JP2016193820A - 微細炭素分散液とその製造方法、及びそれを用いた電極ペースト並びにリチウムイオン電池用電極 - Google Patents

微細炭素分散液とその製造方法、及びそれを用いた電極ペースト並びにリチウムイオン電池用電極 Download PDF

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Tsunao Matsuura
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Abstract

【課題】微細炭素繊維が分散媒に高濃度かつ均一に分散した微細炭素繊維分散液を提供する。
【解決手段】平均直径が5〜20nmかつDBP吸油量が250〜360ml/100gである微細炭素繊維と、分散媒と、分散剤からなり、前記微細炭素繊維を0.1〜20wt%含み、かつ回転粘度が50〜500mPa・sであり、前記分散剤はポリビニルピロリドンであることとした。
【選択図】なし

Description

本発明は、微細炭素繊維分散液及びその製造方法に関する。さらに微細炭素繊維分散液を用いた電極ペースト及び微細炭素被覆活物質に関する。
カーボンブラック類、ケッチェンブラック(登録商標)、フラーレン、グラフェン、カーボンナノチューブ等の微細炭素材料は、その電気的特性、熱伝導性から、エレクトロニクス、エネルギー分野等の幅広い分野へ利用されている。特に微細炭素繊維の一種であるカーボンナノチューブ類は、直径1μm以下の太さのチューブ状のカーボンであり、その特異な構造に基づく高い導電性、引張り強度、耐熱性などから各種用途へのさらなる利用拡大が期待されている。ナノチューブ類の中でも直径10nm〜数十nmの多層カーボンナノチューブ(以下、MWNT)などの微細炭素繊維は比較的安価であり、リチウムイオン電池用の導電助剤や帯電防止コーティング等、様々な分野での実用化が期待されている。
前記微細炭素繊維の特性を有効に活用するためには、微細炭素繊維が凝集する事なく、均一に分散していることが好ましい。しかしながら、一般的なMWNTは、互いの凝集力(ファンデルワールス力)によって束状及び縄状のバンドルと呼ばれる凝集体や、成長過程にチューブ同士が絡まった凝集体として得られる為、これら凝集したナノチューブを解し、分散媒に均一に分散させることは非常に困難である。
これまでに、微細炭素繊維の分散媒に対する分散性を改善する為、様々な試みがなされている。カーボンナノチューブ類の分散について例を挙げると、まず、超音波をかけながらカーボンナノチューブをアセトン中に分散させる方法(特許文献1)が提案されている。しかし、超音波を照射している間は分散できても照射が終了するとカーボンナノチューブの凝集が始まり、カーボンナノチューブの濃度が高くなると凝集してしまう。
また、様々な分散剤を用いてカーボンナノチューブを分散安定化する方法が提案されている。例えば、陰イオン性界面活性剤であるドデシルスルホン酸ナトリウムやドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液中で超音波処理する事により、カーボンナノチューブ表面の疎水性と界面活性剤の疎水部を吸着させ、外側に親水部を形成して水溶液中に分散することも報告されている(非特許文献1、2)。また、非イオン系界面活性剤であるTriton(登録商標)−X−100を用いて水中やN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMP)中で超音波処理することが提案されている(非特許文献3、特許文献2)。また、界面活性剤の替わりに水溶性高分子ポリビニルピロリドン(以下、PVP)等のポリマー系分散剤を用いた水及びNMPへの分散が提案されている(非特許文献4、特許文献3)。しかしながら、一般的なMWNTを溶液に高濃度に分散させようとした場合、高粘度のチキソ性流体となり易く、高濃度の分散液を得ることは難しい。したがって、微細炭素繊維が分散媒に高濃度かつ均一に分散した微細炭素繊維分散液を得る事は、用途拡大に向けた重要な課題であった。
特開2000−86219号公報 特開2005−75661号公報 特開2005−162877号公報
Science vol.297 593−596(2002) Nano.Lett. vol.3 269−273(2003) Carbon Vol.41 797−809(2003) CHEMICAL PHYSICS LETTERS vol.1 3 264−271(2001)
本発明の目的は、微細炭素繊維が分散媒に高濃度かつ均一に分散した微細炭素繊維分散液の提供を可能にし、さらに前記微細炭素繊維分散液より得られる電極ペースト及び微細炭素被覆活物質を得ることが可能な新しい技術を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、平均直径が5〜20nmかつDBP吸油量が250〜360ml/100gである微細炭素繊維と、分散媒と、分散剤からなり、前記微細炭素繊維を0.1〜20wt%含み、かつ回転粘度が50〜500mPa・sであり、前記分散剤はポリビニルピロリドンを用いることで、分散媒に高濃度かつ均一に分散した微細炭素繊維分散液が得られる事を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の事項に関する。
1.平均直径が5〜20nmかつDBP吸油量が250〜360ml/100gである微細炭素繊維と、分散媒と、分散剤からなり、前記微細炭素繊維を0.1〜20wt%含み、かつ回転粘度が50〜500mPa・sであり、前記分散剤はポリビニルピロリドンであることを特徴とする微細炭素分散液。
2.分散された前記微細炭素繊維のメジアン径が0.1μm〜3μmであることを特徴とする上記1に記載の微細炭素繊維分散液。
3.前記微細炭素繊維が、炭素原子のみから構成されるグラファイト網面が、閉じた頭頂部と下部が開いた胴部とを有する釣鐘状構造単位を形成し、前記胴部の母線と繊維軸とのなす角θが15°より小さく、前記釣鐘状構造単位が、中心軸を共有して2〜30個積み重なって集合体を形成し、前記集合体が、Head−to−Tail様式で間隔をもって連結して繊維を形成している微細炭素繊維であることを特徴とする上記1または2に記載の微細炭素繊維分散液。
4.マグネシウムが置換固溶したコバルトのスピネル型酸化物を含む触媒上に、CO及びH2を含む混合ガスを供給して反応させて製造された平均直径が5〜20nmかつDBP吸油量が250〜360ml/100gである微細炭素繊維と、分散媒と、分散剤とを混合し、超音波処理及び/又は撹拌・粉砕処理を行なうことで得られる微細炭素繊維分散液の製造方法であって、前記微細炭素繊維を0.1〜20wt%含み、かつ回転粘度が50〜500mPa・sであり、前記分散剤はポリビニルピロリドンであることを特徴とする微細炭素繊維分散液の製造方法。
5.上記1〜3のいずれかに記載の前記微細炭素繊維分散液と、活物質及びバインダーを含むことを特徴とする電極ペースト。
6.上記5に記載の前記電極ペーストを用いて作成されること
を特徴とするリチウムイオン電池用電極。
本発明によって、分散媒への分散が困難であった微細炭素繊維を、高濃度かつ均一に分散した微細炭素繊維分散液を得ることが可能となった。本発明の微細炭素繊維分散液は、高濃度かつ均一に微細炭素繊維が分散している為、高濃度添加が求められる分野や均一な分散性が求められる分野に好適に利用できる。また、分散液の高濃度化によって微細炭素繊維の固形分を多くする事が出来る為、分散媒のコストや分散液の輸送コストを低減することができる。さらに、本発明の微細炭素繊維分散液を導電助剤として用いることで、微細炭素繊維が均一に分散した電池用電極ペースト及び微細炭素によって均一に被覆された活物質を得ることできる。本発明で得られる電極ペーストや微細炭素被覆活物質は、導電性良好な微細炭素繊維が均一に分散・被覆しており、各種電池の電極等に好適に用いることができる。
(a)微細炭素繊維を構成する最小構造単位(釣鐘状構造単位)を模式的に示す図である。(b)釣鐘状構造単位が、2〜30個積み重なった集合体を模式的に示す図である。 (a)集合体が間隔を隔てて連結し、繊維を構成する様子を模式的に示す図である。(b)集合体が間隔を隔てて連結する際に、屈曲して連結した様子を模式的に示す図である。 本願の微細炭素繊維分散液を用いて得られた電極の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の微細炭素繊維分散液は、平均直径が5〜20nm以下かつDBP吸油量が250〜360ml/100g以下である微細炭素繊維と、分散媒と、分散剤からなる。
本発明に用いる微細炭素繊維は、マグネシウムが置換固溶したコバルトのスピネル型酸化物を含む触媒上に、CO及びH2を含む混合ガスを供給して反応させることによって製造された微細炭素繊維である事が好ましい。
また、本発明に用いる微細炭素繊維は、炭素原子のみから構成されるグラファイト網面が、閉じた頭頂部と下部が開いた胴部とを有する釣鐘状構造単位を形成し、前記胴部の母線と繊維軸とのなす角θが15°より小さく、前記釣鐘状構造単位が、中心軸を共有して2〜30個積み重なって集合体を形成し、前記集合体が、Head−to−Tail様式で間隔をもって連結して繊維を形成している事が好ましい。
以上のような微細炭素繊維を用いる事で、分散媒に高濃度に分散した際も比較的粘度が低く、かつ均一に分散した微細炭素繊維分散液を得ることが可能となる。高濃度に分散した際に比較的粘度が低く、かつ均一に分散できる理由は定かではないが、下記の3点が影響しているものと推測される。第一に、本発明で用いられる微細炭素繊維は、DBP吸油量が低い為に分散媒への分散時に微細炭素繊維に取り込まれる分散媒量が少なく、結果として高濃度でも粘度の上昇が小さいことが挙げられる。なお、平均直径が20nm以上の場合、微細炭素繊維が太く、分散液中の微細炭素繊維の本数が少なくなる為、結果として分散液の粘度は低く抑える事が出来るが、平均直径20nm以下の微細炭素繊維を用いた場合のような高い導電性との両立を図ることは難しい。第二に、本発明に用いられる微細炭素繊維は、CO及びH2を含む混合ガスを供給して反応させることによって製造することで、エチレンガスやメタン等の炭化水素を炭素源として用いて製造される従来のMWNT等の微細炭素繊維と比較して、微細炭素繊維の成長が緩やかである為に微細炭素繊維同士の絡まりが弱く、均一に分散しやすいことが挙げられる。第三に、本発明で用いられる微細炭素繊維は、前記釣鐘状構造単位がHead−to−Tail様式で間隔をもって連結している為に、分散処理を施した際に適度に連結部分が外れることによって分散性が高く、かつ高濃度分散時の粘度上昇が小さいことが挙げられる。
以下、本発明で用いられる微細炭素繊維について、詳細に説明する。本発明に用いられる微細炭素繊維およびその製造方法は、再公表特許WO2009/110570に記載のものと同様である。
本発明に用いられる微細炭素繊維は、図1(a)に示すような釣鐘状構造を最小構造単位として有する。釣鐘(temple bell)は、日本の寺院で見られ、比較的円筒形に近い胴部を有しており、円錐形に近いクリスマスベルとは形状が異なる。図1(a)に示すように、構造単位11は、釣鐘のように、頭頂部12と、開放端を備える胴部13とを有し、概ね中心軸の周囲に回転させた回転体形状となっている。構造単位11は、炭素原子のみからなるグラファイト網面により形成され、胴部開放端の円周状部分はグラファイト網面の開放端となる。なお、図1(a)において、中心軸および胴部13は、便宜上直線で示されているが、必ずしも直線でなくともよい。
胴部13は、開放端側に緩やかに広がっており、その結果、胴部13の母線は釣鐘状構造単位の中心軸に対してわずかに傾斜し、両者のなす角θは、15°より小さく、より好ましくは1°<θ<15°、更に好ましくは2°<θ<10°である。θが大きくなりすぎると、該構造単位から構成される微細繊維が魚骨状炭素繊維様の構造を呈してしまい、繊維軸方向の導電性が損なわれてしまう。一方θが小さいと、円筒チューブ状に近い構造となり、構造単位の胴部を構成するグラファイト網面の開放端が繊維外周面に露出する頻度が低くなるため、隣接繊維間の導電性が悪化する。
本発明に用いられる微細炭素繊維には、欠陥、不規則な乱れが存在するが、このような不規則性を排除して、全体としての形状を捉えると、胴部13が開放端側に緩やかに広がった釣鐘状構造を有していると言える。この微細炭素繊維は、すべての部分においてθが上記範囲を示すことを意味しているのではなく、欠陥部分や不規則な部分を排除しつつ、構造単位11を全体的に捉えたときに、総合的にθが上記範囲を満たしていることを意味している。そこで、θの測定では、胴部の太さが不規則に変化していることもある頭頂部12付近を除くことが好ましい。より具体的には、例えば、図1(b)に示すように釣鐘状構造単位集合体21の長さをLとすると、頭頂側から(1/4)L、(1/2)Lおよび(3/4)Lの3点においてθを測定してその平均を求め、その値を、構造単位11についての全体的なθとしてもよい。また、Lについては、直線で測定することが理想であるが、実際は胴部13が曲線であることも多いため、胴部13の曲線に沿って測定した方が実際の値に近い場合もある。
頭頂部の形状は、胴部と滑らかに連続し、上側(図において)に凸の曲面となっている。頭頂部の長さは、典型的には、釣鐘状構造単位集合体について説明するD(図1(b))以下程度であり、d(図1(b))以下程度であるときもある。
さらに、後述するように活性な窒素を原料として使用しないため、窒素等の他の原子は、釣鐘状構造単位のグラファイト網面中に含まれない。このため繊維の結晶性が良好である。
本発明に用いられる微細炭素繊維は、図1(b)に示すように、このような釣鐘状構造単位が中心軸を共有して2〜30個積み重なって釣鐘状構造単位集合体21(以下、単に集合体という場合がある。)を形成している。積層数は、好ましくは2〜25個であり、より好ましくは2〜15個である。
集合体21の胴部の外径Dは、5〜40nm、好ましくは5〜30nm、更に好ましくは5〜20nmである。Dが大きくなると形成される微細繊維の径が太くなるため、例えばポリマーとのコンポジットにおいて導電性能等の機能を付与するためには、多くの添加量が必要となってしまう。一方、Dが小さくなると形成される微細繊維の径が細くなって繊維同士の凝集が強くなり、例えばポリマーとのコンポジット調製において、分散させることが困難になる。胴部外径Dの測定は、集合体の頭頂側から、(1/4)L、(1/2)Lおよび(3/4)Lの3点で測定して平均することが好ましい。なお、図1(b)に胴部外径Dを便宜上示しているが、実際のDの値は、上記3点の平均値が好ましい。
また、集合体胴部の内径dは、3〜30nm、好ましくは3〜20nm、更に好ましくは3〜10nmである。胴部内径dの測定についても、釣鐘状構造単位集合体の頭頂側から、(1/4)L、(1/2)Lおよび(3/4)Lの3点で測定して平均することが好ましい。なお、図1(b)に胴部内径dを便宜上示しているが、実際のdの値は、上記3点の平均値が好ましい。
集合体21の長さLと胴部外径Dから算出されるアスペクト比(L/D)は、2〜150、好ましくは2〜30、より好ましくは2〜20、更に好ましくは2〜10である。アスペクト比が大きいと、形成される繊維の構造が円筒チューブ状に近づき、1本の繊維における繊維軸方向の導電性は向上するが、構造単位胴部を構成するグラファイト網面の開放端が繊維外周面に露出する頻度が低くなるため、隣接繊維間の導電性が悪化する。一方、アスペクト比が小さいと構造単位胴部を構成するグラファイト網面の開放端が繊維外周面に露出する頻度が高くなるため、隣接繊維間の導電性は向上するが、繊維外周面が、繊維軸方向に短いグラファイト網面が多数連結して構成されるため、1本の繊維における繊維軸方向の導電性が損なわれる。
本発明に用いられる微細炭素繊維における、釣鐘状構造単位および釣鐘状構造単位集合体については、本質的に同じ構成を有しているが、以下ように繊維長が異なる。
本発明に用いられる微細炭素繊維は、図2(a)に示すように、前記集合体がさらにHead−to−Tailの様式で連結することにより形成される。Head−to−Tailの様式とは、微細炭素繊維の構成において、隣り合った前記集合体どうしの接合部位が、一方の集合体の頭頂部(Head)と他方の集合体の下端部(Tail)の組合せで形成されていることを意味する。具体的な接合部分の形態は、第一の集合体21aの下端開口部において、最内層の釣鐘状構造単位の更に内側に、第二の集合体21bの最外層の釣鐘状構造単位の頭頂部が挿入され、さらに、第二の集合体21bの下端開口部に、第三の集合体21cの頭頂部が挿入され、これがさらに連続することによって繊維が構成される。
本発明に用いられる微細炭素繊維の1本の微細繊維を形成する各々の接合部分は、構造的な規則性を有しておらず、例えば第一の集合体と第二の集合体の接合部分の繊維軸方向の長さは、第二の集合体と第三の集合体の接合部分の長さと必ずしも同じではない。また、図2(a)のように、接合される二つの集合体が中心軸を共有して直線状に連結することもあるが、図2(b)の釣鐘状構造単位集合体21bと21cのように、中心軸が共有されずに接合して、結果として接合部分において屈曲構造を生じることもある。前記釣鐘状構造単位集合体の長さLは繊維ごとにおおむね一定である。しかしながら、気相成長法では、原料及び副生のガス成分と触媒及び生成物の固体成分が混在するため、発熱的な炭素析出反応の実施においては、前記気体及び固体からなる不均一な反応混合物の流動状態によって一時的に温度の高い局所が形成されるなど、反応器内に温度分布が生じ、その結果、長さLにある程度のばらつきが生じることもある。
このようにして構成される微細炭素繊維は、前記釣鐘状構造単位下端のグラファイト網面の開放端の少なくとも一部が、前記集合体の連結間隔に応じて、繊維外周面に露出する。この結果、1本の繊維における繊維軸方向の導電性を損なうことなく、前記π電子の飛び出しによるジャンピング効果(トンネル効果)によって隣接する繊維間の導電性を向上させることができる。以上のような微細炭素繊維の構造は、TEM画像によって観察できる。また、本発明の微細炭素繊維の効果は、集合体自体の曲がり、集合体の連結部分における屈曲が存在しても、ほとんど影響がないと考えられる。従って、TEM画像の中で、比較的直線に近い形状を有する集合体を観察して、構造に関する各パラメータを求め、その繊維についての構造パラメータ(θ、D、d、L)としてよい。
本発明に用いられる微細炭素繊維の学振法によるXRDにおいて、測定される002面のピーク半価幅W(単位:degree)は、2〜4の範囲である。Wが4を超えると、グラファイト結晶性が低く導電性も低い。一方、Wが2未満ではグラファイト結晶性は良いが、同時に繊維径が太くなり、ポリマーに導電性等の機能を付与するためには多くの添加量が必要となってしまう。
本発明に用いられる微細炭素繊維の学振法によるXRD測定によって求められるグラファイト面間隔d002は、0.350nm以下、好ましくは0.341〜0.348nmである。d002が0.350nmを超えるとグラファイト結晶性が低くなり、導電性が低下する。一方、0.341nm未満の繊維は、製造の際に収率が低い。
本発明に用いられる微細炭素繊維に含有される灰分は、4質量%以下であり、通常の用途では、精製を必要としない。通常、0.3質量%以上4質量%以下であり、より好ましくは0.3質量%以上3質量%以下である。尚、灰分は、繊維を0.1グラム以上燃焼して残った酸化物の重量から決定される。
次に、本発明に用いられる微細炭素繊維の製造方法について説明する。
コバルトのスピネル型結晶構造を有する酸化物に、マグネシウムが固溶置換した触媒を用いて、CO及びH2を含む混合ガスを触媒粒子に供給して気相成長法により、微細炭素繊維を製造する。
Mgが置換固溶したコバルトのスピネル型結晶構造は、MgxCo3−xOyで表される。ここで、xは、MgによるCoの置換を示す数であり、形式的には0<x<3である。また、yはこの式全体が電荷的に中性になるように選ばれる数で、形式的には4以下の数を表す。即ち、コバルトのスピネル型酸化物Co3O4では、2価と3価のCoイオンが存在しており、ここで、2価および3価のコバルトイオンをそれぞれCoIIおよびCoIIIで表すと、スピネル型結晶構造を有するコバルト酸化物はCoIICoIII2O4で表される。Mgは、CoIIとCoIIIのサイトの両方を置換して固溶する。MgがCoIIIを置換固溶すると、電荷的中性を保つためにyの値は4より小さくなる。但し、x、y共に、スピネル型結晶構造を維持できる範囲の値をとる。
触媒として使用できる好ましい範囲として、Mgの固溶範囲は、xの値が0.5〜1.5であり、より好ましくは0.7〜1.5である。xの値が0.5未満の固溶量では、触媒の活性は低く、生成する微細炭素繊維の量は少ない。xの値が1.5を超える範囲では、スピネル型結晶構造を調製することが困難である。
触媒のスピネル型酸化物結晶構造は、XRD測定により確認することが可能であり、結晶格子定数a(立方晶系)は、0.811〜0.818nmの範囲であり、より好ましくは0.812〜0.818nmである。aが小さいとMgの固溶置換が充分でなく、触媒活性が低い。また、0.818nmを超える格子定数を有する前記スピネル型酸化物結晶は調製困難である。
このような触媒が好適である理由として、コバルトのスピネル構造酸化物にマグネシウムが置換固溶した結果、あたかもマグネシウムのマトリックス中にコバルトが分散配置された結晶構造が形成されることにより、反応条件下においてコバルトの凝集が抑制されていると推定される。
また、触媒の粒子サイズは、適宜選ぶことができるが、例えばメジアン径として、0.1〜100μm、好ましくは、0.1〜10μmである。
触媒粒子は、一般に基板または触媒床等の適当な支持体に、散布するなどの方法により載せて使用する。基板または触媒床への触媒粒子の散布は、触媒粒子を直接散布して良いが、エタノール等の分散媒に懸濁させて散布し、乾燥させることにより所望の量を散布しても良い。
触媒粒子は、原料ガスと反応させる前に、活性化させることも好ましい。活性化は通常、H2またはCOを含むガス雰囲気下で加熱することにより行われる。これらの活性化操作は、必要に応じて、HeやN2などの不活性ガスで希釈することにより実施することができる。活性化を実施する温度は、好ましくは400〜600℃、より好ましくは450〜550℃である。
気相成長法の反応装置に特に制限はなく、固定床反応装置や流動床反応装置といった反応装置により実施することができる。
気相成長の炭素源となる原料ガスは、CO及びH2を含む混合ガスが利用される。
H2ガスの添加濃度{H2/(H2+CO)}は、好ましくは0.1〜30vol%、より好ましくは2〜20vol%である。添加濃度が低すぎると円筒状のグラファイト質網面が繊維軸に平行したカーボンナノチューブ様の構造を形成してしまう。一方、30vol%を超えると釣鐘状構造体の炭素側周面の繊維軸に対する傾斜角が大きくなり、魚骨形状を呈するため繊維方向の導電性の低下を招く。
また、原料ガスは不活性ガスを含有していてもよい。不活性ガスとしては、CO2、N2、He、Ar等が挙げられる。不活性ガスの含有量は、反応速度を著しく低下させない程度が好ましく、例えば80vol%以下、好ましくは50vol%以下の量である。また、H2およびCOを含有する合成ガスまたは転炉排出ガス等の廃棄ガスを、必要により適宜処理して使用することもできる。
気相成長を実施する反応温度は、好ましくは400〜650℃、より好ましくは500〜600℃である。反応温度が低すぎると繊維の成長が進行しない。一方、反応温度が高すぎると収量が低下してしまう。反応時間は、特に限定されないが、例えば2時間以上であり、また12時間程度以下である。
気相成長を実施する反応圧力は、反応装置や操作の簡便化の観点から常圧で行うことが好ましいが、Boudouard平衡の炭素析出が進行する範囲であれば、加圧または減圧の条件で実施しても差し支えない。
本発明に用いられる微細炭素繊維の製造方法によれば、触媒単位重量あたりの微細炭素繊維の生成量は、従来の製造方法、例えば非特許文献(Carbon 2003(41)2949−2959(Gadelle P.ら))記載の方法に比べて格段に大きいことが示された。この微細炭素繊維の製造方法による微細炭素繊維の生成量は、触媒単位重量あたり40倍以上であり、例えば40〜200倍である。その結果、前述のような不純物、灰分の少ない微細炭素繊維の製造が可能である。
本発明に用いられる微細炭素繊維の製造方法により製造される微細炭素繊維に特有な接合部の形成過程は明らかではないが、発熱的なBoudouard平衡と原料ガスの流通による除熱とのバランスから、前記触媒から形成されたコバルト微粒子近傍の温度が上下に振幅するため、炭素析出が断続的に進行することにより形成されるものと考えられる。即ち、[1]釣鐘状構造体頭頂部形成、[2]釣鐘状構造体の胴部成長、[3]前記[1]、[2]過程の発熱による温度上昇のため成長停止、[4]流通ガスによる冷却、の4過程が触媒微粒子上で繰り返されることにより、微細炭素繊維構造特有の接合部が形成されると推定される。
本発明における分散媒は、微細炭素繊維が分散可能な範囲で特に限定されないが、水、及びまたは、水溶性有機溶媒のいずれか一種、若しくは二種以上からなる混合溶媒であることが好ましい。
水溶性有機溶媒としては、アルコール系(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ベンジルアルコールなど)、多価アルコール系(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコールなど)、多価アルコールエーテル系(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルなど)、アミン系(エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミンなど)、アミド系(N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N−エチル−2−ピロリドン(NEP)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルカプロラクタムなど)、複素環系(シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトンなど)、スルホキシド系(ジメチルスルホキシドなど)、スルホン系(ヘキサメチルホスホロトリアミド、スルホランなど)、低級ケトン系(アセトン、メチルエチルケトンなど)、その他、テトラヒドロフラン、尿素、アセトニトリルなどを使用することができる。この中でも電池用電極ペーストへの応用の観点から水及びまたはアミド系有機溶媒であることがより好ましく、アミド系溶媒の中でもN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
本発明における分散剤は、微細炭素繊維を分散安定化できる範囲で特に限定されず、アニオン性界面活性剤、カチオン性分散剤、両性分散剤、非イオン性分散剤などの公知の分散剤を使用できる。
アニオン性分散剤の例としては、芳香族スルホン酸系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルフェニルエーテルスルホン酸塩等)、モノソープ系アニオン性界面活性剤、エーテルサルフェート系界面活性剤、フォスフェート系界面活性剤、カルボン酸系界面活性剤などが挙げられる。また、コール酸、オレイン酸などや、アニオン性官能基を有する糖類であるカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩及びアンモニウム塩、アルギン酸、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸なども好適に使用できる。シクロデキストリンなどはアニオン性官能基で修飾することによって使用することが可能である。エステル基を有するポリマー、オリゴマーのエステル部分を加水分解してアニオン性官能基に変換して使用することも可能である。
カチオン性分散剤の例としては、第4級アルキルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルアミン塩等のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド等のカチオン性基を有する化合物が挙げられる。
両性分散剤の例としては、アルキルベタイン系界面活性剤(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、プロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、スルホベタイン系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤などが挙げられる。
非イオン性分散剤としては、エーテル系(ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等)およびエステル系(ポリオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレンジステアレート、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等)、ソルビトールおよびグリセリン等の多価アルコール脂肪酸のアルキルエーテルおよびアルキルエステル、アミノアルコール脂肪酸アミド等の界面活性剤が挙げられる。また、セルロース誘導体(セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースブチレート、シアノエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドンなどのポリマー系分散剤も挙げられる。
電池用電極ペーストへの応用の観点からは、イオン成分は電池特性に影響を及ぼす懸念があるため、非イオン性分散剤である事が特に好ましい。また、高濃度で分散安定性の高い均一な分散液を得る場合、ポリマー系分散剤が特に好ましい。ポリマー系分散剤の分子量は、微細炭素繊維を分散安定化できる範囲で特に限定されず、分散剤の種類によっても異なるが、通常重量平均分子量が5000〜100000程度であれば好適に分散できる。高濃度で粘度の低い分散液を得る場合は、重量平均分子量が8000〜50000であることが特に好ましい。
本発明において、微細炭素繊維と分散媒と分散剤を分散混合する方法は、特に限定されない。例えば、分散媒に分散剤を溶解した分散剤溶液に、微細炭素繊維を投入し、超音波処理や、攪拌方法といった分散処理を行うことによって分散混合することができる。また、微細炭素繊維と分散剤を混合後、分散媒を加えて希釈し、分散処理をすることもできる。超音波処理としてはバス型やプローブ型のソニケータを用いることができる。攪拌方法としては、ホモミキサー、ホモジナイザーのような高速攪拌やアトライター、ビーズミル、サンドミル、遊星ミル等のメディア型湿式分散装置や、ジェットミル等の攪拌方法を使用することができる。微細炭素繊維を1重量%以下の低濃度に分散させる場合は、特に超音波処理が好適である。超音波処理の処理時間は、微細炭素繊維の添加量、用いる微細カーボン分散剤の種類及び添加量によって適宜決められるが、概ね10分〜5時間の処理が好ましく、10分〜3時間の処理がより好ましい。また、微細炭素繊維を1重量%以上の高濃度に分散させる場合は、アトライター、ビーズミル、サンドミル、遊星ミル等のメディア型湿式分散装置による処理が特に好適である。メディア型湿式分散装置による処理時間は処理方法、微細炭素繊維の添加量、微細カーボン分散剤の種類及び添加量によって適宜決められるが、概ね30分〜50時間の処理が好ましい。処理時間が短すぎると微細カーボンの分散が不十分となる恐れがある。また処理時間が長すぎると過度のエネルギーにより微細カーボンを傷付ける恐れがある。
本発明の微細炭素繊維分散液において、微細炭素繊維の配合量は、微細炭素繊維が均一に分散している限り特に限定されるものではないが、一般的に0.1wt%〜20wt%までの範囲で分散性や用途に応じて適宜選択される。本発明の微細炭素繊維分散液は分散性が非常に高い為、2wt%以上、より好ましくは5wt%以上の高濃度での分散が可能である。微細炭素繊維の濃度が20wt%を超える場合は分散液の粘度が高すぎるため、分散処理が困難となる。
本発明の微細炭素繊維分散液において、分散剤の添加量は、微細炭素繊維の配合量、分散剤の種類、及び用途に応じて適宜定めることができるが、一般には微細炭素繊維の重量に対して10%以上、分散媒の重量に対して20%以下であれば、微細炭素繊維を十分に分散させることができる。微細炭素繊維の重量に対して10%以下であると、微細炭素繊維表面に吸着し、分散剤として働く分散剤の量が不足するために、一部の微細炭素繊維は凝集して多くの沈殿物が生じたり、分散液の粘度が高くなったりする危険性がある。また、分散媒の重量に対して20%以上であると、分散剤の分散媒中での分子運動が困難になるために、微細炭素繊維表面に十分な量の分散剤が吸着することが困難となり、分散剤溶液の粘度が高すぎて機械的分散が困難となる。導電性を付与する為の分散液として塗膜、導電助剤、他のポリマーに添加する場合は分散性を保つ範囲で分散剤の添加量を少なくする事が好ましい。
本発明の微細炭素繊維分散液の粘度は特に限定されるものではないが、分散性を保つ範囲でなるべく低い方が応用の観点から好ましく、後述する測定方法での回転粘度が50〜500mPa・sであることが特に好ましい。分散液の粘度が高すぎる場合、塗膜にする際の塗布や、他の樹脂との混合が困難になる場合がある。また、電池用電極ペーストを得る為に他の樹脂や活物質へ混合する際に分散が不十分になる可能性や、電池用電極ペーストの粘度が高く、成形時に悪影響を及ぼす懸念がある。
本発明の微細炭素繊維分散液中の分散された微細炭素繊維のサイズは特に限定されるものではないが、微細炭素繊維一本一本が凝集する事なく孤立分散している事が好ましく、後述する測定方法でのメジアン径が0.1〜3μmである事が好ましく、0.1〜2μmであることが特に好ましい。メジアン径が3μm以下であると塗布した際に光沢を示しやすく、分散性良好な塗膜が得られる。メジアン径が大きすぎる場合は微細炭素繊維の凝集が多く、孤立分散出来ていない為、高い光沢を示す塗膜は得られない。
本発明の微細炭素繊維分散液は、電池の電極への導電性を付与するための導電助剤として好適に利用する事ができる。導電助剤として利用する際は、微細炭素繊維分散液、活物質、バインダーを直接混合して電極ペーストを作成しても良いし、微細炭素繊維分散液と活物質を配合後、常圧または減圧下で乾燥・熱処理させることにより、前記活物質が微細炭素繊維によって被覆された微細炭素繊維被覆活物質を作成し、バインダー樹脂及び分散媒と混合して電極ペーストを作成しても良い。微細炭素繊維被覆活物質を作成する場合、電気特性の向上を図る為に分散剤を焼失させることが好ましく、これによって活物質が微細炭素繊維に被覆された微細炭素繊維被覆活物質が得られる。
本発明の電極ペーストに用いる事が出来る電極活物質は特に限定されるものではないが、好ましくは10℃〜60℃の温度範囲で混合することにより、電極ペーストを好適に調製することができる。電極活物質は公知のものを好適に用いることができるが、リチウム含有金属複合酸化物、炭素粉末、ケイ素粉末、スズ粉末、またはケイ素若しくはスズを含む合金粉末が好ましい。電極ペースト中への微細炭素繊維分散液の配合量は、特に限定されないが、通常、電極活物質の固形分に対して微細炭素繊維の固形分で、0.3〜10wt%添加する事が好ましい。微細炭素繊維が少なすぎると、集電体に形成された活物質同士の導電性が発現できず、不活性な部分が多くなり、電極としての機能が不十分になることがある。また、微細炭素繊維の量が多すぎると、相対的に活物質量が減る為、結果として電池の容量が低下する。
本発明の電極ペーストに用いる事ができるバインダーは特に限定されるものではないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸、ポリビニルブチラール、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、ポリジメチルシロキサン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、スチレンブタジエンゴムなどの各種ゴム、リグニン、ペクチン、ゼラチン、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、セルロース系樹脂、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、キチン類、キトサン類、デンプンなどが挙げられる。これらバインダーは、単独使用または2種以上併用することもできる。
バインダーの配合量は特に限定されないが、通常、電極活物質の固形分に対して0.3wt%〜25wt%、より好ましくは1wt%〜10wt%以下である。バインダーが少なすぎると塗工特性が不十分であったり、電極組成物の結着が弱く、集電体から剥がれてしまったりする場合があり、バインダーが多すぎると電池特性が低下する場合がある。なお、電極ペースト中には、必要に応じて界面活性剤や粘度調整剤などの添加剤を加えることができる。
本発明の電極ペーストは、各成分を配合後、ビーズミルやボールミルなどの公知の分散混合装置によって混合させることで得られる。混合させる方法は特に限定されないが、アトライター、ビーズミル、サンドミル、遊星ミル等のメディア型湿式分散混合装置による処理や、プラネタリーミキサー、トリミックス(登録商標)、フィルミックス(登録商標)等のメディアレス分散混合装置を好適に用いる事が出来る。
本発明の電極ペーストは、アルミ箔や銅箔などの公知の集電体に塗布し、乾燥、圧密化させることでリチウムイオン電池用電極として好適に利用できる。塗布及び乾燥方法は特に限定されず、公知の方法を用いる事ができる。本発明のリチウムイオン電池用電極は、均一に分散した微細炭素繊維が活物質を均一に覆っている為、少量でも高い導電性の付与が期待できる。またそれぞれの活物質間を微細炭素繊維が繋いでいる為に活物質の高い利用効率が期待でき、充放電時の活物質の膨潤・収縮によっても活物質の孤立が起りにくい為にレート特性やサイクル特性の向上が期待される。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例、および各比較例で用いた微細炭素繊維(多層カーボンナノチューブ)について、蛍光X線(XRF)分析(Spectris PANalytical社製蛍光X線分析装置:型式PW2400 を用いて測定)による微量元素含有量およびDBP吸油量を表1に示す。表1における「−」は非検出を示す。微量元素の相違は微細炭素繊維の製造時に用いられる触媒の違いに基づくと推測される。なお、実施例1〜3および比較例7における微細炭素繊維は、宇部興産株式会社製AMC(登録商標)を用いた。その他の微細炭素繊維は、市販のものを用いた。
〔DBP吸油量の測定〕
未分散の各微細炭素繊維のDBP吸油量を測定した。測定はJIS K 6217−4 ゴム用カーボンブラック−基本特性−第4部:オイル吸油量の求め方 を参考に、ブラベンダー社製 アブソープトメーターC型を用いて、回転翼125rpm、DBP滴下速度4.0ml/min.の条件で実施し、DBP吸油量の値は最大トルクの70%値を指標とした。なお、試料重量は各微細炭素繊維でかさ密度が大きく異なっていたため、実施例1の微細炭素繊維5gの容積を標準に、混合室を十分に満たす重量で測定を行った。
〔分散液中の微細炭素繊維の粒径測定〕
得られた微細炭素繊維分散液の微細炭素繊維の粒径をレーザー回折法により測定した。測定は堀場製作所製LA−950V2を用いて、体積基準50%径(メジアン径(D50))及び体積基準90%径(D90)を評価の指標とした。
〔微細炭素繊維分散液の粘度測定〕
得られた微細炭素繊維分散液の回転粘度を測定した。測定はTOKIMEC社製の回転粘度計でコーン角1.34°、半径24mmのコーンプレートを用いて、10rpm(ずり速度44.8s−1)での測定値を粘度の指標とした。
以下、実施例1〜3および比較例1〜8の微細炭素繊維を用いて得られた分散液の粒径および粘度等を表2に示す。
〔実施例1〕
分散剤としてポリビニルピロリドン(PVP)Luvitec(登録商標) K30を1.25wt%溶解したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液29.25gと、実施例1の微細炭素繊維0.75gとを1mmのジルコニア(ZrO2)ビーズ50gと共に遊星ミル(フリッチュ社製P−5)のジルコニア容器に投入し、室温、ポット回転数350rpmで8時間分散処理し、2.5wt%の微細炭素繊維分散液を得た。実施例1の微細炭素繊維を用いた分散液は、粒径も小さく分散性が良好で、粘度の低い分散液が得られることがわかった。
〔比較例1〜6〕
実施例1の微細炭素繊維に代えて比較例1〜6それぞれの微細炭素繊維を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い微細炭素繊維分散液を得た。DBP吸油量の大きい比較例1〜6の微細炭素繊維を用いた微細炭素繊維分散液は、粒径も大きく分散性は不良であり、分散液の粘度も高いことが示された。
〔比較例7〕
分散剤を用いない以外は、実施例1と同様の操作を行い微細炭素繊維分散液を得た。分散剤を添加せずに分散媒中で微細炭素繊維を分散処理した微細炭素繊維分散液は、粒径も大きく分散性は不良であり、分散液の粘度も高いことが示された。
〔実施例2〕
分散剤としてポリビニルピロリドン(PVP)Kollidon(登録商標) 25 を2.5wt%溶解したNMP溶液475gと、実施例1の微細炭素繊維25gとを混合し、浅田鉄工株式会社製ビーズミルPCM−Lを用いて2時間分散処理し、5wt%の微細炭素繊維分散液を得た。メディアは0.3mmのジルコニア(ZrO2)ビーズを用い、周速10m/sで分散処理を行った。DBP吸油量の低い実施例1の微細炭素繊維を用いた分散液は、粒径も小さく分散性が良好で、粘度の低い分散液が得られることがわかった。また、得られた微細炭素繊維分散液をバーコーターでPETフィルム上に塗布して80℃で1時間乾燥させたところ、塗膜は光沢を示しており、微細炭素繊維の高い分散性が示された。
〔実施例3〕
分散剤としてポリビニルピロリドン(PVP)Kollidon(登録商標) 25を1.25wt%溶解したイオン交換水溶液475gと、実施例1の微細炭素繊維25gとを混合し、浅田鉄工株式会社製循環型ビーズミルPCM−Lを用いて2時間分散処理し、5wt%の微細炭素繊維分散液を得た。メディアは0.3mmのジルコニア(ZrO2)ビーズを用い、周速10m/sで分散処理を行った。得られた分散液の粒径、粘度を表1に示す。溶媒として水を用いた場合もDBP吸油量の低い実施例1の微細炭素繊維を用いた分散液は、粒径も小さく分散性が良好で、粘度の低い分散液が得られることがわかった。また、得られた微細炭素繊維分散液をバーコーターでPETフィルム上に塗布して80℃で1時間乾燥させたところ、塗膜は光沢を示しており、微細炭素繊維の高い分散性が示された。
〔比較例8、9〕
実施例2の微細炭素繊維に代えて比較例8,9それぞれの微細炭素繊維を用いた以外は実施例2と同様の操作を行った。しかし、分散処理中に粘度が急上昇してチキソ性のゲル状になり、送液不良が起こって分散処理を継続する事が出来なかった。そのため、体積基準50%径(メジアン径(D50))及び体積基準90%径(D90)の測定は行っていない。回収したゲル状物をバーコーターでPETフィルム上に塗布して80℃で1時間乾燥させたところ、塗膜はザラザラで光沢を示さず、分散性が不良である事が示された。DBP吸油量の大きい微細炭素繊維を用いて分散液を得る場合、高濃度では分散処理時の粘度上昇が非常に大きく、循環型ビーズミルで処理する事が困難である事が示された。
〔実施例4〕
セルシード(登録商標)C−5H(コバルト酸リチウム、日本化学工業社製、平均粒径5μm)4.65g(固形分93wt%)と、実施例3で得られた微細炭素繊維分散液2g(固形分2wt%)と、ポリフッ化ビニリデンの12wt%NMP溶液を2.08g(固形分5wt%)を10mmのビーズ4個と共に遊星ミル(フリッチュ社製P−5)のジルコニア容器に投入し、室温、ポット回転数350rpmで10分間混合し、リチウムイオン電池正極用電極ペーストを得た。得られた電極ペーストをアルミ箔上に塗布し、常圧、120℃で30分間乾燥後、減圧下、120℃で2時間乾燥した。得られた塗膜を室温下、油圧プレス機を用いて5MPaで5分間圧密化処理し、リチウムイオン電池用電極(正極)を得た。得られた電極の走査型電子顕微鏡(SEM)像を図3に示す。本発明で得られた微細炭素繊維分散液を用いて作成した電極は、微細炭素繊維が活物質を均一に覆って活物質同士をつないでおり、電極全体にわたって高い導電性が示唆される。このことから、充放電時も活物質同士が孤立する事無く、活物質間の導電性の担保により容量低下の抑制効果が期待される。
本発明の微細炭素繊維分散液は、高濃度かつ均一に微細炭素繊維が分散した分散液である。本発明の微細炭素繊維分散液は、高濃度添加が求められる分野や均一な分散性が求められる分野に好適に利用できる。また、分散液の高濃度化によって微細炭素繊維の固形分を多くする事が出来る為、溶媒のコストや分散液の輸送コストを低減することができる。さらに、本発明の微細炭素繊維分散液を導電助剤として用いることで、微細炭素繊維が均一に分散した電池用電極ペースト及び微細炭素によって均一に被覆された活物質を得ることできる。本発明で得られる電極ペーストや微細炭素被覆活物質は、導電性良好な微細炭素繊維が均一に分散・被覆しており、高い導電性付与性能や、充放電サイクル時の活物質の孤立化による容量低下の抑制効果が期待されるため、各種電池の電極等に好適に用いることができる。本発明の微細炭素繊維分散液は、他の樹脂または金属と混練し、微細炭素繊維と樹脂または金属との複合体としても用いる事が可能である。本発明の微細炭素繊維分散液は、リチウムイオン電池、燃料電池、キャパシタ等の電極用途の他、水素吸蔵材料、LSI配線、太陽電池、透明導電膜、帯電防止コーティング、機械的強度向上用途、熱伝導性向上用途等にも好適に利用できる。

Claims (6)

  1. 平均直径が5〜20nmかつDBP吸油量が250〜360ml/100gである微細炭素繊維と、分散媒と、分散剤からなり、
    前記微細炭素繊維を0.1〜20wt%含み、かつ回転粘度が50〜500mPa・sであり、
    前記分散剤はポリビニルピロリドンであること
    を特徴とする微細炭素分散液。
  2. 分散された前記微細炭素繊維のメジアン径が0.1μm〜3μmであること
    を特徴とする請求項1に記載の微細炭素繊維分散液。
  3. 前記微細炭素繊維が、炭素原子のみから構成されるグラファイト網面が、閉じた頭頂部と下部が開いた胴部とを有する釣鐘状構造単位を形成し、前記胴部の母線と繊維軸とのなす角θが15°より小さく、前記釣鐘状構造単位が、中心軸を共有して2〜30個積み重なって集合体を形成し、前記集合体が、Head−to−Tail様式で間隔をもって連結して繊維を形成している微細炭素繊維であること
    を特徴とする請求項1または2に記載の微細炭素繊維分散液。
  4. マグネシウムが置換固溶したコバルトのスピネル型酸化物を含む触媒上に、CO及びH2を含む混合ガスを供給して反応させて製造された平均直径が5〜20nmかつDBP吸油量が250〜360ml/100gである微細炭素繊維と、分散媒と、分散剤とを混合し、超音波処理及び/又は撹拌・粉砕処理を行なうことで得られる微細炭素繊維分散液の製造方法であって、
    前記微細炭素繊維を0.1〜20wt%含み、かつ回転粘度が50〜500mPa・sであり、
    前記分散剤はポリビニルピロリドンであること
    を特徴とする微細炭素繊維分散液の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の前記微細炭素繊維分散液と、活物質及びバインダーを含むこと
    を特徴とする電極ペースト。
  6. 請求項5に記載の前記電極ペーストを用いて作成されること
    を特徴とするリチウムイオン電池用電極。
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