JP2016194144A - Ipmモータのロータ鉄心用鋼板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】IPMモータのロータ用鉄心として用いるときに、モータ効率を向上し、高速回転域での出力トルクをより大きくでき、最大回転速度をより高くできる鋼板を提供する。
【解決手段】体積抵抗率ρが30×10−8Ω・m以上、磁界の強さが8000A/mの時の磁束密度B8000の値が1.75T以上でありかつその時の残留磁束密度Brが0.5T以上であり、必要に応じて8000A/mまで磁化した時の保磁力Hcが100A/m以上であるIPMモータのロータ鉄心用鋼板を製造する。
【選択図】図1
【解決手段】体積抵抗率ρが30×10−8Ω・m以上、磁界の強さが8000A/mの時の磁束密度B8000の値が1.75T以上でありかつその時の残留磁束密度Brが0.5T以上であり、必要に応じて8000A/mまで磁化した時の保磁力Hcが100A/m以上であるIPMモータのロータ鉄心用鋼板を製造する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電気自動車、ハイブリッド自動車或いは工作機械などに主に使用される永久磁石埋め込み型モータ(以下、「IPMモータ」と記す)のロータ鉄心用鋼板及びその製造方法に関する。
一般に、IPMモータは、高価な永久磁石を使用するためコストは高くなるものの、誘導電動機と比べて効率が高い。このため、IPMモータは、例えば、ハイブリッド自動車及び電気自動車の駆動用モータ及び発電用モー夕、家電製品、並びに各種の工作機械や産業機械用のモータ等に広く使用されている。
IPMモータの鉄心は、ステータ(固定子)とロータ(回転子)とに分けられる。ステータ側の鉄心には巻線を通じて交流磁界が直接付与されるので、効率を高くするために、ステータ側の鉄心には、高透磁率であると同時に体積抵抗率を高めて、鉄損を低減できることが要求される。このため、ステータ側の鉄心には、極低炭素鋼にSiを添加して軟磁気特性を改善した電磁鋼板が用いられる(例えば、特許文献1及び2)。
一方、ロータ側の鉄心には永久磁石が埋め込まれるため、ロータ側の鉄心は、主にヨークとして磁束密度を高める役割を担う。ロータ側の鉄心はステータ側から発生する交流磁界の影響を僅かに受けるが、その影響は限定的である。従って、特性の観点から見ると、鉄損特性に有利な電磁鋼板をロータ側の鉄心に使用する必要はない。しかし、ステータのみに電磁鋼板を使用すると電磁鋼板の製品歩留りが低下して、モータの製造コストが高くなるので、通常は、ロータ側の鉄心にもステータ側と同じ電磁鋼板が用いられる。
IPMモータが自動車に搭載される場合、自動車の小型軽量化のニーズからIPMモータにも小型化が求められる。その場合、小型化しても従来と同等以上のモータ出力(トルク)を得るために、ロータの回転速度が高められる。一般に、モータの効率はロータの回転速度を高くするほど、良好となる。しかし、IPMモータでは、埋め込まれた永久磁石の回転により、ステータ巻線に誘導起電力が発生する。この誘導起電力は、回転速度の上昇に伴い増加する。そして、誘導起電力が入力電力を超えたところで、モータは回転できなくなる。このためIPMモータでは、例えば特許文献3に示されるように、高速回転域を運転する際に永久磁石の磁束を打ち消す方向の磁束をステータ側から発生させ、誘導起電力を抑制する弱め界磁制御が行われている。この弱め界磁制御により、高速回転域での運転が可能となる反面、永久磁石の磁束を打ち消すために電力を使用するため、モータトルクは減少する。なお、特許文献3では、磁石の形状に工夫を施すことにより、弱め界磁制御に使用する電力量を少なくすることが図られている。
一方、IPMモータを小型化しても、従来と同等以上のトルクを得るためロータの回転速度を高めると、ロータに埋め込まれた永久磁石に作用する遠心力が増大してロータの破損に至る問題がある。破損を起こさないためには、ロータの素材として降伏強度が高い材料が望ましい。例えば3質量%程度のSiを含有する無方向性電磁鋼板(35A300)の場合、磁性焼鈍後の降伏強度は約400N/mm2程度である。このため、ロータの直径が80mm以上の比較的大型のIPMモータの場合、ロータの構造によって異なるものの、20000rpm程度が破損を起こさない回転速度の限界と考えられている。これまでも、電磁鋼板をベースに鉄心の降伏強度を高くする検討が種々行われてきたが、それでも高々780N/mm2程度に留まっていた。そこで、高速回転化によるロータ鉄心の破損を抑制する方法として、例えば特許文献4では、ロータ鉄心用素材として、電磁鋼板ではなく、高強度かつ高飽和磁束密度である鋼板を用いることが提案されている。
特許文献3では、磁石の形状に工夫を施すことにより、弱め界磁制御に使用する電力量を少なくすることが図られているが、素材鋼板の残留磁束密度及び保磁力を調節する点については考慮されていない。また、特許文献4は、高強度化によって高速回転が可能となるが残留磁束密度及び保磁力に関する知見は得られず、弱め界磁制御時の高トルク化の可能性に関しては不明である。
従って、本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、IPMモータのロータ用鉄心として用いるときに、モータ効率を向上し、高速回転域での出力トルクをより大きくでき、最大回転速度をより高くできる鋼板を提供することを目的とする。また、本発明は、そのようなIPMモータのロータ鉄心用鋼板の製造方法を提供することも目的とする。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決すべく、種々の鋼板を素材としてIPMモータを試作し、モータの性能評価を行った結果、モータ効率を向上し、さらに永久磁石からの漏れ磁束を低減してマグネットトルクに有効な磁束を増加させるとともに、弱め界磁制御を行う高速回転域で大きな出力トルクを得るためには、素材鋼板の体積抵抗率、磁束密度及び残留磁束密度を調節することが有効であり、素材鋼板の体積抵抗率、磁束密度、残留磁束密度及び保磁力を調節することがさらに有効であることを見出した。
即ち、本発明は、C:0.0005質量%超〜0.90質量%、Si:0質量%〜3.0質量%、Mn:0質量%〜2.5質量%、P:0.05質量%以下、S:0.02質量%以下、酸可溶Al:0.005質量%〜3.0質量%かつSi+Al:5.0質量%以下からなる成分組成を有し、さらにCu:0.05質量%〜1.5質量%、Ni:0.05質量%〜1.0質量%、As:0.05質量%〜1.0質量%からなる群から選択される1種以上の成分が含まれており、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有することを特徴とする体積抵抗率ρが30×10−8Ω・m以上、磁界の強さが8000A/mの時の磁束密度B8000の値が1.75T以上でありかつその時の残留磁束密度Brが0.5T以上であり、必要に応じて8000A/mまで磁化した時の保磁力Hcが100A/m以上である、IPMモータのロータ鉄心用鋼板である。
また、本発明は、C:0.0005質量%超〜0.90質量%、Si:0質量%〜3.0質量%、Mn:0質量%〜2.5質量%、P:0.05質量%以下、S:0.02質量%以下、酸可溶Al:0.005質量%〜3.0質量%かつSi+Al:5.0質量%以下からなる成分組成を有し、さらにCu:0.05質量%〜1.5質量%、Ni:0.05質量%〜1.0質量%、As:0.05質量%〜1.0質量%からなる群から選択される1種以上の成分が含まれており、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有する熱間圧延鋼板を冷間圧延し、連続焼鈍ライン又は連続焼入れラインにて800℃以上に加熱後、450℃以下まで10℃/s以上の冷却速度で冷却し、200〜450℃の温度域に20秒以上保持することにより、上記IPMモータのロータ鉄心用鋼板の金属組織がマルテンサイト単相、ベイナイト単相又はマルテンサイトに加えて10%未満のフェライトを有する複合組織であることを特徴とする上記IPMモータのロータ鉄心用鋼板の製造方法である。
本発明によれば、IPMモータのロータ鉄心として用いるときに、モータ効率を向上し、さらに永久磁石からの漏れ磁束を低減してマグネットトルクに有効な磁束を増加させるとともに、高速回転域での出力トルクを大きくでき、最大回転速度をより高くできる鋼板を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態によるIPMモータのロータ鉄心用鋼板が積層されることにより形成されたロータ鉄心を備えるIPMモータのロータを示す正面図である。図に示すように、IPMモータのロータ1には、本発明のロータ鉄心用鋼板(素材鋼板)が積層されることにより形成されたロータ鉄心10(ロータ本体)と、ロータ鉄心10の周方向に沿って互いに間隔を置いてロータ鉄心10に設けられた複数の永久磁石挿入孔11と、各永久磁石挿入孔11に埋め込まれた永久磁石12とが含まれている。なお、ロータ1の外周に図示しないステータが配置されることで、IPMモータが構成される。
図1は、本発明の実施の形態によるIPMモータのロータ鉄心用鋼板が積層されることにより形成されたロータ鉄心を備えるIPMモータのロータを示す正面図である。図に示すように、IPMモータのロータ1には、本発明のロータ鉄心用鋼板(素材鋼板)が積層されることにより形成されたロータ鉄心10(ロータ本体)と、ロータ鉄心10の周方向に沿って互いに間隔を置いてロータ鉄心10に設けられた複数の永久磁石挿入孔11と、各永久磁石挿入孔11に埋め込まれた永久磁石12とが含まれている。なお、ロータ1の外周に図示しないステータが配置されることで、IPMモータが構成される。
各永久磁石挿入孔11には、ロータ鉄心10の回転中心10a側を頂部とするようにV字状に配置された第1及び第2挿入孔11a,11bと、その頂部において第1及び第2挿入孔11a,11b間を仕切るブリッジ11cとが含まれている。永久磁石12は、第1及び第2挿入孔11a,11b内にそれぞれ埋め込まれている。すなわち、永久磁石挿入孔11に2つの永久磁石12が埋め込まれている。
図1に示すようなロータ1を用いたIPMモータでは、周知のように、高速回転域で運転する際に、永久磁石12の磁束を打ち消す方向の磁束を固定子側から発生させ、誘導起電力を抑制する弱め界磁制御が行われる。このようなIPMモータの定格回転速度は、図1のロータ1を用いた場合には7500rpmとされる。上述の弱め界磁制御は、これらの回転速度を超える高速回転域で行われる。
本発明のIPMモータのロータ鉄心用鋼板は、体積抵抗率ρが30×10−8Ω・m以上、磁界の強さが8000A/mの時の磁束密度B8000の値が1.75T以上であり、かつその時の残留磁束密度Brが0.5T以上であり、必要に応じて8000A/mまで磁化した時の保磁力Hcが100A/m以上であることを特徴とする。
上記のように磁気特性を限定する理由は以下の通りである。
<磁界の強さが8000A/mの時の磁束密度B8000:1.75T以上>
磁束密度B8000の値を1.75T以上とするのは、ロータとして高速回転する際に永久磁石を挿入した位置(d軸)と挿入していない位置(q軸)でのインダクタンスの値の差に基づくリラクタンストルクを有効に活用し、特に高速回転領域において従来の鋼板と同等以上のトルク性能を発揮するためである。
<磁界の強さが8000A/mの時の磁束密度B8000:1.75T以上>
磁束密度B8000の値を1.75T以上とするのは、ロータとして高速回転する際に永久磁石を挿入した位置(d軸)と挿入していない位置(q軸)でのインダクタンスの値の差に基づくリラクタンストルクを有効に活用し、特に高速回転領域において従来の鋼板と同等以上のトルク性能を発揮するためである。
<8000A/mまで磁化した時の残留磁束密度Br:0.5T以上>
8000A/mまで磁化した時の残留磁束密度Brを0.5T以上としているのは、以下の通りである。即ち、IPMモータでは、永久磁石による磁石磁束(d軸磁束)に加え、リラクタンストルクを得るためにステータ側からロータ内を貫通する磁束(q軸磁束)を流し、高トルク化及び高効率化を達成させるためである。しかし、例えば「平成23年度電気学会産業応用部門大会講演論文集、3−24(2011)、PIII−179」のように、モータへの入力電流を増加させ、q軸磁束を増加させると、d軸磁束との相互干渉によりd軸磁束の向きが回転方向とは逆方向にずれて偏り、d軸及びq軸インダクタンスの変化を通じて最大トルクを減少させることが知られている。この現象はdq軸相互干渉と呼ばれ、本来のd軸磁束よりも回転方向前方では磁束が強め合い、後方では弱め合うことに起因しているが、電磁鋼板のように保磁力が小さくかつ残留磁束密度も小さい高透磁率材料では、回転方向の後方における磁束の弱め合いがスムーズに進行するのに対して、保磁力が大きな低透磁率材料では残留磁束密度が大きいことに起因して、磁束の弱め合いが抑制されるため、前述のd軸磁束のずれによる偏りが小さくなる。その結果として、dq軸相互干渉に伴う最大トルクの減少を抑制することが可能となる。
8000A/mまで磁化した時の残留磁束密度Brを0.5T以上としているのは、以下の通りである。即ち、IPMモータでは、永久磁石による磁石磁束(d軸磁束)に加え、リラクタンストルクを得るためにステータ側からロータ内を貫通する磁束(q軸磁束)を流し、高トルク化及び高効率化を達成させるためである。しかし、例えば「平成23年度電気学会産業応用部門大会講演論文集、3−24(2011)、PIII−179」のように、モータへの入力電流を増加させ、q軸磁束を増加させると、d軸磁束との相互干渉によりd軸磁束の向きが回転方向とは逆方向にずれて偏り、d軸及びq軸インダクタンスの変化を通じて最大トルクを減少させることが知られている。この現象はdq軸相互干渉と呼ばれ、本来のd軸磁束よりも回転方向前方では磁束が強め合い、後方では弱め合うことに起因しているが、電磁鋼板のように保磁力が小さくかつ残留磁束密度も小さい高透磁率材料では、回転方向の後方における磁束の弱め合いがスムーズに進行するのに対して、保磁力が大きな低透磁率材料では残留磁束密度が大きいことに起因して、磁束の弱め合いが抑制されるため、前述のd軸磁束のずれによる偏りが小さくなる。その結果として、dq軸相互干渉に伴う最大トルクの減少を抑制することが可能となる。
この効果を得るためには、8000A/mまで磁化した時の残留磁束密度Brが0.5T以上、好ましくは1.0T以上が必要である。本発明者らが種々の鋼板を素材としてIPMモータを試作し、モータの性能評価を行ったところ、0.5T以上、望ましくは1.0T以上の残留磁束密度を有する鋼板を用いてロータ鉄心を形成することで、高速回転時に行う弱め界磁制御の消費電力を低減でき、出力トルクを向上できることが分かった。
<保磁力Hc:100A/m以上>
本発明の鋼板は、高速回転域においてより高いトルクが必要となる場合には、100A/m以上の保磁力Hcを有することが好ましい。その理由は以下の通りである。即ち、保磁力の増大に伴い透磁率が小さくなることに起因して、ブリッジ部での永久磁石からの漏れ磁束が小さくなり、その結果として永久磁石からの磁束を有効に活用できるようになる。この効果を得るためには、保磁力が、好ましくは100A/m以上、さらに好ましくは300A/m以上、最も好ましくは1000A/m以上が必要である。この効果はロータの構造によって変化するが、例えば高速回転時の遠心力に耐えるべく、永久磁石を2分割してセンターブリッジを設けた場合など、永久磁石からの漏れ磁束が多くなる構造の場合に、より効果的に作用する。
本発明の鋼板は、高速回転域においてより高いトルクが必要となる場合には、100A/m以上の保磁力Hcを有することが好ましい。その理由は以下の通りである。即ち、保磁力の増大に伴い透磁率が小さくなることに起因して、ブリッジ部での永久磁石からの漏れ磁束が小さくなり、その結果として永久磁石からの磁束を有効に活用できるようになる。この効果を得るためには、保磁力が、好ましくは100A/m以上、さらに好ましくは300A/m以上、最も好ましくは1000A/m以上が必要である。この効果はロータの構造によって変化するが、例えば高速回転時の遠心力に耐えるべく、永久磁石を2分割してセンターブリッジを設けた場合など、永久磁石からの漏れ磁束が多くなる構造の場合に、より効果的に作用する。
上記のように電気特性を限定する理由は以下の通りである。
<体積抵抗率ρが30×10−8Ω・m以上>
体積抵抗率ρが30×10−8Ω・m以上とされているのは、ロータ内における高調波成分に起因した渦電流損を抑制し、モータ効率を改善させるためである。前述のように、残留磁束密度Brを0.5T以上とすることで、dq軸相互干渉に伴うd軸磁束の偏りが抑制される。この効果は、高入力電流となる最大トルク域ほど顕著であり、素材鋼板の体積抵抗率ρの大小にかかわらず高トルク域においては、渦電流損に起因したモータ効率の低下はSi含有量の大きな電磁鋼板と比べ大きくなっても、電磁鋼板と同等以上のモータ効率が得られる。しかし、ロータ鉄心の素材鋼板の体積抵抗率ρを30×10−8Ω・m未満とした場合、低速回転かつ低トルク域でのモータ効率は電磁鋼板を素材とした場合と比べ劣ることがある。しかし、ロータ鉄心の素材鋼板の体積抵抗率ρを30×10−8Ω・m以上とすれば、低速回転域から高速回転域かつ低トルクから高トルク域までの広範囲な運転条件下で、電磁鋼板をロータ鉄心の素材鋼板として用いた場合と同等以上の良好なモータ効率を得ることが可能となる。なお、dq軸相互干渉に伴うd軸磁束のずれは高残留磁束密度とすることで小さくなることから、残留磁束密度が小さい電磁鋼板と比べ低い体積抵抗率でも良好な効率が得られるのに加え、高残留磁束密度化は鋼板の結晶構造への欠陥の増加に起因しているため、高体積抵抗率化にも有効であり、比較的結品内部の欠陥が少ない電磁鋼板等と比べてSiなど飽和磁束密度を低下させる合金元素の添加量も少なくでき、高飽和磁束密度化の観点でも有利となる。なお、体積抵抗率ρは、Si、Mn等の合金元素の添加及び電子の移動の障害となる転位等の格子欠陥の導入等により高めることが可能であるが、Coを除くほとんどの合金元素は鉄の飽和磁束密度を低下させるため、磁束密度B8000や残留磁束密度Brの低下を招く。従って、これら合金元素の添加は、磁束密度が低下し過ぎない範囲に制御する必要がある。
<体積抵抗率ρが30×10−8Ω・m以上>
体積抵抗率ρが30×10−8Ω・m以上とされているのは、ロータ内における高調波成分に起因した渦電流損を抑制し、モータ効率を改善させるためである。前述のように、残留磁束密度Brを0.5T以上とすることで、dq軸相互干渉に伴うd軸磁束の偏りが抑制される。この効果は、高入力電流となる最大トルク域ほど顕著であり、素材鋼板の体積抵抗率ρの大小にかかわらず高トルク域においては、渦電流損に起因したモータ効率の低下はSi含有量の大きな電磁鋼板と比べ大きくなっても、電磁鋼板と同等以上のモータ効率が得られる。しかし、ロータ鉄心の素材鋼板の体積抵抗率ρを30×10−8Ω・m未満とした場合、低速回転かつ低トルク域でのモータ効率は電磁鋼板を素材とした場合と比べ劣ることがある。しかし、ロータ鉄心の素材鋼板の体積抵抗率ρを30×10−8Ω・m以上とすれば、低速回転域から高速回転域かつ低トルクから高トルク域までの広範囲な運転条件下で、電磁鋼板をロータ鉄心の素材鋼板として用いた場合と同等以上の良好なモータ効率を得ることが可能となる。なお、dq軸相互干渉に伴うd軸磁束のずれは高残留磁束密度とすることで小さくなることから、残留磁束密度が小さい電磁鋼板と比べ低い体積抵抗率でも良好な効率が得られるのに加え、高残留磁束密度化は鋼板の結晶構造への欠陥の増加に起因しているため、高体積抵抗率化にも有効であり、比較的結品内部の欠陥が少ない電磁鋼板等と比べてSiなど飽和磁束密度を低下させる合金元素の添加量も少なくでき、高飽和磁束密度化の観点でも有利となる。なお、体積抵抗率ρは、Si、Mn等の合金元素の添加及び電子の移動の障害となる転位等の格子欠陥の導入等により高めることが可能であるが、Coを除くほとんどの合金元素は鉄の飽和磁束密度を低下させるため、磁束密度B8000や残留磁束密度Brの低下を招く。従って、これら合金元素の添加は、磁束密度が低下し過ぎない範囲に制御する必要がある。
本発明の鋼板は、必ずしも機械的強度は必要としないが、高速回転が必要なIPMモータ用途へ適用する場合には、780N/mm2以上の降伏強度を有することが好ましい。降伏強度をこのような範囲とすることで、ロータ鉄心が高速回転時に永久磁石に作用する遠心力に耐えることができ、高速回転域においてもロータが破損することがない。しかも、本発明の鋼板は、弱め界磁制御性に優れているので、高速回転域においてもトルクの低下が抑制されるため、高速回転と高トルクが得られる高性能のモータを提供できる。これにより、自動車・家電をはじめ各種用途への適用が可能となる。また、鋼板に十分な強度を持たせることで、ロータの各永久磁石挿入孔に設けられたブリッジの幅を小さくすることができ、それによりさらに漏れ磁束を少なくできる。ロータ鉄心の強度を高めることでブリッジの幅を小さくしてもロータが破損せず漏れ磁束も低減できるのであれば、ロータの設計自由度が高まる。また漏れ磁束の低減により永久磁石を小型化してもよいので、モータのコストを大幅に低減できる。また永久磁石を小さくせずに出力トルクの向上を図ることも可能となる。高速回転が可能になることによる高トルク化と永久磁石の小型化の両者を勘案してブリッジ幅を設計してもよい。本発明の鋼板の降伏強度の上限は、2000N/mm2である。これは、2000N/mm2を超える降伏強度を呈する材料では、磁界の強さが8000A/mの時の磁束密度B8000の値が1.75T以上得られないためである。なお、本発明における降伏強度は、JIS5号引張試験片を用い、JIS Z2241に準拠した引張試験方法により測定されるものである。
また、本発明の鋼板は、板幅当りの急峻度で定義される平坦度が0.1%以下であることが好ましい。IPMモータのロータは、ロータの形状に打抜いた鋼板を積層して製造されるため、積層した際の占積率が良好であることが望ましい。良好な占積率を得るためには、板幅当たりの急峻度で定義される平坦度は0.1%以下とすることが好ましい。なお、本発明における平坦度は、長さ1m以上の鋼板を定盤の上に乗せたときの幅方向単位長さあたりの最高高さ(板厚を除いた高さ)を百分率で表したものである。
本発明の鋼板は、C:0.0005質量%超〜0.90質量%、Si:0質量%〜3.0質量%、Mn:0質量%〜2.5質量%、P:0.05質量%以下、S:0.02質量%以下、酸可溶Al:0.005質量%〜3.0質量%かつSi+Al:5.0質量%以下からなる成分組成を有し、さらにCu:0.05質量%〜1.5質量%、Ni:0.05質量%〜1.0質量%、As:0.05質量%〜1.0質量%からなる群から選択される1種以上の成分が含まれており、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有することが好ましい。鋼材の成分には、Ti、Nb及びVからなる群から選択される1種以上の成分が合計で0.01質量%〜0.20質量%含まれてもよく、Mo:0.1質量%〜0.6質量%、Cr:0.1質量%〜1.0質量%及びB:0.0005質量%〜0.005質量%からなる群から選択される1種以上の成分が含まれてもよい。
上記のように鋼材の成分組成を限定する理由は以下の通りである。
<C:0.0005質量%超〜0.90質量%>
Cは、鋼中に固溶又はセメンタイト(Fe3C)として析出し、高強度化に有効な元素である。IPMモータのロータ鉄心として用いるのに適した降伏強度とするために、0.0005質量%を超えるCを含有させることが好ましい。しかし、0.90質量%を超えて含有させると、磁束密度が低くなる傾向がある。特に、780N/mm2以上の降伏強度を得るためには、0.05質量%以上のCを含有させる必要がある。
<C:0.0005質量%超〜0.90質量%>
Cは、鋼中に固溶又はセメンタイト(Fe3C)として析出し、高強度化に有効な元素である。IPMモータのロータ鉄心として用いるのに適した降伏強度とするために、0.0005質量%を超えるCを含有させることが好ましい。しかし、0.90質量%を超えて含有させると、磁束密度が低くなる傾向がある。特に、780N/mm2以上の降伏強度を得るためには、0.05質量%以上のCを含有させる必要がある。
<Si:0質量%〜3.0質量%>
Siは、高強度化に有効である上に、体積抵抗率を高めて渦電流損を小さくするのに有効な元素であるが、本発明では添加しなくてもよい。渦電流損の抑制及び高強度化の効果を得ようとするためには、0.01質量%以上含有させることが好ましい。しかし、3.0質量%を超えて含有させると、鋼板の靭性が劣化する場合がある。体積抵抗率を高めると同時に磁束密度の低下を招くため、0.2質量%未満とすることが好ましい。
Siは、高強度化に有効である上に、体積抵抗率を高めて渦電流損を小さくするのに有効な元素であるが、本発明では添加しなくてもよい。渦電流損の抑制及び高強度化の効果を得ようとするためには、0.01質量%以上含有させることが好ましい。しかし、3.0質量%を超えて含有させると、鋼板の靭性が劣化する場合がある。体積抵抗率を高めると同時に磁束密度の低下を招くため、0.2質量%未満とすることが好ましい。
<Mn:0質量%〜2.5質量%>
Mnは、高強度化に有効な元素であるが、本発明では添加しなくてもよい。高強度化の効果を得るためには、0.05質量%以上の含有させることが好ましい。しかし、2.5質量%を超えて含有させると、強度の向上効果は飽和する。磁束密度の低下を招くため、0.05質量%未満とすることが好ましい。
Mnは、高強度化に有効な元素であるが、本発明では添加しなくてもよい。高強度化の効果を得るためには、0.05質量%以上の含有させることが好ましい。しかし、2.5質量%を超えて含有させると、強度の向上効果は飽和する。磁束密度の低下を招くため、0.05質量%未満とすることが好ましい。
<P:0.05質量%以下>
Pは、高強度化に有効な元素であるが、鋼の靭性を著しく低下させる。0.05質量%までは許容できるため、上限を0.05質量%とする。
Pは、高強度化に有効な元素であるが、鋼の靭性を著しく低下させる。0.05質量%までは許容できるため、上限を0.05質量%とする。
<S:0.02質量%以下>
Sは、高温脆化を引き起こす元素であり、大量に含有させると、熱間圧延時に表面欠陥を生じ、表面品質を劣化させる。従って、できるだけ低減することが望まれる0.02質量%までは許容できるため、上限を0.02質量%とする。
Sは、高温脆化を引き起こす元素であり、大量に含有させると、熱間圧延時に表面欠陥を生じ、表面品質を劣化させる。従って、できるだけ低減することが望まれる0.02質量%までは許容できるため、上限を0.02質量%とする。
<酸可溶Al:0.005質量%〜3.0質量%、Si+Al:5.0質量%以下>
Alは脱酸剤として添加されるほか、Siと同様に鋼の体積抵抗率を上昇させるのに有効な元素である。その効果を発揮するためには、0.005質量%以上の酸可溶Alを含有させることが好ましい。しかし、Siとの合計で5.0質量%を越えて含有させると磁束密度の低下が大きくなり、モータの性能が劣化する場合がある。
Alは脱酸剤として添加されるほか、Siと同様に鋼の体積抵抗率を上昇させるのに有効な元素である。その効果を発揮するためには、0.005質量%以上の酸可溶Alを含有させることが好ましい。しかし、Siとの合計で5.0質量%を越えて含有させると磁束密度の低下が大きくなり、モータの性能が劣化する場合がある。
<Cu:0.05質量%〜1.5質量%、Ni:0.05質量%〜1.0質量%及びAs:0.05質量%〜1.0質量%の1種以上>
Cu、Ni及びAsは、鋼の焼入れ性を高め、高強度化に有効な他、体積抵抗率を上昇させるのに有効な元素である。その効果を得るためには、それぞれ設定した下限値以上添加することが好ましい。しかし、それぞれ設定した上限値を超えて添加しても、その効果は飽和するととともに製造コストの増加を招く。
Cu、Ni及びAsは、鋼の焼入れ性を高め、高強度化に有効な他、体積抵抗率を上昇させるのに有効な元素である。その効果を得るためには、それぞれ設定した下限値以上添加することが好ましい。しかし、それぞれ設定した上限値を超えて添加しても、その効果は飽和するととともに製造コストの増加を招く。
<Ti、Nb及びVの1種以上:0.01質量%〜0.20質量%>
Ti、Nb及びVは、鋼中で炭窒化物を形成し、析出強化による高強度化に有効な元素である。その効果を得るためには、1種又は2種以上を合計で、0.01質量%以上添加することが好ましい。しかし、0.20質量%を超えて添加しても、析出物の粗大化により強度上昇は飽和するとともに、製造コストの増大を招く場合がある。
Ti、Nb及びVは、鋼中で炭窒化物を形成し、析出強化による高強度化に有効な元素である。その効果を得るためには、1種又は2種以上を合計で、0.01質量%以上添加することが好ましい。しかし、0.20質量%を超えて添加しても、析出物の粗大化により強度上昇は飽和するとともに、製造コストの増大を招く場合がある。
<Mo:0.1質量%〜0.6質量%、Cr:0.1質量%〜1.0質量%及びB:0.0005質量%〜0.005質量%の1種以上>
Mo、Cr及びBは、鋼の焼入れ性を高め、高強度化に有効な元素である。その効果を得るためには、Mo、Cr及びBの1種以上を、それぞれ設定した下限値以上添加することが好ましい。しかし、それぞれ設定した上限値を超えて添加してもその効果は飽和するととともに製造コストの増加を招く。なお、1種だけの添加でも2種以上の添加でもその効果は認められるが、2種以上を添加する場合は、それぞれ設定した上限値の1/2を超える量を添加すると、その効果に比して製造コストの上昇が大きくなるので、1/2以下の量で添加することが好ましい。
Mo、Cr及びBは、鋼の焼入れ性を高め、高強度化に有効な元素である。その効果を得るためには、Mo、Cr及びBの1種以上を、それぞれ設定した下限値以上添加することが好ましい。しかし、それぞれ設定した上限値を超えて添加してもその効果は飽和するととともに製造コストの増加を招く。なお、1種だけの添加でも2種以上の添加でもその効果は認められるが、2種以上を添加する場合は、それぞれ設定した上限値の1/2を超える量を添加すると、その効果に比して製造コストの上昇が大きくなるので、1/2以下の量で添加することが好ましい。
次に、本発明のIPMモータのロータ鉄心用鋼板の製造方法について説明する。本発明によるIPMモータのロータ鉄心用鋼板の製造方法は、前述の成分組成を有する熱間圧延鋼板を冷間圧延し、連続焼鈍ライン又は連続焼入れラインにて800℃以上に加熱後、450℃以下まで10℃/s以上の冷却速度で冷却し、200〜450℃の温度域に20秒以上保持することを特徴とするものである。
<熱間圧延条件>
熱間圧延の仕上げ温度は、α単相域又はγ単相域で実施することが好ましい。また、仕上げから巻取りまでの冷却速度を10℃/s以上とすることで、Cuの析出を抑制し、固溶Cuによる体積抵抗率の向上効果が得られる。巻取り温度は高温になり過ぎると酸化スケールが厚くなり、その後の酸洗性を阻害するため、700℃以下とすることが好ましい。
熱間圧延の仕上げ温度は、α単相域又はγ単相域で実施することが好ましい。また、仕上げから巻取りまでの冷却速度を10℃/s以上とすることで、Cuの析出を抑制し、固溶Cuによる体積抵抗率の向上効果が得られる。巻取り温度は高温になり過ぎると酸化スケールが厚くなり、その後の酸洗性を阻害するため、700℃以下とすることが好ましい。
<焼鈍加熱温度:800℃以上>
連続熱処理により高強度化を図る場合、加熱温度が800℃未満ではオーステナイト化が不十分で、十分な降伏強度が得られない。従って、800℃以上の温度に加熱することが必要である。
連続熱処理により高強度化を図る場合、加熱温度が800℃未満ではオーステナイト化が不十分で、十分な降伏強度が得られない。従って、800℃以上の温度に加熱することが必要である。
<冷却条件:450℃以下まで平均冷却速度10℃/s以上で冷却、200〜450℃に20秒以上保持>
冷却速度が10℃/s未満の場合あるいは冷却終了温度が450℃より高い場合、硬質相の体積率が小さくなり、十分な降伏強度が得られない。また、冷却後の保持温度が200℃未満又は保持時間が20秒未満では、焼戻しによる靭性の回復が不十分である上、プレステンパー処理又はテンションアニーリング処理の効果も不十分となる。一方、冷却後の保持温度が450℃を超えると軟質化し、十分な降伏強度が得られなくなる。
冷却速度が10℃/s未満の場合あるいは冷却終了温度が450℃より高い場合、硬質相の体積率が小さくなり、十分な降伏強度が得られない。また、冷却後の保持温度が200℃未満又は保持時間が20秒未満では、焼戻しによる靭性の回復が不十分である上、プレステンパー処理又はテンションアニーリング処理の効果も不十分となる。一方、冷却後の保持温度が450℃を超えると軟質化し、十分な降伏強度が得られなくなる。
<プレステンパー処理>
焼入れままの鋼板に、焼戻し温度域でプレステンパー処理を施すことにより、焼戻しによる靭性の回復と同時に焼入れ歪及び残留応力も回復し、鋼板の平坦度を0.1%以下にすることが可能となる。加熱温度が200℃未満では、良好な平坦度が得られず、一方、450℃を超えると、前述の通り軟質化し、十分な降伏強度が得られなくなる。なお、プレステンパーの圧力は、鋼板の形状が平坦に保たれる程度であれば、特別に大きくする必要は無く、例えば板厚が1.0mm以下の薄鋼板の場合、1kg/cm2未満の低い圧力でも十分である。プレステンパー処理は、連続焼入れ装置のインラインで焼入れ処理後の焼戻し加熱保持時に実施しても、一旦焼入れ処理を施した後、オフラインにて200〜450℃まで再加熱して実施しても同様の効果が得られる。この場合、焼戻し処理をプレステンパーに先立って行っても発明の効果は十分に得られるが、焼入れままの鋼板にプレステンパー処理を行うことが好ましい。
焼入れままの鋼板に、焼戻し温度域でプレステンパー処理を施すことにより、焼戻しによる靭性の回復と同時に焼入れ歪及び残留応力も回復し、鋼板の平坦度を0.1%以下にすることが可能となる。加熱温度が200℃未満では、良好な平坦度が得られず、一方、450℃を超えると、前述の通り軟質化し、十分な降伏強度が得られなくなる。なお、プレステンパーの圧力は、鋼板の形状が平坦に保たれる程度であれば、特別に大きくする必要は無く、例えば板厚が1.0mm以下の薄鋼板の場合、1kg/cm2未満の低い圧力でも十分である。プレステンパー処理は、連続焼入れ装置のインラインで焼入れ処理後の焼戻し加熱保持時に実施しても、一旦焼入れ処理を施した後、オフラインにて200〜450℃まで再加熱して実施しても同様の効果が得られる。この場合、焼戻し処理をプレステンパーに先立って行っても発明の効果は十分に得られるが、焼入れままの鋼板にプレステンパー処理を行うことが好ましい。
<テンションアニーリング処理>
前記のプレステンパー処理と同様に、焼入れままの鋼板に、焼戻し温度域でテンションアニーリング処理を施すことにより、焼戻しによる靭性の回復と同時に焼入れ歪及び残留応力も回復し、鋼板の急峻度を0.1%以下にすることが可能となる。加熱温度が200℃未満では、良好な急峻度が得られず、450℃を超えると、前述の通り軟質化し、十分な降伏強度が得られなくなる。また、テンションアニーリングの張力は、鋼板の形状が平坦に保たれる程度であれば、特別に大きくする必要は無く、1N/mm2以上の張力で、十分にその効果が得られる。しかし、200N/mm2を超える張力を付与すると、炉内での板切断が生じる場合があり、上限を200N/mm2にすることが好ましい。テンションアニーリング処理は、連続ラインのインラインでの焼戻し加熱保持時に実施しても、一旦焼入れ処理を施した後、オフラインにて200〜450℃まで再加熱して実施しても同様の効果が得られる。この場合、焼戻し処理をテンションアニーリングに先立って行っても発明の効果は十分に得られるが、焼入れままの鋼板にテンションアニーリング処理を行うことが好ましい。
前記のプレステンパー処理と同様に、焼入れままの鋼板に、焼戻し温度域でテンションアニーリング処理を施すことにより、焼戻しによる靭性の回復と同時に焼入れ歪及び残留応力も回復し、鋼板の急峻度を0.1%以下にすることが可能となる。加熱温度が200℃未満では、良好な急峻度が得られず、450℃を超えると、前述の通り軟質化し、十分な降伏強度が得られなくなる。また、テンションアニーリングの張力は、鋼板の形状が平坦に保たれる程度であれば、特別に大きくする必要は無く、1N/mm2以上の張力で、十分にその効果が得られる。しかし、200N/mm2を超える張力を付与すると、炉内での板切断が生じる場合があり、上限を200N/mm2にすることが好ましい。テンションアニーリング処理は、連続ラインのインラインでの焼戻し加熱保持時に実施しても、一旦焼入れ処理を施した後、オフラインにて200〜450℃まで再加熱して実施しても同様の効果が得られる。この場合、焼戻し処理をテンションアニーリングに先立って行っても発明の効果は十分に得られるが、焼入れままの鋼板にテンションアニーリング処理を行うことが好ましい。
<金属組織>
機械的強度が必要となる場合には、上述した成分組成の調整及び変態後の焼戻しにより得られた鋼板の金属組織は、マルテンサイト単相であるか、ベイナイト単相であるか又はマルテンサイトに加えて10体積%未満のフェライトを有する複合組織であることが好ましい。マルテンサイト相又はベイナイト相のように転位密度が高い金属組織では、焼戻しによる微細な炭化物の析出及び転位の回復に伴う組織変化がプレステンパー処理又はテンションアニーリング処理中に生じ、鋼板の形状を平坦な状態に凍結することが可能となる。これら以外の組織形態では、プレステンパー処理又はテンションアニーリング処理を施しても、形状修正効果は得られにくい。
機械的強度が必要となる場合には、上述した成分組成の調整及び変態後の焼戻しにより得られた鋼板の金属組織は、マルテンサイト単相であるか、ベイナイト単相であるか又はマルテンサイトに加えて10体積%未満のフェライトを有する複合組織であることが好ましい。マルテンサイト相又はベイナイト相のように転位密度が高い金属組織では、焼戻しによる微細な炭化物の析出及び転位の回復に伴う組織変化がプレステンパー処理又はテンションアニーリング処理中に生じ、鋼板の形状を平坦な状態に凍結することが可能となる。これら以外の組織形態では、プレステンパー処理又はテンションアニーリング処理を施しても、形状修正効果は得られにくい。
<絶縁皮膜の形成>
本発明では、ロータに発生する渦電流損の低減を目的として、鋼板の少なくとも片方の表面に、有機材料からなる絶縁皮膜、無機材料からなる絶縁皮膜又は有機・無機複合材料からなる絶縁皮膜を形成することが好ましい。絶縁皮膜の塗布は、インライン処理又はオフライン処理のいずれでも問題ない。無機材料からなる絶縁皮膜の例としては、六価クロムのような有害物質を含まず、リン酸二水素アルミニウムを含有する無機質系水溶液が挙げられるが、良好な絶縁が得られれば、有機材料からなる絶縁皮膜又は有機・無機複合材料からなる絶縁皮膜を用いてもよい。絶縁被膜は、上記で例示した材料を鋼板の表面に塗布することにより形成することができる。また、オフラインにてプレステンパー処理を施す場合は、プレステンパー処理に先立ち、上記で例示した材料を鋼板の表面に塗布することが好ましい。
本発明では、ロータに発生する渦電流損の低減を目的として、鋼板の少なくとも片方の表面に、有機材料からなる絶縁皮膜、無機材料からなる絶縁皮膜又は有機・無機複合材料からなる絶縁皮膜を形成することが好ましい。絶縁皮膜の塗布は、インライン処理又はオフライン処理のいずれでも問題ない。無機材料からなる絶縁皮膜の例としては、六価クロムのような有害物質を含まず、リン酸二水素アルミニウムを含有する無機質系水溶液が挙げられるが、良好な絶縁が得られれば、有機材料からなる絶縁皮膜又は有機・無機複合材料からなる絶縁皮膜を用いてもよい。絶縁被膜は、上記で例示した材料を鋼板の表面に塗布することにより形成することができる。また、オフラインにてプレステンパー処理を施す場合は、プレステンパー処理に先立ち、上記で例示した材料を鋼板の表面に塗布することが好ましい。
<実施例1>
表1に示す成分組成を有する鋼を溶製し、これらの連鋳片を1250℃に加熱し、850℃で仕上げ圧延して560℃で巻取り、板厚1.8mmの熱間圧延鋼板を得た。これらの熱間圧延鋼板を酸洗した後、冷間圧延して板厚0.35mmの冷間圧延鋼板を得た。得られた冷間圧延鋼板を900℃まで加熱し、250℃に設定したPb−Bi合金浴中へ通板して、10℃/sの平均冷却速度で250℃まで冷却し、引き続き400℃に設定した電気炉中に60秒保持しつつ、プレステンパー処理(圧力約1kg/cm2)を施した。No.9、No.15鋼では鋼帯の一部でプレステンパーを施さずに通板した。その後、Cr系酸化物及びMg系酸化物を含有する半有機組成の約1μmの厚さの絶縁皮膜を鋼板の両面に形成した。
表1に示す成分組成を有する鋼を溶製し、これらの連鋳片を1250℃に加熱し、850℃で仕上げ圧延して560℃で巻取り、板厚1.8mmの熱間圧延鋼板を得た。これらの熱間圧延鋼板を酸洗した後、冷間圧延して板厚0.35mmの冷間圧延鋼板を得た。得られた冷間圧延鋼板を900℃まで加熱し、250℃に設定したPb−Bi合金浴中へ通板して、10℃/sの平均冷却速度で250℃まで冷却し、引き続き400℃に設定した電気炉中に60秒保持しつつ、プレステンパー処理(圧力約1kg/cm2)を施した。No.9、No.15鋼では鋼帯の一部でプレステンパーを施さずに通板した。その後、Cr系酸化物及びMg系酸化物を含有する半有機組成の約1μmの厚さの絶縁皮膜を鋼板の両面に形成した。
得られた鋼帯から内径33mm及び外形45mmのリング状の試験片を打抜きにより作製し、8000A/mまで磁化する条件で直流磁化測定に供した。また、得られた鋼帯の板幅当たりの急峻度を測定するとともに、得られた鋼帯からJIS 5号試験片を切り出し、引張試験に供した。金属組織は、圧延方向の板厚断面を2%ナイタール試薬(2%硝酸・エチルアルコール溶液)にてエッチングを施し、走査型電子顕微鏡を用いた観察により、その組織形態から、マルテンサイト、ベイナイト、フェライト及びパーライトの組織に分類した。マルテンサイトの面積率は、倍率1000倍、10視野での画像解析により求めた。各サンプルの降伏強さ、引張強さ、降伏比(YR)、体積抵抗率ρ、磁界の強さが8000A/mの時の磁束密度B8000、その時の残留磁束密度Br及び保磁力Hc、急峻度並びに金属組織を表2に示す。
表2の結果から明らかなように、いずれの鋼もベイナイト組織又はマルテンサイト組織を有していた。C含有量が高いNo.20鋼並びにSi、Al及びMn含有量が高いNo.8鋼では、磁束密度(B8000)が1.75T未満となり、本発明で規定される磁束密度を有する鋼板が得られなかった。また、No.9鋼及びNo.15鋼でプレステンパーを施さなかった部位では、平坦度に劣っていた。
得られた鋼帯のうち、No.1鋼、No.6鋼、No.10鋼、No.12鋼及びNo.18鋼について、8極(4極対)構造のロータを打抜き加工により作製し、負荷トルクを付与したモータ性能評価試験に供した。なお、比較のため市販の電磁鋼板(35A300)を素材としたロータも同時に作製し、同様の評価に供した。また、ステータは1ヶのみ製造し、製造したロータを組替えてモータとしての性能評価に供した。この性能評価では、10000rpm以上で、弱め界磁制御を行った。なお、市販の電磁鋼板(35A300、板厚:0.35mm)について、本発明の素材鋼板と同様の方法による機械的特性及び磁気的特性を評価したところ、降伏強さが381N/mm2、引張強さが511N/mm2、体積抵抗率ρが50×10-8Ω・m、飽和磁束密度B8000が1.76T、残留磁束密度Brが0.42T、保磁力Hcが61A/mであった。
作製したロータ及びステータの仕様は以下の通りである。
<ロータの仕様>
・外径:80.1mm、軸長50mm
・積層枚数:0.35mm/140枚
・センターブリッジ、アウターブリッジの幅:1.00mm
・永久磁石:ネオジム磁石(NEOMAX−38VH)、9.0mm幅×3.0mm厚×50mm長さ、合計16ヶ埋め込み
<ステータの仕様>
・ギャップ長:0.5mm
・外径:138.0mm、ヨーク厚:10mm、長さ:50mm
・鉄心素材:電磁鋼板(35A300)、板厚0.35mm
・積層枚数:140枚
・巻線方式:分布巻き
<ロータの仕様>
・外径:80.1mm、軸長50mm
・積層枚数:0.35mm/140枚
・センターブリッジ、アウターブリッジの幅:1.00mm
・永久磁石:ネオジム磁石(NEOMAX−38VH)、9.0mm幅×3.0mm厚×50mm長さ、合計16ヶ埋め込み
<ステータの仕様>
・ギャップ長:0.5mm
・外径:138.0mm、ヨーク厚:10mm、長さ:50mm
・鉄心素材:電磁鋼板(35A300)、板厚0.35mm
・積層枚数:140枚
・巻線方式:分布巻き
キャリア周波数:1000Hz、最大電圧:220V、最大電流:24Aの入力条件において、それぞれのロータを組み込んだIPMモータの5000rpm、電流進角(β):0°における最大トルク及び効率、並びに最大トルクが得られるように弱め界磁制御を施した15000rpmにおける最大トルク及び効率を表3に示す。
表3の結果から明らかなように、残留磁束密度Brが0.5T未満及び保磁力Hcが100A/m未満の鋼板(電磁鋼板)をロータ鉄心の素材としたロータを組込んだモータでは、5000rpm、β:0°における最大トルクが低く、効率も劣っている。また、弱め界磁制御を施した15000rpmにおける最大トルクが2.0N・m未満の低い値を示し、効率も低い値を示した。また、本発明の成分組成を有さないNo.12鋼をロータとしたモータでは、5000rpm、15000rpmともに最大トルク、効率は本発明例より低い値であった。これに対して、本発明で規定される体積抵抗率ρ、磁束密度B8000、残留磁束密度Br及び保磁力Hcを有する鋼板をロータ鉄心としたモータでは、5000rpm、β:0°における最大トルクが高い値を示し、効率も高くなっている。また、弱め界磁制御を施した15000rpmにおける最大トルクも2.0N・m以上の高い値を示し、効率も高いを示した。なお、dq軸相互干渉によるd軸磁束のずれによる偏りが小さいことに起因して、本発明材における15000rpmで最大トルクとなる電流進角βの値は、比較材よりも低い値であった。
Claims (8)
- C:0.0005質量%超〜0.90質量%、Si:0質量%〜3.0質量%、Mn:0質量%〜2.5質量%、P:0.05質量%以下、S:0.02質量%以下、酸可溶Al:0.005質量%〜3.0質量%かつSi+Al:5.0質量%以下からなる成分組成を有し、さらにCu:0.05質量%〜1.5質量%、Ni:0.05質量%〜1.0質量%、As:0.05質量%〜1.0質量%からなる群から選択される1種以上の成分が含まれており、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有することを特徴とする体積抵抗率ρが30×10−8Ω・m以上、磁界の強さが8000A/mの時の磁束密度B8000の値が1.75T以上でありかつその時の残留磁束密度Brが0.5T以上であるIPMモータのロータ鉄心用鋼板。
- 保磁力Hcが100A/m以上であることを特徴とする請求項1に記載のIPMモータのロータ鉄心用鋼板。
- Ti、Nb及びVからなる群から選択される1種以上の成分を合計して0.01質量%〜0.20質量%さらに含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のIPMモータのロータ鉄心用鋼板。
- Mo:0.1質量%〜0.6質量%、Cr:0.1質量%〜1.0質量%及びB:0.0005質量%〜0.005質量%からなる群から選択される1種以上の成分をさらに含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のIPMモータのロータ鉄心用鋼板。
- C:0.05質量%〜0.90質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のIPMモータのロータ鉄心用鋼板。
- C:0.0005質量%超〜0.90質量%、Si:0質量%〜3.0質量%、Mn:0質量%〜2.5質量%、P:0.05質量%以下、S:0.02質量%以下、酸可溶Al:0.005質量%〜3.0質量%かつSi+Al:5.0質量%以下からなる成分組成を有し、さらにCu:0.05質量%〜1.5質量%、Ni:0.05質量%〜1.0質量%、As:0.05質量%〜1.0質量%からなる群から選択される1種以上の成分が含まれており、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有する熱間圧延鋼板を冷間圧延し、連続焼鈍ライン又は連続焼入れラインにて800℃以上に加熱後、450℃以下まで10℃/s以上の冷却速度で冷却し、200〜450℃の温度域に20秒以上保持することにより、前記IPMモータのロータ鉄心用鋼板の金属組織がマルテンサイト単相、ベイナイト単相又はマルテンサイトに加えて10%未満のフェライトを有する複合組織であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のIPMモータのロータ鉄心用鋼板の製造方法。
- インライン又はオフラインにて、前記200〜450℃の温度域に保持した状態でプレステンパー処理又はテンションアニーリング処理を施すことにより、板幅当りの急峻度で定義される平坦度を0.1%以下にすることを特徴とする請求項6に記載のIPMモータのロータ鉄心用鋼板の製造方法。
- インライン又はオフラインにて、前記IPMモータのロータ鉄心用鋼板の少なくとも片方の表面に、有機材料からなる絶縁皮膜、無機材料からなる絶縁皮膜又は有機・無機複合材料からなる絶縁皮膜を形成することを特徴とする請求項6又は7に記載のIPMモータのロータ鉄心用鋼板の製造方法。
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WO2023074160A1 (ja) * | 2021-10-27 | 2023-05-04 | 株式会社神戸製鋼所 | 半硬質磁性鋼部品 |
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WO2023074160A1 (ja) * | 2021-10-27 | 2023-05-04 | 株式会社神戸製鋼所 | 半硬質磁性鋼部品 |
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