層)
35……搭載基板
36……カラーフィルター
36R、36G、36B……着色層
41……対向基板
42……透明樹脂層
45……開口部
100……有機EL装置
101……接続用端子
102……入力端子
105……フレキシブル回路基板(FPC)
110……駆動用IC
200……異物
1000……ヘッドマウントディスプレイ(HMD)
1001……表示部
E1……表示領域
E2……ダミー領域
M……観察者
、t、t2‐1、t2−2、t……厚さ
total……総厚

Claims (11)

  1. 基板と、前記基板上に配置された有機発光素子と、前記有機発光素子を覆うことで封止する封止層とを備え、
    前記封止層は、互いに機能が異なる第1封止層と緩衝層と第2封止層とが前記有機発光素子側から順に積層された積層体であり、
    前記第2封止層は、主としてシリコン酸窒化物で構成されており、前記有機発光素子側から順に配置された内層と中間層と外層とを有し、
    前記中間層の応力は、前記内層の応力以下であり、前記外層の応力は、前記内層の応力よりも大きいことを特徴とする有機発光装置。
  2. 前記内層の応力、前記中間層の応力および前記外層の応力は、それぞれ、0MPa以上1000MPa以下である請求項1に記載の有機発光装置。
  3. 前記内層の応力は、100MPa以上300MPa以下であり、
    前記中間層の応力は、0MPa以上200MPa以下であり、
    前記外層の応力は、400MPa以上1000MPa以下である請求項2に記載の有機発光装置。
  4. 前記内層、前記中間層および前記外層のうち、前記中間層が最も厚いものである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の有機発光装置。
  5. 前記内層の厚さと前記外層の厚さとは、同じである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の有機発光装置。
  6. 前記内層の厚さ、前記中間層の厚さおよび前記外層の厚さは、それぞれ、100nm以上300nm以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の有機発光装置。
  7. 前記内層、前記中間層および前記外層の総厚は、400nm以上1200nm以下である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の有機発光装置。
  8. 前記内層は、フーリエ変換型赤外分光光度計で測定した際の1000cm−1付近に生じるピークの透過率をA[%]とし、3200cm−1付近に生じるピークの透過率をB[%]としたとき、B/Aが0.1以上0.25以下であり、
    前記中間層は、フーリエ変換型赤外分光光度計で測定した際の1000cm−1付近に生じるピークの透過率をA[%]とし、3200cm−1付近に生じるピークの透過率をB[%]としたとき、B/Aが0.18以上0.30以下であり、
    前記外層は、フーリエ変換型赤外分光光度計で測定した際の1000cm−1付近に生じるピークの透過率をA[%]とし、3200cm−1付近に生じるピークの透過率をB[%]としたとき、B/Aが0.01以上0.07以下である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の有機発光装置。
  9. 前記中間層は、該中間層を形成する際に、複数回に分けて形成が行なわれるものである請求項1ないし8のいずれか1項に記載の有機発光装置。
  10. 前記第1封止層は、主としてシリコン酸窒化物で構成され、
    前記緩衝層は、主として樹脂材料で構成される請求項1ないし9のいずれか1項に記載の有機発光装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の有機発光装置を備えることを特徴とする電子機器。
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